平成28年11月11日 松井証券ストラテジスト 田村晋一 【株式相場レポート】 ~大荒れの1週間~ 今週の総括 11日終値 前週末比 日経平均 (円) 17,374.79 +469.43 ドル (円) 106.49-50 +3.26 NYダウ (ドル) 18,807.88 +919.60 長期金利 (%) -0.035 +0.024 NY原油 (ドル) 44.66 +0.59 ※NYダウ・NY原油は10日終値、ドル・長期金利は11日15時現在 ★トランプ氏に対して先週と全く反対の反応。米株価と米金利の上昇が背景 今週のプラス材料 今週のマイナス材料 ・米大統領選を背景に円安と米長期金利上昇が進む ・鉄鉱石、石炭の価格上昇続く ・米雇用統計堅調、賃金上昇も続く ・銅価格急上昇 ・好決算銘柄へのプラス反応続く 今週は、米大統領選を巡り株価が乱高下したが、トランプ氏当選確定後に106円超の円安と米長期金利が 節目の2.0%を超えたことを背景に、株価は続伸して引けた。 先週後半はメール問題などでクリントン氏優位が崩れるとの見方から円高と株安が進行していた。週末に 米FBIの捜査終結を受けて、再び円安と株高となる。その後、大統領選の開票が進み、トランプ氏優位となる と今度は一気に1ドル101円台の円高と大幅な株安に。ところが、同氏勝利が確定すると、翌10日の株価は 大きく上昇した。これまでトランプ氏勝利の可能性が出るたびに円高・株安だったが、全く逆の反応となった。 これは、トランプ氏勝利後の米市場の株高、ドル高(円安)、長期金利上昇が大きい。事前想定とは異なる が、米市場がプラス反応し、円安である以上、日本株もそれに従った訳である。円安と日米長期金利上昇を 受けて、輸出関連株と金融株が大きく上昇。一方、円安が不利となる素材や食品、電力・ガスが下落。通信 も下げており、内需株から外需株へのシフト、ここまで上昇した個別銘柄の利益確定の動きも加わっている。 来週以降の見通し ★円安が崩れなければレンジ相場を予想 想定レンジ 17,200~17,800円 来週以降の注目材料 リスク要因 ・米FRB年内利上げの可能性(次回FOMCは12/14) ・米大統領選後の市場乱高下 ・米新政権の経済閣僚 ・為替市場の乱高下 ・ドル円相場と米長期金利の見通し ・原油価格の乱高下(次回OPEC総会は11月末) 大統領選前のメディア報道やエコノミスト等のコメントは、トランプ氏が大統領となった場合のマイナス面を強 調するものが多かった。同氏勝利後は、減税とインフラ投資拡大による景気刺激効果などをポジティブに捉 える報道も増えた。株価上昇を説明するため「期待が高まった」などと表現する必要が出てきた訳である。 次の観点は、トランプ新大統領の経済政策など諸政策の行方となるが、大統領の就任は1月20日。その後 の議会での施政方針演説を聞くまでは方向性は見えないし、演説後も議会や海外各国と交渉した上で政策 が決まっていくことを考えれば、さらに数ヶ月先にならないと政策内容とその実現可能性の評価は難しいだ ろう。また、「ハネムーン期間」という言葉があり、政権交代後の新政権の最初の100日間は一般的に高い 支持率を示す傾向があるといわれている。市場もおそらく「ハネムーン相場」がしばらく続くのではないか。 当面は新政権の閣僚候補に関する報道に一喜一憂する可能性があろう。 一方、忘れてはならないのは米FRBの動き。先週末発表の米雇用統計は非農業部門が+16.1万人増と堅調。 失業率も前月5.0%→4.9%と改善している。次回のISM景況指数と雇用統計が堅調な数字を維持すれば、12 月14日に予定されるFOMCで利上げに踏み切る可能性が高いだろう。そうなるともう一段の円安と株高とな る可能性がある。リスク要因は原油価格。11月末のOPEC総会で減産合意できるかがポイント。 平成27年8月26日 松井証券ストラテジスト 田村晋一 来週・再来週の主なイベントカレンダー 国内 : 14(月) 15(火) 海外 GDP:7-9月期 中国鉱工業生産:10月 決算:三菱UFJ、みずほFG、三井住友FG、日本郵 政、かんぽ生命、ゆうちょ銀行、三井住友トラスト、 第一生命、ソニーフィナンシャル、住友不動産 中国小売売上高:10月 首都圏新規マンション販売:10月 米小売売上高:10月 米決算:ホーム・デポ 16(水) 訪日外客数:10月 英失業率:10月 米鉱工業生産:10月 米決算:シスコシステムズ、ターゲット 米消費者物価指数:10月 17(木) 米住宅着工件数:10月 米決算:ウォルマート、アプライド・マテリアルズ 18(金) 日本製半導体製造装置BBレシオ:10月 決算:東京海上、MS&AD、SOMPO 21(月) 貿易統計:10月 英住宅価格:11月 祝日(勤労感謝の日) 米新築住宅販売件数:10月 22(火) 23(水) 24(木) 25(金) 消費者物価指数:10月 リスクおよび手数料等の説明 株式取引は、株価の変動等により損失が生じるおそれがあります。 ■株式取引の委託手数料はインターネット経由の場合1日の約定代金の合計により決定し、100,000円(税抜)が上限です ■上場有価証券等書面、取引規程、取引ルール等をご覧いただき、内容を十分ご理解のうえ、ご自身の判断と責任により お申込みください ■口座基本料は個人の場合には原則無料です ※各種書面の郵送交付には、年間1,000円(税抜)をご負担いただく場合があります ■本レポートは、当社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、その情報の正確性および完全性を保証 するものではありません ■本レポートは、お客様への情報提供を唯一の目的としたものであり、投資勧誘を目的として作成したものではありません ■投資に関する最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします ■本レポートに掲載された情報の使用による結果について、当社が責任を負うものではありません ■本レポートに掲載された意見や予測等は、レポート作成時点の判断であり、今後、予告なしに変更されることがあります ■本レポートの一切の著作権は当社に帰属します。いかなる目的であれ、無断複製または配布等を行わないようにお願い いたします 次回発行予定:11月18日(金)17:00以降 業者名等 松井証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第164号 加入協会名 日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会 Copyright (c) 1998 Matsui Securities Co.,Ltd.
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