医療ICT NEWS FILE 20161110 vol.025

診療報酬・薬価から臨床・創薬まで 高度情報化医療の明日を伝える
医療
NEWS FILE
vol.
2016.11.10
株式会社じほう 〒101-8421 東京都千代田区猿楽町1-5-15 猿楽町SSビル TEL 03-3233-6351
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連載
医療 I CT最前線
025
禁無断複写
地域医療情報連携の現場から
[ 第 3 回]大阪市・浪速区
「ブルーカード」から広がる情報共有の輪
「Aケアカード」導入で介護とも連携へ
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医療情報の安全管理、
SNS 使用など厳格化へ
厚労省GL、改訂で
国際医療福祉大・高橋教授 「統一基準の電カル義務付けを」
医療政策機構・勉強会
オランダ、患者が自らの健康医療データにアクセス権
INFRASTRUCTURE
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「生産性と質の向上」など 4 項目を柱に議論 厚労省・働き方ビジョン検討会
HTA「日本はフランス型で」 東京大シンポで日医・鈴木氏
保険者番号の設定改正を通知、都道府県番号のコード拡大 厚労省
PMDA のメディナビ登録が 15 万件を突破 薬局は 5 万 4784 件、基準加算の施設基準化も影響
MID-NET 利用料の計算方法を検討 厚労省 WG
SERVICE
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「ペッパー」導入、かかりつけ制度など説明 スマイル調剤薬局グループ
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〔案内〕ICT 地域連携「天かける」
「メディネットたんちょう」でセミナー SSK
ドライアイをスマホでチェック 順天堂大がアプリを開発
大学薬学部の情報サイト「Yacca」を開設 フォーチュン
18 年度改訂予定の「ICD - 11」を評価 日病・堺会長
スズケン、米 AT & T などの IT 技術導入 高額薬剤の配送で
ドローンによる災害時医薬品配送試験、福岡市で開始 MSD など 3 社
11 月から相互閲覧サービスに接続 ファインメディカルの電子お薬手帳
災害時に服用薬が分かる「WEB お薬手帳」を開設 グローバル薬局
「ペッパー」が商品説明、ドラッグストアで実証実験 日本 MS など
薬局で健康・服薬情報アプリ活用したモデル事業 神奈川県
20 年度の地域医療 NW、参加薬局は 1 万 6000 施設に シード・プランニング調査
EVENT & SEMINAR
医療 I CT最前線
連載
第3回
地域医療情報連携の現場から
大阪市・浪速区
「ブルーカード」から広がる情報共有の輪
「Aケアカード」導入で介護とも連携へ
全国各地で医療連携ネットワークの構築が進んでいるが、医療需要が桁違いに高い大都市圏では、一
体的な体制構築が難しい上に運用コストの高さもあり、なかなかネットワークの整備が難しいのが現状
だ。こうした中、大阪市の浪速区では、区医師会が中心となって紙カルテでも参加可能で、かつ継続運
用可能な連携システムとして、病状急変時に迅速に病診連携できる「ブルーカード」を展開している。そ
の成果を踏まえて薬剤や検査などにも情報共有の幅を広げた上で、11月からは地域包括ケアシステムも
見据え、区の医療・介護関係団体が参加して「A ケアカード」による多職種の情報連携に乗り出す。
「ブルーカード」で患者情報を病診で共有
カードの患者情報は、医師会事務局がまとめて
PDF にデジタル化してオープン VPN のクラウドに
ブルーカードシステムは、病状が急変したときに
アップロードし、連携病院で情報共有する。主病名
迅速に対応できるように、あらかじめ近隣の連携病
は救急隊も使用しているコードナンバーを使用し、
院に開業医がかかりつけ患者の基本情報を登録して
データの集計・分析に活用。情報は、パソコン以外
おく仕組みだ。患者の同意を得た上で情報提供書と
の iPad などのデバイスでも閲覧可能となっている。
な る A4 サ イ ズ の「 ブ ル ー カ ー ド 」に 登 録( 図 1)。
コンセプトの中核にあるのは、電子カルテなどを
ファクスでのやりとりで発行できるため、紙カルテ
前提とした「IT 優先」
「病院目線」ではなく、患者に
の開業医でも容易に参加できる。
役立つことを第一とする「患者目線」であること。シ
図1
ブルーカード登録方法
かかりつけ医
ブルーカード登録
浪速区住民
登録患者
ブルーカード交付
ブルーカード
PDF化
情報共有システム
医療 ICT
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地域連携病院
地域連携室
浪速区
医師会
連 載
医療 ICT 最前線 ―地域医療情報連携の現場から―
ステムの検討を始めた 2009 年当時は、救急の患者
もともと区単位の取り組みだけに、億単位の補助
たらい回しや地域での医療崩壊が社会問題となって
金や基金を活用した都道府県レベルのネットワーク
いた。このため浪速区医師会では、まず病状急変時
構築とは根本的に考え方が異なる。基本ポリシーに
の病診連携に特化して、紙カルテでも参加できる簡
ついて久保田氏は▽手間が掛からず、シンプル▽医
便な連携システムを取り入れた。
師会員なら誰でも参加できる仕組み▽補助金などに
システム構築を主導してきた浪速区医師会副会長
頼らずに運用可能なこと―の 3 点を挙げる。当初か
の久保田泰弘氏は、「われわれは紙カルテの先生を
ら持続可能な運用コストを考慮し、基本的に開発・
絶対見捨てない。そこは
運営費用は区医師会で賄ってきた。
絶対に変えない」と断言
搬送時間が短縮
救急隊の適正利用にも
する。全開業医が参加で
きる仕組みでないと結
局、患者の役には立たな
いというのが大きな理由
ブルーカード導入後は、病状急変時の救急搬送時
だが、背景には開業医の
間短縮という成果がはっきりと出ている。カードが
電子カルテ導入率の低さ
利用されたケースを調べると、5 年連続で救急搬送
患者目線の連携システム構築を
主導する久保田氏
時間が大阪市の平均より 8 分程度短縮。さらに特筆
ところ、開業医の電子カルテ導入率は約 3 割。残り
が、救急車の利用を大きく上回っていること。つま
の 7 割は旧来の紙カルテを使用している高齢の開業
り、むやみに救急車を利用しないため、救急隊の適
医が多く、70 代以上の開業医の場合、「自分の代は
正利用にもつながっているのだ。
このままで」と考えている人が多かったという。
広域の医療連携ネットワークではデータ量が膨大
そこで浪速区医師会では 09 年 5 月に、病診連携委
となり、具体的なアウトカムを出すのに時間がかか
員会を立ち上げて連携システムの在り方を検討し、
るが、ブルーカードはその簡便さを逆に強みにして、
紙カルテでも参加できる簡便な情報連携の仕組みと
具体的な効果を生み出しているといえる。そこには、
もある。
浪速区医師会で調べた
すべきは、患者が直接、登録病院に来院するケース
してブルーカードシステムを09年11月から導入した。
「患者さんにどれだけ役に立ったか」
(久保田氏)を
当初の半年間は在宅患者だけを対象にしたが、そ
絶えず検証するネットワーク参加者の意識の高さが
の後は適応条件(がん末期、心疾患など)を満たす外
ある。システムもベンダー任せにせず、変更可能な
来患者にも対象を拡大してい
る。これまでの延べ登録患者
数は約 3700 人、現在の登録
患者は約 600 人。診療所は他
地区も含め 42 医療機関が参
加。連携病院は当初の 6 病院
図2
カード発動時の流れ
浪速区住民
登録患者
受診
連絡
から現在、15 病院に拡大して
は毎月 1 回開催(今年 5 月以
降は隔月)。医師会や連携病
3 次救急・高次医療機関など
どが参加して課題などを協議
し、face to face な関係構築
に努めている。
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2016.11.10
診療情報
提供書
地域連携病院
地域連携室
夜間などかかりつけ医と連絡不通時、直接病院へ
院・地域連携室のメンバーな
医療 ICT
来院報告
緊急時は登録病院へ直接連絡
いる(図 2)。
区医師会の病診連携委員会
かかりつけ医
3
受け入れ不可の場合、
地域連携室にて受け
入れ先を探し、
依頼元
に連絡もしくは転送
連 載
医療 ICT 最前線 ―地域医療情報連携の現場から―
単年度契約で、常に「医師会主導で変えられるポジ
地域包括ケア
ションを確保している」という。
システムを見据
浪速区での効果を見て、他地域でもブルーカード
えた新たな医
を導入する動きが広がり始めている。現在、大阪府
療・介護連携シ
の藤井寺市医師会、高知市医師会、大分県の日田市
ステムを導入す
医師会が導入。このほか、大阪市のほかの区医師会
るに当たり、玉
でも一部会員が自主参加している。
置区長が挙げた
条 件 は、「 イ ニ
情報共有を拡大
地域包括ケア見据え多職種連携
シャルコストは
区が協力する
「大阪市の24区に横展開できれば」と期待
を寄せる玉置・浪速区長
が、ランニング
一方で、ブルーカードの患者情報はあくまでも
コストは利用者で賄える仕組みにすること」
「どこ
「疾患別の最低限のサマリー情報」
(久保田氏)。シス
でもコピー可能で導入できるシステムにするこ
テムをどう進化させるかは導入当時から課題となっ
と」。その考え方は、もともと区医師会がブルーカー
ていたが、15 年 3 月から 1 年間の実証実験を経た上
ド導入から貫いている方針と同じだった。その共通
で、今年 3 月からは「iProject」という情報連携の幅
する思いから生まれたのが新システムの「A ケア
を広げる仕組みを本格稼働させた。
カード」だ。
これは、開業医が選定(対象はブルーカード登録
1 枚のカードで連携へ
広域展開の可能性も
患者、糖尿病、がん、心疾患、脳卒中)し、同意を
得た患者(登録患者に「iCard」を発行)の基本情報
に臨床検査情報と薬剤情報を加えてクラウド環境に
管理し、情報を更新・閲覧できるようにしたもの。救
「A ケアカード」は、区の補助金を活用し、区医師
急目的のブルーカードとは異なり、診診連携の情報
会が開発を進めていた iProject を改良した多職種
共有の手段として、外来患者の診察時に利用される
による情報共有可能なシステムとして構築された
(図 3)。まさにブルーカードからの進化形だが、パ
ものだ。
こうしてブルーカードから始まったシステムが進
ソコンやデバイスさえあれば、原則、電子カルテの
化する中で、同時に昨年から介護との連携も検討し
必要がないのは従来通り。セキュリティーは各種ガ
てきたが、ちょうど浪速区の補助金約 1700 万円が
イドラインに準拠。開発ベンダーは iProject の段階
今年度活用できることが決まったことから、一気に
から管理工学研究所となっている。
今年 11 月から、地域包括ケアシステムを見据えて多
職種による医療・介護連携システムを導入すること
図3
が決まった。
その背景には、浪速区の玉置賢司区長の方針と、
浪速区医師会の取り組み
2009年11月
久保田氏ら医療者側の考え方が一致したことが大き
開始
い。橋下徹・大阪市長時代の公募で 12 年 8 月に就任
した玉置区長は、前職がコンサルタント業で、薬局
2015年3月
など医療業界との関わりを通じて、ICT 業界の囲い
実証実験
込み競争や、各施設のシステムがばらばらで統一化
が遅れていることをよく知っていた。また、大阪市
2016年11月
の区長会議の福祉・健康部会長を務めていることも
Aケアカード
あり、医療・介護の諸課題にも「何とかしたい」とい
う思いを持っていた。
医療 ICT
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ブルーカード:
患者急変時対応
(病診連携)
iCard:
日常診察での
医師同士の情報共有
(診診連携)
多職種連携
連 載
医療 ICT 最前線 ―地域医療情報連携の現場から―
システムには、区の医師会、歯科
医師会、薬剤師会、訪問看護ステー
図4
A ケアカードシステム
ション、居宅介護支援事業者連絡会
ど ん な メ リ ット?
などが参加。地域包括ケアシステム
▶重複処方や無駄な検査がなくなる。
の整備を見据え、11 月からまず区在
▶最新の状況を知ることができるため
住の介護保険利用者を対象に「A ケ
最適な診療・アドバイス・介護サー
ビスを受けることができる。
アカード」
(各職種で発行可)を発行
して利用者情報を共有し、多職種で
の情報連携を進める(図 4、図 5)。
A ケアカードの “A” は、持っていれ
ば安心という意味での “ ええ ” ケア
カードという意味と、多職種で使え
るオールマイティーという意味から
命名された。
医療情報
薬科情報
他地域のネットワークでも導入さ
図5
れている地域共通 ID 番号を格納したカードで、名寄
歯科情報
看護情報
介護情報
A ケアカードシステム
〈職種別の閲覧可能な情報〉
せは 5 職種。それぞれの機関コード+カルテ番号な
登 録
歯 科
医 師
薬剤師 訪 看 ケアマネ
責任者
医 師
どを付加していく方式で、名寄せができるだけでな
情報種別
く、いったん自院で登録すれば、自院の番号で検索
ブルーカード
医 師
○
○
○
○
○
できる。
基本情報
医 師
○
○
○
○
○
運営は、区医師会をはじめとする参加団体と区役
疾患シート
医 師
○
○
○
○
×
検査情報
医 師
○
○
○
○
×
歯 科
歯科患者基本台帳 医 師
○
○
○
○
○
所などの協力団体で構成される「浪速区在宅連携協
議会」が行う。運営費は協議会全体で月額 15 万円
(参加団体が応分に負担)となっている。
9 月に開かれたシステムの多職種合同説明会で
薬剤データ
薬剤師
○
○
○
○
○
は、演者が各職種役や利用者役になって、カード発
薬剤情報提供書
薬剤師
○
○
○
○
○
行のやりとりをデモンストレーション。システムの
在宅患者情報提供書 訪 看
○
○
○
○
○
概要を説明した久保田氏は、更新情報が一目で分か
居宅支援情報提供書 ケアマネ
○
○
○
○
○
る仕組みになっているとして、多職種
がお互いに「刺激し合って(利用者の
ために)良いものにしていく」ことの
重要性を訴えた(図 6)。参加者からは、
迅速に情報交換できる「チャット機
図6
A ケアカードの役割
多職種・みんなが「患者目線」で、
それぞれの職種から見た情報共有を実現!
協議会事務局
&介護発行局
能」にも期待する声が聞かれた。
A ケアカードによる病院との連携は
これからだが、まずは病院側も情報を
閲覧できるようにする計画で、すでに
一部病院は参加を表明しているという。
現時点では対象が異なることから、
ブルーカード、iProject の仕組みも並
利用者情報を
多職種が追加
行して残るが、将来的には A ケアカー
多職種・みんなが主役
ドに患者情報を一元化。対象を高齢者
医療 ICT
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2016.11.10
浪速区医師会 ➡(協議会)事務局
浪速区居宅介護支援事業者連絡会 ➡ 介護発行局
5
連 載
医療 ICT 最前線 ―地域医療情報連携の現場から―
「なにわ」から庶民目線で発信
さらには区民全員に広げ、本格的な医療・介護連携
システムにすることを目指している。
久保田氏は、今後の ICT を利用した連携ネット
大阪市内有数の商業地域である浪速区は、大阪の
ワークの考え方について、人口 70 万~ 100 万人あ
シンボル「通天閣」や新世界の「ジャンジャン横丁」
たりの地域完結型の圏域を 1 つのサーバーで管理
のある町としても知られる。ICT 一辺倒ではなく、
し、情報連携できるネットワークを作った上で、必
アナログ的な仕組みも融合させ、本当に必要な患者
要に応じてネットワーク間で連携できる形が、安全
情報を多職種で共有する今回の取り組み。全国的に
性からも望ましいのではないかとしている。
は大手ベンダーを利用したネットワークが圧倒的に
浪速区での A ケアカードの取り組みには、大阪市
多いが、庶民の町から発信される浪速区の連携シス
のほかの区なども注目。久保田氏は A ケアカードの
テムの進化が逆に王道を歩む可能性もありそうだ。
将来性について、比較的低コストでどこでも導入可
能なシステムとして、他地域への導入・展開にも期
待を示している。
広域展開への思いは、運営に協力していく浪速区
の玉置区長も同じだ。拠出した補助金自体、もとも
と「市に対して代表して頂いたもの」との認識から、
今回の取り組みも「市全体に役に立つための社会的
実証実験みたいなもの」との位置付け。浪速区での
取り組みが軌道に乗れば、より低コストで導入・展
開することが可能になるとして「市の 24 区に横展
開できれば」と先を見据える。
2016 年 10月28日【MEDIFAX】
医療 ICT
NEWS FILE
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医療
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INFRASTRUCTURE
医療情報の安全管理
SNS 使用など厳格化へ
厚労省 GL、改訂で
厚生労働省は、医療機関や薬局などが講じるべき ICT 関連のセキュリティー対策を整理し
て示した「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(GL)第 4.3 版」を改訂する方
向で関係団体と協議している。改訂内容については議論中だが、公開型ソーシャル・ネット
ワーキング・サービス(SNS)が普及している現状を踏まえ、機微情報を取り扱う医療分野で
は、セキュリティー確保の観点から公開型 SNS の使用を避けるよう提言される可能性が高
い。政策統括官付情報化担当参事官室が取材に応じた。
SNS を使えば、グループの参加メンバーに対
情報化担当参事官室は、具体的な改訂内容に
して文字情報や画像などを一斉送信できるほ
ついては「今後の議論」とし、改訂時期も明らか
か、過去の情報のやりとりを時系列で閲覧でき
にしていない。ただ、
「モバイルデバイスで医療
る。受信者が情報を確認したかどうかを「既読」
情報を扱う際のセキュリティーやサイバー攻撃
表示で知る機能も一般的だ。こうした機能によ
対策について議論している」ことは認めてい
り、スマートフォンやタブレットなどのモバイ
る。現行 GL には SNS 使用について明確な言及
ル端末さえあれば、複数の医療・介護職種が時
がないため、改訂では、日医が求めている非公
間・場所を問わず患者情報を共有でき、多職種
開型 SNS の使用(公開型 SNS の回避)が盛り込
連携によるケアが円滑化・効率化される期待が
まれる可能性は高い。
ある。一方、公開型 SNS には情報漏洩の恐れも
また、個人用のモバイル端末を業務で利用す
あるため、以前から日本医師会は公開型 SNS で
る「BYOD」を、より明確な表現で避けるよう示
はなく、専用非公開型 SNS を使用するよう求め
すことも考えられる。現行 GL に「個人の所有す
てきた。
る、あるいは個人の管理下にある端末は原則と
公開型 SNS の運用が医療現場などで実際に
して使用せず、機器の設定の変更は管理者のみ
どの程度常態化しているかは明らかではない
が可能とすること」との記載はあるが、推奨項
が、総務省の「情報通信白書」
(2015 年版)によ
目であり、義務ではない。個人用の端末ではイ
ると、例えば SNS の一種である LINE(ライン)
ンストールするソフトウエア(アプリ)などの
の一般利用率は全年齢で 37.5%(20 代以下=
管理は利用者本人に委ねられ、紛失や悪用など
62.8%、30 代= 47.0%)と高い。医療現場で公
に伴う情報漏洩の可能性も高い。このため、
開型 SNS を使用している事例も一部にあると
BYOD の回避も議論される見通しだ。
みられる。
2016 年 10月25日【MEDIFAX】 規制・GL
医療 ICT
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INFRASTRUCTURE
「統一基準の電カル義務付けを」
国際医療福祉大・高橋教授
政府の未来投資会議構造改革徹底推進会合の「医療・介護―生活者の暮らしを豊かに」会合
(会長=翁百合・日本総合研究所副理事長)は 10 月 26 日、医療分野での ICT 利活用について議
論した。高橋泰副会長(国際医療福祉大教授)は、DPC Ⅰ群・Ⅱ群病院の要件として、施設を
超えた情報の利活用を可能とするため、統一フォーマットに準拠した電子カルテの使用を義
務付けることを提言した。
2016 年 10月26日【MEDIFAX】 規制・GL
会合は非公開で、内閣官房日本経済再生総合事務
的なプロジェクト推進のための司令塔となる公的機
局が内容を説明した。それによると、高橋副会長は
関の設立を提言した。会合では AI の現場での利活用
用語や情報記載方法の標準化による、価値の高い情
に向けた診療報酬上の措置を求める意見が相次ぎ、
報収集の必要性を強調した。具体的には、
「データ
厚労省側はエビデンスが得られた段階で診療報酬上
ウェアハウスの統一フォーマットを国が中心となっ
の加算などを検討していく姿勢を示した。
て指定」することを提案。フォーマットに準拠した電
同日はまた、日本医師会の今村聡副会長や自治医
子カルテシステムを使用した場合、DPC の機能係数
科大の石川鎮清教授らから意見聴取を実施。今村氏
加算などの診療報酬上の支援を行うことを想定して
は日医の提言する医療等分野専用ネットワークの構
いる。会合に出席した厚生労働省関係者は、段階的
想や医師資格証の活用について説明したほか、石川
に標準化の取り組みを進める姿勢を示したという。
氏は開発中の AI による診療支援システム「ホワイ
人工知能の利活用に向けては、高橋副会長が統合
ト・ジャック」の概要を報告したという。
医療 ICT
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INFRASTRUCTURE
「生産性と質の向上」など 4 項目を柱に議論
厚労省・働き方ビジョン検討会
2016 年 10月25日【MEDIFAX】 規制・GL
厚生労働省の「新たな医療の在り方を踏まえた医
多様な価値観に応える能力とそれを育成するキャリ
師・看護師等の働き方ビジョン検討会」
(座長=渋谷
アが構築できることなどを目指すべき姿に据えた。
健司・東京大大学院教授)は 10 月 25 日、2 回目の会
課題では、医療従事者養成課程(教育内容)や資格取
合を開き、今後の検討の方向性を決めた。
「生産性と
得後のキャリアが目指すべき姿に対応できている
質の向上」など 4 項目のビジョンを設定して議論を
か、多職種連携に向けた専門職種間での心理的バリ
進める。今後、各ビジョンでの目指すべき姿と課題
アの除去などが上がった。
「生産性と質の向上」で
解決策などについて構成員が発表し、年内に中間ま
は、多職種間の役割分担の最適化や、ICT・AI の最
とめを公表する。議論は非公開。
大限の活用などを目指すべき姿とし、役割分担の見
初会合の議論から▽患者の価値中心▽キャリアデ
直し、ICT やテクノロジーが医療にもたらす効果や
ザインに中立的▽生産性と質の向上▽経済活力(イ
影響の把握・分析などを課題に挙げた。
ノベーション・国際化)への貢献▽地域住民の生活を
同検討会では、医療従事者の労働時間を推計する
深く支える―の 5 項目のビジョンを設定し、現在の課
ため、勤務実態を調べる大規模な調査を実施する予
題と目指すべき姿を議論することをたたき台として
定。これらの調査結果を含めて年度内にビジョンを
提案した。このうち、
「患者の価値中心」と「地域住民
取りまとめる。中間取りまとめは、社会保障審議会・
の生活を深く支える」は関係性が深いことから1つに
医療部会での医師偏在解消に向けた議論や、医療従
まとめ、4 項目のビジョンを柱に検討することとした。
事者の需給に関する検討会での議論に生かしてもら
「患者の価値中心」では、患者の複合的なニーズ・
う考えだ。
HTA「日本はフランス型で」
東京大シンポで日医・鈴木氏
2016 年 10月24日【日刊薬業】 規制・GL
東京大公共政策大学院は 10 月 24 日、医療技術評
HTA の課題を説明。
「企業が費用対効果分析を行
価(HTA)シンポジウムを東京大構内で開催した。
い、資料提出するのには相当時間がかかる。データ
HTA の議論にかねて参画し、中医協委員も務めた日
ベースや、分析する体制の整備も必要だ」と訴えた。
本医師会の鈴木邦彦常任理事は、海外事例を日本に
各疾患における最適な効果指標をどうするか、総合
導入するのならフランス型が良いと指摘した。
的評価に用いる要素の具体的な反映方法をどうする
鈴木氏は「QALY を非常に重視し、閾値を設定して
か、評価結果と薬価基準制度でどう整合性を取るか
償還の可否に用いている英国型ではなく、日本と同
などの課題もあるとし、「費用対効果分析を行う製
様の社会保険方式を用いているフランスやドイツの
薬企業との十分な議論が必要だ」と指摘した。さら
取り組みを参考にすべき」と提案。さらに、医療経
に「費用対効果は重要だが、目的が予算削減と矮小
済学的評価のみを行う英国型と医学的評価のみを行
されると問題だ」と述べた。
うドイツ型の中間で、QALY を絶対視せず閾値も設
厚生労働省保険局医療課の眞鍋馨企画官は、試行
定しておらず医学的評価を重視しているフランス型
中の HTA のスケジュールを説明。
「4 月に対象品目
を推奨し、
「日本でも導入しやすい」と指摘した。日
を選び出し、現在は企業によるデータ提出段階にあ
本に制度を導入する際は、外国同様、まず医薬品か
る。まだ第三者による再分析は行っていないが、今
ら始めるのが適当だとも述べた。
年度中には再分析を開始したい」と述べた。
エーザイの土屋裕代表執行役は、企業の立場から
医療 ICT
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2016.11.10
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INFRASTRUCTURE
保険者番号の設定改正を通知、都道府県番号のコード拡大
厚労省
2016 年 11月4日【MEDIFAX】 事 業
厚生労働省保険局は 10 月 31 日付で、保険者番号
沖縄県は「47」となっていた。改正後では、新たに北
の設定を改正する通知を都道府県などに発出した。
海道に「51」を追加し、順番にコードを割り振る。沖
東京都所在の健保組合では、未設定の保険者番号が
縄は「97」となる。北海道を例に取ると、「01」で設
残りわずかとなっており、今後新たな健保組合が設
定可能な保険者番号がなくなり次第、「51」のコー
立されれば、番号の設定が困難になることが予想さ
ドも使用できることとした。公費負担者番号も同様
れるため、都道府県番号のコードを拡大した。
に改正する。
保険者番号の都道府県番号については北海道から
保険者番号の設定改正に伴い、診療報酬請求書等
順番にコードが割り振られており、北海道は「01」、
の記載要領を改正する事務連絡も発出した。
PMDA のメディナビ登録が 15 万件を突破
薬局は5万4784件、基準加算の施設基準化も影響 2016 年 11月4日【PHARMACY NEWSBREAK】
事 業
医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、10 月末時
15 万 3607 件で、そのうち病院、薬局、一般診療所
点で医薬品医療機器情報配信サービス「PMDA メ
の所属が 10 万 840 件に上る。所属施設別では、病院
ディナビ」の登録件数が 15 万件を突破したことを
が 3 万 452 件、薬局が 5 万 4784 件、一般診療所が 1
公表した。2016 年度調剤報酬改定で基準調剤加算
万 5604 件。
の施設基準に「PMDA メディナビ」の登録が要件化
薬局の登録件数を都道府県別で見ると、東京都が
されたこともあり、昨年度末から登録件数が増加し
5991 件で最も多く、次いで大阪府が 3842 件、神奈
ている。
川県が 3524 件、福岡県が 2933 件、愛知県が 2735
PMDA によると、10 月 31 日時点の登録件数は計
件と続いている。
MID-NET 利用料の計算方法を検討
厚労省 WG
2016 年 10月26日【日刊薬業】 事 業
厚生労働省は 10 月 26日、
「医療情報データベース
間」や「解析回数」を挙げたほか、患者単位のデータを
運営の経費等に関するワーキンググループ」の会合を
利用する場合と集計表を利用する場合をどのように
開き、MID-NET の利用料を計算する方法を検討した。
利用料へ反映させるかなどについて意見を求めた。
利用料は大きく、
「製薬企業が市販後調査に使う場合」
このほか▽ MID-NET 運営にかかる経費▽協力病
と「それ以外」に分けて検討している。非公開の会合
院の負担に対して支払う費用(協力費)▽データの
後に厚労省医薬・生活衛生局安全対策課が説明した。
保管料―などについても議論した。運営経費と協力
同日の会合では、厚労省が利用料に反映させる要
費については、安定稼働時を想定した現時点での試
素として、再審査期間など「データを利活用する期
算を示し、議論した。
医療 ICT
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SERVICE
オランダ、患者が自らの健康医療データにアクセス
医療政策機構・勉強会
日本医療政策機構が 10 月 21 日、医療 ICT の利活用に関する朝食勉強会を開催し、オランダ
国立医療 ICT 研究所シニア・アドバイザーのミヒール・スプレンガー氏が講演した。スプレン
ガー氏は 10 月にオランダで成立した患者の権利に関する法案に触れ、患者が自分の健康医療
データへのアクセス権を持つことの重要性を強調した。
2016 年 10月24日【MEDIFAX】 医療・介護
スプレンガー氏は同国のこれまでの課題として、
講演終了後に本紙の取材に応じたスプレンガー氏
患者が自分自身の健康医療データにアクセスするこ
は、「患者が自ら能動的に診療の場に参画すること
とが非常に困難だった点を指摘。10 月に可決された
が必要だ」と述べ、医師など医療者だけに任せるの
新法により、患者が自らのデータにアクセスする権
ではなく、自らの健康状態について患者が主体性を
利を持つだけでなく、誰が自分のデータにアクセス
持つべきとの見解を示した。
できるかについて患者が決定権を持つという。
ドライアイをスマホでチェック
順天堂大がアプリを開発
2016 年 11月2日【PHARMACY NEWSBREAK】 医療・介護
順天堂大は 2日、ドライアイや眼精疲労などの症状
App Store から無料でダウンロードできる。
と、睡眠時間といった生活習慣との関連性が分かる
このアプリでは、実用視力やまばたき回数の測定、
iPhone 向けのアプリを開発し、同日からリリースし
ドライアイ質問紙票(OSDI)の回答などを通じ、目
たと発表した。両者の関連性を理解することで、
目の
の症状をドライアイ指数として確認できる。併せて、
症状の予防や回復を早めるのに役立つとしている。
日々のストレスや睡眠時間、ディスプレイなどと向
アプリ名は「ドライアイリズム」で、同大医学部眼
き合う VDT 作業時間を記録することで、目の症状と
科学講座助教の猪俣武範氏が研究代表者を務める。
の関連性を理解できる。
大学薬学部の情報サイト「Yacca」を開設
フォーチュン
2016 年 11月2日【PHARMACY NEWSBREAK】 医療・介護
薬剤師求人サイトなどを運営するフォーチュン
yacca.club/)を開設した。大学の概要や、各予備校
(東京都)は、薬学部を目指す高校生を応援するた
サイトでの偏差値、卒業後の就職・進学状況、大学
め、全国の薬学を学べる大学の情報を集約した大学
の様子が分かる SNS アカウントなどの情報を掲載
情 報 ポ ー タ ル サ イ ト「Yacca( ヤ ッ カ )」
(http://
している。
医療 ICT
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SERVICE
18 年度改訂予定の「ICD-11」を評価
日病・堺会長
2016 年 10月24日【MEDIFAX】 医療・介護
日本病院会の堺常雄会長は 10 月 24 日の定例会見
ICD-11 を巡っては、今月 12 ~ 14 日に東京で開
で、2018 年度にも改訂される予定の国際疾病分類
かれた WHO 加盟国の ICD-11 改訂会議および国際
の第 11 版(ICD-11)について評価する考えを示し
統計分類ネットワーク年次会議、診療情報管理協会
た。日病は 2005 年から 10 年間にわたり、世界保健
国際連盟(IFHIMA)国際大会、日本診療情報管理学
機関(WHO)に ICD 改訂のための経済支援として
会学術大会で議論されていた。WHO からはマーガ
毎年 30 万ドルをサポートしており、堺会長は「会員
レット・チャン事務局長らが来日した。
病院の理解を得て、約 3 億円を日病として支援して
このほか、定例会見では 22 日に日病の次期役員選
きた。今回の東京での学会開催は、ICD 改訂を後押
出に向けた選挙管理委員会が設置されたことが報告
しする意味もあった」と述べた。
された。来年 5 月の社員総会で改選される予定だ。
スズケン、米 AT & T などの IT 技術導入
高額薬剤の配送で
2016 年 11月4日【日刊薬業】 薬局・医薬品
スズケンは 4 日、厳密な温度管理が必要な高額な
また米国の通信会社大手 AT & T の IT 技術を使っ
スペシャリティー医薬品を IT を活用して管理する
たスペシャリティー医薬品の新たな輸送管理システ
ことで医薬品の廃棄ロスを減らす 2 つの提携事業を
ムの開発にも取り組み、来年 4 月をめどに卸から得
発表した。
意先間の配送に導入する。温度や湿度、位置情報、
米医薬品卸大手のアメリソースバーゲンと契約し
衝撃などを 24 時間常時検知できる AT & T のデバ
た提携事業では、アメリソースが欧米で提供している
イスを保冷箱に装着。デバイスから発信された品質
在庫管理システムをスズケンが来年 4 月をめどに国
情報を一元化して管理することで、高品質な輸送管
内に導入する。納入先の病院や薬局に専用の保冷機
理体制を実現できるとしている。医薬品の廃棄ロス
能を持った保管庫を置き、
抗がん剤など医薬品一つ一
にも貢献できるという。
つには無線ICタグを付けて、温度や使用期限、在庫
将来的には、製薬企業の工場から医薬品卸の間の
状況をオンラインのサーバーで管理する仕組みだ。
受託配送事業「メーカー物流」にも活用する方針だ。
ドローンによる災害時医薬品配送試験、福岡市で開始
MSDなど3 社
2016 年 11月1日【PHARMACY NEWSBREAK】 薬局・医薬品
MSD、アルフレッサ、小型無人機(ドローン)事
を想定した実証実験の実施を目指す。
業を手掛けるエアロセンス(東京都文京区)の 3 社
飛行試験は、福岡市西区小戸の海岸から同市能古
は 1 日、国家戦略特区の福岡市で、ドローンによる
島に向け、約 2.3 キロメートルの区間でマルチコプ
災害時医薬品配送の飛行試験を 10 月 24 日に実施し
ター型ドローンを利用して実施した。3 社によると、
たと発表した。3 社は今後も福岡市の協力を得て、さ
検証目的の長距離飛行、電波送受信、積載物の状態
まざまな状況での飛行試験を継続。2017 年中をめ
に問題ないことが確認されたという。
どに、垂直離着陸型の固定翼ドローンによる実用化
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SERVICE
「ペッパー」導入、かかりつけ制度など説明
スマイル調剤薬局グループ
2016 年 10月31日【PHARMACY NEWSBREAK】 薬局・医薬品
徳島県のスマイル調剤薬局グループは、ヒト型ロ
薬局健康館。胸元のディスプレーを操作すると、音
ボット「Pepper(ペッパー)」1 台を導入した。グ
声で説明などを行う。内容はグループの概要、お薬
ループの調剤薬局に置き、患者への情報発信や待ち
手帳、副作用、かかりつけ薬局の説明や、ゲームな
時間対策に生かしている。11 月 3 日に徳島市内で開
ど 20 種類という。
催するグループの健康フェアにも登場させる。
同グループは調剤薬局約 20 店舗を展開している。
ペッパーを設置した店舗は徳島市のスマイル調剤
11月から相互閲覧サービスに接続
ファインメディカルの電子お薬手帳
2016 年 10月28日【PHARMACY NEWSBREAK】 薬局・医薬品
システム開発などを手掛けるファインメディカル
もり』」
「電子お薬手帳システム For Fine Medical」
(横浜市)の電子お薬手帳が、日本薬剤師会が運営す
「歯科向け電子お薬手帳システム For optech」の 3
る「電子お薬手帳相互閲覧サービス」の接続先として
製品。これで日薬の相互閲覧サービスへの接続先は
承認された。11月1日からサービスを開始する予定。
サービス開始予定も含めて 21 企業・団体(26 製品)
対象となるのは、同社の「健康管理システム『もり
になる。
災害時に服用薬が分かる「WEB お薬手帳」を開設
グローバル薬局
2016 年 10月28日【PHARMACY NEWSBREAK】 薬局・医薬品
調剤薬局の「グローバル薬局」を展開するグローバ
患者が普段服用している薬をパソコンやスマート
ルコーポレーション(横浜市中区)は 10 月 28 日まで
フォンで確認できる。登録するのは患者自身の名前
に、震災時や緊急時に役立つ電子お薬手帳サイト
や生年月日、薬の写真などで、医療関係者が何の薬
「WEB の お 薬 手 帳 」
(https://www.kinkyu.co.jp/)
かを把握できるようになっている。
を 11月 1日から開設すると発表した。万が一の事態
医療関係者は、患者のあいまいな記憶だけではな
が発生したときに、紙のお薬手帳が手元になくても
く、薬の写真を確認することで被災者の持病や服用
普段服用している薬が分かる。利用は無料。
薬を把握できる。医療従事者の登録には、あらかじ
同サイトは大規模な地震の際、自身の服用してい
め自身の医師免許や薬剤師免許などの画像を送る必
る薬が分からなくなる患者が多いことを受けて開発
要があるという。
した。オンライン上に薬の写真を登録しておけば、
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「ペッパー」が商品説明、ドラッグストアで実証実験
日本 MSなど
2016 年 10月27日【PHARMACY NEWSBREAK】 薬局・医薬品
日本マイクロソフトとソフトバンクグループの
が人を検知し、ペッパーが対応を開始する。商品を
SB クリエイティブ(東京都港区)は、資生堂ジャパ
手に取ると、その商品の説明をしたり、推奨商品の
ン(東京都中央区)の協力を得て、人型ロボット
紹介などを行ったりする。顧客が話した言語を認識
「ペッパー」が店頭で商品説明などを行う実証実験
し、日本語だけでなく、中国語や英語での対応もで
を首都圏のドラッグストアで行う。
きる。顧客がセンサーの検知範囲を出ると、ペッパー
実証実験は東京・池袋の「サンドラッグ池袋東口
が見送りの挨拶をする。
駅前店」で実施。顧客が商品棚に近づくと、センサー
薬局で健康・服薬情報アプリ活用したモデル事業
神奈川県
2016 年 10月21日【PHARMACY NEWSBREAK】 薬局・医薬品
神奈川県は10月24日から県内の5薬局で、
健康情報
な作業をしないで済むメリットがあるほか、薬局か
や服薬情報を一括管理するアプリケーションソフト「マ
ら個人の状態に応じた健康づくりに役立つ情報を
イME-BYOカルテ」を活用したモデル事業を開始する。
LINE や SMS を通じて受け取ることができる。
同カルテ登録者が対象の薬局で調剤した薬を受け取る
モデル事業実施薬局はファーマみらい(東京都千
と、薬の情報が自動で県のサーバーに転送され、登録
代田区)が運営する湘南岡本薬局、ユキ薬局片瀬店、
者は情報をスマートフォンやパソコンで確認できる。
ヒロ薬局大船店、ヒロ薬局湘南台店、ヒロ薬局愛川
本人が手入力や QR コードの読み込みなどの面倒
店の 5 店舗。県は 2000 人の参加を見込んでいる。
20 年度の地域医療 NW、参加薬局は 1万 6000 施設に
シード・プランニング調査
2016 年 10月29日【PHARMACY NEWSBREAK】 統 計
市場調査会社のシード・プランニング(東京都文
連携 NW の全国各地への普及を目指していること
京区)は、2020 年度に地域医療連携システムの市場
などから、20 年度の地域医療連携システムの市場規
規模が約 128 億円へ拡大するとの調査結果を発表
模 は 15 年 度( 約 89.0 億 円 )の 約 1.4 倍 に 当 た る
した。全国各地の地域医療連携ネットワーク(NW)
127.7 億円に拡大すると予測。20 年度の NW 数は
数は 280 カ所に増え、調剤薬局は約 1 万 6000 施設
15 年度の 196 カ所から 280 カ所に増加するとみて
が参加すると予測している。
いる。
同社は今年 4 ~ 9 月にかけ、医療連携システムベン
各 NW の参加医療機関も年々増加し、特に調剤薬
ダー 10 社への訪問ヒアリング調査と10 カ所の地域
局が約 2600 施設から約 1 万 6000 施設に大幅に増
医療連携 NW へのアンケート調査を実施し、地域医
え、診療所が約 1 万 1000 施設から約 2 万 3000 施設
療連携システムの現状と今後の方向性をまとめた。
に拡大すると予測している。全国の施設数に占める
参加施設数の割合は、調剤薬局が約 26%、診療所が
NW 数は280カ所に増加、26%の薬局が参加
約 22%に相当するとしている。
調査結果によると、政府が 18 年度までに地域医療
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案内
EVENT & SEMINAR
ICT地域連携「天かける」
「メディネットたんちょう」でセミナー
SSK
2016 年 10月28日【MEDIFAX】
新社会システム総合研究所は 12 月 9 日(金)、ICT
る」の伊藤勝陽理事長、メディネットたんちょうで
を活用した地域医療・介護連携に関するセミナーを
は市立釧路総合病院の長谷川直人副院長が、現在ま
東京都港区の友泉西新橋ビルで開催する。取り上げ
での活動状況や課題、今後の展望などについてそれ
るのは、広島県で運用されている医療介護連携事業
ぞれ解説する予定。時間は午後 1 時から、問い合わ
「天かける」と、北海道釧路市で展開されている「メ
せは同研究所(TEL:03-5532-8850)まで。
ディネットたんちょう」の 2 つ。NPO 法人「天かけ
http://www.jiho.co.jp/
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2016.11.10
〒101-8421 東京都千代田区猿楽町 1-5-15 猿楽町 SS ビル
TEL:03-3233-6333 FAX:0120-657-769
〒541-0044 大阪市中央区伏見町 2-1-1 三井住友銀行高麗橋ビル TEL:06-6231-7061 FAX:0120-189-015
15
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