三菱UFJ信託銀行レポート2016

〒100-8212 東京都千代田区丸の内1-4-5
電 話 03-3212-1211
( 代表)
http://www.tr.mufg.jp
2016年9月発行
本誌は FSC® 認証紙、および植物油インキを使用しています。
三菱UFJ信託銀行レポート
2016
私たちが創出する価値
三菱UFJ信託銀行は
「Best Trust Bank for You」を目指し、
さまざまな社会の信頼とご期待に応えていきます
三菱UFJ信託銀行は、
お客さまのために
社会のために
お客さまの気持ちに寄り添っ
た、業界一の商品・サービス
開発と正確かつ高いクオリ
ティの業務遂行力で、ベスト
な信頼関係を創出します。
少 子 高 齢 化・グロー バ ル 化
等、事業を通じてさまざまな
社会の課題解決に貢献し、持
続可能なベストな社会発展
を目指します。
「お客さま」
「社会」
「株主の皆さま」
「従業員」をはじめとするすべてのステークホルダーから
“Best”
と評価いただける信託銀行でありたい、
という想いを込め、
目指す姿を「Best Trust Bank for You」
と定めています。
三菱UFJ信託銀行の
「目指す姿」
また私たちは、信頼を託された方のために高い倫理観と専門性に基づいて行動する
「Fiduciary Duty(フィデューシャリー・デューティ)」の考え方を大切にしています。
託された信頼に誠実に応えていくため、
この考え方を基本として実践するとともに、常に高め続けます。
従業員のために
株主の皆さまのために
三菱UFJフィナンシャル・グ
ループの一員として、健全か
つ透明な企業経営で株主の
皆さまに適切な利益を還元
し、企業としてのベストな持
続的成長を目指します。
フィデューシャリー・
デューティの実践
健全な財務基盤
お客さまや社会への信頼に
応える「真のプロフェッショ
ナル」を育成し、その能力を
最大限発揮できるベストな
職場づくりを実現します。
高度な内部管理
INDEX
信託銀行の業務と事業概要
三菱UFJ信託銀行とは
私たちが創出する価値
信託の仕組み
フィデューシャリー・デューティとは トップメッセージ
1
3
4
5
特集 最前線レポート
企業価値を高めるために
私たちが取り組んでいること
お客さまのためにできること
プロフェッショナルであるために
1
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
7
8
11
リテール部門
法人ビジネス部門
受託財産部門
市場国際部門
グローバル展開
CSR
13
15
17
19
21
23
25
経営基盤
TOPICS
監査等委員会設置会社への移行
役員一覧
「三菱UFJ信託銀行コーポレート・
ガバナンス方針」の概要
コンプライアンス/リスク管理
グローバルネットワーク
編集方針
「三菱UFJ信託銀行レポート2016」は、
すべてのステークホルダーの皆さまへ向
29
31
けた総合的コミュニケーションツールとして、従来発行していました「CSRレポー
ト」を昨年より刷新したものです。
「企業の社会的責任」への関心が法令遵守やリ
スク管理にとどまらず、事業を通じた社会課題解決への貢献にシフトしていくな
か、従来の年次CSR活動報告の枠を超え、
「信託」の仕組みや社会的役割、注力事
33
34
35
業やその背景にある社会課題、それらを支える社員の想いを通じて、当社の目指
す姿を皆さまにお伝えすることを目的としています。本レポートは掲載された各商
品の勧誘を目的として作成したものではありません。なお、親会社である三菱UF
Jフィナンシャル・グループでは「MUFGレポート2016(統合報告書)」を発行して
いますので、併せてご覧ください。 MUFGレポート2016 http://www.mufg.jp/ir2016/index.html
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
2
信託の仕組み
フィデューシャリー・デューティとは
大切な人のために財産を守り、確実に引き継いでいきたい、
という想いを実現する
「信託」
Fiduciary Duty(フィデューシャリー・デューティ)
~託された信頼に誠実に応えていく責任~
「信託」とは、お客さま
(委託者)が、自分自身や大切な人(受益
超えて大切な人に引き継いでいきたい」という人々の普遍的
英米では、相手方から信頼を託され、その相手方のために専門
リーであるとされています。
フィデューシャリーには、
高い倫理観
者)のために、信頼する人や専門家(受託者)
に財産などを託す
な願いが流れているのです。私たち三菱UFJ信託銀行は、
「信
性の高いサービスを提供する人はフィデューシャリーと呼ばれて
と専門性に基づいて、
託された信頼に誠実に応えていく責任、
す
行為のことです。
「信託」の仕組みは、およそ1000年前の中世
託」の担い手として、その想いを安心して託していただける存
います。信託の受託者のほか、
医師、
弁護士などもフィデューシャ
なわちフィデューシャリー・デューティが強く求められています。
イギリスで誕生しましたが、それに似た仕組みは紀元前にもみ
在でありたいと考えています。
られます。今も昔も、その背景には、
「託す人の想いを、時間を
三菱UFJ信託銀行のFiduciary Duty
信託目的
委託者
信頼に応えていけるよう努力し続けています。そのために、
ざまな法的義務を果たすことはもとより、高い倫理観と専門
役職員一人ひとりが以下に掲げる3つの要素を基本として
性に基づいて行動することで、お客さまや社会からの期待と
日々行動しています。
1
2
3
「人」
としての力・
人間性
専門性・
プロフェッショナリズム
お客さまの最適・最善の
ために行動する力
受益者
誰かのために
信じて託す
信託財産
私たち三菱UFJ信託銀行は、
フィデューシャリーとして、
さま
信託利益
高い規範意識と信頼される人間性
信託銀行員として求められる幅広
お客さまのことを自分のこととして
を持ち合わせるとともに、たゆまぬ
い領域での見識を持ち、お客さま
とらえ、お客さまにとって真に最適・
自己研鑽を行います
にとって最適・最善の解を提供する
最善なことは何かを考え、その実現
専門性を発揮します
に全力を尽くします
受託者
三菱UFJ信託銀行
信託商品に託された想い
教育資金贈与信託「まごよろこぶ」に託された想い
三菱UFJ信託銀行
信託博物館
大切な財産を守り、
未来へ引き継ぐ‒‒その歴史にふれてみませんか
「大切な人のために財産を守り、確実に引き継いで
当社の教育資金贈与信託「まごよろこぶ」では、お孫さまの将来を応援したいとい
う祖父母さまの大切な想いを、
ご資金とともにお孫さまにつないでいます。
いきたい」という人々の願いから誕生した「信託」。
以前に、お取引を受け付けた当社の社員が、通帳に一所懸命に書かれた、
「○○
脈々と流れる想いを引き継ぐため、先人たちが幾多
ちゃんへ これを使って立派な人になってくださいね。おじいちゃんより」という震
の困難や危機を乗り越え、いかにして現在の「信託」
える直筆のメッセージにふれ、そこに込められた想いに涙が溢れると同時に、託さ
をかたちづくってきたか--三菱UFJ信託銀行信託
れる受託者としての責任の重みをひしひしと感じたというエピソードがありました。
大切な想いを次世代につなぐため、当社では温か
いメッセージや思い出の写真を通帳に残していた
だく、
という独自のサービスを提供しています。
博物館では、さまざまなエピソードに彩られた長い
歴史をご紹介しています。
東京都千代田区丸の内1-4-6 日本工業倶楽部会館1階
3
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
しゅげいしゅち いん
[展示の一例]日本にもあった、信託類似の発想 弘法大師の「綜芸種智院」 平安時代(828年)、弘法大師空海は、一般庶民の子弟にも広く教育を施したいと考え、貴族藤
原三守から土地・邸宅の寄付を受け、そこに「綜芸種智院」
という学校を建設しました。託された
財産で空海が教育活動を行い、庶民がこれを享受したと考えますと、空海は日本で最古のフィ
デューシャリーといえるでしょう。
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
4
トップメッセージ
変化の時代にこそ大きなチャンスがある
信託銀行の果たすべき責任へ
すべての役職員が“覚悟”を持って
取り組んでいきます
三菱UFJ信託銀行株式会社
取締役社長
社会常識を備え、誰からも信頼される誠実な人間でなければ
なりま せ ん 。当 社 で は 、2 0 1 5 年 4 月に「 当 社 として の
英国のEU離脱問題や中国経済の減速などによって、世界経済
Fiduciary Duty※」を社則に定め、全役職員がフィデューシャ
の先行きはますます不透明さを増しつつあります。一方、国内
リーとして日々行動するとともに、自らを一層高めるように努
においてもマイナス金利の導入、少子高齢化にともなう生産
めています。
人口の減少や社会保障負担の増大など、わが国の金融機関を
そして、お客さまの信認に応える真のプロフェッショナルを育
取り巻く事業環境は、短期的にも中長期的にも大きく変化して
成し、全社員の自律的なキャリア開発を支援していくため、丸
います。これらの変化は金融機関の経営にとってリスク要因で
の内本店内に新設した研修ルームなどにおいて、資格取得の
もありますが、三菱UFJ信託銀行では、
こうした環境変化を新
ための講座や自己啓発セミナー、英会話教室などを日常的に
たなビジネスチャンスと捉え、時代の要請に応える新しい商品・
受講できる環境を整えました。
サービスの創出に挑戦しています。
一方、ガバナンスの強化を図るため、当社は2016年6月に
超低金利時代にあって、法人・個人を問わずお客さまの資産運
「監査等委員会設置会社」に移行しました。この体制変更によ
用ニーズは、
より高まり多様化しつつあります。当社では、豊富
り、重要な業務執行の決定を取締役会から執行側に委任し、意
な資産運用実績・ノウハウを駆使して、お客さまのさまざまな
思決定の迅速化を実現すると同時に、取締役会による監督機
ニーズに応える新しい運用商品の提供や、
グローバル規模で
能を強化しました。さらに社外取締役が過半を占める監査等委
の資産運用・資産管理サービス体制の構築に力を注いでいま
員会が監査・監督機能を行使することによって経営の透明性・客
す。2016年4月には米国のファンド管理会社であるCapital
観性を向上させます。当社は上場会社ではありませんが、今後
AnalyticsⅡを子会社化し、資産管理サービスのラインナップ
も
“よりよい経営の仕組みづくり”
を追求し、ステークホルダー
を拡充しました。
の皆さまの信頼に応えていきます。
また、少子高齢化社会を迎えて、万が一お客さまの判断能力が
低下した場合にも老後の資産を「まもる」
ことをコンセプトにし
た「解約制限付信託(みらいのまもり)」や、運用商品であるラッ
“覚悟”
を持って信託銀行の役割を果たす
プ口座に資産を「のこす」機能を付与した「資産承継ラップ」な
2016年4月の社長就任以来、私は、中期経営計画に掲げる
ど、時代のニーズを適確に捉えた金融商品の開発・提供に取り
「お客さまからの評価向上・支持拡大」
「新商品・新マーケットへ
組んでいます。
の展開」
「効率的業務運営」の基本方針のもと、各業務の一層
三菱UFJ信託銀行では、今後もこうした社会課題の解決に寄
の伸長を図ってきました。
与する商品・ソリューションを積極的に創出していくことにより、
また、当社が
“Best”
と考えて提供してきた商品・サービスが、
お
「お客さま」
「社会」
「株主の皆さま」
といったすべてのステーク
客さまにとっても本当に
“Best”
なのか、当社の自己満足に
ホルダーから最高の評価をいただける信託銀行--「Best
陥ってはいないかを点検・検証するため、第三者による顧客評
Trust Bank for You」を目指します。
価を実施するなど、あらためてお客さまのご意見・ご要望に真
摯に耳を傾けています。
Best Trust Bankを担う
「人材」と「体制」をつくる
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
は今後も一層激しく変化し、当社にとっても厳しい事業環境が
「Best Trust Bank for You」の実現に向けて、当社では多様
続くことが予測されます。
しかし、厳しい環境だからこそ、そこ
なプロフェッショナルサービスを提供する「人材の育成」
と、意
に信託銀行の果たすべき新しい金融機能や社会的役割が生ま
思決定の迅速化や経営の透明性向上などを目的とした「コー
れるのも事実です。当社は、
これからもすべての役職員が
“覚
ポレート・ガバナンス強化」に力を注いでいます。
悟”
を持ってこの環境変化に対応し、お客さまや社会が本当に
当社のすべての役職員にとって、考え方、行動の大前提となる
必要とする価値ある商品・ソリューションを創出していきます。
のが「当社としてのFiduciary Duty (フィデューシャリー・
そして、
「Best Trust Bank for You」の実現を目指し、持続
デューティ)」です。お客さまから大切な資産を託される信託
的な成長と企業価値の向上を図ってまいります。今後も変わら
銀行の人材には、幅広い領域にわたる専門性と、お客さまの立
ぬご愛顧を賜りますよう、心よりお願い申しあげます。
場に立って最善を尽くす行動力、そして何よりも高い倫理観と
※ Fiduciary Duty:詳細はP4をご覧ください。
※
5
冒頭に申しあげましたように、
わが国を取り巻く経済・社会環境
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
6
1
お客さまのためにできること
Case 1
企業年金制度の構築・運用を支援
長期的な視野に立ち、
お客さまにとっての“ 最 適 解 ”を追 求
年金営業第1部 調査役補 山口 洋平
たびかさなる打合せを実施、時には毎日
し、組織として対応することで、お客さま
信頼関係を築いていく喜び
のように訪問し、
お客さまの疑問・課題解
の期待に応えるプロジェクトマネジメン
企業年金制度の提案は、一つの正解が
決のためにさまざまな角度から多面的
トを実現しています。当社が培ってきた
あるような単純なものではありません。
な情報を提供しました。こうした取り組
多様な専門知識・ノウハウを、お客さま
みをご評価いただき、
制度変更のサポー
のために結集することが、担当窓口とし
員構成などによって千差万別ですので、
トや新制度の運用を引き続き当社にお
ての私の役割だと考えています。
まずはお客さまとの関係を密にし、その
任せいただくことができました。
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ
お客さまとの間に長期的な
“最適な企業年金”
とは、業態や規模、社
特集
最前線
レポート
企業価値を高めるために
私たちが取り組んでいること
1
2
お客さまのためにできること
プロフェッショナルであるために
すべてを把握する必要があります。ま
全面的な制度変更を
様についても、制度設計から実務面まで
た、何が最適かは社内外の環境変化に
お客さまとともに実現
総合的なコンサルティングを通じ、制度
よっても変動しますので、
10年、
20年と
企業年金にかかわる実務は非常に複雑
変更のご期待にお応えできました。今後
いった長期的な目線で考え、必要に応じ
です。なかでも制度変更にあたっては、
は長期にわたる制度運営においても、引
て制度を変更することもあり得ます。
旧制度の廃止から新制度の承認まで、
き続きご評価いただけるよう万全の体
たとえば、日本タタ・コンサルタンシー・
多岐にわたる関係当局への手続きに加
制でサポートしていきます。
サービシズ様では、当社が運用を任され
え、制度の対象となる従業員への周知
ていた確定給付企業年金(DB)
から、確
など、さまざまな業務をスピーディーに
定拠出年金
(DC)
への切り替えを検討さ
進める必要があります。
れていました。そのような課題に対して、
当社では担当者が一人で対応するので
お客さまが最適な判断をくだせるよう、
はなく、社内の関連部署としっかり連携
お客さまからの評価
今後とも頼れるパートナーとして、
当社の年金制度を支えてほしいですね
当社は、事業統合による新会社発足を機に、DBからDCへの切り替えを検討していました。金融機
関の起用先については、客観的な情報をもとに社内で検討し、三菱UFJ信託銀行様にご提示いた
だいた強みと確かな信頼感から、引き続き御社にお任せすることとなりました。
全面的な制度変更のため、当初は不安もありましたが、山口さんには進捗管理も含めてプロジェク
日本タタ・コンサルタンシー・
サービシズ株式会社
人事統括部
タレントマネジメント部 部長
トマネジメントの役割を担っていただき、
さらには従業員への説明についても相談に乗ってもらう
など、
さまざまな面で助けられました。これからも長期的なパートナーとして、
より良い制度づくり
を支えてもらいたいと思っています。
藤井 孝俊 様
7
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
8
特集
最前線
レポート
Case 2
1
お客さまのためにできること
Case 4
遺産相続にかかわるコンサルティングおよび事務代行
大切な方を亡くされたお客さまの心に
寄り添うようなサポートを
株主総会を軸としたSR・IR活動支援
お客さま企 業の一員となった気 持ちで、
付 加 価 値の高い提 案に努めます
上大岡支店 課長 福井 郁子
遺産相続にかかわるなかで、私が常に大
まに寄り添うように、一つずつ丁寧に手
め、特に残される側の心理的な負担は
切にしているのは「いかにお客さまの気
続きしていくうちに、お客さまも次第に
大きなものがあります。だからこそ、私
きめ細かなサポートを
方といった背景を把握する必要があり
持ちに寄り添うか」です。あるとき、高齢
落ち着きを取り戻され「おかげで父の遺
はこれからも、お客さまの心のサポート
上場企業におけるコーポレート・ガバナ
ます。
のお父さまを亡くされた哀しみを抱え
した想いが伝わってきました」と言って
を、この仕事の重要な使命の一つとし
ンス充実を求める声が高まっている昨
私はJ.フロント リテイリング様を担当し
たまま、法で定められた期間内に煩雑な
いただけました。その後、受け継いだ遺
て、果たしていきたいです。
今、私たち証券代行業務においても、た
て4年目になりますが、1年目はお客さ
相続手続きを迫られ、途方に暮れている
産の管理について「引き続き福井さん
だ株主名簿を管理するのみに留まらず、
まを理解することに全力を傾ける一方、
お客さまがおられました。そんなとき、
に相談に乗ってほしい」と仰っていただ
お客さま企業のSR(株主との対話)
・IR
業法務専門部署による勉強会を開催す
私という人間を信頼していただけるよ
専門的な知識やノウハウを駆使して事
け、それほどまでに信頼していただけた
(投資家向け情報発信)活動に対するよ
るなど、多様なサポートを実施していま
う、
クイックレスポンスに努めました。コ
務手続きを代行するのはもちろん、少し
ことに大きな感動を覚えたものでした。
り高度なサポート機能が求められていま
す。さらに、株主総会に向けた想定問答
ミュニケーションを重ねるなかで、次第
でもお気持ちの負担を軽減できるよう
遺産相続というのは、残す側も、残され
す。私が担当するJ.フロント リテイリング
準備に際しては、直前に起きている経
にお客さまとの信頼関係が深まり、
ご相
サポートするのが私の仕事です。お客さ
る側も、何度も経験することではないた
様は、
コーポレート・ガバナンス強化に向
済事象に関する質問や、他社で近年増
談を受ける機会も増えてきました。最近
けたSR・IR体制の構築を推進しており、
加している質問、個人株主の関心が高
では、私の提案に対し「中嶋さんがそう
特に株主と向き合う最重要イベントであ
い話題を盛り込むなど、
タイムリーかつ
言うなら」と受け入れていただけるよう
る株主総会については、
半年以上前から
付加価値の高い情報提供を心掛けてい
になり、信頼される喜びとともに、一層
入念に準備を進められています。
ます。
の責任を感じています。
Case 3
海外のお客さまへの為替トレーディングサービスの提供
日本人とは異なる感 覚を理 解し、
互いの認 識を揃える努 力を怠らない
ニューヨーク支店 調査役 湊 基成
9
証券代行営業第2部 中嶋 基大
うには、
まずお客さまの事業特性や考え
株主・投資家との関係強化に向けた
こうしたお客さまの意向にあわせて、私
コミュニケーションの積み重ねが
今後もお客さまのご期待に応えられる
も早い段階から株式実務面での支援を
確かな信頼につながる
よう、お客さま企業の一員となった気持
行うとともに、他社総会事例を収集分析
株主との対話のあり方は、企業ごとにそ
ちでより良いサポートを追求していき
した情報を提供したり、役員様向けに企
れぞれ異なります。適切なサポートを行
ます。
お客さまからの評価
私は為替トレーディングサービスの中で
せません。こちらからお客さまの意向を
寧な対応、正確な事務でのオペレーショ
も米国時間を担当しており、日々、海外
お伺いし、些細なことでも互いに確認
ンなどをご評価いただき、取引の拡大に
のお客さまと接しています。そこで心掛
し、認識を擦り合わせながら取引を進め
つながっています。
けているのが、
“言葉の壁”
を乗り越える
ました。こうした手間のかかる作業も、最
現在、当社ではファンド向け為替取引の
のはもちろん、
日本人とは異なる投資姿
終的にはお客さまの個別ニーズへの丁
サービス強化を進めています。新たなお
老舗百貨店を運営する当社では、
お客さまでもある個人株主の比率が高いのが特徴です。中嶋
勢や判断基準などを把握することです。
客さまのニーズに応じて、新しい取引ス
さんは、
そうした当社の事情をしっかりと理解し、
株主総会での準備にあたっても、
個人株主目
あるとき、取引の意図などを詳しく説明
キームを提供すると同時に、
きめ細かく
線での想定質問はもちろん、
株主優待制度や日常的な株主とのコミュニケーションのあり方も
しないままに、発注しようとするお客さ
丁寧な対応を一人ひとりが実践していく
まがおられました。海外のお客さまには
ことで、数ある為替銀行の中から、当社
よくあることですが、そこで相手に合わ
を選んでいただき、そして心からご満足
J.フロント リテイリング株式会社
業務統括部
総務部 総務部 部長
せているだけでは、自分の役割を果た
いただけるよう対応に努めます。
徳広 聡 様 北本 佳司 様
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
株主目線と専門知識を活かした提案を
これからも期待しています
含めて、
個人株主の皆さまとのリレーション強化について有効な提案をしてくださっています。
また、
コーポレートガバナンス・コードを踏まえて、
株主総会招集通知の早期開示や記載内容充
実の提案をいただくなど、
専門的な知見を活かしたアドバイスにも助けられています。今後も、
より実効性のあるSR・IR活動を推進するために、
さまざまな先行事例などをご提示いただくと
ともに、
その成果に対する評価・分析なども含めた付加価値の高い提案に期待しています。
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
10
特集
最前線
レポート
2
プロフェッショナルであるために
多 様なソリューションと確かなコンサルティング力を駆使して、
“ 攻めのガバナンス”による企 業 価 値 向 上を支 援します
お客さまごとのご事情を踏まえ、
ライフステージやライフスタイルに応じた
最適な不動産を提案できるプロフェッショナルを育てていきたい
――まずは法人コンサルティング部の役割を教えてください。
――現在の仕事内容を教えてください。
「コーポレートガバナンス・コード
(CGC)」の導入を機に、上場企業の間で投資家目
私は現在、約19年にわたる法人部門での不動産仲介営業の経験を活かし、
リテー
線を踏まえたコーポレート・ガバナンスの強化ニーズが高まっています。CGCは、従
ル部門における不動産ビジネスの企画・推進および人材育成を担当しています。な
来のようなリスク回避を主とした
“守りのガバナンス”
ではなく、企業価値向上を図
かでも最も重要な使命が、
リテール部門社員の
“不動産力”
向上です。
る
“攻めのガバナンス”
を志向していることが特徴です。法人コンサルティング部は、
少子高齢化の進展や相続税法の改正を背景に、近年、個人のお客さまからの不動
こうしたニーズに応える多様なソリューションを提供することで、お客さまの持続的
産に係るご相談が増えており、社員一人ひとりの不動産業務に関する知識・ノウハ
な成長を支援しています。
ウを高めることが、当社にとっての重要課題となっています。そこで、私自身が講師
――コンサルティングを行ううえで重視していることは?
となって研修を企画・実施するほか、不動産業務の実践力を付けるため、若手社員
どのお客さまにも当てはまる
“正解”
はない、
ということです。お客さまごとの状況や
を個人向け不動産仲介を担当する三菱UFJ不動産販売(株)
に出向させる教育プ
課題はさまざまであり、それらを綿密に把握したうえで、お客さまにとって何が最適
ログラムもスタートさせました。
かを考え抜く姿勢を徹底しています。
――どのような人材を育てていきたいですか?
たとえばCGCでは、
株主の権利保護や適切な情報開示、
取締役会の責務など、
73項
不動産を扱うには幅広い専門知識が求められますので、
まずはプロとしてお客さま
目について「コンプライ
(実施)
」もしくは「エクスプレイン
(実施しない理由の説明)
」
を支えるだけの勉強や資格取得が必要です。
しかし、いくら知識があっても、お客さ
が求められます。いずれの項目も、
どちらを選ぶかは経営方針や企業戦略などによっ
まから見て役に立たなければ意味がありません。そこで問われるのが、お客さまご
て異なりますので、
まずはコンサルティングを通じて、お客さまが実際に取り組むべ
とに異なるご事情の変化を察知し、素早く課題解決につなげる提案力です。
き項目や、
取り組むうえでの課題を
“見える化”
していくのが私たちの役割です。
不動産へのニーズは、結婚、出産、子どもの独立、退職、
さらには相続など、
お客さま
――今後の課題や取り組み方針をお聞かせください。
のライフステージによって変化するものですが、近年では人口構造の変化などを背
CGCについては、各社とも初年度を終えたばかりであり、今後はその成果や課題
を振り返りながら、継続的に対応していくことになります。新しい分野だけに、次に
何が求められるかを把握することは困難です。それゆえ、
より多くの事例を把握し
て、その中からいち早くトレンドの兆候を見出し、お客さまに先んじて対応できる準
法人コンサルティング部長
相 幸子
1989年に三菱信託銀行(当時)入社。法人営業
担当を経験した後、経営企画部を経て、フロン
ティア戦略企画部において新規ビジネスの発掘・
育成を担当。2015年に新設された法人コンサ
ルティング部の部長に就任。2016年6月には当
備を整えることが、
プロとしてなすべきことだと考えています。
社としては初の女性執行役員に就任。
タイルもさらに多様化しています。一口に不動産を売りたい、買いたいと言われて
も、
どんなご事情があり、
どんな生活を求めてのご要望なのかは千差万別です。プ
ライバシーにかかわることだけに、容易に話してはいただけない場合もありますの
で、
まずはプロとして以前に、一人の人間として信頼され、お客さまからご相談を受
その一方で、今後の担い手となる人材育成も重要です。コンサルティングは知識だ
けられる人材を育てていかなければと考えています。
けで務まる仕事ではなく、お客さまから何でも相談していただけるような信頼関係
――指導にあたって重視しているのはどんなことでしょうか?
を築けるかが問われます。そうした力は、実践を通じて身に付けていくしかありませ
課題抽出
1990年に三菱信託銀行
(当時)
入社。国内各地で
法人向け不動産仲介営業を経験。豊富なノウハウ
を積み重ねた後、
2009年に不動産企画部に異動。
不動産部門(当時)の人事統括責任者として人材育
成を担当後、2012年にリテール企画推進部に異
動。
リテール部門社員の
“不動産力”
向上に注力。
と。それが人を成長させるうえで大切だと思っています。会社としては、
もちろん失
各種ソリューション
課題特定
課題解決
役員報酬制度の構造改革
●
●
役員報酬戦略策定の支援・助言
株式報酬制度導入の
コンサルティング
監督機能強化
●
支援コンサル
支援コンサル
勉強会開催
診断報告書
コーポレートガバナンス・コードの主要
診断書作成を通じて、
お客さまの現状
テーマに関する勉強会を実施。ディス
を適切に把握し、今後の取り組みの方
カッションを通じて課題を抽出します。
向性を議論します。
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
松木 謙一朗
敗は少ない方がよいですが
(笑)、失敗の中からしか学べない
コーポレートガバナンス・コードへの対応
検討開始
リテール企画推進部 特命部長(不動産担当)
「答」を与えるのではなく、間違ってもいいので、
まずは自分で考え、実践させるこ
んので、
できるだけ多くの経験を積ませることで、
成長を支えていきたいですね。
11
景に、郊外の一戸建てから都心の駅近高層マンションへの住み替えなど、
ライフス
●
社外取締役選任サポート
監査等委員会設置会社移行
コンサルティング
取締役会の実効性評価サポート
取締役・監査役向けトレーニング
● 任意の諮問委員会設置
コンサルティング
●
●
資本生産性向上
不動産アドバイザリー業務
M&Aアドバイザリー・サービス
● 他社株取得
・処分信託
● 債権流動化
● 資金調達関連サポート
● 金庫株信託
● 退職給付コンサルティング
●
●
株主との対話
SR/IRコンサルティング
● 実質株主判明調査
● 議決権行使対応プログラム
●
こともありますので、若い社員の皆さんには、失敗を恐れるこ
となく挑戦してほしいですね。
また、不動産ビジネスはケース・バイ・ケースですので、いかに
多くの経験を積み重ねるかが問われます。そこで、
より多様な
現場を経験させる一方で、研修などを通じて、それぞれの成
功体験や失敗体験を共有させることで、一人ひとりの成長を
加速させていきたいと考えています。
三菱UFJ不動産販売出向者2期生報告会
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
12
信託銀行の業務と事業概要
MUFGの中核企業として
幅広い金融ソリューションを提供しています
長期格付の取得状況
MUFGは、商業銀行・信託銀行・証券会社をはじめとしたグルー
MUFGの中核企業として、預金、貸出等の銀行業務に加えて、
プ会社、提携先等を通じて、お客さまに付加価値の高い金融
資産運用・管理、不動産、証券代行、相続関連業務など、幅広い
サービスを提供しています。その中で、三菱UFJ信託銀行は、
領域に及ぶ金融ソリューションを総合的に提供しています。
Moody’
s
S&P
Fitch
R&I
JCR
A1
A+
A
AA-
AA
2016年6月末現在
リテール部門
P.15
個人のお客さまに対して、お客さまのライフステージに応じて、資産
運用や遺言相続をはじめとした信託機能と銀行機能を併せ持つ信託
銀行ならではの幅広い商品・サービスを提供しています。
その他指標
2015年度
三菱UFJ信託銀行
連結普通株式等Tier1比率※1
16.01%
金融再生法開示債権比率※2
0.32%
連結ROE(親会社株主純利益ベース)
9.15%
※3
銀行業務
信託業務
併営業務
法人ビジネス部門
P.17
※1 国際統一基準、段階実施ベース
※2「銀行勘定」
と
「元本補てん契約のある信託勘定」の合算ベース
※3
●
●
●
預金業務
●
貸出業務
●
為替業務
付随業務
(有価証券の売買、
デリバティブ取引等)
●
金銭の信託
不動産関連業務
(売買仲介、鑑定等)
親会社株主純利益ー非転換型優先株式年間配当相当額
●
有価証券の信託
●
金銭債権の信託
●
動産の信託
●
不動産の信託
+(期末株主資本合計ー期末発行済非転換型優先株式数×払込金額+期末為替換算調整勘定)}÷2
証券代行業務
(株主名簿管理等)
●
相続関連業務
(遺言執行、遺産整理等)
三菱UFJフィナンシャル・グループ
(持株会社)
MUFG
ユニオンバンク
三菱UFJ証券
ホールディングス
モルガン・スタンレー※
連結実質業務純益※
※三菱UFJリース、
モルガン・スタンレー、
モルガン・スタンレー
MUFG証券は持分法適用関連会社です。
親会社株主純利益※
(億円)
2,500
2,066
2,000
1,639
1,773
(兆円)
200
189
2,157
リテール部門
(791億円)
16.5%
受託財産部門
1,458
1,500
150
1,270
受託財産部門
(1,598億円)
135
4,802億円
(2015年度)
法人ビジネス部門
法人事業
(761億円)
15.8%
P.19
企業年金、公的年金、公的資金あるいは投信信託等の資金を国内外
のお客さまからお預かりし、運用・管理のサービスを国内外の拠点、
法人ビジネス部門
不動産事業
(346億円)
7.2%
法人ビジネス部門
証券代行事業
(364億円)
7.6%
子会社のネットワークを通じてグローバルに提供しています。
P.21
197
海外支店・子会社ネットワークを通じて、お客さまにさまざまな金融
166
1,597 1,595
1,857
した幅広いソリューションをワンストップで提供しています。
市場国際部門
信託財産額※
(億円)
2,000
17.2%
33.3%
アコム
モルガン・スタンレー
MUFG証券※
アユタヤ銀行
三菱UFJリース※
三菱UFJニコス
三菱UFJモルガン・
スタンレー証券
三菱UFJ国際投信
業務に加え、不動産、証券代行、年金など、信託銀行の専門性を活か
部門別粗利益
市場国際部門
(825億円)
三菱UFJ信託銀行
法人のお客さまに対して、貸出や決済業務、市場性金融などの銀行
●
その他
三菱東京UFJ銀行
×100
{(期首株主資本合計ー期首発行済非転換型優先株式数×払込金額+期首為替換算調整勘定)
サービスの提供をしています。また国内外のマーケットにおいて有価
146
証券等を対象とした投資・運用を行っています。
1,500
1,000
1,000
500
500
0
2011
2012
2013
※一般貸倒引当金繰入前、信託勘定償却前
13
100
804
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
2014
2015(年度)
0
50
2011
2012
2013
2014
※親会社株主に帰属する当期純利益(以降、同じ)
2015(年度)
0
グローバル展開
2011
2012
2013
2014
P.23
2015(年度)
※信託業務を営む連結会社毎の信託財産額の合算ベース
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
14
信託銀行の業務と事業概要
お客さまの想いを「遺言」という形で後世に残すお手伝い
リテール部門
信託銀行特有の業務として、当社では、遺言の作成から執行ま
遺言書の保管件数
でをお手伝いする「遺言信託」業務を行っています。昨今では
120,000
“終活”
がメディアで取り上げられるなど、高齢化が進むにつれ
100,000
中高年層の相続への関心が高まりつつあります。当社ではお
80,000
客さまの想いを次の世代へつなげられるよう、遺言や資産承
継商品(次世代支援信託)等を活用しながら、専門スタッフがコ
ンサルティングを行い、お客さま一人ひとりに寄り添ったサー
ビスを提供しています。
(件) ■保管のみ ■執行付
※ 遺言書の保管件数は年度末現在の件数
60,000
40,000
0
2005
2010
2015
(年度)
次世代を想うシニア世代に応える商品を業界に先駆けて開発
お客さまの想いを共有し
ご満足いただけるソリューションの提供に努めています
当社は、祖父母さまからお子さま・お孫さま世代へ資産をつな
2016年は、お客さまの大切な資産をまもることをコンセプト
ぐ4種類の「次世代支援信託」を提供しています。これらの商品
に、
「解約制限付信託(みらいのまもり)」を開発し、
さらなるお
は、信託銀行を利用されたことがなかったお客さまに足を運ん
客さまのニーズに応えていきます。
若い世代からシニア世代まで、
個人のお客さまから寄せられ
直す時期にきています。そのため、
世代別の貯蓄額が比較的
でいただくきっかけともなり、2015年に累計契約額が1兆円
るさまざまな資産におけるニーズに対し、
トータルなソリュー
多いとされている60歳以上の世代においては、
次世代への
を突破しました。
ションを提供しています。
資産承継について検討する方が増え、
若い世代においては、
預金や投資商品等、
お客さまの資産運用・管理のご相談はも
中長期目線での投資による資産運用について関心を持つ方
ちろんのこと、不動産の売買や有効活用、相続・資産承継と
が増えてきています。
いった信託銀行ならではの幅広い商品・サービスにより、
ライ
三菱UFJ信託銀行では、
こうした世代ごとのニーズに応える
フステージに応じたサポートができる体制を整えています。
商品を揃えるとともに、
セミナーなどを開催し、
お客さまの将
日本では、
少子高齢化が進むとともに、
家計貯蓄率がマイナ
来への不安を期待に変えるお手伝いを行っています。
スに転ずるなど、
一人ひとりが資産運用に対する考え方を見
1.「ずっと安心信託」万一のときに面倒な相続手続きなしでご家
族が簡単にお金を受け取れます。
次世代支援
信託
2.「教育資金贈与信託(まごよろこぶ)」お孫さまなどへ教育資
金を贈与する際の非課税制度に対応しています。
3.「暦年贈与信託(おくるしあわせ)」ご家族などへの生前贈与
の手続きを代行します。
4.「結婚・子育て支援信託」お子さまやお孫さまなどへの結婚・
子育て資金の贈与を支援します。
さまざまな運用目的や資金ニーズに対応
目的や資金ニーズに対応し、
バランスの取れた運用方法をご提案
何を買えば良いんだろう
・NISAでは
何を買えば良いんだろう
・長期で運用したい
・いろんな資産に投資したい
・投資環境に応じて
資産を組み替えたい
ライフステージをサポートするベストパートナーとして
はじめて投資をされるお客さまの不安や悩みを払拭するため、
リテール部門長 滝沢 聡
2014年に誕生した「ラップシリーズ」は、当社が企業年金分野
ラップ口座
プライベートアカウント
リテール部門は、個人のお客さまの資産の形成から承継まで、預金やローンだけ
で培ってきた高度な専門ノウハウを活用し、国内外の債券や株
ラップ口 座
三菱UFJ信託ファンドラップ
でなく、信託の仕組みを活かしたさまざまな商品を通じて、世代を超えたお手伝い
式等に分散投資しながら中長期的に安定した収益確保を目指
をしています。三菱UFJ信託銀行は、相続のお悩み、資産運用への不安など、多様
す商品です。
なご相談に対して、信託銀行だからこそ提供できる新たな商品とともに、
「信頼で
きる相談相手」
として、お客さま一人ひとりの気持ちに寄り添ったサービスをお届
けしていきます。
2016年は、
ファンドラップに、
“業界唯一”
の資産承継機能を付
加した「資産承継ラップ」や、運用ノウハウを活用した「ラップ型
保険」を追加し、豊富なラインナップから、お客さまの投資方針
に合った商品を提供しています。
15
・資産運用って
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
投 資 信 託
投 資 信 託
NEW
資産承継ラップ
三菱UFJ バランス・イノベーション
【愛称】
ファーストラップ
(ささえ)
N NISAにおすすめ
三菱UFJ アドバンスト・バランス
【愛称】
ファーストラップ
(ちょうわ)
N NISAにおすすめ
投 資 信 託
トレンド・アロケーション・オープン
投 資 信 託
スマート・クオリティ・オープン
ラップ 型 保 険
N NISAにおすすめ
【愛称】
スマラップ・スマラップN
N NISAにおすすめ
ラップドリーム
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
16
信託銀行の業務と事業概要
不動産事業
高度な専門性と強力な情報ネットワークを活かし、多様なニーズに対応
ご所有不動産の売却、新拠点開設のための不動産購入、分散
書籍・レポートを通じて不動産情報を発信
する拠点の移転・集約などのお客さまのニーズに対して、高度
法人ビジネス
部門
かつ多彩な不動産ノウハウおよび強力な情報ネットワークを活
かし、
「ご所有・ご利用不動産の診断」や「お客さまが抱える課題
の解決方法の提案・実行のサポート」でお応えします。
特に近年では地価変動による不動産保有リスクの高まりや資本
効率を重視する株主の増加などにより、企業不動産(CRE)戦
略のニーズが高まっています。三菱UFJ信託銀行では借入・年
書籍
発刊物
定期発行レポート
金・資本政策・研究開発・M&Aといったお客さまの経営課題解決
に向けた選択肢を提示しながら、
企業不動産の利用価値を最大
限に引き出すための幅広いソリューションを提供しています。
幅広い金融サービスをラインナップし、
価値向上を目指すお取引先の多彩なニーズに応えています
三菱UFJ信託銀行では、
法人のお客さまへ、
「法人事業」
「不
業務一体化体制
動産事業」
「証券代行事業」の3事業が一体となって、
貸出や
お客さま
決済業務、
市場性金融商品等の銀行業務に加え、
不動産、
証
経営のパートナー
券代行、年金など、信託銀行の専門性を活かした幅広いソ
三菱UFJ信託銀行
リューションをワンストップで提供しています。
法人、不動産、証券代行 3事業の商品・サービス融合
上場を目指す成長企業からグローバルにビジネスを展開する
大企業まで、
法人のお客さまと同じ視点から、
「資本効率の改
銀行機能
融資
信託ノウハウ
不動産
善」、
「コーポレート・ガバナンスの強化」
といった経営課題に
対して、
当社ならではの提案で高度化・多様化する金融ニー
ズに応え、
お客さまの企業価値向上に取り組んでいます。
資産流動化
M&A
証券代行
年金
×
証券代行事業
株主総会運営やコーポレート・ガバナンス強化に向けたソリューションで企業を支援
株主名簿管理人として、株主の皆さまへの招集通知発送や、配
サルティングサービスを提供しています。
当金計算・支払などの業務に加えて、会社法務の専門性を活か
各分野の専門家で構成されるチームを組成し、機関投資家とし
し、法人のお客さまへ株式実務のアドバイスや、株主総会運営
ての目線を踏まえた株主総会での議決権行使対応に関するア
のサポートを行っています。
ドバイスや、信託スキームを用いた「役員向け株式報酬制度」
さらに当社では、2015年6月に導入された上場企業向けの
の導入コンサルティングなど、幅広いソリューションで企業を
統治指針「コーポレートガバナンス・コード」を踏まえて、株主と
支援しています。
の対話や報酬制度改革など、お客さまの課題に対応したコン
コーポレート・ガバナンス強化に向けたサービス
資本生産性の向上
不動産アドバイザリー業務
経営課題に対してワンストップでさまざまな角度からご提案します
M&Aアドバイザリー
サービス
不透明感の増す世界経済、
グローバル競争の激化、
新商
法人ビジネス副部門長
法人ビジネス部門長
法人ビジネス副部門長
品開発の強化、
コーポレートガバナンス・コードへの対応、
証券代行事業長
法人事業長
不動産事業長
宮永 憲一
森 聡彦
黒田 健
投資家との対話--企業価値向上のためになすべき経営
証券代行事業 コンテンツサービスラインナップ
株主との対話
実質株主判明調査
スマホアプリ
書籍
定期刊行物
なるほど!
株主総会ナビ
株主総会実務
なるほどQ&A
証券代行
ニュース
議決権行使対応
プログラム
金庫株信託
コーポレート
ガバナンス・コードに
関する課題
課題は尽きません。三菱UFJ信託銀行の法人ビジネス
部門では、
ファイナンス機能と信託機能を高度に融合さ
せた、信託銀行ならではのソリューションをご用意し、
さ
まざまな角度から企業価値向上に向けた取り組みをワン
ストップでサポートしています。これからも、時代の要請
に応じた最適なソリューションを提供していきます。
17
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
監督機能の向上
社外取締役選任サポート
監査等委員会設置会社
移行コンサルティング
報酬制度改革
役員報酬BIP信託
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
18
信託銀行の業務と事業概要
グローバル
受託財産部門
出資・提携も活用し、グローバルな資産運用・資産管理サービスを国内外のお客さまに
資産運用ビジネスでは、
グローバルな成長が持続するとともに、
ス」のもと、各種資産管理サービスをワンストップで提供するな
資産管理ビジネスにおいては新しい手法を取り入れたオルタナ
ど幅広いお客さまのニーズにお応えしています。
ティブファンドの管理領域における高い成長が予想されていま
インベスターサービス資産管理残高
す。当社は出資・提携も活用し、
このような成長分野へのグロー
(10億ドル)
バルな資産運用・資産管理ビジネスの拡大を進めています。
お客さまのグローバルな資産運用ニーズには、当社が運用す
るグローバル株式・債券等に加え、資本・業務提携先(英国アバ
ディーン・アセット・マネジメント、豪州AMPキャピタル・インベス
ターズなど)の運用商品も提供しています。
資産管理の分野では、新ブランド「MUFGインベスターサービ
運用・管理からコンサルティングまで
多様な投資ニーズに応える幅広いサービスを展開しています
投資信託
1,000
800
600
400
200
0
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年度)
高付加価値の資産運用サービスを提供、
「貯蓄から投資へ」を促進
投資信託を運用する三菱UFJ国際投信では、豊富なライン
て投資をされる方にも適した商品です。
ナップとMUFGのネットワークをはじめとする充実した販売網
今後も、高付加価値の資産運用サービスを提供することで、
三菱UFJ信託銀行の受託財産業務では、
グローバル、投資
投信投資顧問が合併して誕生した三菱UFJ国際投信がお
信託、年金の各分野において、国内外のお客さまの大切な
客さまの幅広い資産運用ニーズにお応えし、中長期の資産
資産をお預かりし、
その運用・管理を行っています。
形成に貢献していきます。
グローバルの分野では、持続的な成長が期待される資産運
年金の分野では、高齢化の進展や、年金を取り巻く制度の
用・資産管理ビジネスにおいて、国内の運用・管理基盤に加
変更などを受けたお客さまの企業年金制度の導入や運営に
年トップクラスの受賞本数を獲得しています。
え、
出資・提携も活用し、
ビジネスの拡大を進めています。
対応し、高度かつ専門的なコンサルティングや豊富な商品・
また、
これにとどまらず、新たな取り組みとして、2016年3月
投資信託の分野では、2015年7月に三菱UFJ投信と国際
サービスの提供を行っています。
にネット投信で業界初となるロボ・アドバイザーサービス「ポー
によって、幅広い資産運用ニーズにお応えしています。同社は、
常に魅力的な商品を提供し、さまざまな評価機関において毎
“貯蓄から投資へ”
の促進を通じ、お客さまの中長期の資産形
成に貢献していきます。
トスター」の提供を開始しました。簡単な質問に答えることで、
「ポートスター」がお客さまのリスク許容度に応じたファンドを
提案します。購入までの煩雑さが回避されるため、少額投資非
課税制度「NISA」
「ジュニアNISA」を利用される方や、はじめ
幅広い商品ラインナップで時代のニーズに応えていきます
年金
ロボ・アドバイザーサービス「ポートスター」
高い専門性やノウハウをもとに、お客さまの高度かつ多様なニーズにきめ細かく対応
受託財産部門長 岡本 純一
当社は、
日本の企業年金制度の創設以来、その発展に貢献して
資産運用では、高度な専門性を追求し、本邦トップクラスの商
して高度化しています。受託財産部門は、三菱UFJ投信と国際投信投資顧問の統
きました。長年培ってきた高度な専門性やノウハウをもとに、企
品ラインナップによって、お客さまの運用ニーズに的確にお
合、海外でのファンド管理会社の買収など、その事業領域を拡大し、機能を高めて
業年金制度の設計から資産運用・管理に至るまで、総合的なコ
応えしています。
います。
ンサルティング&サポートを提供しています。
制度の管理・運営では、業界唯一の専門部署である年金カスタ
お客さまの人事戦略・財務戦略を踏まえた制度構築のサポート
マーサービス部が、制度変更手続きから日常の年金事務手続
では、業界トップクラスの企業年金の専門家である年金数理人
きまで、
ワンストップでサポートする年金コンシェルジュ機能を
を擁し、
高度な専門ノウハウで多様なニーズに対応しています。
提供しています。
グローバル経済の拡大により、資産運用・資産管理へのニーズは一段と拡大し、そ
はじめて投資をされる個人のお客さまから、
グローバルに資金運用される機関投
資家のお客さままで、時代とともに変化する多様なニーズに対して、豊富なライン
ナップのサービスを、最高の品質でお届けしていきます。
19
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
20
信託銀行の業務と事業概要
お客さまのグローバルビジネスに応える取引体制
企業のクロスボーダー取引が多様化するなか、お客さまに、
さ
24時間のトレーディング体制
まざまな為替取引機会を提供することは非常に重要な業務と
なっています。当社では、たとえば東京で、夜中に取引を希望
市場国際部門
ニューヨーク
市場
されるお客さまへのサービスは、ニューヨーク支店が担当する
など、東京およびロンドン、
ニューヨークにある海外支店と連携
しながら、24時間、お客さまと取引ができる体制を構築してい
21:00
ます。
6:00
東京時間
企業間取引は金額規模が大きく、為替が1銭動けば取引額に
大きな影響が生じ、お客さまが思わぬ損失を被る可能性もあり
ロンドン市場
東京市場
ます。当社では、
グローバルにビジネスを展開するお客さまが、
適時適切な取引ができるよう、
日々、お客さま宛にマーケット情
お客さまのグローバルなビジネスをサポートするため、
海外ネットワークを活用したサービスの充実を進めています
三菱UFJ信託銀行の市場業務は、世界の主要な金融市場
日本企業のグローバル化は一段と加速しています。進出す
で国債、株式をはじめとする有価証券などへの投資や、円
る地域や取引形態も多様化、複雑化しており、それに伴う為
貨・外貨の必要な資金調達による当社のバランスシート・マ
替取引についても高度な対応が要求されています。また、
ネジメントを担っています。
世界的な金利低下により、国内外の投資家が高いリターン
また、外国為替業務では、東京および海外拠点を利用して
を求め、新たな投資商品へと向かっており、そうした投資家
24時間体制でお客さまに為替取引サービスの提供を行っ
の為替取引ニーズを満たすことも求められています。
ています。刻々と変動する外国為替市場において、国内外
当社ではこうしたお客さまのニーズに応えるために、
新たな
の事業法人や機関投資家といったお客さまの為替リスク軽
商品・サービスのラインナップを充実させていきます。
15:30
報の提供をするなど、
サービス向上に努めています。
グローバルな資産運用に応えるきめ細かいサービス
世界的に金融緩和が継続するなか、投資家ニーズを満たすべ
く多様な金融商品が日々新たに設定され、その多くの商品は
投資信託等、
ファンドと呼ばれる形態で運用がなされます。
ファンドスキームの一例
ファンド
運用委託
管理会社・
トラスティ
ディーラーの配置や為替ネット取引システムの活用など、積極
委託
運用指図
為替の発注
的なセールスを展開しています。
減サポートを行っています。
国内外の投資会社が運用するファンドのクロスボーダー取引
拡大に伴い、
ファンドの為替取引ニーズも多様化、複雑化して
います。当社はこのようなファンドに付随する関連ビジネスの
グローバルなビジネスを展開するお客さまのインフラとして
市場国際部門長 長島 巌
新興国経済の減速、地政学リスク の高まり、あるいは日本銀行によるマイナス金
※
利政策の導入など、内外経済をめぐる環境は刻々と変化し、不透明さを増していま
す。市場国際部門では、債券や外国為替、
デリバティブ
(金融派生商品)
などさまざ
まな市場性取引を通じて、三菱UFJ信託銀行の健全な銀行運営を支えています。
同時に、
グローバルに事業を展開するお客さまの為替取引ニーズに対し、海外支
店を含めたネットワークを通じ、
きめ細かいサービスでお応えしていきます。
運用会社
当社では、ファンドの為替 ※ 取引に注力し、専任カスタマー
強化にも積極的に取り組んでいます。多様化、複雑化したニー
資金決済
カストディ
(保管銀行)
三菱UFJ
信託銀行
(為替銀行)
証券決済
有価証券
の発注
証券会社
ズをいち早く捉え、
ファンド運用にあった為替取引スキームの
開発に加えて、タイムリーなマーケット情報の提供など、付加
価値の高いサービスを行っています。
また、お客さまの所在地により、為替取引を行いたい時間帯が
異なるため、海外各支店との連携により、
グローバルでシーム
レスなサービスを提供しています。
※ 信託財産の外貨運用から発生する外国為替
※ ある特定の地域が抱えている政治的・軍事的な問題の高まりにより、
特定地域経済または、
世界経済全体の先行き
が不透明になるリスク
21
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
22
信託銀行の業務と事業概要
STOXX社との提携について
グローバル展開
三菱UFJ信託銀行は、2015年5月に世界有数のインデック
インデックス」は、三菱UFJ国際投信の運用するETF(上場投
ス開発・提供会社であるSTOXX社と業務提携を行い、イン
資信託)
が東京証券取引所に上場しており、幅広いお客さまに
デックスビジネスに参入しました。
提供されています。
近年、資産運用市場では、個別銘柄を選択するアクティブ運用
に比べ、TOPIX(東証株価指数)等の指数に連動した投資を
行うインデックス運用の割合が拡大しています。中でも、銘柄
選択や加重方法に投資理論に基づく付加価値を加え、高い運
用効率の実現を目指す「スマートベータ」と呼ばれるインデッ
クスでの運用が急速に成長・拡大しています。当社は従来より
スマートベータ型の運用商品を開発し提供しておりましたが、
さらにSTOXX社のインデックス算出・管理ノウハウを融合し、
“MUFGインベスターサービス”
のブランドで資産管理に
関する幅広いサービスをワンストップで提供しています
新たな指数を自ら開発・提供することを開始しました。また、当
て、
ワンストップのサービスを提供しています。
当社は長期にわたり本邦のお客さまを中心に、カストディ業務やセキュリ
すでに3件の指数の公表を開始していますが、中でも、中長
りプライベート・エクイティ向けファンド管理業務の買収を完了し、その商品ラ
インナップ、
グローバルネットワークをさらに拡大させています。
三
三
菱
UF
J信
ーク
託銀行
( ニューヨ
支
菱
店
)
「iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ150インデックス」お
よび設備投資・人材投資を積極的に行っている国内株式銘柄
で構成された「iSTOXX MUTB Japan 積極投資企業200
三菱UFJ国際投信の運用するETFが上場
キ
ュ
リ
管理業務を、2016年4月には米国の大手運用会社Neuberger Bermanよ
業務
12月には欧州の大手金融グループUBS AGからヘッジファンド向けファンド
テ
ィー
ズ・
レン
MUFG インベスターサービス
ング
さらに2013年には買収を通じてファンド管理業務にも本格参入、2015年
います。
期に高ROEを持続する「クオリティ」の高い株式に投資する
バンキ
ティーズ・レンディング業務を提供してきており、邦銀№1の実績を持ちます。
り、国内外のお客さまの多様な資産運用ニーズにお応えして
ディング 業 務
世界90カ国以上の投資市場をカバーするグローバルネットワークを活用し
UF
Jト
ラス
トイン
ターナショナル
て、
“MUFGインベスターサービス”
のブランドで、幅広い商品ラインナップと
ルクセンブルク三
菱U
FJ
イ
ン デ
三菱U
ベ
FJフ
ァ
ン
ド
三菱UFJ信託銀行はグローバルでニーズの高まる資産管理サービスに対し
該指数を採用したスマートベータ型の運用商品も開発してお
ファ
ンド
管
理
業
務
務
ー業 ス銀行
リ
タ
ービ
サ
ジ
ポ ター
ス
ス
ビ
ー
サ
STOXX社との提携合意書を締結
セ
カ スト ディ 業 務
ドバイ駐在員事務所新設について
三菱UFJ信託銀行は、
アラブ首長国連邦(ドバイ)
において、本
Voice
三菱UFJ信託銀行(MUTB)グループの一員として
MFSによるUBSからのオルタナティブ・ファンド・サービス事業
Butterfield Fulcrum*がMUTB、
そしてMUFG Investor Services
開設しました。当社では、
これまでも海外投資家向けに専担の
(AFS)の買収は、MUFG Investor Servicesの成長戦略におけ
の一員となって約3年が経ちます。MUTBは、新規買収や経営基
る大きな節目となりました。ファンド管理業界では、事業縮小やコ
盤拡大に向けた投資支援など、私たちをさまざまな形でサポート
営業部署を設け、株式・債券などの運用商品受託や本邦不動産
スト削減にフォーカスする会社が多いなか、当事業に真にコミット
しています。
のアセットマネジメントの受託や仲介に注力してきました。中東
していく覚悟を持つパートナーと出会えたことはAFSマネジメン
MFSは、
グループ各社の持つ機能を活用し、
ファンド管理のみなら
地域は、政府系ファンドなどを中心とする大手機関投資家が多
ト・チームおよび私にとって大変喜ばしいことでした。
ず、
デポジタリー、
カストディ、バンキングなど各種サービスを提供
MUTBグループへの参加を、
これまでのお客さまも大変好意的に
する
「one stop shop」
となりました。MUFGが築いたグローバル
く、当社にとっても重要な地域であると位置付け、駐在員事務
受け止め、新たな投資による提供サービスの向上に期待を寄せて
で高品質なサービスへの評価・信頼は、私たちが大きく飛躍する
います。また、MFSとAFSチームの統合により、新たなお客さまと
きっかけとなっており、
グループの一員として、最良かつ最大のファ
ニケーションを一段と活発にしていきます。
のビジネスも拡大しており、今後更なる良い
ンド管理会社を目指していけることを喜ばし
成果が見込まれています。グループのビジョ
く思うとともに、大変誇りに感じています。
また、同駐在員事務所は、
ドバイ国際金融特区の、三菱東京
ンや目標の共有を嬉しく思うと同時に、その
*現Mitsubishi UFJ Fund Services Holdings
マーク・ポーター/Mark Porter
CEO of Alternative Fund Services (AFS)
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
所開設を通じて中東地域における投資家の皆さまとのコミュ
開所式でのテープカット
UFJ銀行ドバイ支店および三菱UFJセキュリティーズインター
ナショナルドバイ支店と同一ビル内に入居しています。銀行・信
一員となれたことに満足しています。
23
邦信託銀行としては初となる駐在員事務所を2016年5月に
ケン・マッカニー/Ken McCarney
CEO of MUFG Fund Services (MFS)
託・証券のMUFG連携強化により、投資家の皆さまの利便性向
上を進めていきます。
入居ビルの外観
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
24
CSR
想いを受け取り、想いをつなぐ
「世代」
と
「環境」を未来につなぐ活動に取り組んでいます
商品・サービスを通じた取り組み
環境に関する取り組み
再生可能エネルギーの推進と普及
三菱UFJ信託銀行のCSR
年金基金等の投資家向け「再生可能エネルギーファンド」組成
の最大導入・民間資金を活用した中長期の成長資金の供給促
三菱UFJ信託銀行は、信託銀行の機能を活かして持続可能な社会の実現に貢献していくことで、企業の社会的
を目標とした「R&D目的投資」
として、既存の宮崎県・大阪府に
進に貢献していきます。
続き、新たに大分県の太陽光発電案件への匿名組合出資を追
出資した太陽光発電事業
責任(CSR)
を果たしていきたいと考えています。具体的には「地球環境問題」
と
「少子高齢化問題」をCSRの重
点テーマに掲げ、お客さまや社会のニーズ(想い)
に応える商品・サービスの提供や従業員参加型の社会貢献活
動などの取り組みを進めています。
加実施しました。これら3件の投資(約40億円)
により、年間を
通じて一般家庭約2,300世帯分に相当する電力を供給すると
ともに、年間約6,000トンのCO2排出量削減が期待できます。
今後も、国の成長戦略上の目標でもある再生可能エネルギー
お客さまへの取り組み
持続可能な社会の実現に向けて
お客さまに直接かかわる営業担当だけでなく、企画・事務・シス
員の心構えとして「CS取組方針」を定めています。
テムなど、すべてのプロセスにかかわる役職員が、お客さまか
世界の年金基金等の投資家は、安定した投資収益を獲得する
ら評価いただくためには何が必要なのかを考え、不断の改善
ため、企業評価において業績見通しや財務情報だけではなく、
活動に取り組んでいます。また、
この方針に基づき、各事業部
ESG(環境・社会・ガバナンス)等の非財務情報を考慮する傾向
門において、具体的に取り組むべきことを定め、全社一丸と
を強めています。当社はESGを考慮して厳選した銘柄のファン
なってCS向上に努めています。
ド設定・運用に力を入れるとともに、非財務情報をベースとした
CS取組方針
企業評価の拡大を呼びかける活動を推進しています。今後も
~どなたにでも安心してご利用いただける店舗を目指して~
ESGに配慮した投資運用を推進し、企業の非財務情報を重視
ご高齢のお客さまや障がいのあるお客さまなど、
する考え方を広く社会に提案することで、持続可能な環境・社
すべての方に安心してご利用いただけるよう、さまざまな取り組みを実施しています。
所在地:大阪府夢洲(「大阪ひかりの森」)
ESG投資への取り組み
当社では、お客さまからの評価向上・支持拡大に向けた全役職
『お客さまからの評価向上の
ために何をすべきか』
を、
常に全役職員が考え、実践する
所在地:宮崎県国富町
持続性評価の流れ
財務情報を
ベースとした分析
ESG評価を
ベースとした分析
長期的な視点による投資候補選定
中長期的に安定した投資パフォーマンス
会の実現に貢献していきます。
安心・快適な店舗づくり
●
スロープの設置による段差解消、車いす対応の駐車場の整備など、店舗や施設の改善を順次進めています。
●
各店舗のバリアフリー情報をホームページに掲載しています。
サービス・応対力の向上
●
車いす・老眼鏡・助聴器・ルーペ・筆談器・記帳ボード・コミュニケーションボード※(全国銀行協会制定)
を全店舗に配備して
当社では多様な人材の活用(ダイバーシティ)
に注力しており、
います。
特にワークライフバランス、女性活躍推進、障がい者雇用に積
※ ボードを指し示すことで代表的な取引や手続きの意思表示ができます。
●
極的に取り組んでいます。仕事と育児等との両立を支援する
視覚障がいのあるお客さまや、車いすをご利用の
制度「ワークライフバランス10」の導入や、生産性向上と総労
ためATM利用が困難なお客さまが、窓口で振込
●
ダイバーシティへの取り組み
みされる際の振込手数料を、ATMご利用時と同
働時間削減に向けた「スマートワークプロジェクト」の推進を
額の振込手数料に引き下げています。
行っています。また、女性活躍推進のための「行動計画」を発表
認知症の方やそのご家族に安心してご来店いただ
し、女性の管理職比率などの数値目標を設定して、登用を進め
けるよう、本支店社員の「認知症サポーター養成
スマートワークポスター
ています。障がい者雇用についても、特例子会社と協働し、主
講座」の受講を必須とし、
ご高齢のお客さまへの
応対力向上に取り組んでいます。
キャリアアップセミナー
全国銀行協会 コミュニケーションボード
に聴覚などに障がいのある方の雇用創出に取り組み、多くの方
が多岐にわたる業務領域で活躍しています。
25
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
26
CSR
地域社会への取り組み
「ピーターラビットTM未来へつなぐ森」での活動
「かけはし信託愛の基金」による寄付
各拠点での従業員参加型社会貢献活動
2009年5月、長瀞町および埼玉県と「埼玉県森林づくり協
社会福祉の向上に資するため、三菱UFJ信託銀行とグループ
全国の拠点が独自に行う社会貢献活動の推進にも力を入れ、活動資金を援助する制度を導入しています。
定」を締結し、長瀞町宝登山地内にある共有林(約1ha)
で森林
会社の役職員・退職者およびその家族から会費(寄付)
を募り、
拠点による主な活動事例
保全活動を開始しました。
「ピーターラビットTM 未来へつなぐ
老人福祉、保健医療、災害援護等を行う社会福祉団体等への
森」
と名づけたこの森で、植樹や下草刈りといった活動に、役職
支援を行っています。2015年度は、16団体に総額800万円
員やその家族が参加しています。2016年5月には、池谷社長
の寄付を実施し、1977年の基金設立以来、累計870件、総額
審査部
をはじめ76名が参加し落葉広葉樹70本を植樹しました。ま
4億250万円の寄付を行いました。また2016年度は、熊本地
年金営業第1部
た、
この活動が評価され、2015年度には埼玉県より
「第17回
震に対する義援金100万円を特定非営利活動法人ジャパン・
彩の国埼玉環境大賞奨励賞」を受賞しました。
プラットフォームに寄付しました。
拠点
活動
札幌支店
中島公園で花壇植栽活動に参加
仙台支店
女川復興ガーデンの花の植替え・清掃活動を実施
聴覚障がい者を理解しコミュニケーションを学ぶ手話講座を受講
資産運用部
国内債券市場に関する座学、取引・戦略に関するプレゼンテーションなど大学生向け運用現場見学会を実施
五反田支店
使用済み切手を収集し、品川区社会福祉協議会品川ボランティアセンターに寄贈
渋谷支店
東京港野鳥公園の野鳥保護区内で清掃活動を実施
上大岡支店
横浜自然観察の森「アキアカネの丘」にある外来種の除去作業
平塚支店
中学生を招きビジネスマナーや金融経済教室などの職場体験を実施
長野支店
三菱グループ社員が、AC長野パルセイロのホームグラウンド南長野運動公園球技場のベンチ拭きボランティアを実施
名古屋エリア4拠点
愛知県下の児童養護施設の児童を招いてラグビー教室を実施
大阪エリア7拠点
産業廃棄物処分場で苗木を植える
「共生の森植樹祭」に参加
高知・岡山・高松・徳島支店
香港支店
寄付金贈呈式
「ドナルド・マクドナルド・ハウス」の清掃を実施
高知県「環境先進企業の協働の森づくり事業」へ参画し、
『 三菱UFJ信託・
「想い」をつなぐ森』
で間伐を実施
「MUFG Gives Back※」
として、三菱東京UFJ銀行とともに、大埔海濱公園で植樹活動を実施
※ MUFG Gives Back…MUFGのグローバルCSR活動の一環で、
毎年11月を「グローバルボランティア強化月間」
に設定。MUFGグループで連携し、
各海外拠点で独自の活動を企画・実施。
産学連携講座への講師派遣
2007年から東京大学大学院工学系研究科の講座「イノベー
植樹イベント
ション・ケーススタディ」
に講師を派遣しています。同講座は、
技術
経営戦略学専攻の学生を対象に、
企業の第一線で活躍する講師
宮城県女川町へ庭園とトピアリーを寄贈
による講義や演習などを行う
2014年2月に本店ビルに展示していたピーターラビットの世
もので、2016年度は「株式
界をモチーフにしたガーデニングディスプレイを、東日本大震
投資戦略」
「企業買収を巡る
災からの復興支援のために宮城県女川町へ移設・寄贈しまし
状況」の2つのテーマで計4
た。2015年12月には第2の庭園として、女川駅前広場に新
回の講義・演習を行いました。
平塚支店
講義の様子
香港支店
大阪エリア7拠点
財団を通じた社会貢献活動
たに庭園とトピアリーを寄贈し、仙台支店の社員が定期的に花
の植替えや清掃活動を実施しています。
人材の養成や学術研究の発達を目的に、前途有望な若者を対象にした奨学事業を行っています。2015年度は、留学生を
認知症サポーターの養成
三菱UFJ信託奨学財団
万円の助成を行っています。
社員を対象として、認知症サポーターの育成を目的に「認知症
サポーター養成講座」を実施しています。2015年度には
3,000名以上を養成し、症状や対応方法などについて理解を
音楽芸術の発展・振興を目的に、
日本のオペラやオーケストラ等の団体の主催公演から、一定の芸術的水準を有する公演に
三菱UFJ信託芸術文化財団
音楽・美術・演劇・伝統芸能の各分野で、継続的に活動するアマチュアの音楽および演劇団体の公演、美術品の展示活動、伝
三菱UFJ信託地域文化財団
増加が見込まれるなか、
地
27
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
るよう取り組んでいます。
統芸能の伝承と保存等、地域文化の振興に努力されている団体への助成を行っています。2015年度は、53件、2,000万
円の助成を行い、1989年の設立以来、1,314件の公演等に対し、総額6億5,970万円の助成を行っています。
域社会への貢献につなが
女川町駅前広場に寄贈した庭園
助成しています。2015年度は、
オペラやオーケストラ等の30件の公演に計3,000万円の助成を行い、
1987年の設立以
来、
1,503件の公演に対し、
総額16億5,420万円の助成を行っています。
深めました。認知症患者の
花の植替え活動
含む393名の学生に、総額2億900万円の奨学金を給付し、1953年の設立以来、6,063名の学生(留学生を含む)に対
し、総額55億円を超える奨学金を給付しています。また、学術の研究助成事業では、
これまでに48団体に対し2億5,400
「認知症サポーター養成講座」の様子
CSRの取り組みについては当社ウェブサイトでもご覧いただけます。
▶http://www.tr.mufg.jp/ippan/csr/
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
28
経営基盤
TOPICS
監査等委員会設置会社への移行
コーポレート・ガバナンス態勢の
さらなる高度化に向けて
コーポレート・ガバナンス体制図(2016年6月28日現在)
三菱UFJフィナンシャル・グループの株主
三菱UFJフィナンシャル・グループ
(親会社・株主)
三菱UFJ信託銀行株式会社
株主総会
監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ
監査・監督
❶ 取締役会
取締役
三菱UFJ信託銀行は2016年6月の株主総会での承認を経て、監査等委員会設置会社へと移行しました。
監査等委員会設置会社制度とは、2015年5月施行の改正会社法で設けられた株式会社の新たな機関の形であ
❷ 監査等委員会
監査等委員である取締役
監督
委任 報告
り、監査役(会)
を設置せず、代わりに取締役3名以上かつその過半数を社外取締役とする
「監査等委員会」が取締
※1
監査・監督
報告
指示
報告
❸ 経営会議(=取締役社長)
役の職務執行を監査・監督する制度です。
会計監査人
複数の社外取締役選任を要請するコーポレートガバナンス・コードの後押しを受け、
6月現在、上場企業の2割近く
監査部
監査等委員会室
総務部
独立の部室
市場国際部門
受託財産部門
法人ビジネス部門
迅速な意思決定が可能な体制を構築するとともに、
リテール部門
①重要な業務執行の決定を取締役会から取締役社長へ大幅に委任することで、
独立の営業部店
移行の狙い
独立の営業本部
にあたる約700社が移行済または移行を表明しており、今後ますます増加することが予想されています。
※2
委任事項のモニタリング等を通じて取締役会の監督機能の強化を図ること
②社外取締役が過半を占める監査等委員会が監査・監督機能を担うことで、
国内支店・
国内出張所
経営の透明性・客観性の向上を図ること
※3
海外支店・
海外駐在員事務所
本移行により、当社はコーポレート・ガバナンス態勢のさらなる高度化を進めていきます。
(内部監査)
※1 独立の部室である総務部および監査部内の監査等委員会室が監査等委員会の事務局であることを示す。
※2 独立の営業部店には、札幌支店・仙台支店・長野支店・京都支店・広島支店の5店舗を含む。
※3 国内支店・国内出張所には、※2の5店舗は含まず。
社外取締役の声
コーポレート
・ガバナンス強化を先導する立場で監査等委員会設置会社のベスト
・プラクティスを
❶ 取締役会
外取締役6名)で構成され、監査等委員以外の取締役の職
取締役会は、20名の取締役(うち社外取締役6名)で構成
務執行の監査・監督を行っています。
され、経営の基本方針を決定するとともに、経営監督機能を
担っています。
❸ 経営会議
法令で定められた専決事項以外の重要な業務執行の決定
経営会議は、取締役社長が決定権を持つ機関であり、取締
の会社も、迅速で緊張感のある
「攻め」のガバナンスを構築しようとしていることは確かだと思
を、原則として取締役社長に委任していますが、特に重要な
役社長、取締役副社長執行役員、取締役専務執行役員、部
います。そのためには、取締役会を従来のマネジメント型からモニタリング型に大胆に転換す
業務執行の決定については取締役会が行っています。
門長、法人ビジネス部門の事業長および独立の部室の担当
取締役会は、委任事項のモニタリングを含め、業務執行の
常務役員で構成されています。
監督に軸足を移しており、非業務執行取締役が20名中11
取締役会が決定した基本方針に基づき、経営に関する重要
名と過半を占めています。
事項全般を協議・決定するとともに、取締役会から取締役社
監査等委員会設置会社に移行する会社が急増しています。その目的はさまざまですが、いずれ
る必要がありますが、頭では分かっても、それを実務に落とし込むのは至難の業と言わなけれ
ばなりません。当社は、証券代行業務を通じてたくさんのお客さまにアドバイスをする立場に
ありますので、
自らが率先してベスト・プラクティスをつくり出すことが求められます。法制審議
会を通じて会社法の改正にかかわった一人として、微力ながら、私自身もその一翼を担いたい
と思っています。
29
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
長への委任事項について協議・決定しています。
社外取締役 監査等委員
野村 修也
❷ 監査等委員会
監査等委員会は、9名の監査等委員である取締役(うち社
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
30
経営基盤
役員一覧(2016年9月1日現在)
取締役
執行役員
取締役会長
若林 辰雄
取締役社長
池谷 幹男
取締役 副社長執行役員
岡本 純一
成瀬 浩史
専務執行役員
取締役 常務執行役員
取締役
受託財産部門長
人事部(CHRO)・社員相談室・経営管理部(CRO兼CDO)・
常務執行役員
営業第3本部長、札幌支店・仙台支店・長野支店担当
庵 栄治
受託財産副部門長
中西 弘
営業第1本部長
リテール部門長、本店営業部担当
鈴木 晃
受託財産副部門長、海外投資家営業部担当
長島 巌
市場国際部門長
小宮 和義
名古屋営業本部長
森 聡彦
法人ビジネス部門長・法人事業長
大野 泰一
営業第2本部長
矢矧 由希夫 監査部(CAO)
担当
横川 直
受託財産副部門長
米花 哲也
黒田 健
法人ビジネス副部門長・不動産事業長
安達 典宏
西日本営業本部長、京都支店・広島支店担当
加納 靖登
役員付部長
経営企画部(CSO兼CFO)・フロンティア戦略企画部担当
黒田 忠司
坂本 泰邦
楢崎 利哉
髙木 茂
片山 英二
清水 芳信
隆島 唯夫
能見 善久
野村 修也
MUFGグループでは、三菱UFJフィナンシャル・グループのC-Suite を、
グループの企画・管理本部の各機能を統括するグループ代表(グループC-Suite)
としており、機能ごとにグループ横
断的な経営管理を行うことで、
グループベースの事業戦略のサポートを一層強化し、G-SIFIsに相応しい、
グループガバナンス態勢の強化・高度化を図っています。当社でも同様の機能を所管
する本部各部の担当取締役をC-Suiteとして位置付けています。
(*)CFOやCROなどの総称
(*)
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
山口 裕之
滝沢 聡
取締役 常勤監査等委員(委員長) 居原 健一
31
受託財産副部門長
総務部・審査部・業務IT企画部(CIO)担当
取締役 監査等委員
社外取締役 監査等委員
成川 順一
伊藤 尚志
執行役員
取締役 常勤監査等委員
法人ビジネス副部門長・証券代行事業長
浅野 誠一郎 受託財産副部門長・受託事業長
コンプライアンス統括部(CCO兼CLO)担当
取締役 専務執行役員
宮永 憲一
三尾 良孝
大阪証券代行部長
五十嵐 正悟 横浜駅西口支店長
向原 敏和
業務IT企画部長
石川 恭
法人統括部長
山本 晋広
コンプライアンス統括部長
馬林 秀治
人事部長
新井 進一
梅田支店長
中川 聖
金融法人部長
猿田 昌洋 海外投資家営業部長
安田 敬之
受託財産企画部長
谷川 和路
法人統括部役員付部長
星 治 フロンティア戦略企画部長
田中 政樹
不動産営業第2部長
佐々木 章浩 ニューヨーク支店長兼ケイマン支店長
大森 治朗
インベスターサービス事業部長
稲葉 健伸
経営企画部長
田中 昌之
市場企画部長
岡田 匡雅
経営管理部長
中島 淳之
証券投資部長
金子 敏也
リテール企画推進部長
相 幸子
法人コンサルティング部長
辻 義輝
京都支店長
宇野 泰二郎 年金営業推進部長
青野 准治
大阪年金営業部長
名淵 一茂
営業第4部長
久保田 尚
資産運用部長
二木 健匡
監査部長
中南 穣
年金運用部長
藤原 浩史
証券代行営業第2部長
金森 比左志 ロンドン支店長
伊原 隆史
役員付部長
西田 泰
営業第1部長
十川 潤
役員付部長
原田 義久
シンガポール支店長
役員付部長
石崎 浩二
法人統括部役員付部長
Ray Paul
Winters
(レイ ポール
ウィンターズ)
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
32
経営基盤
「三菱UFJ信託銀行コーポレート・ガバナンス方針」の概要
コンプライアンス
リスク管理
当社は、MUFGグループの中核企業の1社として、親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループが定めた「MUFGコーポ
MUFGの一員である当社は、MUFGグループの経営ビジョン
2008年の世界金融危機以降、
より高度で広範なリスク管理
レートガバナンス方針」のもと、当社のコーポレート・ガバナンス方針を定めており、その概要は以下のとおりです。
のもとに、
グループ役職員が日々判断し、行動すべき基準とし
が金融機関に求められるなか、
グローバルな事業展開を行う
(当社は、2016年6月28日付で監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行したことに伴い、同日付で「三菱UFJ信託銀行コーポ
て行動規範を示しています。そして、国内外の各種法令・制度へ
当社にとっても、
リスクの把握とそのコントロールが従来にも
レート・ガバナンス方針」を改正しました。)
の厳格な対応など、
コンプライアンスの徹底を推進するととも
増して重要になってきています。MUFGではグループ全体と
に、信託銀行として求められる高度な企業倫理を果たすべく、
して管理するリスクを分類・定義しており、当社においても、各
当社役職員に求められる思考様式・行動様式を制定した「三菱
業務内容に沿って、
リスク特性に応じた管理体制を構築してい
取締役会議長は、取締役会を主導し、取締役会の実効
UFJ信託銀行のFiduciary Duty(フィデューシャリー・デュー
ます。
性を確保する。
ティ)」の浸透を図っています。
各種リスクを全社的に把握し、経営に対する影響度を評価し、
体制としては、
コンプライアンスに関する統括部署としてコン
統合的にコントロールするために、当社では、
リスク管理の担
プライアンス統括部を設置し、
コンプライアンス・プログラムの
当役員および担当部署を設置し、
かつリスク管理のための委員
策定や研修等を通じコンプライアンスの推進に取り組むととも
会を設置しています。各委員会では、各種リスク状況をモニタ
に、経営会議や取締役会に対して法令等遵守の状況に関する
リングするとともにリスク管理に関する重要事項の審議を行
報告を行っています。
い、
これらを踏まえて、経営会議・取締役会がリスク管理方針を
決定しています。
1. 三菱UFJ信託銀行コーポレート・ガバナンス方針
の目的
MUFGグループの中核企業の1社として、当社のコー
ポレート・ガバナンスの考え方や枠組みを示し、取締役
および経営陣等の行動の指針とする。
2. コーポレート・ガバナンスについての考え方
6. 取締役会の運営
独立社外取締役を含む取締役に十分な情報を提供す
るための態勢を構築する。
7. 監査等委員会の役割および構成
MUFGグループの中核企業の1社として、株主である
監査等委員会は、取締役の職務執行を監査する。
MUFGおよびMUFGの株主(合わせて以下、MUFG
監査等委員会は、監査等委員以外の取締役の選解任
等株主という。)、ならびに顧客、従業員、地域社会等の
等および報酬等に関する意見を決定し、株主総会にお
また、CCO(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)
を委員長と
ステークホルダーの立場を踏まえて、持続的な成長と
いて当該意見を述べることができる。
する「コンプライアンス委員会」を設置し、
コンプライアンスに
監査等委員の過半数は、独立社外取締役により構成
係る重要事項について審議を行う体制を構築しています。
中長期的な企業価値の向上を目指す。
する。
3. 取締役会の役割
監査等委員会は、監査等委員の中から委員長および常
勤の監査等委員を選定する。
取締役会は、経営の基本方針を決定するとともに、経
営監督機能を担う。法令で定められた専決事項以外の
業務執行の決定は、原則、取締役社長へ委任する。
取締役会
8. 株主等ステークホルダーとの関係
MUFG等株主の権利が確保され、その権利が有効に
4. 取締役の責務
取締役は、株主により選任された経営の受託者として、
MUFG等株主以外の顧客等ステークホルダーとの適
切な協力関係の構築に努め、経営活動を遂行する。
し、当社グループの事業に精通した社内取締役と、複数
ステークホルダーから正しく理解され評価されるため
経営会議
ALM委員会
コンプライアンス委員会
資本運営委員会
CCO
(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)
コンプライアンス統括部
9. 適切な情報開示
多様な知見・専門性を備えた、
バランスの取れた構成と
リスク管理委員会
(危機管理を含む)
経営会議
行使されるよう適切に対応する。
忠実義務・善管注意義務を負う。
5. 取締役会の構成
取締役会
・報告、協議等
・指導、助言、指示等
与信委員会
信用リスク、
市場リスク、
経営管理部
(リスク管理
統括部署)
資金流動性リスク、
オペレーショナルリスク、
事務リスク
経営管理部
情報資産リスク
業務IT企画部
に、適切な情報開示を行い、透明性を確保する。
リテール企画推進部リテールコンプライアンス室
総務部
有形資産リスク
法人統括部リスク管理・コンプライアンス室
人事部
人材リスク
受託監理部受託コンプライアンスグループ
コンプライアンス
統括部
法的リスク
経営企画部
評判リスク
名選任する独立社外取締役との、適切なバランスで構
成する。
市場国際部海外規制・コンプライアンスグループ
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三菱UFJ信託銀行レポート 2016
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
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グローバ ルネットワーク
国内外の拠点・グループ会社を通じて
きめ細やかなサービスを提供しています
連結子会社
持分法適用関連会社
支店、駐在員事務所
三菱UFJ
・ベイリー・ギフォード・アセット・マネジメント・リミテッド
(エディンバラ)
Aberdeen Asset Management PLC
(アバディーン)
ニューヨーク支店
ルクセンブルク三菱UFJインベスターサービス銀行
(ルクセンブルク)
三菱UFJアセット・マネジメント
(UK)
(ロンドン)
北京駐在員事務所
(北京)
ロンドン支店
ニューヨーク支店
MUFGキャピタル・アナリティクス
(ダラス)
三菱UFJトラストインターナショナル
(ロンドン)
三菱UFJファンドサービス
(バミューダ)
申万菱信基金管理有限公司
(上海)
香港支店
三菱UFJ信託銀行本店
ドバイ駐在員事務所
(ドバイ)
ケイマン支店
三菱UFJインベストメント・サービス
(香港)
シンガポール支店
ロンドン支店
香港支店
AMP Capital Holdings Limited
(シドニー)
シンガポール支店
国内
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エム・ユー・トラスト総合管理株式会社
日本マスタートラスト信託銀行株式会社
三菱UFJトラストビジネス株式会社
エム・ユー投資顧問株式会社
三菱UFJ代行ビジネス株式会社
三菱UFJインベスターサービス株式会社
菱信データ株式会社
日本シェアホルダーサービス株式会社
三菱UFJトラストシステム株式会社
三菱UFJ国際投信株式会社
株式会社三菱UFJトラスト投資工学研究所
三菱UFJ個人財務アドバイザーズ株式会社
エム・ユー・トラスト・アップルプランニング株式会社
三菱アセット・ブレインズ株式会社
三菱UFJトラスト保証株式会社
日本確定拠出年金コンサルティング株式会社
菱信ディーシーカード株式会社
アバディーン投信投資顧問株式会社
三菱UFJ不動産販売株式会社
AMPキャピタル・インベスターズ株式会社
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
会社概要
(2016年6月30日現在)
社名
三菱UFJ信託銀行株式会社
設立
1927年3月10日
本店所在地
東京都千代田区丸の内一丁目4番5号
資本金※
3,242億円
連結総資産※
45兆6,859億円
Mitsubishi UFJ Trust and Banking Corporation
信託財産額※
197兆3,133億円
代表者
取締役社長 池谷 幹男
従業員数
6,963人
拠点数
国内: 62(本支店 58、出張所4 )
海外: 7(支店 5、駐在員事務所2 )
※
※2016年3月31日現在
三菱UFJ信託銀行レポート 2016
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