12 月 8 日フィリピン CEO 商談会 参加企業ご紹介 参加企業のうち

12 月 8 日フィリピン CEO 商談会 参加企業ご紹介
産業、次に半導体を利用した電化製品産業、そして航空機産業。航空機産
参加企業のうちフィリピンの航空機産業を代表する2社を現地に訪問し、
業は取引が決まると、材料手配から機械加工、出荷に至るまでの工程設計
お話を伺ってきました。フィリピン航空機産業協会の会長企業と副会長企
を計画して設備拡大の投資をしていかなくてはなりません。その他電機、
業で、両社とも急成長企業です。
(訪問日 2016 年 11 月 11 日(金))
エネルギー、レストランの厨房機器などの分野にも部品を供給しており、
あわせてフィリピンの経済成長に影響を受けているかのように加速する
PH02 アプライド・マシニング
企業成長をバランスさせながら顧客の満足へ対応することが課題であり、
APPLIED MACHINING CORPORATION
ジョン・T・リー社長
対応策として同業企業とパートナーシップを構築し、外注生産での協力を
受けています。
航空機関係では、アクチュエーターの部品を製造しています。我々は
Tire2 として、メーカーに部品を納めています。航空機産業では主に米国
系航空機と欧州系航空機のマーケットシェアが大きいですが、当社で加工
された部品はどちらにも供給されています。
2012 年にフィリピン航
空機産業協会を創設し、
会長職を務めています。
政府の協力を得ながらフ
ィリピンでのサプライチ
ェーンの構築に力を入れ
ています。
当社は様々な分野で成長
しています。まず自動車
当社の優位性は最新の設備を使
用していることです。例として
XRF 合金分析装置は他社では通
常は保有していませんが、こう
いった設備も積極的に導入して
います。三次元測定機に関して
も通常1台2台でしょうが、当
社は6台保有しています。
希望する連携の形は、フィリピンで部品加工を行い、日本でアセンブリを
する形ですね。日本は少子高齢化ですから、海外進出を考える方が多いと
思います。進出先として、フィリピンにはアジアの他の国より比較優位が
あります。自由貿易協定もありますし。
現在、徒歩 5 分程度のところに 1ha 程度の新工場を建設中です。2018
年稼働予定ですが、今は為替(ペソ・円)も良いので、機械を日本から導
入するにも良い時期です。
人材育成が重要なので、研修・トレーニングを実施しています。長く続け
られる良い人材だけを厳選するため、職業訓練学校の卒業生を採用するの
ですが、採用直後に一週間の研修を、その後数ヶ月おきの研修を実施する
プログラムで育成しています。様々な職業学校から採用しており、学校ご
とのバラつきはあるものの、本採用は 10 名中 3 名程度ということもあり
ます。面談なども行い、人は厳選しています。新しい工場には、より充実
したトレーニング施設を設ける予定です。
―――アプライド・マシニングを訪問したのは午前でしたが、リー社長は、
私たちの訪問の前には航空機分野での顧客先や日系企業を含む複数分野
のサプライヤーも交えた会合に出られており、インタビュー後には米国か
らまた別の航空機分野での顧客先の訪問を控えているなど、大変ご多忙な
様子をうかがい知ることができました。
終始笑顔で工場を案内してくださった 31 歳の若い生産管理マネジャーは、
アプライド・マシニングの前身の企業から社長に仕えているとのことでし
たが、「社長は忙しそうですが、いかがですか?」と訊いてみたところ、
「社長は我々スタッフのことをしっかり考えてくれる。」と満足そうに話
してくれて、人材を大切にする会社との印象を深くしました。
米国で完成されて販売されています。
PH01 フェイマス・シークレット
FAMOUS SECRET PRECISION MACHINING INC.
イアン・M・トンプソン副社長および安達秀彦顧問
医療機器では日本のメーカーに手術用の酸素供給器の部品などを納入し
ていますが、加工精度だけでなくバリや汚れなどの除去が必要になります。
※商談会にはデニス・チャン社長(フィリピン航空機産業協会の副会長)
航空機業界とは違った要求に対応する必要があり、気が抜けません。
が参加予定です。
当社が急成長してこられた理由は、技術の蓄積に応じて、社長が適切で大
胆な投資を行ってきたことです。多くの危機を乗り切って来ました。また
当社は 1949 年に CNC1 台で自転車部品を製造するところから始め、自
日本の大手自動車メーカーからの大型発注を請け負ったことが内部留保
動二輪車、自動車と徐々に事業を拡大して、現在は CNC250 台を保有し
を蓄積し、規模拡大の大きなきっかけになりました。
航空機産業分野にも進出しています。航空機関係では英国系エンジンメー
日本企業との連携では、フィリピンだけでなく、アセアン・中国の企業を
カーなどに機械加工部品を供給している Tier2の製造会社です。
含め、広い視野でサプライチェーンを組むことが可能でしょう。その中で、
主要供給産業は、自動二輪・自動車産業・航空機産業のほか医療機器部品
日本企業が得意とする分
も加工供給。日本の加工機と検査機器を多数保有しており、高い精度への
野・工程を見極め、より効
対応が可能です。また、工場内では多品種少量生産と大量生産と異なった
果的・効率的な連携ができ
性質の生産工程に対応
ると考えています。
できるよう、オペレーシ
当社には技術アドバイザー
ョンを分けています。
として日本人2名、英国人
売上ベースで大きいも
2名、華人がおりますので、
のではありませんが、セ
日本系企業、英語圏企業、
スナの組み立てもして
中華系企業との連携もスムーズに行うことが可能です。
います。生産量は週4機
で、半製品まで加工、組
み立てをして、出荷先の
―――フェイマス・シークレットでは、検査部門の機材・スタッフを充実
させていることや、加工機械ごとの設計思想の違いからくる機械自体の剛
性や特徴の違いを見極めて、機械を使い分けるなど、生産性向上のための
取組姿勢が印象的でした。
また、英国系エンジンメーカー技術者ご出身のトンプソン副社長と日本人
技術者の安達顧問が、素晴らしいチームワークで同社の説明をしてくださ
いました。異なる専門分野・バックグラウンドを持つ専門家たちを活用し、
同社を拡大してきたチャン社長の来日が楽しみです。
両社ともに工場を見学させていただきましたが、林立する加工機械の間に
数多くのワーカーが働いており、研修生、正規雇用、契約ワーカーと色分
けされたユニフォームを着て、それぞれの持ち場でてきぱきと仕事をこな
していました。フィリピンは国民の平均年齢が23才ということですが、
工場の現場で目につくのも若いワーカーばかりで、フィリピン航空機産業
の活気を感じることができました。