山小屋便り 2016年11月号

(1)
002 第35回勝央町金時祭――気持ちを揃えて―― ゆず
005 みんなで作ったステージ――金時祭―― ゆうな
007 一宮鵜の羽フェスティバル
――あたたかい空気のなかで―― よしえ
008 心から楽しんで――一宮鵜の羽フェスティバル―― るりこ
010 郷土・おかやま12町村フェスティバル まよ
010 古吉野保育園の運動会 りさ
011 プロを演じて――ウォーキング練習―― まゆみ 012 なのはなの表現者として
――新編成でのなのはなバンド―― みく
013 宝物の2日間
――卒業生ののんちゃんとのダンス練習―― しほ
015 誇りを持って のん
018 役者オーディション えつこ
山小屋便り
11
Nov
2016
目次
2016 年 11 月 1 日 発行
019 新曲のコーラス練習
――ウィンターコンサートに向けて―― ゆい
019 みんなと気持ちを一つに――新曲のコーラス―― のりよ
021 アコースティックギター教室の発表会 ――みんなと気持ちを揃えて―― ゆみ
023 盛男おじいちゃんとたけひき まゆみ
025 優しい香りに包まれて
――盛男おじいちゃんとキウイの収穫―― もえ
026 実りの秋――山小屋の草刈り―― ゆい
027 栗が運んでくれた幸せ ともか
※タイトルをクリックすると
028 小豆の収穫――みんなと過ごす暖かい時間―― どれみ
そのページにジャンプします
029 初めての小豆の収穫 さと
030 香りに包まれて――エゴマの収穫―― なつみ
031 エゴマの収穫 あき
032 ひょうたんカボチャの収穫―一つひとつ大切に―― あやか
033 キャベツの収穫が始まりました! ゆり
034 ショウガの収穫 りな
034 コマツナとチンゲンサイの収穫 なるみ
035 秋トウモロコシ、収穫! あみ
036 天気が味方をしてくれて――タマネギの種まき―― まゆこ
036 春菊の種まき まりこ
037 ホウレンソウの種まき よし
038 ハクサイの定植 あみ
039 冬に向けて――ミズナの定植―― ふみ
040 春キャベツとアスパラ菜の定植 まりの
040 物語を持って――菜の花の種まき―― りさ
041 パンジー、ストック、ノースポールの種まき きほ
042 桃の土作り あんな
発行 なのはなファミリー
043 桃の手入れ ゆき
岡山県勝田郡勝央町石生 495
044 誰かの希望となるように――簿記の授業―― ゆきな
☎︎ 0868-38-3571
047 村田先生とのソフトバレ−大会 ちさ
URL http://
048 感謝の気持ちを込めて――お父さんのお誕生日会―― ゆみ
nanohanafamily.main.jp
049 お父さんのお誕生日会 あおい
かけがえのない時間だと強く感じ
ました。みんなと共にステージに
向かっていける時間が、とても尊
くて、愛おしいと思いました。一
瞬たりとも逃したくない、全てを
全身で感じていたい、心に深く刻
みたいと思いました。
ちや、緊張感を感じていました。
ステージが組まれていて、翌日の
は、入り口のバルーンや、テント、
の の ぼ り が 出 て い た り、 会 場 に
ゆず
前日のミーティングや、リハー
サルを見てくれたお父さん、お母
本番に向かう気持ちが高まってい
その日の午後には、現地で場ミ
リをしました。道路沿いにお祭り
いった二日間でした。
さんの言葉に、改めて気持ちが引
きました。今回の演奏では、いつ
とっていきました。見てくださる
らず、地面のタイルで立ち位置を
ものようにステージに番号札を貼
き締まりました。
卒業生の、のんちゃんが帰ってき
てれた、ウインターコンサートに
向けてのダンス練習の二日間。間
感じがしました。また、コーラス
のプログラムは久し振りのような
ログラムでの演奏が多く、一時間
秋になり、最近はフラダンスのプ
本番の前日、午前中に、古吉野
でリハーサルをしました。夏から
た。
の本番を迎えたように感じまし
て本番。息つく間もなく、金時祭
の言葉に、はっとしました。全て
今回のこのプログラムを演奏す
るのも、あと二回。お母さんのそ
すこと。
いのか。気持ちを、前へ、前へ出
どう見せたいのか、何を表現した
現すること。どう見えているのか、
高い美意識、高い志を持って、表
い。 見 せ る 意 識 を 強 く 持 つ こ と。
誰かを感動させるには、自分が
感動するくらいでなくてはいけな
なこと。音響の準備や、浴衣の準
台所や、生活をまわしていく様々
演奏、ダンス、コーラス、ふる
さ と 総 踊 り、 応 援、 カ メ ラ マ ン。
心に浮かびました。
せ た い の か。 お 父 さ ん の 言 葉 が、
と。どう見えているのか、どう見
思いました。美意識を高く持つこ
しい位置を掴んでいかなければと
自分の感覚や気持ちを遣って、正
じ て、 よ り、 視 野 を 広 く 持 っ て、
方々との距離も近く、舞台を囲む
には新しいメンバーが入り、ダン
のステージは一回きり。一回一回
備、衣装の準備。準備の段階から、
を 空 け ず に、 金 時 祭 に 向 け た リ
スにも、夏から新たなメンバーが
のステージを大切に向かっている
(次ページへ続く)
ように見てくださるのだろうと感
加わっていたり、メンバーの入れ
つ も り で も、 あ と 二 回 と 聞 く と、
ハーサルや現地での場ミリ、そし
替わりがあったりと、新鮮な気持
気持ちを前へ出す
十月に入り、村田先生が来てく
だ さ っ た、 簿 記 の 三 日 間 の 授 業。
金時祭へとみんなで向かった二
日 間。 も の す ご い 勢 い で 過 ぎ て
――気持ちを揃えて――
第三十五回勝央町金時祭
(2)
感覚がありました。私も、みんな
た。気持ちを正してもらうような
身も引き締まるように感じまし
さがあって、その空気に、自分の
た。それは、勢いがあって、美し
向かっていっているのを感じまし
り、それぞれの役割で、金時祭へ
た。なのはなの全員が、一人ひと
為に、と動いているのを感じまし
みんなが、誰かの為に、みんなの
ても晴れやかで、みんなの姿が美
シュシュ、そして赤い口紅が、と
黒地に金の帯、赤い裾よけと襷と
いの浴衣に着替えると、
白い浴衣、
らせて頂きました。控え室でお揃
す。勝央音頭保存会の方と共に踊
古吉野を出発し、会場へ向かい
ます。まずは、ふるさと総踊りで
くられていくのを感じました。
て、ステージに向かう気持ちがつ
をしていこうと思いました。そし
の子として、恥ずかしくない行動
気 持 ち を 切 り 替 え て い き ま し た。
踊 り を 終 え て 控 え 室 へ 戻 る と、
次 は、 な の は な の 演 奏 に 向 け て、
込めて、踊りました。
地で生活させて頂いている感謝を
かな自然や美味しい野菜。この土
山々の景色。降るような星空。豊
していること。季節の美しい空や
力をもらいました。勝央町で暮ら
な の 姿。 い ろ い ろ な と こ ろ か ら、
方々。お父さんや、応援組のみん
見てくださっているたくさんの
す れ 違 う み ん な の 笑 顔。 近 く で
母さんが大きな笑顔で拍手をしな
した。舞台正面から、遠くに、お
見てくださる方々がたくさんいま
本番が始まりました。客席から、
左右から、手が届くような距離で
した。
れないくらい、青空になっていま
と雨が落ちていた曇り空が信じら
た。外へ出ると、朝にはぽつぽつ
しが強くなってきたのを感じまし
出番を待っていると、太陽の日差
しいと思いました。テントの中で
筋がすっと伸びた姿が、とても美
をして舞台裏に並ぶ、みんなの背
(前ページからの続き)
のなかの一人として、しっかりと
しいと思いました。ペアの人と着
衣装に着替え、舞台裏のテントへ
がら見てくれている姿が見えまし
自分の役割を果たしていこうと思
みんなもいて、改めて、なのはな
移動し、演奏に向けての準備に加
た。応援組のみんなや、カメラを
付けを見合ったり、保存会の方に
の 子 と し て、 高 い 意 識 と 誇 り を
わ り ま し た。 本 番 ま で の 時 間 は、
いました。
持って、立ち振る舞っていこうと
着付けを教えて頂いたり、みんな
構 え る み ん な の 姿 が 見 え ま し た。
◇
あ っ と い う 間 の よ う な、 長 い よ
に襷を結んでもらったり。みんな
思いました。
本番当日。いつもより早く起床
し、みんなで朝食を頂きました。
テントの側に立って、こちらを見
を感じて、心強く思いました。出
うな不思議な時間です。緊張感が
「気持ちをつくって演奏へ向かい
発前になのはなの控え室へ行く
なの気持ちが、一つになっている
葉のようになっていました。みん
母さんの言葉が、みんなの合い言
気 持 ち を つ く る こ と。 美 意 識。
見せる意識。昨日のお父さん、お
きます」
大きな力となりました。
顔 で 応 え て く れ て、 そ の 笑 顔 が、
のを感じました。目が合うと、笑
と笑顔が大きくなって、安心する
した。みんなの姿を見ると、自然
ふるさと総踊りのスタンバイを
していると、カメラマンや応援組、
勝央町に暮らして
(次ページへ続く)
と、なのはなの演奏から合流する
ことを感じました。次にみんなで
(次ページへ続く)
高まっていきました。スタンバイ
ます」
「 高 い 美 意 識 を 持 っ て、 ス テ ー ジ
に向かっていきます」
会うのは、ステージ裏でのスタン
踊りの時間はあっという間でし
た。ステージの上の、三味線を弾
「 前 へ、 前 へ、 気 持 ち を 出 し て い
バイで。あゆちゃんのそんな言葉
くみんなの姿や、音。踊りながら
チラシ配りのみんなの姿が見えま
に、背筋が伸びました。なのはな
(3)
れて、見てくださる方々に包まれ
るのを感じました。みんなに包ま
前へ前へ届けようと、表現してい
なの気持ちが一つとなって、
強く、
じました。ステージの上で、みん
勇気や力を与えてくれるように感
歌 声、 コ ー ラ ス の 力 強 い 歌 声 が、
奏や、あゆちゃんやゆいちゃんの
ました。後ろからは、バンドの演
てくれているお父さんの姿が見え
(前ページからの続き)
為に、精一杯を尽くしていこうと
お 母 さ ん の お 話 に、 ど ん な ス
テージでも、誰か、たった一人の
それが、伝わるステージになる」
全 力 を 尽 く す。 精 一 杯 表 現 す る。
その人の為に、たった一人の為に、
たということ」
いうことは、今日は良い演奏だっ
なら、それで充分。そう思えると
れた。その一人の男の子に届いた
てく寂しさや、何かが一つ終わっ
けれど、どこか、季節が移り変わっ
に、冬が近づいているのを感じま
こうみちゃんの声が聞こえまし
た。 ひ ん や り と し た 空 気 の 匂 い
せ よ う と し て も 駄 目。 誰 か 一 人、 「冬の匂いがする」
「その場にいる大勢の人を感動さ
てしまったような、少しの寂しさ
た。
夕方、外へ出ると、空気がぐっ
と冷たくなっているのを感じまし
くれたと感じました。
を、お父さんとお母さんが教えて
自分を磨いていく
した。
冷たい空気が気持ちよくて、
て、舞台に立たせて頂いていると
思いました。誰か一人に、なのは
うに、と思いました。そしてそれ
感じました。
テージに立っていた。その、全員
が、その誰かにとって、この先を
を感じるような気がしました。
演奏後、古吉野へ帰ると、お父
さんとお母さんが今日の演奏につ
に染み通っている気持ちが、人数
なの志、思いが伝わってくれるよ
いて話してくれました。
生きていく力になったら、本当に
人に自分を晒すことで、自分の欠
落が明らかになり、そうして、自
分を磨いていく。雑味を落として
て、日々の練習を積み重ね、そし
分の迫力となって、客席へ届いて
いく。成長させていく。
す。改めて、みんなのなかの一人
て、一回一回のステージで、しっ
嬉しいと思いました。
としてステージに立たせて頂いて
かりと成長を積み上げていきたい
いた。
いる幸せ、そして有り難さを感じ
です。
みんなが同じ気持ちで、誇らし
い、 晴 れ 晴 れ と し た 気 持 ち で ス
ました。みんなのなかにいられる
そう、お父さんがいつも教えて
く れ ま す。 次 の ス テ ー ジ に 向 け
ことが、本当に嬉しいと思いまし
このプログラムでの演奏も、あ
と僅か。みんなのなかでステージ
ステージに立つことで、自分を
つくっていく。
人に見せることで、
た。
て、自分の役割をしっかりと果た
次 の ス テ ー ジ、 そ し て ウ イ ン
ターコンサートに向けての心持ち
夜には、お母さんが、演奏を見
てくれていた一人の男の子につい
していきたいです。そして、ウイ
たい、もっと聞きたいと思ってく
演奏に感動してくれて、もっと見
「その子は、なのはなが大好きで、
げていきたいです。
成長に向けて、しっかりと積み上
ンターコンサートや、自分自身の
に立たせてもらえる喜びを感じ
て、話してくれました。
話してくれるお父さんとお母さ
んの笑顔が、とても嬉しかったで
(4)
に向けて積み重ねていくことがで
きました。
『 勝 央 音 頭 』 と『 サ ン
今 回 は、
サン勝央』の二曲を演奏しました。
金時祭では、天神涼みや街道祭と
は違って、三味線と太鼓の生演奏、
線を弾きました。
ゆうな
生の歌声に合わせて踊ります。な
ステージの上で演奏しました。ゆ
のはなから七人のメンバーが三味
きえちゃんが中心となって、練習
金時祭は、勝央町で一番大きな
お祭りです。金時祭というお祭り
から中心に向かって円を描いてい
メーションが作られていて、四方
第三十五回勝央町金時祭が開催
されました。
の名前は、坂田金時(金太郎)の
うに感じました。一つひとつの立
ち居振る舞いや表情が美しく見え
るように、志を高く持ちました。
除け。
さんは、浴衣の裾から出す赤の裾
の帯。袂を留める赤い襷。踊り手
白地に紺色模様の浴衣に、黒と金
衣裳は、勝央音頭保存会の揃い
の 浴 衣 を 着 さ せ て も ら い ま し た。
方は曇りで晴れる見込みがなかっ
衣装を着替えながら気持ちを切
り替え、なのはなファミリーのス
てうれしかったです。
見ているお客さんに喜んでもらえ
も、気持ちも笑顔も演奏も揃えて、
ふるさと総踊りでは、二曲と短
い出演時間でしたが、そのなかで
天神涼みや街道祭のときも着さ
せてもらって、この衣装が好きに
たのですが、開始の時刻に近づい
(次ページへ続く)
テージにスタンバイしました。朝
なりました。品があって、模様が
ていくうちに、空は青空が広がっ
や心が真っ直ぐに正されていくよ
素敵で、着させてもらうと、背筋
志を高く持って
麗でした。
ると、揃いの浴衣で踊る光景が奇
ジの上から並んでいるみんなを見
くように踊っていました。ステー
から練習をして、初めて三味線を
線を弾きました。私は、一か月前
午 前 中 の ふ る さ と 総 踊 り で は、
勝央音頭保存会の方と一緒に三味
初めての三味線
せてしていきました。
来るまでにみんなで気持ちを合わ
一日で二つのステージに出るた
めのたくさんの準備を、この日が
リーのステージを披露しました。
し、午後からは、なのはなファミ
と総踊り』に三味線と踊りで出演
今回、私たちは午前中に、勝央
音頭保存会の一員として『ふるさ
けられています。
終焉の地であることにちなんでつ
や合わせなど考えてくれて、本番
踊 り は、 工 夫 が さ れ て い ま し
た。 美 し く 見 え る よ う に フ ォ ー
――金時祭――
みんなで作ったステージ
(5)
なのはなからも7人のメンバーが三味線を演奏しました
れました。
お母さんの笑顔を見て、
本番前に、お母さんがとびっき
りの笑顔で、ステージ裏に来てく
よ!」
応援組のみんなが精いっぱい応
援してくれているのが伝わってき
なでコーラスを歌いました。
に届くように、明るい笑顔でみん
いました。見て下さっている方々
キラさせながらじっと見てくれて
前列の席には子供たちが目をキラ
ている方がたくさんいました。最
り、その後ろや周りに見て下さっ
た。ステージ前の客席は満席にな
ていくのが目に見えてわかりまし
たです。勝央町の方々が暖かく見
いただくことができてうれしかっ
勝央町のたくさんの方々になの
はなファミリーのステージを見て
◇
た。
て、 安 心 し た 気 持 ち に な り ま し
いステージになるんだなと思っ
と言ってくれて、みんなと一生
懸命作り上げたものは、本当に良
「今日のステージは最高だった!」
が、
ました。
みんなのこわばっていた表情や気
たり、お客さんの手拍子や拍手な
守ってくださることが本当にあり
ていきました。
「 み ん な、 笑 顔 で ね! 自 分 が 出
るからこそみんなが引き立つんだ
持ちが安心してほぐれていき、穏
ど、真剣に聞いて下さっている様
がたいなと思いました。
い気持ちになりました。ステージ
一員として、頑張っていきたいで
これから、なのはなファミリー
の一人として、勝央音頭保存会の
やかな決心のついた空気に変わっ
子 が わ か っ て う れ し か っ た で す。
お世話になっている地域の方々
や、なのはなのことを応援して下
横 の テ ン ト に は お 父 さ ん の 姿 や、
す。
届くように
さっている方々の姿が見えて暖か
客席のなかにお母さんの姿が見え
なのはなのステージが始まって
から、お客さんがだんだんと増え
ていき、太陽が私たちを応援して
て、 見 守 っ て く れ て い て う れ し
(前ページからの続き)
くれるかのように、光に照らされ
かったです。
ファミリーのステージが終わりま
て、みんなの笑顔がキラキラと輝
午後からは、クイーンの五曲と
フラダンスの四曲を約一時間のス
した。
みんなの思いは同じで、
堂々
いていました。
テージを披露しました。
んなと良いものを作り上げること
会場の大勢の方々からの暖かい
拍 手 に 包 ま れ な が ら、 な の は な
久 し ぶ り の 屋 外 の イ ベ ン ト で、
と て も 緊 張 し ま し た。 み ん な の
ができました。
控え室で、お父さんとお母さん
一生懸命作ったもの
と表現することができました。み
空 気 か ら も、 緊 張 感 を 感 じ ま し
た。勝央町民のほとんどの方々が
来られていて、舞台裏や舞台袖も
三六〇度見られていました。控え
室から出たときも、見せる意識を
持って堂々と笑顔でスタンバイし
(6)
現地に着き、衣装に着替えてス
タンバイしていると、私たちを気
にしながら、近くにずっといる女
の子がいました。
しばらくしてその子がいなく
なったと思ったら、今度は裸足で、
一宮鵜の羽フェスティバル。夏
祭りからみんなで作ってきたこの
と嬉しそうに駆け寄ってきまし
た。
よしえ
曲目、流れでのプログラムを披露
『 ラ ヴ ァ ー・ ボ ー イ 』 を 踊 る み
んなが、裸足でスタンバイしてい
「見て! 私も裸足で来たよ!」
するのは、今年最後です。
る の を 見 て、 同 じ よ う に 裸 足 に
なっていたのです。
て下さるということを聞き、とて
そして、朝食の席で、こうじさ
ん、みよちゃん、ゆうたくんも来
なら、こんなに嬉しいことはない
子に、夢や希望を持ってもらえた
くにいてくれる。その一人の女の
る一人の女の子が、こんなにも近
うと思いました。
した。表情で、気持ちで表現しよ
きって、楽しんでやろうと思いま
私 は、『 ブ ラ ッ ク・ ク イ ー ン 』
を踊ったのですが、小悪魔になり
そんな気持ちとともに、笑顔でス
も心強いと思ったし、とても嬉し
と思いました。
そして、最後のポーズのときに、
大 き な 拍 手 が 聞 こ え た と き に は、
一度きりのステージです。
ダンスもコーラスも、私たちの
メッセージが届くように、感動を
演奏が始まりました。
切に、気持ちを乗せて表現しまし
本番
テージに立ちました。
くなりました。
他にも、私たちの演奏を楽しみ
にして下さっていた方、喜んで下
(ちゃんと届いた!)
とても可愛くて、微笑ましくて、
なのはなのことを好きでいてくれ
ような演奏ができるよう、精一杯
さっていた方がたくさんいたとい
観て下さっている人に感動を与
えられるような、喜んでもらえる
を尽くそうと思いました。
うお話を聞かせてもらえて、とて
笑顔で堂々とステージに立とう
と思いました。 音響の先発組、出演組、応援組
と、出発時間が様々だったのです
が、みんなが自分のできることを
テージに立つんだという気持ち
与えられるように、一瞬一瞬を大
が、一つになっていたように感じ
(次ページへ続く)
た。 ました。
私たちの伝えたいことを伝えた
い。 魅 せ る 意 識 で 表 現 す る ん だ。
し、 み ん な と 気 持 ち を 揃 え て ス
も嬉しい気持ちになりました。
そう思えて、本当に嬉しかった
です。
という気持ちが高まりました。
そう思うと、本当に一瞬一瞬を
大切にして、ステージに立ちたい
――あたたかい空気のなかで――
一宮鵜の羽フェスティバル
(7)
(前ページからの続き)
ました。
振りをしているのが、何だか嬉し
も嬉しかったです。
なっているのを感じながら、演奏
私も、お客様や応援組のみんな
がいる客席と、ステージが一体と
こんな風に、私も、観て下さっ
ている方の力になれるような、そ
いつもは後ろにいるバンドメン
バーのみんなを、近くに感じなが
することができたと思いました。
かったです。 それには、あゆちゃんのMCに
も背中を押されました。
んな演奏をしていきたいと思いま
らステージに立てたことも嬉し
かったです。
そ し て、 現 地 に 着 い た と き も、
帰るときも、永禮さんが車を誘導
外でのイベントは、想定外のこ
とや、良いこと、そうでないこと、
みんなの気持ちが、一つになっ
ているのを感じました。
した。
一体となって
『ステイング・パワー』では、「私
たちには、最後まで頑張り続ける
力がある」
。フラダンスでは、
「自
信と誇りを持って生きていくこ
と」
。
『 サ ム・ ナ イ ツ 』 で は、
「自
して下さいました。
んな経験も、自分の血となり肉と
分を求めてくれている人の役に立
いつも笑顔で、私たちを見守っ
ていて下さる永禮さんがいて下さ
いろいろなことが起こります。ど
今回のイベントでは、バンドの
後ろのほうでコーラスを歌いまし
つ生き方をする。何かを生み出す
生き方をする。生まれてきた意味
て下さいました。
なると、お父さんお母さんが教え
しました。
なのはなでの日々の生活、外で
のイベント、どんな経験も、これ
ることも、とても心強くて、安心
食事の席で、
「バンドとダンスとコーラスが一
から自分が生きていく上での糧と
た。
とひなのちゃんとあやこちゃん
つになっているのを感じて、自然
して、積み重ねていきたいです。
を、きちんと感じながら、逃げな
が、演奏中に振りをしているのが
と涙が出てきた」
心を耕し、深くし、成長してい
きます。
いで生きていく」
。
視界に入りました。
と、 客 席 か ら 見 て い た た か こ
ちゃんが言ってくれたのが、とて
『 ス テ イ ン グ・ パ ワ ー』 で、 管
楽器を吹いている、ゆりかちゃん
らえたなら……。
生きていく本当の意味、本来あ
るべき姿を、一人でも多くの人に
伝えたい。そんな気持ちで、表現
一人では微力でも、みんなと力
を合わせれば、
大きな力となって、
私たちコーラスと、同じような
心から楽しんで
――一宮鵜の羽フェスティバル――
禮さんの地元で行われる『一宮鵜
十 月 十 六 日。 い つ も な の は な
ファミリーを応援してくださる永
くした気持ちで会場へと向かいま
衣装を身にまとい、緊張とわくわ
今回が二度目。朝から、コーラス
るりこ
ミキサーのところにはお父さん
が、目線の先にはお母さんが、客
の羽フェスティバル』に出演させ
(次ページへ続く)
て、野外でのイベントデビューは
席には、応援組のみんなの姿があ
ていただきました。わたしにとっ
です。
り、その存在や声援に、力が溢れ
頂けたことが、とても嬉しかった
そんなあたたかい空気のなか
で、みんなとステージに立たせて
じました。
方のなかで、あたたかい空気を感
なのはなファミリーを好きでい
て下さる方、支えて下さっている
す。
きっとたくさんの人に届くはずで
しました。
一曲一曲が終わるたびに、大き
な拍手が起こりました。
一人でも多くの人に、私たちの
伝えたいことが届いて、力になっ
てもらえたなら、希望を持っても
(8)
会場へ着くと、小さい子から年
配の方まで、たくさんの地元の方
した。
と笑顔で、堂々とステージに歩ん
禮さんの応援で、安心した気持ち
分も自然と笑顔になりました。永
を見て、ほっとしたと同時に、自
ました。永禮さんの柔らかい笑顔
立ち続けることができました。
とを心から楽しんで、ステージに
ように、最初から最後まで歌うこ
学びました。今までの自分が嘘の
ことの素晴らしさを、なのはなで
とわたしたちのステージを見守っ
熱くなりました。永禮さんも、
ずっ
て下さって、会場の暖かさに心が
さんが手拍子をしたり、拍手をし
しました。最後の最後まで、お客
(前ページからの続き)
が集まっていました。
ていてくださっていて、とても心
でいくことができました。
強かったです。
た。お客さんが喜んで下さってい
演 奏 一 曲 一 曲 が 終 わ る た び に、
会場が大きな拍手で包まれまし
退 場 し て か ら 帰 る ま で も、 多
く の 方 が、
「 か わ い い!」 や「 頑
ました。
そんな思いを感じながら、わた
しの二度目のステージは幕を閉じ
もっと歌いたい!
ゆうかちゃんやなるちゃんが
ウィンターコンサートのチラシを
配ってくれていて、なのはなのチ
るのを感じて、感動と嬉しさで鳥
張って!」と声を掛けて下さいま
( も っ と 歌 い た い! こ の 時 間 が
ずっと続いて欲しい!)
肌が立ちました。最後の曲、『サム・
した。津山市の方々の間にもなの
精一杯で
ステージに立つと、想像以上の
お客さんがわたしたちの出番を
ナイツ』を終えて、退場しようと
はなファミリーのことが知れ渡っ
ラシを手にした方がたくさん見受
本番開始時刻まで控え室で待機
をしていると、一人のおばさんが
待っていて下さいました。大きな
す る と、「 ア ン コ ー ル 」 の 声 が か
ていて、愛されていることがすご
けられました。
声を掛けて下さいました。
拍 手 が わ き 上 が り、 す ご く 嬉 し
演奏するイベントは今回が最後で
かりました。最後にもう一度、『へ・
うかしら。孫がきっと喜ぶわ」
コンサート、孫を連れて見に行こ
「 な の は な さ ん だ よ ね? い つ も
テレビで見ているよ。ウィンター
かったです。
した。わたしにとっては二回目だ
今回演奏した、クイーンの四曲
から始まり、フラダンスで締めく
献したい。そういう気持ちでみん
きた最高のステージにわたしも貢
かったです。会場の暖かさを強く
見送って下さったこともありがた
が最後の最後まで、わたしたちを
く嬉しいと思いました。永禮さん
メレ・ノ・リロ』をみんなで演奏
(今からの本番を実際に見ても
なのなかの一人となって、自分の
強く感じたイベントでした。
けど、今までみんなが築きあげて
らって、もっとなのはなのことを
精一杯で心を込めてコーラスを歌
くる全九曲。この演目をみんなで
好きになってもらいたい!)
いました。
と言ってくださいました。その
言葉が嬉しくて、
と思いました。
今、なのはなファミリーの一員
として、ステージに立てることが
席に座って笑顔でこちらに手を
でなびき、そのすき間から、観客
テージ裏を隔てている紅白幕が風
ました。そのとき、ステージとス
て、顔がこわばっているのを感じ
た。だんだんと緊張が強まってき
な口を開けて、笑顔で堂々と歌う
がすごく楽しいと感じます。大き
かったけれど、今は歌を歌うこと
歌を歌うことはあまり好きではな
がいました。なのはなに来るまで、
て、思いっきり楽しんでいる自分
日 差 し が ま ぶ し か っ た け れ ど、
いつの間にかそんなことも忘れ
を大切にしていきたいです。
となれるように、日々の積み重ね
一人として、わたしも少しでも力
ていきたいです。みんなのなかの
よいステージをみんなと築きあげ
練習を積み重ねていって、さらに
誇りです。これからもっともっと
本番の時刻が近づいてきて、ス
テージ裏に移動して待機をしまし
振って下さる永禮さんの姿が見え
(9)
んとくんサンバ』を踊りました。
私たちは、ステージで『勝央音
頭』
『ヤットサ節』
『四つ拍子』
『き
ただくお祭りです。
し、来てくださる方に楽しんでい
寄ったり、踊りや郷土芸能を披露
産品・名産品、工芸品などを持ち
もらうために後楽園を会場に、特
る十二の町村の良さを広く知って
して参加しました。岡山に現在あ
バル』に勝央音頭保存会の一員と
『第五回郷
晴 れ た 陽 気 の な か、
土・おかやま十二町村フェスティ
裾よけの見せ方に変化をつけたこ
つけています。私たちも、午後の
はいつもの褌姿に着替えて変化を
んとくん』は、午前は保存会のみ
の浴衣で踊りました。
勝央町の
『き
るキャラの『きんとくん』も揃い
私たちの出番になり、町長さん
の紹介から始まって、勝央町のゆ
◇
て会場はとても賑やかでした。
ラ』が子供たちと写真を撮ってい
を着ていたり、
ご当地の
『ゆるキャ
方々が、また違った浴衣やハッピ
なコンサートなの?」
「勝央町はどこにあるの?」「どん
シ 配 り も さ せ て も ら い ま し た が、
踊りの前後にはお仕事組のみん
なでウィンターコンサートのチラ
をイメージしました。
先の、なのはなの延長にある目標
踊ることを意識しました。ずっと
全力で、笑顔で踊ること、美しく
で赤い紅葉に目線を決め、自分の
目線を決めるように、自分のなか
た。なのはなで踊るとき、いつも
んなやお客さんの笑顔が見えまし
約二十の競技のなかで、特に印
象に残っているのが、竹馬と、親
かったです。
ていることを感じて、とても嬉し
と笑顔を向けてくれた方々もい
ました。なのはなの夢が、拡がっ
ね」
と言ってチラシを渡すと、
「なのはななファミリーさんです
なかには、私が、
「勝央町でコンサートをやります」
た。
を全て配り切ることができまし
んなで手分けして持参したチラシ
と興味を示してくださる方も多
く、快く受け取ってくださり、み
と呼び、親御さんが輪に入って
いくと、ぎゅっ、と手を握り、子
りました。結果は、なんと子ども
軽やかに力強く走る姿に目を見張
しかし、子どもたちの全力疾走
もすさまじく、弾む手鞠のように
と言いながらも、かっこいいお
父さんの姿を見て、嬉しそう。
「お父さん、速い!」
お父さんと一緒に走る子どもた
ちは、
部では浴衣の後ろを絡げて、赤い
に乗り、悠々と園庭を歩いている
い気持ちでいっぱいになりまし
いる光景が、暖かくて、私も嬉し
「お父さん、お母さん」
そして、子どもたちと親御さん
とのダンスで、子どもたちが、
じました。
力の奇麗さや、挑戦する勇気を感
飲み込んで再び走り出す姿に、全
自分の体以上の高さのとび箱に
よじ登ったり、ころんでも、涙を
たちの勝利でした。
り、
会場は大いに盛り上がります。
ぽーんと脱げるハプニングもあ
後楽園の明るい緑のなかに粋で
上品な白、紺の浴衣と赤い裾除け
と で、 上 品 な 感 じ か 少 し 活 発 で
畑
に出る途中、保育園の前を通
りかかるとき、お散歩中の子ども
子対決リレーです。竹馬では、地
どもたちがにっこりと顔を寄せて
た。青い空と、輪になって踊るみ
がとても映えて、揃いの浴衣姿が
オープンな雰囲気に変わり、華や
たちに出逢うとき、いつも元気に、
面から約六十センチの高さの竹馬
まよ
とても奇麗だなと思いました。勝
かに見えました。こういった工夫
「なのはなさん、こんにちは!」
郷 土・ お か や ま
十二町 村 フ ェ ス テ ィ バ ル
央音頭保存会のみなさんと一緒
をみんなでやって、全体が活気づ
んなと同じ浴衣から、午後の部で
に、今日に向けて踊りや着付けの
くのを感じました。
子どもたちの姿を見て、驚き、
りさ
練習をさせてもらってきて、今日
とあいさつをして、遠くからで
も、手を振ってくれます。そんな、
た。そして、子どもたちが全身で
きで、いつも心をほわっとほぐし
」
気持ちが外に開いていくのを感
てもらっています。古吉野保育園
みんなと秋晴れの下、運動会がし
「すごい……
じ、 嬉 し く な り ま す。 足 を 止 め、
親子対決リレーでは、父兄の方
は長靴を履いて走るというハンデ
たいなあ)
古吉野保育園の子どもたちが大好
古吉野保育園の運動会
参加させてもらえたことがとても
『ヤッ
『きんとくんサンバ』や、
トサ節』など、声を出して踊ると
着付けは、勝央音頭保存会の山
本先生が事前に時間をとって丁寧
並んで一斉にカメラを向ける外国
の運動会の応援に行きました。 付き。お父さんチームがややリー
ありがたかったです。
に教えてくださったお陰で、着く
人旅行客、一緒に振り付けを踊っ
日 曜 日 と い う こ と も 相 ま っ て、
園庭に、子どもたちの勇姿を応援
!!
と思いわくわくしました。
( お 父 さ ん お 母 さ ん、 な の は な の
を表現する姿を見て、私も、
スポーツをし、ストレートに感情
ずれせずしっかりと着ることがで
てくれるお客さんの姿も見え、活
ド
と口から自然と声が洩れ出てい
ました。
き、誇らしげな気分で出番を待ち
に来たご家族でいっぱいでした。
と い う と き に、 長 靴 が す
気のある明るい空気がありまし
!!
ま し た。 他 の 地 区 か ら 来 ら れ た
(10)
プロを演じて
を確認して、最初は見よう見まね
で、 ゆ っ く り と 歩 い て み ま し た。
でも、なかなか上手くいかなくて、
どうしてもバランスが崩れてし
まったり、ロボットのようにぎく
しゃくした動きになってしまった
ウィンターコンサートに向け
て、ウォーキング練習が始まりま
るでお父さんの後ろから、スポッ
て、すごく格好良かったです。ま
姿はどっしりとした安定感があっ
お父さんは流れるように、自然
に、堂々と歩いていました。その
重心は前になっているか、膝は
伸びているか、肩は開いているか、
認し合いました。
その三つのポーズを、それぞれ確
う 方 法 で す。 二 人 組 み に な っ て、
をきれいになるようにする、とい
段階に分けて、それぞれのポーズ
一 歩 を 踏 み 出 す ま で の 動 き を、
足を上げる、伸ばす、出す、の三
の ま ま、 背 筋 で 姿 勢 を 正 し ま す。
ま先を外に向けます。上半身はそ
の甲まで真っ直ぐにして、少しつ
体勢になります。このときも、足
その後、一瞬で上げた足を前に
伸ばして、地面に踏み出す直前の
て上半身を支えます。
勢にならないように、背筋を使っ
重心が後ろになってのけぞった姿
をとりました。
まで意識して、それぞれのポーズ
ました。
父さんが、本当にすごいなと思い
と同じような感じで歩いているお
に、本当に自然に、呼吸をするの
でも、そんなそぶりは一切見せず
つま先を外に向けても、上半身
は常に真っ正面を向くようにする
とお父さんから教わりました。
に し ま す。 片 方 の 膝 は 伸 ば し て、 「背筋を特に意識するように」
足を上げたときには、つま先を
下に向けて、足の甲までを一直線
こ の 二 人 組 で 練 習 す る 方 法 も、
教えてもらってすごくありがたく
とり直していきました。
る点があって、体育館にみんなで
ます。この他にも色々と気をつけ
――ウォーキング練習――
り、自然には動けませんでした。
した。
トライトが当たっているかのよう
そ の 次 に、 そ の 伸 ば し た 足 を
地面につけて、踏み出したときの
て嬉しかったです。一歩を踏み出
まゆみ
何日かあとに、さとわちゃんが、
「お父さんが教えてくれました」
初めての練習の日に、お父さん
が、ステージでの歩き方について
にも見えました。お父さんのよう
ポーズに戻ります。前足に一気に
すまでの足の動きが良く分かっ
と言って、新しい練習方法を教
えてくれました。
教えてくれました。体育館にみん
に、私も歩けるようになりたいと
重心を持ってきて、腰は真っ直ぐ
て、実際に歩くのも、すごくやり
足に掛ける。
常に腰は真っ直ぐに、
(次ページへ続く)
の は、 意 外 と き つ く 感 じ ま し た。
並んで、細かいところまで一人ひ
なで集まって、お父さんが、実際
思いました。
に、足も一直線になるように、か
胸を張って、背筋を使うんだ」
つま先の向きなど、細かいところ
に歩いて見せてくれました。
そうして、いよいよ練習が始ま
りました。踏み出したときの背筋
かとから付くイメージで踏み出し
「 つ ま 先 を 外 に 向 け て、 体 重 を 前
の使い方、重心の移動の仕方など
と教わりました。
(11)
やすくなったように感じました。
(前ページからの続き)
いて、目線を上にして歩くと、ど
りました。胸を張って、あごを引
さりしてしまいそうな気持ちにな
が迫ってくるような、思わず後ず
ました。何かすごい力の大きな物
ングが揃うと、すごく迫力があり
なって、みんなの足の出すタイミ
横からみんなの歩いている様子
を 見 る と、 横 一 列 が 真 っ 直 ぐ に
習をしていきました。
ように、歩幅も調節しながら、練
じました。横の人で列を合わせる
揃ったとき、すごく気持ちよく感
や す く な っ て、 み ん な の 動 き が
と、足を出すタイミングが分かり
ウォーキング練習は、習慣練習
として毎日あります。いよいよ本
習を積み重ねていきたいです。
技ができるように、これからも練
寄りがたいような、堂々とした演
ました。少し生意気で、どこか近
なと同じ気持ちを作ろう、と思い
自分も引っ張ってもらって、みん
ずかしいけれど、みんなの空気に
ロを演じて、少し気取った感じで
だ真面目にするのではなくて、プ
わっていくように感じました。た
てすると、自然と表情や動きも変
見られている、という意識を持っ
ウ ォ ー キ ン グ の 練 習 で も、 ス
テージに立っている、お客さんに
ましたが、今年からは新しくアデ
心にステージを作り上げてきてい
なの演奏では、クイーンの曲を中
習が始まりました。今までなのは
けて、いよいよ本格的に新曲の練
十二月十八日、勝央文化ホール
で行うウィンターコンサートに向
した。
きてしまうのだろうな、と思いま
て、きっとあっという間に本番が
間の一日一日が、ぎゅっと詰まっ
でいると、このコンサートまでの
カレンダーを見ながら予定を立
て、あゆちゃんと一緒に書き込ん
回一回の練習を大切にしていきた
「 踏 み 出 す 瞬 間 を 速 く し て、 動 き
こか明るい方に、希望のある方に
格的にコンサートに向かっている
ルというアーティストの曲が加わ
「こう思ってみると日にちがない
く驚きました。
自然になめらかに、
にメリハリをつける」
向かっているように見えました。
感じがして、身が引き締まる思い
り、また一味違った、新しい空気
ね。あっという間だね」
曲のテンポに合わせるようにする
ということも、教えてもらいま
した。一つひとつの動きを流して
「 ダ ン ス で も 歩 き 方 で も、 そ の と
がします。普段何気なくしている、
感、世界観でのコンサートになっ
そう、みんなと言いました。
いです。
しまうのではなくて、そのときそ
きそのときで気持ちを作っていか
歩く動作も、意識しただけでこん
ていきそうだなと思います。
そして格好良く歩けるように、一
の と き で 一 瞬 止 ま る よ う に し て、
なければいけない」
なに違った物になるんだと、すご
――新編成でのなのはなバンド――
◇
れました。
細かいところまで丁寧に教えてく
や な る ち ゃ ん、 ゆ り か ち ゃ ん が、
せてもらっています。全体をリー
私は、なのはなのステージでは、
主にバンドのキーボードを担当さ
いきます。
ラスと、みんなで一つの形にして
そしてこれからは、このアデル
の数曲を、ダンス、バンド、コー
レイン』というアデルの曲を、そ
『セット・ファイヤー・トゥ・ザ・
そして、計画を立てた第一回目
の バ ン ド 練 習 が あ り、 こ の 日 は、
になっています。
この十月の間にコンサートに向
けての新曲は、全て形にする計画
の練習予定、計画を立てました。
みく
なのはなの表現者として
切れよく動くと、すごく格好良く
とお父さんから教わりました。
そしてポーズを確認したあと
は、みんなで列になって、体育館
ドしてくれているあゆちゃんを中
の日一日で練習して、夕方には合
歩くようにしました。一人だと恥
見える、と教わりました。お父さ
を往復しました。コンサートに使
心に、みんなと話し合って、これ
(次ページへ続く)
◇
う新曲のリズムに合わせて、一歩
からコンサートに向けてのバンド
んがいないときも、さとわちゃん
一 歩 丁 寧 に、 歩 い て い き ま し た。
(12)
わせを行いました。
(前ページからの続き)
できる精一杯で、自分の役割を果
ジでの表現者として、今の自分に
ンサートにしていけるように、こ
今新しくなった形で、今いるメ
ンバーで、一番最高の形、良いコ
す。
ちを一つに向かっていきたいで
こからの二か月間、みんなと気持
夜はゆっくり休んで明日に備えて
スの練習をするので、みんなは今
ちらへ到着します。二日間、ダン
していました。のんちゃんに会え
れてくるような安心した気持ちが
翌日になって、のんちゃんに会
えることに、心に暖かいものが流
と教えてくれました。
下さい」
たしていきたいと思います。
宝物の二日間
――卒業生ののんちゃんとのダンス練習――
しほ
体 育 館 で メ ン バ ー が 集 ま っ て、
第一回目の合わせをしたとき、自
分たちでも、その曲に引き込まれ
ていくような、壮大で広い世界の
なかにいるような、そんなわくわ
くする気持ちと、興奮する気持ち
とがありました。
ることが、本当に嬉しくて、胸が
習をしていると、のんちゃんの華
一 杯 で し た。 朝 食 を 頂 い て か ら、
卒業生ののんちゃんがダンスを
教えになのはなに帰って来てくれ
やかで、変わらない声が廊下から
一つの曲が形になり、まだまだ
こ れ か ら も っ と 質 を 高 め て い き、
なと練習していけること、一つの
ました。十月六日、七日の二日間
聞こえてきて、それからすぐにお
てくれました。
みんなで体育館でウォーキング練
形にしていけることが、
楽しみで、
で、ウィンターコンサートの幕開
そしてコンサートに向けて、みん
嬉しいなと思いました。
父さんとのんちゃんが体育館に来
けの曲『セット
フ
・ ァイア ト
・ゥ
そして今回から、前回まで主で
やっていたバンドのメンバーが卒
い編成での初めてのコンサートに
んの踊る姿や笑顔を見ると、泣き
てくれています。私は、のんちゃ
のんちゃんはこれまで、なのは
なファミリーのダンスを作り続け
の ん ち ゃ ん が 到 着 し て す ぐ に、
ダンスの練習が始まりました。最
りました」と言いました。
と言いました。のんちゃんは「帰
ザ
・ レ
・ イン』の全員でのダンス
を作りました。
なります。
そうになります。私はのんちゃん
初に全員で、サビの振りつけを教
業していき、新しいメンバーに入
なのはなのステージは、いつも
やるごとにレベルアップしてい
のように、大きくて広くて、強く
わ り ま し た。 カ ウ ン ト に 合 わ せ
のんちゃんの優しい笑顔があっ
て、
みんなで、「おかえりなさい!」
く、 ど ん ど ん 質 が 上 が っ て い く、
優しい人になりたいです。
れ替わりがありました。その新し
そう言われています。そうでなけ
で、
だんだんと速くしていきます。
で、何度も教えてくれます。
のんちゃんはできるようになるま
て、はじめはゆっくりしたテンポ
れば本当ではないのだと思いま
お父さんが九月半ばに、
「のんちゃんが新しいダンスを
持って帰って来てくれますよ」
す。
と教えてくれました。
のんちゃんとみんなとダンスを
踊っていると、自分が自分でなく
これまでの間に、ずっと積み上
げてきてくれた先輩たちがいるこ
十月五日の夜に、お父さんとお
母さんが、
と、そしてこれから先のなのはな
につながるように、今自分がプレ
「 明 日 の 午 前 中、 の ん ち ゃ ん が こ
(次ページへ続く)
イヤーとして、なのはなのステー
(13)
て、表現していく、気持ちを出し
の一人ひとりがプレイヤーとし
ために行っている。なのはなの子
ことに大きな希望を感じます。
になれます。気持ちを表現できる
スを踊っているとき、プレイヤー
引き込まれるのを感じます。ダン
なって、もっと広く大きななかに
(前ページからの続き)
「今からフォーメーションを言い
サビの振り入れが終わったあ
と、のんちゃんが、
と言ってくれます。
夫」
「もう一回振り入れするから大丈
「こうしたらやりやすくなるかな」
くれて、
困っているけれど言葉にできな
いことも、のんちゃんは見つけて
ていかずに進んでいきます。
り焦らせることがなく、誰も置い
くこと、のんちゃんは人を責めた
のんちゃんはダンス練習のと
き、振り付けをより具体的に分か
しい、とお母さんが話してくれま
はなの子の誰もがそうであって欲
んは、卒業生の見本であり、なの
引っぱっていってくれるのんちゃ
然 に み ん な の な か に 溶 け 込 ん で、
なと思いました。帰ってきて、自
てすぐに無駄な時間なく進めてい
ら考えてきてくれていて、到着し
なかで、なのはなのダンスを一か
のんちゃんは五十人分のフォー
メーションを考えてきてくれてい
と言いました。
つくとみんなのダンスがあるべき
を考えてくれて、そのイメージが
言うならばこんな感じというもの
んに引っぱってもらって、みんな
とみんなが言っていて、そのコ
メントを聞いていても、のんちゃ
の空気が大好き」
「のんちゃんとみんなと作る練習
らえて嬉しい」
した。
て、その事前の用意が本当に凄い
ていく。ダンスや演奏、
畑、
スポー
ます」
お父さんお母さんは、
「 ダ ン ス も 演 奏 も、 気 持 ち を 出 す
ツを手段にして気持ちをつくって
ました。まだ会ったことがない人
同じ気持ちで向かっていっている
ことを感じました。
姿に近づいていきます。
人 が い な く て、 み ん な で 一 つ に
ち位置を決めていきました。
の分まで考えていて、その場で立
なっているときは、こんなにも心
の ん ち ゃ ん が 来 て く れ て か ら、
食事のコメントで、
が満たされていて、前向きな力が
いました。きっとあるべき姿に辿
を揃えて向かっていきたいなと思
に向かって、日々の生活に気持ち
これから、ウィンターコンサート
らいました。午後からは、フォー
は、曲のラストの振りを教えても
初日の練習で、曲の九割が完成
しました。二日目の練習の午前に
した。
のんちゃんのダンス練習の時間
が、凄く嬉しくて、幸せな時間で
り着くと思いました。
うところなどで通るルートを決め
「のんちゃんにダンスを教えても
ダンスの経験がある人もない人
もいるなかで、一からダンスの振
たり、より奇麗で揃った動きにな
(次ページへ続く)
メーション移動でぶつかってしま
りを教えること、フォーメーショ
るように細かく振りを詰めていき
うまくいかないことに対応してい
ンと移動を考えること、紙の上で
湧 い て く る の か、 と 思 い ま し た。
のんちゃんはお仕事をしている
した。誰一人として違う気持ちの
向かっていっていることを感じま
りやすく教えてくれます。例えて
いく」
と教えてくれます。
こ の 二 日 間、 の ん ち ゃ ん が つ
くってくれる空気、気持ちに引っ
ぱられて、みんなが同じ気持ちで
(14)
う自分たちになっているように思
「 こ の 曲 を 踊 る 前 と 今 と で は、 違
びに、強く優しく美しくなってい
わっていきたいです。一回踊るた
一杯です。私はダンスを通して変
を求め続けます。
の子の誇りにかけて、あるべき姿
(うわぁ、
なんだかすごくダンスっ
に、
(前ページからの続き)
ました。のんちゃんが誰一人のこ
う」
と、いちいち感動してしまいま
した。
ぽい!)
とも見逃さないで、困っていると
く、あるべきなのはなの子に近づ
いていくのだという気持ちで、練
フレーズで区切って、ある程度
の長さを振り入れをすると、
二日間が嬉しかった」
「のんちゃんとみんなと過ごせた
のんちゃんが帰って来てくれて
の二日間が、宝物です。
ころを、こうしたらどうかな、と
教えてくれました。
お父さん、お母さん、なのはな
ファミリー全体が、本当に嬉しい
「じゃあここまで五回繰り返して
ウィンターコンサートに向かっ
てスタートを切りました。
には研ぎ澄まされた空気がありま
二日間でした。
やってみよう!」
習に向かっていきます。なのはな
した。
ダンス練習が終わったあと、畑
に出て水やりをしていたら、車か
んのカウントに合わせてみんな見
のんちゃんは細かく区切って教
えてくれたので、
分かりやすくて、
のんちゃんは二日目の出発する
少し前まで、ずっとダンスを教え
らのんちゃんが手を振ってくれ
よう見まねでやって身体に叩き込
と言ってやってくれました。
(五回も繰り返すのか……)
とみんなが言いました。
てくれていました。笑顔がとても
て、みんなで手を振って、お見送
十月六日。この日はみんなが心
待ちにしていた卒業生ののんちゃ
みます。
みんなと過ごせる時間が幸せ
で、とても集中していて、体育館
奇麗でした。曲が完成して、のん
りができたことがとても嬉しかっ
んがダンスを教えに帰って来てく
ウォーキングの練習をしてい
るときに体育館の入り口からの
れることになっていました。
くれることをお父さんたちから聞
て、なのはなに教えに帰って来て
私たちのためにのんちゃんが忙
しい合間を縫ってダンスを考え
がたかったです。
教えてもらえることがすごくあり
という思いも一瞬よぎりました
が、それ以上に何度も繰り返して
ました。
初めてでもついていくことができ
ちゃんが出発する前にお父さんと
たです。
して、踊らせてもらえることがと
ん ち ゃ ん が 現 れ る と、 み ん な が
のん
お母さんにダンスを見て頂きまし
踊り終わったあと、お父さんと
お母さんが大きな拍手をしてくれ
て も 嬉 し く て、 感 謝 の 気 持 ち で
誇りを持って
た。
私はダンスが大好きです。なの
はなのダンスを、なのはなの子と
て、
「おかえりなさい!」
わぁぁと歓声をあげて、
くれるこの二日間で、自分にでき
いていたので、のんちゃんがいて
のんちゃんの動きは、手の伸び
方ひとつとっても、とっても綺麗
「凄く良かった」
「元気が出た」
「良
いウィンターコンサートになる予
でかっこよくて、そんな暇はない
私や入居してからの時間が短め
の人は、なのはなに来てからフラ
次に二つ目のサビの練習をしま
した。回転する動きが多くて難し
る精一杯の力を尽くして覚えよう
きる服に着替えてくるとさっそく
ダンスや盆踊りは教えていただき
く感じました。鳥が羽ばたくよう
感がします」
新曲のダンスを教えてくれまし
ましたが、ダンスは踊ったことが
な動きがあって、これをみんなが
ですが、見とれてしまいそうにな
とお父さんとお母さんが笑顔で
教えてくれました。お父さんとお
た。
なかったので、初めてのダンスに
やっているのを前から見たらかっ
と真剣でした。
母さんの笑顔がとても嬉しかった
ウィンターコンサートのオープ
ニングでみんなで踊る曲です。鏡
戸惑いながらもわくわくしながら
こいいだろうなぁと思いました。
と言いました。のんちゃんは着
いたばっかりなのに、ダンスがで
です。
の前にのんちゃんが立ち、みんな
練習をしました。
た。
と 言 い ま し た。 の ん ち ゃ ん は
ずっと優しい笑顔でいてくれまし
りました。
のんちゃんにみんなで、
で体育館全体に広がり、列を作り
それからフォーメーションを教
(次ページへ続く)
入れから始まりました。のんちゃ
「ありがとうございました」
ました。まず一つ目のサビの振り
足を横に蹴るようにして出しな
がら、頭を抱えて回すなどの動き
その日の夕食のコメントで、
(15)
それから体育館のステージ側に
移動して、床に貼ってある番号を
出てきました。
して、俄然やる気とわくわく感が
コンサートにぐんと近づいた気が
ションが完成すると、ウィンター
据えられたその全体のフォーメー
さとわちゃん、なるちゃん、あ
みちゃん、さやねちゃんを中央に
てくれました。そのなかのある部
場でどんどん決めて振り入れをし
それからまだ決まってないんだ
と言っていた部分の振りを、その
思いました。
うという気持ちに余念がないなと
て、少しでもいいものに仕上げよ
なと判断して変更したりしてい
と言って動きを変えてくれた
り、その場でこっちのほうがいい
それから実際に曲をかけてやっ
て み ま し た。 す る と カ ウ ン ト が
た。
して、迫力があって圧倒されまし
が羽ばたくような動きがあったり
美しく、後ろで踊るみんなのは鳥
つま先や指先まで意識されていて
とわちゃんやあみちゃんの動きは
んなを見ることができました。さ
横 に は け て い る と き も あ っ て、
そのときに真ん中で踊っているみ
た。
踊りました。終わった瞬間お母さ
お母さんの為にもう一度みんなで
なってお母さんも来てくれて、「も
てくれました。曲の最後のころに
来ていて見てくれて笑顔で拍手し
ゆりかちゃんややよいちゃんが
バンド練習をするために体育館に
が高まるなと思いました。
せてやるとやっぱりすごく気持ち
ぐらい大変でした。でも曲と合わ
サビの部分の振りが身体が追いつ
ばれずに残っていて、背の順に並
私は最初のほうに呼ばれたので
すが、入居が短めの子がみんな呼
こで教えてもらった振りは、腕の
率的ですごいなと思いました。そ
た。少しも無駄な時間がなく、効
くれて、サビの練習をしていまし
ループに分けてリーダーを決めて
振り入れをしていない人たち
は、 の ん ち ゃ ん が テ キ パ キ と グ
とに振り入れをしました。
で振りが違うので、そのパートご
ました。フォーメーションの位置
メーションでの振り入れが始まり
く り ま し た。 そ し て そ の フ ォ ー
ました。フォーメーションも全体
ら美しいなんてすごいなぁと思い
な動きを取り入れていて、移動す
フォーメーションを変えるとき
の移動の動きもフラダンスのよう
た。
と言っていて、同じことを思っ
ていたんだなぁと嬉しくなりまし
「ヨガみたいだね」
と思っていたら、一緒に踊って
いたりなちゃんが、
(ヨガのようなポーズだなぁ)
から始まりました。
次の日も午前中からダンス練習
をしました。体操、柔軟、筋トレ
◇
います。
この気持ちをウィンターコンサー
い う の は 幸 せ だ な ぁ と 思 い ま す。
で私も嬉しくなりました。やっぱ
んがすごく笑顔で喜んでくれたの
う一回見せて!」と言われたので
べられて名前を聞かれていまし
ゆっくりとなめらかな動きやパッ
を見ながらより良いものに改善し
かないほどでいっそ笑えてしまう
使って違うフォーメーションをつ
分のポーズが、
さ っ き ま で よ り も か な り 速 く て、
た。
と上げたり下げたりする素早い動
て く れ て、 移 動 に 無 理 が な い か、
のんちゃんが
「柔軟はヨガからきてるんだよー」
(前ページからの続き)
それを見ていて、
(私の名前がのんちゃんに忘れら
きのメリハリがきいている、素敵
動線をどう確保するかも確認して
いました。そしてみんなの位置が
私も
『のん』
なので。
何を隠そう、
初めてこの名前でよかったなと思
て嬉しくなりました。
揃っているのが動きながらも見え
い な が ら や っ た の で、 み ん な と
振り入れをしたところを通して
やると、区切ってやっていたとこ
くれました。
まで教えてくれてみんなでやりま
筋トレではいつものフルメ
ニューからちょっと変わったもの
と教えてくれました。
トまで忘れないようにしたいと思
り見てもらって喜んでもらえると
れることが絶対にないもんなぁ)
な振りでした。みんなと向かい合
決まっていきました。バンドメン
ろのつなぎ部分で、(次はなんだっ
えてくれました。
と笑ってしまいました。
バーでいない人のところや、空い
(次ページへ続く)
した。
きが遅れてしまうことがありまし
け?)となってしまったりして動
「じゃあやっぱりこうしよう!」
のんちゃんは、みんなにやりや
すいかどうかを聞いて、
ているところにのんちゃんは臨機
応変に人を入れてくれました。
(16)
的に見る力をつけようと思いまし
のでしっかりと自分を外から客観
してもとても大切なことだと思う
でもそれは表現者としても、人と
と の 難 し さ を 改 め て 感 じ ま し た。
かったです。自分を客観視するこ
してもらえるのですごくありがた
全然気付かなかったところを指摘
き て い る つ も り に な っ て い た り、
あったりもしました。自分ではで
二人組になってお互いの動きを
見てできていないところを教え
て練習しました。
いところまでみんなで共通認識し
頭に添える手の位置、腕や肩の角
に、
膝を上げた位置や腕の回し方、
みんなで揃った動きをするため
の サ ビ の 練 習 を 見 て く れ ま し た。
あけみちゃんがそのほかの人たち
入れをしている間、しほちゃんや
めていきました。中央四人の振り
れをしていない部分をどんどん進
やって確認したあと、まだ振り入
それから昨日の復習からダンス
の 練 習 が 始 ま り ま し た。 一 通 り
に向けるのか、正面なのか、下な
午後には細かい部分の最終
チェックをしました。目線は指先
した。
拍手をしたくなるくらい感動しま
やると、終わった瞬間自分たちで
した。それを通して音楽をかけて
わり方以外の振り入れが終わりま
入れが終わったことで、最後の終
深いです。そしてその部分の振り
しさがありました。ダンスも奥が
と格好悪くなってしまうという難
単純だからこそみんなと揃わない
た。
その動き自体は単純だけれど、
より良いものにしようと真剣でし
ん ど ん そ れ を 変 更 を 重 ね て い て、
す。
とう以外の言葉が見つからないで
本 当 に あ り が た い で す。 あ り が
た め に や っ て く れ た の ん ち ゃ ん。
なことを時間を割いてなのはなの
すごくプレッシャーがかかる大変
オープニング曲の振り決めなんて
と言って決めてくれました。す
ご い 判 断 力 だ な と 思 い ま し た。
「私はこっちの方が好き!」
と言っていて、交互に何度か見
たあと、
「決められないー!」
いて、
ポーズは二つの案ですごく迷って
が見て決めてくれました。最後の
いくつかやってそれをのんちゃん
はどうするのか。違うパターンを
置はどうするか、顔や身体の向き
るのか、手を動かすスピードや位
そして最後の部分の動きやポー
ズを決めました。どこにどう集ま
きたいです。
いう高い意識をもって頑張ってい
わせて、細かい部分まで美しくと
させられました。みんなと息を合
のとじゃ全然違うんだなと再認識
けれど、これが揃うのと揃わない
いるかなどなど。細かいところだ
気持ちを込めて言いました。こん
からなくて、ありったけの感謝の
もうありがとうじゃ足りないけ
れど、ありがとうしか言葉が見つ
と 心 か ら の お 礼 を 言 い ま し た。
「ありがとうございました!」
そこでのんちゃんが帰る時間と
なってしまい、みんなで、
きました。
た!)という嬉しさが込み上げて
と い う 思 い と、( 喜 ん で も ら え
く れ ま し た。( 遂 に 完 成 し た!)
んとお母さんは笑顔で拍手をして
く決まり、終わった瞬間、お父さ
いました。最後のポーズが格好良
さんを呼んできてくれて見てもら
と、のんちゃんがお父さんとお母
くなった、とても濃い、充実した
と に 全 力 を 尽 く し ま す。 ウ ィ ン
ての誇りを持って自分にできるこ
最高のウィンターコンサートに
なるように、なのはなの一員とし
きたいと思います。
ターコンサートに向けて歩んでい
んなと心をひとつにしてウィン
だという強い気持ちをもって、み
レベルを目指して、お客さんに向
くてはなりません。みんなで高い
識を向けて踊り、みんなと動きも
で、目線、指先、つま先にまで意
これからダンスを身体に叩き込ん
がしません。
これからが勝負です。
なとひとつになりきれている感じ
体に染みこんでいませんし、みん
まだダンスは荒削りで、振りが身
この日で振り入れは終わりまし
た。でもウィンターコンサートに
◇
杯やりたいと思います。
るためにもこれからの練習を精一
です。のんちゃんの気持ちに応え
てくれたことは本当にありがたい
えてくれて、古吉野まで教えに来
なに素敵な振りを忙しいなかで考
(前ページからの続き)
た。
のか。立つタイミングやどちらの
その最後のポーズが決まったの
が終了時間の約十分前で、一度最
二日間でした。
ターコンサートへの思いがより強
けて自分たちの思いを表現するん
心も揃えられるようにしていかな
向けてとしては始まりです。まだ
それから最初の部分の振り入れ
をしました。オープニング曲の始
足から立つのか。手のひらはどこ
初から最後まで通して踊ったあ
ポーズを指定して、全体を見てど
まりというすごく重要なところで
に向けるのか、指は綺麗に閉じて
度、下ろした手の形などなど細か
す。のんちゃんはこうしてみてと
(17)
ほど緊張します。でも、司会のみ
べらなきゃいけないとき、震える
私は食事の席でコメントを言う
ときなど、大勢の前で一人でしゃ
さを知る』
。
自分を発掘する』
『表現する楽し
オ ー デ ィ シ ョ ン の 目 的 は 三 つ。
『新たな役者を発掘する』
『新たな
くわくしました。
演技を見たりするのも楽しみでわ
ど、セリフを言ったり、みんなの
て、緊張しました。緊張もしたけ
て紙に何か書きこんでいるのを見
んとお母さんがみんなの演技を見
先生が座って審査します。お父さ
そこにお父さん、お母さん、村田
の 前 に、 長 机 と 椅 子 が 用 意 さ れ、
ました。場所は体育館。ステージ
ウィンターコンサートに向け
て、役者オーディションが行われ
えてくれました。特に役者の心得
しまって、自然に演じることを教
ない。自分が役そのものになって
見ていて恥ずかしい。演技しすぎ
すること。入り込み過ぎた演技は
るときは、恥ずかしくない演技を
くりとを意識すること。役者をす
うから、セリフを言うときはゆっ
と。緊張すると早口になってしま
さなくらい発音をしっかりするこ
から始まる言葉は、ちょっと大げ
た声で話すこと。特に
『n』
や
『m』
演技しすぎないように、でも棒
読みにならずに台詞を言うのは難
地球を守ることになる、と」
くことこそが、いつまでも心躍る
持って、その鮮やかな色を守りぬ
それぞれの鮮やかな色に誇りを
「 私 は 思 う の。 そ れ ぞ れ の 国 が、
ンサートのリリィの台詞でした。
た。台詞は、前回のウィンターコ
プ だ っ た の で、 緊 張 で 震 え ま し
私は一番最初に台詞を言うグルー
と、二種類の叫び声を言いました。
フを言いました。一種類のセリフ
オーディションは、六人ずつく
らいでステージに上がって、セリ
した。
早口言葉で、少し緊張がほぐれま
ル早口言葉でした。オリジナルの
ど、なのはなならではのオリジナ
「くろまめのえだまめ」「わらた
てわらスカートわらリーダー」な
言いました。
オーディション前のウォーミン
グアップで、みんなで早口言葉を
緊張しました。
が難しくて、私にできるかな、と
くれました。
オーディションの後、お父さん
が、声が大きかったことを褒めて
見られました。
ていても、みんなの意外な一面が
が楽しかったです。人の演技を見
く響く体育館で、思い切り叫ぶの
ぶことはあまりないので、声がよ
ろかったです。普段、思い切り叫
人によって解釈が違うのがおもし
りました。他には、やさぐれた若
を鎮める長老をイメージして怒鳴
とき、私は、混乱した民衆の騒ぎ
じる、ということが大切だと教え
じる、こうありたいという人を演
す。仕事場ではその職業に合った
お父さんはよく、普段から役を
演じるということを教えてくれま
なりたいと思いました。
も悪そうな笑い声が出せるように
ていてぞっとするような、いかに
う笑い声が難しかったです。聞い
の 女 の 子 の よ う に 叫 ぶ 人 も い て、 「 ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ……」 と い
い男性のように叫ぶ人や、喧嘩中
てくれます。普段から、意志のあ
き る の が 楽 し か っ た で す。 で も、
聖 霊 よ! ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ ッ ハ
……」という台詞です。悪になり
の子のセリフを言いました。私は
全 員 台 詞 を 言 い 終 わ っ た 後 で、
何人かの人で、悪役のセリフと男
心がけたいです。
相手に聞き取りやすく話すことを
ンキン声になってしまいます。普
も、何も意識せずにしゃべるとキ
て早口になって呂律が回らなく
の席でコメントするとき、緊張し
人を演じる、子供の前では親を演
「 悪 し き 精 霊 よ、 姿 を 現 そ う。
遠慮せずに出てくるのだ。悪しき
悪役の台詞を読みました。
段から、ゆっくりと、低めの声で、
なってしまったり、普段話すとき
んなの寸劇やお父さんのお話を聞
しかったです。台詞の次に、二種
「 で も、 普 段 の 話 し 方 が で き て い
る は っ き り と し た 話 し 方 を し て、
役 者 オ ー ディション
いて、上手な演技をしようとせず
類の叫び声を言いました。
ないから、普段から舞台で演じる
堂々とした強い人を演じていきた
えつこ
に、この時間を楽しもう! と思
「 う る さ い! 黙 れ!」 と
「 き ゃ ー ー ー ー!」 と い う 叫 び 声
ような話し方をするといい」
いです。
きは、ゆっくりと、はっきりとし
いました。
です。
と教えてくれました。私は食事
お父さんが台詞を言うときのポ
イントと役者をするときの心得を
「 う る さ い! 黙 れ!」 と 叫 ぶ
教えてくれました。台詞を言うと
(18)
ラスを入れることにし、残りの一
のまま継承して、原曲通りのコー
て、 聴 き ど こ ろ が た く さ ん あ る
してあるのですが、それにあわせ
はなのバンド編成にあった編曲を
ていたり、メロディが自然と口を
カードを見なくても大丈夫になっ
積み重ねていって、気付くと歌詞
の時間ではありますが、こうして
帰ってくるみんなもいます。少し
い っ た り し て い る の で、 走 っ て
チームで収穫にいったり水やりに
ことにしました。朝食前は、畑の
時間を五分早めて曲の練習もする
食前のボイストレーニングの開始
覚えて身につけていくために、朝
でつくったことで生まれた気持ち
が聴いてくださったとき、みんな
たらすごく嬉しいです。お客さん
るべき最高の音楽をつくっていけ
メージを持ちたいし、みんなであ
も、曲に適った、大きくて強いイ
なりたいと思いました。自分自身
ていくのをもっと楽しめるように
はっきりと持ち、それが形になっ
る た め に は、 理 想 の イ メ ー ジ を
ですが、感動があるコーラスにす
とったりということはとても大事
新曲のコーラス練習
ウィンターコンサートに向け
て、新曲のコーラス練習が始まり
曲
『プロミス・ディス』
については、
コーラスをつくりたいと思いまし
ついて出たりして、毎日進化があ
の繋がりや、優しさ、強さなどが
ラスがステージに立っています。
サ ー ト で も 二、三 人 の バ ッ ク コ ー
もとコーラスが入っていて、コン
ることです。アデルの曲にはもと
のアデルの曲が多く入ってきてい
魅力を持つ、イギリスの女性歌手
今回の練習がこれまでと違う新
しい点は、クイーンの曲とは違う
に、大人数コーラスで四曲を歌え
る次のイベントまでの二週間の間
こちらはアトラクション満載の遊
アデル以外にもう一つ、
そして、
クイーンの新曲『シーサイド・ラ
創ってみたいです。
な 世 界 を、 大 人 数 の コ ー ラ ス で
とした世界に水が滴るような透明
のではないかと思いました。しん
ほどのみずみずしさを表現できる
そうすることで曲がもつ、切ない
パ ー ト を 二 つ に と ど め て い ま す。
さを強調したいのですが、あえて
コーラスで厚みをつけてより美し
ルに構成されているので、そこに
『 プ ロ ミ ス・ デ ィ ス 』 は、 ピ ア
ノとパーカッションだけでシンプ
た。
ごく贅沢で好きだなと思いまし
のはなならではのコーラスが、す
の声によって完成されていく、な
い音になるのを感じます。みんな
考えていたときより、うんと楽し
でき上がったコーラスをみんな
で歌っていくと、ピアノを使って
す。
と聴く人に嬉しい発見がある音
楽になればいいなと思っていま
アデルの曲
るように取り組んでいます。
コーラスを作るにあたって、ア
デルの曲を聴き込んでみると、ど
園 地 の よ う に、 面 白 い 音 色 や メ
と話してくれました。みんなの、
「わー、楽しみ!」
ゆい
ました。十月十六日の鵜の羽フェ
なのはなのコーラスが引き立つア
た。
ります。
伝わってくれたら、と思います。
のコーラスも、ボーカルを最大限
ロ デ ィ が 盛 り 込 ま れ た 曲 な の で、
練習していく上で大事なこと
は、ダンスと同じように、繰り返
――ウィンターコンサートに向けて――
スティバルの後から、十月末にあ
レンジをすることにしました。
聴けば聴くほど、
「あれ、こんな音もしていたの?」
歌詞を覚えたり、音程を正確に
引き立たせるためのオブリガード
コーラスも思いっ切り遊んでみま
して定着させていくことだと感じ
と嬉しそうな声が図書室に響き
ました。私は、
――新曲のコーラス――
( コ ン サ ー ト ま で 残 り 二 か 月 で、
私は新曲五曲も歌詞や音程を覚え
いていけるだろうか……)
みんなが図書室に集まると、ゆ
いちゃんが、
コーラスの新曲五曲を練習してい
られるだろうか……。みんなにつ
きます!」
(次ページへ続く)
てくれたコーラスプリントを受け
ありましたが、ゆいちゃんが作っ
と 不 安 な 気 持 ち も あ り ま し た。
楽しみな気持ちと不安な気持ちが
「ウィンターコンサートに向けて、
のりよ
みんなと気持ちを一つに
や、ハーモニーがついていると感
した。
ます。メロディや歌詞を、確実に
ンデブー』
にも取り組んでいます。
じました。そこで、アデルの三曲
間奏部分は、演奏自体も、なの
最高の音楽を
については、曲の持つ雰囲気をそ
(19)
どが書いてあり、ゆいちゃんの優
語の歌詞にふりがなや和訳歌詞な
ました。コーラスプリントには英
作りをしている姿を何度か見かけ
と何人かの子が図書室でコーラス
なって作っています。ゆいちゃん
のコーラスはゆいちゃんが中心と
り ま し た。 な の は な フ ァ ミ リ ー
取 り、 早 速 コ ー ラ ス 練 習 が 始 ま
また、ゆいちゃんは一曲一曲の
イメージを丁寧に楽しく教えてく
た。
できるようになり嬉しくなりまし
ちに英語らしい発音で歌うことが
が、みんなと何度も歌っているう
ング」と歌うのが難しかったです
人になりきって舌を巻き「ローリ
むのが楽しい曲です。始めは外国
り、みんなと格好良くリズムを刻
合わせて手拍子をするところもあ
たが、私はクイーンの曲には力強
イーンの曲を何曲か歌ってきまし
ま し た。 こ れ ま で も み ん な と ク
うになることなどが難しいと思い
れ違うので正しい音程で歌えるよ
歌うところが多くて音程もそれぞ
け れ ば な ら な い こ と、「 ウ ー」 と
うな優雅な感じなどを歌い分けな
ただ、一曲のなかでも陽気な感
じ、面白おかしい感じ、月夜のよ
さんも楽しめる曲だと思います。
分たちも楽しいので、きっとお客
り、みんなとコーラスをしながら
んが丁寧に楽しく教えてくれた
私はなのはなファミリーで初め
てコーラスをしました。ゆいちゃ
いっぱいになりました。
けること、バンドのみんなと合わ
だけでなく他の新曲も練習してい
記念すべき新曲の一曲目はアデ
ルの
『ローリング・イン・ザ・ディー
……、気持ちを作って臨むことが
ン ス に は ダ ン ス の、 畑 に は 畑 の
す。
ちをお客さんに伝えたいと思いま
サートに向かい、自分たちの気持
たな一面を知ることができたよう
やかな感じを受けてクイーンの新
ました。しかし、この曲からは軽
くてずっしりした感じを受けてい
になりました。
じたりできるのでコーラスが好き
気持ちが一つになっているのを感
歌うことは楽しい!
プ』でした。この曲はウオーキン
大切だ」
(前ページからの続き)
しさを感じました。この日は半日
れます。お父さんも、
せることなどが楽しみな気持ちで
で二曲を練習しました。
グ練習でも使っている聞き慣れた
私は歌うのがうまくなく、コー
ラスを始めたばかりの頃は恥ずか
い意志を感じます。私も力強い意
( こ れ で い い ん だ!) と い う 力 強
演 奏 し ま す。 ア デ ル の 曲 か ら は、
コンサートではアデルの曲を多く
と思いました。ちなみに、今年の
持って、気持ちを作って歌いたい
ま し た。 一 曲 一 曲 に イ メ ー ジ を
は曲の印象ががらりと変わり驚き
なってイメージを持つ前と後とで
と 教 え て く れ ま し た。 す る と、
みんなの気持ちがさらに一つに
強い意志をイメージして歌おう」
「この曲は風のような透明感と力
を出するのですが、歌っている自
す。みんなと様々な表情をして声
と歌ったりするところがありま
モンローのような声で、「ワーオ」
ルパー」と歌ったり、マリリン・
バリトン歌手のような声で、「パー
す。曲の中盤にはトランペットや
と自然に体が動いてしまう曲で
やかな、明るい曲で、歌っている
た曲です。スピード感があり、軽
で、七月にみんなが発表会を行っ
サ イ ド・ ラ ン デ ブ ー』 と い う 曲
した。二曲目はクイーンの『シー
一曲目がなんとか歌えるように
なると、二曲目の練習が始まりま
◇
行ってしまい、みんなとこの二曲
この日の練習が終わるころには
始めの不安な気持ちもどこかへ
で嬉しかったです。
コーラス練習の一つに毎朝のボ
イストレーニングがあります。み
ことはありません。
えることができることほど嬉しい
の気持ちや勇気、希望、自信を伝
し切り、まだ見ぬ誰かに自分たち
と感じます。そして、練習の成
果をイベントやアセスメントで出
な!)
えたりすることは本当に楽しい
た ち の 気 持 ち を 表 現 し た り、 伝
今では、
(次ページへ続く)
(みんなと一緒に歌うことで自分
し い と 思 う こ と も あ り ま し た が、
志を持って、みんなと一緒にコン
「 コ ー ラ ス に は コ ー ラ ス の、 ダ
曲だったので覚えやすかったで
と よ く 話 し て く れ ま す。 ゆ い
ちゃんは、
す。ハンドクラップといって曲に
(20)
り上げていくんだ! みんなと一
緒にまだ見ぬ誰かになのはなファ
(みんなと一緒にコンサートを作
います。
望、自信のパワーはすごいなと思
組むときに湧いてくる勇気や希
ます。みんなと一緒に何かに取り
の目の前のこと、自分にできるこ
くことはもちろん、他の作業など
一つに毎日の練習を積み重ねてい
に、これからもみんなと気持ちを
伝え切って悔いが残らないよう
演奏にしたい、というみんなの気
わせをして、ぎりぎりまで、良い
リハーサルの時間まで、何度も合
何回か合わせて、少し個人練習
を挟んで、また合わせをしました。
と言ってくださいました。
(前ページからの続き)
に集まり、発声練習や曲の練習を
ミリーのメッセージを伝えていく
とに全力で臨みたいと思います。
ロールはなかなか難しく、苦しく
んなが朝食前の十五分間に図書室
行 い ま す。 私 は 声 や 息 の コ ン ト
ためなら緊張することはない!)
コ ン サ ー ト は 一 度 き り。 コ ン
サート当日に自分たちの気持ちを
なってしまうこともあります。し
持ちを感じました。
お父さんお母さん、
八時二十分。
みんなが集まり、発表会が始まり
ました。
『星に願いを』
『ハイ・ディー 』
『 聖 ― ヒ ジ リ ―』 の 三 曲 を、 お 父
さんお母さん、みんなの前で演奏
とお父さん、お母さん、みんなと
えなければという緊張する気持ち
ですが、しっかり歌詞や音程を覚
これから約二か月先のコンサート
分 た ち の 姿 を 想 像 し て み ま し た。
なと一緒にコーラスをしている自
お客さんの前で舞台に立ち、みん
なのはなファミリーウィンター
コンサートの幕が上がり、大勢の
の練習でした。
ました。本番を想定しての合わせ
本番一週間前からは、夜九時か
らのみんなでの習慣練習が始まり
いフレーズがありました。
ングのリズムや、指使いなど難し
初 級 者 コ ー ス は『 星 に 願 い を 』
という曲を練習しました。スウィ
今回は、これまでになく難しい
曲を三つ演奏しました。
が多かったです。でも、練習して
練習ではテンポキープが難し
く、途中で速くなってしまうこと
イメージをして」と教えてくれま
た。「 パ リ の カ フ ェ に い る よ う な
らに良くなると教えてくれまし
情を込めて弾くようにしたらさ
弾ききるのに精一杯でしたが、感
した。私は音を出して、この曲を
本番当日。七時から図書室に集
まり、藤井さんとみんなと一緒に
す。
たような気がして、嬉しかったで
とにより、さらに心が一つになっ
ました。衣装をみんなで考えるこ
ました。大人なイメージで考案し
のイメージを思い浮かべて、考え
なりました。
した。感動して涙が出てきそうに
だったというお話も聞かせてもら
奏することは、リスクもあり挑戦
教えてもらいました。この曲を演
この曲は、ピックによる早弾き
が難しい曲だと、まえちゃんから
スの五人が演奏しました。
――みんなと気持ちを揃えて――
しました。今回は、これまでにな
く難しい曲でした。
一緒にまだ見ぬ誰かに自分たちの
揃っていくのを感じて嬉しかった
合わせました。
ゆみ
アコースティックギター教室の発表会
と強い気持ちを持つことができ
かし、朝一番の爽やかな空気のな
かでみんなと美しい声を出して気
持ちを一つにでき、表情も豊かに
声を出すことで一日を気持ちよく
スタートできます。コーラスの上
達だけでないボイストレーニング
のパワーを毎朝、みんなと感じら
れて嬉しいです。
◇
一曲目は、デパペペの『ハイ・
ディー 』という曲を上級者コー
メッセージを伝えたいという楽し
ここからは主にテンポキープ
と、曲に感情を込めて表現するこ
です。
い く う ち に、 み ん な の テ ン ポ が
(次ページへ続く)
(私もこのような心を動かせるよ
弾いている五人の表情がとても
素敵で、格好良かったなと思いま
一曲中のメロディーの変化が面
白くて素敵だなと感じました。
いました。
みな気持ちの両方があります。し
とを目的としていきました。
した。
かし、みんなと気持ちを一つにし
良い演奏にしたい
てコンサートに向かう日々を過ご
十 二 月 十 八 日、 日 曜 日、 午 後
十三時。
!!!
発表会に向けて、衣装考案もし
藤井先生は、
ま し た。 み ん な で『 星 に 願 い を 』 「時間のある限り合わせよう」
!!!
私 た ち の 演 奏 を 聴 い て、 ま え
ちゃんがアドバイスをしてくれま
していると、
(21)
うな演奏ができるようになりたい
に願いを』は、一九四〇年に作ら
二曲目は、初級者コースの十一
人による
『星に願いを』
でした。『星
た演奏をしました。
ジャズバージョンでアレンジされ
の 曲 と し て 有 名 で す。 こ の 曲 を、
な)
れ、ディズニー映画、
『ピノキオ』 緊張感のなか、あやこちゃんの
「コンコン」というギターを叩く
音で弾き始めました。
みんなの音を感じながら演奏し
ました。緊張しましたが、図書室
の観客席に座ったみんなが笑顔で
見てくれていて、曲が終わるとあ
たたかい拍手をしてくれたことが
いただいての演奏でした。藤井さ
私たちは、二度演奏をしました。
二回目は藤井先生も一緒に入って
を切り開いていくという強い意
のから離れる覚悟や、自分で未来
「 こ の 曲 に、 守 っ て い て く れ た も
るそうです。
い意志、強い願望が表現されてい
作った曲。聖徳太子の若さや、強
生きた時代、数々の謎に惹かれて
この曲は、小松原さんが聖徳太
子をテーマに、
聖徳太子の生き方、
最 後 は、『 聖 』 と い う 曲 を 上 級
者コースの九人が演奏しました。
です。
せていただけたことが嬉しかった
こうして、習慣化させていただけ
間 は あ た た か く て、 大 好 き で す。
夜のアコステックギター教室の時
いつも優しく丁寧に藤井さんが
教えて下さいます。毎週火曜日の
た。
の気持ちでいっぱいになりまし
おかげだなと改めて感じて、感謝
こうして発表会を行えたこと
は、毎週来て下さる、藤井さんの
もらえて、嬉しかったです。
発表会を終えて、みんなのなか
にいさせてもらえて、演奏させて
な感じがしたなと思いました。
嬉しかったです。
んも入って下さり、藤井さんの奇
志、大きな流れに乗って前へ進ん
ることも、本当に有りがたいこと
麗な音を感じながら、隣で演奏さ
でいく気持ちなどを込めて演奏し
だなと思いました。
思います。 ます」
演奏を聴いて、力強く、けれど
静かに運命を切り開いていくよう
これからも、みんなと一緒にギ
ターの練習を頑張っていきたいな
『星に願いを』。衣装もみんなで考えました
とMCで教えてくれました。
上級者コースの五人による
『ハイ・ディー 』
!!!
(前ページからの続き)
と思いました。
『聖』の演奏。二回目は、藤井先生も一緒に演奏して下さいました
(22)
斜面を進んで行かれました。私た
ちも転ばないように気をつけなが
ら、必死でそのおじいちゃんの後
を付いていきました。
「今はムラサキシメジが採れる」
持ちになりました。 「これは何の木でしょう?」
なんだか優しいような、嬉しい気
き さ に 驚 い て、 茸 を 探 す 前 か ら、
吸をしていました。その自然の大
賢明に集めながら、生き生きと呼
やシダ類、低木など、少ない光を
ように感じました。足下にはコケ
テンドグラスで、天井を覆われた
きて、まるで木の葉のきれいなス
光が葉の間から優しく差し込んで
ました。上を見上げると、太陽の
自然の空気に、すっぽりと包まれ
一歩踏み込むと、優しくて力強い
山小屋のすぐ脇にある細い道か
ら、山に入っていきました。山に
探していきました。
ていただきながら、みんなで茸を
て下さって、おじいちゃんに教え
そうしてしばらく細い一本道を
進んだあと、今度はいよいよ道の
に感じました。
いきました。その瞬間、みんなの
沢な香りが、すーっと鼻に抜けて
顔を近づけると、檜の上品な、贅
て、触るとすべすべしていました。
ごく透明感のある肌色をしてい
いで下さったところを見ると、す
と、おじいちゃんは話して下さ
いました。おじいちゃんが皮をは
い。良いにおいがするでしょう」
「 こ れ は 絶 対 に、 こ れ 以 上 腐 ら な
した。
(次ページへ続く)
も区別を付けやすそうだったけれ
り、紫色をしていたら、他の茸と
きはすごく驚きました。名前の通
は少し薄い茶色で、初めて見たと
感じで、すごく形のきれいな茸で
た。根元が太く、笠も少し開いた
少し経って、やっと一つ、その
ムラサキシメジが見つかりまし
と、おじいちゃんに尋ねていき
ました。
「これはどうですか」
のを見つけては、
ないので、みんなでそれらしいも
まゆみ
と一緒に、山小屋にたけひきに行
と、おじいちゃんが仰いました。
おじいちゃんの手元には、倒れた
な い と こ ろ へ 進 ん で い き ま し た。
とおじいちゃんは教えて下さい
ました。どんな茸なのかが分から
きました。盛男おじいちゃんも来
木の太い枝がありました。
そこはすごく急な坂になっていた
のですが、先頭のおじいちゃんは、
した。でも、名前とは違って、色
「檜です」
まるで鹿のように軽やかに、その
ムラサキシメジ
顔も、ふわっと優しくなったよう
と教えて下さって、その木の表
面の皮をはいで、渡して下さいま
盛男おじいちゃんとたけひき
あゆちゃん、ゆいちゃん、まえ
ちゃん、みくちゃん、もえちゃん
(23)
盛男おじいちゃんの山にたけひきに行きました!
(前ページからの続き)
ど、
実際はどこにでもありそうな、
どう見分けたら良いのか分からな
いような形をしていました。
みんなで、
「これがムラサキシメジなんだ」 と言って、また茸を探していき
ました。
一つ見つかると、その近くに生
えていることや、木の根元に多い
て、思いやっていました。そのあ
たたかい空気が、山全体とおじい
ちゃんから、すごく伝わってきま
した。
今回、おじいちゃんとたけひき
に行くことができて、すごく楽し
くて、嬉しかったです。茸だけで
な く、 山 に は い ろ い ろ な も の が
あって、まるで宝探しをしている
ようでした。あっという間に時間
が過ぎてしまったけれど、おじい
の 香 ば し い よ う な、 良 い 香 り が
食べた形跡など、おじいちゃんは
一目で何かを教えて下さって、お
じいちゃんの豊かさが、溢れるよ
うに伝わってきました。
おじいちゃんのお話を聞いてい
ると、動物も植物も、みんな生き
ているんだ、ということを実感し
ました。おじいちゃんは、自然と
心を通じ合っているように感じま
した。おじいちゃんは自然を、自
然はおじいちゃんを良く理解し
たいです。
誰かに伝えられるような人になり
いちゃんに教わったことを、また
りがたい気持ちで一杯です。おじ
た、濃い時間でした。本当に、あ
た袋も、茸の重みでずっしりとし
全身真っ黒のもの、笠の部分が赤
漂ってきました。なんだかすごく
ことなども、教えていただきまし
い も の、 顔 の 大 き さ ぐ ら い あ る、
贅沢で、満たされた気持ちになり
ちゃんからたくさんのお話も聞
黄色くてスポンジのような感触の
ました。
ていて、すごくありがたくて、嬉
る茸なのかが分からなくて、また
ものもありました。白くて先がた
お じ い ち ゃ ん は、 茸 の 他 に も、
たくさんのことを教えて下さいま
た。でも、どれが本当に食べられ
茸を見つけては、おじいちゃんに
くさん枝分かれした、
『ネズミ茸』
最後には、木を組んであるとこ
ろで、シイタケも採らせていただ
した。珍しい薬草、木の幹の、鹿
かせていただいて、すごく充実し
見ていただきました。
というものも教えていただきまし
きました。今までに見たことがな
ネズミ茸
おじいちゃんと自然
た。こんなにたくさんの茸を、一
いぐらいに大きくて、肉厚の、立
おじいちゃんの山
目で何の種類なのかがすぐに分か
が角をといだ跡、いのししが栗を
しい気持ちで一杯になりました。
『ヒグラシ』のぬけがら
派なシイタケでした。持って行っ
なと思いました。
しばらくして、今度はゆいちゃ
んが、一度に四つほどのムラサキ
シメジを見つけてくれました。ゆ
いちゃんの手にした茸を見て、お
じいちゃんが
「正解!」
と 笑 顔 で 言 っ て 下 さ い ま し た。
その茸をよく見ると、笠の部分
にうっすらと、紫色がかかってい
ました。顔を近づけてみると、茸
『ヤツフサ』という珍しいモミジ
るおじいちゃんが、本当にすごい
おじいちゃんの山には、たくさ
ん の 種 類 の 茸 が 生 え て い ま し た。
(24)
が、収穫するために木の下に入る
木の外側から見ると、キウイの
実はあまり見えなかったのです
みでした。
ました。
手に穫る度に嬉しい気持ちになり
とぽろっと実が穫れて、一個一個、
盛男おじいちゃんが教えて下
さったように、手で軽く引っ張る
キウイを収穫していきました。
みくちゃん、ゆずちゃんと一緒に、
て下さり、さっそく、みかちゃん、
と盛男おじいちゃんが、キウイ
を穫りながら、収穫の仕方を教え
「手で引っ張れば穫れます」
ような気持ちになりました。
せていただけて嬉しかったです。
んと、キウイフルーツの収穫をさ
みかちゃん、みくちゃん、
ゆずちゃ
で、 盛 男 お じ い ち ゃ ん と 一 緒 に、
る、甘酸っぱくて優しい香りに癒
穫されたキウイフルーツから香
ていただいて、カゴいっぱいに収
コンテナ約二杯分くらいのたく
さんのキウイフルーツを収穫させ
した。
良いということも教えて下さいま
優しい香りに包まれて
ずちゃんと一緒に収穫させていた
と、頭のすぐ上に可愛らしいキウ
を、みかちゃん、みくちゃん、ゆ
十月半ばに、盛男おじいちゃん
が 育 て て い る『 キ ウ イ フ ル ー ツ 』
どんな風に収穫していくのか楽し
もえ
――盛男おじいちゃんとキウイの収穫――
だきました。
イフルーツがたくさん実ってい
て、まるで違う世界に入り込んだ
した。
という明るい歓声が聞こえてい
て、みんなの笑顔も絶えませんで
収穫したキウイのなかには、直
径七センチくらいの大きさのもの
えて下さいました。
イフルーツが収穫できるのだと教
ら、約八百個から千個くらいキウ
です。
みんなでいただけることも楽しみ
いの温度の場所で、約一か月くら
丸くて可愛らしいキウイフルー
ツを収穫していると、一個一個の
収穫させていただいたキウイフ
ルーツの木は三本あり、そのうち
い熟れさせてから食べられるので
もあり、今までに見たこともない
の二本は『鬼偉』という雌の木で、
すが、もしもすぐに食べるのであ
実が愛おしく思えて、見ているだ
もう一本は『奉信』という雄の木
れば、リンゴを二つ三つ一緒に入
くらいのキウイフルーツの大きさ
を育てていて、私が今まで見たり、
れておけば、一週間くらい経った
けでも幸せな気持ちで満たされ
食べたりしたことのあったキウイ
ら食べられるということも教えて
に驚きました。
は、俵型をしていたのですが、お
下さいました。 て、柔らかで、優しい気持ちにな
じいちゃんが育てられているキウ
また、ジャムにして食べるのも
れるように感じました。
イは丸い形の品種で、一本の木か
収穫したキウイは、傷を付けな
いように気を付けて、十五度くら
十 一 月 中 旬 頃 ま で 熟 れ さ せ て、
食べ頃になったキウイフルーツを
されながら、穏やかな時間のなか
キウイフルーツが木になってい
る と こ ろ は 見 た こ と が あ っ て も、
みんなからも、
「わあ! 可愛い」
収 穫 さ せ て も ら う の は 初 め て で、
(25)
実りの秋
――山小屋の草刈り――
ゆい
二ミリほどの黒い種が、半透明の
ゼリー状のものに包まれて入って
います。そのゼリー状の部分が甘
いそうで、将郎さんが子供の頃は、
口にいれて種をプッと飛ばして遊
んだものだとお話してくださいま
した。また、外側の部分は料亭な
秋らしい涼しさとは打って変わ
に行きました。その日は、連日の
がっているのが見えました。近く
の実が木の枝からぶらりと二つ下
将郎さんが指さした方をみる
と、紫に色づき、ちょうど採り頃
くなりました。
を見つけられそうだと思い、嬉し
くこと……。
こと、種が落ちやすいように実の
ことや、盆栽としても人気がある
どで味噌を添えて出されるような
り、少し動いただけで汗をかくよ
に行ってみると、アケビは蔓を伸
私は今までに、アケビの実を見
せてもらったことはあったけれ
と 言 っ て 頂 き、 地 面 の 上 に 転
がった黄色いさくらんぼのような
てついています。他の葉と違って
う な 陽 気 で し た が、 山 小 屋 へ の
ばして木に巻き付いて高いところ
ど、実際に収穫をしたり、食べて
実をみんなで拾いました。
るから採っていっていいよ」
道中では栗の実やコスモスが見ら
まで這い上がり、口をぱっくりと
将郎さんが高枝鋏でアケビの実
を 次 々 に 切 り 落 と し て く だ さ り、
みたことはなく、将郎さんがお話
私は大人になってからは自然と
親しみがなくなっていたのです
ものだと伺いました。その他にも、
れたり早くもサザンカの花が咲い
開けて今にも種を落としそうな実
私は実を落とさないように下で
してくださった多くのことが新鮮
が、雑草を刈ったり、将郎さんの
特徴的なので、すぐに見分けがつ
ているところもあり、確実に秋が
をたくさんつけていました。
キャッチしていきました。落とし
な 驚 き で し た。 お 話 を し な が ら、
お話を伺いながら周囲の木々や実
雨が続いていた十月の初め、天
気が回復した日の午前中に、山小
深まっているのを景色で感じまし
てしまうと、実が炸裂して中の種
将郎さんは、なのはなのみんなに
に触れていると、自分がゆったり
アケビから美味しいお酒を造れる
た。
ア ケ ビ の 葉 は、 花 弁 の よ う に、
中心から楕円形の葉が五枚広がっ
が散ってしまうので、将郎さんの
と、 ス ー パ ー の 袋 二 つ 分 い っ ぱ
した大きな自然の流れに包まれて
き、覚えておけばどこでもアケビ
六人で出掛け、半数ずつエゴマ
畑と梅林に分かれて仕事に取りか
手元を見つめ、うっすらと緊張を
いのアケビを採ってくださいまし
いるように感じました。
こうして、
と声を掛けてくださいました。
か り ま し た。 雨 が 多 か っ た た め、
して腕を構えました。見上げると
た。
自分の知らなかったことを教えて
屋のエゴマの畑と、梅林の草刈り
エゴマは乾燥しきってはいません
木に絡まって下がっている実の中
アケビを採っていたすぐ傍に
は、お茶の実がなっていたり、ム
もらって自然を見ると、もっと知
が落ちると大変なほどに増えてい
下の方がぱっくり割れていて、種
でしたが、
晴れが一週間も続けば、
には、五つほど固まって実がつい
カゴもたくさん見つけられまし
らないことが山ほどあるだろうと
アケビの収穫
乾いて収穫できそうでした。梅林
ているものもあり、南国の果物の
た。秋の野山は、贅沢なほどに実っ
思い、自然の奥行きに嬉しくなっ
よ」
の隣には、立派な銀杏の木が三本
ような存在感でした。
ているのだと感じました。
◇
あり、
実を落とし始めていました。
将郎さんの傍でアケビを採らせ
て も ら っ て い る 間、 将 郎 さ ん が
たり、興味が深まったりしたので
梅林の周辺の草を刈っている
と、盛男おじいちゃんの息子さん
の将郎さんがいらっしゃって、
将郎さんが案内してくださった場
所には、たくさんのアケビがなっ
ていました
した。
久しぶりの外作業。草刈りにも気合いが入ります!
色々なことを話して教えてくださ
帰り際、
い ま し た。 ア ケ ビ の 実 の 中 に は、 「 銀 杏 も 拾 っ て い っ た ら い い で す
「アケビの実がたくさんなってい
(26)
きました。
がり、秋を身近に感じることがで
ました。手のひらの中で、秋が広
ともか
栗が運んでくれた幸せ
「うわー、大きい!」
地 域 の 方 が 下 さ っ た 栗 を 見 て、
みんなから、驚きの声があがりま
した。お昼の集合で、スタッフさ
かまを運ぶとき、お釜からすでに、
た。配膳の時間になり、食堂にお
お釜のスイッチを入れ、しばら
くして、栗ご飯が炊きあがりまし
で仕方ありませんでした。
できあがりはどうなるか、楽しみ
とのぞみちゃんが、声をかけて
くれました。その言葉に、心が暖
ね!」
そして、
「 み ん な の 喜 ぶ 顔 が、 早 く 見 た い
と何回も言い合いました。
「いい香りだね」
栗の甘い香りが漂っていました。
か く な り ま し た。 私 も、 み ん な
と、栗ご飯を早くいただきたいと
思いました。栗ご飯をついでいる
いただいた栗を水につけておく
と、鬼皮が柔らかくなることや水
くと、湯気とともに、甘い栗の香
ごはんをつがせていただくとき
に、お釜の蓋を開けさせていただ
ました。
けで、とても幸せな気持ちになり
みんなの喜ぶ顔が
につけるのには、栗の中にいる虫
りがあたり一面に広がりました。
ときも、みんなの笑顔を思い浮か
を出す理由もあることも、河上さ
みんなから、
食事の時間になり、
「 ほ く ほ く し て い て、 甘 く て お い
て剥くのだろろう?)
に、包丁を入れて、頭の部分に向
て、
口の中に甘さが広がりました。
ゆりかちゃんが栗をみんなが手に
しい!」
べながら、ついでいると、それだ
ら食べて下さい」
ん か ら、 教 え て い た だ き ま し た。
私は、隣にいたのぞみちゃんの
顔を見ました。
その後も、
「 な の は な の み ん な で、 良 か っ た
を見せて下さいました。初めて見
と、地域の方から、たくさんの
栗をいただきました。
しばらく水の中につけておいた栗
んが、地域の方からいただいた栗
る栗の大きさに、とても驚きまし
私は、台所の作業に入らせても
らって、栗の皮むきをしました。
の鬼皮の頭とおしりの部分の境目
た。 さ と わ ち ゃ ん、 ま み ち ゃ ん、
取って見られるように、回してく
( 一 体 こ ん な 硬 い 皮 を、 ど う や っ
ていて、ぷっくりしていて、眺め
かって剥いていくと、皮が柔らか
という声をたくさん聞きまし
た。栗は、本当にほくほくしてい
ているだけでも楽しむことができ
できました。渋皮も綺麗に剥けま
した。
河上さんが、
「栗ご飯にしよう!」
と言って下さり、栗ご飯でいた
だくことになりました。栗ご飯の
炊き方の手順を、河上さんが教え
て く だ さ い ま し た。 お 釜 に お 米、
お酒、塩を入れ、お水を入れ、最
後に、栗をのせました。私は、栗
を の せ さ せ て い た だ き ま し た が、
気持ちでいっぱいです。
が、とてもありがたくて、感謝の
域の方に支えていただけること
より一層おいしく感じました。地
方 の 暖 か い 気 持 ち が プ ラ ス さ れ、
の本来のおいしさに加え、地域の
トとしても、いただきました。栗
いて、栗を半分にカットし、
デザー
した。栗ご飯だけではなく、湯が
さんの栗をいただくことができま
くなっていて、簡単に剥くことが
みんなで栗の皮むきをしました!
と思いました。
二人で顔を見合わせて、
れました。栗の表面がつやつやし
大きな栗に、みんなから驚きの声が
上がりました
地域の方が、なのはなのことを
気にかけて下さり、この秋はたく
(27)
地域の方にたくさんの栗をいただきました
た。
浴びていると、汗をかく陽気でし
室内にいると、寒さを感じてい
ても、畑に出て、太陽の日射しを
感じる朝でした。
なを近くに感じて、嬉しかったで
見えて、私は、嬉しくなりました。
まゆみちゃんとりさちゃんの姿が
顔をあげたその瞬間、びわの木
畑 で、 水 や り ツ ア ー を し て い る、
十二時の鐘の音がなって、私は
〝ハッ〟と気づきました。
たのかな?)
畑 に 行 く と、 太 陽 の 眩 し さ に、
小豆の株たちが、光っていました。
す。
この日の朝は、太陽の眩しさと
風の冷たさが身体にしみる、秋を
「 こ ん な に 大 き く な っ て、 収 穫 で
小豆の収 穫
私が、小豆の収穫に、今回初め
て行ったのは、半分畑。十月十五
きるようになっていたんだな」
どれみ
――みんな と 過 ご す 暖 か い 時 間 ― ―
なのはなの秋に、小豆の畑を巡
る、小豆の収穫ツアーが始まりま
日の午前でした。
同じ気持ちで畑にいる仲間、みん
した。
を た く さ ん 浴 び て、 元 気 が 出 て、
は、鵜の羽フェスティバルに向け
◇
分畑での時間でした。 畑でした。
くて、大好きだな〜と感じた奥桃
気合いと力がみなぎってきた、半
て、現地にリハーサルに行く午前
そして、十九日の午後の小豆収
穫 は、 簿 記 部 六 期 生 の み ん な と、
村田先生の授業が始まる前までの
次に、小豆の収穫に行ったのは、
十八日の午後でした。
でした。
( 私 は、 無 心 に な っ て 収 穫 し て い
と言ってくれました。
「休憩しようか」
半分畑が終わって、奥桃畑に行
き、あみちゃんが、
真っ黒の身体に、
ちさちゃんが、
お腹が真っ赤に光って奇麗なトカ
感じた午後の時間でした。
顔、そして、秋の陽気の暖かさを
から〝ちらっ〟と覗くみんなの笑
奥桃畑で、小豆の株の間から見
える、みんなの麦わら帽子、そこ
そして、畦に座っていると、
「気持ちいいよ」
と、ちさちゃんが、持っていた
(次ページへ続く)
帰ろう」
ゲを見つけて見せてくれました。
「 あ ゆ ち ゃ ん に 見 せ た い、 連 れ て
と過ごせた時間が暖かくて、嬉し
私も一緒に〝ごろん〟と寝転び、
太陽の日射しが眩しくて、みんな
と、畦に寝転んでいる、あみちゃ
んとみんな。
豆の収穫でした。
時間でした。
2人で向かい合って収穫していきます
この日は、半分畑と、奥桃畑の
桃の木を囲むように育てていた小
この日は、土曜日で、こうみちゃ
んも一緒に小豆の収穫。午後から
と、小豆の成長、収穫できる喜
びを感じました。
寒さに身体が縮こまっていた朝
でしたが、畑に出て、お日様の光
(28)
(前ページからの続き)
袋 に 空 気 が 入 る よ う に し な が ら、
大切に身体にさげている姿を見
て、嬉しくなりました。
ずっと収穫してい た い !
簿記部のみんなとの収穫を終
え、
次は、
キャベツの追肥が終わっ
たメンバーと合流して、続きの小
さと暖かさに包まれる時間だと感
よ)
( ま ゆ み ち ゃ ん、 カ マ キ リ が い た
と、穏やかな時間。
と、 指 に の せ て 見 せ て く れ る、
まゆみちゃんのやわらかい笑顔
た」
「かわいいテントウムシもいまし
じます。
)
私も、
( ず っ と、 ず っ と、 み ん な と 小 豆
の収穫したい
そう、叫びたくなる、なのはな
の秋の、小豆の収穫です。
いっぱいいて、楽しそうだね」
「 小 豆 畑 に は、 虫 た ち の お 友 達 が
また、次の日の午後も小豆の収
穫。
と、まゆみちゃんと話しながら
過ごした、嬉しい午後の奥桃畑で
した。
まゆみちゃんとペアになって収
穫をしていると、
「どれみちゃん」
と言っていた理由がわかりまし
た。
豆収穫開始。
十月二十日、みんなとの会話と
過ごす時間、秋の暖かさに、嬉し
結果、一度目よりも、たくさん
収穫することができました。まだ
〝 サ ッ〟 と 差 し 出 し て く れ
と、
たまゆみちゃんの手の平には、か
黒豆畑の草取りをしていたとき
まだ、たくさん穫れそうです。
ととても嬉しい気持ちになりま
した。
に、香った香りです。これは豆の
い気持ちが膨らんでいく、小豆の
香りなのかなぁと思いました。お
収穫した小豆は、収穫した順番
に、シートに広げて干されていま
わいいトカゲが、元気に踊ってい
昼近くになると、ほんのり温かく
す。干された小豆は、カラカラに
ね」
なり、香りと温かさで、心地良く
乾いて、自然にさやから出てきま
収穫していると、塩ゆでした枝
豆のような、良い香りがしました。
収穫できました。
に始まりました。
収穫は、これからも続きそうです。
なのはなには、七つの小豆畑が
あります。連日、畑を順番に回っ
初めての小豆の収穫
なのはなの小豆の収穫が始まり
ました。
いているものを、一さやずつ収穫
もらって、鞘が茶色く、完全に乾
収穫は、午前中の作業で行いま
した。作業リーダーさんに教えて
見受けられました。
のさやで覆われた株が、いくつも
うか。畑のところどころに、茶色
から八日ぐらいたっていたでしょ
二回目の収穫です。一回目の収穫
豊作だそうです。
今回の小豆は、
とわくわくした気持ちになりま
す。
んだ)
その光景をみると、
( い よ い よ、 み ん な で 食 べ ら れ る
さと
と聞いて、
(どういうこと?)
て、収穫してきました。この畑は、
と 思 っ て い た の で、 作 業 に あ
たったときは、とても嬉しかった
しました。乾いたものはパリパリ
(たくさんの小豆が収穫できる
しばらく小豆の収穫が続きま
す。
(私も収穫してみたいなぁ)
です。生まれて初めての、小豆の
していて、みんなが、
なぁ)
ものを収穫しました」
前日の作業の話で、
「さやを触ってみてカラっとした
収穫です。
「カラっとしたもの」
す。さやからの取り出しも、順々
と実は気になっていました。
ました。
のりよちゃんの、
「ずっと収穫していたくなります
!!
と、話している言葉に、嬉しく
なりました。小豆の収穫は、楽し
大人数で進めています
(29)
香りに包まれて
を運ぶときには全身がエゴマの香
― ― エ ゴ マの収穫――
「久しぶりに晴れたね」
りに包まれます。
なつみ
「今日は雨の合間の貴重な秋晴れ
自在に形を変えて、いろいろな形
だね」
明るい日差しの下で、山小屋の
畑、山小屋の梅林にあるエゴマの
で力を出すエゴマがとても魅力的
香りが入って奇麗になるような感
を嗅ぐだけでも身体の中に涼しい
ました。
冬へと変わるみたいだなと思いま
うな茶色へ変わります。夏から秋・
す。若い緑色から、熟成されたよ
まだ緑の残るエゴマが、干され
て乾燥していくと、茶色になりま
がしました。
の光景を浮かべると不思議な感じ
と言われていました。お米のは
ぜ干しならぬ、エゴマのはぜ干し
ぜ干しにしておきたいんだ」
おじいちゃんが、
「 本 当 な ら こ こ に 竹 を 立 て て、 は
じがします。
収穫のときには永禮さんも来て
下さり、草刈り機で株を刈り取っ
て下さいました。すごい速さで刈
り 取 ら れ て い き、 そ れ を 運 ん で、
積みやすいようにスズランテープ
で一塊にして縛り、トラックへ積
んでいきました。
流れるような作業
した。エゴマとシソの形がとても
)と思いました。小さな
似 て い て、 莢 を 見 た と き、
(シソ
みたい
キキョウのような莢の中に、薄い
した。エゴマという名前だけれど、
灰色のエゴマの実が詰まっていま
ちゃんも来て下さいました。
なスッとする香りに圧倒されまし
マの株に顔を近づけると、爽やか
でいくのが楽しかったです。エゴ
になって流れるように作業が進ん
最初に移動中に落ちるであろう
実を叩いて落としてしまってか
で干されました。
た枝ぶりのエゴマがずらっと並ん
と言われていました。山小屋の
畑で大きく育って、ガッシリとし
くなって」
穫や作業が大好きです。エゴマの
はなだからできる、大人数での収
干して、実を叩いて出して、選別
優 し く 広 が り ま し た。 収 穫 し て、
白くて、エゴマの爽やかな香りが
ゴマ塩のように、エゴマ塩でみ
んなでご飯にかけていただいたこ
ゴマとは実の形が違って、クルン
と丸い実をしています。
た。みんなで収穫するとあっと言
ら、干し場へ移動させて干しまし
香りに包まれながら、流れるよう
をして、食卓へ上がります。なの
とがありました。プチプチ感が面
う間で、午前中で刈り終えて、古
た。体育館の横や、食堂と体育館
な作業が心に残りました。
た。一人ひとりがベルトコンベア
吉野へ持ち帰ることができまし
の間の中庭がエゴマ干し場となり
べたんでしょうね、こんなに大き
おじいちゃんが、
「このエゴマたちは良いものを食
収穫したエゴマは軒下に干しま
し た。 干 す 作 業 に は 盛 男 お じ い
◇
穫しました。
軽トラックで一杯分のエゴマを収
盛男おじいちゃんに
干し方を教えていただきました
た。 一・五 ト ン ト ラ ッ ク 二 杯 分 と
エゴマが収穫されて、積み込ま
れるまでが一つの工場のようでし
!!!
葉っぱも実もいただけて、その
実も搾れば『エゴマ油』となって、
収穫をしました。葉っぱから、枝
運び部隊と縛り部隊に分かれ
て、流れ作業で進んでいきました。
株を持って行くと、待ち構えてい
で、なのはなで育てられることが
嬉しいです。身体にとても良いと
から、実から、胸がスーッとする
爽やかな香りが漂います。刈り取
る縛り部隊のみんなが、
」「 い ら っ
いうことも教えてもらって、香り
「ここ空いてまーす
しゃい 」
!!!
と声を掛けてくれました。
!!
られた株から香ってきて、その株
気持ちのいい秋晴れのなか、エゴマを収穫することができました
(30)
あき
そして私はエゴマについて大き
な勘違いをしていました。シソの
エゴマの収穫
山小屋は自然が豊かで空気が奇
麗で、とても気持ちが落ち着く場
を刈っていってくれたので、作業
くださり、草刈り機でエゴマの株
いつもなのはなのことを応援し
てくださっている永禮さんも来て
運ぶ人、結ぶ人に分かれるシス
テムは大成功でした。
香りでした。
げて、黙々と縛っていく姿が、も
くさんのスズランテープをぶら下
ます。縛り部隊のみんなは腰にた
いの早さで手際良く束にしていき
タンバイしています。そして、運
び ま す。 シ ー ト の 上 で は、 二、三
はや何かの職人のようで格好よ
んでくるスピードに負けないぐら
人の人がスズランテープを手にス
がとてもスムーズに進みました。
と、一・五トントラックと軽トラッ
ように葉を収穫すると思っていた
「はい、花束!」
かったです。
所です。
そんな山小屋へ十月十日、
ので、茶色くてカサカサした部分
ました。少人数だったのにも関わ
と驚いたし、達成感を感じて嬉
し く な り ま し た。 作 業 が 終 わ り、
それを見て改めて、
(こんなに取れたんだぁ!)
茂っていたエゴマが奇麗にすべて
ふと時計を見ると十二時半を過ぎ
らず、みんなの息の合ったチーム
なくなりました。みんなの団結力
プ レ ー で、 約 一 時 間 半 で 一 面 に
た。
永禮さんがエゴマの株を一人ひ
とりに、
エゴマの収穫に行きました。この
の中にある白い粒を取ると知り驚
と笑顔で手渡してくれて暖かい
気持ちになりました。
クの荷台から今にも溢れそうでし
日は空気が澄んでいて、空は秋晴
きました。
見る見るうちに束になったエゴ
マがシートの上に山になっていき
れで、外での作業には最高の天気
息の合ったチームプレー
でした。
いようにスズランテープで縛る人
あんなちゃんが、取ったエゴマ
の株を運ぶ人、それをかさばらな
山小屋に行ける嬉しさと、初め
てのエゴマの収穫にワクワクしな
に分かれるやり方を考えてくれま
ていました。思わず、
す。 な の で 実 が 落 ち な い よ う に、
と時計を二度見してしまいまし
た。時間のことを忘れるぐらい楽
がら車に乗り込みました。道中で
と協力性のすごさを感じました。
縛る作業はビニールシートの上で
しかったです。それから急いで古
した。エゴマは少し動かすだけで
て暖かい雰囲気でした。
行いました。だんだんとシートの
吉野に帰りました。帰ってからも
は『秋』をお題にしたしりとりを
(もうこんな時間
)
収穫したエゴマを積み終える
私はエゴマについて何も知らな
くて、どこをどうやって取るのか
上に丸くて小さな白い粒がたまっ
自分の体がエゴマの香りで包まれ
運ぶ人は次から次へと休む暇な
くエゴマをビニールシートまで運
も分からないまま収穫に行きまし
てきて、それがザラザラと音を立
ていて、一日幸せな気分でした。
実がぱらぱらと落ちてしまいま
た。
てて流れる様子が奇麗でした。
他の野菜と違い、エゴマを収穫
する機会はなかなかないと思うの
(これがエゴマ
)
畑に着いたとき、想像していた
よりも大きくて、
私は主に運ぶ係だったのです
が、運んでいるとエゴマの独特の
で、貴重な体験ができて嬉しかっ
でした。
あっという間だなぁと感じた一日
良い香りを感じました。くどくな
りとしていて、何にも例えられな
た で す。 気 が つ く と 午 前 中 が 終
と思いました。
私の背丈より大きいものもあ
り、
(こんなに成長するんだ!)
い香りでしたが私はすごく好きな
かさばらないように、株をスズランテープで縛ってからトラックに積ん
でいきました
くてさっぱりとした爽やかな香り
して、車内はみんなの笑顔で溢れ
株の上の方はよく熟していました
わっていて、楽しい時間は本当に
!?
で、でも匂い自体は独特ではっき
!!
と驚きました。
(31)
ひょうたんカボチャの収穫
みがありました。その日は二枚の
畑を回り、全部で九個のひょうた
んカボチャが収獲できました。
収穫したひょうたんカボチャを
持ち帰ると、朝の収穫を終えたみ
んなが農産倉庫前に集まっていま
んのような形をしたちょっと変
部分がキュッと括れた、ひょうた
はいよいよひょうたんカボチャの
アスパラ菜の水やりを終えて、次
ずはハウスで育てているセロリと
だね!」
「わあ! 凄い!」
「 ひ ょ う た ん カ ボ チ ャ、 取 れ た ん
あやか
秋 が 深 ま り、 畑 で 秋 冬 野 菜 が
着々と成長してゆくなか、待ちに
わったカボチャです。
――一つひとつ大切に――
待ったひょうたんカボチャの収穫
収穫です。
した。収獲されたカボチャを見て、
が始まりました。
と喜びの声を上げてくれまし
た。
ました。六月四日に畑に定植され
ウ キ ウ キ し な が ら、 み ん な で
ひょうたんカボチャの待つ畑に向
「楽しみだねー!」
なのはなではチームに分かれ
て、みんなで朝から野菜の手入れ
たひょうたんカボチャは、その後
かいました。
と 笑 顔 を 向 け て く れ ま し た。
ひょうたんカボチャは、お菓子作
ひょうたんカボチャは、主に畑
のAチームが手入れを担当してき
や収穫の作業を行っています。毎
草 取 り、 株 周 り の 藁 敷 き、 摘 芯、
熟してゆき、柔らかなオレンジ色
りに最適なのだそうです。みんな
合わせて二十二株のひょうたんカ
ふんわりとした優しい色でした。
と 心 が ほ っ と 暖 か く な る よ う な、
体 ど ん な お 菓 子 に 変 身 す る の か、
で育てたひょうたんカボチャが一
若い頃は濃い緑色をしていたカ
ボチャの実は、畑でじっくりと成
さとわちゃんは、
日 リ ビ ン グ の 黒 板 に、
〝収獲あり
整 枝 な ど の 手 入 れ の 作 業 を 経 て、
ひょうたんカボチャは、原一畑、
原二畑という名前の二枚の畑で育
に色付いていました。眺めている
パッと目を引く明るい色が見え隠
ます〟
〝○○時に○○畑に集合〟
八月に入ると可愛らしいひょうた
て ら れ て い ま す。 二 枚 の 畑 に は、
れしていました。
といった朝の野菜の手入れのお知
ん型の実を付け始めました。
「 凄 い! B I G だ ね! お 菓 子
作りのためにとっておこう!」
らせが書かれます。
ボチャが植えられ、約百個の実を
想像すると胸がわくわくしまし
(うわあ! 可愛い!)
付けています。そのなかから成熟
(うわあ! 奇麗……!)
十月十四日の朝、いつものよう
に黒板のメッセージを確認する
し て 収 穫 時 期 を 迎 え た も の か ら、
その滑らかな色艶は、カボチャ
の内側に栄養や甘味がぎゅっと詰
まだできはじめたばかりの実
は、小さくてもちゃんと可愛らし
いひょうたんの形をしていまし
順に収穫をしていきます。
と、 畑 の A チ ー ム の お 知 ら せ に、
その日は野菜の水やりに加えて
た。私はその実の愛らしさに魅了
され、少しずつ大きく成長してい
く姿を目にするたびに心をときめ
た。
まっていることを感じさせまし
初収穫を終えたその後も、チーム
畑にはまだまだたくさんのひょ
う た ん カ ボ チ ャ が 眠 っ て い ま す。
た。
〝ひょうたんカボチャの収穫〟の
文字がありました。
(ひょうたんカボチャの収穫!)
収獲ができる日を心待ちにして
いたので、ついにその日がやって
畑に到着すると、のびのびと蔓
を伸ばして、大きな葉を畑一面に
を迎えた実を探し、協力して収獲
のサインです。みんなで収穫時期
ます。これからも、一つひとつ大
チャの実を、とても愛おしく感じ
ひとつ、またひとつとオレンジ
色に染まっていくひょうたんカボ
のみんなで数日置きに畑を見回
きたことに心が躍りました。チー
生い茂らせたひょうたんカボチャ
をしていきました。収獲した実を
切に収穫していきたいです。
優しい色
り、
定期的に収穫を続けています。
プライズでした。
ムのみんなとの初収穫に、期待が
の姿がありました。初収穫のその
持ち上げると、ずっしりとした重
かせていました。
ひょうたんカボチャは、全体が
オレンジ色に色付き緑色をした部
私は、ひょうたんカボチャの収
獲をずっと楽しみにしていまし
膨らみます。
日は、生い茂る葉の隙間から、所々
今年初めてのひょうたんカボ
チャの収穫です。朝から嬉しいサ
た。ひょうたんカボチャはその名
チームのメンバーで集合し、ま
分が無くなると、それが収獲適期
の通り、細長いボディにウエスト
(32)
キャベツの収穫が
なのはなでは、第一鉄塔上畑に
秋キャベツ、保育園前畑に冬キャ
ゆり
始まりました!
十月の中旬から、秋キャベツの
収穫が始まりました。
(33)
ているような、ぐーっと上に押し
景に、私も、背中を押してもらっ
キャベツが逞しく成長していく光
持ちになります。畑でたくさんの
ていくキャベツの姿に、心強い気
いかけるように、すくすくと育っ
き ま す。 先 を 行 く キ ャ ベ ツ を 追
ベツの成長段階を感じることがで
キャベツと、それぞれの畑でキャ
冬キャベツ、もう収穫を迎えた秋
球前の葉数を増やしている途中の
チほどの丈の春キャベツから、結
ツが植わっています。まだ十セン
ベツ、崖崩れ北ハウスに春キャベ
い)
(早くみんなに葉物野菜を届けた
と、緊張で、どきどきしました。
収 穫 予 定 日 が 近 づ く に つ れ、
キャベツの収穫が始まる嬉しさ
ても嬉しかったです。
るみんなで喜び合えたことが、と
結球が始まったときなど、畑にい
長を一緒に見守っていった時間
回り、様子を報告し合ったり、成
毎朝、チームの子と日替わりで見
いな、と思いました。
なえたことを教えてもらい、すご
んから、三玉で付け合わせがまか
食事の席では、キャベツの初収
穫をみんなで喜ぶことができ、と
て、美味しいな、と思いました」
草取りや中耕、土寄せ、追肥な 「キャベツが嬉しいです」
ど は、 大 人 数 で 作 業 を し ま し た。 「 シ ャ キ シ ャ キ と し て い て、 甘 く
が、とても嬉しかったです。
これから、冬、春でも、キャベ
ツの収穫が続いていくことが嬉し
な、と思いました。
ているようなキャベツが、奇麗だ
りました。新鮮で、まるで光を放っ
切りキャベツとして、食卓に上が
ま り の ち ゃ ん と ま り こ ち ゃ ん が、
と、二回に分けて種を蒔きました。
た。前日に台所の河上さんに見て
のキャベツを初めて収穫しまし
植えつけてから六十日が経った
収穫予定日の十月十六日、第一弾
大きくて奇麗なキャベツが収穫で
きました
いきたいなと思いました。
けても、手入れをしっかりとして
いな、と思います。次の季節に向
ても嬉しかったです。さとわちゃ
上げてもらっているような、そん
夏の強い日差しや高温から守るた
頂き、球が大きく、押したときに
初収穫
そんな気持ちになりました。
な気持ちになります。
私は、畑のCチームのみんなと、
第一鉄塔上畑の秋キャベツを担当
め、色々な工夫をしながら、育て
固く締まっているものを、五玉収
しました。秋キャベツは、収穫時
て く れ た 苗 を、 八 月 中 旬 に、 第
穫しました。外葉を外すと、奇麗
期がずれるように、第一弾、二弾
一弾が約三百八十株、第二弾が約
なキャベツの球が現れました。手
収穫したキャベツは、その日の
夕食に、メインの付け合わせの千
ま っ て い る こ と を 想 像 し ま し た。
みから、球の中の葉がぎゅっと詰
に持ったとき、ずっしりとした重
三百株定植しました。
みんなで見守る時間
畑 一 面 に 植 わ っ た キ ャ ベ ツ を、
られました。
一株についているショウガを持
つと、腕にずっしりと重みが感じ
くお城みたいでした。
一 株 に つ い て い た シ ョ ウ ガ が、
本当に大きくて立派で、なんとな
もなりました。
ていったら、全部で十コンテナに
古根ショウガに変わっていくの
これから二か月の間にどんな風に
ど、今回収穫したショウガはとげ
よくお店で売られている古根
ショウガは茶色くて丸っこいけれ
なるそうです。
か月保存すると、古根ショウガに
ショウガの収穫
スト撒きもしてくれました。
古吉野にショウガを持って帰る
と、みんながショウガの収穫を喜
傷まないように上手く保存し
て、 な の は な で も 美 味 し い 古 根
か、気になるなあと思いました。
と げ し て い て 肌 が 白 か っ た の で、
そしてチームのみんなと毎日見
回りに行き、害虫がいたら退治を
ん で い て 嬉 し そ う で、 私 も 嬉 し
ショウガを作れたらいいなと思い
りな
になりかけているのが見えまし
し、草が生えていたら草取りをし
かったです。
ショウガが植わっている畑に行
くと、ショウガの葉先が淡い黄色
た。
てきました。
ます。
クリーム色をした、肌の白い、奇
チンゲンサイの収穫
コマツナと
今回収穫した新ショウガを約二
収穫時期を迎えた葉っぱを見
て、
の白いショウガのところどころに
麗なショウガが現れました。
きるのが嬉しかったです。
ツメのようなとげとげしたものが
みんなの力が合わさって育って
いったショウガを、ついに収穫で
スコップを地面に刺して、「せー
の!」でスコップを持ち上げまし
あって、ほんのりと赤く色づいた
(この中にはきっと大きくてたく
さんのショウガが眠っているのだ
た。どんなショウガが出てくるの
夏の間、みんなが水やりツアー
で何度も水やりをしてくれて、ダ
「わあ、大きい! すごい!」
「ショウガの香りがするよ!」
の良い香りが漂ってきました。
ショウガが地面の上に顔をのぞ
かせた瞬間に、ふわっとショウガ
チームは、朝の時間にビワの木畑
育っていました。私たち、畑のB
コマツナとチンゲンサイは、ビ
ワの木畑の不織布の下で、静かに
から秋へバトンタッチです。
コマツナとチンゲンサイの収穫
が始まりました。畑の作物も、夏
ナが入っていました。コマツナの
日のお味噌汁に採れたてのコマツ
と、みんなと話しました。台所
さんがすぐに使ってくれて、その
「 嬉 し い。 い た だ け る の が、 楽 し
かごに一杯ほど、収穫しました。
なるみ
そこにいたみんなが、ショウガ
の香りに誘われて、ふわっと笑顔
に足を運び、コマツナとチンゲン
みだね」
(次ページへ続く)
味噌汁に入れるコマツナを、収穫
になりました。
そして迎えた、初収穫の日。お
香りと、ほのかな甘みが、身に染
葉っぱを切り落としてショウガ
だけにしたものをコンテナに入れ
サイの手入れをしました。
ていました。
んのりと優しいピンク色がかかっ
生まれ立てのショウガの赤ちゃ
んみたいに、奇麗な色でした。肌
ろう)
か、ドキドキしました。
ほっぺたみたいに、ショウガにほ
とわくわくしました。
スコップを持ち上げたら、薄い
2人で息を合わせて掘りあげます
(34)
みました。
(前ページからの続き)
だけることの喜びは、ひとしおで
食卓に上がり、家族みんなでいた
し た。 自 分 た ち で 育 て た 野 菜 が、
た。同時に、秋を感じました。
りとした温かい気持ちになりまし
だ、優しい緑色を見ると、ほっこ
上 陸 し た り と、 育 つ 環 境 は 厳 し
九月の下旬から十月の上旬にか
けて、気温が低かったり、台風が
今回は全部で、約百本のトウモ
ロコシが収穫できました。
てくれました。
に包まれて、ひんやりとした空気
いだったのに、今朝は真っ白な霧
夏にトウモロコシを収穫したと
きは、太陽の日差しが眩しいくら
◇
始まりました。
みんなも私も少し緊張した面持
ちで、早速トウモロコシの収穫が
トウモロコシの皮をむきなが
ら、パッと飛び出してくる奇麗な
「見て、見て! すごい奇麗だよ」
「黄色が鮮やかだね」
9
ても楽しみです。
作物の成長を見ていけるのが、と
育っていて、これからもみんなと
が、まだ畑には秋冬野菜が元気に
今年のトウモロコシが全て終
わってしまったのは寂しいです
しかったです。
畑のチームのみんなと第十一弾
のトウモロコシが収穫できて、嬉
秋を感じ、味わいながら、今を
過ごしていきたいです。
かったのですが、畑で立派に育っ
す。私の心も、躍りました。
◇
次の収穫は、いよいよ、副菜デ
ビューでした。コンテナ三杯分の
コマツナを、みんなで収穫し、台
季節が移り変わり、空気も、畑
の色も、変わっていきます。
所へ届けました。
コマツナに続き、チンゲンサイ
も収穫を迎えました。食卓に並ん
みんなの表情がほころんでいま
実が小さいながらにも一粒に重
みがあって、奇麗に揃っている黄
が漂っている。
茎から実をもぎ取る感覚、コン
テナいっぱいに入ったトウモロコ
トウモロコシに、みんなが笑顔に
色い粒を見ると、胸がときめきま
( 季 節 が 移 っ て か ら も、 ト ウ モ ロ
シ、そして、トウモロコシの皮を
した。
コシが収穫できるなんて……!)
今年の夏にみんなで感じたあの
興奮が再び蘇ってくるのを感じま
なりました。
夏の興奮が蘇る
むく瞬間。
あみ
秋トウモロコシ、収穫!
本当に収穫ができるだろうか。
ちゃんと畑で大きく育ってくれ
るだろうか。
いや、絶対に収穫するんだ。
畑Eチームのみんなの気持ちは
一つ。
必 ず や、 お 父 さ ん、 お 母 さ ん、
みんなの元へ届けるんだ。
十月中旬、ついにその日がやっ
てきました。
厳しい環境のなかで
迎えた収穫
第十一弾のトウモロコシは、夏
に採れたトウモロコシよりも実は
と い う 品 種 で、 夏 場 だ け で な く、
した。
私は畑に向かいながら、期待と
興奮で嬉しくなりました。
と つ が ぷ っ く り と 膨 ら ん で い て、
秋にも収穫ができる品種です。
朝の七時過ぎ。
外に一歩出ると、辺りは深い霧
に包まれていました。
保育園前畑に着くと、続々と畑
チームのみんなの姿が見えまし
しっかりとしていました。
今回、収穫したトウモロコシの
第十一弾は『キャンベラ 0EX』
冷たい空気が頬に触れて、寒い
季節を連想させるような朝でし
た。
小さかったのですが、粒の一つひ
た。
(35)
天気が味方をしてくれて
― ― タ マネギの種まき ― ―
空が、
「 種 蒔 き が 終 わ っ た ら、 水 や り を
せてくれているようでした。
た。
してから、雨が本降りになりまし
走って古吉野に帰りました。帰宅
こ と が で き て、 嬉 し か っ た で す。
天気も味方をしてくれて、みん
なと九月中にタマネギの種を蒔く
するからね」
と言っているかのように、空か
らは弱い雨が降っていました。
種蒔きメンバーのみんながと
びっきりの笑顔でした。みんなと、
「やったー! 蒔けた!」
「天気も応援してくれていたね」
ることができました。
で、春菊を育てることになりまし
崖崩れの道路側ハウスは、長さ
が約二十メートルあります。そこ
でした。 春菊の種まき
も力強さを感じました。
作 業 終 わ り に お 茶 を 飲 み ま し た。
た。
畝作りから、進めました。畝の
幅は約一メートル、四条の線を引
まゆこ
八センチ間隔で、細い竹で畝に
筋をつけ、その筋に一センチ間隔
そのお茶は、格別に美味しく感じ
き、種を二センチ間隔ほどで置い
午後五時四十分頃、種を蒔いて
不織布をかけるところまでを終え
でタマネギの種を蒔いていきまし
ました。
まりのちゃんは、スクー
その週、
リ ン グ で 熊 本 県 へ 出 て い ま し た。
て い き ま し た。 上 に か け る 土 は、
月中に蒔きたいタマネギの種蒔き
がなかなかできていませんでし
た。 畑 の コ ン デ ィ シ ョ ン が 整 い、
経って、水につけておいた種を見
思いました。まっすぐな気持ちが
毎日、朝に水をやって、芽が出
たときに、
たところ、まだ芽は出ていません
午後五時をまわったとき、種蒔
きはあと少し、
という状況でした。
ないと、何もできないのだと思い
(今日中に種を蒔きたい)
まりこ
向かいで種を蒔いていたふみ
ちゃんが、
笑顔でそう言いました。
まりのちゃんが、その間の予定を
さらさらの土と種まき培土を混ぜ
天気も応援してくれたタマネギ
の種蒔きでした。
天気がもってくれている九月三十
ふみちゃんが言うとおり、
種一粒、
立ててくれました。
数日だけでも、
たものでした。最後に籾殻をかけ
雨 の 日 が 多 く、 畑 の コ ン デ ィ
ションがなかなか良くならず、九
日の午後に行うことになりまし
ひとつぶが愛おしく、可愛らしい
予定がたくさんありました。苗を
ました。
作業に出ているみんなの気持ち
は一つでした。タマネギの種を蒔
ちょうどその頃、ぽつぽつと雨が
た。 「かわいいね」
た。 そ の 日 の 午 後 の 天 気 は 曇 り。
と思いました。
見たりするのは、気持ちなのだと
種蒔きが終わったとき、雨足が
強 く な っ て き ま し た。 み ん な と
雨が降りそうな天気でした。
◇
いている吉畑下の空気は、
静かで、
ました。
なるちゃんが、
「 雨 が 降 っ て き て、 水 や り し て く
発芽が難しいのだと言われている
種まきの前日、なるちゃんとリ
ビ ン グ に 集 ま り ま し た。 春 菊 は、
多く、まばらになってしまいまし
という話を聞くことができまし
た。種まきは、芽が出ない部分が
「ぎざぎざの葉が出ている」
降ってきました。
れて種蒔きを応援してくれている
菊が大切に育ったらいいな、と思
た。
雨が続き、予定が変わったとこ
ろもあり、水につけてから三日目
います。
ので、水につけて置いておくこと
吉畑下に蒔いたタマネギの種は
三種類でした。
と声をかけてくれました。本当
に、まるで、天気が私たちが種を
に 種 ま き が 行 わ れ ま し た。 三 日
から、最後まで蒔こう」
種が入っている袋を空けたと
き、驚きました。なんと、調味料
蒔く姿を見てくれていて、種蒔き
気でした。
リピリとした空気はなく優しい空
真剣で、緊張感があって、でもピ
タマネギは、びわの木畑、吉畑下
に、約五万粒の種を蒔きました
にしました。
のコンソメ顆粒のような、スパイ
が終わりそうな時間帯に雨を降ら
今は、三センチくらいの大きさ
になっているものもあります。春
シーな香りがしました。香りから
(36)
ホウレンソウの種まき
よし
いそうです。
まって、とても味が濃くて美味し
のなかで『キュッ』と葉が引き締
なのはなのホウレンソウは、寒さ
角ホーで耕していく感覚が心地良
を平しました。ザクザクと土を三
ま 土 を 軽 く 耕 し て か ら、 畝 全 体
草を三角ホーで取り除き、そのま
て様々で、面白いなと感じました。
した。種の形も育てる作物によっ
それが悪魔のツノみたいに見えま
と思って納得しました。丸っぽ
い 種 に 二 つ の 突 起 が 付 い て い て、
(今からここに種を蒔くんだ)
静かな空気
かったです。
私にとって、憧れの種まき作業
は今回が初めてで、作業発表で名
前を呼ばれたときは、嬉しくて胸
そう思うと、よりいっそう三角
ホーを持つ手に力が入りました。
ま た、 野 菜 の 種 蒔 き と い う の は、
下準備が整ったら、いざ種蒔き
です。種が小さくて、うっかり落
の 高 な り が 止 ま り ま せ ん で し た。
ツが上るようになってきて、秋冬
少し責任があるようで、聞いただ
種蒔きは、二人組で畝を挟んで
向かい合わせになって行いまし
はやはり葉物が美味しい季節だな
た。 み ん な 真 剣 に 黙 々 と 作 業 を
下町川の畑で、ホウレンソウの
種まきを行いました。なのはなで
に、慎重に丁寧に種を扱うように
行っていましたが、その静かな空
として無くしてしまわないよう
( み ん な の た め、 美 味 し い ホ ウ レ
心掛けました。ティースプーンで
気 さ え も 心 地 よ く 感 じ ら れ る 程、
けで緊張感が漂いました。
ンソウを育てるため、心を込めて
土に三ミリ程度の軽い窪みを付け
と 感 じ ま す。 聞 い た 話 に よ る と、
種蒔きに臨もう)
一心になって種を蒔き続けまし
培土を薄くかぶせて、さらにその
な の は な で は 作 業 に よ っ て は、
活気の溢れる和気藹々とした雰囲
て、そこに二粒ずつ種を蒔いてい
上から籾殻をかけて種を蒔いたと
気の場合もありますが、
た。
ころに目印を付けていきました。
作業をする空気も、また同じくら
かで、みんなのなかで落ち着いて
ホウレンソウの種は、よく見て
み る と 変 わ っ た 形 を し て い ま す。
いに好きだなあ)
と私は感じました。 されていた種を全部蒔き終えるこ
途中からポツポツと雨がぱらつ
いてきたのですが、最終的に用意
と感じていて、後からりさちゃ
んやゆうかちゃんが
りました。
とができて、もの凄く達成感があ
演奏曲目の一つ)の悪魔衣装の『ツ
―。
ノ』みたい」
と言っているのを聞いて、
(ああ、それだ!)
芽が出て、美味しいホウレンソ
ウがみんなと頂けますように―
「 ブ ラ ッ ク ク イ ー ン( な の は な の
ているな……)
( ど こ か で 見 た 形 だ な。 何 か に 似
私は、
( 種 蒔 き 作 業 の よ う に、 静 か な な
きました。種を蒔いたら、上から
初めての種まき
畑に着くと、まず最初に、畝の
上に生えてしまっていた小さい雑
一晩水に浸けて、芽出しした種を
蒔きました
◇
そう決意しました。
は最近、食卓にコマツナやキャベ
(37)
ハクサイの定植
季節が移り変わるように、畑で
育つ野菜も春夏野菜から秋冬野菜
ます。
私たち、畑Eチームが担当して
いる畑の中に、保育園前畑があり
あみ
へと移り変わってきました。
保育園前畑に、約千株のハクサイを定植しました
(38)
今、 保 育 園 前 畑 に は ブ ロ ッ コ
リーやカリフラワー、秋キャベツ
が植わっています。
全長七十メートルほどの畝に一
列に並ぶ野菜たち、その光景は圧
巻です。
来る十月上旬、新たに保育園前
畑に仲間入りをした秋冬野菜があ
ります。
それは、寒い季節に欠かせない
野菜の一つ、ハクサイです。
『 農 業 は ワ ン チ ャ ン ス!』 と い
う言葉があるように、この日も天
気 と 睨 め っ こ を し な が ら、 総 勢
みんなの手つきは柔らかくて、優
しくて、心がほわっと暖かくなり
ました。
みんなの繊細な手に包まれたハ
クサイの苗は安心した様子で、畑
の土の中に、そっと腰を下ろしま
した。
私は、
(このハクサイの苗が土の中で根
を伸ばし、栄養を吸収して、立派
なハクサイに成長するんだ)
と思うと、胸がワクワクしまし
た。
まりのちゃんとまりこちゃんが
育ててくれたハクサイの苗が畑に
植をしました。
そして、苗を定植する植え穴を
掘り、ハクサイの苗を定植する。
その印の近くに苗を置いてい
く。
ちんとしていきたいです。
立派なハクサイが収穫できるよ
うに、みんなと日々の手入れをき
畑に定植することができました。
ハクサイは二日間で第一弾、二
弾、三弾を合わせて、約千株ほど
到着し、その活き活きとした苗を
畑で定植できる時間は限られて
います。
十五人ほどで一斉にハクサイの定
見ていると、私は嬉しい気持ちで
(雨が降り出す前にハクサイの定
植を終わらせよう!)
その場にいたみんなが同じ気持
ちで、目の前の物事に一生懸命に
畝の上に米ぬかを使ってライン
を引き、さらに五十センチ間隔で
定植作業が開始しました。
その場でまりのちゃんがそれぞ
れの役割分担をしてくれて、早速、
私はそのなかにいさせてもらえ
たことが、すごく嬉しかったです。
なって動いていました。
みんながそれぞれに自分の役割
を こ な し て い て、 全 員 が 一 丸 と
向かっていました。
印 を つ け る。 メ ジ ャ ー を 使 っ て、
ラインがぶれないように、慎重に。
スピーディーな作業ではありま
したが、ハクサイの苗を定植する
限られた時間
いっぱいになりました。
ラインを目印に苗を置いていきます
冬に向けて
いと、奇麗な苗には育たないのだ
のように、誠実な心を持っていな
は、まりのちゃんやまりこちゃん
種が成長しやすい環境を整えるに
ける量も、多すぎず、少なすぎず、
は、とても繊細でした。覆土をか
く育たないものもある」
「 定 植 の 仕 方 に よ っ て、 苗 が 大 き
つも思い出します。
私は、定植をするときに、お父
さんが話してくださったことをい
た。
ぽきっと折れてしまうほどでし
ということです。
と感じました。
奇 麗 な 苗 を 傷 つ け な い よ う に、
定植してきました。肩に力が入る
なってしまう。根の大切さを改め
切 っ て し ま っ た な ら、 命 も 短 く
さ の よ う に も 感 じ ま し た。 根 を
巡っていました。ミズナの命の長
ミズナの苗をトレーから取り出
すと、白い、長い根が培土にはり
虚に、
そして、
畑作業で中心となっ
定植作業も、どの畑作業も、責
任があって、私もその責任を果た
のだと知り、嬉しくなりました。
同じことを思って作業をしていた
育った苗が成長できなくなるこ
とは、
悲しすぎるので、責任をもっ
て実感しました。
てくれている人を見て学んでいこ
のを感じました。ミズナの苗は繊
の 食 卓 に は、 欠 か せ な い 野 菜 と
定植作業は、祈りながらの作業
だなと感じました。ミズナが大き
うと思いました。
いたのですが、直径一ミリから二
なっています。
くなるように祈り、心で定植して
て、作業をしようと思いました。
秋冬に向けて、ミズナを、ゆず
畑に定植しました。
いこうと思いました。
責任が問われることは、緊張し
たり、不安になることもあります
細 で、 力 を 入 れ す ぎ て し ま う と、
畑に行き、まりのちゃんが苗を
持ってきてくれている間に、みん
一緒に作業をしているみんなを
見てみると、みんなの手つきが優
が、責任があることほど、完成し
ミリくらいの種を撒いていく作業
ふみ
――ミズナの定植――
冬に、食卓にあがる野菜が少し
足りないときに、葉物野菜がある
た
しかったです。細やかで、繊細な
たときの達成感が大きいのかなと
と、大助かり。ミズナもなのはな
まりのちゃんが戻ってきて、畝
の土の状態をみて、
手つきに、穏やかな気持ちになり
感じ、気持ちが高まるのを感じま
「すごい、定植しやすそう」
すべく、もっともっと誠実に、謙
と言ってくれて嬉しかったで
す。
ました。
なで畝の土を鍬で耕していきまし
まりのちゃんが持ってきてくれ
たミズナの苗は、とても奇麗でし
よしえちゃんが言いました。
食卓にあがる日が楽しみです。
ミズナを収穫できること、そして、
みんなと定植作業に入らせてい
た だ け て 嬉 し か っ た で す。 冬 に、
よ し え ち ゃ ん の 言 葉 を 聞 い て、
「ミズナの苗が繊細すぎて……」
した。
た。瑞々しさがありました。
ゆず畑にミズナを定植しています
定植が終わり、古吉野に戻ると
き、
まりのちゃんやまりこちゃん
が、種をまいてくれて、苗を育て
てくれています。私も、種まきの
ときに、少し作業をさせていただ
(39)
春キャベツと
アスパラ菜の定植
まりの
ス内は暑く、キャベツなど冷涼な
育っています。先月は、まだハウ
春キャベツもアスパラ菜も定植
後すぐに活着し、日に日に大きく
く植え付けています。
利点を感じ、今回は前回よりも多
前回もハウス内で育てそういった
三 月 に か け て 長 く 収 穫 で き ま す。
なら、春キャベツやアスパラ菜も
も著しく寒くならないハウスの中
しまうのですが、日中暖かく、夜
きなかったり、成長しなくなって
くなっても結球する野菜は結球で
てきました。かと言って、急に寒
暖かいな、と感じるくらいになっ
しくなり、日中ハウスに入っても
「 坂 を 上 が っ て き て、 菜 の 花 が ぶ
なのはなの玄関である、古畑の
レイアウトを考えているとき、
嬉しかったです。
ているのを見つけたとき、とても
みのある淡い黄緑色が、顔を出し
もみがらの間から、ぴょこりと厚
四日後の十五日の朝、園芸部の
み ん な と 水 や り を し て い る と き、
(キャベツは葉が大きくなるだろ
と、お母さんが話して下さいま
した。
をしたらいいよ」
して、計画を立てたり、園芸活動
嬉しいよね。そういうことを想像
わあっと咲いていたら、帰って来
上手くいきそうだなと思います。
うな、このくらいで結球できるか
今月に入ってから夜間の気温が涼
気候が好きな野菜の苗にとって暑
十月十日、崖崩れ北ハウスに春
キャベツとアスパラ菜の定植をし
な)
す ぎ る だ ろ う と 思 っ て い ま し た。
ました。
と想像しながら植えました。種
の袋や本などの資料も参考にして
た卒業生や来てくれたお客さんは
春キャベツは、九月二十一日に
種播きしたもので、翌年の四月か
いるのですが、実際の畑の状況や
春までちゃんと育つか、どうな
るか楽しみでもあります。
ら五月にかけて収穫する予定で
作りたい数や、今まで育ててみて
――菜の花の種まき――
物語を持って
す。
決めています。
ただ機械的に種を蒔く、植える
のではなくて、これから咲く花を
手 前 ハ ウ ス に 植 え 付 け、 全 部 で
アスパラ菜はこのハウス以外に
も、後日、ユーノスハウス、吉畑
メートルにしました。
アスパラ菜の方は、同じ畝幅の
三 条 植 え で、 株 間 は 三 十 セ ン チ
た。
が十分に湿るよう水やりしまし
付けます。植え付けたあとも、土
苗を置き、深すぎないように植え
をするのは初めてで、まく数も一
とはあったのですが、畑に直まき
ました。トレイに種まきをしたこ
のため、もみがらをふんわり被せ
た、軽い土で覆土をし、乾燥防止
種まき培土とハウスの土を混ぜ
チ 間 隔 に 三、四 粒 ず つ 種 を お き、
二十五メートルの畝に、十五セン
咲く時期をずらすために、十月
と 十 一 月 に 分 け て 蒔 き ま す。 約
菜の花の種まきをしました。
らいながら、無事に、菜の花の種
にいたみんなに、優しく助けても
付けてくれる人がいたり、その場
何も言わなくても使った道具を片
え て く れ た り、 手 が 空 い た と き、
があったことを、りなちゃんが教
芽が出られなくなってしまうこと
土をしっかりと平らにしない
と、 盛 り 上 が っ た 土 が 水 で 流 れ、
られました。
ちゃんが教えてくれたことに支え
と き の こ と を 思 い 出 し、 ま り の
ていきたいです。
ながら、これからの成長を見守っ
の菜の花と春の訪れを思い浮かべ
なで園芸に向かいたいです。満開
透明な気持ちで、これからなのは
て、 物 語 を 胸 に、 雑 味 を 消 し て、
苦しい義務感が先立つのではなく
け な い、 評 価 を 気 に す る 気 持 ち、
してはいけない、やらなければい
の種、苗、花に心を込めて、関わっ
ように、物語を作り、一つひとつ
して、お母さんが教えて下さった
りさ
七百六十株あります。アスパラ菜
番多く、不安と緊張が大きかった
まきを終えることができました。
見てくれる人たちの気持ちを想像
は穂先を摘んで食べるので、摘ん
のですが、野菜の種まきの作業の
ていきたい、と思いました。失敗
でもまた生えてきて、十二月から
ハ ウ ス の 土 は 乾 き や す い の で、
植え穴に水を流し込み、その中に
の手入れのしやすさなども考えて
畝幅百二十センチで、二条植え
にし、
株間は五十センチ間隔です。
定植のとき、こういった株間を何
センチ取るかでよく悩みます。
(40)
種まき培土が水と上手く合わさ
るように、たらいの中で手でかき
きました。
こに小さな種を一粒一粒まいてい
五ミリぐらいに浅めに掘って、そ
イ の 一 つ ひ と つ に 入 れ て い っ て、
な、と思います。
すくすくと成長してくれたらいい
上げされるまでこのセルトレイの
しかったし、これからポットへ鉢
ちが喜んでいるように感じてうれ
覆土が終わり、軽く水やりをす
ると潤いをもらって土の中で種た
件が揃ってくれたらいいな、と思
混ぜているときに感じる培土の感
しみだな、と思いました。
ストックというお花は初めて耳
にするお花で、
触がすごくフワフワしていて気持
今この記事を書いているのは種
まきをして十日が過ぎた頃で、六
います。
「 グ ラ ジ オ ラ ス み た い に、 一 つ の
ちよかったです。
大きなたらいの中に、種まき培
土と適量の水を加えて、セルトレ
ん! と見せてくれた種の袋には
パンジー、ストックと書かれてい
茎にたくさんの花穂がついて、花
パンジー、ストック、
しが差した九月二十七日。冬の花
ました。
穂が付いて、長い間お花を楽しめ
きほ
壇やユーノス畑、古吉野を鮮やか
今回種まきさせてもらったお花
は十一月頃から駐車場花壇とユー
るんだよ〜!」
りさちゃんが戻ってきて、じゃ
いし、その中で成長が見られるこ
長らく続いた雨が止み、久しぶ
りに空が青く、あたたかく、日差
割ぐらいの子の芽が出てくれてい
て、これからも朝と夕の水やりと
乾湿、草取り、太陽の光に当てる
種まきをしているとき、鼻息や
ちょっとした勢いで飛んでいかな
とやお花が咲いたときの感動と
苗出しやこけが生えていないかな
さに耐えられる強いお花なんて珍
いように、いきを潜めながら、慎
を摘んでもそこからまた新しい花
ノースポールの種まき
に彩ってくれるお花の種まきのワ
ノ ス に 定 植 さ れ る 予 定 で、 パ ン
ベ ッ ド の 中 で し っ か り 根 付 い て、
ンチャンスやってきました。
ジ ー は オ ト ノ ロ ー ズ、 イ エ ロ ー、
スカイ —
ブルー、ホワイトの前回
とは違った品種、ストックはアイ
しくて、どんな形のお花なのか楽
か、 す ご く 楽 し み で う れ し い な、
ど、しっかりお世話をしていきた
アンミックスといういろんな色が
重に、真ん中に種が来るようにま
と思います。
願いを込めながら
私は今回初めて、りさちゃんと
食堂横の中庭で種まきの作業をさ
と、りさちゃんが教えてくれて、
この岡山の勝央町の冬の厳しい寒
咲くという種類、
それともう一つ、
いていきました。
せてもらいました。
れしいです」
去年の実から採取した種のノース
9月13日に種蒔きをした第1弾のパン
ジー。芽が出ています。
「ここで待っていてもらえたらう
り さ ち ゃ ん が 言 っ て、 中 庭 で
待っていると体育館側の壁に種ま
ポールをまかせてもらいました。
つ、発芽してくれますように、願
のが難しかったけれど、一つひと
き培土がいっぱい入った袋と、大
繊細な種
覆土は二〜三ミリの厚さで、ま
ばらにならないように被せていく
きなたらい、シンビジウム専用の
固形肥料などがあって、いつもり
さちゃんはここでいろんなお花の
どれも袋から出た種を手に乗せ
ると、白ごまの見た目と見分けが
パンジーは十〜十五日の間で発
芽するのだと、りさちゃんが教え
いを込めながらやっていきまし
くれて、今の花壇にマリーゴール
付 か な い ぐ ら い す ご く 似 て い て、
てくれました。気温や湿度、土の
種まきをして花壇に定植されるま
ドやジニアのお花があることがあ
小さく繊細で、少し風が吹くとす
状態などでも発芽が早くなった
り、遅くなったりもして、発芽条
た。
りがたくて、りさちゃんのお花に
ぐに飛んで行ってしまいそうな種
での苗や観葉植物のお世話をして
対 す る 責 任 感 や 想 い が 素 敵 だ な、
が可愛いらしかったです。
今回まいたお花の種です!
と思いました。
(41)
あんな
美味しい桃を作るためには、根
が心地よく感じる土にしてやるこ
桃の土作り
桃作りで一番大切なのは、土作
りではないかと思います。
頂いてきたダストを、桃の樹のまわりに小山にして下ろしていきます
(42)
思っています。
この時期、桃に対して、できる
限 り の こ と を し て や り た い、 と
秋は桃の土作りの季節です。
とが、一番だと思います。
す。前回と品目はほぼ同じですが、
元肥として入れた肥料は、牛肥、
米ぬか、ダスト、土壌改良資材で
思いました。
に対し、一番いいようにしたいと
前 回 や っ た 元 肥 は、 全 体 的 に、
牛肥などの有機質肥料や、窒素成
ずつ入れるか、考えました。
体に撒かないで、根っこが牡蠣が
ます。土が固くならないように全
牡 蠣 が ら も 必 需 品 な の で す が、
それはお父さんと相談し、あとか
量を変えました。
分が多かったように思います。
ウチュウ吸えるように、という配
収穫が終わり、ひと段落してか
ら、桃にどんな肥料をどれくらい
それは、今回の生育を見ていて
感 じ た こ と で す。 肥 料 だ け で な
慮です。
総量としては、おそらく、四トン
くらいのダストを桃に入れたこと
になります。満足でした。
(なのはなの桃は大小あわせて
肥料入れのメインは、ダスト入
れと、牛肥まきでした。
牛肥まきは、二十二人での大人
数で、トラックからバケツリレー
ます)
現 在 三 十 本 で、 畑 を 合 わ せ る と
ダストは、針葉樹の樹皮を粉砕
し発酵させたものです。土の団粒
をして撒きました。
大人数で桃の作業
らゾーンに辿り着いたときにチュ
ら穴を掘って埋めることにしてい
く、剪定の影響もあると思うので
すが、例えば、二年生や五年生の
樹で、爆発したみたいに大きく成
長した樹がありました。それらの
樹は、十月に入っても、青々とし
化を進め、フカフカにする働きを
三十六アールくらいの面積になり
す。
してくれます。
しかし、なかには、早々に、色
が変わり、葉が落ちた樹もありま
畑 に よ っ て、 傾 向 が 違 う の は、
畑ごとの施肥量や土質に差があっ
たからだと思います。
効果は、桃畑で実感しています。
特に、土の粘度が高く、改良した
思 い ま す。 桃 の 手 入 れ の 作 業 は、
くさん来てくれたほうが嬉しいと
桃畑に小豆が植わったときもそ
うだったけど、桃の樹は、人がた
たりなど差があります。私は、そ
い奥畑には、大量に入れました。
同じ畑でも、品種によって、元
気がなかったり、著しく旺盛だっ
の品種が肥料食いかどうかが、鍵
(次ページへ続く)
少ないメンバーですることが多い
になっているのではないかと、考
から、多くの人で桃の作業や、桃
えています。
今の状態を見て、各畑、各品種
ト ラ 二 台 で 数 回、 往 復 し ま し た。
津山のダストを提供してくださ
るところでもらってきました。軽
私は、ダストは絶対に欠かせな
いものだと信じています。
池上畑、奥畑、夕の子桃畑、古
畑を、
あっという間に終えました。
た葉をつけていたりします。
奥畑では、大人数のバケツリレーで
ダストを桃の樹まで運びました
思うように進められなかったので
しいです。身体を持っていかれそ
換や、均等に耕すことなど)が難
池上畑や、夕の子畑は、傾斜が
あるため、管理機の操作(方向転
制です。
主に、まみちゃんと二人で作業
を進めています。管理機は二台体
根が伸び、若返るのです。
ているような気がします。
かたなど、一回ごとに上手くなっ
耕すことだけでなく、管理機の
軽トラへの載せ方、ロープのかけ
ています。
効率よくできるか、探しながらし
前回より、昨日より、一本前よ
り、 ど う し た ら 上 手 に で き る か、
いくのは楽しいです。
ました。カブトムシの幼虫は軽ト
ダストにスコップを入れるとカ
ブトムシの幼虫がたくさん出てき
きて幸せでした。
て、今回も一緒に桃の手入れがで
桃を愛する気持ちが伝わってき
声のトーンで私はあんなちゃんの
れ る と き に 見 せ て く れ る 笑 顔 や、
あんなちゃんが、桃の話をしてく
と て も 嬉 し い な と 思 っ て い ま す。
たかい気持ちを感じられることが
十二月には、元肥と書いてあって、
桃 に つ い て 調 べ て み た と き に、
九 月 に 礼 肥 と 書 い て あ り ま し た。
たことも幸せでした。
ました。秋を車の中から感じられ
も、季節が変わっていくのを感じ
秋の夕焼け、一歩外に出ただけで
ト ラ ン ペ ッ ト、 道 ば た の ス ス キ、
ちゃんが教えてくれたエンジェル
すかに残っている彼岸花、あんな
との田んぼ、柿の色づき、まだか
(前ページからの続き)
すが、十月十二日に、肥料入れを
うになって、ヒヤッとすることも
何 と 言 っ て も、 桃 の た め だ し、
桃は世の中に繋がっていて、まだ
ラック二台をいっぱいにダストを
栽培カレンダーで、一年を通して
一本前より
肥料入れを予定していた九月下
旬 か ら、 天 気 が 崩 れ っ ぱ な し で、
が、嬉しかったです。
畑にいる時間を共有できること
終え、その後、中耕に入りました。
あります。
見ぬ人に繋がっています。しっか
のせ終えるまでに五十匹はいまし
ことを私は、なのはなファミリー
す。一年をかけて手入れしている
に向けて木の手入れが始まりま
穫を終えてから直ぐに、次の収穫
心に手入れをしています。桃の収
んなちゃんや、ちあきちゃんを中
少し低めの木、それが桃の木で
す。なのはなファミリーでは、あ
クの助手席に乗せて貰う時間が私
あんなちゃんの運転する軽トラッ
軽 ト ラ ッ ク 二 台 で 向 か い ま し た。
り に 行 き ま し た。 四 人 の 作 業 で、
桃の木の周りにダストをまくた
めに、まずは津山までダストをと
ました。
とで私の桃の世界は広がっていき
に感じる秋も嬉しくて、畑や、山
たです。ダストをとりに行くとき
めていけたことがとても嬉しかっ
よく進むように協力して作業を進
た。四人だったので、早く、効率
桃の木の周りに置いていきまし
おろしていきました。小山にして
ました。ダストを四人で、桃畑に
ダ
ス ト を あ っ と い う 間 に 軽 ト
ラックに積み込み、桃畑に向かい
浮かんできました。
父さんや、キッズメンバーの顔が
ブトムシの幼虫を見たときに、お
土作りができると思いました。カ
と思うと、嬉しくて、きっと良い
した。生物が住みやすいダストだ
た。全てが大きくて元気な幼虫で
の成長を一緒に見ていけることも
くて幸せでした。これからも、桃
桃の手入れをした時間があたたか
です。あんなちゃんたちと一緒に
がたくさんの収穫できると嬉しい
年も甘くて、形の良い、立派な桃
持ちでいっぱいになりました。来
て、とても有り難くて、感謝の気
に愛情を注いでいるのだなと感じ
が何度もありました。本当に、桃
くなる季節に真夜中や、夜明け前
んなちゃんたちが、霜が降りて寒
いくコツなのだと思いました。あ
していくことが上手く桃を育てて
切なときに、手入れをしっかりと
ことを知りました。時期を見て適
手入れがしっかりと行われている
◇
機 械 を 使 う の は、 緊 張 す る し、
恐さもあるのですが、二人だから
りやりたいです。
に来てから知りました。桃の木の
は大好きです。言葉をそれほど交
や、野に咲く花を見られる時間も
嬉しいです。
桃の手入れ
剪定が難しいことも知らなかった
わすわけではないけれど、あんな
幸せでした。稲刈りが終わったあ
に、暖をとりに行ってくれること
し、桃にたくさんの品種があるこ
ちゃんの桃に対する誠実で、あた
ファミリーで、桃を育てているこ
とも知りませんでした。なのはな
ゆき
心強いし、やり方やコツを掴んで
耕運機か、管理機を使って、桃
の樹の周りを耕しています。
中耕には、根の剪定の意味があ
ります。切ったところから新しい
管理機2台体制での中耕の様子
(43)
――簿記の授業――
ゆきな
誰かの希望となるように
(44)
き、ラストスパートです。この三
級のテキストはもう終盤に近づ
下さり授業が進みました。簿記三
一日から三日まで村田先生が来て
間に時間がたちもう十月。今月は
す」
「決算はレベルが一段アップしま
す。
るために必要な修正作業のことで
です。決算は簿記の目的を達成す
三 日 間 で メ イ ン と な る 内 容 は、
三級テキストの終盤である「決算」
ことを大切にしたいです。 日 間 は、『 簿 記 三 級 の テ キ ス ト を
七月から始まった村田先生と六
期生による簿記授業。あっという
終わらせること』を目標として進
と 村 田 先 生 が お っ し ゃ る 通 り、
内容が初めの頃に比べると、だん
り、拍手をすると、
授業は拍手で始まり拍手で終わ
ります。村田先生の姿を見かけた
上がります。
ホッとした安心感と嬉しさが湧き
迎えて下さり、いつお会いしても
一週間ぶりにお会いする村田先
生。教室へいくと爽やかな笑顔で
の形が複雑にされています。習っ
形で出題されるのではなく、問題
しまいました。これまでの習った
の決算整理問題」では頭を抱えて
ま す。 最 後 の「 繰 越 商 品 と 仕 入
が見つかり、手が止まってしまい
したなかで穴が空いているところ
が、いざ解いてみると自分が勉強
す。そのなかで
『減価償却費』
や『貸
ころ状態が明らかになっていきま
が動き回り、一年間の儲けとふと
個人商店での仕入や売上げ、繰
越商品などのいろんな科目の値段
ます。
(次ページへ続く)
みました。
( 授 業 が 始 ま る ん だ。 最 後 ま で 頑
たものをどのように組み合わせて
だんことばや仕訳に難しさを感じ
張ろう)
か。村田先生は何事もいきなり
〝理
必要とする一つの解答としてだす
と気持ちがより一層引き締まり
ます。
解〟から入るのではなく問題を解
く こ と が で き る と い う〝 型 〟 か
ら入らなければいけないと教えて
る『確認してみましょう』テスト
授業の初めは前回習ったところ
をどこまで理解できているかを知
となかなか前には進みません。理
す。理解をすることに重点をおく
り方が甘いということが分かりま
〝型〟から入る
があります。一週間でどれくらい
解することに強い拘りを持たずに
下さいました。このテストをする
の復習ができたか。自分では最後
型を何回も繰り返して身につける
とまだ自分には簿記の〝型〟の入
まで解こうとする意欲はあります
(前ページからの続き)
ます。村田先生の授業を受けさせ
がもう一度内容を確認して下さい
よい時間配分で休憩時間やお話を
一回ほぐすために村田先生が丁度
も毎回心待ちにしています。頭を
簿記の授業だけではなくこの時間
問 題 な ど を お 話 し て 下 さ い ま す。
頃についてのお話や豆知識、時事
授業は勉強だけではなく、合間
合間に村田先生のお仕事や子供の
たたかい気持ちになります。
を開き、みんなで教え合う姿にあ
思います。机に集まってテキスト
れのなのはなの関係が素敵だなと
ら自分を高めていくことができる
村田先生が教えて下さるお話
は、日々の生活のなかでどうした
から続けることができない」
ていたら、嘘や誤魔化しを使える
いないからで、自分のなかで思っ
るか。できない理由は人に言って
「 決 め た こ と を、 今 で も 続 け て い
に磨いて返す」
「 命 は 借 り 物 だ か ら、 貸 し た 以 上
とが大切」
日々緊張感を持って、取り組むこ
ていただくことで、自分が初めに
倒引当金』など普段の生活のなか
理解できなかったところや解けな
ぎってきます。また、人として大
と き に、「 え っ!」 と 思 わ ず 声 を
では耳にしないような簿記用語が
かった問題が、一つずつゆっくり
切なことも教えていただいていま
とおっしゃいます。
じていたもの。それは簿記三級試
かに繋がっています。
ページをめくるごとに現れてきま
ですが、『解らない』から『解る』、
す。
わたしたちに教えて下さること
を村田先生は積み重ねていらっ
入れて下さるため、また次の授業
す。
そして『できる』に変わっていき
「 直 前 で 焦 っ て も 何 も で き な い。
験の願書を書く日がやって来たと
心構えをしていなかったため
に、願書を手に取ったときに恐ろ
と私も思いました。
という声が聞こえてきます。
(同じ気持ちだ)
「緊張しちゃうよ」
「どうしよう。手が震えてしまう」
筒の中身は願書です。みんなが感
入った封筒がありました。その封
出していました。すると村田先生
村田先生はテキストを読むとき
は分かりにくい簿記用語をかみ砕
ま す。 レ ベ ル が 上 が っ て 難 し く
しゃるから夢をどんどん実現され
いうことです。
に集中するためのパワーがみな
いて教えて下さるため、自分でテ
なっていく分、その問題が解けた
ています。
が教室に来られて手には書類が
キストを読んで分からなかったと
と き の、
( で き た!) と い う 瞬 間
村田先生はよく、
「コツコツと積み重ねること」
ころがどんなことを言いたいのか
願書
は気持ちが良いものです。
図や表を描いてお金がどう動いた
か、なぜこのような解答になるの
かを分かりやすく説明して下さい
ます。図や表を描くことはこんが
リーの住所が書かれてありまし
授業最終日の午後に教室に向か
う と、 黒 板 に は な の は な フ ァ ミ
授業の休み時間や授業がない日
に は 簿 記 六 期 生 で 教 え あ っ た り、
しく感じました。一人一枚しか用
らがってしまった頭に、今はどん
なお金の状態なのか教えてあげた
た。
(次ページへ続く)
一 文 字 一 文 字 丁 寧 に、 自 分 が 今
意していない願書にみんなが向き
先輩である簿記一期生から五期生
かがつまずいてしまったら、みん
とハッとしました。
り、気付くことができなかった事
柄を見つけ出すヒントとなったり
なで助け合って一緒に前へと進ん
教室に来た六期生も黒板を見た
の人に教えてもらっています。誰
と便利です。
でいく。そのような助け、助けら
合いながら書いていきます。私は
みんなで
頭に入ってきます。問題練習では
みんなで簿記3級試験の願書を書きました
見たときに、
(これはもしかして……)
授業内容の切りがよいところや
解りにくいところでは、村田先生
(45)
感じていた気持ちが和らいで、
ができます。そう思うと恐ろしく
がいるから一緒に進んで行くこと
ではないと思うと心強く、みんな
けるときもみんながいます。一人
た。願書を書くときも、試験を受
書ける最高な字を書いていきまし
ないのは決して簿記の試験が合格
かの希望になる。間違ってはいけ
小さな努力を積み重ね、そして誰
る。学ぶ喜び、
教える喜びを知る。
る。 会 計 を 通 し て 社 会 に 貢 献 す
ます。それは人生の選択肢を広げ
だくにあたって大事な目的があり
その目標、目的とは。なのはな
簿記部には授業を受けさせていた
れているプリント集です。
簿、伝票の問題がそれぞれ綴じら
新しく作って下さった仕訳、補助
スペシャルプリントは試験対策
として六期生のために村田先生が
色ノートです。
る!』という文字が載ってある青
『 で き る! ノ ー ト 』 は 爽 や か
笑 顔 の 村 田 先 生 と 赤 色 で『 で き
(前ページからの続き)
( き っ と 大 丈 夫 だ。 乗 り 越 え る こ
することが目的ではないというこ
というみんなのコメント。六期
生 の み ん な。 そ し て、 お 父 さ ん、
お母さん、村田先生。
いろんなところで愛を感じ、支
えられ、こんなにも贅沢でしあわ
せな受験生はいないのではないか
と思います。私の周りやこころの
中にはたくさんのお守りがありま
す。だから、どんな壁にぶつかっ
ても諦めないエネルギーとなりま
をさせていただける時間が毎日あ
とができる)
す。尊敬する人や目標を持ってい
容があります。簿記を通して、ま
りがたくて、感謝の気持ちでいっ
これらは今までの簿記部生のと
きにも使われていた、心強い品で
手 に あ り ま す。 い た だ い た 瞬 間、
た、なのはなで学んだことや幸せ
ぱいです。この時間を無駄にはし
とです。合格は目的を果たすため
す。このことをこころに深く刻ん
ぶわっと感動に近いあたたかい気
を、次の誰かの希望や幸せに繋げ
たくないと強く思います。
る人と恵まれた環境のなかで勉強
に、今どんな思いで願書を書いて
で六期生が一丸となって手を取り
持ちが溢れてきました。村田先生
ることができるように還元してい
す。それが六期生のわたしたちの
いるのだろうと思いました。試験
合い、目的を達成していきたいで
は東京から岡山まで忙しい税理士
きたいです。そのためにも今いる
簿記三級の試験は十一月二十日
です。今は村田先生がつくってく
の一つの手段として目指すことで
当日に今日の日のことを思い出す
す。
の仕事の合間に来て下さっていま
環境のなかで精一杯できることを
と気持ちが変わっていきまし
た。みんなの願書を書く真剣な姿
自分を想像してしまいます。
す。なのはなのためにいつも全力
勉強をしています。十月の後半に
この三日間で無事に三級テキス
トは全て終えることができまし
み重ねていきたいと思いました。
いたり、試験会場の下見へ行きま
もう試験はスタートしていま
す。同じ気持ちでみんなが向かっ
簿記の授業が始まってから多く
の方にたくさんいただいてきまし
す。これからどんなことがあるの
ださった学習計画表をもとにして
た。村田先生が一人ひとりに名前
か楽しみな反面、焦る気持ちもあ
して自分のなかに多くの経験を積
を書いて下さった黄色いお花の名
ります。焦りや不安な気持ちに負
で尽くして下さいます。
札。見るだけでやる気が湧いてく
けないで、決めたことを淡々と責
た。授業の最後には村田先生から
村田先生は以前、
「世界中の人を幸せにはできない
る、『できる!ノート』。村田先生
任を持っておこないたいです。上
ていると思うと、同じ船にみんな
らどこまでも頑張ることができ
けれど、せめて僕に出会った人を
が考えてくださった『スペシャル
手くできた日もできなかった日
素敵なプレゼントをいただきまし
る。不安や焦り。その気持ちに押
幸せにしたい」
プ リ ン ト 』。 日 々 の 授 業 で 教 え て
も、「 で き る!」 と 信 じ て 積 み 重
が乗って同じ目標を目指している
しつぶされることなく協力しなが
下さったことを書いたテキストや
ねていきます。合格は手段の一つ。
に力を貸していく。困難があった
としても、みんながそばにいるか
で進んでいきます。
は時間をはかって過去問題集を解
ら支え合うことで、重なっていく
とおっしゃっていました。
ノート。愛用の電卓。
簿記をする目的を忘れずにみんな
よ う で す。 一 生 懸 命 に 櫂 を こ ぎ、
大きな喜びや達成感。そして最後
人のためにいつも精一杯に生き
ていく姿はこころを動かされま
「簿記生のみんなと同じ気持ちで
還元していきたい
には大きな目標をみんなで、みん
す。先程も書きましたが簿記の目
いたい」「応援したい」
うまくこげない人がいたらその人
なに支えられて達成することがで
的には誰かの希望になるという内
た。
『 で き る! ノ ー ト 』 と『 ス
ペシャルプリント』三冊、
問題集。
村田先生から『できる!ノート』と
『スペシャルプリント』をいただきました!
きる。
(46)
村田先生と
ソフトバレー大会
楽しく、みんなで戦って、笑って、
ても、見ているだけでも、とても
ボールが舞い、そこから飛び散
り広がるみんなの笑顔。試合に出
試合が、とても暖かかったです。
打っては、返ってきて、また返
せば、戻ってきて、どの試合でも
イできて、嬉しかったです。
て、そうやって一緒になってプレ
というような暖かい声。嬉しさも
日中は簿記の授業でしたが、こ
の日は早めに授業が終わり、体力
た。
別な時間。とても大切な時間でし
した暖かい時間。一時間だけの特
夜の体育館に響き渡るみんなの
歓声、溢れる笑顔。みんなと過ご
ら、チームの人数を倍にできる『影
上・仕入値引き』カード、それか
取ると二倍獲得されてしまう、『売
自分がポイントを取れば二倍に
なるのですが、相手がポイントを
にちなんだカード。
今回はいつもとは違いスペシャ
ルカード付きでした、それも簿記
悔しかったり、みんなで一緒に戦
濃密な時間を味わうことができ
て嬉しかったです。嬉しかったり、
間でした。
んの華麗なプレイにドキドキの時
村田先生の力強いアタックに目
を輝かせたり、決まったかと思え
いなと思いました。そして、やっ
トバレーをできることが凄く嬉し
嬉しさを実感できる、そんなソフ
れ る、 協 力 す る こ と の 楽 し さ や、
繋げて、バレーを通して一つにな
何倍もになって、ミスも怖くなく
みんなで共有できた宝の時間でし
とても接戦であり、熱い戦いでし
を温存しました。何のためかとい
分身』カード。
えた時間がかけがえのない時間で
ぱりソフトバレーが好きだなと思
ちさ
た。
うと、村田先生が帰ってきてくだ
した。
みんなでウェーブで喜び、応援を
気がついたら、時計の針が一回
りもしていました。あっという間
ば、それをレシーブで返す大竹さ
た。
さって、みんなでソフトバレー大
一番盛り上がったのは『満期日』
カード。このカードの持っている
会が行われるからです。
いました。ソフトバレーの間に生
優しいクリーム色が広がっていて
することでした。目に見える力は
まれる暖かい空気が大好きです。
と、楽しみな気持ちが溢れ広がっ
その色がとても好きで、凄く安心
に時間になってしまいました。最
力とは、村田先生のお誕生日にち
な ん で、 六 点 と 十 四 点 に な る と、
みんなで助け合い、球を拾って、
始まる前からジワジワと染み
渡っていく、抑えきれない嬉しさ
ていて、そのなかにいられて、更
ないけれど、見えない大きな力が
後にみんなと閉会式を行い、笑顔
した気持ちになりました。
沸いてくる、素敵なカードでした。
です。
で終えられて、とても嬉しかった
私は一試合目から出場させて頂
きました。それも村田先生チーム
不思議な、けれど嬉しい時間でし
です。
凄く緊張もあったのですが、周
りにみんながいてくれていて、凄
た。みんなのなかにいられて、暖
宝の時間
に嬉しかったです。
そして待ちに待っていた夜。体
育 館 に は、 た く さ ん の 選 手 が 集
まっていました。みんなが簿記T
シャツという名のユニフォームを
開始の合図と共に、真剣な空気
に染まりました。そして、そのな
く嬉しかったし、心強かったです。
楽しいスポーツをしているよう
な、簿記の勉強をしているような、
かにある暖かみにとても安心しま
着て、ソフトバレー大会が始まり
ました。
し た。 一 緒 に な っ て 応 援 を し て、
過ごせた時間が嬉しかったです。
かい時間を共有できて、みんなと
一期生から六期生まで、それぞ
れにデザインされた簿記 シャツ
喜んで、一体となって進んでいく
決まったら一緒になって喜んだ
り、 ミ ス し て も、「 ド ン マ イ!」
T
を着ていて、でもみんなに共通の
(47)
ゆみ
劇で使える衣装などを考案してみ
たりと、チームに分かれて進めて
きました。お父さんのお誕生日会
では、ウィンターコンサートにつ
ながる要素がたくさん詰まってい
ます。
最初は、実行委員のなおちゃん
とあゆみちゃんの寸劇から始まり
宇 宙 旅 行 は、 六 つ の 星 を 巡 り、
六つの作品が披露されました。
が本当に嬉しくて、この日が来る
ました。寸劇を入れての司会進行
が 面 白 く て、 盛 り 上 が っ て 嬉 し
のが楽しみでした。
かったです。
各チームの発表
の船内に早変わりして、本当に非
日常の宇宙空間にいるような、感
覚がしました。
私は、ゆいちゃんチームに入ら
せてもらいました。私たちのチー
宙 旅 行 の 招 待 状 が 贈 ら れ ま し た。
ました。お父さんが好きなお花コ
し て、 フ ァ ッ シ ョ ン シ ョ ー を し
ムは、四つのキャラクターを設定
二時半、お誕生日会のスタートで
スモス、『コスモスコレクション』
あゆみちゃんとなおちゃんのM
Cの力で会場の図書室がロケット
す。
です。
本番は緊張しました。本番を終
えて、お父さんが、
のあゆみちゃんとなおちゃんが考
というファンたちがお祝いす
る、というコンセプトを実行委員
だ」
ンターコンサートにも使えそう
インディアンの衣装が素敵でウィ
「地球儀の帽子、宇宙的な衣装や、
えてくれていました。
(次ページへ続く)
と言って下さり、嬉しかったで
す。
ウ ィ ン タ ー コ ン サ ー ト に 向 け て、
脚本を書いてくれているお父さ
んの力になれるように、みんなと
「共に作品をつくりたい!」
偉大な脚本家、小野瀬健人氏の
お誕生日を、宇宙中の、
午後からは、みんなでお祝いの
会をしました。昼食の席では、宇
かったです。
られていて、とても華やかで嬉し
んの好きなコスモスもたくさん飾
んの似顔絵が描いてあり、お父さ
大 好 き な お 父 さ ん の お 誕 生 日。
朝、食堂に入ったら黒板にお父さ
十月十四日、お父さんのお誕生
日を、みんなでお祝いできること
――お父さんのお誕生日会――
感 謝 の 気持ちを込め て
(48)
(前ページからの続き)
み ん な の 出 し 物 に は、 ウ ィ ン
ターコンサートの脚本を考えてく
れているお父さん、お母さんの力
になりたい気持ちと、大好きなお
父さんのお誕生日をお祝いしたい
気持ちが、いっぱい詰まっていた
なと思いました。
本当にそれぞれがの作品が、一
つひとつの星のように、異空間に
連れて行ってくれるようでした。
どのチームも、本当に衣装や演
出 が 素 敵 だ っ た な と 思 い ま し た。
少しでもウィンターコンサートに
向けて、脚本を書いてくれている
(49)
めて感じた一日でした。
もらって、本当に幸せだなと、改
を感じました。
くのも、楽しみです。
これからウィンターコンサート
に向けて、みんなで作り上げてい
そして、どのチームからもウイ
ンターコンサートへ向かう気持ち
お父さんのお誕生日会
あおい
が見られたことも嬉しかったで
嬉しかったです。お父さんの笑顔
中 に い さ せ て も ら っ て 安 心 し て、
できて嬉しかったです。みんなの
んのお誕生日をお祝いすることが
う形でみんなで、大好きなお父さ
過ごす会の時間。お誕生日会とい
会に向けて、チームのみんなと
準備をした時間。そしてみんなと
て嬉しかったです。
とても美味しくてみんなと、頂け
と思いました。
お父さんの力になったら嬉しいな
私たちのチームは、今回は宇宙
人の不思議な雰囲気を出すために
てもらう、という設定でした。
持ちを込めたパフォーマンスを見
住人の、お父さんへのお祝いの気
を宇宙旅行に招待し、色々な星の
うみんなの希望に応え、お父さん
緒にコンサートを作りたい、とい
緒にコンサートに参加したい、一
今回のお誕生日会は、全宇宙の
お父さんのファン、お父さんと一
でした。
の パ ウ ン ド ケ ー キ を 頂 き ま し た。 『 セ ン ド・ マ イ・ ラ ブ 』 と い う 曲
会の最後には、『キチン星(キッ
チン)
』からのプレゼントの黒豆
千手観音のようなパフォーマンス
が今回やる新曲のアデルさんの
た。一番みんなの手が上がったの
補曲の中から多数決で決めまし
させてもらいました。みんなで候
私はまえちゃんチームのみんな
と一緒にダンスや衣装などを考え
ム、ダンスではなく寸劇を入れて
メドレーを作って使っているチー
具を使っているチームや候補曲の
て作っているのかわからない小道
衣装もすごかったです。どうやっ
一番最後です。みんなのダンスや
お誕生日会当日。会場は図書室
でした。私たちのチームの出番は
りました。
ミホイルでつけまつげや眉毛も作
頭の飾りも作りました。紙やアル
写真も参考にして、黒い不思議な
ちゃんが見せてくれたパリコレの
る よ う に し て 作 り ま し た。 ま え
チほどの銀色の爪も指にはめられ
手観音の時に目立つように十セン
などのマントを羽織りました。千
衣装は宇宙人感を出すために紺色
『ナインコーンズ』になりました。
何度も練習しました。チーム名は
とができてうれしかったです。
で練習してきたものを形にするこ
ができてうれしかったです。今ま
思いっきり手を振って終わること
で踊りました。最後にはみんなに
た。入場して曲に合わせてみんな
会場の入り口に行って待機しまし
と宇宙人の雰囲気が出ていて面白
飾り、つけまつげ、マントを着る
た。銀色の爪、不思議な黒い頭の
そのあと私たちは会場からさり
げなく抜けて衣装に着替えまし
かったです。
黒豆も乗っていてとてもおいし
休憩時間には黒豆のパウンド
ケーキをいただきました。横には
白かったです。
いるチームなど、どれもとても面
位置に手が出せるようにみんなで
す。
をすることにしました。決まった
かったです。衣装を着ると急いで
お父さん、お母さん、なのはな
ファミリーに出会って、理解して