2017年度医学部入学定員 158名増の予定 - Kei-Net

2017年度入試情報
2017年度医学部入学定員 158名増の予定
2016/11/10
このほど文部科学省は、2017 年度の医学部(医学科)入学定員の増員計画を発表した。2017 年度は国立1
大学、私立4大学が入学定員を増員し、増員数はあわせて 18 名となる予定だ。なお、来春は国際医療福祉大
の医学部新設が決まっており、これを合わせると 158 名の入学定員増となる。
定員増 18 名
■医学科定員は 158 名増
【グラフ1】近年の医学科入学定員増の状況
+
(人数)
新設 140 名
2017 年度の医学科増員数は 158 名とな
る見込みである。医学科の入学定員は 10,000
+158
増加分
+128 9,420
2008 年度から増員を続けており、これで
+65
+28
9,500
+68 +50
9,262
10 年連続の定員増となる【グラフ1】。
+360 +77 8,991 9,041 9,069 9,134
8,923
2008 年度からの増員数は 1,795 名とな
9,000
+693 8,846
り、100 名定員の医科大が 18 校新設され
8,486
8,500
たのと同規模である。
+168
2017 年度の増員の内訳は、新成長戦略
8,000
7,793
等に基づく地域枠での増員が 18 名、国家
7,625
戦略特区「国際医療学園都市構想」の一
7,500
環として新設される国際医療福祉大の入
学定員が 140 名となっている。なお、国
7,000
際医療福祉大の入学定員のうち 20 名は留
2007 '08 '09 '10 '11 '12 '13 '14 '15 '16 '17
(年度)
学生枠となっている。
■国策による増員枠組み-2017 年度は地域枠のみ
【表2】は 2017 年度の増員の大学種別の内訳である。2017 年度の増員 158 名の内訳は、国立大2名、私立
大 156 名である。増員は学部新設と地域枠に分けられるが、このうち地域枠は国策に基づき 2010 年度から実
施されている医学科増員の3つの枠組みの一つである(下図参照)。この3つの枠組みのうち、研究医枠、歯
学部振替枠については、2016 年度に続き、2017 年度も該当はなく地域枠のみの増員となった。枠組み別のこ
れまでの増員数をみると、①地域枠が 610 名、②研究医枠が 40 名、③歯学部定員振替枠が 44 名となり、地域
枠が大部分を占める。また、地域枠を都道府県別にみると、茨城県(42 名)、静岡県(36 名)、福島県(33 名)、
千葉県(28 名)で増員数が多い。なお、今回の地域枠での定員増は過去の増員と同様、2019 年度までの期限
つきの増員である。
【表2】2017年度医学科 増員予定数の内訳
2016
定員
2017
定員
増員数
国立大
公立大
私立大
4,934
844
3,484
4,936
844
3,640
計
9,262
9,420
※2017 年度の定員は計画段階のもので確定数ではない
内訳
+2
0
+156
地域枠
+2
0
+16
学部新設
0
0
+140
+158
+18
+140
※上記定員には編入学定員を含む
◆医学科入学定員増員の3つの枠組み
① 地域枠-地域の医師確保の観点からの定員増
都道府県が地域医療再生計画に基づく奨学金を設け、大学が地域医療を担う意思を持つものを選抜
(2017 年度まで計 610 名増)
② 研究医枠-研究医養成のための定員増
複数大学の連携により研究医養成の拠点を形成する大学で、研究医の養成・確保に学部・大学院教育を
一貫して取り組む各大学 3 名以内の定員増(2015 年度まで計 40 名)
③歯学部振替枠-歯学部入学定員の削減を行う大学の特例による定員増
歯学部を併設する大学が歯学部の入学定員を減員する場合の定員増(2015 年度まで計 44 名)
※2013 年度入学者から、十分な教育環境を整えることができる大学においては、それまでの基準の上限の
125 名を超え 140 名までの定員増が可能
※増員期間は 2019 年度まで
-1©Kawaijuku Educational Institution.
■医師不足の埼玉県などで地域枠増員
【表3】は 2017 年度の各大学の増員予定数である。地域枠で増員するのは、国立大では長崎大、私立大
では埼玉医科大をはじめとする4大学である。このうち、埼玉医科大は4年連続、順天堂大は3年連続での
入学定員増となる。今回の増員数を都道府県別にみると、静岡県が 10 名、埼玉県が 5 名、長崎県が 3 名と
なっている。とくに埼玉県は、厚生労働省が実施する医師・歯科医師・薬剤師調査(2014 年)によると、
都道府県別の人口 10 万人対医師数が全国でもっとも少なく、地域枠の増員は今回で4年連続となる。
なお、医学科入学定員の上限は 2013 年度から、
「十分な教育環境を整えることが可能な大学」という条件
つきながらも、それまでの 125 名から 140 名に引き上げられている。入学定員が 125 名を超える大規模定員
大は今回増員する埼玉医科大(128 名)、順天堂大(137 名)、川崎医科大(126 名)のほか、弘前大(132
名)、東北大(135 名)、秋田大(129 名)、福島県立医科大(130 名)、筑波大(135 名)
、新潟大(127 名)、
岩手医科大(130 名)、国際医療福祉大(140 名)の 11 大学である(いずれも編入定員を含んだ数)。顔ぶれ
には東北地区の大学が目立つ。東日本大震災後、被災地域で医師の確保が難しくなっていることが関係して
いよう。
【表3】2017年度医学科 大学別増員予定数
<地域枠>
2016
定員
2017
定員
増員数
長崎
123
125
+2
長崎県 2
埼玉医科
127
128
+1
埼玉県 1
順天堂
130
137
+7
埼玉県 2、静岡県 5
日本医科
116
118
+2
埼玉県 2
川崎医科
120
126
+6
静岡県 5、長崎県 1
大学
※上記定員には編入学定員を含む
都道府県
※「都道府県」欄は奨学金を負担する都道府県
<学部新設>
大学
国際医療福祉
2016
定員
2017
定員
-
140
-2©Kawaijuku Educational Institution.