普及の推移 - 東京カンテイ

東京カンテイプレスリリース/新築一括受電マンションの普及と電力自由化の影響(増加率)
2016 年 10 月 31 日
東京カンテイ、
“新築一括受電マンションの普及と電力自由化の影響”を発表
電力自由化の影響、マンションで鮮明
一括受電マンション急増
2016 年上半期の新築マンションでは物件ベースで 31.06%、戸数ベースで 49.30%に導入
●一括受電マンションの普及率は物件ベース、戸数ベースともに上昇 戸数ベースでは約半数が導入
2011 年から 2016 年 6 月までの新築マンションに占める一括受電マンションの普及率は、年々増加傾向にあること
が分かる。普及率は 2011 年には僅か 3.81%であったが、2016 年 6 月末には、31.06%と新築マンションの約 3 分
の 1 が一括受電方式を採用している。累計物件数は 1458 物件と、5 年半で 25 倍以上増加し、導入が急激に加速
している。これは東日本大震災以降に電気料金が値上がりし、マンションの光熱費などを削減するため一括受電
のニーズが 高まり、新築
新築一括受電マンションの普及率と物件数推移
マンションにも採用される
こととなったことが大きな
要因である。2013 年より
物件数
物件数(一括受電)
物件数(導入なし)
40%
4000
28.35%
経済産業省が助成制度を
創出し促進を行った「スマ
ートマンション認定制度」
31.06%
30%
19.54%
20%
3000
11.31%
の効果もあり、MEMS や太
陽光発電と一括受電を組
普及率%
普及率
6.24%
3.81%
10%
1874
2000
み合わせることによって、
1874
1853
0%
1633
1522
-10%
省エネや電気料金の削減
を図るマンションが登場し
1000
たことも普及に繋がった。
1491
1662
1757
1170
792
-20%
546
-30%
1464
新築マンシ ョン竣工戸数
に占める一括受電マンシ
117
58
0
2011年
ョンの割合は、2011 年に
2012年
212
362
463
2013年
2014年
2015年
は 8.85%であったが、電
2016 年 上 半 期 は シ ェ ア
竣工戸数
竣工戸数(一括受電)
竣工戸数(導入なし)
普及率
45.80%
250000
普及率%
49.30%
50%
が 49.30%となり、同期に
竣工した戸数の半数近く
が 一括 受 電マン シ ョンを
-40%
2016年
1∼6月
新築マンション竣工戸数に占める一括受電マンションの割合
力自由化を翌年に控えた
2015 年には 45.80%となり、
246
40%
32.67%
200000
30%
21.65%
20%
13.39%
採用している。
8.85%
物件数に占める割合では
10%
150000
117990
30%程ではあったが、戸
数ベースではほぼ半数を
100000
92665
79326
が進んでいることが推測
0
0%
62818
58028
87568
29422
い大規模や超高層・タワ
ー型 のマン シ ョンで採 用
115901
-10%
102186
50000
117815
96070
占めている。このことから
も比較的戸数規模が大き
118271
8502
15804
25606
2011年
2012年
2013年
38489
53083
-20%
-30%
-40%
28606
-50%
2014年
できる。
発 行
株式会社 東京カンテイ
リリース日
2016年10月31日( 月)
※本記事の無断転載を禁じます。
2015年
2016年
1∼6月
東京カンテイプレスリリース/新築一括受電マンションの普及と電力自由化の影響(増加率)
2016 年 10 月 31 日
●戸数規模の大きなマンションや超高層マンションでより普及が進んでいる状況が浮き彫りに
(1)最高階数別一括受電マンション採用率 ∼20 階以上のタワー型で採用率が最高値の 34.66%∼
一括受電マンションがどのような物件に採用しているかを把握するため、最高階数別、戸数規模別といった属性
別に分けて普及率を見た。最高階
数別の採用率では最高階数が上
新築マンションにおける一括受電マンションの採用率
(最高階数別:2011年∼2016年6月)
がるにつれ普及率が高まることが
分かる。20 階以上の超高層・タワ
40%
34.66%
ー型マンションでは採用率が
34.66%と最大となる。タワー型マ
ンションに関しては、充実したサー
30%
23.76%
ビスや様々な共用施設があり、そ
れらをメンテナンス・維持する必要
20%
から他のマンションより管理費が
15.56%
12.58%
高くなる。そのため一括受電を導
入することで共用部の電気料金を
10%
5.56%
削減し、管理費を抑える手段とし
て採用が進んでいることが、採用
0%
率の高さの背景にある。
4階以下
5階以上
10階以上
15階以上
20階以上
(2)戸数規模別新築一括受電マンション採用率 ∼大規模マンションで高い採用率∼
戸数規模別の新築一括受電マンションの採用率を見ると、戸数規模が大きければ大きいほど採用率が高くなって
いることが分かる。50 戸未満のマンションでは 5.24%と非常に採用率は小さいが、100 戸を超えるマンションになる
と採用率は 40%を超え、300 戸以
新築マンションにおける一括受電マンションの採用率
(戸数規模別:2011年∼2016年6月)
上の規模のマンションに関しては、
採用率が 49.45%とほほ半数近く
60%
が一括受電を採用している。
一括受電を採用する際にマンショ
49.45%
50%
ン全体の電力需要が 50kW を超え
る場合に、マンション全体を一つ
45.12%
46.15%
150戸以上
200戸以上
43.02%
40%
の契約主体として、電力会社と高
圧電力契約を結べることが背景に
30%
ある。そのため、物件規模が事実
上一定の条件となっており、戸数
21.28%
20%
規模が大きければ大きいほどコス
ト削減メリットを受けやすく、採用
10%
率が高まる傾向が見られる。
5.24%
0%
50戸未満
50戸以上
100戸以上
300戸以上
●一括受電マンションについて
一括受電の場合、管理組合が電力設備を自ら保有し、従来電力会社が行っていた設備、保安管理や検針、請求作業を行う必要があるため、
今日では電力会社と管理組合の間に一括受電サービス業者が入りこれらの作業を行い、一括受電サービス業者が電力会社から高圧電力を
買い受け、それらを低圧に変電し各戸に供給する方式を採用している。
発 行
株式会社 東京カンテイ
リリース日
2016年10月31日( 月)
※本記事の無断転載を禁じます。