教育福祉委員会資料 平成28年11月 保 健 福 祉 局 精神保健指定医の指定取消し処分について 厚生労働省による精神保健指定医(以下, 「指定医」という。)の指定取消し処分(平 成28年10月26日付け)に伴い,本市在住又は指定医として本市の業務を委嘱し ている指定医8名(全国では89名)が指定取消しとなりました。 これを受け,精神保健福祉法に基づく措置入院の判定に関わる診察業務等を委嘱し ている3名の指定医を解嘱するとともに,この度の処分により本市の精神科医療等へ の影響が及ぶことのないよう,必要な対応を行ってまいります。 つきましては,事案の概要及び本市の対応状況について御報告いたします。 1 処分について (1)本市関連の処分対象医師 症例を実務経験した医療機関 処分 指定医としての 氏名 もしくは指導医として指導する 理由 本市業務の委嘱 際に在籍していた医療機関 (※) ⑴ 西澤 晋 京都府立医科大学附属病院 ア なし ⑵ 水原 祐起 ア なし ⑶ 柴田 敬祐 イ なし ⑷ 中前 貴 イ あり ⑸ 成本 迅 イ なし ⑹ 大田 壮一郎 宇治おうばく病院 ア なし ⑺ 岡﨑 信也 イ あり ⑻ 赤澤 美歩 東香里病院 ア あり (2)処分内容 指定医の指定の取消し (3)処分理由 ア 指定医申請者について(上記表中⑴⑵⑹⑻) 指定医の指定申請時に,自らが担当として診断又は治療等に十分な関わりを持 っていない症例をケースレポートとして提出した行為があったことが,精神保健 福祉法第19条の2第2項に規定される「指定医として著しく不適当と認められ るとき」に該当することによるもの。 イ 指定医指導医について(上記表中⑶⑷⑸⑺) 指定医の指定申請者がケースレポートを作成する際の指導・確認という指導医 としての責務を怠り,不適切な指定医の指定を招いたこと等から,精神保健福祉 法第19条の2第2項に規定される「指定医として著しく不適当と認められると き」に該当することによるもの。 (4)効力発生日 11月9日(水) 2 本市の対応 (1)指定医として本市の業務を委嘱している医師3名の解嘱 指定医として,精神医療審査会業務や措置入院の判定に関わる診察業務を委嘱 している3名の医師から辞意が表明されたため,処分の効力発生を待つことなく, 速やかに解嘱した。 なお,委嘱業務に支障が生じることのないよう,他の委嘱医師への業務依頼を 1 適切に行う。 (2)医療機関における診療体制の確保等 ア 処分対象医師が現在在籍している市内の医療機関に対し,外来・入院の診療体 制等について,通常通りの体制が確保できることを確認した。 イ 厚生労働省からの依頼を受けて,今後,同様の事案が起きないよう,指定医の 担っている役割の重要性,その指定要件(特に,ケースレポートの症例の診療に ついて申請者に求められていること等)や指導医の役割等について,本市内の関 係団体及び府内の精神科病院・診療所に対し,京都府との連名により,11月7 日に通知した。 (3)市民等に対する相談体制の整備 各区・支所の保健センターに対し,患者やその家族をはじめ,市民等から問合 せがあった場合は,必要に応じて,他の受診可能な医療機関等を紹介するなど, 適切な医療を継続するため,的確な相談支援を行うよう,処分発表翌日の10月 27日に文書により通知した。 3 今後の対応 国,京都府とも連携し,本市の精神科医療の適正な運営に努める。 <参考> (1)指定医に対する行政処分等について(概要) 平成27年4月及び6月に,厚生労働省が,聖マリアンナ医科大学病院の23人 の指定医の取消処分を行ったことを契機に,平成21年7月~平成27年7月に指 定医の申請を行った者について,調査を実施した。 この結果,不正申請が疑われる指定医がいることが判明したため,医道審議会医 師分科会精神保健指定医資格審査部会の意見聴取を経て,行政処分をおこなった。 (2)精神保健指定医について 精神保健福祉法第19条の4に基づく,精神障害者の措置入院,医療保護入院, 行動制限など患者本人の意思によらない入院や行動制限を行うものとして,患者の 人権に十分配慮した医療を行うために必要な資質を備えた精神科医(昭和62年の 法改正により創設された)。 精神保健福祉法第18条に規定される臨床経験,研修など,以下の所定の要件を 満たす医師の申請に基づいて,厚生労働大臣が指定する。 1 5年以上診断または治療に従事した経験を有すること 2 3年以上精神障害の診断または治療に従事した経験を有すること 3 厚生労働大臣が定める精神障害につき厚生労働大臣が定める程度の診断又は 治療に従事した経験を有すること 4 厚生労働大臣の登録を受けた者が厚生労働省令で定めるところにより行う研 修(申請前1年以内に行われたものに限る)の課程を修了していること (3)精神保健福祉法第19条の2第2項について 指定医がこの法律若しくはこの法律に基づく命令に違反したとき又はその職務 に関し著しく不当な行為を行ったときその他指定医として著しく不適当と認めら れるときは,厚生労働大臣は,その指定を取り消し,又は期間を定めてその職務の 停止を命ずることができる。 2
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