Osaka University Hospital 材 料 部 １．スタッフ 部長（兼）病院教授 る。このシステムを用いることで、手術器械の使 高階 用履歴が患者情報に連携して保管されるだけでな 雅紀 その他、副部長 1 名、主任技術専門職員 1 名、技術職 く、洗浄方法や滅菌方法の確認や滅菌期限の管理 員1名 等の資産管理が可能となった。 3）消化管用内視鏡･気管支内視鏡等の再生処理 ２．業務内容 従来から対応していた、診断・処置・検査に使用 病院内において、手術、処置及び検査に使用され された年間約 11,220 本の消化管用内視鏡と気管支 た剪刀（ハサミ）や鑷子（ピンセット）などの各種鋼 内視鏡に加えて、耳鼻咽喉科・頭頸部外科用の喉 製小物には、血液などの感染性を有する体液が必ず付 頭内視鏡の洗浄と消毒を開始し、平成 27 年には放 着している。気管支内視鏡や消化管用内視鏡等につい 射線、泌尿器外来で、平成 28 年には各病棟、部署 ても同様である。病院内感染を防止するために、これ も開始し、ほぼ中央処理化したため年間処理本数 らの再使用器具・器械を高度な専門技術を用いて洗浄 は 20,000 本を超えている。再生処理装置は恒温槽 し、さらに滅菌の品質を確実に保証した再生処理を実 （4 台）、吸引式洗浄器（5 台） 、富士フイルム社製 施している。 洗浄・消毒器（13 台）である。 また、プラスチック製注射器、ガーゼ、各種カテ また、消毒薬（過酢酸）については専用の測定器 ーテルなどの滅菌済み医療材料は手術や処置に不可 を用いて有効濃度の確認を実施している。上部消 欠であり、これらの安定した供給と管理に努めている。 化管用、下部消化管用及び気管支内視鏡と喉頭内 視鏡ごとに「前処理流し・恒温槽・吸引式洗浄器・ ３．業務の詳細 洗浄消毒器」を 1 ユニットとして設定し、交差感 (1) 再使用器具・器械の洗浄・消毒・滅菌 染を防止している。 1）病棟･外来･センター･部に対して 当部が保有し、各部署に払い出しを行っている剪 1） ・2）の器具、器械に対し、高圧蒸気滅菌器 7 台、 刀や鑷子などの各種鋼製小物の洗浄と滅菌及び各 酸化エチレンガス滅菌器 1 台及び過酸化水素低温ガ 部署保有の器具・器械の依頼滅菌を実施している。 スプラズマ滅菌器 3 台にて滅菌を実施している。滅菌 平成 21 年 4 月より、従来は各部署にて看護師・ の品質保証については、空気排除の確認（ボウイーデ 看護助手が行っていた汚染器具・器械の再生処理 ックテスト）、化学的インジケータ、生物学的インジ を当部で一括して実施している。当部による一括 ケータにて行っている。また、平成 26 年 1 月からは 処理は、洗浄と滅菌の品質を保証し患者の安全を 低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌器（LTSF)を導入し、 図りながら、病院職員のマンパワーの有効活用も バリデーションの終了したものから順次滅菌対象物 可能となる優れた方式である。 を拡大している。 平成 22 年度には、作業エリアの改装を完了し、 新規にウォッシャーディスインフェクター 2 台と 超音波洗浄機能付きの専用流し台 2 台を導入した。 (2) 滅菌済み医療材料の管理･供給 1）品目 平成 27 年度取り扱い品目は約 2,700 品目（在庫： 平成 24、25 年度には減圧沸騰式洗浄器を１台ずつ 計 2 台と RO 製造装置が導入され、従来以上に品質 約 1,400、非在庫：約 1,300）である。 の高い器材再生処理が可能となっている。 2）回収･供給 病棟･外来･センター･部ともに、平均 2 回/週で 2）手術使用器械 ある。また、オンコロジーセンター、ICU、血液浄 年間約 10,000 件に及ぶ手術においては多種多様 かつ多量の鋼製小物が使用される。血液や微細組 化部の増床のため、供給及び在庫数が増えた。 織などが付着したこれらの器械をシャワー洗浄・ 3）新規採用、在庫削除 ディスポーザブル医療材料委員会（4 回/年、開 超音波洗浄・用手洗浄を組み合わせて洗浄し、滅 菌を実施している。さらに、平成 22 年度からは、 催）にて承認された品目である。 2 次元コードを用いた器材管理システムを稼働さ 4）定数見直し せ、手術用器械のトレーサビリティを確立してい － 100 － 各部署に対しては払い出し実績に基づき、定期的 材料部 に定数見直しへの協力を求めている。 平成 27 年度ディスポ医療材料払い出し金額及び棚卸金額 臨時払い出し金額 平成 27 年度払い出し金額 （単位：円） 251,402,824 662,772,352 ディスポ室在庫金額 33,543,522 合計 24,311,916 累計・回 月別・回 洗浄消毒装置 合計 411,369,528 部署定数在庫金額 平成 27 年度 3 月末棚卸し金額 （単位：円） 累計・回 定数払い出し金額 57,855,438 月別・回 高圧蒸気滅菌装置 1000 8000 12000 900 10000 800 7000 700 6000 600 5000 500 4000 400 3000 300 2000 200 1000 100 800 700 8000 600 500 6000 400 4000 300 200 2000 100 0 0 ４月 ５月 ６月 ７月 ８月 ９月 １０月１１月１２月 １月 0 0 ２月 ３月 ４月 ５月 ６月 洗浄消毒装置・累計 ウォッシャー・ディスインフェクター 減圧沸騰式洗浄消毒装置 ９月 １０月１１月１２月 １月 高圧蒸気滅菌装置・累計 EOG・LTSF滅菌装置 累計・回 ７月 ８月 月別・回 累計・回 500 50 2000 400 40 300 30 ２月 ３月 高圧蒸気滅菌装置 月別・回 100 低温ガスプラズマ滅菌装置 80 1500 60 1000 200 20 100 10 0 ４月 ５月 ６月 ７月 ８月 ９月 ガス滅菌装置・累計 １０月 １１月 １２月 LTSF １月 累計・本数 ２月 ３月 EOG 0 40 500 20 0 0 ４月 ５月 ６月 ７月 ８月 ９月 １０月 １１月 １２月 １月 ２月 低温ガスプラズマ滅菌装置・累計 ステラッド200 ステラッド100S ステラッドNX ３月 月別・本数 軟性内視鏡洗浄消毒装置 700 20000 600 15000 500 400 10000 300 200 5000 100 0 ４月 ５月 ６月 軟性内視鏡洗浄消毒装置・累計 耳鼻科 手術部 ７月 ８月 上部消化管 婦人科 東１３ ９月 １０月 １１月 下部消化管 放射線科 東６ － 101 － １２月 １月 ２月 気管支 泌尿器 ３月 0
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