横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申第1356号から第1362号まで

横 浜 市 記 者 発 表 資 料
平成28年11月9日
市民局市民情報課
横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申第1356号から第1362号までについて
横浜市情報公開・個人情報保護審査会(会長
藤原 靜雄)は、本日、次の7件の答申
を行いました。
答申第1356号では、横浜市長が行った非開示決定は妥当であると判断しています。
答申第1357号から第1362号までのうち、答申第1360号については、横浜市長が行った
非開示決定は妥当であると判断しています。また、答申第1357号から第1359号まで、第
1361号及び第1362号については、本件申立文書のうち一部について、横浜市長が行った
非開示決定は妥当ではなく、行政文書を特定の上、改めて開示、非開示の判断をすべき
であると判断しています。
1
答申の件名
(1)
「イ本書 請求者が特定年月日付けで横浜市長に宛た開示請求書原本。」の非開示決定に
対する異議申立てについての答申
【答申第1356号】
(2)
「<別紙>の開示請求に係る 1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書」の非開示
決定に対する異議申立てについての答申
【答申第1357号】
(3)
「<別紙>の開示請求に係る 1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書」の非開示
決定に対する異議申立てについての答申
【答申第1358号】
(4)
「<別紙>の開示請求に係る 1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書」の非開示
決定に対する異議申立てについての答申
【答申第1359号】
(5)
「<別紙>の開示請求に係る 1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書」の非開示
決定に対する異議申立てについての答申
【答申第1360号】
(6)
「<別紙>の開示請求に係る 1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書」の非開示
決定に対する異議申立てについての答申
【答申第1361号】
(7)
「<別紙>の開示請求に係る 1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書」の非開示
決定に対する異議申立てについての答申
【答申第1362号】
- 1 -
2
諮問までの経過等
答申
番号
請求日
決定通知日
異議申立日
諮問日
請求者 実施機関
1356 平成27年11月20日 平成27年12月3日 平成27年12月28日 平成28年1月18日 個人
市長
1357 平成27年12月28日 平成28年2月16日 平成28年3月8日 平成28年4月7日 個人
市長
1358 平成28年1月12日 平成28年3月1日 平成28年3月8日 平成28年4月7日 個人
市長
1359 平成27年11月20日 平成28年1月29日 平成28年3月11日 平成28年4月7日 個人
市長
1360 平成27年11月20日 平成28年1月29日 平成28年3月11日 平成28年4月7日 個人
市長
1361 平成27年11月20日 平成28年1月29日 平成28年3月11日 平成28年4月7日 個人
市長
1362 平成28年2月5日 平成28年3月28日 平成28年3月31日 平成28年4月14日 個人
市長
3
対象行政文書、原処分の決定内容、審査会の結論
答申
番号
対象行政文書
審査会
の結論
原処分の決定内容・主な理由(概要)
非開示
横浜市の保有する情報の公開に関する条例(平成
「イ本書 請求者 12年2月横浜市条例第1号。以下「条例」という。)
が特定年月日付 第9条に該当
けで横浜市長に
(当該開示請求に係る行政文書が存在している
宛た開示請求書
1356
か否かを答えるだけで、条例第7条第2項第2
原本。」
号により、非開示とすべき個人に関する情報を
(以下「本件申立
開示することとなり、存否を明らかにすること
文書」という。)
ができない文書であるため。)
原処分妥当
非開示
条例第6条第2項
1357
~
1362
(条例第6条2項の規定による、開示請求書の補
正の求め(平成28年1月5日建建道第1248号及
び平成28年1月27日建建道第1299号)に対し
て、期限内に行政文書の名称その他の開示請求
に係る行政文書を特定するに足りる事項を示
すなどの補正がなされず、請求対象文書を特定
できなかったため。)
「<別紙>の開示
請求に係る 1
行政文書の名称
又は内容の枠内
に記載の文書」
(以下「本件申立
文書」という。)(答申第1357号のもの。答申第1358号から第1362
号までについては、補正依頼書の送付日及び文
書番号がそれぞれ違う。)
- 2 -
答申第1360号につい
ては原処分妥当
答申第1357号から第
1359号まで、第1361号
及び第1362号につい
ては、本件申立文書の
うち一部について、行
政文書を特定して改
めて開示、非開示の判
断をすべき
4
審査会の判断の要旨
答申
番号
判断の要旨
《行政文書の開示請求に係る事務について》
ア
横浜市は、条例を制定し、市民の知る権利の尊重と、市が市政に関して説明する責務を
明記するとともに、行政文書の開示を求める権利を広く何人にも保障している。また、附
属機関の会議の公開や出資法人等の情報公開にも取り組むなど、情報公開の総合的な推進
を図っている。
イ
実施機関は、請求のあった行政文書について、原則として請求日の翌日から14日以内に
開示するかどうかの決定を行い、請求者にその内容を通知している。また、開示請求に係
る行政文書は、原則として開示するが、個人に関する情報であって、特定の個人を識別す
ることができる情報など、条例第7条第2項各号に掲げる情報については、開示しないこ
とができるとされている。
《本件申立文書について》
本件申立文書は、特定個人から、特定年月日に実施機関に提出されたとされる開示請求書
原本である。
《存否応答拒否について》
1356
存否応答拒否は、個人や法人等の正当な権利利益等として非開示情報に該当する情報等で
あって、開示請求に対して当該情報の開示、非開示又は不存在を答えることによって、非開
示として保護すべき権利利益が損なわれる場合に適用されるものである。そのため、請求内
容から推し量られる情報が条例上非開示として保護すべき情報に該当する場合に、非開示と
して応答することによって生じる支障を回避しようとするものであり、当該情報が存在して
も、存在しなくても適用すべきものである。
したがって、存否応答拒否を行うには、①特定のものを名指しし、又は特定の事項、場所、
分野等を限定した開示請求が行われたため、当該情報の開示、非開示又は不存在を答えるこ
とによって、開示したのと同様の効果が生じること及び②開示請求に係る情報が、非開示と
して保護すべき利益があることの二つの要件を備えていることが必要であると解される。
《本件処分の妥当性について》
ア
本件処分は、実施機関が、本件申立文書が存在しているか否かを答えるだけで、条例第
7条第2項第2号に基づき非開示として保護されるべき情報を明らかにしてしまうこと
になるとして、条例第9条に基づき、本件申立文書の存否を明らかにしないで非開示決定
をしたものである。
そこで、本件処分が上記で示した二つの要件を備えているかについて以下検討する。
イ
まず、本件請求に係る上記①の要件について検討する。
本件請求は、「イ本書 請求者が特定年月日付けで横浜市長に宛た開示請求書原本。」
という開示請求書の記載から、特定の者を名指しして行われたものであることが認められ
る。
そのため、本件請求に対して、開示決定又は非開示情報該当を理由とした非開示若しく
は一部開示の決定を行った場合には、本件申立文書が存在すること、すなわち特定個人が
特定年月日に実施機関宛に開示請求書を提出したという事実を明らかにすることとなる。
また、不存在による非開示決定を行えば本件申立文書が存在しないこと、すなわち特定個
人が特定年月日に実施機関宛てに開示請求書を提出していないという事実を明らかにす
ることになるため、上記①の要件に該当する。
ウ
次に、本件請求に係る上記②の要件について検討する。
特定個人が特定年月日に開示請求書を提出し、または提出していないという情報は、個
人に関する情報であって、特定の個人が識別されるものであるから、条例第7条第2項第
- 3 -
答申
番号
判断の要旨
2号本文前段に該当する。また、当該情報は、同号ただし書アからウまでのいずれにも該
当しない。そのため、本件請求に係る情報について非開示として保護すべき利益があると
考えられるため、上記②の要件に該当する。
エ
オ
したがって、本件処分は存否応答拒否の要件を充足するというべきである。
なお、本件請求は、一般の開示請求であるが、条例において定められた開示請求権は何
人に対しても等しく認められるものであり、開示請求者が誰であるか等の個別的事情に
よって、当該行政情報の開示決定等の結論に影響を及ぼすものではない。
《その他》
ア
本件において当審査会の判断を左右するものではないが、申立人は、民事裁判で提出さ
れた書面は全て訴訟記録として裁判所において保管され閲覧可能となっており、公開され
ているものであることを理由に、本件申立文書を開示すべき旨も主張している。
確かに、民事訴訟法(平成8年法律第109号)第91条第1項は、「何人も、裁判所書記
官に対し、訴訟記録の閲覧を請求することができる。」と規定している。
しかし、裁判所における訴訟記録の閲覧については、訴訟記録の事件番号、当事者氏名
等で閲覧を希望する訴訟記録を特定することが事実上要請されており、同法第92条は秘密
保護のための閲覧等の制限についても規定していることから、常に裁判所が訴訟記録の閲
覧を無条件に容認するものではないと解される。当審査会の先例答申第1225号等でも、裁
判の公開や一定の要件の下に認められる訴訟記録の閲覧は、裁判の公正と司法権に対する
国民の信頼を確保する要請に基づくものであり、条例に基づく開示請求制度とは趣旨・目
的を異にするものであって、訴訟記録に記載されている情報が、情報公開の手続において、
直ちに一般に公にされるべきものとは認められないと判断している。
1356
当審査会の先例答申第1225号等でも、裁判の公開や一定の要件の下に認められる訴訟記
録の閲覧は、裁判の公正と司法権に対する国民の信頼を確保する要請に基づくものであ
り、条例に基づく開示請求制度とは趣旨・目的を異にするものであって、訴訟記録に記載
されている情報が、情報公開の手続において、直ちに一般に公にされるべきものとは認め
られないと判断している。
これらのことから、民事訴訟法に基づく閲覧制度が設けられていること等をもって、条
例第7条第2項第2号ただし書アに定める「法令等の規定により又は慣行として公にさ
れ、又は公にされることが予定されている情報」であるとはいえない。イ 申立人は、条
例第6条第2項に定める補正依頼について、電話伝達ができなかったから非開示にしたと
は言語道断であり、条例に反する行為であると主張している。この点について実施機関に
確認したところ、電話をかけた事実はあるが、その内容は、特定の者を名指しして開示請
求をした場合、存否応答拒否処分となる旨、また、自身の情報を開示請求する場合は、個
人情報本人開示請求を行わなければならない旨を伝えようとしたとのことであった。つま
り、補正依頼ではなく、手続きの案内を意図したものであるとのことであった。
イ
申立人は、条例第6条第2項に定める補正依頼について、電話伝達ができなかったから
非開示にしたとは言語道断であり、条例に反する行為であると主張している。この点につ
いて実施機関に確認したところ、電話をかけた事実はあるが、その内容は、特定の者を名
指しして開示請求をした場合、存否応答拒否処分となる旨、また、自身の情報を開示請求
する場合は、個人情報本人開示請求を行わなければならない旨を伝えようとしたとのこと
であった。つまり、補正依頼ではなく、手続きの案内を意図したものであるとのことであっ
た。
ウ
申立人は、意見書において、複数の文書を指定した開示請求のうち1つにしか回答がな
いとも主張している。この点について、当審査会で開示決定等の状況について確認したと
ころ、実施機関は、本件処分のあった平成27年12月3日以前の平成27年11月27日付で本件
申立文書以外の請求内容について、申立人宛に補正依頼書を送付しており、その後、非開
示決定の通知が送付されていた。このことから、本件処分日において、複数の文書を指定
した開始請求に対する回答は、本件処分のほかに補正依頼書という形でされており、申立
人の主張する事実は認められない。
- 4 -
答申
番号
判断の要旨
《本件処分に至る経緯》
ア 当審査会が確認したところ、次の事実が認められた。
(ア) 申立人は、別表2に示す開示請求日の日付で、開示請求書の「開示請求に係る行政文
書の名称又は内容」欄に、それぞれ別表1-1から1-6までの「諮問に係る別紙の記
載」のとおり記載し、本件請求を行った。
(イ) 実施機関は、開示請求書の「開示請求に係る行政文書の名称又は内容」欄に記載され
た内容では文書の特定ができないとして、開示請求書の補正のため、別表2に示す補正
(1回目)の日付で申立人あてに1回目の補正依頼書を送付した。しかし、補正依頼書
記載の期限内に補正がされなかったため、改めて別表2に示す補正(2回目)の日付で
2回目の補正依頼書を送付し、複数回にわたって開示請求書の補正を求めた。
イ 当審査会で本件請求に係る開示請求書を見分したところ、開示請求書の一部の記載につ
いては、必ずしも補正をせずとも文書の特定ができるものもあると思われたため、平成28
年8月26日に、補正を求めた理由について実施機関から事情聴取を行ったところ次のとお
り説明があった。
(ア) 実施機関では、これまでにも同一の文書についての開示請求を複数回受けてきたが、
本件に先立ち次のような経緯があった。
平成27年6月26日に開示請求のあった行政文書の開示の実施について申立人と日程
調整したところ、調整に応じなかった。そのため、実施機関では、平成27年9月2日を
開示予定日として設定し、申立人に通知したが、当日に申立人は来庁しなかった。その
後、申立人と再度開示の日程について調整し、平成27年10月2日に開示を実施したが、
1357
その際に申立人は、自身が求める文書は、実施機関が特定した文書ではないと言って離
~
席し、戻らなかった。その結果、開示の実施が中断され、開示を完了することができな
1362
かった。実施機関では、開示を完了することができなかった案件以降、本件請求を含め
て、実施機関が特定した文書と申立人が求める文書は異なる文書であると判断し、開示
請求書に文書番号等の記載があったとしても、申立人が求める文書が何かを確認するた
めに補正依頼書を送付するようになった。
(イ) 申立人は、本件において、実施機関が送付した1回目の補正依頼書に対して、実施機
関の定めた期限までに補正を行わなかった。そのため、実施機関では、改めて期限を定
めて、申立人あてに2回目の補正依頼書を送付した。しかし、申立人は、改めて定めた
期限までに補正を行わなかったため、実施機関は、本件請求に係る対象行政文書が特定
できないとして、別表2に示す非開示決定日の日付で本件請求に対する非開示決定を
行った。
(ウ) 申立人は、本件請求に係る行政文書について、実施機関の保有文書を過去に数回閲覧
したことがある。しかしながら、申立人は、実施機関が特定した行政文書のほかに、本
件請求に係る行政文書が存在するはずであるという理由から同一の文書について繰り
返し開示請求を行っている。
(エ) 事情聴取の時点においても申立人からの開示請求は繰り返しされているが、実施機関
では、平成28年6月7日の開示請求以降、補正依頼の手続についての運用を改め、補正
を求めることなく、開示請求書に記載された内容から想定される行政文書について可能
な限り文書特定をして開示、非開示を判断している。
(オ) さらに、申立人は実施機関に対し、開示された文書は偽造やねつ造であると主張して
いるが、そのような事実はない。
《本件処分の妥当性について》
ア
条例第6条第2項に規定する「開示請求書に形式上の不備があると認めるとき」とは、
記載事項に漏れがある場合、記載内容の意味が不明な場合又は記載が不鮮明な場合のほ
か、同条第1項第2号に規定する「開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項」の
記載が不十分であるため開示請求に係る行政文書が特定できない場合を含むと解される。
また、開示請求者は行政文書がどのような形で存在しているかを知らないことも少なく
ないことから、条例では対象行政文書を特定するのに参考となる情報を提供する努力義務
を実施機関に課しており、その趣旨からすれば、当該規定は、開示請求書において開示請
- 5 -
答申
番号
判断の要旨
求に係る行政文書が具体的に特定された形で記載されることを予定しているものという
ことができる。
イ
実施機関は、本件処分を行うに当たって、本件請求に係る開示請求書に記載された内容
では対象行政文書を特定することが困難であるため、条例第6条第2項の規定に基づき、
開示請求書の補正を求めたが、申立人が補正に応じなかったために対象行政文書を特定す
ることができず、本件処分を行ったと説明している。
ウ
これに対し申立人は、本件請求に係る行政文書は裁判所や関係部署を通じて公になって
おり、また、文書名や文書番号を明示した上で開示請求を行っており、補正を要するよう
な文書ではなく、補正に応じる必要はないと主張している。
エ
1357
~
1362
当審査会では、実施機関の説明及び申立人の主張を踏まえて、本件処分における対象行
政文書特定のための補正の手続について次のとおり検討した。
(ア) 当審査会で、本件請求に対する答申第1361号に係る開示請求書を見分したところ、
「規
定に基づき行政文書の開示請求をしたにも関わらず、横浜市長(代務A建築局長)は、
開示請求した文書を「の一部について」等と勝手に変更を企てているが、請求書通り全
部の開示を求める。・・・(ロ及びハ省略)・・・ニ 3月9日付開示請求を平成27年
4月28日開示決定した開示決定通知書。ホ 3月9日付開示請求を平成27年5月18日開
示した開示文書一式。」と記載されている。当該請求については、その記載内容の一部
から、本件に係る実施機関の所管課が平成27年4月28日に開示決定した開示決定通知書
及び開示文書一式を求めているものと解することができ、文書特定が可能なものが存在
すると考えられる。このほかにも、答申第1357号から第1362号までに係る開示請求書に
は、特定訴訟に係る訴訟関係書類一式など、対象行政文書を特定できると思われる記載
が含まれている。
(イ) このことに関して、実施機関は次のように説明している。
本件請求より前の別の開示請求に対する開示の実施の際、開示した文書の特定に申立
人が納得せず離席し戻らず、開示の実施が中断され、開示が完了しなかったことがあっ
た。また、それ以前から、申立人は開示等の決定が通知される前に同一と推測される文
書に係る開示請求書を複数回実施機関あてに提出している。そのため、実施機関は、開
示請求書どおりに特定した文書と申立人が求める文書は異なる文書であると判断し、補
正依頼書を送付するようになった。
これらの説明から、実施機関においては、申立人が求める文書を正確に把握できない
状態となっており、開示請求書に文書番号等の記載があったとしても、申立人が求める
文書が何かを正確に把握するため、補正依頼書を送付したことには、相応の理由があっ
たと考えられる。
(ウ) 一方、申立人は、異議申立書等で、実施機関の説明は間違いばかりであり、実施機関
が行った補正依頼の手続に信用がおけず、補正依頼に応じるなど馬鹿げた話であると主
張している。さらに、申立人は、文書名や文書番号を明示した上で開示請求を行ってお
り、補正を要するような文書ではないとも主張している。
このことから、少なくとも、自ら開示を求める行政文書の内容について実施機関に対
して具体的に説明し、対象行政文書の特定に協力する意思が申立人に十分にあったとは
認められない。
(エ)
しかしながら、当審査会が本件補正依頼書を改めて確認したところ、実施機関は、
本件請求から推測される文書の文書番号の一覧を添付して申立人あてに送付している。
実施機関は、本件開示請求書の記載から、当該請求に対する対象行政文書をある程度は
推測しているということができる。
さらに、実施機関は、平成28年6月20日以降の申立人からの開示請求について、開示
請求書の記載から対象行政文書の推測が可能な分については補正依頼書を送付するこ
となく、開示、非開示等の決定をしていると説明している。
これらのことから、本件請求についても開示請求書の記載から対象行政文書を全く特
定できなかったとは考えられない。
そこで、改めて本件請求に係る各開示請求書の記載を見ると、実施機関が主張するよ
うにこれまでの経緯から補正依頼書を送付したことに相応の理由があり、また、申立人
- 6 -
答申
番号
判断の要旨
が補正依頼に対して協力的ではなかったとしても、別表3に示す開示請求書の記載につ
いては、条例第6条第1項第2号の「開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項」
の記載が不十分であったとは認められないというべきである。
以上のことから、実施機関は、別表3に示す開示請求書の記載について行政文書を特
定の上、改めて開示、非開示等の決定をすべきである。
(オ) なお、条例第6条第2項の規定の趣旨は、開示請求制度において、実施機関及び開示
請求者の双方が開示請求に係る行政文書の特定に向けて協力し、正しく行政文書の特定
ができるよう取り扱われることである。当審査会が本件処分の妥当性を検討した中で
は、本件において、実施機関及び申立人の双方でこの手続が適正に行われていたとはい
えない。今後は実施機関及び申立人の双方において、開示請求制度の趣旨を踏まえた適
正な手続が行われることを望むものである。
さらに、当審査会において本件に係る補正依頼書を見分したところ、本件においては、
実施機関が申立人あてに補正依頼書を送付する際、参考資料として、
「過去に請求のあっ
た文書番号一覧」を添付しており、これにより、開示請求の対象となる文書がかえって
不明確となるおそれもあった。実施機関においては、前述の適正な手続に基づき、補正
依頼書を送付するよう望む。
《その他》
ア 本件において当審査会の判断を左右するものではないが、申立人は、裁判で提出された
書面は全て訴訟記録として裁判所において保管され閲覧可能となっており、公開されてい
るものであることを理由に、本件申立文書を開示すべき旨も主張している。
1357
確かに、民事訴訟法(平成8年法律第109号)第91条第1項は、「何人も、裁判所書記
~
官に対し、訴訟記録の閲覧を請求することができる。」と規定している。
1362
しかし、裁判所における訴訟記録の閲覧については、訴訟記録の事件番号、当事者氏名
等で閲覧を希望する訴訟記録を特定することが事実上要請されており、同法第92条は秘密
保護のための閲覧等の制限についても規定していることから、常に裁判所が訴訟記録の閲
覧を無条件に容認するものではないと解される。
当審査会の先例答申第1225号等でも、裁判の公開や一定の要件の下に認められる訴訟記
録の閲覧は、裁判の公正と司法権に対する国民の信頼を確保する要請に基づくものであ
り、条例に基づく開示請求制度とは趣旨・目的を異にするものであって、訴訟記録に記載
されている情報が、情報公開の手続において、直ちに一般に公にされるべきものとは認め
られないと判断している。
これらのことから、民事訴訟法に基づく閲覧制度が設けられていること等をもって、条
例第7条第2項第2号ただし書アに定める「法令等の規定により又は慣行として公にさ
れ、又は公にされることが予定されている情報」であるとはいえない。
イ なお、申立人は、実施機関が開示した文書は偽造やねつ造が施された文書であると主張
しているため、申立人の主張について、実施機関からの事情聴取の際に確認した。
実施機関では、平成28年6月20日以降は開示請求書の記載から、可能な限り文書の特定
をしている。また、非開示として保護すべき情報については、条例に基づき開示、非開示
等を判断し、その結果非開示とすべきと判断した部分については、黒く塗抹して開示の対
応を行っている。よって、申立人の主張するような偽造やねつ造を行った事実はないと説
明している。
実施機関からの説明における、条例に基づき開示、非開示等を判断し、非開示となる部
分を黒く塗抹して開示しているという事務説明からは、偽造やねつ造の事実を疑わせる特
段の事情は認められなかった。
- 7 -
5
審査会の答申(別添のとおり)
資料1:答申第1356号
資料2:答申第1357号から第1362号まで
6
条例(抜粋)
横浜市の保有する情報の公開に関する条例
(開示請求の手続)
第6条 前条第1項の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は、次に掲げる事項を
記載した書面(以下「開示請求書」という。)を実施機関に提出してしなければならない。
(1) 開示請求をするものの氏名又は名称及び住所又は事務所若しくは事業所の所在地並びに
法人その他の団体にあっては代表者の氏名
(2) 行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認めるときは、開示請求をしたもの(以下「開
示請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合
において、実施機関は、開示請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければ
ならない。
(行政文書の存否に関する情報)
第9条 開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、非
開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該行政文書の存否を明らかにしないで、
当該開示請求を拒否することができる。
お問合せ先
市民局市民情報課担当課長 渡邉 淳
- 8 -
Tel 045-671-2319
資 料 1
横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申
(答申第1356号)
平成28年11月9日
横 情 審 答 申 第 1356号
平 成 28年 11月 9日
横浜市長
林
文 子
様
横浜市情報公開・個人情報保護審査会
会 長
藤 原
靜 雄
横浜市の保有する情報の公開に関する条例第19条第1項の規定に基づく
諮問について(答申)
平成28年1月18日建建道第1266号による次の諮問について、別紙のとおり答申します。
「イ本書
請求者が特定年月日付けで横浜市長に宛た開示請求書原本。」
の非開示決定に対する異議申立てについての諮問
別
答
1
紙
申
審査会の結論
横浜市長が、「イ本書
請求者が特定年月日付けで横浜市長に宛た開示請求書原
本。」の存否を明らかにしないで非開示とした決定は、妥当である。
2
異議申立ての趣旨
本件異議申立ての趣旨は、「イ本書
請求者が特定年月日付けで横浜市長に宛た開
示請求書原本。」(以下「本件申立文書」という。)の開示請求(以下「本件請求」
という。)に対し、横浜市長(以下「実施機関」という。)が平成27年12月3日付で
行った非開示決定(以下「本件処分」という。)の取消しを求めるというものである。
3
実施機関の非開示理由説明要旨
本件申立文書は、横浜市の保有する情報の公開に関する条例(平成12年2月横浜市
条例第1号。以下「条例」という。)第9条に該当するため、その存否を明らかにし
ないで非開示としたものであって、その理由は次のように要約される。
(1)
条例第9条の該当性について、横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申第1266
号等では、条例第9条に基づく存否応答拒否の適用に当たっては、①特定のものを
名指しし、又は特定の事項、場所、分野等を限定した開示請求が行われたため、当
該情報の開示若しくは非開示又は不存在を答えることによって、開示したのと同様
の効果が生じること及び②開示請求に係る情報が、非開示として保護すべき利益が
あることの2つの要件を備えていることが必要であると解されている。
(2)
まず、本件請求が上記①の要件に該当するか否かについて説明する。本件請求は、
特定個人を名指しし、当該特定個人が特定年月日に提出した開示請求書原本の開示
を求めている。したがって、一部開示決定又は非開示決定を行えば本件申立文書が
存在することが明らかとなり、また、不存在による非開示決定を行えば本件申立文
書が存在しないことを答えることになる。その結果、特定個人が特定年月日に開示
請求書を提出したことの事実の有無が明らかになり、本件申立文書を開示したのと
同様の効果が生じることとなる。
したがって、上記①の要件に該当する。
(3)
次に、本件請求に係る情報が上記②の要件に該当するか否か、すなわち条例第7
条第2項第2号で規定する非開示事由に該当するか否かについて説明する。
-1-
開示請求書を提出したという事実の有無は、個人に関する情報であって、特定の
個人を識別することができるものであることから、本号本文に該当し、本号ただし
書アからウまでのいずれにも該当しない。
したがって、上記②の要件に該当する。
4
異議申立人の本件処分に対する意見
異議申立人(以下「申立人」という。)が、異議申立書及び意見書において主張し
ている本件処分に対する意見は、次のように要約される。
(1)
本件処分を取り消し、本件申立文書の全部を開示するよう求める。
(2)
本件申立文書は、裁判所及び関係部署において既に公にされている情報であり、
条例第7条第2項第2号には該当せず開示することが妥当であると考える。
(3)
実施機関は、開示請求書の補正を行うに当たって、電話伝達ではなく、文書送付
による補正を行うべきである。申立人は、電話伝達ができなかったから非開示にし
たとは言語道断であり、条例に反する行為であると考える。
(4)
申立人は、本件請求時に複数の文書を指定して提出した。しかし、本件処分は、
複数の文書を指定した開示請求のうち1つにしか回答がない。実施機関は、条例の
規定どおり全ての文書に対して早急に開示決定をすべきである。
5
審査会の判断
(1)
行政文書の開示請求に係る事務について
ア
横浜市は、条例を制定し、市民の知る権利の尊重と、市が市政に関して説明す
る責務を明記するとともに、行政文書の開示を求める権利を広く何人にも保障し
ている。また、附属機関の会議の公開や出資法人等の情報公開にも取り組むなど、
情報公開の総合的な推進を図っている。
イ
実施機関は、請求のあった行政文書について、原則として請求日の翌日から14
日以内に開示するかどうかの決定を行い、請求者にその内容を通知している。ま
た、開示請求に係る行政文書は、原則として開示するが、個人に関する情報であ
って、特定の個人を識別することができる情報など、条例第7条第2項各号に掲
げる情報については、開示しないことができるとされている。
(2)
本件申立文書について
本件申立文書は、特定個人から、特定年月日に実施機関に提出されたとされる開
示請求書原本である。
-2-
(3)
ア
存否応答拒否について
条例第9条は、「開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在してい
るか否かを答えるだけで、非開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、
当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができ
る。」と規定している。
イ
存否応答拒否は、個人や法人等の正当な権利利益等として非開示情報に該当する
情報等であって、開示請求に対して当該情報の開示、非開示又は不存在を答えるこ
とによって、非開示として保護すべき権利利益が損なわれる場合に適用されるもの
である。そのため、請求内容から推し量られる情報が条例上非開示として保護すべ
き情報に該当する場合に、非開示として応答することによって生じる支障を回避し
ようとするものであり、当該情報が存在しても、存在しなくても適用すべきもので
ある。
したがって、存否応答拒否を行うには、①特定のものを名指しし、又は特定の
事項、場所、分野等を限定した開示請求が行われたため、当該情報の開示、非開
示又は不存在を答えることによって、開示したのと同様の効果が生じること及び
②開示請求に係る情報が、非開示として保護すべき利益があることの二つの要件
を備えていることが必要であると解される。
(4)
ア
本件処分の妥当性について
本件処分は、実施機関が、本件申立文書が存在しているか否かを答えるだけで、
条例第7条第2項第2号に基づき非開示として保護されるべき情報を明らかにし
てしまうことになるとして、条例第9条に基づき、本件申立文書の存否を明らか
にしないで非開示決定をしたものである。
そこで、本件処分が上記(3)イで示した二つの要件を備えているかについて以
下検討する。
イ
条例第7条第2項第2号本文では、「個人に関する情報・・・であって、当該
情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別すること
ができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することがで
きることとなるものを含む。)」については、開示しないことができると規定し
ている。
ウ
まず、本件請求に係る上記①の要件について検討する。
本件請求は、「イ本書
請求者が特定年月日付けで横浜市長に宛た開示請求書
-3-
原本。」という開示請求書の記載から、特定の者を名指しして行われたものであ
ることが認められる。
そのため、本件請求に対して、開示決定又は非開示情報該当を理由とした非開
示若しくは一部開示の決定を行った場合には、本件申立文書が存在すること、す
なわち特定個人が特定年月日に実施機関宛に開示請求書を提出したという事実を
明らかにすることとなる。また、不存在による非開示決定を行えば本件申立文書
が存在しないこと、すなわち特定個人が特定年月日に実施機関宛てに開示請求書
を提出していないという事実を明らかにすることになるため、上記①の要件に該
当する。
エ
次に、本件請求に係る上記②の要件について検討する。
特定個人が特定年月日に開示請求書を提出し、または提出していないという情
報は、個人に関する情報であって、特定の個人が識別されるものであるから、条
例第7条第2項第2号本文前段に該当する。また、当該情報は、同号ただし書ア
からウまでのいずれにも該当しない。そのため、本件請求に係る情報について非
開示として保護すべき利益があると考えられるため、上記②の要件に該当する。
オ
したがって、本件処分は存否応答拒否の要件を充足するというべきである。
カ
なお、本件請求は、一般の開示請求であるが、条例において定められた開示請
求権は何人に対しても等しく認められるものであり、開示請求者が誰であるか等
の個別的事情によって、当該行政情報の開示決定等の結論に影響を及ぼすもので
はない。
(5)
ア
その他
本件において当審査会の判断を左右するものではないが、申立人は、民事裁判
で提出された書面は全て訴訟記録として裁判所において保管され閲覧可能となっ
ており、公開されているものであることを理由に、本件申立文書を開示すべき旨
も主張している。
確かに、民事訴訟法(平成8年法律第109号)第91条第1項は、「何人も、裁
判所書記官に対し、訴訟記録の閲覧を請求することができる。」と規定している。
しかし、裁判所における訴訟記録の閲覧については、訴訟記録の事件番号、当
事者氏名等で閲覧を希望する訴訟記録を特定することが事実上要請されており、
同法第92条は秘密保護のための閲覧等の制限についても規定していることから、
常に裁判所が訴訟記録の閲覧を無条件に容認するものではないと解される。
-4-
当審査会の先例答申第1225号等でも、裁判の公開や一定の要件の下に認められ
る訴訟記録の閲覧は、裁判の公正と司法権に対する国民の信頼を確保する要請に
基づくものであり、条例に基づく開示請求制度とは趣旨・目的を異にするもので
あって、訴訟記録に記載されている情報が、情報公開の手続において、直ちに一
般に公にされるべきものとは認められないと判断している。
これらのことから、民事訴訟法に基づく閲覧制度が設けられていること等をも
って、条例第7条第2項第2号ただし書アに定める「法令等の規定により又は慣
行として公にされ、又は公にされることが予定されている情報」であるとはいえ
ない。
イ
申立人は、条例第6条第2項に定める補正依頼について、電話伝達ができなか
ったから非開示にしたとは言語道断であり、条例に反する行為であると主張して
いる。この点について実施機関に確認したところ、電話をかけた事実はあるが、
その内容は、特定の者を名指しして開示請求をした場合、存否応答拒否処分とな
る旨、また、自身の情報を開示請求する場合は、個人情報本人開示請求を行わな
ければならない旨を伝えようとしたとのことであった。つまり、補正依頼ではな
く、手続きの案内を意図したものであるとのことであった。
ウ
申立人は、意見書において、複数の文書を指定した開示請求のうち1つにしか
回答がないとも主張している。この点について、当審査会で開示決定等の状況に
ついて確認したところ、実施機関は、本件処分のあった平成27年12月3日以前の
平成27年11月27日付で本件申立文書以外の請求内容について、申立人宛に補正依
頼書を送付しており、その後、非開示決定の通知が送付されていた。このことか
ら、本件処分日において、複数の文書を指定した開始請求に対する回答は、本件
処分のほかに補正依頼書という形でされており、申立人の主張する事実は認めら
れない。
(6)
結論
以上のとおり、実施機関が本件申立文書を条例第9条に該当するとして、その存
否を明らかにしないで非開示とした決定は、妥当である。
(第二部会)
委員
金子正史、委員
髙橋良、委員
稲垣景子
-5-
《
参
考
》
審
年
月
査
会
の
日
審
経
査
過
の
経
過
平 成 2 8 年 1 月 1 8 日 ・実施機関から諮問書及び非開示理由説明書を受理
平成28年1月21日
(第192回第三部会)
平成28年1月28日
・諮問の報告
(第282回第一部会)
平成28年1月29日
(第285回第二部会)
平 成 2 8 年 2 月 2 3 日 ・申立人から意見書を受理
平成28年4月26日
・審議
(第291回第二部会)
平成28年5月13日
・審議
(第292回第二部会)
平成28年5月27日
・審議
(第293回第二部会)
平成28年6月10日
・審議
(第294回第二部会)
平成28年10月14日
・審議
(第301回第二部会)
-6-
資 料 2
横浜市情報公開・個人情報保護審査会答申
(答申第1357号から第1362号まで)
平成28年11月9日
横情審答申第1357号から第1362号まで
平 成 28年 11月 9日
横浜市長
林
文子
様
横浜市情報公開・個人情報保護審査会
会 長
藤
原
靜
雄
横浜市の保有する情報の公開に関する条例第19条第1項の規定に基づく
諮問について(答申)
平成28年4月7日建建道第1591号、平成28年4月7日建建道第1592号、平成28年4
月7日建建道第1601号、平成28年4月7日建建道第1602号、平成28年4月7日建建道
第1603号及び平成28年4月14日建建道第66号による次の同一諮問件名に係る6件の諮
問について、別紙のとおり答申します。
「<別紙>の開示請求に係る
1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の
文書」の非開示決定に対する異議申立てについての諮問
別
答
1
紙
申
審査会の結論
横浜市長が、別表1-1から1-6までに示す6件の開示請求に対して非開示とし
た各決定のうち、別表3に示す開示請求書の記載に係る行政文書を非開示とした決定
は妥当ではなく、対象行政文書を特定の上、改めて開示、非開示等の決定をすべきで
あるが、その余の請求について非開示とした決定は妥当である。
2
異議申立ての趣旨
本件異議申立ての趣旨は、別表1-1から1-6までに示す6件の行政文書の開示
請求(以下「本件請求」という。)に対し、横浜市長(以下「実施機関」という。)
が平成28年2月16日付ほかの別表2で示す日付で行った非開示決定(以下「本件処
分」という。)の取消しを求めるというものである。
3
実施機関の非開示理由説明要旨
本件請求については、横浜市の保有する情報の公開に関する条例(平成12年2月横
浜市条例第1号。以下「条例」という。)第6条第2項の規定に基づき補正を求めた
が、異議申立人(以下「申立人」という。)である開示請求者が補正に応じないため、
不適法な請求として非開示としたものであり、その理由は、次のように要約される。
(1)
文書による補正について、本件請求とは別の、平成27年6月26日付の開示請求で、
60日の期間延長後、申立人と補正の内容について書面でやりとりし、開示請求書の
文面上推測される行政文書名を通知したうえで、各行政文書の開示決定を行った。
しかし、開示決定した行政文書に対し、開示の実施途中で、開示した行政文書の特
定に納得せず離席し、申立人が閲覧を強制的に終了したことがあった。このことか
ら、申立人からの開示請求に対しては、開示請求書で開示請求している行政文書が
文書番号等で明確に確認できない場合に、開示請求書から推測される行政文書を一
覧にした文書を送付し、申立人から当該開示請求に係る行政文書の指定を受け、行
政文書の特定に誤りがないように対応することとしている。
(2)
本件申立てに係る開示請求については、申立人に対し、非開示理由説明書に添付
した別添1に示すとおり、請求内容について、文書による補正を依頼したが、申立
人からの応答はなかった。
そのため、非開示理由説明書に添付した別添2に示すとおり、再度、請求内容に
-1-
ついて、文書による補正を依頼したが、申立人から応答はなく、対象行政文書の特
定ができなかったため、本件請求に対し、非開示とする決定を行った。
(3)
以上のとおり、本件請求に対する決定は、申立人が補正に応じず対象行政文書を
特定することができなかったため、非開示としたものである。
4
申立人の本件処分に対する意見
申立人が、異議申立書、意見書及び意見陳述において主張している本件処分に対す
る意見は、次のように要約される。
(1)
本件処分を取り消し、本件申立文書の全部を開示するよう求める。
(2)
本件申立文書は、裁判所及び関係部署において既に公にされている情報であるた
め、開示すべきである。実施機関は、本件請求に係る行政文書を偽造、ねつ造して
おり、隠ぺいしなければならない文書であるため、申立人に対して本件処分を行っ
たものと考えている。
(3)
申立人は、文書名や文書番号を明示した上で開示請求を行っており、補正を要す
るような文書ではない。
(4)
実施機関が開示日であったと主張する平成27年9月2日は開示予定日ではない。
実施機関が非開示理由を正当化するためにねつ造した日付である。同様に、実施機
関が主張する同年10月2日、11月25日の説明も間違いである。
(5)
申立人は、条例に基づく根拠ではなく、申立人自身が提出した開示請求に係る情
報については全て開示されるべきと考えている。
(6)
補正の方法について、実施機関は補正依頼書において、一覧にある文書にレ点を
つけて返送するよう依頼してきているが、申立人が求めているのは原議一式であり、
個別の文書を求めているのではない。実施機関の説明は間違いばかりであり、実施
機関が行った補正依頼の手続はでたらめなもので信用ができない。それなのに実施
機関からの補正に応じるなど馬鹿げた話である。
5
(1)
審査会の判断
本件処分に至る経緯
ア
(ア)
当審査会が確認したところ、次の事実が認められた。
申立人は、別表2に示す開示請求日の日付で、開示請求書の「開示請求に係
る行政文書の名称又は内容」欄に、それぞれ別表1-1から1-6までの「諮
問に係る別紙の記載」のとおり記載し、本件請求を行った。
-2-
(イ)
実施機関は、開示請求書の「開示請求に係る行政文書の名称又は内容」欄に
記載された内容では文書の特定ができないとして、開示請求書の補正のため、
別表2に示す補正(1回目)の日付で申立人あてに1回目の補正依頼書を送付
した。しかし、補正依頼書記載の期限内に補正がされなかったため、改めて別
表2に示す補正(2回目)の日付で2回目の補正依頼書を送付し、複数回にわ
たって開示請求書の補正を求めた。
イ
当審査会で本件請求に係る開示請求書を見分したところ、開示請求書の一部の
記載については、必ずしも補正をせずとも文書の特定ができるものもあると思わ
れたため、平成28年8月26日に、補正を求めた理由について実施機関から事情聴
取を行ったところ次のとおり説明があった。
(ア)
実施機関では、これまでにも同一の文書についての開示請求を複数回受けて
きたが、本件に先立ち次のような経緯があった。
平成27年6月26日に開示請求のあった行政文書の開示の実施について申立人
と日程調整したところ、調整に応じなかった。そのため、実施機関では、平成
27年9月2日を開示予定日として設定し、申立人に通知したが、当日に申立人
は来庁しなかった。その後、申立人と再度開示の日程について調整し、平成27
年10月2日に開示を実施したが、その際に申立人は、自身が求める文書は、実
施機関が特定した文書ではないと言って離席し、戻らなかった。その結果、開
示の実施が中断され、開示を完了することができなかった。実施機関では、開
示を完了することができなかった案件以降、本件請求を含めて、実施機関が特
定した文書と申立人が求める文書は異なる文書であると判断し、開示請求書に
文書番号等の記載があったとしても、申立人が求める文書が何かを確認するた
めに補正依頼書を送付するようになった。
(イ)
申立人は、本件において、実施機関が送付した1回目の補正依頼書に対して、
実施機関の定めた期限までに補正を行わなかった。そのため、実施機関では、
改めて期限を定めて、申立人あてに2回目の補正依頼書を送付した。しかし、
申立人は、改めて定めた期限までに補正を行わなかったため、実施機関は、本
件請求に係る対象行政文書が特定できないとして、別表2に示す非開示決定日
の日付で本件請求に対する非開示決定を行った。
(ウ)
申立人は、本件請求に係る行政文書について、実施機関の保有文書を過去に
数回閲覧したことがある。しかしながら、申立人は、実施機関が特定した行政
-3-
文書のほかに、本件請求に係る行政文書が存在するはずであるという理由から
同一の文書について繰り返し開示請求を行っている。
(エ)
事情聴取の時点においても申立人からの開示請求は繰り返しされているが、
実施機関では、平成28年6月7日の開示請求以降、補正依頼の手続についての
運用を改め、補正を求めることなく、開示請求書に記載された内容から想定さ
れる行政文書について可能な限り文書特定をして開示、非開示を判断している。
(オ)
さらに、申立人は実施機関に対し、開示された文書は偽造やねつ造であると
主張しているが、そのような事実はない。
(2)
本件処分の妥当性について
ア
条例第6条第2項では、「実施機関は、開示請求書に形式上の不備があると認
めるときは、開示請求をしたもの・・・に対し、相当の期間を定めて、その補正
を求めることができる。この場合において、実施機関は、開示請求者に対し、補
正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。」と規定している。
また、条例第6条第1項第2号では、開示請求をしようとするものは、開示請
求書に「行政文書の名称その他の開示請求に係る行政文書を特定するに足りる事
項」を記載しなければならないと規定している。
イ
条例第6条第2項に規定する「開示請求書に形式上の不備があると認めると
き」とは、記載事項に漏れがある場合、記載内容の意味が不明な場合又は記載が
不鮮明な場合のほか、同条第1項第2号に規定する「開示請求に係る行政文書を
特定するに足りる事項」の記載が不十分であるため開示請求に係る行政文書が特
定できない場合を含むと解される。
また、開示請求者は行政文書がどのような形で存在しているかを知らないこと
も少なくないことから、条例では対象行政文書を特定するのに参考となる情報を
提供する努力義務を実施機関に課しており、その趣旨からすれば、当該規定は、
開示請求書において開示請求に係る行政文書が具体的に特定された形で記載され
ることを予定しているものということができる。
ウ
実施機関は、本件処分を行うに当たって、本件請求に係る開示請求書に記載さ
れた内容では対象行政文書を特定することが困難であるため、条例第6条第2項
の規定に基づき、開示請求書の補正を求めたが、申立人が補正に応じなかったた
めに対象行政文書を特定することができず、本件処分を行ったと説明している。
エ
これに対し申立人は、本件請求に係る行政文書は裁判所や関係部署を通じて公
-4-
になっており、また、文書名や文書番号を明示した上で開示請求を行っており、
補正を要するような文書ではなく、補正に応じる必要はないと主張している。
オ
当審査会では、実施機関の説明及び申立人の主張を踏まえて、本件処分におけ
る対象行政文書特定のための補正の手続について次のとおり検討した。
(ア)
当審査会で、本件請求に対する答申第1361号に係る開示請求書を見分したとこ
ろ、「規定に基づき行政文書の開示請求をしたにも関わらず、横浜市長(代務A
建築局長)は、開示請求した文書を「の一部について」等と勝手に変更を企てて
いるが、請求書通り全部の開示を求める。・・・(ロ及びハ省略)・・・ニ
月9日付開示請求を平成27年4月28日開示決定した開示決定通知書。ホ
3
3月9
日付開示請求を平成27年5月18日開示した開示文書一式。」と記載されている。
当該請求については、その記載内容の一部から、本件に係る実施機関の所管課が
平成27年4月28日に開示決定した開示決定通知書及び開示文書一式を求めている
ものと解することができ、文書特定が可能なものが存在すると考えられる。この
ほかにも、答申第1357号から第1362号までに係る開示請求書には、特定訴訟に係
る訴訟関係書類一式など、対象行政文書を特定できると思われる記載が含まれ
ている。
(イ)
このことに関して、実施機関は次のように説明している。
本件請求より前の別の開示請求に対する開示の実施の際、開示した文書の特定
に申立人が納得せず離席し戻らず、開示の実施が中断され、開示が完了しなかっ
たことがあった。また、それ以前から、申立人は開示等の決定が通知される前に
同一と推測される文書に係る開示請求書を複数回実施機関あてに提出している。
そのため、実施機関は、開示請求書どおりに特定した文書と申立人が求める文
書は異なる文書であると判断し、補正依頼書を送付するようになった。
これらの説明から、実施機関においては、申立人が求める文書を正確に把握
できない状態となっており、開示請求書に文書番号等の記載があったとしても、
申立人が求める文書が何かを正確に把握するため、補正依頼書を送付したこと
には、相応の理由があったと考えられる。
(ウ)
一方、申立人は、異議申立書等で、実施機関の説明は間違いばかりであり、実
施機関が行った補正依頼の手続に信用がおけず、補正依頼に応じるなど馬鹿げた
話であると主張している。さらに、申立人は、文書名や文書番号を明示した上で
開示請求を行っており、補正を要するような文書ではないとも主張している。
-5-
このことから、少なくとも、自ら開示を求める行政文書の内容について実施機
関に対して具体的に説明し、対象行政文書の特定に協力する意思が申立人に十分
にあったとは認められない。
(エ)
しかしながら、当審査会が本件補正依頼書を改めて確認したところ、実施機関
は、本件請求から推測される文書の文書番号の一覧を添付して申立人あてに送付
している。実施機関は、本件開示請求書の記載から、当該請求に対する対象行政
文書をある程度は推測しているということができる。
さらに、実施機関は、平成28年6月20日以降の申立人からの開示請求について、
開示請求書の記載から対象行政文書の推測が可能な分については補正依頼書を送
付することなく、開示、非開示等の決定をしていると説明している。
これらのことから、本件請求についても開示請求書の記載から対象行政文書を
全く特定できなかったとは考えられない。
そこで、改めて本件請求に係る各開示請求書の記載を見ると、実施機関が主張
するようにこれまでの経緯から補正依頼書を送付したことに相応の理由があり、
また、申立人が補正依頼に対して協力的ではなかったとしても、別表3に示す開
示請求書の記載については、条例第6条第1項第2号の「開示請求に係る行政文
書を特定するに足りる事項」の記載が不十分であったとは認められないというべ
きである。
以上のことから、実施機関は、別表3に示す開示請求書の記載について行政文
書を特定の上、改めて開示、非開示等の決定をすべきである。
(オ)
なお、条例第6条第2項の規定の趣旨は、開示請求制度において、実施機関及
び開示請求者の双方が開示請求に係る行政文書の特定に向けて協力し、正しく行
政文書の特定ができるよう取り扱われることである。当審査会が本件処分の妥当
性を検討した中では、本件において、実施機関及び申立人の双方でこの手続が適
正に行われていたとはいえない。今後は実施機関及び申立人の双方において、開
示請求制度の趣旨を踏まえた適正な手続が行われることを望むものである。
さらに、当審査会において本件に係る補正依頼書を見分したところ、本件にお
いては、実施機関が申立人あてに補正依頼書を送付する際、参考資料として、
「過去に請求のあった文書番号一覧」を添付しており、これにより、開示請求の
対象となる文書がかえって不明確となるおそれもあった。実施機関においては、
前述の適正な手続に基づき、補正依頼書を送付するよう望む。
-6-
(3)
その他
ア
本件において当審査会の判断を左右するものではないが、申立人は、裁判で提出
された書面は全て訴訟記録として裁判所において保管され閲覧可能となっており、
公開されているものであることを理由に、本件申立文書を開示すべき旨も主張して
いる。
確かに、民事訴訟法(平成8年法律第109号)第91条第1項は、「何人も、裁判
所書記官に対し、訴訟記録の閲覧を請求することができる。」と規定している。
しかし、裁判所における訴訟記録の閲覧については、訴訟記録の事件番号、当事
者氏名等で閲覧を希望する訴訟記録を特定することが事実上要請されており、同法
第92条は秘密保護のための閲覧等の制限についても規定していることから、常に裁
判所が訴訟記録の閲覧を無条件に容認するものではないと解される。
当審査会の先例答申第1225号等でも、裁判の公開や一定の要件の下に認められる
訴訟記録の閲覧は、裁判の公正と司法権に対する国民の信頼を確保する要請に基づ
くものであり、条例に基づく開示請求制度とは趣旨・目的を異にするものであって、
訴訟記録に記載されている情報が、情報公開の手続において、直ちに一般に公にさ
れるべきものとは認められないと判断している。
これらのことから、民事訴訟法に基づく閲覧制度が設けられていること等をもっ
て、条例第7条第2項第2号ただし書アに定める「法令等の規定により又は慣行と
して公にされ、又は公にされることが予定されている情報」であるとはいえない。
イ
なお、申立人は、実施機関が開示した文書は偽造やねつ造が施された文書である
と主張しているため、申立人の主張について、実施機関からの事情聴取の際に確認
した。
実施機関では、平成28年6月20日以降は開示請求書の記載から、可能な限り文書
の特定をしている。また、非開示として保護すべき情報については、条例に基づき
開示、非開示等を判断し、その結果非開示とすべきと判断した部分については、黒
く塗抹して開示の対応を行っている。よって、申立人の主張するような偽造やねつ
造を行った事実はないと説明している。
実施機関からの説明における、条例に基づき開示、非開示等を判断し、非開示と
なる部分を黒く塗抹して開示しているという事務説明からは、偽造やねつ造の事実
を疑わせる特段の事情は認められなかった。
(4)
結論
-7-
以上のとおり、実施機関が本件請求に係る行政文書を特定できなかったとして非
開示とした決定のうち、別表3に示す開示請求書の記載に係る行政文書を非開示と
した決定は妥当ではなく、対象行政文書を特定の上、改めて開示、非開示等の判断
をすべきであるが、その余の請求について、条例第6条第1項2号に規定された事
項の記載が不十分であるため、行政文書を特定できないとして非開示とした決定は
妥当である。
(第二部会)
委員
金子正史、委員
髙橋良、委員
稲垣景子
-8-
別表1-1
答申第1357号に係る諮問件名
諮問件名
<別紙>の開示請求に係る
1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書
諮問に係る別紙の記載
1. H27年3月9日付開示請求に対し、建建道第1616号3月23日付に請求文書は記載
され、60日の延長依頼文書送着から、9か月経過したにも関わらず、開示されてい
ない。不法開示を指摘し、再々督促する。「写しの交付」
2. 平成23年6月26日付け開示請求書について、移送通知書の送着もなく、何処へ送
ったのかも不明の上、6か月が経過しているが不開示になっている。早期開示を督
促する。
3. 建建道第1947号平成22年11月2日付)作成にも関わらず、平成4年道路審議票白
根特定番号調査したという各調査書3~5頁に偽造を施さない文書の原議。
4. 平成4年に作られたという道路審議票白根特定番号文書(作成年月日、判定欄、
判定意見欄、建築主相談者欄及び調査意見・経過欄)の3~5頁に偽造を施した資
料5部(B4・2枚含む)原議
5. 平成23年に作り、平成四年に作られたと開示された道路審議票白根特定番号文書
の調査書(作成年月日、判定欄、判定意見欄、建築主相談者欄及び調査意見・経過
欄)の資料5部(B4・2枚含む)原議
6. 上記3項、4項、5項は3項の平成4年道路審議票白根特定番号文書だと2枚繋
ぎ合わせをし、(作成年月日、判定欄、判定意見欄、建築主相談者欄及び調査意
見・経過欄)明示なく偽造文書だが、資料のみ5部(B4・2枚含む)の改竄捏造
した部分を含む全部の「写しの交付」
7. 平成4年道路審議票白根特定番号は平成21年9月1日作成の文書面では廃止した
と記載されたが、其の文書に記載された「白根 NO91」の改廃原議一式
8. 建建道(第1947号)、同(第2765号)、同(2929号)の一部ではない。全文書。
9. 平成4年の公図上にも道路は無かった。従って、道路が存在したことは無いにも
関らず、平成4年作成の道路審議票の文書一式。
11. 建建道(第937号)の文書の閲覧
12. 道路審議票旭区白根特定住所先・番号1142の権利関係欄の前面所有と判断した文
書資料。また一部公道と判断された文書資料。
13. 建建道第1010号(H26.11.6付)の閲覧。
14. 建建道第1616号3月23日付文書は、市長名の開示延長通知だ。記載の①~④を早
く開示しろ。「写しの交付」
「市長と有るから、本人開示請求をしないと開示しない。補正のため電話をした
が出なかった。補正期限経過したから、開示はしません。」とは何ごとだ。電話が
不通だったら文書により依頼が当然である。
-9-
別表1-2
答申第1358号に係る諮問件名
諮問件名
<別紙>の開示請求に係る
1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書
諮問に係る別紙の記載
市建築局相談、道路、審査の三課が確認行為を懈怠し違法勧告をした件を、市長が謝
罪し取消したにも関わらず、失態行為を建築局は、『平成4年道路審議票白根特定番号
や特定番号』と作成年月日無く、他所の所在地番を削ぎ書き換えて判らない様に黒塗り
を施し、平成23年に「平成4年に作成した。」と資料と共に会席に出された際に、捏造
文書だと下記事項の通り指摘した。其の後、情報を不開示し捏造を葬り隠蔽を企んだ。
A殿の返書(平成27年7月6日付)には「・・のとおり、深くお詫び申し上げます。
しかしながら、本件に関する建築局職員の一連の対応について、申立人様がご指摘され
ているような懈怠、捏造、偽造、隠蔽等の行為はございません。」と返書が有った。
A建築局長は、建建道第337号による返書の中に於いて『平成4年道路審議票白根特定
番号』文書を「道路審議票旭特定番号」と記載した。捏造行為は明白。
B建築局建築指導部部長は、平成4年係長時に『平成4年道路審議票白根特定番号や
特定番号』の作成事実の無いことを金融公庫の査定時に残している上に、『その都度証
拠を作るのだよ。』とC課長に言わせた事実の弁明署名文書も頂戴した。
下記1項及び2項、の通りの開示請求と共に、3項、4項記載の開示請求は再々督促
する。
1. 『平成4年道路審議票白根特定番号』審議票に対し、下記①~④項の指摘事項
が、黒塗りや消去等がなく正しく記載された文書原議及び資料一式の「写しの交
付」
① 作成欄の年月日が記載されている道路審議票。消去したなら消去前の道路審議
票。
② 地名地番欄に該当地として記載されている道路審議票。黒塗り前の道路審議票。
③ 判定欄の文言を抹消したり、欄外に縦書きで書き加える前の道路審議票。
④ 判定意見欄の「現地調査をし、別添え資料等により総合的な判断」をしたと記載
が有るが、現地調査時の調査資料に道路が記載されていると言う道路審議票。
イ.主査印D係長は、平成4年4月22日に2項道路では無いと確認している。
ロ.Dの後任、B係長も平成4年7月7日2項道路では無いと確認している。
ハ.イとロ項の調査内容と資料とが一致している道路審議票。
ニ.別添の字句の下部に記載した「裏側」字句を二重線で消去し隠す前の道路審議
票
ホ.建築主住所及び相談者氏名欄の住所氏名電話等が正しく記載された道路審議
票。
ヘ.備考の併願建築申請番号、用途地域、建蔽容積欄に記載がある道路審議票。
ト.地図を貼付する前及び場所を隠蔽する前の道路審議票。
チ.添付資料中、8か所に改竄等の捏造や偽造による施しが是正された道路審議
票。
リ.建築局が、「過去に建築していたと分かることから市民情報室と協議し、非開
示とした。」と情報開示を不法に悪用し隠蔽した。隠蔽前の資料による道路審議
票。
2. 「道路審議票旭特定番号」原議一式
3. 平成27年3月9日付け開示請求書の開示。(60日延長通知書は存在)「督促」
-10-
4.
平成27年6月26日付け開示請求書の開示。(60日延長通知書は存在)「督促
別表1-3
答申第1359号に係る諮問件名
諮問件名
<別紙>の開示請求に係る
1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書
諮問に係る別紙の記載
横浜市の所有する情報の公開に関する条例第6条第1項の規定に基づき行政文書の開
示請求をした、請求書通りの開示を求める。
イ 横浜弁護士会から横浜市建築局宛て依頼文書原議一式。
ロ 建築道路課長が建建道第1569号(平成22年9月16日付)、横浜地方裁判所平成22
年特定番号不法行為等による慰謝料請求事件に係る照会について(照会)と題し当
該課及び審査課、違反対策課、旭区税務課、照会書にある各人、旭土木事務所副所
長等に対応を指示した。
(1) 照会書(平成22年9月2日)及び(2)訴訟関係書類一式の写し。
別表1-4
答申第1360号に係る諮問件名
諮問件名
<別紙>の開示請求に係る
1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書
諮問に係る別紙の記載
横浜市長(代務A建築局長)は、「の一部について」と勝手に変更しているが、横浜
市情報公開条例に基づき請求書通りの開示を求める。
1 建築道路課長が、横浜弁護士会へ弁護士法第23条の2の第2項により、横浜市旭
区白根特定住所(地番特定地番)と同地番特定地番間の私有地を建築基準法第42条
第2項道路と回答した文書原議一式。
2 建築道路課長が2項道路か、否かを照会した訴訟資料を平成26年12月、再度E係
長が旭土木事務所へ送付した文書全ての原議。
3 横浜弁護士会へ、建築局長が回答した回答書原議一式。
別表1-5
答申第1361号に係る諮問件名
諮問件名
<別紙>の開示請求に係る
1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書
諮問に係る別紙の記載
規定に基づき行政文書の開示請求をしたにも関わらず、横浜市長(代務A建築局長)
は、開示請求した文書を「の一部について」等と勝手に変更を企てているが、請求書通
り全部の開示を求める。
ロ 3月9日付開示請求書に対し発出の建建道第1616号・3月23日付文書。
ハ 3月9日付開示請求を4月28日にした開示決定等期間延長通知書。
ニ 3月9日付開示請求を平成27年4月28日開示決定した開示決定通知書。
ホ 3月9日付開示請求を平成27年5月18日開示した開示文書一式。
-11-
別表1-6
答申第1362号に係る諮問件名
諮問件名
<別紙>の開示請求に係る
1行政文書の名称又は内容の枠内に記載の文書
諮問に係る別紙の記載
神奈川県が建築した住宅(地番特定地番)は南側に道路など無く、新築するに当たり
道路相談の必要はなく板塀で囲われていた。敷地東側の公衆用道路として寄付した供用
道路側に向かって、平成4年に新築した。従って「平成4年道路審議票白根特定番号」
になるような道路相談行為は無かったにも関わらず、建築局は平成4年に道路相談が有
ったと非事実を捏造した上で、辻褄合わせの道路審議票を偽造作成し、不法行為を隠蔽
し続ける様は笑止千万である。
本件は、B現建築指導部長とD現中高層住宅課長が、平成4年、当宅の建築申請を
(D)が受け、完成までを(B)が担当した。BはDが敷地内の板塀を壊させたことを
謝罪した。この様な過去が有るにも関わらず、建築局は違法行為を繰り返した。
平成20年、相談、道路、審査課が現場確認せずに「道路法に違反している。」と勧告
をした。横浜市長の取り消しと謝罪行為が有ったので受忍した。にも関わらず、隣家へ
「2項道路だ。」と嘘を言い、隣家に吹聴させたことが原因で隣家と訴訟になり、審理
の中で、昭和25年11月23日から「2項道路だった。」と虚言の証明書を書いたことも判
明した。
B現建築指導部長、D現中高層住宅課長が承知した事案にも関わらず、『平成4年道
路審議票白根特定番号とか特定番号』と捏造した文書は、道路相談日や作成年月日の記
載が無く、地図を切り抜き貼付した上に、地番を削ぎ書き換えや書き加えや黒塗りを施
し、捏造が明らかな文書を開示されたので、黒塗り部位等一連の偽造行為を指摘した。
建築局は、2項道路では無いことが分かってしまうことから資料にも加筆や黒塗りを
施し「過去に建築していたと分かることから市民情報室と協議し、非開示にした。」
(市民情報室の旭区担当F。担当係長談)などと隠蔽を企んだ事実があるにも関わら
ず、A殿は(平成27年7月6日付)返書で「・・のとおり、深くお詫び申し上げます。
しかしながら、本件に関する建築局職員の一連の対応について、申立人様がご指摘され
ているような懈怠、捏造、偽造、隠蔽等の行為はございません。」と返書が有ったにも
関わらず、A建築局長は建建道第337号の返書で「道路審議票特定番号」と偽造したこ
ととに整合性は無い。従って、建築局が「平成4年道路審議票白根特定番号」を捏造し
正当化を企んだは、明白な事実。
B建築局建築指導部部長が平成4年係長時に『平成4年道路審議票白根特定番号や特
定番号』の作成事実の無いこと。D前任係長時に「道路審議票旭特定番号」文書が有る
ことは金融公庫の査定時に承知している。月日を経た今日。B建築局建築指導部部長か
ら『その都度証拠を作るのだよ。』とC建築道路課長に言わせた。との返書を頂いた
が、横浜市建築局ぐるみの悪質な行政には不満不服が有るが一先ず、下記の通り開示請
求をする。
下記の通り開示請求をする。
1. 『平成4年道路審議票白根特定番号』捏造を指摘された時点の原議一式
2. 『平成4年道路審議票白根特定番号』加記載等を指摘され黒塗り後の原議一
式。
3. 『平成4年道路審議票白根特定番号』文書。原議一式。
4. 『平成4年道路審議票白根特定番号』文書。原議一式。
5. 「道路審議票旭特定番号」
-12-
6.
7.
8.
9.
10.
11.
「道路審議票旭特定番号」
「道路審議票旭特定番号」
「道路審議票旭特定番号」
「道路審議票旭特定番号」
「道路審議票旭特定番号」
平成27年3月9日付け開示請求書へ60日の延長通知が有ったが開示が無い「督
促」
12. 平成27年6月26日付開示請求書へ60日の延長通知が有ったが開示が無い「督促
別表2
開示請求日、補正依頼書送付日、非開示決定日及び諮問日
答申番号
開示請求日
補正(1回目)
補正(2回目)
非開示決定日
諮問日
1357
平成27年
12月28日
平成28年
1月12日
平成27年
11月20日
平成27年
11月20日
平成27年
11月20日
平成28年
2月5日
平成28年
1月5日
平成28年
1月15日
平成27年
11月27日
平成27年
11月27日
平成27年
11月27日
平成28年
2月16日
平成28年
1月27日
平成28年
2月5日
平成28年
1月8日
平成28年
1月8日
平成28年
1月8日
平成28年
3月10日
平成28年
2月16日
平成28年
3月1日
平成28年
1月29日
平成28年
1月29日
平成28年
1月29日
平成28年
3月28日
平成28年
4月7日
平成28年
4月7日
平成28年
4月7日
平成28年
4月7日
平成28年
4月7日
平成28年
4月14日
1358
1359
1360
1361
1362
-13-
別表3
行政文書の特定をすべき開示請求書の記載
答申番号
1357
1358
1359
1361
1362
開示請求書の記載
1.
H27年3月9日付開示請求に対し、建建道第1616号3月23日付に請求文書は
記載され、60日の延長依頼文書送着から、9か月経過したにも関わらず、開
示されていない。不法開示を指摘し、再々督促する。「写しの交付」
2.
平成23年6月26日付け開示請求書について、移送通知書の送着もなく、何
処へ送ったのかも不明の上、6か月が経過しているが不開示になっている。
早期開示を督促する。
5.
平成23年に作り、平成四年に作られたと開示された道路審議票白根特定住
所文書の調査書(作成年月日、判定欄、判定意見欄、建築主相談者欄及び調
査意見・経過欄)の資料5部(B4・2枚含む)原議
13. 建建道第1010号(H26.11.6付)の閲覧。
3. 平成27年3月9日付け開示請求書の開示。(60日延長通知書は存在)「督
促」
4. 平成27年6月26日付け開示請求書の開示。(60日延長通知書は存在)「督
促
ロ 建築道路課長が建建道第1569号(平成22年9月16日付)、横浜地方裁判所平成
22年特定番号不法行為等による慰謝料請求事件に係る照会について(照会)と題
し当該課及び審査課、違反対策課、旭区税務課、照会書にある各人、旭土木事務
所副所長等に対応を指示した。
(1) 照会書(平成22年9月2日)及び(2)訴訟関係書類一式の写し。
ニ 3月9日付開示請求を平成27年4月28日開示決定した開示決定通知書。
ホ 3月9日付開示請求を平成27年5月18日開示した開示文書一式。
3. 『平成4年道路審議票白根特定番号』文書。原議一式。
4. 『平成4年道路審議票白根特定番号』文書。原議一式。
-14-
《
参
考
》
審
年
月
査
会
の
日
審
経
査
過
の
経
過
平成28年4月7日
・実施機関から諮問書及び非開示理由説明書を受理
(答申第1357号から第1361号まで)
平成28年4月14日
・実施機関から諮問書及び非開示理由説明書を受理
(答申第1362号)
平成28年4月21日
(第288回第一部会)
平成28年4月21日
・諮問の報告
(第195回第三部会)
平成28年4月26日
(第291回第二部会)
平 成 2 8 年 6 月 6 日 ・申立人から意見書を受理
平成28年6月10日
・審議
(第294回第二部会)
平成28年6月24日
・審議
(第295回第二部会)
平成28年7月15日
・審議
(第296回第二部会)
平 成 2 8 年 7 月 2 9 日 ・異議申立人の意見陳述
(第297回第二部会) ・審議
平 成 2 8 年 8 月 2 6 日 ・実施機関から事情聴取
(第298回第二部会) ・審議
平成28年9月9日
・審議
(第299回第二部会)
平成28年9月23日
・審議
(第300回第二部会)
平成28年10月14日
・審議
(第301回第二部会)
-15-