2016 年度 国 語

2016 年度
国 語
■ 大学・学部(日程):九州大学・文学部(前期)
■ 出題構成(時間/配点):120 分/150 点
大問
一
二
三
四
ジャンル
現代文・評論
古文・物語
古文・日記
漢文・散文
出典
檜垣立哉『賭博/偶然の哲学』
『有明の別れ』
『弁内侍日記』
劉基『郁離子』
字数
約 3300 字
約 1400 字
約 740 字
約 200 字
難易度
やや難
やや難
標準
標準
変化
↑
↑
↓
→
※難易度変化…↑難化/→昨年並み/↓易化
※難易度は九州大受験生を母集団とする基準で判定しています。
■ 出題傾向:
・現代文1題・古文2題・漢文1題と,古文が2題出題される特徴的な構成は例年通り。古典的素
養のある学生を募りたいという文学部の意図が見て取れる。
・文学部の出題は大問数(4問)・試験時間(120 分)ともに,教育,法,経済(経済・経営)学部
と違いはないものの,配点が他学部の 200 点満点と異なり 150 点満点である。内訳は,現代文・
漢文は 45 点,古文は2題とも 30 点満点となっている。
・設問は,多くが記述式で,字数指定のある設問は少ないものの,全体的に記述量が多い。
・現代文問題文の難易は年度によって変わるが,設問の難度自体は標準的なレベル。ただし,試験
時間に比して記述分量が多く負担が重い。
・古典は古文・漢文ともに,文法・句形問題から,現代語訳・解釈問題・文学史まで多岐にわたっ
て出題される。
■ 2016 年度入試の特記事項:
・現代文は,2015 年度よりも文章の内容が難化した。同著者の別出典を 2015 年度 Z 会通信教育「難
関国公立コース 九大国語」2 月 1 回目で出題していた。2016 年度は字数制限のある設問がなか
ったが,2014 年までは例年 30~90 字程度の指定のある設問が数問出題されていたので,字数制限
のある出題も想定しておくとよい。
・古文(二)は,教育,法,経済学部の古文(三)と問題文・設問数は同じだが,設問箇所が多少
異なる。細かな知識を要する文学史が出題されるなど,2015 年度よりもやや難化した。
・文学部のみ出題の古文(三)は,若干分量が減少し,共通問題の古文(二)よりも易しかった。
・漢文は,教育,法,経済学部の漢文と同じ問題文で,字数が 2014 年度の約 180 字から約 200 字へ
と増加し,文学部は設問数も6問から7問に増加した。心情や考えを問う設問の多いところが,
文学部の特徴といえる。例年出題されてきた文学史的知識は,今年は問われなかった。
■ 求められる力とその養成:
・試験時間内に効率よく対応できるか否かが合否を分けるので,現代文・古文・漢文とも,日頃か
ら数多くの文章に取り組み,速読・速解力を身につけておくことが大切。また,限られた試験時
間内に答案を的確にまとめる記述力も重要。
・現代文は,抽象的な内容の文章が出題されやすいので,普段から思想や哲学を論じる文章になる
べく多く接し,抽象的な議論に慣れておきたい。
・古文・漢文はともに,知識・読解の総合的な力で差がつくので,単語・文法・古典常識・和歌の
修辞技法といった基礎事項と,現代語訳・書き下しなどに必要な記述力の両面から,しっかり対
策を講じたい。文学史は,最低限国語便覧などには目を通しておきたいが,できれば普段の読書
から幅広く教養を高めておいてほしい。