【株式相場レポート】 ~円安と資源高がけん引

平成28年11月25日
松井証券ストラテジスト 田村晋一
【株式相場レポート】
~円安と資源高がけん引~
今週の総括
25日終値
前週末比
日経平均 (円)
18,381.22
+413.81
ドル (円)
113.36-37
+2.66
NYダウ (ドル)
19,083.18
+215.25
長期金利 (%)
0.03
-0.014
NY原油 (ドル)
47.96
+2.27
※NYダウ・NY原油は23日終値、ドル・長期金利は25日15時現在
★円安進行に加えて資源高も加わり、利益確定・循環物色の動きを伴いながら続伸
今週のプラス材料
今週のマイナス材料
・米株高・米長期金利高を背景とした円安がさらに進行
・新興国通貨安継続
・原油価格上昇
・米トランプ次期大統領がTPP離脱を表明
・銅や石炭などの資源価格の高値継続
今週も、「トランプ相場」が継続、日経平均は続伸した。
米トランプ新政権への期待を背景にした米国市場の株価と長期金利の上昇は今週も続き、それを受けて円
安も一段と進行した。さらには原油に加えて、石炭や銅などの資源価格の上昇も続いた。これを受けて、週
前半は資源株、週後半は輸出株の上昇が目立った。
一方で、医薬品、化学、運輸が弱く、週前半は堅調だった銀行株も25日に大きく下落した。円安・原油高を
背景に、上期決算が好調だった業種から、輸出株などの下期決算で回復が期待できる業種へのシフトと、
銀行株を中心に直近の株価上昇率が高い銘柄への利益確定との2種類の動きが感じられる。
来週以降の見通し
★OPEC総会と銀行株に注目
想定レンジ
18,100~18,800円
来週以降の注目材料
リスク要因
・OPEC総会で減産合意できるかどうか
・原油価格の乱高下(次回OPEC総会は11月末)
・メガバンク株の動き
・為替市場の乱高下
・米FRB年内利上げの可能性(次回FOMCは12/14)
・メガバンク株価のピークアウト
・米新政権の経済政策などへの報道
米新政権への期待をベースにした「ハネムーン相場」が年内は続くとの見方を継続する。
繰り返すが、米新政権の経済政策に関し、具体的な数字を含めた決定はまだ先の話。今週はトランプ氏の
TPP離脱発言があったが、それもまだ米国政府の正式な決定事項ではない。確定事項が無い間は、期待を
背景に市場価格がオーバーシュートしやすいのは市場の特性であり、もうしばらく高値が続く可能性がある。
それよりも気になるのは銀行株の動き。25日の下落は、利益確定と国内長期金利との連動性が指摘できる。
しかし、より重要なのは、過去の株価ラリーにおいて、銀行株は「先行して上がり、先にピークを付ける」パ
ターンが多いことだ。古くはITバブル相場、05年夏以降の踊り場脱却宣言・郵政選挙自民党大勝から日銀
ゼロ金利解除に至る相場。直近では13年前半のアベノミクス相場初期、15年春なども銀行株が株式市場全
体よりも先にピークを付けた。25日がその前兆だったかどうか、来週の銀行株の動きに注目したい。
来週はOPEC総会がある。市場の期待通りに減産で合意できれば、原油価格上昇(1バレル50ドル超え)を伴
い株価の下支え要因となろう。その次の材料は12/14深夜の米FOMCだが、利上げを発表した場合、来年以
降の利上げ見通し次第で、株価が一旦ピークを付ける可能性もあると見ている。
平成27年8月26日
松井証券ストラテジスト 田村晋一
来週・再来週の主なイベントカレンダー
国内
海外
28(月)
29(火)
有効求人倍率、失業率:10月
米ケース・シラー住宅価格指数:9月
家計調査:10月
30(水)
鉱工業生産:10月
OPEC総会
住宅着工統計:10月
EU消費者物価指数:11月
日銀貸出約定平均金利:10月
米個人消費支出:10月
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
12/1(木)
法人企業統計:7-9月
米ISM製造業景況指数:11月
EU失業率:10月
2(金)
米雇用統計:11月
5(月)
米ISM非製造業景況指数:11月
EU小売売上高:10月
6(火)
勤労統計調査:10月
米貿易収支:10月
GDP改定値:7-9月
欧州ECB総裁会見
貿易収支、経常収支:10月
英住宅価格指数:11月
7(水)
8(木)
中国貿易収支:11月
中国消費者物価指数:11月
9(金)
独貿易収支、経常収支:10月
英貿易収支:10月
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