2016 年 11 月 15 日 プレスリリース 国内企業の IT 投資に関する調査を実施(2016 年) -伸び続けるセキュリティ関連ソフトウェアへの投資- 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内民間企業の IT 投資実態と今後の動向について調査を実施した。 1.調査期間:2016 年 7 月~10 月 2.調査対象:国内の企業、公的団体・機関等 3.調査方法:民間企業、および公的団体・機関等に対する郵送アンケート、および文献調査併用 <本調査における国内民間企業の IT 投資市場規模> 本調査では国内民間企業の IT 投資市場規模について、経済産業省および総務省の調査を基に、当社の民間企 業に対する IT 投資に関するアンケート調査結果※を加味し、国内民間企業の IT 投資額ベースにて算出した。 ※アンケート調査期間:2016 年 7 月~8 月、調査対象:国内民間企業、および公的機関・団体 551 件、調査方法:郵 送によるアンケート調査 【調査結果サマリー】 2016 年度の国内民間企業の IT 市場規模は前年度比 0.7%減の 11 兆 4,750 億円と予測、 国内民間企業の IT 投資は縮小の見通し 2016 年度の国内民間企業の IT 市場規模(ハード・ソフト・サービス含む)は、前年度比 0.7%減の 11 兆 4,750 億円と予測する。 金融業界で続いていた大掛かりなシステム更新も 2016 年度にはピークアウトし、落ち着きつつあるた め、国内民間企業の IT 市場規模は前年度比で僅かに縮小に転じると予測する。 情報セキュリティ問題への関心で、注目高まるセキュリティ関連ソフトウェアへの投資 本調査において実施をした法人アンケート調査結果※の設問項目のうち、今後 3 年間で IT 投資が増 加するソフトウェアについて、2011 年調査からの回答比率の推移をみると、2012 年に「セキュリティ関連 ソフトウェア」が「ERP(基幹業務統合管理)」を上回って以来 5 年間、「セキュリティ関連ソフトウェア」のト ップが続いている。「セキュリティ関連ソフトウェア」に対する回答比率は、2016 年調査では 55.0%となり、 2011 年調査と比較すると 29.2 ポイントの増加であった。 2015 年は、情報漏えい問題、ゼロデイ脆弱性、ランサムウェアの増加などの情報セキュリティ問題が話 題になった。また、IoT 機器やスマートフォンなどのデバイスを悪用した DDoS 攻撃の増加が今後も予想 される。こうした問題への関心がセキュリティ関連への投資行動として表れたものと考える。 ◆ 資料体裁 資料名:「国内企業の IT 投資実態と予測 2016」 発刊日:2016 年 10 月 27 日 体 裁:A4 判 227 頁 定 価:180,000 円(税別) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 11 月 15 日 プレスリリース 【 調査結果の概要 】 1. 市場概況と今後の予測 国内民間企業の IT 市場規模(ハード・ソフト・サービス含む)は、2015 年度が前年度比 2.1%増の 11 兆 5,560 億円と推計した。今後は、2016 年度が前年度比 0.7%減の 11 兆 4,750 億円、2017 年度が前年 度比 0.5%減の 11 兆 4,180 億円、2018 年度は前年度比 0.5%増の 11 兆 4,750 億円になると予測する。 金融業界で続いていた大掛かりなシステム更新も 2016 年度にはピークアウトし、落ち着きつつある。 そのため、2016 年度から 2017 年度にかけては、国内民間企業の IT 市場規模は前年度比で僅かに縮 小に転じると予測する。 2018 年度以降については、Windows7 の延長サポート終了(2020 年予定)に向けた動きや、東京オ リンピックに向けた新たな需要が見込まれることから、国内民間企業の IT 市場規模は上向いてくると予 測する。 2. 注目すべき動向 本調査において実施をした法人アンケート調査※では、今後 3 年間で IT 投資が増加するソフトウェア (複数回答)について、尋ねている。2011 年調査からの回答比率の推移をみると、2012 年に「セキュリテ ィ関連ソフトウェア」が「ERP(基幹業務統合管理)」を上回って以来 5 年間、「セキュリティ関連ソフトウェ ア」のトップが続いている。「セキュリティ関連ソフトウェア」に対する回答比率は、2016 年調査では 55.0% となり、2011 年調査と比較すると 29.2 ポイントの増加であった。 2015 年は、情報漏えい問題、ゼロデイ脆弱性、ランサムウェアの増加などの情報セキュリティ問題(イン シデント)が話題になった。また、IoT 機器やスマートフォンなどのデバイスを悪用した DDoS 攻撃の増加 が今後も予想される。こうした問題への関心がセキュリティ関連への投資行動として表れたものと考える。 また、今後 3 年間で IT 投資が増加するソフトウェアについての回答比率が 3 番目に高い「SFA(営業 支援システム)」は、2016 年調査では 19.4%で第 3 位と 2015 年調査から順位をひとつあげた。営業面に おいて、情報の共有や有効活用に課題を感じている企業は多く、大企業や IT 関係以外の企業におい ても、社内案件管理や情報共有のため、SFA を導入する企業が増加していると考える。 ※アンケート調査期間:2016 年 7 月~8 月、調査対象:国内民間企業、および公的団体・機関 551 件、調査方法:郵送に よるアンケート調査 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 11 月 15 日 プレスリリース 図 1. 国内民間 IT 市場規模推移と予測 (単位:億円) 100.8% 140,000 120,000 101.9% 109,250 107,240 103.6% 102.1% 113,180 115,560 99.3% 99.5% 114,750 114,180 (前年度比:%) 100.5% 100.0% 114,750 80.0% 100,000 60.0% 80,000 60,000 40.0% 40,000 20.0% 20,000 0 0.0% 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 (予測) 2017年度 (予測) 2018年度 (予測) 矢野経済研究所推計 注 1: 2012~2015 年度は経済産業省および総務省の調査を基に弊社推計値 注 2: 会計年度、且つ IT 投資額ベース 注 3: 2016 年度以降は予測値 注 4: IT 市場規模にはハードウェアとともに、スクラッチ開発とパッケージ導入(カスタマイズを含む)などのソフトウェアや、 保守関連や運用管理・アウトソーシングなどのサービス、ASP・クラウドなどのオンライン・サービス、回線利用料、その他コ ンサルティングなどを含む。 図 2. 今後 3 年間で IT 投資が増加するソフトウェア(法人アンケート調査結果) (単位:%) 60.0 55.0 50.0 46.6 42.2 40.8 40.0 30.8 30.0 25.8 19.1 18.6 17.1 17.1 13.2 10.0 24.3 15.7 13.1 11.7 10.5 ERP(基幹業務統合管理) 37.4 SFA(営業支援システム) 29.0 28.0 24.1 28.8 20.0 セキュリティ関連ソフトウェア 27.5 17.7 13.0 12.3 11.5 20.6 17.4 14.9 12.3 11.1 25.4 19.6 19.4 19.0 17.1 14.0 13.1 15.0 14.2 11.9 BI(意思決定支援システム) 仮想化ソフトウェア CRM(顧客情報管理) KM(情報共有/グループウェア) 11.5 0.0 2011年調査 2012年調査 2013年調査 2014年調査 2015年調査 2016年調査 矢野経済研究所作成 注 5: アンケート調査期間;2016 年 7 月~8 月(2011 年調査~2014 年調査;いずれも同調査年 7 月~8 月、2015 年調査; 同調査年 8 月~10 月)、調査(集計)対象;国内民間企業および公的団体・機関などの法人 480 社(2011 年調査 403 社、 2012 年調査 543 社、2013 年調査 538 社、2014 年調査 587 社、2015 年調査 479 社)、調査方法;郵送によるアンケート 調査、複数回答、全 18 項目のうち上位 7 項目のみ抜粋 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
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