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S-NAP Wireless Suite®
ワイヤレス電力伝送,高周波・マイクロ波・高速デジタル回路開発に最適!
3次元/2.5次元の2種類のモーメント法エンジンを搭載!
シールドGFモーメント法による多層基板電磁界解析,MPIEモーメント法による
3次元電磁界解析,高周波回路解析,最適化と自動設計を統合
S-NAP Wireless Suiteは、統合された環境で、高周波(マイクロ波、ミリ波)回路、 高速デジ
タル回路の解析、自動設計、多層基板の電磁界、3次元電磁界解析を行うことができます。
3Dモーメント法電磁界シミュレータは、
・ Mixed Potential Integral Equations モー
メント法を採用
・数十KHzから広帯域の電磁界解析
・送受アンテナを含むような広範囲な解析
・任意の位置に素子を実装可能
・近傍、遠方電磁界、ポインティングベクトル
、インピーダンスマップなどの表示が可能
2.5Dモーメント法電磁界シミュレータは、
・素子実装状態での多層基板の電磁界解
析が可能です。
・パターンで作成したアンテナ(パッチアン
テナ等)の解析が可能です。
・入射波と非線形素子(ダイオードなど)を
設定したレクティナアンテナ解析が可能で
す。
3Dモーメント法電磁界を用いて、
・磁界共鳴方式の解析が可能です
・電磁誘導方式の解析が可能です
・電界結合方式の解析が可能です
・伝搬モード(一般的なアンテナ間)での解析
が可能です
・ダイポールや八木アンテナなども解析可能
です
・塩水(人体中)での伝搬モデルが可能です
S-NAP Wireless Suite®の概要

S-NAP Wireless Suiteは、2種類の電界解析エンジンと高周波用回
路シミュレータ、高周波回路自動設計ツールを実装したワイヤレス
製品開発用のEDAツールです。統合された環境で、高周波(マイクロ
波、ミリ波)回路、 高速デジタル回路の解析、自動設計、多層基板
の電磁界、3次元電磁界解析を行うことができます。
+
S-NAP Microwave Suite
3次元電磁界ソルバ
S-NAP Wireless Suite

S-NAP Wireless Suiteは、従来品のS-NAP Microwave Suiteに、3次
元モーメント法電磁界シミュレータをプラスしたもので、2種類のモー
メント法電磁界ソルバを実装しています。3次元電磁界シミュレータ
は、 Mixed Potential Integral Equations モーメント法を採用し、数十
KHzからGHz帯域までの広帯域な電磁界解析が可能で、また、送受
アンテナを含むような広範囲なエリアの解析が行えます。近傍、遠
方電磁界、ポインティングベクトル、インピーダンスマップなどの表示
が可能で、近傍、遠方における伝搬状態の様子を容易に確認するこ
とができます。
MEL Inc.
2016/11/14
S-NAP Wireless Suite®
解析例
(1)磁界共鳴方式の電力伝送解析-1

1)磁界共鳴方式の概要と解析条件

磁界共鳴方式は、コイルの自己共振による共鳴現象を利用したもので、数
メートル間の高効率電力伝送が可能です。しかし、放射を最小にし、最大な伝
送効率を求めるならば、コイルの直径、線径、ピッチ、巻き数、励振コイルとの
位置関係など細かく調整する必要があります。これらのパラメータを求めるた
めには、送受信コイルを数メートル離した状態で、3次元電磁界解析を行う必
要があります。送受信コイルが離れて解析空間が広くなった場合、有限要素
法やFD-TD法のようなる空間を離散化する方式では、送受信間距離によって
解析規模が大きく変化してきますが、S-NAP Wireless Suiteはモーメント法を
採用しているため、送受信間距離が変わっても解析負荷が変わることはなく、
送受信をペアで解析する必要がある電力伝送問題にとっては最適な電磁界
手法と言えます。また、伝送コイルは、図1のように送受信端にそれぞれスイッ
チング素子などの半導体(非線形素子)が繋がりますので、全体としては、非
線形動作を含めた状態での電磁界解析が必要となり、その状態での近傍、遠
方におけるスプリアスを解析する必要があります。 S-NAP Wireless Suiteは、
任意の位置に素子を接続することができ、接続状態でトランジェント解析を行
うことができます。
電磁界解析部分
送電側
受電側
図 1
図引用:篠原真毅著,“電界磁界結合型 ワイヤレス給電技術”,科学情報技術出版,pp251
MEL Inc.
2016/11/14
S-NAP Wireless Suite®
解析例
(1)磁界共鳴方式の電力伝送解析-2
2)システム全体の解析(回路解析との連携)
図2は、S-NAP Wireless Suiteで磁界共鳴方式の全体解析例です。最初に送受
信コイルにポートをつけてSパラメータ解析を行った後、コンボリューショントラン
ジェント機能を持った回路ソルバと連携し、パルス入力時の入力波形と整流出力
波形を解析しています。回路動作確認のために平滑回路は含んでいませんので、
全波整流された出力を確認することができます。
送電部分
受電部分
入力パルスと整流出力
図2 磁界共鳴方式電力伝送全体解析例
MEL Inc.
2016/11/14
S-NAP Wireless Suite®
解析例
(1)磁界共鳴方式の電力伝送解析-3

3)フィールド分布

図3は、送受信コイルペアの電磁界解析を行っている様子です。図2における
解析結果の端子電圧電流を再び電磁界ソルバに戻すことで、特定のスペクト
ルでの近傍、遠方の電磁界分布を計算することができます。得られるフィール
ドの情報は、電磁界分布だけではなく、図4のように、空間インピーダンス分布
やポインティングベクトルなども観測することができます。
図3 磁界共鳴方式電磁界解析例
図4 空間インピーダンスマップとポインティングベクトル表示
MEL Inc.
2016/11/14
S-NAP Wireless Suite®
解析例
(2)電磁誘導方式の電力伝送解析

電磁誘導方式による電力伝送では、低い周波数が用いられることがあります
が、数十キロHZ以下の周波数でも解析することが可能です。以下の例は、送
信コイルの下に金属板が置かれている場合と、複数の受信コイルが存在する
場合の特性と磁界分布を示しています。整合用の回路定数は、最適化機能を
用いて決定しています。
伝送特性
金属板を含む伝送系の
電流分布と磁界分布
最適化で決定し
た結合回路定数
金属板
複数の受信コイルを設定した例
MEL Inc.
2016/11/14
S-NAP Wireless Suite®
解析例
(3)電界結合方式の電力伝送解析

電界結合方式は、対向する接合容量で電力伝送を行う方式です。直列型と並
列型がありますが、以下に並列型の解析例を示します。接合容量を含めた共
振系の最適値を求める必要がありますが、S-NAP Wireless Suiteの最適化機
能を用いれば、容易にトランスのインダクタンスや結合容量を得ることができま
す。グラフは対向電極の距離が変化した場合の伝送特性の差を示しています。
ビューワは、100KHzにおける電界分布のベクトル表示です。
電界分布
伝送特性
距離がずれた場合の伝送特性の変化
図引用:篠原真毅著,“電界磁界結合型 ワイヤレス給電技術”,科学情報技術出版,pp308
MEL Inc.
2016/11/14
S-NAP Wireless Suite®
解析例
(4)一般的なアンテナ解析

S-NAP Wireless Suiteは、電力伝送系だの解析だけでなく、ダイポールや八木
アンテナなどの一般的なアンテナ解析や近傍の金属、誘電体を含んだ解析に
も用いることができます。リターンロス、2D/3D指向性、放射効率、電界、磁界
表示、ポインティングベクトル、インピーダンスマップなど多彩に特性を表示可
能です。
ダイポールアンテナ
八木アンテナ(144MHz)
電流密度分布
実測(上)とシミュレーション(下)
筐体+MLA(Magnetic Loop Antenna) MLA48中島一氏( JR1OAO )設計製作
MEL Inc.
2016/11/14
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解析例
(5)ミクロ領域とマクロ領域の混在問題

複数のアンテナやオブジェクトが存在する系において、空間を離散化しなけれ
ばならない解析法では、解析サイズがアンテナ間の距離に依存するため、離
れると解析が不可能になる場合があります。S-NAP Wireless Suiteは、モーメ
ント法を採用しているために、アンテナ間距離に依存せずに容易に複数間の
アンテナ問題を解析できます。以下の例は、MLAとダイポールの電力伝送を
解析したものですが、直径5cm程度のMLAと11m以上の距離という、ミクロとマ
クロの混在問題です。
受信用ダイポール
負荷抵抗(50Ω)
MLA
メインループ:φ53mm
励振ループ:φ10.26mm
100mW励振
11.3[m] (16λ)
DUTに励振した場合の、ダイポールの負荷抵抗の電力をシミュレーション
・励振電力:100mW
・DUT: 究極MLA、λ/2DP、1λLOOP
MEL Inc.
2016/11/14
S-NAP Wireless Suite®
解析例
(5)ミクロとマクロ領域の混在問題の解析

以下の図は、送信元のアンテナがダイポール、MLA、1λループの3種類の場
合の、16λ離れた位置に置かれたダイポールの受信レベルを測定およびシ
ミュレーションしたものです。実測とシミュレーションの誤差は、最大でも3%程
度であることがわかります。
16λ(11.3m)
受信ダイポール
送信DUT
MLA(波源)-ダイポール間の電界分布
DUT
受信レベル[dBm]
シミュレーション
実測
誤差[%]
λ/2ダイポール
-25.04
-25.0
0.16
MLA
-26.33
-25.5
3.15
1λループ
-23.28
-24.0
3.00
MLA48 中島一氏( JR1OAO )測定
受信強度の比較
MEL Inc.
2016/11/14
S-NAP Wireless Suite®
解析例
(7)パッチアンテナおよびパッチレクティナ解析

2.5次元モーメント法ソルバは、パッチアンテナのような多層基板の解析に最適です。上側の
例は、マイクロストリップパッチアンテナを高次モードの共振周波数までシミュレーションした
もので、1GHz~11GHz(基本モードは2.4GHz)までスイープしています。実測とほとんど一
致していることがわかります。下側の図は、レクティナアンテナの解析例で、ショットキーダイ
オードを含めて、入射波を照射しシミュレーションしたものです。文献の測定値に近いことが
わかります。
80 mm
28.5 mm
y
4.8 mm
80 mm
z
28.5 mm
振幅
x
FR-4 Substrate
r=4.3
loss tangent=0.015
1.53 mm
Ground (copper; 35 m-thick)
SMA connector
高次モード共振まで含めたマイクロストリ
ップパッチ解析の実測比較
赤(破線):実測値
青(実線):シミュレーション
位相
MWE2014 マイクロウエーブワークショップR規範問題
レクティナアンテナ解析
(フォールディッドダイポール)
←表 赤文字:シミュレーション
黒文字:文献測定値
REF: Fang Zhang,Hee Nam,Jong-Chul Lee,”A Novel Compact Dipole Architecture for 2.45GHz Rectenna Application”, IEEE/MTT
MEL Inc.
2016/11/14
最適化を用いたアンテナ設計例
(8)八木アンテナ設計

八木アンテナなど複数のエレメントが結合したアンテナを設計する場合、指向
性や整合を考慮して、各エレメントの長さや間隔などを最適な寸法にすること
は容易ではありません。たとえば下図は3エレメントの八木アンテナの構造図
ですが、前方で最大指向性特性が得られるように輻射器、反射器、導波器の
長さ、位置を調整する必要があります。

S-NAP Wireless Suiteの最適化機能を用いれば、それぞれをすべて変数に設
定し、利得やリターンロスが最適になるように自動調整(最適化)を行うことが
できます。
XR
LS
LD
LR
XD
導波器
輻射器
反射器
3エレメント八木アンテナ構造図
MEL Inc.
2016/11/14
八木アンテナの最適化設計

図の特性は、八木アンテナの前後6波長の位置にダイポールアンテナを設定
し、前方が最大で後方が最小になり、かつリターンロスが最小になるように、5
個のパラメータの最適化を行った例です。前方と後方の利得差が20dB以上得
られていることがわかります。このように、S-NAP Wireless Suiteの最適化機能
を用いれば、エレメントの長さや空間配置などを容易に決定することが可能に
なります。
リターンロス
前方利得
後方利得
3D指向性
複素ポインティングベクトル
MEL Inc.
2016/11/14
S-NAP Wireless Suite®
解析例
(6)塩水中(人体内)の電力伝送解析

S-NAP Wireless Suiteは、誘電体の一つに塩水モデルを用意しています。これは人体を模
擬するもので、温度と塩水濃度で定義します。上側の例は、塩水BOXを挟んでアンテナを配
置した場合の伝送特性で、水槽壁面からの反射による干渉で、内部にNULL点ができてい
ることがわかります。下側の例は、アンテナ2を塩水の中に置かれた箱の中にアンテナ2を
置いた例です。塩水中では波長が1/10程度になりますが、アンテナ2の箱では自由空間波
長に戻ることがわかります。
伝送特性
アンテナ1
アンテナ2
37℃/0.3% 塩水
垂直面:磁界
水平面:電界
塩水内部の別空間にアンテナ2がある場合の例
電界
アンテナ1
MEL Inc.
アンテナ2
2016/11/14
携帯電話の人体への影響
携帯電話送信時の近傍および頭部の電磁界分布。頭部は、温度36.5度、濃度
0.3%の塩水で設定。頭部内部では波長が数分の1となるため、等高線分布が
細かくなっている。複素ポインティングベクトルは、エネルギーの浸透度を示す。
解析時間:10分/周波数、URLは電界、磁界アニメーションファイル。
携帯のアンテナ周辺の
電界分布
電界分布
複素ポインティングベクトル
(エネルギー密度)
頭部の磁界分布
http://www.melinc.co.jp/strage/wireless/anime/Head_EF1.gif
http://www.melinc.co.jp/strage/wireless/anime/Head_MF1.gif
MEL Inc.
2016/11/14
プリント板の読み込み

図形データとして、プリント基板用のジオメトリエディタで作成したデータをイン
クルードできますので、多層プリント板と筐体などを組み合わせた状態で解析
が可能です。この機能により、基板からの放射電界、磁界、ポインティングベク
トルなど様々な電磁界情報を得ることができます。下図は2.5GHzで動作する
基板の電流分布と基板上部10mmにおける近傍電磁界特性です。穴の近傍か
ら強い放射が出ていることが確認できます。また、基板の上にシールド板を置
いた場合の特性なども解析可能です。
電流分布
電界分布
磁界分布
ポインティングベクトル
空間インピーダンス
電界分布
上部に斜めにシールド板を置いた場合
MEL Inc.
2016/11/14
筐体を含むプリント板の電磁界
キャッシュレジスタ内に置かれた基板の電源-GND間に電流
が流れた場合のケースを含む電磁界分布例(400KHz)
解析時間:10分/周波数
基板面における電界分布(400KHz)
基板面における磁界(400KHz)
基板と垂直な面における電界
(400KHz)
MEL Inc.
2016/11/14
内臓アンテナ/EMC問題

筐体、ケーブル、アンテナ基板をすべて含んだ解析サンプルです。逆Fアンテ
ナに励振された2.4GHzの波は、基板表面にも強く伝搬します。ノートPCの下の
面は電界分布のカットで、ノートPCから放射状に伝搬していく様子がわかりま
す。
プリント
逆Fアンテナ
アンテナ部
ケーブル
電界面
2.4GHz
指向性
電流分布(PC表面)
と
電界アニメーション
MEL Inc.
2016/11/14
ノートPC/逆Fアンテナ×2/位相差給電

プリント逆Fアンテナを左右に取り付け、位相差給電を行ったシミュレーションで
す。位相差は最適化機能でリターンロスを最小にしています。ノートPCの下の
面は電界分布で、ノートPCから放射状に伝搬していく様子がわかります。左下
図はノートPCの断面の磁界分布です。<アニメーション>のURLをクリックす
ると、電界および磁界のアニメーションが見れます。
S11
指向性利得:5.78dBi
電界分布
磁界分布
遠方界
<アニメーション>
http://www.melinc.co.jp/strage/wireless/anime/notepc_e-field.gif
http://www.melinc.co.jp/strage/wireless/anime/notepc_m-field.gif
MEL Inc.
2016/11/14
自動車周りの電波伝搬(350MHz)
車内に置かれた受信アンテナとの伝搬特性と車周辺の電界分布。350MHzのア
ンテナサイズは車のボディサイズに比較し非常に小さく、大きなOBJECTと小さ
なOBJECTが混在している解析です。このような条件でも、S-NAPでは境界要
素を用いていますので、高速に解析が可能です。
送信ダイポール:ポート1、受信ループアンテナ:ポート2
解析時間:5分/周波数
送信ダイポール
受信アンテナ
50x28mmの
ループ
送受信特性
S11,S22,S21
空間インピーダンスマップ
<電界アニメ>
http://www.melinc.co.jp/strage/wireless/anime/car1_efield.gif
MEL Inc.
2016/11/14
STLファイルの読み込み

3DCADのデータのインポート機能として、STLファイルを取り込むことができま
す。読み込んだ図形は、スケーリング、オフセット、回転を行うことが可能で、
任意の位置にポジショニングが可能です。
I’m
totoro.stl.
1GHz dipole
antenna.
電流分布と
電界面
アニメーション
MEL Inc.
2016/11/14
IDカードシミュレーション
13.56MHzIDカードの親機と子機のアンテナ特性と電界分布。
解析時間:3分/周波数
磁界分布
磁界分布
電界分布
MEL Inc.
2016/11/14
自動車用電力伝送システム解析
6.78MHzを用いた磁界共鳴方式の電力
伝送解析の例です。電力伝送システム
単体では綺麗な磁界特性を示しますが
、自動車ボディに実装すると、ボディの
影響を大きく受けることがわかります。コ
イル寸法や整合回路定数などは最適化
機能で最適値の抽出が可能です。
30cm
伝送コイル単体での解析
自動車ボディを含む解析
6.78MHz磁界共鳴
電力伝送システム
最適化で得られた
電力伝送特性
MEL Inc.
2016/11/14