資料3-2 財政制度等審議会 財政投融資分科会 編 成 上 の 論 点 株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN) 平成 28 年 11 月 11 日 財 務 省 理 財 局 (機関名:株式会社海外交通・都市開発事業支援機構) [平成 29 年度要求の概要] [編成上の論点] (単位:億円) 28 年 度 計画額 (A) 28 年 度 改定額 29 年 度 要求額 (B) 増減(△) 額 (=B-A) 事業規模 951 1,096 1,886 935 財政投融資① 900 1,045 1,842 942 財政融資 - - - - 産業投資 380 432 891 511 政府保証 520 613 951 431 自己資金等② 51 51 44 △7 財投機関債 - - - - 951 1,096 1,886 935 区 分 再計(①+②) 論点 案件の実現可能性や JOIN に求められる資金需要の観点から、適切な 要求額となっているか。また、JOIN の支援分野は資金回収までに長期間 を要することを踏まえ、JOIN の収益性をどのように確保していくか。 ― 1 ― 編 成 上 の 論 点 (機関名:株式会社海外交通・都市開発事業支援機構) 要求の内容 論 <平成 29 年度要求の概要> 交通・都市開発事業を行う事業者の海外展開を支援するため、機 構による現地事業体への出資等に必要な額として、産業投資 891 億円を要求。 さらに、案件によっては、相手国側との交渉や、現地の政情等に よって、急遽、動き出すことが想定されることから、このような状 況に機動的に対応するため、当該案件への出資等に必要な額とし て、政府保証 951 億円を要求。 点 論点 案件の実現可能性や JOIN に求められる資金需要の観点から、適切 な要求額となっているか。また、JOIN の支援分野は資金回収までに 長期間を要することを踏まえ、JOIN の収益性をどのように確保して いくか。 【論点に対する考え方】 ○ JOIN は、リスクマネーの供給やハンズオン支援等を通じて、日本 企業による交通・都市開発インフラ事業への海外展開を支援するた め、平成 26 年 10 月に設立された。 ○ 現時点における支援決定は 5 件、約 200 億円にとどまっていると ころ、計画と実績に乖離がある状況であり、多額の運用残が生じて いる。 ― 2 ― (参考1)JOIN の財投計画・実績推移 当初計画 26年度 (単位:億円) 運用残 実績 1,095 54 1,041 産業投資 585 54 531 政府保証 510 - 510 712 96 616 産業投資 372 96 276 政府保証 340 - 340 900 - 産業投資 380 - 政府保証 520 - 27年度 28年度 ○ このような状況の中、29 年度は産業投資 891 億円(前年度当初計 画比+511 億円)、政府保証 951 億円(前年度当初計画比+431 億円) と大幅な増要求。支援候補案件の中には、JOIN 支援基準の「最大出 資者要件」の例外※を適用して JOIN が巨額の出資をすることを想定 した大型案件が 2 件含まれており、要求額の 7 割以上を占めている。 株式会社海外交通・都市開発事業支援機構支援基準【抜粋】 ※ (平成 27 年 7 月 14 日国土交通省告示第 859 号) 民業補完性に配慮し、機構が我が国事業者との間で最大出資者とならないこ と。ただし、機構が我が国事業者との間で最大出資者となることが一時的であ ると認められる場合は、この限りでない。 ○ 本年 5 月に安倍総理から発表された「質の高いインフラ輸出拡大 イニシアティブ」等に的確に対応していく一方で、案件の実現可能 ― 3 ― 性や JOIN に求められる資金需要について精査し、真に必要な財投規 模とする必要。 (参考2)「質の高いインフラ輸出拡大イニシアティブ」【抜粋】 (平成 28 年 5 月 23 日経協インフラ戦略会議) 1.世界全体に対するインフラ案件向けリスクマネーの供給拡大 世界の膨大なインフラ需要等に対応し、資源価格低迷による世界経済の 減速及び将来の資源価格高騰リスクを低減させ、日本企業の受注・参入 を一層後押しするため、今後5年間の目標として、インフラ分野に対し て約 2,000 億ドルの資金等を供給する。 具体的には、①アジア地域から世界全体に拡大、②狭義のインフラから資 源エネルギー等も含む広義のインフラへ対象を拡大、③JICA、JBIC に加 え NEXI、JOIN、JICT、JOGMEC を追加する。 3.関係機関の体制強化と財務基盤確保 JICA、JBIC、NEXI、JOGMEC その他の関係機関の財務基盤の確保 質の高いインフラ輸出に果たす円借款の役割と規模の重要性に鑑み、拡大 する円借款の持続的な供与を可能とするとともに、関係機関のリスクマネ ーの供給拡大を可能とするよう、JICA、JBIC、NEXI、JOGMEC その他の関 係機関について十分な財務基盤を確保する。 ○ また、上述のとおり、支援候補案件の中に JOIN の出資額が巨額と なる大型案件が含まれていることから、JOIN の支援分野が資金回収 までに長期間を要することに留意しつつ、JOIN の収益性をどのよう に確保していくかについて検討が必要。 ― 4 ― ○ これについては、例えば、従来の長期案件に加えて、短期的な収 益が見込まれる案件を織り交ぜることにより、当面の収益性を確保 することが考えられる。 ○ 具体的には、民業補完性に配慮した上で、既に事業が運営されて いる案件(ブラウンフィールド案件)や、事業期間が短く資金回収 まで比較的短期間の投資を想定している案件等に取り組んでいくこ とにより、バランス良くポートフォリオを組んでいく必要があるの ではないか。 ― 5 ―
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