資料4-2 財政制度等審議会 財政投融資分科会 編 成 上 の 論 点 株式会社海外需要開拓支援機構 (クールジャパン機構) 平 成 28 年 11 月 11 日 財 務 省 理 財 局 (機関名:株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)) [平成 29 年度要求の概要] [編成上の論点] (単位:億円) 区 分 事業規模 28 年 度 28 年 度 29 年 度 増減(△) 額 改定額 要求額 計画額 (=B-A) (B) (A) 300 350 500 200 財政投融資① 170 200 350 180 財政融資 - - - - 産業投資 170 200 350 180 政府保証 - - - - 自己資金等② 130 150 150 20 再計(①+②) 300 350 500 200 論点1 平成 29 年度の事業規模・産投出資に係る要求が、対前年度計画額 と比べ大幅増になっているが、要求額が大きく増加している要因は 何か。また、民業補完の観点から、民間企業の動向を踏まえた事業 規模となっているか。 論点2 今後、支援対象分野を拡大し、戦略的に投資を行っていくことと しているが、長期収益性確保の観点から、機構全体のポートフォリ オ・マネジメントについてどう考えるか。 ― 1 ― 編 成 上 の 論 点 (機関名:株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)) 要求の内容 論 <平成 29 年度要求の概要> ○ 点 論点1 事業規模 平成 29 年度の事業規模・産投出資に係る要求が、対前年度計画額と 「日本再興戦略 2016」 (平成 28 年6月2日 閣議決定)等の政 比べ大幅増になっているが、要求額が大きく増加している要因は何か。 府方針を踏まえ、日本食の販路開拓やコンテンツ発信、インバウ また、民業補完の観点から、民間企業の動向を踏まえた事業規模とな ンド拡大等の事業に必要な規模を確保する観点から、事業規模 っているか。 500 億円(対前年度+200 億円)を計上。 【論点に対する考え方】 ○ 財政投融資 この事業規模に必要な財源として、産業投資 350 億円(対前年 度+180 億円)を要求。 ○ 機構の平成 28 年度当初計画の事業規模は 300 億円、そのうち、産 業投資は 170 億円が措置されている。これに対し、平成 29 年度要求 では、事業規模 500 億円(対前年度比+66.7%)、産業投資 350 億円 (対前年度比+105.9%)となっている。 (参考)「日本再興戦略 2016」(平成 28 年6月2日 閣議決定)抜粋 第1 総論 Ⅱ 日本再興戦略 2016 における鍵となる施策 1.600 兆円に向けた「官民戦略プロジェクト 10」 1-2:ローカルアベノミクスの深化 (8)攻めの農林水産業の展開と輸出力の強化 世界からも評価されているおいしく、安全な日本の食を、徹底的 に世界にアピールし、成長する世界の需要を取り込んでいくこと で、販路開拓・拡大を行っていく。 ○ 平成 29 年度要求額は、これまでの機構の事業実績を考慮すれば過 大であると考えられるが、どのような要因に基づき要求額が大きく 増加しているのか、精査する必要がある。 (単位:億円) 事業規模 第2 具体的施策 Ⅰ 新たな有望成長市場の創出、ローカルアベノミクスの深化等 3.攻めの農林水産業の展開と輸出力の強化 財政投融資(産投) 自己資金等 25年度 当初 実績 550 500 300 50 △300 当初 350 300 50 26年度 現額 実績 850 216 500 350 216 (注)現額は、当初計画額に前年度繰越及び補正追加を加えた額。 ― 2 ― 当初 260 100 160 27年度 現額 実績 460 70 300 116 160 △46 28年度 29年度 当初 現額 要求 300 350 500 170 200 350 130 150 150 要求の内容 論 点 (2)新たに講ずべき具体的施策 ○ また、機構が支援を行う場合、株式会社海外需要開拓支援機構支 ⅲ)輸出力の強化 我が国農林水産業の輸出力を強化し、アジアを中心に拡大する 援基準に基づき、民間事業者等からの資金供給が行われることが前 世界の食市場を、我が国農林水産物・食品の販路に取り込む。こ 提となる。 のため、 「農林水産業の輸出力強化戦略」 (平成 28 年5月 19 日 農 林水産業・地域の活力創造本部取りまとめ)に基づき、農林漁業 者や食品事業者による意欲的な取組の支援と、民間では対応でき (参考)株式会社海外需要開拓支援機構支援基準(経済産業省告示第 242 号) ない外国の規制等への対応に取り組む。 1.支援の対象となる対象事業活動が満たすべき基準 4.観光立国の実現 (2)収益性等の確保 (2)新たに講ずべき具体的施策 以下の①から③のいずれも満たすこと。 「明日の日本を支える観光ビジョン」 (平成 28 年 3月 30 日 明 ① (略) 日の日本を支える観光ビジョン構想会議決定)及び「観光ビジョ ②民間事業者等からの資金供給 ン実現プログラム 2016(観光ビジョンの実現に向けたアクショ 機構と協調して、民間事業者等から出資等の資金供給が行われること。 ン・プログラム 2016)」(平成 28 年5月 13 日 観光立国推進閣 ③ (略) 僚会議決定)に基づき、観光立国の実現に向けた取組を進める。 ⅱ)観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業に ○ 民業補完の観点から、機構が想定している事業規模が、真に民間 ①世界水準の DMO の形成・育成 ・官民ファンド、関係機関、広域 DMO 等が連携・参画する枠組 企業の動向を踏まえた規模となっているのか、検討する必要がある。 を案件に応じて設置し、規制改革に関する働きかけを行うと ともに、民間による1兆円規模の事業に対する支援を実施す る。 ○ なお、日本貿易振興機構(ジェトロ)が 2016 年3月3日に公表し Ⅳ 海外の成長市場の取り込み た『2015 年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(ジ (2)新たに講ずべき具体的施策 ェトロ海外ビジネス調査)結果概要』において、今後(3年程度) v)クールジャパンの推進 クールジャパン機構による支援を積極的にかつより柔軟に展開 の海外進出方針では「拡大を図る」企業の割合が 53.3%と過半を超 する。 えたものの、前年(56.7%)から低下したとの結果が示されている。 (参考)『2015 年度 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査(ジェトロ海外 ビジネス調査)結果概要』 2.海外進出への取り組み・今後の国内事業展開 海外進出への取り組み:今後の海外進出方針 ■海外進出拡大意欲は高水準ながらも一服感 今後(3年程度)の海外進出方針では、 「拡大を図る」企業の割合が ― 3 ― 要求の内容 論 点 53.3%と過半を超えたものの、前年(56.7%)から低下した。 大企業では、63.8%が「拡大を図る」と回答したものの、2011 年度 以降、拡大意欲は鈍化傾向にある。 中小企業でも、 「拡大を図る」と回答した企業は、前年の 54.3%から 50.5%に低下した。 ― 4 ― 要求の内容 論 点 論点2 今後、支援対象分野を拡大し、戦略的に投資を行っていくこととし ているが、長期収益性確保の観点から、機構全体のポートフォリオ・ マネジメントについてどう考えるか。 【論点に対する考え方】 ○ 機構はこれまで①メディア・コンテンツ、②ライフスタイル、及 び③食・サービスの3分野を中心に平成 28 年 10 月末時点において 公表ベースで 18 件、396 億円の支援決定を行っている。 <⽀援決定額(H28.10末時点)※公表ベース> 合計約396億円(18件) インバウンド 13億円 ⾷・サービス 102億円 メディア・ コンテンツ 159億円 ライフスタイル 122億円 ○ 上記3分野に加え、今後は「明日の日本を支える観光ビジョン」 (平成 28 年3月 30 日 明日の日本を支える観光ビジョン構想会議決 定)及び「アジア健康構想に向けた基本方針」 (平成 28 年7月 29 日 健康・医療戦略推進本部決定)等に基づき、インバウンド、ヘルス ケア等の分野においても、戦略的に支援を行っていくこととしてい る。 ― 5 ― 要求の内容 論 点 (参考1) 「明日の日本を支える観光ビジョン」(平成 28 年3月 30 日 明日の日本を支える観光 ビジョン構想会議決定)(一部抜粋) 世界水準のDMOの形成・育成 ○ 2020年までに世界水準DMOを全国で100組織を形成するため、以下の取組を実 施。 ・財政金融支援 ◇官民ファンド、関係機関、広域DMO 等が連携・参画する枠組みを案件に応 じて設置し、規制改革に関する働きかけを行うとともに、民間による1兆 円規模の事業に対する支援を実施 (参考2) 「アジア健康構想に向けた基本方針」 (平成 28 年7月 29 日 健康・医療戦略推進本 部決定)(一部抜粋) 4.民間事業への支援 (2)事業資金調達に関する支援等 JICAの海外投融資、フィジビリティスタディ支援、(株)海外需要開拓 支援機構(クールジャパン機構)による出資、 (株)国際協力銀行(JBIC) による融資等の積極的な活用の促進により具体的事例を創出することを通じ、 必要な課題を見出し、対応を行うことで、介護関連等、アジア健康構想の推進 に資する海外事業の資金調達を円滑化する。 ○ こうした状況の中、政策的に支援が必要な分野を広げ、支援を拡 大していくことは重要である一方、機構全体として長期収益性をど のように確保していくかといった点も重要である。 ○ そのために必要なポートフォリオ・マネジメントについて、どの ように考えていくべきか検討が必要である。 ― 6 ―
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