資料4-1

資料4-1
財政制度等審議会 財政投融資分科会
説 明 資 料
株式会社海外需要開拓支援機構
(クールジャパン機構)
平 成 28 年 11 月 11 日
経済産業省
Ⅰ.クールジャパン機構概要
クールジャパンのねらい
内需減少等の厳しい経済環境
自動車、家電・電子機器等の従来型産業に加えて、「衣」「食」「住」やコンテンツ
(アニメ、ドラマ、音楽等)をはじめ、日本の文化やライフスタイルの魅力を付加価値
に変える (「日本の魅力」の事業展開)
新興国等の旺盛な海外需要を獲得し、日本の経済成長(企業の活躍・雇用創出)に
つなげる
経済産業省の役割:クールジャパン政策を民間のビジネスにつなげ、世界へ広げる。
コンテンツ
イメージ
ファッション
関連商品販売等への
波及効果!
© tv asahi
公式ビジュアルガイド: © 2016「君の名は。」製作委員会
地域産品等
衣食住関連
本物を求める
サービス
訪日客の増加、
日本での滞在・
消費の拡大
(インバウンド)
“クールジャパン”を体現する日本企業の海外需要開拓・拡大を本格化!
― 2 ―
我が国企業が抱えるボトルネックの解消
我が国企業が抱えるボトルネック
拠点不足
資金不足
金融機関、投資家からの資金供給不足
 企業に海外展開の経験・蓄積が乏しいため収益モデルに係る不
透明感が払拭できず、自社単独での投資には躊躇
 金融機関、投資家等もリスクマネーの供給に慎重
戦略不足
足がかりにすべき
海外の拠点がない
 現地の商業拠点等で
の「場の確保」が 困難
(厳しい交渉)
 情報・ノウハウ不足
 現地での消費者への訴
求力(ブランド力)が弱い、
“点”の戦い(総合発信
力の欠如)
対応策
 ①拠点となる空間(メディア空間)の整備・確保
 クールジャパン分野の専門的なサ
ポート機能の提供
 ②潜在力のある意欲的な地域企業の海外展開
• 企業発掘・事業案件組成機能、経営支
援機能(ハンズオン、現地進出企業サ
ポート等)の提供
 ③拠点となる空間(物理的空間)の整備・確保
等を支援
➨ 民間投資の呼び水として国からリスクマネーを供給
➨ 海外におけるビジネスモデルの構築や海外展開を実行できる人材の育成に寄与
「株式会社海外需要開拓支援機構」 (クールジャパン機構) を創設
― 3 ―
【参考】成長戦略等における位置付け
■「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」(平成25年6月14日閣議決定)
第Ⅱ.3つのアクションプラン
三.国際展開戦略
2.海外市場獲得のための戦略的取組
③クールジャパンの推進
伝統文化・地域文化など、日本の豊かな文化を背景としたコンテンツ、日本食・日本産酒類などの「日本の魅力」を効果的に発
信し、産業育成や海外需要の取り込みに結実させるため、クールジャパンを国家戦略と位置付け、官民一体となって取組を強化
する。
○(株)海外需要開拓支援機構を活用したクールジャパンの戦略的な推進
・「日本の魅力」を産業化に結び付けていくため、(株)海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)を設立し、リスクマネーを
供給することにより、クールジャパンを戦略的に推進していく。
※「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」では、CJ機構が、リスクマネーを供給することにより、クールジャパンを戦略的に推進していくこととされているなか、
「日本再興戦略」改訂2016では、「CJ官民連携PF」おけるCJ機構を活用したマッチング支援の強化を特記。
■日本再興戦略 2016(平成28年6月2日閣議決定)
第2.具体的施策
Ⅰ.新たな有望成長市場の創出、ローカルアベノミクスの深化等
4.観光立国の実現
(2)新たに講ずべき具体的施策
ⅱ)観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業に
①世界水準のDMOの形成・育成
官民ファンド、関係機関、広域DMO等が連携・参画する枠組を案件に応じて設置し、規制改革に関する働きかけを行うとともに、民間による1兆円規模の事
業に対する支援を実施する。
Ⅳ.海外の成長市場の取り組み
(2)新たに講ずべき具体的施策
ⅴ)クールジャパンの推進
昨年12月に設立された「クールジャパン官民連携プラットフォーム」の下で、魅力あるコンテンツと周辺産業が連携した一体的な海外展開を図るため、相乗
効果・波及効果の高い具体的な連携案件の組成を推進する。さらに、これら候補案件の事業化を支援するため、クールジャパン機構による連携案件への出
資に向けた事業化アドバイスなど、マッチング支援の強化を図る。
― 4 ―
クールジャパン機構の事業スキーム
○平成25年6月に株式会社海外需要開拓支援機構法が成立し、
平成25年11月に海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)が設立された。
○機構は、リスクマネーを供給することで、民間部門では成し得なかった、海外需要獲得の
基盤となる拠点や流通網の整備などを率先して展開している。
平成28年11月時点
出資金
523億円
協調出資
出資
クールジャパン
機構
(平成25年11月創設)
【予算】
平成28年度政府予算
財投特会200億円
政府保証(短期)350億円
※補正予算も含む
民間出資
メディア・ネット空間型の流通拠点
コンソーシアム
各企業
政府出資
(財投特会 等)
416億円
<投資対象の例>
民間企業 等
 リスクマネー
供給機能
出資
 出資支援ととも
に、事業・経営
支援等も一体的
に実施
日本のTV番組・アニメ等のコンテンツ
アイドル系
ドキュメンタリー映画
放送
配信
投資
事業会社 等
アニメ
©BAKUGAN PROJECT
テレビ放映・配信等
+グッズ等販売
出展:NEW PEOPLE資料
化粧品
など
“地域クールジャパン企業”応援
玩具
など
商品
販売
© BAKUGAN PROJECT
物理的空間型の流通拠点
商業施設展開・活用(ジャパン・モール)
住
高岡銅器
日本酒
食
コスメ
107億円
衣
※存続期間:概ね20年程度
パティシエ・ケーキ店
― 5 ―
ブライダルサービス
アパレルショップ
日本食レストラン
インテリアショップ
(参考)機構の株主
出資金 523億円 (平成28年11月時点)
 民間出資:107億円
※原則1社5億円の出資だが、地方銀行については例外的に1億円の出資
○アサツー・ディ・ケイ
○ANAホールディングス
○エイチ・ツー・オー リテイリング
○京葉銀行※
○JTB
○J・フロント リテイリング
○商工組合中央金庫
○大日本印刷
○太陽生命保険
○大和証券グループ本社
○髙島屋
○電通
 政府出資:416億円
― 6 ―
○凸版印刷
○博報堂DYグループ
○パソナグループ
○バンダイナムコホールディングス
○フジ・メディア・ホールディングス
○みずほ銀行
○三井住友銀行
○三井住友信託銀行
○三越伊勢丹ホールディングス
○LIXILグループ
○大垣共立銀行※
機構の組織のイメージ
○会社法のガバナンスに則った体制が基本。
具体的には、株主総会の下に取締役会を設置し、経営責任を負う形式。民間人材を積極的に活用。
○投資決定については、民間人社外取締役等により構成される海外需要開拓委員会が、
中立的な観点から投資決定を判断する。
<クールジャパン機構の組織>
株主総会
監査役
【業務報告】
・事業年度終了後、経産大臣は、機
構からの事業報告書等の提出を受
け、業務実績を評価・公表。
コンプライアンス室
内部監査室
投資戦略グループ
取締役会
一部権限
委任
海外需要開拓委員会
(会長・社長・社外取締役5名)
→投資や株式売却等の意志決定
会長(非常勤)
社長(CEO)
【支援基準】
・機構の投資判断のガイドラインとして国が策定
(政策目的、収益性、他事業者への波及効果等)
・機構は投資事業全体としてポートフォリオ管理
専務取締役
最高投資責任者(CIO)
投資連携・促進グループ
経営企画・管理グループ
・投資案件の発掘・組成
・投資案件の発掘・組成(連携)
・社長、委員長の業務サポート
・委員会に諮る投資案の作成
・ブランド戦略やマーティング支援
・経営計画の策定、評価
・投資案件の実行(契約等)
・人的ネットワークの構築
・財務、人事、総務、法務
・株式の評価・処分
・情報収集・調査(海外機関連携)
・ネットワーク構築、窓口・広報 等
― 7 ―
機構の役員一覧
○会長(非常勤)
飯島 一暢
○社長(常勤)
【略歴】
1972年
1995年
1997年
2000年
2001年
2008年
2012年
早稲田大学教育学部卒業後、 三菱商事(株)入社
三菱商事(株)メディア放送事業部長
(株)フジテレビジョン(現:フジ・メディア・ホールディングス)入社
(株)サテライト・サービス代表取締役社長(現:スカパーJSATホールディングス)
(株)フジテレビジョン執行役員 経営企画局長
(株)フジ・メディア・ホールディングス常務取締役
サンケイビル代表取締役社長(現職)
【略歴】
1977年 明治大学経営学部卒業後、ジャーナリストとして渡米(ニューヨーク)
1985年 東京ファッションデザイナー協議会を設立(事務局長)
1995年 (株)松屋営業本部顧問、(株)東京生活研究所専務取締役
2000年 (株)イッセイミヤケ代表取締役社長
太田 伸之
○取締役CIO(常勤)
小倉 治
2006年 (社)日本ファッション・ウィーク推進機構理事
2011年 (株)松屋常務執行役員
【略歴】
1980年
1992年
2002年
2004年
2007年
2014年
東京大学経済学部卒、 株式会社 富士銀行入社
留学(スタンフォードビジネススクール)
みずほコーポレート銀行 米州業務管理部次長
同 プロダクツ業務管理部部長
株式会社KKRジャパン エグゼクティブオフィサー
オーストラリア・ニュージーランド銀行(日本)ホールセールバンキング統括代表
― 8 ―
機構の支援基準のポイント①
平成25年11月 経済産業省制定
■投資基準(出資を受けようとする企業が満たすべき基準)
(1)政策的意義
我が国の生活文化の特色を生かした魅力ある商品又は役務(例えば、コンテンツ、衣食住関連
商品、サービス、先端テクノロジー、レジャー、地域産品、伝統産品、教育、観光等)の海外にお
ける需要を開拓するとともに、海外における日本の魅力を高め(ブランド化)、更なる需要を開拓し
、日本経済に新たな付加価値を付与し、我が国の経済成長に繋げる等の政策的意義を踏まえた
ものであること。
(2)収益性等の確保
①適切な執行体制が確保されていること
②民間企業からの協調出資等があること
③EXITが確保されていること
(3)波及効果
国内産業に裨益し、我が国経済に対して新たな付加価値をもたらすとともに、例えば
次のような波及効果を一つ又は複数有する事業であること。
①様々な企業・業種との連携 、②発信力、③市場開拓の先駆け、④共同基盤の提供
― 9 ―
機構の支援基準のポイント②
平成25年11月 経済産業省制定
■機構が努めるべき事項
(1)投資事業全体としての長期収益性の確保
(2)目的の範囲内における適切な分散投資
(3)民業補完の徹底、民間資金の確保
(4)民間のノウハウを最大限活用した運用、ガバナンス確保
-事業を見極める機能と事業性を判断する機能のバランスによる投資規律の確保
- EXITを含めた事業計画等の十分な検討。ハンズオン支援を含むフォローアップ。
-サブファンドへの投資する場合にはその適切な管理
-情報公開(国民に対する説明責任、機構に出資する国や民間事業者等への説明)
-機構の役職員の賞与等を対象事業者の業績と連動
など
(5)政府の関係施策等との連携
― 10 ―
機構の活動方針(概要)
○「民業補完」の徹底の下、民間投資の「呼び水」として、以下を目標とした活動を行う。
①海外マーケットの拡大(Market Expansion)と成功モデル創出
②ハンズオン支援を通じた人材の育成と人的ネットワークの構築
③クールジャパン関連事業の開拓・拡充による日本ブランドの向上
○これまでの産業界のニーズも踏まえ、当面、下記のような事業を中心に出資を中心とした各種支援を実施する。
①プラットフォーム整備型事業
 日本の魅力ある商品・サービスが世界戦を勝ち抜き、ブラン
ドを創出し市場での地位を獲得するための販売プラット
フォームを構築。
 例えば、商業施設や小売の店舗展開を通じて行う衣食住関
連商品等の展開、現地の放送枠の獲得を通じて行うコンテン
ツの配信事業等。
②サプライチェーン整備型事業
③地域企業等支援型事業
 川上から川下までの周辺産業が連携し、海外マーケットに
日本の高品質な製品・サービスの提供を継続して行い、現
地市場での競争力を保ち続けるための流通の幹を構築する。
 例えば、現地の流通ネットワークをM&Aにより取得し、日
本の衣食住関連商品等を流通させる事業。
― 11 ―
 上記①、②とのタイアップ等により、地域の魅力
を世界へ展開する。
 これにより地域のものづくりを支え、地域の中
堅・中小企業や創造的なクリエイターやデザイ
ナー等の活躍の場を創り、中長期的なクール
ジャパンの基盤を維持・確立する。
Ⅱ.既存の支援決定案件について
コ
ン
テ
ン
ツ
分
野
投資決定案件①
※支援決定額については、上限額となっており、
為替の影響等により金額に変動がある。
支援決定額
概要・進捗
公表日
15億円
・マンガ・アニメ等のポップカルチャーを
発信する海外向けメディア・EC事業。
・ECサイト登録者数・取扱商品倍増。中
国等への展開加速へ。
平成26年
9月25日
・正規版日本アニメのサイマル配信を多
言語で行う動画配信・EC事業。
・配信回数・会員数増加。TOMとも連携。
平成26年
10月30日
・アジア各国向けTV番組で日本を発信
し、イベントや地域物販等を展開。
・H27.4より11組16名のお笑い芸人がア
ジア6カ国に展開。
平成26年
10月30日
・80言語以上に対応したローカライズ
の基幹インフラ事業の獲得。
・コンテンツの取扱数が倍増。
平成27年
2月19日
・22カ国にオール日本コンテンツの有料
衛星放送チャンネルを展開。
・従来放送していたインドネシア、ミャンマーに
加え、シンガポール、タイ、台湾で放送開始。
平成27年
3月4日
・アジア等で日本コンテンツのクリエイ
ター人材を育成するスクール事業
・台湾に加え、H28.4にタイで開校。
さらに横展開予定。
平成27年
3月30日
内容
対象地域
関係企業
海外向け
ジャパンコンテンツ
関連ネット販売
全世界
(米国・
インドネシア等)
Tokyo Otaku
Mode 等
10億円
正規版アニメ
関連ネット販売
全世界
海外向け
エンタテインメント
番組製作
アジア
(台湾・
タイ等)
吉本興業等
【総事業費:
21億円】
75億円
全世界
イマジカ・
ロボットHD等
ジャパンコンテンツ
のローカライズ
バンダイナムコHD等
【総事業費:
50億円】
10億円
【総事業費:
190億円】
44億円
ジャパンチャンネル
全世界
スカパーJSAT
【総事業費:
110億円】
海外での
クリエイター育成
アジア
欧州
豪州
KADOKAWA
Contents
Academy 等
4.5億円
【総事業費:
10億円】
― 13 ―
食
分
野
投資決定案件②
※支援決定額については、上限額となっており、
為替の影響等により金額に変動がある。
支援決定額
概要・進捗
公表日
9.26億円
・日本食材の流通基盤となるコールドチェー
ンを構築(高性能冷凍冷蔵倉庫を整備)。
・H28.7に開業。
平成26年
9月25日
・一等地に地域外食ベンチャー等を集約し、
食材の一括輸送等により、高品質な日本
食の外食事業を提供。
・H28.7に開業。
平成26年
12月8日
・出店ハードルの高い欧米豪の主要都市で、
日本酒等も含めたラーメンダイニング形式
の店舗を展開。
・H28.7にパリ旗艦店開業。
平成26年
12月8日
・米国において、日本茶カフェを展開し、長
崎県産品等を販売。
・H28.7に開業。
平成27年
4月6日
内容
対象地域
関係企業
日本食材
コールドチェーン
ベトナム
(ホーチミン)
日本ロジテム等
日本食
フードタウン
シンガ
ポール
【総事業費:
15億円】
外食ベンチャー 等
((一社) 日本外食ベンチャー
海外展開推進協会を中心とし
た、外食ベンチャーコンソー
シアム)
7億円
【総事業費:
10億円】
外食産業・
日本食材の
海外展開基盤
欧米豪
力の源HD 等
(融資枠:
13億円)
米国における
日本茶カフェ
米国
長崎県企業 等
【総事業費:
5.2億円】
日本食・農産品の海外
展開インフラ整備
中東
Gulf Japan
Food Fund
4千万ドル
(40億円超)
・日本から中東地域への食品・農産品、生
産設備・技術等の輸出・展開を目的とした
ファンドへの出資。
・投資案件組成中。
平成28年
3月25日
中東における
外食・小売
店舗展開
中東
北アフリカ
Cipher Nippon
Investment L.L.C.
1千万AED※
※UAEディルハム
(≓3億円程度)
・現地企業とパートナーシップを組み、中
東・北アフリカ地域において、日系外食企
業及び小売企業を多店舗展開。
・外食系3社と契約済。来年度1号店へ。
平成28年
6月20日
日系外食企業
向け食材加工
台湾
中国
GLOBAL NEXT
ATOM PTE. LTD.
・日系外食企業へ食材加工・供給を担う工
場を整備し、安全・安心・高品質な食材調
達・加工プラットフォームを構築。
・開業に向け準備中。
平成28年
9月9日
日本食材の
加工卸販路の獲得
アジア
中東
A社
【案件確定前のた
め未公表】
・現地流通事業者の持つ、レストランやホテ
ル等の有力な販路を確保し、日本の食材
の輸出プラットフォームを構築。
・関係事業者と案件組成中。
(案件組成後)
7億円
2.6億円
3億円
【総事業費:
6億円】
30億円
― 14 ―
ラ
イ
フ
ス
タ
イ
ル
分
野
イ
ン
バ
ウ
ン
ド
分
野
投資決定案件③
※支援決定額については、上限額となっており、
為替の影響等により金額に変動がある。
内容
対象地域
関係企業
支援決定額
概要・進捗
公表日
マレーシア
ジャパンモール
マレーシア
(クアラルン
プール)
三越伊勢丹HD
等
10.7億円
・ASEAN初の全館クールジャパンの
「ショーケース」を構築し、日本の最先
端のライフスタイルを発信。
・H28.10に開業。
平成26年
9月25日
・中国のアッパーミドル層に向け、地方有力
都市で、過去最大級の規模の先駆的
百貨店モデルを構築。
・H30秋頃の開業を目指し準備中。
平成26年
9月25日
平成27年
11月12日
寧波
ジャパンモール
中国
(寧波市)
【総事業費:
20億円】
110億円
H2Oリテイリング等
【総事業費:
510億円】
地域産品
セレクトショップ
欧州
(パリ)
SAS ENIS
【総事業費:
1.5億円】
・欧州で日本の地域産品の卸売・展示・
販売を実施するプラットフォーム構築。
・H28.6から、各地域の産品を常設展示。
地方自治体・地方経産局とも連携中。
内容
対象地域
関係企業
支援決定額
概要・進捗
公表日
せとうち観光
活性化ファンド
10億円
・瀬戸内7県の瀬戸内ブランド推進と連
携し、地銀7行・DBJ等とインバウンドに繋
がる観光産業振興ファンドにLP出資。
・H28.8第1号投資案件公表(クルーズ船)。
平成28年
3月23日
・都市部の国家戦略特区及び地方部で
の訪日外国人向けの合法的な民泊予
約サービス事業。
・事業実施中。
平成28年
4月21日
・観光・インバウンド関連のICTベンチャーを支
援するファンドへLP出資。
・投資案件組成中。
平成28年中
(予定)
瀬戸内地域の観光
産業振興ファンド
日本国内
(瀬戸内地
域)
1億円
【総事業費:
90億円】
訪日外国人旅行客
に対応した
民泊仲介サ-ビス
日本国内
百戦練磨
観光・インバウンド
関連のICTベン
チャーファンド
B社
50億円
日本国内
【案件公表前のた
め未公表】
【総事業費:
150~200億円】
3億円
【総事業費:
13億円】
― 15 ―
Ⅲ.今後の支援方針について
平成29年度の財政投融資予算要求について
 設立後約3年間で、メディア・コンテンツ、地域産品、日本食等の分野において、20件(約476億円)を支援決定。
 同分野は、日本が特に強みを持つクールジャパン政策の中核であり、引き続き重点的に支援を実施していく。
 さらに今後は、「明日の日本を支える観光ビジョン」、「アジア健康構想に向けた基本方針」等に基づき、
インバウンド、ヘルスケア等の分野においても、CJ機構の海外展開ノウハウ等の強みが活きる案件には、
戦略的に支援を行っていく。
 上記支援拡大方針の下、平成29年度は、500億円規模の支援決定を行う予定(※)であり、
そのうち産投分として350億円の財政投融資要求を行いたい。
※但し、1年程度で支援決定にいたるものも多く、また為替等の外部要因に多大な影響をうけるため、来年度の案件を確実に見通すことは困難
<これまでの支援決定額>
合計約476億円(20件)
インバウンド
63億円
日本食
132億円
<クールジャパン機構への投資拡大の期待>
「日本再興戦略2016」(H28/6 閣議決定)
「『クールジャパン官民連携プラットフォーム』の下で、魅力あるコンテンツと周辺産業が連
携した一体的な海外展開を図るため、相乗効果・波及効果の高い具体的な連携案件の組成を推
進する。~~クールジャパン機構による支援を積極的にかつより柔軟に展開する。」
「明日の日本を支える観光ビジョン」(H28/3 明日の日本を支える観光ビジョン構想会議決定)
メディア・
コンテンツ
159億円
地域産品
122億円
「官民ファンド、関係機関、広域DMO等が連携・参画する枠組みを案件に応じて設置し、規制
改革に関する働きかけを行うとともに、民間による1兆円規模の事業に対する支援を実施」
「農林水産業の輸出力強化戦略」(H28/5 農林水産業・地域の活力創造本部決定)
「海外主要都市において、レストラン、販売スペース、展示スペースなど、日本食や食文化等
を発信する機能を持つ施設の設置・運営を支援」
「官民ファンドを活用した日本企業による海外コールドチェーン事業の参入に対する支援」
「官民ファンドを活用したジャパンモール(日本産品・日本製品の販売店や日本食レストラン
が集積した商業施設)の設置・運営の支援」
「アジア健康構想に向けた基本方針」(H28/7健康・医療戦略推進本部決定)
※網掛け部分は、非公表(組成未確定)
の案件
「(株)海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)による出資~~等の積極的な活用の促
進により具体的事例を創出することを通じ、必要な課題を見出し、対応を行うことで、介護関
連等、アジア健康構想の推進に資する海外事業の資金調達を円滑化する。」
― 17 ―
(参考)インバウンド・ヘルスケアにおける市場動向
 インバウンド分野では、平成27年には訪日外国人旅行者数は約2000万人に達し、その消費額も
3.5兆円に達しており、平成25年から訪日外国人旅行者数は約2倍、消費額は約3倍と増加。
 ヘルスケア分野では、①中国やシンガポール等は、高齢化が急速に進んでおり、自国内での具体
的な対応のニーズがあり(実需型)、②ベトナムやインドネシア等は、自国の高齢化にはまだ猶予
があるものの、アジア全体の高齢化を受けた介護等人材の共有役となるインセンティブが高まっ
ている。2035年には約22億人、約500兆円規模の高齢者関連市場が存在している可能性がある。
出典:観光庁観光統計 訪日外国人消費動向調査 平成28年4-6月期の調査結果(速報)
特定非営利活動法人アジアン・エイジング・ビジネスセンター(2011年10月3日)作成資料を基に、内閣府作成
― 18 ―
(参考)機構の投資案件候補管理件数の推移
 現在、機構が投資案件候補として管理している件数は400件超。
 投資案件の発表や講演等の取組により、機構の事業に対する認知度が向上してきており、
機構の投資案件となり得る相談の受付は、巡航ペースに入ってきた状況。
投資案件候補管理数(ストックベース)
(単位:件)
500
400
389
436
343
300
241
200
100
414
112
0
FY2013下
FY2014上
FY2014下
FY2015上
FY2015下
FY2016上
(注)平成28年9月現在、投資案件候補として管理している件数。検討の結果、謝絶となった件は除く。
― 19 ―
CJ機構の体制強化
 CJ機構は設立後約3年で20件(約476億円)の案件を支援してきたが、
近年、案件組成に鈍化が見られた(昨年度支援決定は3件のみ)。
 迅速かつ柔軟な事業支援を実現すべく、現在、CJ機構の体制の強化に取り組んでいる。
<現状の課題>
案件の性質に応じた迅速かつ
柔軟な支援ができていない
 支援決定スピードが遅く、
ベンチャー出資やTOB等へのタ
イムリーな対応ができない。
 資金支援がエクイティ出資に
偏っており、案件が限定的。
<対応策>
 個別案件ごとではなく、全体のポートフォリオに
基づき、リスク上濃淡のある投資判断を実施。
 エクイティ出資以外の資金支援手法(LP出資、
メザニンファイナンス等)も積極的に活用。
 案件の粒度や性格に応じた柔軟な投資判断の実施。
(例えば、ベンチャー出資では細部の詰めよりも迅速な判断が重要)
→上記の方針を、最終的な投資決定を行う
海外需要開拓委員会メンバーとも共有し、
迅速・柔軟な最終判断を実現。
 昨年6月以降不在であったCIOを新規登用。
人員体制(人数、専門性)が弱く、案
件拡大を行う人的体力がない
 案件形成・運用を担う部長級等の職員を追加登用。
 優良人材獲得のため、業績連動評価の徹底。
 職員の分野的専門性等のスキルアップを支援。
― 20 ―
(参考)CJ機構の人員体制の強化
 CJ機構の迅速かつ柔軟な事業支援を支えるため、人員体制の強化を実施。
 CIOの新規登用
 昨年6月に前CIOが任期満了により退任後、8ヶ月間はCIOが不在となったが、本年2月に新た
にCIOが着任し、全体のポートフォリオを担当。
※新CIOはこれまで、みずほ銀行、KKRジャパン、オーストラリア・NZ銀行等を歴任
 部長級等の職員の追加登用
 新規案件開拓を専門とするMD(部長級)を追加登用。
 投資案件の組成・運用を行う投資戦略グループのMD(部長級)を追加登用し、足元の案件組成
ニーズに併せて、投資のプロフェッショナル人材を再配置し、案件組成チームを増設
 両グループのその他の職員も増強予定。
 業績連動評価の徹底
 業績に応じた評価を導入し、退職金に反映するなどの報酬制度を検討中。
 スキルアップ支援
 映画コンテンツ分野の専門性向上のため、ハリウッドに1名研修派遣。
会長
社長
CIO
投資戦略グループ
(案件組成・運用)
部長級2名→3名
計22名→増強(+約10)
投資連携・促進グループ
(新規案件開拓等)
部長1名→2名
計8名→増強(+4)
― 21 ―
経営企画・管理グループ
13名→増強(+2:投資管理)
機構のポートフォリオマネジメント(地域別・産業分野別)
 CJ機構は、クールジャパンに係る多様な政策的ニーズへの対応と、リスクマネジメントの観点から、
特定の産業分野、国・地域、事業規模に偏ることなく、幅広く投資活動を実施している。
 ポートフォリオの状況については、ファンド全体で元本を確保しつつ、政策的効果を最大化する
という観点から、社内で定期的に検証を行っている。
アジア(180億円)
東南・南
その他(中国等)
欧米
(24億円)
中東
(60億円)
日本国内
(63億円)
コンテンツローカライズ
75
エンタメ番組製作 10
メディア・
コンテンツ
(159億円)
地域産品
(122億円)
日本食
(132億円)
全世界向け
(149億円)
WAKUWAKU JAPAN
44
TOKYO OTAKU
MODE 15
マレーシア
ジャパンモール 11
寧波
ジャパンモール
110
中国・台湾
食材加工卸
3
日本食材の
シンガポール
フードタウン 8 加工卸販路の獲得
30
ベトナム
コールドチェーン 9
海外での
クリエイター育成 5
正規版アニメ
配信・EC 10
パリ
SAS ENIS 1
日本食
欧米外食基盤
インフラ整備
20
57
外食フランチャイズ
日本茶
3
カフェ 3
瀬戸内観光 民泊仲介
ファンド 10 サービス 3
インバウンド
(63億円)
観光・インバウンド
関連ICTファンド 50
注:2016年11月現在。赤破線は支援決定しているが、非公表(組成未確定)の案件
― 22 ―
(参考)分野ごとの戦略的な支援(例)
メディア・コンテンツ分野
流通
クリエイター(日本)
エンタメ番組製作
コンテンツ
作成・発信
技術基盤
整備
現地展開
TOKYO OTAKU MODE
WAKUWAKU JAPAN
正規版アニメ配信・EC
海外でのクリエイター育成
コンテンツローカライズ
日本食分野
生産/加工
アジア
物流
流通(卸・小売)
外食
シンガポール
フードタウン
ベトナム
コールドチェーン
日本食材の
加工卸販路の獲得
中国・台湾
食材加工卸
※未確定
一風堂
欧米
日本茶カフェ
中東
日本食インフラ整備
外食フランチャイズ
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機構のポートフォリオマネジメント(柔軟な投資手法)
 機構全体の長期収益性を確保するため、産業分野・地域のリスク分散に加え、
多様な投資手法を用意し、案件に合わせて柔軟に運用。
プロジェクト型(ベンチャー型)
収益資産保有型
性質
-海外需要開拓を行う新規事業(あるいはベンチャー)
に対して出資を行う。
-会社、資産等既に一定の収益を生んでいる資産を
確保し、更なる海外需要開拓により、そのバリュー
アップを図る。
収益
見通し
-資金が設備投資、販売費(一般管理費)、
ワーキングキャピタル等に費消され、赤字が先行。
プロジェクト(ベンチャー)がプラスの利益を生み出す
レベルまで成功できるかどうかの予見が難しい。
-個別の事業規模は小さい場合も多いが、
成功時のリターン倍率が高い。
-比較的安定した事業運営が見込めるため、
投資リターンを比較的見込みやすい。
(メザニン・デットは配当・利息での収益も可能)
-個別の事業規模が比較的大きいため、投資規模に
応じた大きな収益を見込みやすい。
頻度
-ゼロから作るものであり、
事業者が望めば、事案の企画自体は比較的容易。
-キャッシュ・フローを有する事業が前提のため、
事案が少なく、タイミングも限定される。
・特定領域における
分野専門的な判断、
ハンズオン支援
・小規模案件(数億円
程度)×複数
ファンド・オブ・ファンズ
(LP出資)
・個別の状況に応じた
丁寧な資金支援
個別エクイティ投資
※上記の他、デット・ファイナンスやGP出資についても案件次第で柔軟に検討。
― 24 ―
・稀少な機会での
迅速な意志決定
・大規模(50億円~)な
資金支援
M&A対応
(メザニン・ファイナンス等)
(参考)直近の投資決定案件
イ
ン
バ
ウ
ン
ド
分
野
内容
対象地域
瀬戸内地域の観光
産業振興ファンド
日本国内
(瀬戸内地
域)
関係企業
支援決定額
概要・進捗
公表日
せとうち観光
活性化ファンド
10億円
・瀬戸内7県の瀬戸内ブランド推進と連
携し、地銀7行・DBJ等とインバウンドに繋
がる観光産業振興ファンドにLP出資。
・H28.8第1号投資案件公表(クルーズ船)。
平成28年
3月23日
・都市部の国家戦略特区及び地方部で
の訪日外国人向けの合法的な民泊予
約サービス事業。
・事業実施中。
平成28年
4月21日
・観光・インバウンド関連のICTベンチャーを支
援するファンドへLP出資。
・投資案件組成中。
平成28年中
(予定)
平成28年
3月25日
【総事業費:
90億円】
訪日外国人旅行客
に対応した
民泊仲介サ-ビス
日本国内
百戦練磨
観光・インバウンド
関連のICTベン
チャーファンド
B社
50億円
日本国内
【案件公表前のた
め未公表】
【総事業費:
150~200億円】
中東
Gulf Japan
Food Fund
4千万ドル
(40億円超)
・日本から中東地域への食品・農産品、
生産設備・技術等の輸出・展開を目的
としたファンドへの出資。
・投資案件組成中。
1千万AED※
※UAEディルハム
(≓3億円程度)
・現地企業とパートナーシップを組み、中
東・北アフリカ地域において、日系外食
企業及び小売企業を多店舗展開。
・外食系3社と契約済。来年度1号店へ。
平成28年
6月20日
・日系外食企業へ食材加工・供給を担う
工場を整備し、安全・安心・高品質な食
材調達・加工プラットフォームを構築。
・開業に向け準備中。
平成28年
9月9日
・現地流通事業者の持つ、レストランやホ
テル等の有力な販路を確保し、日本の
食材の輸出プラットフォームを構築。
・関係事業者と案件組成中。
(案件組成後)
日本食・農産品の
海外展開インフラ整
備
食
分
野
※支援決定額については、上限額となっており、
為替の影響等により金額に変動がある。
3億円
中東における
外食・小売
店舗展開
中東
北アフリカ
Cipher Nippon
Investment L.L.C.
日系外食企業
向け食材加工
台湾
中国
GLOBAL NEXT
ATOM PTE. LTD.
日本食材の
加工卸販路の獲得
アジア
中東
A社
【案件確定前のた
め未公表】
【総事業費:
13億円】
3億円
【総事業費:
6億円】
30億円
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