ライトン ® PPS 射出成形のクイックガイド

ライトン PPS 射出成形のクイックガイド
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ライトン ® PPS コンパウンドは加工が容易で、従来型のインライ
ンスクリュー式射出成形機にて、強化エンジニアリングプラスチッ
ク用の一般的な成形手順が適用できます。ガラスおよび無機充填
材による摩耗を抑えるため、耐摩耗仕様のご使用をお勧めします。
理想的な金型充填率を実現できるよう、許容される最高の射出圧
設備条件
• 耐摩耗性バレル(Xaloy 801)
• スクリューの L/D 16:1 ∼ 20:1、圧縮比 2.5:1、焼き入れフラ
イト(Stellite または Colmonoy No.6)
を加えてください。成形品を十分に結晶化させて、高温下におけ
• 耐摩耗性リング型逆流防止弁
る理想的な寸法安定性を確保するために、加熱金型を推奨しま
• 逆テーパーノズル(ナイロン用チップ)または自動シャットオフ
す。ライトン PPS コンパウンドを射出成形に用いる際の一般的
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な注意事項は以下の通りです。その他ご不明な点がございました
ら、ソルベイの担当者へご連絡ください。
ノズル
• 金型硬度 RC60 以上(A2 または D2)
• ショットサイズ 25 ∼ 75%
溶融温度あるいは樹脂温度
• 型締圧 0.4 ∼ 0.6 トン / 平方センチ
ライトン ® PPS コンパウンドの加工温度範囲は 304 ∼ 343℃で
材料の乾燥
す。通常は溶融温度を低∼中温(316 ∼ 329℃、パイロメーター
で測定)に保ちます。
• 加工前に 135 ∼ 149℃で 2 ∼ 4 時間乾燥
金型温度
• ホッパードライヤー・除湿乾燥機の使用を推奨(任意)。
露点温度 -40℃対応品の使用が望ましい
結晶化度の高い成形品を得るために金型温度は 135 ∼ 149℃と
• 水分率< 0.1%
します。ホットオイルを循環させると温度を制御しやすくなります。
成形機の設定
• 図中のバレル温度設定を参照
• 金型温度を 135 ∼ 149℃に設定(成形品の理想的な結晶化の
ため)
• 背圧 3.5 ∼ 7.0bar
• スクリュー速度 100rpm
材料乾燥
135∼149℃、
2∼4時間
ホッパー下
(水冷)
技術資料
• クッション量 2.5 ∼ 6.5mm
293∼316℃
302∼327 ℃
316∼343 ℃
302∼327 ℃
金型温度
135∼149℃
スペシャルティポリマーズ
• 射出速度:成形品の肉厚に応じて中∼高速で充填すると良好
な成形が得られます。充填時間は通常、小∼中型の成形品で
• 冷却時間:ライトン ® PPS コンパウドの成形時に使用する金
型は高温のため、通常は冷却時間が長くなります。多くの場合、
あれば 0.5 ∼ 2.0 秒程度ですが、大型の成形品の場合は所要
小∼中型の成形品であれば 15 ∼ 30 秒で十分ですが、大型
時間が延びる可能性があります。焼けやバリが発生する場合
または肉厚の成形品の場合は 30 秒∼ 1 分以上かかります。
は、ベントを確認して射出速度を下げてください。射出圧を
成形品の離型不良、歪み、平面性、寸法公差等を評価して適
十分に上げて所定の射出速度を維持します。
切な冷却時間に設定してください。離型不良が発生する場合
• 射出圧:所定の射出速度に達するように射出圧を設定します。
は、冷却時間の延長や抜き勾配の変更を検討してください。
金型への充填時は速度制御を行い、保圧時には圧力制御に切
• 計量:通常はスクリュー回転速度を 100rpm に設定すると原
料を十分に混合・溶融できます。多くの場合、背圧を 3.5 ∼
7.0bar に設定するとスクリューやバレルの摩耗を抑えつつ原
り替えます。その際、射出圧は充填に要するピーク圧よりも高
く設定します(通常は数十バール)。圧力が射出工程を制限し
ないよう注意してください。
• 保圧:通常は最高射出圧の 60 ∼ 75% に設定します。製品キャ
ビティ圧力が最大となるよう、十分に高い圧力設定としてくだ
さい。
• 第一段階のタイマー設定:切換え位置または金型圧力制御(通
常は金型充填率 95 ∼ 99%)を推奨します。第一段階のタイ
マーは充填時間よりやや長く設定します。
料を十分に混練できます。成形工程を安定させ、ショット毎の
成形安定性を確保するために、ある程度の背圧をかける必要
があります。
• バレルのパージ:超低メルトフロー HDPE(Marlex® HHM
50100)または市販の高温パージ材が使用可能です。
成形工程で生成するオフガスは粘膜を刺激する恐れがありますの
で、作業中は換気を十分に行ってください。
• 第二段階のタイマー設定:ライトン ® PPS コンパウンドの成
形に要する保圧時間は通常、小∼中型の成形品であれば
3 ∼ 8 秒、大型または肉厚の成形品であれば 8 ∼ 12 秒です。
ただしゲートのサイズによっても異なるため、成形品のヒケや
ボイドの有無、保圧時間の変化による重量差を検査して、適
切な時間に設定してください。キャビティに圧力トランスデュー
サーを 1 ∼ 2 個設置することにより極めて高精度なデータが
得られ、充填・ゲート固化の最適時間を決定できます。
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