FX Weekly 平成 28(2016)年 11 月 11 日 GLOBAL MARKETS RESEARCH チーフアナリスト 内田 稔 三菱東京 UFJ 銀行 A member of MUFG, a global financial group Table of contents 1 今週のトピックス 2 来週の相場見通し 3 来週の経済指標・イベント 4 マーケットカレンダー 1. 今週のトピックス トランプ政権への期待 シニアマーケットエコノミスト 鈴木 敏之 2. 来週の相場見通し (1) ドル円:ドル高を加速するスパイラルの持続性 予想レンジ 104.00 ~ 107.50 (2) ユーロ:トランプ勝利、12 月 4 日伊国民投票に注目 予想レンジ 対ドル: 1.0800 ~ 1.1200 対円: 113.00 ~ 120.00 (3) 人民元:元の続落リスクに要警戒 予想レンジ 対ドル: 6.7750 ~ 6.8350 対円: 1 FX Weekly | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 15.25 ~ 15.85 トランプ政権への期待 トランプ政権は、成長 の長期的な下降トレン ドを覆せるか? 米国経済は、他の金融危機に見舞われた国に比べると極めて短時 間に経済状態を回復させた。失業率は 4.9%まで低下し、完全雇用 に近い。インフレ率も消費者物価のコア指数でみれば、2%超で推 移している。株価は高値で推移している。それでも、この大統領選 挙では現職オバマ大統領の民主党は政権を失い、共和党トランプ候 補の勝利となった。議会選挙も上下両院を共和党が抑えた。米国経 済は、労働生産性の成長率低下、潜在成長率の低下という悩ましい 問題を抱えている。レーガノミクスの連想から、共和党政権であれ ば、この下向きのトレンドを覆せるのではないかという期待が持た れている。その可能性を吟味したい。 第 1 図: 生産性成長下降トレンド底入れ反転への期待 (%) 7 6 5 4 3 2 1 0 -1 -2 60 65 70 75 80 85 90 95 00 05 10 15 (年) 労働生産性(前年比成長率) 趨勢(HPフィルター) (資料)米労働省のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 ① 成長反転の見込める条件 共和党的な経済活性化 策 税負担軽減、制緩和、 ルールに従う金融政策 共和党的な経済活性化策は、税負担の低減、規制緩和、ルール重 視の金融政策というのが、テーラー(John B.Taylor)教授の主張で ある。トランプ政権の政策が経済成長の鈍化を反転させられるかは、 ふたつの要素に左右される。第一は、こうした政策が今の経済状態 で有効かどうかである。第二は、トランプ大統領と共和党が協調し て、そうした政策をとれるかであろう。 まず、税負担の低減、規制緩和、ルール重視の金融政策の意義を 確認してみたい。 イ)法人税の税負担の引き下げ 税負担の軽減があるだ けで、経済成長の下降 がとまる保証はない 2 法人税の負担が下がったところで、80 年代には、米国経済の生 産性成長は高まりだした。このため、税制変更で経済成長が刺激で きるという話は受け入れられやすい。しかし、グローバル金融危機 後、特段の税負担の上昇がなくても生産性の成長は落ち込んでいる。 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 このところの労働生産性の成長を押し上げる対応が要るということ であるが、税負担がその対応になるとは言い切れない。 第 2 図 : 法人税負担と労働生産性の成長 (%) (%) 4.5 3.5 4.0 3.0 3.5 2.5 3.0 2.0 2.5 1.5 2.0 1.5 1.0 1.0 0.5 0.5 0.0 0.0 66 71 76 81 86 91 96 労働生産性成長率 HPトレンド 〈左目盛〉 01 06 11 (年) 法人所得税 GDP比 〈右目盛〉 (資料)米国労働省、議会予算局(CBO)のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 ロ)規制緩和 規制緩和が経済成長を 押し上げるかは、やっ てみないとわからない 規制緩和が経済を活性化させるというのも、レーガノミクスの大 きなレガシーである。それは、サッチャリズム、ナカソネミクスと して他国にも広まった。規制の度合いは、規制の文書のページ数で 把握するアイデアがある。レーガノミクス期の規制緩和は、経済成 長を押し上げた結果が観察される。 第 3 図: 規制緩和と経済成長 (%) 3.5 (頁) 0 規制緩和 ↑ 10,000 規制強化 ↓ 20,000 3.0 30,000 2.5 40,000 2.0 50,000 60,000 1.5 70,000 1.0 80,000 48 51 54 57 60 63 66 69 72 労働生産性成長HPトレンド 〈左目盛〉 75 78 81 84 87 90 規制頁数 〈右目盛〉 (年) (資料)米国労働省、CEI のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 当時は規制緩和、経済成長刺激の関係が明瞭であった。しかし、 近年、明瞭な関係があるようには見えない。よほど、大胆な規制緩 和(既存の規制の廃止)がなされれば、良い結果が出るかもしれな いが、規制がそれほど増えなくても、生産性の成長が鈍っているの が、今の現実である。 3 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 第 4 図:昨今は規制の強化と経済成長の強弱の関係は不明瞭 (%) 8.0 規制緩和 ↑ (頁) 0 10,000 7.0 規制強化 ↓ 6.0 20,000 5.0 30,000 4.0 40,000 3.0 50,000 2.0 60,000 1.0 70,000 0.0 80,000 -1.0 90,000 -2.0 100,000 48 51 54 57 60 63 66 69 72 75 78 81 84 87 90 93 96 99 02 05 08 11 14 (年) 労働生産性(前年比成長率) 〈左目盛〉 規制頁数 〈右目盛〉 (資料)米国労働省、CEI のデータにより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 ハ)ルール重視の金融政策 ルールに従う金融政策 は危機を果たせなかっ た 金融政策が適切にとられれば、経済は安定する。経済が安定して いれば、成長にはプラス効果があるというのがテーラー教授の発想 である。そして、金融政策が適切にとられているかは、テーラー ルールによるFF金利から実際のFF金利の乖離がどれだけ小さいか で計測される。また、経済の安定は、GDPの成長率が潜在成長率か らどれだけ乖離しているかと、インフレ率が 2%の目標インフレ率 からどれだけ乖離しているかを計数化(中央銀行の損失関数)して 把握する。 第 5 図: 金融政策ルールからの乖離と経済の安定 14.0 経済の不安定 ↑ テーラールールからの乖離 ↑ 12.0 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 60 65 70 75 80 中央銀行の損失関数 85 90 95 00 05 テーラールールからの乖離(絶対値) 10 15 (年) (資料)米商務省、労働省、FRB、議会予算局(CBO)のデータより、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 確かに、ルールに従う金融政策が経済を安定させたといえる局面 もあったが、それではグローバル金融危機のときの経済の悪化は避 けられなかった。ただし、こうした金融政策の指針を尊重していた ので、危機モードからの離脱を迅速にできたという評価はできる。 4 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 共和党の伝統型の経済政策を切り替えても、生産性の成長の伸び 悩みを打破できる保証はないことになる。そもそもレーガノミクス は、大インフレが克服されて、自然に経済が上向いたのかもしれな い。その状況は今とは異なる。 ② トランプ次期大統領と共和党議会の距離 成否を握るのは、トラ ンプ次期大統領と共和 党議会の距離 トランプ次期大統領の主張は、保護主義的なところがある。これ は、レーガノミクス時代とは異なる。共和党が、ホワイトハウス、 上下両院をおさえたことで、議会のねじれで政策の動きが進みにく かったオバマ政権とは違うという期待もあろうが、ホワイトハウス と議会が、どこまで歩み寄るかは不透明である。閣僚人事が固まり、 トランプ次期大統領の大統領としてのふるまいをみるまで、不透明 が残る。ただし、両者が綿密に協力し、成長刺激に効果のありそう な政策がとられることで、経済が上向く期待は持てる。 ③ 金融政策の行方 11 月 17 日のイエレン FRB 議長の議会証言 は、12 月 14 日の利上 げ宣言の可能性 5 クリントン候補当選であれば、増税の動きが出たことになるが、 トランプ政権の看板は減税になる。財政収支の不均衡拡大、それを 見越しての長期金利上昇の動きが出ている。米国国債市場は流動性 が大きい金融市場であり、そこで高い利回りがつけば、低イールド に悩む世界中の投資家が目を向け、ドルの上昇が起きる。ビジネス フレンドリーな共和党が、ホワイトハウス、上下両院をおさえたこ とで、株式市場も強い。そして、ドルも強い。 Fedにとって、11 月 2 日のFOMC時点でみていた経済と今では異 なる要素があるが、その相違が、今得られているデータで当時の GDP成長率、インフレ率、失業率の見方を変えるまでになっていな いだろう。政治からの独立をイエレンFRB議長は 9 月の会見で強調 した。フィッシャーFRB副議長が 11 月 4 日に、かなり強トーンで 利上げをすると言っていた。経済見通しの変更を不可避とする明瞭 なデータがない以上、12 月 13-14 日に利上げをするのが順当である。 11 月 17 日に、イエレンFRB議長が、上下両院合同経済委員会で証 言する。12 月の利上げを宣言する場となる可能性が大きい。その 後は、12 月 2 日の次の雇用統計が崩れない限り、利上げに進みそ うである。 その先は、新政権がどういう政策をとりそうかが見えるまで、政 策の進め方を柔軟に言うであろう。財政拡張が順調に動いて、経済 見通しが上方改訂されて、労働市場のスラック(たるみ)が急速に 小さくなるという見方ができれば、利上げの進め方は、従前(来年 2 回)よりも強いものになるかも知れない。一方で、ドル高が株式 市場の下押しをもたらすようであれば、また、長期金利の上昇が経 済にブレーキをかけるようになれば、追加利上げは難しくなる。ま た、イエレンFRB議長は 10 月 14 日の講演で、高圧経済許容を言っ ている。インフレ率が相応の上昇率で安定するまで、需要が強くて 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 よいというのである。目を見張る経済の加速は早期には実現しない だろうし、高圧経済を許容するのだから、新政権を見定めるまで様 子を見ながら、来年の利上げは控えるという動きをみておきたい。 第 6 図: U6 失業率低下の勢いは鈍っており景気後退の懸念は排除できない (%) 8 7 6 5 4 3 2 1 0 -1 -2 -3 94/01 96/01 98/01 00/01 02/01 米国景気後退 04/01 06/01 08/01 10/01 12/01 14/01 16/01 (年/月) U6失業率 前年同月からの変化幅 (資料)米労働省、NBER のデータから、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 シニアマーケットエコノミスト 6 今週のトピックス | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 鈴木 敏之 (1) ドル円:ドル高を加速するスパイラルの持続性 今週のレビュー 米大統領選クリントン候補が国務長官時代、公務に私用メールを 利用していた問題で、米連邦捜査局(FBI)が捜査を再開。大統領 選直前の 6 日になってFBIは「訴追を求めない」との決定を維持す ることを明らかにした。この発表を受けて、大統領選はクリントン 氏優勢との見方が広まり、ドル円相場は週明け 7 日早朝からドル買 い円売りの動きとなった。週末 4 日の終値 103.10 円から 104 円台半 ばまで水準を切り上げて始まり、欧州勢参入後に高値 104.63 円ま で上昇している。大統領選当日の翌 8 日はアジア時間こそ様子見 ムードとなるも、欧州勢参入以降にじりじりと上昇し、米国時間に は 105 円台へ上伸。米国内で投票が行われるなかでもクリントン氏 優勢との見方から 105 円台を維持して日付を跨いだ。米国東部から 開票が始まるとやや神経質な値動きとなり、東京時間午前 10 時前 後に選挙人数の多いフロリダ州でのトランプ氏優勢が伝えられて以 降はドル円相場が急落。およそ一時間で 102 円絡みまで下落し、そ の後も断続的に売りが続いた。東京時間午後 2 時ごろには安値 101.19 円まで下押ししている。ただ、その後は大手メディアがトラ ンプ氏当選確実を報じるなか、ドル円相場は反発。米国時間には大 統領選と同時に実施された上下両院議員選挙でともに共和党が過半 数を確保したことや、トランプ氏の勝利演説などを受けて続伸(第 1 図)。急落前の高値をも上回る 105.89 円まで上昇した。10 日東京 時間には一旦 105 円割れの水準まで調整したものの、その後さらに 高値をうかがう展開となり、欧州勢参入後には 7 月 27 日以来の 106 円台に載せ、106.95 円まで上昇幅を拡大している(第 2 図)。 もっとも、中南米通貨、株式市場でリスク回避的な動きが強まるな か、ドル円相場も上値が重くなり、11 日朝方にはアジア金融市場 がパニック的な状況となったことで、ドル円相場も 106.25 円まで 反落。その後本稿執筆時点にかけては、アジア市場の混乱もひとま ず下火となったことから、ドル円相場は 106 円台半ばまで値を戻し ている。 第 1 図: 米大統領選、上下両院選挙の結果 第 2 図: 今週のドル円相場 (円) 108.0 ↑円安 大統領選挙 107.0 ドナルド・トランプ 290 未確定 16 106.0 ヒラリー・クリントン 232 上院議員選挙 105.0 共和党 51 未確定 1 104.0 民主党 48 103.0 下院議員選挙 102.0 ↓円高 共和党 238 未確定 4 民主党 193 (注)日本時間 11 月 11 日午後 5 時時点 (資料)CNN より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 7 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 101.0 11/7 11/8 11/9 11/10 11/11 (月/日) (資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 サプライズとなったド ル円急騰 多くの市場参加者にとってサプライズとなったのは、米大統領選 結果よりも、ドル円が 101.19 から急反発し、107 円台に迫った動き だろう。無論、当方も先週号にてトランプ氏勝利なら、一時的に 100 円を割り込む場面もあり得ると予想した。 ドル高の背景 このドル高の源泉として、大幅な米国債利回りの上昇(債券相場 の大幅な下落)が挙げられる(第 3 図)。しかし、米債利回りの急 上昇は、多くの先進国にも波及しており、米国の対外金利差の拡大 は抑制されている。ドル全面高の要因としては後講釈の感を否めな い。しかも、その米国債利回り上昇の背景は、大統領選を踏まえた 米国経済へのプラスの変化に対する期待感との指摘がある一方、財 源の議論も十分にない中での連邦法人税率引き下げを念頭に置いた 米国財政へのリスクプレミアム上昇といった本来ならドル売りとな る要素も含まれていると考えられる。また、金融規制緩和期待によ る金融セクターやインフラ投資の拡大を見越した特定業種の上昇に 牽引された米国株式相場の上昇にも、ドル高や金利上昇が次第に重 石になると考えられる。さらに、足元で急速に進むそのドル高が、 資源価格の下落を後押しすれば(米ドルと資源価格は総じて逆相関 性が強い)、これがリスク回避姿勢を助長する上、もともとドル高 は製造業などの設備投資を抑制する影響も懸念され、株式相場への 逆風となりやすい(第 4 図)。足元では、結束を呼びかけたトラン プ氏の勝利宣言が好感された上、10 年ぶりとなる議会とのねじれ が解消したことも、今後の前向きな変化に対する期待を刺激してい る。とは言え、与党共和党主流派とトランプ氏との関係再構築の行 方や閣僚人事の顔ぶれ、それらを踏まえたトランプ新大統領の政治 手腕や政策遂行能力の見極めには、なお時間を要するとみられる。 市場が最も嫌う不確実性は当面、解消されそうになく、新興国通貨 の急落も巻き込んで進むドル高が継続するとは考えにくい。 第 3 図: 米 10 年国債利回りの推移 2.4 第 4 図: ドル指数 (%) 105 2.2 100 2.0 95 1.8 90 1.6 85 1.4 80 1.2 16/1 16/2 16/3 16/4 16/5 16/6 16/7 16/8 16/9 16/10 16/11 (年/月) (資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 8 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 75 14/1 14/4 14/7 14/10 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 16/7 16/10 (年/月) (資料)Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 米金融政策の行方 不確実性と言えば、米国の金融政策も同様だ。12 月に関して言 えば、既に市場の織り込み度合いが 8 割を超えており、利上げに踏 み切る可能性が高い。しかし、TPP(環太平洋経済連携協定)の承 認が見送られる情勢となっている上、トランプ氏はNAFTA(北米 自由貿易協定)からの脱退方針を公言している。こうした著しい政 策の不連続性が、米連邦公開市場委員会(FOMC)の今後の経済見 通しに影響を与える可能性は高く、来年以降の利上げに関しては、 予断を許さない。こうしてみると、利上げを期待したドル高の持続 性も乏しいと言えそうだ。結局、「トランプ勝利なら円高」とのコ ンセンサスに反するドル円の急上昇は、米感謝祭前の年内数少ない 商機とみたドルの買い仕掛けが、さらに後追いのドル買いを誘い、 ドルの急上昇を誘発した側面が強いと考えられる。その上、トラン プ新政権への期待が、何らかのきっかけによる失望へと転換する可 能性も低くない。短期的には足元のモメンタムを重視し、ドル円の 続伸も念頭に置く必要があるものの、足元のドル円上昇が今後の持 続的なトレンドを示唆している可能性は低いと現時点では判断して いる。FX Monthly11 月号(10/31)発行掲載の 10~12 月期の予想レ ンジ(97.5 円~107.0 円)を一時的に上抜けする可能性は否定でき ないが、イベント後の熱気や混乱が次第に沈静化するに連れ、ドル 円の上値は次第に重くなると予想する。 安倍首相、トランプ氏 と会談 さて、来週は 17 日に安倍首相がニューヨークでトランプ氏と会 談する予定だ。正式な大統領への就任前でもあり、踏み込んだ議論 というより、日米同盟関係の重要性を再確認するなどにとどまる公 算が大きい。但し、仮に安倍政権下で進んだ円安に注文が付くよう なことがあれば、今後の日銀の金融緩和に対する思わぬ逆風とみな されかねない。一方、これまでの政策への賛同を得ると、トランプ 新政権も通貨安志向を強める可能性が改めて意識されかねない。ど ちらに転んでも若干のドル安円高リスクをはらんだイベントとなり 得る点に留意が必要だろう。折りしも麻生財務相は 10 日の国会答 弁にて、「為替介入は、よほどのことがない限り、控えるべき」と 発言。足元では大幅な円安が進行している中とあって、さほど材料 視されていない。しかし、先週も指摘した通り、日銀の金融緩和メ ニューに円高抑制効果を期待しにくいことと合わせると、円高が進 行した際の政策面での防衛能力は政府・日銀ともに決して高くない。 来週すぐということではないだろうが、大統領選といったテーマに よるドル買いが一巡した後の調整局面では、この点に警戒が必要だ。 予想レンジ ドル円:104.00 ~ 107.50 チーフアナリスト 内 田 稔 アナリスト 井野 鉄兵 9 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 (2) ユーロ:トランプ勝利、12 月 4 日伊国民投票に注目 今週のレビュー 米大統領選挙を挟んでユーロドル相場は値動きの荒い展開となっ た。トランプ氏の勝利を受け米長期金利が大幅に上昇する中、ドル 高が進行し、ユーロドルは弱含んで推移。一時は 2 ヶ月ぶりとなる 高値を付ける場面もみられたが、結局、約 3 週間ぶりの安値圏まで 反落し、往って来いの展開となった。 ユーロドルは、1.1095 で寄り付いた。注目された米大統領選挙だ が、開票作業が進むにつれトランプ氏が優勢と報じられた。リスク 回避の動きにより急速にドル売りが強まり、ユーロドルは高値 1.1300 を示現した。但し、トランプ氏が勝利を宣言し、国民の結束 と強い米国経済を目指すと演説したことが安心感を誘い、リスク回 避の動きも一服。その後は、トランプ氏による大型減税やインフラ 投資といった今後の経済政策への期待の高まりを受け、米長期金利 が大幅に上昇した。ドル買いが優勢となる中、ユーロドルは安値と なる 1.0865 を示現し、その後も安値圏での推移となっている。 第 1 図: 今週のユーロドル相場の推移 (ドル) 1.135 ↑ユーロ高 1.125 1.115 1.105 1.095 ↓ユーロ安 1.085 11/7 11/8 11/9 11/10 11/11 (月/日) (資料) Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 来週の見通し ユーロドルは緩やかな がらも徐々に底堅さを 増していく ユーロドル相場に関し、当方は従前より、緩やかながらも徐々に 底堅さを増していくと予想してきた。ユーロ固有の材料を見た場合、 ユーロを下支えする中長期的な材料として、①経常収支黒字、 ②ユーロ圏景気の底堅さ、③ECB による政策変更が資産買入プロ グラムの微調整に留まることで追加緩和拡大の期待が後退すること 等を重視したためだ。これらの状況は米大統領選挙後も概ね、不変 と考えられる。 ユーロ圏の期待インフ レ率の動向に注目 米大統領選挙でのトランプ氏勝利により、事前に予想された通り、 リスク回避の動きが一時的に高まったものの、トランプ氏が掲げる 経済政策が好感され、リスク選好ムードが強まっている。但し、米 長期金利の上昇を受けドル高が進行する中、ユーロ圏を含め世界的 に長期金利が上昇している。ユーロ圏経済は依然として低成長が続 くと見込まれており、長期金利の上昇が続くと、期待インフレ率は かえって低下(予想実質金利の上昇)する恐れがある。大統領選後 のドル買い一巡後、次第にユーロは下げ渋ると考えられる 10 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 第 2 図:ユーロ圏の長期金利の推移 (%) (%) 0.8 1.7 0.6 0.4 1.2 0.2 0 -0.2 16/01 16/02 ドイツ(左目盛) 16/03 16/04 16/05 フランス(左目盛) 16/06 16/07 イタリア(右目盛) 16/08 16/09 16/10 0.7 16/11 (年/月) スペイン(右目盛) (資料)Bloomberg より、三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 米大統領選挙結果が、 イタリア国民投票にも 影響する懸念が高まる 尚、今後を見据えると、イタリアの国民投票が注目される。英国 のEU離脱方針が決定されて以降、欧州ではシリア難民受け入れ政 策を巡り、反EUへの機運が急速に高まり表面化しつつある。今年 後半と来年に掛けて選挙イヤーを迎える欧州だが、難民・雇用・社 会保障政策等を巡る対立構造が更に深刻化する懸念が警戒されてい る(第 1 表)。12 月 4 日に予定されるイタリア国民投票も、事実上 のレンツィ首相の信任投票と言える。一部報道では、イタリア憲法 改正を巡る国民投票は反対票が多数を占め、改革派のレンツィ政権 が辞任する可能性が十分高いと懸念される。もっとも、憲法改正案 が否決された場合だが、レンツィ首相は辞任の可能性に関しトーン を弱めており、大統領が議会を解散し総選挙をする公算は小さいと 考えられる。しかし、政治空白が生じれば、銀行の不良債権処理問 題は遅れ、政治不透明感からイタリア景気が弱含む可能性が高く、 予断を許さない状況が続く。 欧州における反難民感情が高まる中、状況は流動的だ。英国の EU離脱に関する国民投票や、金融危機後、長らく続く改革・財政 緊縮による疲弊といったEUへの反感は強まっている。米大統領選 挙でトランプ氏が勝利したサプライズもあり、反難民(反EU)を 掲げるポピュリスト政党の台頭には警戒が要る。先述の通り、ファ ンダメンタルズでは下げ渋るとみられるユーロ相場だが、政治的な 要因による下落材料を控えている点には注意が必要だ。 第 1 表:欧州主要政治イベント日程 日程 16 / 12 / 4 12 / 4 12 月 17 / 1-3 ? 3 / 15 4 / 23 5/7 9 月頃 国名 イタリア オーストリア ドイツ イギリス オランダ フランス フランス ドイツ 選挙内容 上院権限縮小の為の憲法改正の是非を問う国民投票 大統領選挙の再決選投票 (10 月 2 日から延期) キリスト教民主同盟 (CDU) 党大会 メルケル首相 4 選に向けた信任投票 EU 離脱の通告、交渉の開始? 下院選挙 大統領選挙(第 1 ラウンド) 大統領選挙(第 2 ラウンド) 連邦議会選挙 (資料)三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチで作成 予想レンジ ユーロドル:1.0800 ~ 1.1200 ユーロ円:113.00 ~ 120.00 チーフアナリスト 11 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 内田 稔 井上 雅文 (3) 人民元:元の続落リスクに要警戒 今週のレビュー 週初 6.77 絡みで寄り付いたオンショア人民元(中国国内市場、 CNY)は、米大統領選を控えた様子見姿勢から、暫く方向感に欠け る値動きが継続した。しかし、開票が進むに連れて、トランプ大統 領候補の優勢が報じられると、保護主義傾斜への思惑や、米国を巡 る不透明感の高まり、リスクセンチメントの悪化を背景に、対主要 通貨でドルが急落。11/9 には、高値となる 6.7550 まで上昇した。 もっとも、海外時間に入ると、一転してトランプ氏の勝利に対する 楽観的な見方が台頭。米主要株価指数の急反発や、米国債利回りの 急上昇がドルの買い戻しを誘発し、週末にかけては心理的節目とな る 6.80 を突破。約 6 年 5 ヶ月ぶり安値 6.8214 を示現している。 第 1 図 : オンショア人民元相場の推移 ↑ 人民元高 ↓ 人民元安 (資料) Bloomberg より三菱東京 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成 来週の見通し 予想レンジ 元の先安観が足元で再燃している。①トランプ氏の勝利確定後の 急速なドル高進行が一因ではあるものの、②当局による元安容認観 測、③SDR(IMFの特別引き出し権)組み入れ開始に伴うハードカ レンシー化(自由に他国通貨と交換可能な通貨)への思惑、④資本 流出懸念の高まり、⑤外貨準備の減少懸念など、人民元安の要因も 少なくない。事実、10 月の外貨準備は、3 兆 1210 億ドル(前月比 ▲457 億ドル)と、2011 年 3 月以来となる低水準を記録。外貨準備 の減少に伴う介入余力への不信感が、投機的な元売りに拍車をかけ た格好だ。⑥(米国の)対中政策を巡る先行き不透明感も燻る中で、 中国国外で取引されるオフショア人民元(CNH)は、一時 6.84 台 後半まで急落。オンショアとオフショアの価格差乖離が再開してい る。来週は、11/14 の固定資産投資、鉱工業生産、小売売上高など、 中国の重要経済指標が複数予定されている。米ドル主導の動きはし ばらく続く公算が大きく、来週はトランプ氏に対する期待感などか ら、ドル高が続く可能性が高い。この為、人民元には下押し圧力が 加わると見られ、更なる下落が警戒される。もっとも、同水準では 介入警戒感も燻ることから、一方向の下落も想定し辛い。米国の保 護主義傾斜への思惑も次第にドルの上値を抑えると見られ、元の下 落速度はやや鈍化しよう。 ドル人民元:6.7750 ~ 6.8350 12 来週の相場見通し | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 人民元円:15.25 ~ 15.85 アナリスト 藤瀬 秀平 来週の主な経済指標 14 日 (月) 15 日 (火) 16 日 (水) 17 日 (木) 18 日 (金) 19 日 (土) 8:50 11:00 11:00 11:00 19:00 19:00 19:00 19:00 22:30 22:30 22:30 0:00 22:30 23:15 23:15 6:00 16:00 22:30 22:30 22:30 22:30 22:30 18:00 0:00 日 中 中 中 ユ ユ 独 独 米 米 米 米 米 米 米 米 ユ 米 米 米 米 米 ユ 米 実質 GDP(前期比年率、3Q 速報) 鉱工業生産(前年比、10 月) 都市部固定資産投資(年初来累計/前年比、10 月) 小売売上高(前年比、10 月) 鉱工業生産(前月比、9 月) 貿易収支(季調済、9 月・億ユーロ) ZEW 景況感調査(期待指数、11 月) ZEW 景況感調査(現況、11 月) 輸入物価指数(前年比、10 月) 小売売上高(前月比、10 月) ニューヨーク連銀景況指数(11 月) 企業在庫(前月比、9 月) 生産者物価指数(前月比、10 月) 鉱工業生産(前月比、10 月) 設備稼働率(10 月) 証券投資収支(9 月、億ドル) EU 新車登録台数(前年比、10 月) 新規失業保険申請件数(11/12・万件) 消費者物価指数(前年比、10 月) 住宅着工件数(10 月・万件) 建設許可件数(10 月・万件) フィラデルフィア連銀景気動向指数(11 月) 経常収支(9 月・億ユーロ) 景気先行指数(10 月) 10:00 13:45 17:30 0:00 3:20 7:00 8:30 17:30 19:00 21:30 23:05 0:45 3:00 3:30 3:30 17:00 21:45 7:30 日 日 ユ ユ 米 米 米 ユ 英 米 米 ユ ユ 米 米 米 米 米 ユ ユ 米 米 ユ ユ 米 ユ 米 米 米 黒田・日銀総裁挨拶 黒田・日銀総裁会見 コンスタンシオ・ECB 副総裁講演 ドラギ・ECB 総裁イタリア財務省イベント出席 カプラン・ダラス連銀総裁講演 ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演 ラウテンシュレーガー・ECB 専務理事講演 カーニー・イングランド銀行総裁証言 ローゼングレン・ボストン連銀総裁講演 タルーロ・FRB 理事講演 トリシェ・元 ECB 総裁講演 ノボトニー・オーストリア中銀総裁講演 フィッシャー・FRB 副議長講演 カプラン・ダラス連銀総裁講演 ブラード・セントルイス連銀総裁講演 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁講演 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演 ECB 理事会議事録 メルシュ・ECB 専務理事講演 イエレン・FRB 議長議会証言 ブレイナード・FRB 理事講演 プラート・ECB 専務理事講演(ニューヨーク) ドラギ・ECB 総裁講演 ブラード・セントルイス連銀総裁講演 バイトマン・ドイツ連銀総裁講演 ジョージ・カンザスシティ連銀総裁講演 カプラン・ダラス連銀総裁講演 パウエル・FRB 理事講演 中央銀行関連 14 日 (月) 15 日 (火) 16 日 (水) 17 日 (木) 18 日 (金) 19 日 (土) 17:10 0:00 2:30 6:45 17:00 19:30 19:30 23:30 3:30 11:45 13 来週の経済指標・イベント | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 予想 0.8% 6.2% 8.2% 10.7% ▲ 1.0% 7.9 62.3 ▲ 0.3% 0.6% ▲ 2.50 0.2% 0.3% 0.2% 75.5% 1.6% 115.5 119.5 8.0 0.1% 前回 0.7% 6.1% 8.2% 10.7% 1.6% 233 6.2 59.5 ▲ 1.1% 0.6% ▲ 6.80 0.2% 0.3% 0.1% 75.4% 483 7.2% 25.4 1.5% 104.7 122.5 9.7 236 0.2% その他 14 日(月) 15 日(火) 16 日(水) 17 日(木) 18 日(金) 12:45 12:45 18:50 3:00 ※市場予想は Bloomberg 調査中央値 時刻は日本時間 日 ユ 日 ユ 米 5 年債入札 EU 経済・財務相理事会 20 年債入札 国債入札(フランス) 10 年インフレ連動債入札 *印は作成日(11/11)現在で未確定のもの 14 来週の経済指標・イベント | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 マーケットカレンダー 月 2016/11/14 火 水 15 ユーロ圏/鉱工業生産(9 月) 中/鉱工業生産(10 月) 小売売上(10 月) 木 金 16 17 米/輸出入物価指数(10 月) NY 連銀景況指数(11 月) 小売売上(10 月) 企業在庫(9 月) 都市部固定資産投資(10 月) 日/GDP 速報(3Q) ユーロ圏/貿易収支(9 月) 独/ZEW 景況指数(11 月) 米/生産者物価指数(10 月) 鉱工業生産(10 月) 設備稼働率(10 月) 証券投資収支(9 月) 米・ダラス連銀総裁講演 米・リッチモンド連銀総裁講演 米・サンフランシスコ連銀総裁講演 日・黒田日銀総裁挨拶/会見 米・セントルイス連銀総裁講演 米・ミネアポリス連銀総裁講演 米・イエレン FRB 議長議会証言 米・フィラデルフィア連銀総裁講演 米・ブレイナード FRB 理事講演 EU 経済・財務相理事会 米・10 年 TIPS 債入札 22 23 米・セントルイス連銀総裁講演 米・カンザスシティ連銀総裁講演 米・ダラス連銀総裁講演 米・パウエル FRB 理事講演 24 米/FOMC 議事要旨(11/1, 2 分) 独/Ifo 景況指数(11 月) 耐久財受注速報(10 月) FHFA 住宅価格指数(9 月) (11 月) 新築住宅販売(10 月) ユーロ圏/製造業 PMI 速報 サービス業 PMI 速報 米・7 年債入札 日市場休場 米・5 年債入札 28 ユーロ圏/マネーサプライ M3 独/小売売上(10 月)* フィラデルフィア連銀景況 米/中古住宅販売(10 月) ユーロ圏/消費者信頼感指速報 米・2 年債入札 欧州議会本会議(~24 日) 18 米/景気先行指数(10 月) ユーロ圏/経常収支(9 月) 指数(11 月) ユーロ圏/ECB 理事会議事録 EU 新車登録台数(10 月) 米・ボストン連銀総裁講演 米・タルーロ FRB 理事講演 米・フィッシャーFRB 副議長講演 米・ダラス連銀総裁講演 21 日/貿易収支速報(10 月) 米/住宅着工件数(10 月) 建設許可件数(10 月) 消費者物価指数(10 月) 29 25 米/卸売在庫速報(10 月) 日/消費者物価指数 (都区部 11 月、全国 10 月) 米市場休場 30 12/1 米/GDP 改定(3Q) 米/地区連銀経済報告 米/建設支出(10 月) ADP 雇用統計(11 月) ISM 製造業指数(11 月) (10 月) ケース・シラー住宅価格指数 個人所得・消費支出(10 月) 自動車販売(11 月)* (9 月) シカゴ PM 景況指数(11 月) ユーロ圏/失業率(10 月) CB 消費者信頼感指数 (11 月) ユーロ圏/消費者物価指数速報 中/製造業 PMI(11 月) ユーロ圏/欧州委員会景況指数 (11 月) 日/法人企業統計(3Q) (11 月) 日/鉱工業生産速報(10 月) 独/消費者物価指数速報 住宅着工戸数(10 月) 2 米/雇用統計(11 月) ユーロ圏/生産者物価指数 (10 月) (CPI、11 月) 日/完全失業率(10 月) 家計調査(10 月) 欧州議会本会議(~1 日) 5 米/ISM 非製造業指数(11 月) ユーロ圏/小売売上(10 月) 6 米/貿易収支(10 月) 製造業受注指数(10 月) 7 米/求人労働異動調査(10 月) 消費者信用残高(10 月) 独/鉱工業生産(10 月) 日/景気動向指数速報(10 月) 8 ユーロ圏/ECB 理事会 ECB 総裁定例会見 中/貿易収支(11 月) 日/国際収支速報(10 月) 15 マーケットカレンダー | 平成 28(2016)年 11 月 11 日 指数速報(12 月) 独/貿易収支(10 月) 中/消費者物価指数(11 月) 生産者物価指数(11 月) 対外対内証券売買契約等 の状況(11 月) 日/法人企業景気予測調査(4Q) GDP 改定(3Q) 景気ウォッチャー調査(11 月) 米・シカゴ連銀総裁講演 日・黒田日銀総裁講演 ユーロ圏財務相会合 EU 経済・財務相理事会 *印は作成日(11/11)現在で日程が未確定のもの 9 米/ミシガン大消費者信頼感 照会先:三菱東京UFJ銀行 グローバルマーケットリサーチ チーフアナリスト 内田 稔 当資料は一般的な情報提供のみを目的として作成されたものであり、特定のお客様のニーズ、財務状況又は投資対象に対応することを意図しておりませ ん。また、当資料は、適用法令上許容される範囲内でのみ利用可能であり、当資料の頒布を制約する法令が存在する地域の方によって利用されることを意 図しておりません。当資料内のいかなる情報又は意見も、預金、有価証券、デリバティブ取引その他の金融商品の売買、投資、保有などを勧誘又は推奨す るものではありません。 当資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成されていますが、当行はその正確性、適時性、適切性又は完全性を表明又は保証するものではなく、 当行、その子会社又は関連会社は、お客様による当資料の利用等に関して生じうるいかなる損害についても責任を負いません。ご利用に関しては、すべて お客様御自身でご判断下さいますよう、宜しくお願い申し上げます。 また、過去の結果が必ずしも将来の結果を暗示するものではありません。 当行は、当資料において言及されている会社と関係を有し、又はかかる会社に対して金融サービスを提供している可能性があります。当行のグループ会 社は、当資料において言及されている証券又はこれに関連する証券について権利を有し、又はこれらの証券の引受けを行っている可能性があり、また、こ れらの証券又はそのポジションを保有している可能性があります。 当資料の内容は予告なしに変更することがあり、また、当行、その子会社又は関連会社は、当資料を更新する義務を負っておりません。また、当資料は 著作物であり、著作権法により保護されております。当行の書面による許可なく複製又は第三者、個人顧客もしくは一般投資家への配布をすることはでき ません。 (BTMUロンドン支店のみに適用される情報開示) 株式会社三菱東京UFJ銀行(以下「BTMU」)は、日本で設立され、東京法務局(会社法人等番号 0100-01-008846)において登記された有限責任の株式会 社です。 BTMUの本店は、東京都千代田区丸の内二丁目 7 番 1 号(郵便番号 100-8388)に所在しています。 BTMUロンドン支店は、英国会社登録所において、英国支店として登録されています(登録番号BR002013)。 BTMUは、日本の金融庁によって認可及び規制されています。BTMUロンドン支店は、英国プルーデンス規制機構より認可を受けており(FCA/PRA番号 139189)、英国金融行為監督機構の規制とプルーデンス規制機構の限定された規制の対象となっています。英国プルーデンス規制機構によるBTMUロンド ン支店の規制の範囲の詳細は、ご請求いただいた方にお渡ししております。 16 FX Weekly | 平成 28(2016)年 11 月 11 日
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