エムプリシティ®点滴静注用300mg 400mg

2016 年 11 月 18 日
報道関係各位
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
ヒト化抗ヒト SLAMF7 モノクローナル抗体
「エムプリシティ®点滴静注用 300mg・400mg」新発売のお知らせ
~多発性骨髄腫治療における初めての抗体薬~
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(東京都新宿区、代表取締役社長:ダビデ・ピラス)
は、本日、ヒト化抗ヒト Signaling Lymphocyte Activation Molecule Family member 7(SLAMF7)モ
ノクローナル抗体「エムプリシティ®点滴静注用 300mg・400mg」(一般名:エロツズマブ(遺伝子
組換え)、以下:エムプリシティ)を発売しましたので、お知らせします。
エムプリシティは、2015 年 11 月に希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受け、2016
年 9 月 28 日に、再発又は難治性の多発性骨髄腫の適応で、レナリドミド及びデキサメタゾンとの併
用において、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。米国においては 2015 年 11 月に米国食
品医薬品局より、欧州においては 2016 年 5 月に欧州委員会より、承認されています。海外において、
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とアッヴィはエロツズマブを共同で開発しており、商業的活動
はブリストル・マイヤーズ スクイブ社が単独で行っています。
多発性骨髄腫は、血液がんの一種で、日本国内の患者数は 18,000 人と言われています1。治療が困
難な疾患で、さらに治療法の選択肢が限られており、多くの場合で治療効果が得られても再発を繰り
返し、治療抵抗性になる場合もあることが知られており、大きなアンメット・ニーズが残されていま
す。
エムプリシティは、多発性骨髄腫治療に対して承認された初めての抗体薬であり、再発又は難治性
の多発性骨髄腫患者を対象とした、日本人症例を含む臨床試験で標準治療に対し有効性を示し、かつ
ほぼ同等の安全性を示しました2。
エムプリシティの発売に際し、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社の代表取締役社長、ダ
ビデ・ピラスは次のように述べています。
「エムプリシティは、レナリドミド+デキサメタゾンによる
標準治療において十分な治療効果が期待できない再発又は難治性の多発性骨髄腫患者さんに併用す
ることで、副作用の頻度は同程度で、持続的な治療効果が期待できる、多発性骨髄腫治療における初
めての抗体薬で、当社が世界をリードするがん免疫療法の広範なポートフォリオの一角を担ってい
ます。日本において新たながん免疫療法薬を発売し、この治療困難な疾患と闘う患者さんに新たな治
療の選択肢を提供できることを大変うれしく思っています。
」
当社は、今後も革新的な医薬品で、患者さんとご家族の希望をつくるために全力で取り組むととも
に、薬剤の適正使用推進に努めてまいります。
エムプリシティの製品概要
製品名:
エムプリシティ®点滴静注用 300mg
エムプリシティ®点滴静注用 400mg
一般名:
エロツズマブ(遺伝子組換え)
効能又は効果:
再発又は難治性の多発性骨髄腫
用法及び用量:
レナリドミド及びデキサメタゾンとの併用において、通常、成人にはエロツズ
マブ(遺伝子組換え)として 1 回 10 mg/kg を点滴静注する。28 日間を 1 サ
イクルとし、最初の 2 サイクルは 1 週間間隔で 4 回(1、8、15、22 日目)
、
3 サイクル以降は 2 週間間隔で 2 回(1、15 日目)点滴静注する。
製造販売承認取得日:
2016 年 9 月 28 日
発売日:
2016 年 11 月 18 日
製造販売元:
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
薬価:
エムプリシティ®点滴静注用 300mg
160,696 円
エムプリシティ®点滴静注用 400mg
209,587 円
エムプリシティの作用機序
エムプリシティは、骨髄腫細胞や NK 細胞の細胞表面に発現している SLAMF7 というタンパクと特
異的に結合するヒト化モノクローナル抗体(IgG1 クラス)です。エムプリシティが骨髄腫細胞表面の
SLAMF7 に結合すると、NK 細胞が認識するためのタグとなり、エムプリシティの Fc 領域と NK 細胞
上の Fc 受容体が結合し、NK 細胞による抗体依存性細胞傷害(ADCC)が誘導され骨髄腫細胞が死滅
します。また in vitro においては、エムプリシティが NK 細胞表面の SLAMF7 に結合することで NK 細
胞が直接活性化され、骨髄腫細胞を攻撃し骨髄腫細胞の細胞死を誘導します。このようにエムプリシ
ティは、NK 細胞と骨髄腫細胞に対する二つの作用で抗骨髄腫効果を発揮すると考えられています。
エムプリシティの製品写真
エムプリシティ®点滴静注用 300mg
エムプリシティ®点滴静注用 400mg
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社について
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ(本社:ニュー
ヨーク)の日本法人です。ブリストル・マイヤーズ スクイブは 157 年の歴史をもち、全世界では約 24,000
人の従業員を擁するグローバルな製薬企業です。革新的な医薬品を開発するバイオテクノロジー企業と、
大規模な事業基盤を有する伝統ある製薬企業という 2 つの特徴を兼ね備えた「スペシャリティ・バイオ
ファーマ企業」として、がん、ウイルス性疾患、心血管疾患、免疫系疾患など専門性の高い疾患領域で新
薬の研究開発に注力しています。弊社の詳細については、http://www.bms.co.jp にてご覧いただけます。
アッヴィについて
アッヴィは、アボットラボラトリーズからの分社を経て 2013 年に設立された、研究開発型のグロ
ーバルなバイオ医薬品企業です。専門知識や献身的な社員・イノベーション実現に向けた独自の手法
を通じて、世界で最も複雑かつ深刻な疾患領域における先進的な治療薬を開発・提供することをミッ
ションに掲げています。アッヴィは、100%子会社のファーマサイクリックス社を含めて世界で 28,000
人以上を雇用し、170 カ国以上で医薬品を販売しています。当社の概要や人材・製品群・コミットメ
ントに関する詳細は www.abbvie.com をご覧ください。よろしければ Twitter アカウント@abbVie も
フォローください。また、人材情報は Facebook や LinkedIn ページをご参照ください。
厚生労働省 平成 26 年 患者調査(傷病分類編)より
エムプリシティは、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした、日本人症例 60 例を含む国際
共同ランダム化非盲検第Ⅲ相臨床試験である ELOQUENT-2 (CA204-004)試験において、標準療法
であるレナリドミド+デキサメタゾン(Ld 群)に対し、本剤をレナリドミド+デキサメタゾンに加える
ことにより(E-Ld 群)
、無増悪生存期間(PFS)では、ハザード比=0.70(97.61%信頼区間:0.55,
0.88、p=0.0004)と有意な延長を示し、奏効率(ORR、部分奏効以上の割合)においても E-Ld 群
78.5%に対し、Ld 群 65.5%と有意(共通オッズ比 1.94、99.5%信頼区間:1.17, 3.23、p=0.0002)に改
善しました。また、E-Ld 群の安全性プロファイルは Ld 群とほぼ同等でした。
1
2