京都府国土利用計画(中間案)に対する意見募集の結果について

京都府国土利用計画(中間案)に対する意見募集の結果について
平成 28 年 11 月 15 日
建設交通部用地課
1.募集期間:平成 28 年9月 30 日(金)から 10 月 27 日(木)まで
2.意見募集結果:6件(6意見)
3.意見の要旨とそれに対する府の考え方
1
意見の要旨
急激な人口減少により、これまでの地域社会や行政サービス
が維持できない状況になっている中、これに対応していくため
には、社会情勢の変化に合わせた新たな地域社会や行政サービ
スのありかたを模索していく必要があります。そしてこの変革
は、住民にとっても不便や痛みを伴うものになる可能性が高い
ように思われます。
こうした中、本計画においても、こうした変革の実現に寄与
するための国土利用の方向性をきちんと明記していく必要が
あるのではないでしょうか。
2
最近では、都市や農山漁村を問わず、人口が減っているにも
関わらず、
「一人世帯」は逆に増えており、「一人世帯」がお年
寄りなどの場合、そこが「空き家」となって地域が衰退し、人
が住まなくなるところが増えていくことが懸念されています。
この計画では、「空き家」を活用することで移住を促進する
「定住人口」対策に加えて、京都縦貫自動車道などの交流基盤
の整備に努め、南北に長い京都府域をつなぐ観光誘客などによ
る「交流人口」対策を推進することで、府域の均衡ある発展の
ための「京都流 地域創生」に取り組んでいくこととされてい
ます。
そこでお聞きするのですが、この「京都流 地域創生」の推
進に当たり、中山間地域においてどのように都市計画していけ
ばいいのか、開発を行おうとした場合、地域の豊かな自然環境
をどう保全させていけばいいのか、人口減少を前提とした、こ
れからの土地利用のあり方についてお教えいただければ幸い
です。
3
国土利用とは、国土を守るということでありまして、それは、
治山治水のことでありまして、それは、山林のことであり、河
川のことであろうかと思いますが、山林の所有は、国有林もあ
りますが、民間の所有も多くあります。
昔昔は、山林に植林をして伐採をしてその収益金で廻し、山
林を維持できたのですが、今今は、なかなかのようです。
逆に、ゴルフ場開発、住宅地開発など、山の貯水力を損なう
現象が、災害を招くような結果も見られるところであります。
河川に対しては、行政の行き届くところですが、山林につい
ては、ほったらかしとされているように、今今感じるところで
あります。
将来を見据え、地球の温暖化で弱った国土を守るための工夫
が必要かと感じます。
それにつけて件名の(中間案)においては、手ぬるいかと見
えます。
府の考え方
御指摘のような社会情勢の変化等に
対応するため、1(1)ウ(ウ)「土地の有
効活用のための国土利用」の中で、公
共サービスのあり方等を勘案し、地域
の状況に応じた対応について明記した
ところです。
今後は、地域の都市と田園の魅力を
享受する地方ならではの新しい暮らし
の創出や、市町村がそれぞれの個性や
資源を活かしながら、相互に役割を担
い、都市機能や生活サービスの向上を
図る連携の取組みなどを進めてまいり
ます。
中山間地域等の集落地域において
は、少子高齢化が進んでいることから、
都市機能や生活サービスの向上を図る
連携の取組みなど、地域の状況に応じ
た対応を進めるとともに、増加する空
き家及び耕作放棄地への対応を目的と
した「京都府移住の促進のための空家
及び耕作放棄地等活用条例」を制定し、
「空き家」の有効活用を図るなどの取
組みを進めることといたしておりま
す。
また、産業や雇用の創出、観光誘客
のための地域の「開発」と豊かな自然
環境や美しい景観の「保全」などと両
立を図りながら「京都流 地域創生」
の実現のための国土利用となるよう取
組みを進めることといたしておりま
す。
御指摘のとおり、森林(山林)につき
ましては、国土の保全、水源の涵(かん)
養等に重要な役割を果たしていること
から、森林の整備及び保全には、森林
面積の 90%以上を占める民有林の所
有者において森林整備・保全が図られ
るよう支援するとともに、保安林の指
定・管理や治山施設の整備等の推進な
どの公的な取組みを進めることとして
おります。
さらに、モデルフォレスト運動など
の多様な主体による維持・管理にも努
めることといたしております。
4
5
6
1、計画案は府下全域について策定されていますが、それぞれ
をすべて具体化するには莫大な人的経済的資源が必要とお
もわれます。
2、計画は策定したとしても実行には優先順位をつけるべきと
考えます。
3、順位付けは各地域内の案件によるのではなく、どの地域を
優先すべきかを決めることが効果的だとおもいます。
4、私見では、丹後に全力を注ぐべきと考えます
a,特徴のある具体案ができると思われる。海、山、観光資
源、目標の幅がひろい。
b,地勢を見ると地域としてのまとまりがあり、わかりやす
い。
c,人口の少なさ(調べていませんので推測です。)、が対応
のしやすさになる。
5、1 点突破できれば、次の地域のやり方を考えやすくなりま
す。
新幹線の整備を見ますと、早い段階で全国網の計画は作成さ
れましたが、具体化は優先順位をつけ現在も進行中です。お金
の事情からとは言え、この進め方が国民的理解を得ているとお
もわれます。
少子化、人口の減少、ますますの過疎化により、道路網の整
備、特に高速道路網を最優先にすべきであり、京都市への流入
をしやすくしていく必要がある。そのうえで、農地の確保、山
林の保存をすべき。
また、公共だけではなく、民間との連携をはかり、発想の転
換をしてほしい。
府内における国土利用の指針となる
本計画策定後の実行に当たっては、「明
日の京都」、「京都府地域創生戦略」な
ど、他の本府における計画と併せて、
効果的な取組みとなるよう考えてまい
ります。
新幹線整備については、我が国の経
済全体の活性化や国土の均衡ある発
展、また、国土のリダンダンシーにと
って極めて重要なものであり、早期の
整備に向けて、国において十分に議論
されるものと考えております。
本府におきましては、京都縦貫自動
車道等の交流基盤の整備を府政の最重
要課題のひとつとして取り組んでいる
ところであります。
その上で、交流基盤を活用した観光
誘客等による地域創生や、農地の確保
や森林の保全に取り組みます。
また、モデルフォレスト運動など民
間との連携を含めた多様な主体による
森林の管理等にも取り組むことといた
しております。
東京一極集中の是正として、「京都・奈良・大阪」をスムー
御指摘のとおり、京都府におきまし
ズに移動できる交通網の整備を急ぎ、三都(京都・奈良・大阪) ては、「地域づくり」と企業誘致を推進
への中国地方・四国・北陸地方の企業の進出を活性化する「さ することにより産業集積等を図り産業
らに大きな交通網の整備」を計画し、実現する。
のイノベーション促進等の「産業振興」
少なくとも、第2京阪・京奈和・307・24の連絡強化が、 を一体的に取り組むとともに、都市地
不可欠と思われる。
域と農山漁村地域との交流等を進める
また、「祝園弾薬庫」を有していることから、京都が世界平 ことによって、東京一極集中の是正と
和に向け、率先して、世界との交流を図らなければならない。 府域の均衡ある発展を図ることとして
京都は、観光地の視点のみならず、生活できる、ビジネスで おります。
きるという視点が不可欠である。また、政治の中心地にも、戻
さらに、高規格幹線道路ネットワー
らなければならない。それが、京都の地域創生へとつながると クなどを活用し、近畿圏及び隣接する
思われる。
府県等との連携を図ることといたして
おります。