CFO メッセージ Q 「中期経営戦略 2018」 Q7 7 中長期の定量目標 について教えてください。 代表取締役 常務執行役員 コーポレート担当役員(CFO) 1982 年 三 菱 商 事 入 社( 大 阪 支 社 管 理 第 二 部 ) 。 1984 年繊維・資材管理部。1988 年主計部。1997 年米国三菱商事会社(ニューヨーク) 。2002 年コー ポレートスタッフ部門付(人事担当)。2004 年エ ネルギー事業グループコントローラー。2008 年業 務改革・内部統制推進部長。2010 年コーポレート 部門管理部長。2011 年生活産業グループ管理部長。 2013 年執行役員、主計部長。2016 年より現職。 Our Vision 連結純利益の中長期目標 (億円) 2 桁の ROE 資源 成長のけん引が期待できる主な分野 2,500 3,000 2017 年 3 月期 2019 年 3 月期 非資源 3,500 食品原料、ライフサイエンス、 消費財製造、リテイル、自動車、 電力事業、不動産開発・運用 2020 年頃 資源と非資源のリバランスを進めるとともに キャッシュ・フロー重視の経営を徹底します 2016 年 3 月期の三菱商事連結純利益(純損失)は▲ 1,494 億円の純損失となりました。昨今の資源市況の環境変化を受けて、全 保有資産の評価について精査を行った結果、非資源分野の 410 億円も含めて総額 4,260 億円の大口損失を計上したことが主な要因と なって、2015 年 3 月期から 5,500 億円の減益となりました。 非資源分野のさらなる成長と、資源分野での積極的な資産入れ 替えにより 2020 年頃に 2 桁の ROE の実現を目指します。 ただし、有利子負債倍率は 0.9 倍と引き続き 1.0 倍を下回る水準にあることなどから、財務の健全性は維持していると考えています。 2017 年 3 月期も資源分野で引き続き厳しい事業環境が続きますが、非資源分野での安定的な利益を見込み、通期業績見通し 2,500 億円の達成を目指します。株主還元については、1 株当たり 60 円の年間配当を予定しています。 また、今後 3 年間は「中期経営戦略 2018」で掲げた方針に基づいて経営基盤の再整備に注力していきます。資源事業のボラティ リティの高まりを踏まえ、資源価格に左右されない盤石の収益基盤を構築すべく、資源と非資源のリバランスを進めるとともに、突 発的な経済異変にも対応し安定的に事業を継続できるようキャッシュ・フローを重視した経営を徹底し、有利子負債の水準をコント ロールします。具体的には、向こう 3 カ年は営業収益キャッシュ・フローと資産の売却収入によるキャッシュ創出額の範囲内で、投 資と株主還元を実行します。各営業グループにおいても、自身のキャッシュ創出力の範囲にて、新規資産の取得や既存資産の更新の ための投資を行う仕組みとしました。 今後 3 年間のキャッシュ・フローについては、営業収益によるキャッシュ創出力は約 1 兆円程度、配当による株主還元は約 3,000 億円程度と見込んでおり、成長投資と売却収入のネット投資額を残りの約 7,000 億円に収めるようマネージする計画です。また、余 剰資金が生じる場合は、追加の成長投資・追加の株主還元・負債返済のいずれかに充当することを想定しています。 ⇒資本配分の考え方につきましては社長メッセ−ジ Q3(P.14 ∼ P.15)、株主還元につきましては社長メッセ−ジ Q6(P.20 ∼ P.21)をご覧ください。 22 MITSUBISHI CORPORATION INTEGRATED REPORT 2016 「中期経営戦略 2018」における定量目標を策定するに当たり、資源価格は、2017 年 3 月期年初の水準が 3 年間続く前提で策定し ています(油価 US$37/BBL ドバイ、銅地金 US¢ 210/lb)。この中期経営戦略の期間中は資源価格の上昇を織り込まずに経営してい く方針としましたが、中長期的には資源価格が回復するとの見方が一般的です。2020 年頃には、事業の拡大により非資源分野で見 込む 3,500 億円前後の利益を見込んでいることに加え、資源分野では資産の質の向上を図り、さらには資源価格の回復に伴う利益拡 大によって、2 桁の ROE が実現できると見ています。 A また、規模の拡大よりも、効率性と財務健全性を重視して経営資源を投入することとし、格付は A 格上位を目標としています。 MITSUBISHI CORPORATION INTEGRATED REPORT 2016 23
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