マーケットエッジ株式週報 Marketedge 2016/11/14(月) Marketedge Stock Weekly Report マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努 【米国株】 オバマ銘柄の持続力を問う http://www.marketedge.co.jp [email protected] 【日本株】 円相場の急落に反応する 【ダウ工業平均株価】 今週の予想レンジ 1万8,300~1万9,250ドル 先週のレンジ 1万7,994~1万8,855ドル 【日経平均株価】 今週の予想レンジ 先週のレンジ 1万7,000~1万8,250円 1万6,111~1万7,621円 ダウ工業平均株価は、1万8,000ドル台後半まで急伸す る展開になった。米大統領選ではマーケットの下馬評 を覆す形でトランプ氏が勝利したが、それを受けての 強力なリスクオフは短期間で一巡し、その後は逆にト ランプ新政権で恩恵を受けるとみられるいわゆる「ト ランプ銘柄」を中心に買いが膨らむ展開になっている。 日経平均株価は、1万7,000円台中盤まで値位置を切り 上げる展開に。米大統領選でのトランプ氏勝利後は強 力なリスクオフの流れから一時1万6,111円まで急落し た。しかし、その後は円相場の急落やダウ平均の過去 最高値更新から押し目買い優勢に転じ、年初来高値 (1万7,905円)を窺う展開になっている。 トランプ氏はオバマ政権で強化された金融規制の緩和、 オバマケアの縮小、大規模な財政出動方針を示してい ることで、金融・ヘルスケア・公共事業関連株に対し て強力な買い圧力が観測されている。特に、ダウへの 寄与度が大きい金融大手ゴールドマン・サックスは前 週比で15.9%の急伸となっており、急伸地合をけん引 した。JPモルガンも13.2%の急伸、キャタピラーも 13.0%高など、3銘柄が二けたの上昇率を記録している。 一方で、国際関係の悪化リスクでアップルやマイクソ ロソフトの上値が若干重くなったが、株式相場全体の 強気ムードの中で大きく値崩れを起こすこともなく、 過去最高値を更新している。今後もトランプ氏の政策 スタンスによって不安定な地合を強いられやすいが、 原油安や長期金利上昇といったネガティブな動きより も、短期の景気刺激効果が注目を集める中、「トラン プ銘柄」に対する買い圧力の持続性が問われる局面に なる。株価収益率(PER)の20倍台突破など過熱感が 極めて強い状況にあって持続可能な株価水準なのかは 疑問視しているが、「トランプ銘柄」の上昇の勢い鈍 化は未だ確認できず、特にゴールドマン・サックスと キャタピラーなどの失速がみられるまでは、短期スパ ンで更に上値を切り上げるリスクが残る。 米大統領選は、強力な米金利上昇圧力の発生に伴い円 相場が急落していることが、日本株も強力にサポート している。内需株は総じて低調だったが、鉄鋼、造船、 機械といった円安の恩恵を受けやすい業種に買いが 膨らんでいる。この時期は7~9月期業績を見極める時 間帯になるが、急激な円安によって業績見通しの変化 が余りに大きく、円安の持続力のみが問われる局面に なっている。トランプ氏がドル高けん制発言などを行 うと地合が一変するリスクもあり、どの段階で利食い 売りが膨らむのかを、見極める局面になる。米国株で 利食い売りが膨らむと、米金利低下・円高とこれまで とは逆向きの風が吹く可能性があることは認識してお く必要がある。一方、11月14日に発表された7~9月期 国内総生産(GDP)は前期比0.5%成長と、3四半期連続 でプラスになっていることは、株価の下値を支えるこ とになる。今週は17日に日米首脳会談が控えているが、 通商・外交面での日本へのショックが限定されるとの 見方が広がれば、リスクオンの地合が後押しされる可 能性がある。また、17日にはイエレン米連邦準備制度 理事会(FRB)議長の議会証言が予定されているため、 そこでドル高(円安)の持続性もポイントになる。 テクニカルでは、一目均衡表の雲(1万6,538~1万 6,674円)を一時的に下抜けるも、その後の急伸で逆 にかい離が目立つ状況に。調整の際は、基準線(1万 6,894円)が目途に。一方、上値は1万8,000円から上 は1,000円刻みになる。サイコロジカルは、前週の7勝 5敗から6勝6敗に。14日RSIは59.0。 テクニカルでは、一目均衡表の雲(1万8,241~1万 8,330ドル)を大きくブレイクしており、トレンドは 上向きに。支持線は雲、基準線(1万8,378ドル)とな る。サイコジカルは、前週の2勝10敗から5勝7敗に。 14日RSIは72.21。 本レポートは投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。弊社が信頼できると判断した情報源からの情報に基づき 作成したものですが、情報の正確性、安全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断 で行うようお願い申し上げます。 Copyright@ Marketedge Co., Ltd. ‐1‐ マーケットエッジ株式週報 Marketedge 2016/11/14(月) Marketedge Stock Weekly Report http://www.marketedge.co.jp [email protected] マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努 (ドル) 19,500 ダウ工業平均株価(日足) 19,000 18,500 18,000 17,500 17,000 16,500 2016/04 2016/05 2016/06 2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 2016/11 (出所)Reutersよりマーケットエッジ作成 (円) 18,000 日経225(日足) 17,500 17,000 16,500 16,000 15,500 15,000 14,500 14,000 2016/04 2016/05 2016/06 2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 2016/11 (出所)Reutersよりマーケットエッジ作成 本レポートは投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。弊社が信頼できると判断した情報源からの情報に基づき 作成したものですが、情報の正確性、安全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断 で行うようお願い申し上げます。 Copyright@ Marketedge Co., Ltd. ‐2‐ マーケットエッジ株式週報 (注意事項/お問い合わせ先) Marketedge Stock Weekly Report Marketedge マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努 2016/11/14(月) http://www.marketedge.co.jp [email protected] 注意事項 本レポートは、マーケットエッジ株式会社(以下、弊社)が、投資判断の参考となる情報提供を目 的に作成したものです。金融商品売買の勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終 決定は、投資家ご自身の判断で行って下さい。 本レポートは、弊社が信頼できると判断した情報源からの情報に基づき作成したものですが、情報 の正確性、安全性を保証するものではありません。また、本レポートに記載された見解や予測は、 本レポート発行時における弊社の判断であり、全部または一部が予告なしに変更されることがあり ます。 本レポートを使用することに生ずるいかなる種類の損失についても、弊社は責任を負いません。 本レポートの著作権は、原則として弊社に帰属いたします。本レポートにおいて提供される情報に 関して、弊社の承諾を得ずに、当該情報の複製、販売、表示、配布、公表、修正、頒布または営利 目的での利用を行う権利を有しません。 発行会社 【会社名】 【所在地】 【URL】 【電話】 マーケットエッジ株式会社 (Marketedge Co., Ltd.) 〒103-0014 東京都中央区日本橋蛎殻町1-18-1(古川ビル4F) http://www.marketedge.co.jp/ TEL:03-6661-9498 【E-mail】 [email protected] 【執筆者プロフィール】 マーケエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努(こすげ・つとむ) 1976年千葉県生まれ。筑波大学卒。商品先物取引会社の営業本部を経て、同時テロ事件直後の ニューヨーク事務所にてコモディティ・金融市場の分析を学ぶ。帰国後は調査部門責任者を経て、 2016年にマーケットエッジ株式会社代表に就任。 E-mail: [email protected] Twitter @kosuge_tsutomu 本レポートは投資判断の参考となる情報提供を目的としたものです。弊社が信頼できると判断した情報源からの情報に基づき 作成したものですが、情報の正確性、安全性を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断 で行うようお願い申し上げます。 Copyright@ Marketedge Co., Ltd. ‐3 ‐
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