2016/ マーケット・フォーカス 11/21 投資情報部 シニアコモディティアナリスト 津賀田 真紀子 商品:原油 固唾を飲んで見守るOPEC総会の行方 ドル高が下押し圧力に。新興国通貨安の影響により新興国経済の先行き不安も増加 11月末のOPEC定時総会での減産枠組み決定は困難か 米国内の石油掘削装置の稼働数は今年5月以降、回復傾向が続く 12月の米追加利上げを 原油相場の上値が重い。国際指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト 意識したドル高が下押 (WTI)原油先物の11/18の終値は、1バレル=45.69ドルであった。前週末比では5.25% の上昇となっているが、相場に明確な方向性は出ていない。 し圧力に 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が11/17の議会証言で12月の利上げを示 唆したことからドルが主要通貨に対して上げ幅を拡大。ドル建てで取引される原油の 割高感が意識され、下押し圧力がかかりやすい状況となっているためだ。また、ドル 高・新興国通貨安の影響により新興国経済の先行き不安が増しており、この面からリス ク回避につながっていく可能性にも注意が必要だろう。 なお、今後の相場動向は11/30に開催予定の石油輸出国機構(OPEC)総会の決議 内容次第となる。今回の総会では、9/28の臨時総会で暫定合意された減産について 各産油国の生産枠組みが決定される見込みとなっており、これに先駆け、サウジアラ ビアなど一部の加盟国とロシアは先週17日から18日にかけてカタールの首都ドーハで 会談し、生産制限に向けて最終的な調整を行った。サウジアラビアのエネルギー産 原油価格動向 W T I原油先物価格とドルインデックス 2016/11/7 期間 WTI 北海 ブレント (1バレル=ドル) ~ ~ 2016/11/14 (週次:2014/1/3~2016/11/18) 120 前週比 76 110 WTI原油先物(左目盛) 78 ドルインデックス(右逆目盛) 80 2016/11/18 2016/11/11 始値 43.20 44.45 ▲ 1.25 100 高値 46.58 45.95 0.63 90 84 86 82 安値 42.20 43.03 ▲ 0.83 80 終値 45.69 43.41 2.28 70 始値 44.54 45.70 ▲ 1.16 60 92 0.67 50 94 高値 47.62 46.95 安値 43.57 44.19 ▲ 0.62 40 終値 46.86 44.75 2.11 30 88 90 96 98 100 20 14/1 (注)価格は 1 バレル=ドル 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 14/7 15/1 15/7 16/1 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1 16/7 102 (年/月) 2016/11/21 マーケット・フォーカス OPEC 総会での減産 枠組み合意は困難か 業鉱物資源相は「生産調整が実現すると楽観視している」と述べたとされるが、仮に枠 組みが合意されたとしても、実際に減産が順守されるかどうかは別問題であり、市場参 加者の不安を誘っている。そもそも、生産量を日量 3,250 万~3,300 万バレルに落とし たところで、世界需給を改善することは難しく、2017 年も供給過剰の状態が続くと予想 されている。 トランプ次期大統領が表明しているエネルギー政策も弱材料だ。トランプ氏は米国を エネルギー自立できる国にするため、国内の石油ガス開発を促進すべく、連邦政府管 轄の土地を開放すると述べている。これは、シェール関連業者の開発活動を活発化さ せ、米国内のみならず、世界需給を一段と緩和させる可能性がある。 ベーカー・ヒューズ社が毎週発表する石油掘削リグ稼働数は、米国のシェールオイル 生産の先行指標とされているが、11/18 時点の稼働数は 471 基と、5 月の最低値から 155 基(49%)も増加している。OPEC 総会の結果次第ではあるが、弱材料が多い状況 を鑑みると、当面、原油価格の本格的な反転は期待し難いと考えられる。 世界原油需給 OPEC 原油生産量 (百万バレル/日) (百万バレル/日) 34.0 9/28 の臨時総会で 合意された 生産量の範囲 33.5 33.0 32.5 2016年 32.0 過去3年最多 31.5 過去3年平均 31.0 過去3年最少 (四半期:2013/3~2017/12) (百万バレル/日) 98 3 96 2 94 1 92 0 30.5 30.0 90 29.0 88 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 (月) 13/3 米国原油生産量 15/3 16/3 ▲2 (年/月) 17/3 C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格 (週次:2015/7/3~2016/11/18) (基) 750 9,800 米国原油生産量(左目盛) リグ稼働数(右目盛) 9,600 14/3 (注)2016 年第 4 四半期以降の需要は OPEC 予想 出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成 出所:OPEC 月報よりみずほ証券作成 (千バレル/日) ▲1 過不足(右目盛) 需要(左目盛) 供給(左目盛) 29.5 (週次:2015/1/6~2016/11/18) (万枚) (1バレル=ドル) 45 65 700 買残-売残(左目盛) 40 650 WTI原油先物(右目盛) 9,400 600 9,200 35 45 30 500 40 450 8,800 25 35 400 30 8,600 20 350 8,400 25 300 8,200 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 16/10 55 50 550 9,000 60 15 20 15/1 250 (年/月) 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 16/10 (年/月) (注)CFTC 非商業部門建玉は 11/15 現在 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 (注)米国原油生産量は 11/11 現在 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2016/11/21 マーケット・フォーカス ■ エネルギー関連統計 日付 国・地域 11 月 21 日 11 月 21 日 11 月 21 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 中国 中国 中国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 イベント ディーゼル輸出量(トン) 天然ガス輸入量(トン) LNG 輸入量(トン) 米国原油在庫(前週比・千バレル) オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル) 米国ガソリン在庫(前週比・千バレル) 米国中間留分在庫(前週比・千バレル) 米国製油所稼働率(前週比) 米国原油推定需要(千バレル/日) 米国ガソリン推定需要(千バレル/日) 米国留出燃料推定需要(千バレル/日) ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数 ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数 ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数 期間 前回 10 月 10 月 10 月 11 月 18 日 11 月 18 日 11 月 18 日 11 月 18 日 11 月 18 日 11 月 18 日 11 月 18 日 11 月 18 日 11 月 25 日 11 月 25 日 11 月 25 日 1,600,000 3,210,000 2,530,000 5,274,000 691,000 746,000 310,000 2.1% 16,351 10,319 5,108.7 588 116 471 ■ 今週の経済指標 日付 国・地域 11 月 21 日 11 月 22 日 11 月 22 日 11 月 22 日 11 月 22 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 23 日 11 月 25 日 11 月 25 日 11 月 25 日 11 月 25 日 11 月 25 日 米国 米国 欧州 米国 米国 欧州 欧州 欧州 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 中国 米国 米国 米国 米国 米国 イベント シカゴ連銀全米活動指数 リッチモンド連銀製造業指数 消費者信頼感 中古住宅販売件数 中古住宅販売件数(前月比) マークイット ユーロ圏製造業 PMI マークイット ユーロ圏サービス業 PMI マークイット ユーロ圏コンポジット PMI MBA 住宅ローン申請指数 耐久財受注(前月比) 耐久財受注(除輸送用機器) 製造業受注-資本財(非国防/除航空機) 製造業出荷-資本財(非国防/除航空機) 新規失業保険申請件数 失業保険継続受給者数 住宅価格(購入)指数(前期比) FHFA 住宅価格指数(前月比) マークイット米国製造業 PMI 新築住宅販売件数 新築住宅販売件数(前月比) ミシガン大学消費者マインド FOMC 議事録 SWIFT グローバル支払 CNY 前渡商品貿易収支 卸売在庫(前月比) 小売在庫前月比 マークイット米国サービス業 PMI マークイット米国コンポジット PMI 期間 10 月 11 月 11 月 1 次速報 10 月 10 月 11 月 速報 11 月 速報 11 月 速報 11 月 18 日 10 月 速報 10 月 速報 10 月 速報 10 月 速報 11 月 19 日 11 月 12 日 7-9 月期 9月 11 月 速報 10 月 10 月 11 月 確報 11 月 2 日 10 月 10 月 10 月 速報 10 月 11 月 速報 11 月 速報 前回 ▲0.14 ▲4.0 ▲8.0 5,470,000 3.2% 53.5 52.8 53.3 ▲9.2% ▲0.3% 0.1% ▲1.3% 0.40% 235,000 1,977,000 1.2% 0.7% 53.4 593,000 3.1% 91.6 2.03% ▲56,100,000,000 0.1% 0.3% 54.8 54.9 (注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33 2016/11/21 金融商品取引法に係る重要事項 マーケット・フォーカス ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-161121-17 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 44
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