2016年11月7日 親善目的だけの海外出張は止めるべき! 9月定例会・本会議・一般質問から、 10月25日・26日本会議では、 「来阪の訪日外国人が予定を超えて1,000万人に達しようとしている。経済の活 性化に寄与することからも、今後の市政の方向性として、夢洲地区に万国博覧会や統合 型リゾートIRの誘致をめざしたい。 」と市長提案があり、 議員等からは、「関西空港からのアクセス浪速筋線整備・淀川左岸線延伸工事、万博 予定地としての夢洲地区への地下鉄中央線延伸工事・夢洲まちづくりや、外国人観光客 受入れ整備策としての西成区特区構想や宿泊の民泊化の推進、府が導入する宿泊税の使 途を市内の施策に使えるようにして欲しい」等々についての質疑となる、が、 大阪維新の会高見議員の「市長の海外出張について」の質疑に、市長は、「海外出張 は市民にその成果が示せなければ意味が無い、住民サービスを含めて海外への取組みに 反映していく。 」と答弁。 翌27日大阪市ホームページに出張報告書が掲出されたので簡単に紹介したい。 出張期間は8月1日~3日まで、出張目的はサンフランシスコについての最新概況聴 取、姉妹都市サンフランシスコとの関係強化、大阪プロモーションセミナー開催など。 <1日目>サンフランシスコ観光協会で、ТID(観光産業改善地区)という仕組み について聞いた。 大阪府の導入した宿泊税は、府が徴収し使途も決定するが、ТIDはホテル観光業界 が取り決めたホテル税を徴収し、サンフランシスコの産業振興に使うなど、資金集めか ら資金の使途までを一定のエリア内で業界が決定し、実行する仕組みとなっている。 また、サンフランシスコ近代美術館の運営については、寄付制度の充実もあって、増 築費用と運営経費はすべて民間からの寄付で賄っている。 2021年に中之島にオープン予定の美術館も法人からの寄付を募り、美術館を一緒 に作っていく姿勢を持ちたい。中之島美術館を核としながら施設自身が集客できる公共 空間構築をしたい。 <2日目>大阪プロモーションセミナーを現地で開催、現地の人や企業に「大阪でビ ジネスをやって下さい」との売り込みをする。サンフランシスコは新しい企業が生まれ る経済都市であり、一層の連携として人事・情報・文化・学術の交流を更に深めていこ うと共同宣言に署名した。 サンフランシスコの姉妹都市協会から学生交流事業の提案があり、帰国後に教育委員 会と「学生アンバサダー事業」として具体の話を進めている。 市長自ら大阪全体のプロモーションとして、大阪の優位性、魅力の紹介をし、大阪の 企業とサンフランシスコの企業とのビジネス連携を図った。 <3日目>大阪の産業に繋げていきたいとの思いから、シリコンバレーを訪問。スタ ンフォード大学との連携の実態を見る。そこでは、企業や学生が縦割りではなく、横並 びのチームになってアイデアを出し合い商品化出来ている。商品の開発は作り手側に立 つのではなく、受け手の側が何を要求しているかをあぶりだすことで新たなビジネスチ ャンスにつなげられるとのことであった。サンゼノバイオキューブでは、医療・医薬品・ 医療機器と言った医学系の企業を育成する施設やスマートシテイープロジェクトの視 察をし、将来の都市の有り方等意見交換した。 (要旨以上) もう10年以上も前から、大阪市財政立て直しのための市政改革が推進されてきたは ずだが、大阪市議会議員は海外視察と称して毎年海外出張をし続けている。平成25年 度10月シカゴ約500万円。平成26年1月シンガポール約700万円。平成26年 8月ブラジル約700万円。平成26年度9月ハンブルグ約600万円。平成27年度 7月ミラノ約500万円。すべて親善のため名目である。 毎年一千万円以上が議員の海外出張費用として支出されているようだが、議会の質疑 を聞いても、議員の海外出張費用に見合う成果が市政に反映されているとはとても思え ない。 当会では過去にも市政に成果が反映されているのかどうかが市民に見えないような 海外出張は税の無駄遣いであるから止めるべきと意見を出している。もっとも、そんな 意見は無視されて、このように現在に至るまで海外出張は継続して実施され続けている。 今回のこの市長の海外出張報告に関しては、大方の市民にも納得できるものと言える。 市長の言う通り、公金を使っての海外出張は市民に成果を示せなければ、意味がない。 従来の議員の出張報告書を見ても物見遊山まがいのものでしかなく、とても市民の血税 を使って市政に寄与できるような視察とは思えないものがほとんどであった。 市民負担となる借金が今に至っても多額であり、税収の伸びが期待できない時代を迎 えて、市民の納得を得られない親善目的の海外視察など(個人的な勉強や楽しみのため に海外視察をし自分をグレードアップしたいのであれば)、今後、議員各自が自費で行 なうべきであると市民は考える。 以上 大阪市を洗濯する市民の会 http://www.sentaku-osaka.jp/
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