CAD・回路シミュレーション 第 11 回:RL 直列回路の過渡現象

CAD・回路シミュレーション
第 11 回:RL 直列回路の過渡現象
到達目標:
1) RL 直列回路の過渡現象をシミュレートできる
2) R,L の大きさ=時定数と過渡現象の関係を確認できる
課題 11-1.RL 直列回路の過渡現象 1
図 11-1 において
図 11-1.RL 直列回路(DC 電源)
1) L=300mH 固定、R=1k,10k,100k の三通りにおいて、SW2 が OFF の状態で SW1 を ON にしたときの出力電圧
Vout(L の両端電圧)を観測せよ。TimeDIV=0.1msec を推奨する。また、観測にはオシロスコープの FREEZE
ボタンを使う必要がある。
2) それぞれ R において、波形から読み取る時定数と理論値を比較考察せよ。
3) 今度は SW1 を ON の状態で十分時間が経過した後に SW2 を ON にした場合の Vout を観測せよ。
1)と 2)は同じ画面内で実行してもよい。
4) R、L の値と波形との関連について考察せよ
【提出物】
・各 R における過渡波形
・波形から読み取った時定数と、理論値の比較(すべの場合)
・4)の R,L の値(=時定数)と波形の考察
課題 11-2.RL 直列回路の過渡現象 2
図 11-2 において
図 11-1.RL 直列回路(DC 電源)
SW-OFF で十分に時間がたってから、SW-ON にした時の R1 の両端電圧 VR1 を考える。
1) SW-ON にしたとき、VR1 はどうなるか?定常値(最終値)をまず考え、そこに至るまでの変化を
予測せよ。どのような変化をするか、変動をグラフにかけ(手書き予測)
2) 実際にシミュレータで波形を確認せよ。
【提出物】
・予測波形。手書きをスキャナや写真で取るか、ペイントソフトでラフに書くか
・実際のシミュレート波形
※この問題の解析解は SW-ON の時間を t=0 とすると
R1
 t

  RL11t 
R1
L1 


 [V ]
VR1  E 1  e
  R1  R 2 E  e





である。すなわち、第一項は R1 と L1 でt=0 で SW-ON にした時の過渡現象であり、第二項は
それまでの定常電圧 R1E/(R1+R2)(=初期電流)が減衰していく項を意味している。つまり、あ
る程度の電気電子としての知識があれば微分方程式を解かなくても答えが予測できてくる。
Extra11(7 点×2)
課題 11-1、11-2 における電流、電圧の解析解を文字式で示せ(ラプラス変換を使っても微分方程式を
解いてもどんな方法でも構わない)。