超高強度ナノ多孔膜の創製と応用

超高強度ナノ多孔膜の創製と応用
Keyword : 高強度、カーボン膜、多孔化
研究の背景
力学的強度が大きく、化学的安定性にも優れた多孔性薄膜は、化学工業における製品の分
離、触媒などが混入した有機溶媒のリサイクル、オイル成分を含んだ産業排水、特に石油随
伴水処理への応用が期待されている。
研究の狙い
化学的に 安定かつ、極薄に なっても十 分な力学的強度をもつ ダイ ヤ モ ンド状カーボン
(Diamond-Like Carbon, DLC)材料に着目し、DLC薄膜の多孔化に成功した。現在は、膜
の力学強度と分離性能の向上を目指している。
最先端研究トピックス
オイルを浄化できる高性能ろ過フィルターを開発
DLC
Porous
substrate
ガスバリヤ/高強度コーティングに用いられるDLC
膜から数10 nmの薄さの多孔膜の作製に成功し、
カーボン特有の高い力学的強度により、分離膜と
して応用できることを見出した。
5 m
ナノ細孔を有するDLC薄膜は、そのサブ
ナノメートルの細孔により、アゾベンゼン
(分子量:182.2、分子幅:0.69 nm)を94%、
プロトポルフィリン(分子幅:1.47 nm)を
100%取り除くことができる。
文献
• Journal of Membrane Science, vol. 448, pp. 270–291 (2013).
• Advances in Polymer Science, vol. 252 No. 1, pp. 1-28 (2013).
• Science, vol. 328, No. 5986, pp. 1676–1679 (2010).
応用分野と今後の展開
実用化へ向けた課題
 耐有機溶媒性のろ過フィルターは、オイルサンド開発に
おける排水処理、化学工業における溶媒の再利用、あ
るいはRO膜のプレフィルターとして期待される。
 ロールツーロール方式による大面積ナノ多孔性基材へ
の低コスト高速成膜技術の確立。
 ナノ多孔性基材の耐久性、有機溶媒耐性、耐圧性の向
上とDLC層への適合。
機能性分子・ポリマー分野 分離機能材料グループ
藤井 義久
E-mail: FUJII.Yoshihisa●nims.go.jp
URL: http://www.nims.go.jp/mfo/
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