2016/ マーケット・フォーカス 11/7 投資情報部 シニアコモディティアナリスト 津賀田 真紀子 商品:原油 WTI原油相場、減産期待剥落で1ヵ月半ぶりの安値 産油国の足並み乱れ、減産枠組み決定は難航 米原油在庫のだぶつきによる先安観 非商業筋のネットロングが3週間ぶりに縮小 産油国の減産枠組み決 国際指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物相場の下落 が続いている。9/28にアルジェリアで開かれた石油輸出国機構(OPEC)臨時総会で 定は困難か 減産が暫定合意されて以降、需給改善期待から10/19には一時1バレル=51.93ドルま で上昇した。しかし、産油国の足並みがそろわないことから、11/30に開催が予定され ているOPEC定時総会での減産枠組み決定は困難との見方が優勢となっており、足元 では再び44ドル台と1ヵ月半ぶりの安値圏にまで値を落としている。 OPEC定時総会は加盟国の4分の3以上の参加によって開くことができ、全会一致に よって決議となる。しかし、イラン、ナイジェリア、リビアに加えてイラクも減産免除を求め るなど、すでに加盟国14ヵ国のうち4ヵ国が減産に非協力的な姿勢をみせており、落と しどころのつけ方が難しい状態となっている。OPECは11/3に公表した声明で、「すべ ての産油国による的確で決然とした行動により補完される可能性について、我々は引 き続き非常に楽観的だ」と述べているが、仮に減産枠組みが決定されるとすれば、最 大産油国であるサウジアラビアが負担を受け入れる他に術がないという状況だ。減産 実行に対する不透明感も依然として根強い。 原油価格動向 W T I原油先物価格とドルインデックス 2016/10/24 ~ ~ 2016/10/31 期間 WTI 北海 ブレント (1バレル=ドル) 前週比 2016/11/4 2016/10/28 始値 48.25 50.85 ▲ 2.60 高値 48.74 50.98 ▲ 2.24 安値 43.57 48.42 ▲ 4.85 終値 44.07 48.70 ▲ 4.63 始値 49.41 51.89 ▲ 2.48 高値 49.72 52.01 ▲ 2.29 安値 45.08 49.31 ▲ 4.23 終値 45.58 49.71 ▲ 4.13 (週次:2014/1/3~2016/11/4) 120 76 110 100 WTI原油先物(左目盛) 78 ドルインデックス(右逆目盛) 80 82 90 84 80 86 88 70 90 60 92 50 94 96 40 98 30 100 20 14/1 (注)価格は 1 バレル=ドル 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 14/7 15/1 15/7 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1 16/1 16/7 102 (年/月) 2016/11/7 マーケット・フォーカス 米原油在庫のだぶつ きによる先安観 一方、米国原油在庫のだぶつきも原油相場の先安観につながっている。米エネル ギー情報局(EIA)が 11/2 に公表した週間石油統計(10/28 までの週)によると、米原 油在庫は前週末比で約 1,440 万バレル増加し、4 億 8,257 万バレルとなった。依然と して前年同期を大幅に上回っており、過去最高水準を維持している。なお、前週末比 の増加幅は市場予想の約 100 万バレルを上回り、1982 年の調査開始以来最大を記 録した。例年、10 月以降は製油所の稼働率の上昇にともない原油在庫が増加する 傾向があることから、引き続き WTI 原油先物相場の下押し圧力として意識されるも のと思われる。 9 月下旬以降、急激に増加し続けていた非商業筋のネットロングもようやく減少に転 じている。米商品先物取引委員会(CFTC)の報告によると、11/1 現在の非商業筋の ネットロングは前週比▲49,187 枚の 354,399 枚であった。今後の展開は 11/30 の OPEC 総会の行方次第ではあるが、産油国の減産合意による期待剥落を背景に、引 き続き上値の重い展開が続く可能性が高いとみている。 米国原油在庫 クッ シ ング原油在庫とWTI原油先物価格 (週次:2013/1/4~2016/10/28) (百万バレル) 550 (週次:2013/1/4~2016/10/28) (千バレル) 70,000 (1バレル=ドル) 20 クッシング原油在庫(左目盛) 30 WTI原油先物(右逆目盛) 60,000 500 40 2013年 50 50,000 2014年 60 450 2015年 40,000 70 2016年 400 80 30,000 350 90 100 20,000 110 300 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 10,000 11 12 (月) 13/1 米国内リ グ稼働数と原油生産量 14/7 15/1 15/7 16/1 120 16/7 (年/月) C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格 (週次:2015/1/2~2016/11/4) (千バレル/日) 10,000 原油生産量(右目盛) リグ稼働数(左目盛) 1,400 14/1 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 (基) 1,600 13/7 (週次:2015/1/6~2016/11/4) (万枚) (1バレル=ドル) 45 65 買残-売残(左目盛) 40 9,500 60 WTI原油先物(右目盛) 55 1,200 35 50 9,000 1,000 45 30 40 800 8,500 25 35 600 30 20 8,000 25 400 15 200 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 20 15/1 7,500 16/10 (年/月) 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 16/10 (年/月) (注)CFTC 非商業部門建玉は 11/1 現在 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2016/11/7 マーケット・フォーカス ■ エネルギー関連統計 日付 国・地域 11 月 7-8 日 11 月 7-8 日 11 月 7-8 日 11 月 7-8 日 11 月 7-8 日 11 月 8 日 11 月 8 日 11 月 8 日 11 月 8 日 11 月 8 日 11 月 9 日 11 月 9 日 11 月 9 日 11 月 9 日 11 月 9 日 11 月 9 日 11 月 9 日 11 月 9 日 11 月 11 日 11 月 11 日 11 月 11 日 中国 中国 中国 中国 中国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 米国 イベント 原油輸入量(トン) 石油精製品輸出量(トン) 石炭/褐炭輸入量(トン) 石油精製品輸入量(トン) 重油輸入量(トン) 短期見通し 原油(ドル/バレル) 短期見通し 自動車用ガソリン(ドル/ガロン) 短期見通し ディーゼル(ドル/ガロン) 短期見通し ヒーティングオイル(ドル/ガロン) 短期見通し 天然ガス(ドル/千立方フィート) 米国原油在庫(前週比・千バレル) オクラホマ州クッシング原油在庫(前週比・千バレル) 米国ガソリン在庫(前週比・千バレル) 米国中間留分在庫(前週比・千バレル) 米国製油所稼働率(前週比) 米国原油推定需要(千バレル/日) 米国ガソリン推定需要(千バレル/日) 米国留出燃料推定需要(千バレル/日) ベーカー・ヒューズ掘削リグ稼働数 ベーカー・ヒューズ米国ガス・ロータリーリグ稼働数 ベーカー・ヒューズ米国石油ロータリーリグ稼働数 期間 前回 10 月 10 月 10 月 10 月 10 月 11 月 11 月 11 月 11 月 11 月 11 月 4 日 11 月 4 日 11 月 4 日 11 月 4 日 11 月 4 日 11 月 4 日 11 月 4 日 11 月 4 日 11 月 11 日 11 月 11 日 11 月 11 日 33,060,000 4,300,000 24,440,000 1,930,000 740,000 49.99 2.26 2.69 2.60 11.10 14,420,000 89,000 ▲2,207,000 ▲1,828,000 ▲0.4% 15,457.0 9,976.6 4,983.1 569 117 450 ■ 今週の経済指標 日付 国・地域 11 月 6-7 日 11 月 7 日 11 月 7 日 11 月 7 日 11 月 7-10 日 11 月 7-18 日 11 月 7-8 日 11 月 7-8 日 11 月 7-8 日 11 月 8 日 11 月 8 日 11 月 9 日 11 月 9 日 11 月 9 日 11 月 9 日 11 月 9-15 日 11 月 9-15 日 11 月 10 日 11 月 10 日 11 月 10 日 11 月 11 日 11 月 13 日 11 月 13 日 11 月 13 日 中国 欧州 米国 米国 米国 中国 中国 中国 中国 中国 中国 欧州 米国 米国 米国 中国 中国 米国 米国 米国 米国 中国 中国 中国 イベント 外貨準備高 小売売上高(前月比) 労働市場情勢指数 消費者信用残高 住宅ローン延滞率 海外直接投資(前年比、中国元) 貿易収支 輸出(前年比) 輸入(前年比) 消費者物価指数(前年比) PPI 前年比 ECB 専門家予測調査 MBA 住宅ローン申請指数 卸売在庫(前月比) 卸売売上高(前月比) 資金調達総額(中国元) マネーサプライ M2(前年比) 新規失業保険申請件数 失業保険継続受給者数 月次財政収支 ミシガン大学消費者マインド 鉱工業生産(前年比) 小売売上高(前年比) 固定資産投資(除農村部/年初来/前年比) 期間 前回 10 月 9月 10 月 9月 7-9 月期 10 月 10 月 10 月 10 月 10 月 10 月 3,166,400,000,000 ▲0.1% ▲2.2 25,873,000,000 4.66% 1.2% 41,990,000,000 ▲10.0% ▲1.9% 1.9% 0.1% 11 月 4 日 9 月 確報 9月 10 月 10 月 11 月 5 日 10 月 29 日 10 月 11 月 速報 10 月 10 月 10 月 ▲1.2% 0.2% 0.7% 1,720,000,000,000 11.5% 265,000 2,026,000 33,400,000,000 87.2 6.1% 10.7% 8.2% (注)記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33 2016/11/7 金融商品取引法に係る重要事項 マーケット・フォーカス ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-161107-20 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 44
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