【株式相場レポート】 ~ハネムーン相場続く

平成28年11月18日
松井証券ストラテジスト 田村晋一
【株式相場レポート】
~ハネムーン相場続く~
今週の総括
18日終値
前週末比
日経平均 (円)
17,967.41
+592.62
ドル (円)
110.61-62
+3.92
NYダウ (ドル)
18,903.82
+56.16
長期金利 (%)
0.035
+0.062
NY原油 (ドル)
45.42
+2.01
※NYダウ・NY原油は17日終値、ドル・長期金利は18日15時現在
★円安がさらに進行して続伸、ただし国内長期金利上昇には歯止め
今週のプラス材料
・円安が進行、110円台に
今週のマイナス材料
・新興国通貨安
・米長期金利が大きく上昇、円長期金利もプラス圏に
・米株価の高値継続もサポート材料
今週は、円安と長期金利上昇がさらに進行し、金融株を中心に続伸した。
先週から続くトランプ新政権の経済政策への期待で、米国の株価と長期金利が上昇したのが株価上昇の
最大の要因。これが円安と国内長期金利上昇を誘発、金融株を筆頭に輸出関連株などが大きく上昇した。
業種別上昇率トップは銀行。特にメガバンク株は、売買代金が米大統領選前の3~5倍に急増した。東証一
部では、選挙前の2兆円前後から9~11日は3兆円台と、最大2倍だったことと比較すれば急増ぶりが目立つ。
今週は東証一部が2.4~2.8兆円と少し落ち着いたのに対し、メガバンク株は引き続き高い水準のまま。これ
は相場変動時によく見られる現象で、外人投資家も個人投資家も活発に取引していることを示唆する。
他には証券、輸出関連株、資源株、バルチック海運指数上昇を受けた海運にも上昇が目立った。一方で、
円安が不利となりやすい業種を中心に、食品、医薬品、通信、電力・ガス、小売、不動産などが弱かった。
来週以降の見通し
★円安が崩れなければレンジ相場を予想
想定レンジ
17,500~18,200円
来週以降の注目材料
リスク要因
・米FRB年内利上げの可能性(次回FOMCは12/14)
・米大統領選後の市場乱高下
・米新政権の経済閣僚
・為替市場の乱高下
・ドル円相場と米長期金利の見通し
・原油価格の乱高下(次回OPEC総会は11月末)
米新政権への期待をベースにした「ハネムーン相場」は、年内は続くと予想する。
先週も書いたが、大統領就任式は来年1月20日。各政策が議会と協議した上で決まっていくことを考えれば、
新政権の政策内容と実現可能性を吟味できるのは数ヶ月先ということになる。当面は新政権の閣僚候補や
目玉政策に関する報道に一喜一憂しながらも、期待先行の相場展開が続くことが予想される。
日銀は17日、初めて「指し値オペ」を実施した。示した水準は1~3年が-0.09%、3~5年が-0.045%。日銀がこ
の水準を上回る金利上昇を望まないとの意思表示と言える。米長期金利上昇を受けて、国内の中長期金
利も上昇が続いていたが、この発表を受けて一旦は金利上昇が止まっている。そもそも銀行など金融機関
の余剰資金はこの数年間で200兆円以上も増えている。債券利回りがプラスとなればすぐに買い圧力がか
かるため、ゼロ金利を大きく超える可能性は極めて低く、日米金利差拡大による円安は当面続くだろう。
安倍首相が4年連続で賃上げ要請をしたが、賃金を決めるのは各企業。業績が大きく伸びた企業以外は慎
重だろう。大きな期待は持ちにくい。次の注目点は、11月末のOPEC総会で減産合意できるかどうかと、12月
14日深夜の米FOMCで利上げが決定されるかどうかだろう。
平成27年8月26日
松井証券ストラテジスト 田村晋一
来週・再来週の主なイベントカレンダー
国内
21(月)
海外
貿易統計:10月
コンビニエンスストア売上高:10月
22(火)
23(水)
祝日(勤労感謝の日)
米新築住宅販売件数:10月
24(木)
25(金)
消費者物価指数:10月
28(月)
29(火)
有効求人倍率、失業率:10月
米ケース・シラー住宅価格指数:9月
家計調査:10月
30(水)
鉱工業生産:10月
OPEC総会
住宅着工統計:10月
EU消費者物価指数:11月
日銀貸出約定平均金利:10月
米個人消費支出:10月
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
12/1(木)
法人企業統計:7-9月
2(金)
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次回発行予定:11月25日(金)17:00以降
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