データリード性能、約12GB/sを実現! 超高速フラッシュストレージサーバ 「RS-5122-IJT」 株式会社サードウェーブデジノス/村田敦士 サードウェーブデジノスは、サーバ・ワークステーション機器の企画開発、製造を行うメーカである。 当社は「ODM Direct」メーカとして、個人向けPCでよくある「BTO:注文生産」のカスタマイズ サーバ、ワークステーションを提供している。 本稿では、当社が開発した超高速フラッシュストレージの紹介と、AV市場における高速ストレー ジの重要性と主要技術の解説を行う。4K、8K映像の普及が進み映像データの膨大化に伴い、 フラッシュストレージによる高速データ転送は必須となっていく事が確実であり、今後の新技術 を反映した製品開発への当社の取り組みについても紹介を行う。 1 プロ向け映像機器会社のエンジニアとの意見交 AV市場におけるフラッシュストレージ 換の中で、4K、8KのRAWデータのリード、ライ 映像編集の現場において、CPU性能の飛躍的な トをそのデータレート以上の速度で行いたいとの 向上に伴いノンリニア編集の高速化が進み、映像 意見を参考に、目標帯域を約 12GB/sec とした製 データの高速な読み書きが要求されるようになっ 品開発を開始した。従来の SATA インタフェイス た。それに伴い、ハードディスクのデータ転送速 タイプのSSDでは、すでにドライブ単体の性能が 度では帯域不足が指摘され、データ領域のフラッ インタフェイスの帯域を超えており、ボトルネッ シュストレージ (以降、SSDと記述) 利用が一般化 クとなることが確実であった。またハードウェア したが、4K、8K 映像の取り扱いが今後普及する RAID カードを使用した場合には前述の SATA イ なかで、従来の SAT インタフェイスの SSD では ンタフェイスの帯域幅に加えて、RAID カードと 帯域が不足することは確実であり、より高速・広 PCI-Express(以降、PCIeと記述)の帯域幅が不足 帯域なストレージの開発を進めることとなった。 することが明確であり、NVMe 規格の SSD を使用 表 1 に各種 8K 映像データレートを示す。 することとした。 表 1 各種 8K 映像データレート データ形式 1フレームのデータ量 必要とされるデータレート 8K(Dual Green)60P 44MB 約2.5GB/s 8K YPbPr4:4:4 36bit 60P 142MB 約8.5GB/s 8K YPbPr4:4:4 48bit 60P 189MB 約11.4GB/s eizojoho industrial November 2016︱53
© Copyright 2024 ExpyDoc