10 - 高松赤十字病院

モーニングセミナー (平成28年10月31日)
『高松赤十字病院の目指す医療』
高松赤十字病院 院長
網谷良一
香川県内 一般病床200床以上の病院分布
高松赤十字病院(510床)
病院名
青字:公的病院
緑字:国立病院
黒字:私立
高松市民病院(341床)
県立中央病院(526床)
小豆二次医療圏
屋島総合病院(310床)
りつりん病院(271床)
高松二次医療圏
大川二次医療圏
中讃二次医療圏
三豊二次医療圏
香川大学病院(587床)
回生病院(351床)
坂出市立病院(216床)
高松医療センター(220床)
香川労災病院(404床)
四国こどもとおとな医療センター(667床)
三豊総合病院(478床)
高松赤十字病院
設 立 : 1907年6月1日
稼働病床数 : 510床
救急10床、ICU/HCU 16床、
NICU 3床を含む
急性期・高度急性期病院
主な施設認定等
地域医療支援病院
地域がん診療連携拠点病院
地域周産期母子医療センター
災害拠点病院
救急告示病院(二次救急病院)
エイズ治療拠点病院
急性中毒拠点病院
へき地医療拠点病院
腎臓移植施設
骨髄移植施設
臨床研修指定病院(基幹型)
新専門医制度(H30年度から)
内科(基幹病院) 外科(基幹病
院申請中) 他科(連携病院)
高松赤十字病院の理念
赤十字精神「人道、博愛」の実践
高松赤十字病院は、「人道、博愛」の赤十字
精神に基づき、地域の皆様に信頼され、 (安心)
安全で満足いただける(質の高い)医療を提供
します。
高松赤十字病院は、質の高い医療を実践す
るために、資質の高い医療人を育成します。
赤十字の基本原則
(1965年、第20回赤十字国際会議で採択)
人道
公平
中立
独立
奉仕
単一
世界性
Humanity
Impartiality
Neutrality
Independence
Voluntary Service
Unity
Universality
「人道」こそが赤十字活動の基本で、他の原則は「人道」を
実現するために必要となるもの。
博愛社:1877年西南戦争に際して、元老院議官佐野常民ら
が創立した救護団体。日本赤十字社の前身。
高松赤十字病院の目指す医療
1. 地域における中核病院として、高度専門医療の充実とともに24時間
対応の救急医療の強化に努めます。
2. 地域における中核病院として、地域医療機関や保健・福祉・介護施
設との連携を推進します。
3. 患者さんの権利と意志を尊重し、患者さん中心の医療と看護を提供
します。
4. 災禍に苦しむ人々への救護と救援体制を確保します。
5. 専門職としてはもとより全人的に資質の高い医療人を育成します。
6. 幅広い診療能力を有する医師を中心として全ての職種との密接な
連携による質の高いチーム医療を推進します。
7. 診断・治療のみならず、病気の予防から健康維持まで一貫した医療
を提供します。
8. 患者さんが安心して、安全な医療が受けられる環境を整備します。
9. 職員の健康管理と働きやすい・働きがいのある職場環境の実現に努
めます。
10. 健全経営を維持し、医療活動・救護活動を通じて社会に貢献します。
事業運営5カ年計画(平成26~30年度)の重点項目
1.安心・安全で質の高い「患者中心の医療」の推進
2.健全経営の推進
3.地域の中核となる高度急性期病院としての診療基盤と診療
機能の充実
1)新東館(仮称)の建設
2)高度急性期病院の即応した診療体制の整備と高度医療機器の充実
3)救命救急センター認定を目指す
4.地域医療支援病院の認定維持と病診・病病連携の強化
1)地域連携室の強化、
2)「入退院センター」の設置
5.有為な人材の確保と育成
6.赤十字病院としての役割の遂行
7.働きやすい・働きがいのある職場の実現
8.院内外での研修の充実、院外への情報発信の推進
診療基盤と診療機能の強化への取り組み
1.無菌室の拡充 本10に無菌室16室(周辺の無菌エリア化) (H28年10月末)
2.本館8~10階病棟の改修・美装 (H28年10月末)
3.HCU病室の増床 2床増設 (H28年11月初旬)
4.超音波診療の推進 スタッフの増員、超音波診療センター機能の拡充
5.急性期リハビリテーション機能の拡充・強化
PT,OTの大幅な増員、土曜リハの完全実施と日曜・祝日リハの一部実施
6.女性外来の開設 (平成28年4月から)
産婦人科外来エリアで、産婦人科、胸部乳腺外科、泌尿器科(近い将来は
肛門外科も)患者を対象に原則女性スタッフが対応。地域への広報の推進
7.正面玄関に コンシェルジュの配置 (平成28年9月から)
東館解体工事に伴う玄関周りの安全と駐車場不足への対応、患者サービス
8.災害拠点病院としての体制強化
院内備蓄の整備、災害訓練の強化 (救急隊、他医療機関等との連携の推進
も含む)、災害対応体制のさらなる強化
9.ハイブリッド手術室の設置 (TAVI実施施設の早期認定に向けて) (H29年春)
10.救急診療体制の整備・充実 マンパワーの補強を含む
11.医療連携の推進 :地域の医療機関との新たな懇談会・交流会の開催 (H29.2)
診療の基本姿勢
断らない医療を実践する
1. 地域の病院、 診療所からの診療依頼には
必ず対応する。
2.救急搬送依頼には最大限応じる
諸先輩からの助言 (1)
1. 志、夢、目標を大切に
諸先輩からの助言 (2)
2.患者さんに、自分自身を置き換えて考える、或いは
自分の家族に置き換えて考える。
3.朝出勤時および帰宅前には患者さんの顔を見る。
(たいへん安心してくれます)
4.(学会出張、帰省、夏季休暇等で遠方にいる場合は
別として)、土・日曜、祝日も、出来ればわずかな時間
でも顔を見せる。
5.患者・家族との良好な関係の構築に努める。
患者さんは勿論であるが、中心となる家族との関係
構築も重要 (時には心強い味方になってくれる)。
諸先輩からの助言 (3)
6.診断、治療に際して :
思い込みや決めつけに注意する。病状の変化を見逃さない。
7.診断、治療、病態の追求等に関して :
診療科内のカンファランスでの検討はもとより、成書、論文、
診療ガイドラインなどの検索や確認を怠らない。
8.疑問点については、既存の概念、考え方に無理やりはめ込まない。
疑問は疑問として大事にあたためておく。
9.不幸にして不帰の転帰をとった場合も :
最後まで疾患・病態の確認と追及を。出来る限り剖検への努力を。
(地域の中核となる急性期病院であり、なおかつ臨床研修病院
においては、基本的に剖検不要例は存在しない)。
10.日常的に開催される院内の講演会、セミナー、講習会等々には
自分の専門領域に限らず、貪欲に参加する。思いがけない気づき
や、何がしか得る点が必ずあります。
諸先輩からの助言 (4)
11.反省は大切であるが、いつまでも引きずらない。
前向きに考える。 (私自身もこれまで数多くの
苦い経験と反省をして来ました)
12.“- - - 先生”は 、“- - - さん”や “- - - 君” と同じこと。
勘違いにくれぐれも注意。「謙虚」を忘れないこと。
ホスピタルアート『愛の小径』
作:山本容子
皆さんの活躍を大いに期待しています。