技術情報及びアプリケーションガイドライン

技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
概要
タンタルコンデンサは高純度金属タンタルパウダーから製造さ
れます。酸化ニオブコンデンサ「OxiCap」は酸化ニオブ(NbO)
パウダーから製造されます。パウダーの平均粒度は0.3
μm〜10μmです。
図1は典型的なパウダーのSEM写真を示しています。粒子の大
きさによりパウダーのCV値が大きく異なります。
この概念を説明するために220μF・6.3Vのコンデンサを例
に取り上げます。まず、静電容量は次式により計算します。
C=
␧o␧r A
d
ただし
ε: Ta2O5またはNb2O5の比誘電率(Ta:27、NbO:41)
ε0: 真空の誘電率(8.855E-12 F/m)
A: 電極の表面積(m2)
d: 誘電体の厚み(m)
この式を並べ替えると電極の表面積Aは
A=
4000μFV
20000μFV
Cd
␧o␧r
50000μFV
図1a. タンタルパウダー
になります。220μF・6.3V品の典型的な誘電体厚みを代入
し計算しますと、表面積が346cm2となり、A5紙程度の大きさ
に相当します。
次に、ペレットを酸性の水溶液に浸し電圧を印加して陽極酸
化処理によりタンタルまたは酸化ニオブの表面に誘電体とな
る酸化皮膜を形成します。
誘電体皮膜の厚みは印加電圧により制御されます。誘電体が
所定の厚みに成長するまで一定の電流を流し、印加電圧が化
図1b. 酸化ニオブパウダー
成電圧まで上昇した後化成電圧を一定に保って、電流を絞っ
ていきます。
タンタルまたは酸化ニオブコンデンサを製造するにはまず、パ
ウダーを高圧プレスしてペレットを形成します。
次に、ペレットを1200℃〜1800℃で焼結します。このとき、機
械的強度を持たせると同時にパウダー中の不純物が除去され
ます。焼結中に粒子同士が焼結し多孔性を持つ、スポンジのよ
うな構造になるため大きな内部表面積を得ることができます
(図2参照)。
コンデンサの静電容量は表面積に比例します。このため、大容
量・低電圧のコンデンサには平均粒度が小さい高CV値パウ
ダーが使用されます。各定格電圧/容量毎にはパウダーの種
類および焼結温度を選定することにより表面積をコントロール
します。
図2. 焼成後のアノード
195
技術サマリーおよび
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陽極酸化処理の化学反応は次式で表します。
陽極側:
タンタル:
2 Ta → 2 Ta5+ + 10 e2 Ta5+ + 10 OH-→ Ta2O5 + 5 H2O
酸化ニオブ:
2 NbO → 2 NbO3+ + 6 e -
次に陰極層を形成します。ペレットを硝酸マンガン溶液に
浸した後、約250℃で焼き付けし硝酸マンガンを二酸化
マンガンに変化させます。化学方程式は次の通りです。
Mn (NO3)2 → MnO2 + 2NO2この工程を十数回繰り返しペレットの内部および外部の全
ての表面に分厚い二酸化マンガン層を形成します(図4)。
2 NbO3+ + 6 OH-→ Nb2O5 + 3 H2O
陰極側:
10 H2O – 10 e → 5H2 + 10 OH-
タンタル:
6 H2O – 6 e- → 3H2 + 6 OH-
タンタル
誘電体酸化皮膜は3分の2がパウダーの外部へ成長し、 3分
の1がパウダーの内部へ成長します(図3参照)。このため、タ
ンタルコンデンサおよび酸化ニオブコンデンサの最大定格電
圧はそれぞれ50Vおよび10Vに限られます。
誘電体
酸化皮膜
二酸化
マンガン
通常、誘電体には高い電気的ストレスがかかる為、誘電体酸
化皮膜は以下のように形成します。例えば220μF/6.3V
品では
化成電圧
= 化成倍率×定格電圧
= 3.5×6.3V
= 22.1V
図4. 二酸化マンガン層
次に、ペレット表面にグラファイト層を形成した後に銀層を形成し
ます(図5)。
タンタル:
Ta2O5は1.7×10-9m/Vで成長します。従って
誘電体皮膜厚みd = 22.1×1.7×10-9
= 0.038μm
= 定格電圧÷d
電界強度
= 166kV/mm
樹脂モールドと包装は、個別の仕様およびユーザーの要求に
合わせます。上記の製造方法は全てのAVXタンタルコンデンサ
(チップ、樹脂ディップ形、ボックス、アキシャル)に適用されます。
タンタルコンデンサの製造方法の詳細についてAVXの技術ライ
ブラリ(AVXのウェブサイト内)のBasic Tantalum Technology
を参照してください。
酸化ニオブ:
Nb2O5は2.4×10-9m/Vで成長します。
従って
誘電体皮膜厚みd = 22.1×2.4×10-9
= 0.053μm
= 定格電圧÷d
電界強度
= 119kV/mm
タンタル
アノード
誘電体
二酸化
マンガン
グラファイト
外部銀層
酸化皮膜
図5. 陰極側の電極端子
図3. 誘電体皮膜
196
リード
フレーム
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セクション1
電気的特性および用語の説明
1.2 電圧
1.2.1直流定格電圧(VR)
1.1 静電容量
コンデンサが85℃まで連続動作できる直流電圧です。
(TLJ、TLN、NLJシリーズは40℃まで)。
1.1.1 定格静電容量(CR)
これは公称静電容量です。タンタルコンデンサおよび酸化ニ
オブコンデンサの静電容量は、25℃で測定ブリッジにて2.2
Vdc(JIS:1.5V)バイアス/120Hz/0.5Vrmsを印加して測
定します。
1.1.2 静電容量の公差
動作電圧とは直流バイアス電圧と最大リップル電圧の和です。
最大印加電圧はカテゴリ電圧を超えてはなりません。推奨電
圧ディレーティングについてセクション3の図2cを参照してくだ
さい。
1.2.2カテゴリ電圧(VC)
公称静電容量に対して許容される実測静電容量の範囲で、
パーセント(%)で表します。詳しくはAVXの技術ライブラリ
(AVXのウェブサイト内)のCapacitance Tolerances for Solid
Tantalum Capacitorsを参照してください。
コンデンサが連続動作できる最大電圧で、85℃※までは定格
電圧と等しく、85℃※を超えると直線的に減少し、125℃では
定格電圧の3分の2になります。
1.1.3 静電容量の温度依存性
※TLJ、TLN、NLJシリーズは40℃まで
※※OxiCapは105℃まで
カテゴリ電圧/定格電圧(%)
タンタルコンデンサの静電容量は温度により変化します。また、変
化量はコンデンサの定格電圧およびケースサイズにより異なり
ます。
静電容量の温度特性(代表例)
静電容量の変化率(%)
20
NOS Series
15
OxiCap®
100
Tantalum
®
60
OxiCap
40
NOS Series
20
0
75
85
95
105
115
150
125
175
温度(℃)
5
1.2.3サージ電圧(VS)
直列抵抗が33Ω※以上の回路において短時間印加できる最大
電圧です。サージ電圧は1時間に最大10回、一回当たり最大30
秒印加できます。コンデンサが通常動作で定期的充電・放電さ
THJ Series
0
Tantalum
-5
-10
-20
-50
れるような動作はサージではありません。
-25
0
25
50
75
100
125
150
175
温度(℃)
※CECCでは1kΩ
1.1.4静電容量の周波数特性
85°C Tantalum
定格電圧
VR
コンデンサの実効容量は、周波数が高くなるに連れて減少
していきます。100kHzを超えると静電容量が減少し、
500kHz〜5MHzで共振点に至ります。共振点以上の周
波数ではコンデンサがインダクタンスになります。
TAJE227K010の周波数特性
200
150
100
1.8
2.5
4
6.3
10
50
100
カテゴリ電圧
VC
2.7
3.3
3.9
5.2
6.5
8
13
20
26
32
46
65
1.3
1.7
2
2.7
3.3
4
7
10
13
17
23
33
サージ電圧
VS
カテゴリ電圧
VC
2.3
3.3
5.2
8
13
1.2
1.7
2.7
4
7
85°C OxiCap®
定格電圧
VR
1000
10000
周波数(Hz)
100000
1000000
125°C Tantalum※
サージ電圧
VS
サージ電圧
VS
2
2.5
3
4
5
6.3
10
16
20
25
35
50
250
0
THJ Series
80
10
-15
静電容量(μF)
120
1.7
2.2
2.6
3.4
4
5
8
13
16
20
28
40
105°C OxiCap®
サージ電圧
VS
1.6
2.2
3.4
5
8
※
THJシリーズのカテゴリ電圧およびサージ電圧についてTHJシリーズの技術仕様
を参照してください。
個別製品の周波数特性・温度特性についてAVXオリジナルソフトウェアSpiTan
をご参照ください。AVXのウェブサイトで閲覧可能です。
197
技術サマリーおよび
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1.2.4サージがもたらす影響
最大逆電圧は以下のとおり定められています。
固体電解タンタルコンデンサおよび酸化ニオブコンデンサの耐サー
ジ性(電圧および電流)に限界があります。これは、電解コンデンサ
の誘電体に非常に高い電気的ストレスが加わるためであり、全ての
電解コンデンサに共通です。例えば、6.3Vのタンタルコンデンサに
定格電圧の6.3Vを印加する場合の誘電体皮膜の電界は166kV
/mmです。
25℃:定格電圧の10%/最大1V
固体電解タンタルコンデンサおよび酸化ニオブコンデンサは、陰極
の材質として二酸化マンガンを用いるため自己修復機能を有しま
す。ただし、コンデンサと電源間のインピーダンスが低い回路(低イ
ンピーダンス回路)ではこの機能は制限されます。低インピーダン
ス回路の場合には、電流サージによりコンデンサにストレスがかか
る可能性があります。
電圧ディレーティングを行うことでコンデンサの故障率を低減できま
す(セクション3.1の図2b参照)。タンタルコンデンサおよび酸化ニ
オブコンデンサを低インピーダンス回路で使用する場合の推奨ディ
レーティングをセクション3.2に示します。
急激な充電または放電がある回路に関しては1Ω/Vの直列抵抗を
挿入することを推奨します。直列抵抗の使用が不可能な回路では、
タンタルコンデンサの場合には最大30%の電圧ディレーティングを
推奨します。酸化ニオブコンデンサの場合には少なくとも80%の電
圧ディレーティングを推奨します。
注意:インサーキット・テストや機能試験など回路試験を行う際に通
常動作時以上の電圧・電流が印加される可能性があります。コンデ
ンサの定格電圧を選定する際には試験条件に配慮してください。な
お、試験回路に適切な抵抗を使用することにより電圧および電流を
抑制することができます。
1.2.5逆電圧および無極性動作
記載値は、スイッチングなどによる瞬間的な逆電圧に関するもので
す。逆電圧を継続的に印加してはいけません。逆電圧が継続的に
印加されると漏れ電流が増大しコンデンサが劣化します。逆電圧を
継続的に印加される可能性のある場合には、2個の同種類のコンデ
ンサを陰極端子で接続し、片方の陽極端子を電源ラインの(+)側
に、もう片方の陽極端子を電源ラインの(-)側に接続し無極性のコ
ンデンサを形成することができます。この場合、通常動作条件では
静電容量が半減します。
198
125℃※:定格電圧の1%/最大0.5V
※THJシリーズは150℃
注意:酸化ニオブコンデンサについてはこの条件で静電容量
がTanδは規格値を超えることがあります。
漏れ電流対バイアス電圧
10
8
6
漏れ電流(A)
コンデンサの電極端子に印加される電圧が規定サージ電圧を超え
てはいけません。
85℃:定格電圧の3%/最大0.5V
4
2
0
-2
-4
-6
-8
-10
-20
0
20
40
60
80
100
印加電圧(V)
TAJD336M006
TAJD476M010
TAJD336M016
TAJC685M020
1.2.6 印加交流電圧(VRMS)リップル電圧
コンデンサに印加される直流電圧上の最大許容交流電圧です。
また、直流電圧+交流電圧のピークはカテゴリ電圧を超えては
いけません。詳細についてセクション2を参照してください。
1.2.7 化成電圧
誘電体となる酸化皮膜を形成する電圧です。酸化皮膜の厚みは
化成電圧に比例し、定格電圧を決める条件の一つです。
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
1.3 誘電正接およびTanδ
1.4 インピーダンス(Z)および等価直列抵抗
(ESR)
1.3.1 誘電正接(DF)
1.4.1 インピーダンス(Z)
誘電正接は下記Tanδをパーセント(%)で表した測定値で
す。DFはブリッジ回路を用いて高周波成分を含まない1.5V〜
2.2Vdcバイアス/120Hz/0.5Vrmsの正弦波にて測定しま
す。なお、DFは温度と周波数に依存性があります。
注意:表面実装部品の規格表に記載されている最大許容DF
は、基板実装後に満足しなければならない値です。
1.3.2 Tan∂
コンデンサ内部で消費されるエネルギーを表す測定値の一つ
です。所定周波数の正弦波電圧で生じる電力損失を無効電力
で割り計算されます。誘電損失とも呼ばれます。力率はcos(90δ)です。
1.3.3 誘電正接の周波数依存性
誘電正接は周波数につれて増大します。以下のグラフはタンタ
インピーダンスは特定周波数における電圧と電流の比率で
す。タンタルコンデンサのインピーダンスは3つの要素1)陰極
層の抵抗値、2)静電容量、3)電極およびリード端子のインダ
クタンスで決まります。
高周波帯域においてはリード端子のインダクタンスが支配的な
要素になります。なお、これら3要素の温度特性・周波数特性
が製品のインピーダンスの周波数特性を決定します。インピー
ダンスは25℃/100kHzで測定します。
1.4.2 等価直列抵抗(ESR)
全ての種類のコンデンサで抵抗成分に起因する損失が生じま
す。これは等価直列抵抗(Equivalent Series Resistance, ESR)
と呼ばれ、各部材の抵抗およびそれらの接続抵抗、誘電吸収
因子、絶縁抵抗から構成されます。ESRは次式で求めます。
ルコンデンサおよび酸化ニオブコンデンサの典型的な誘電正
ESR =
接の周波数依存性を示しています。
2πfC
DF vs 周波数
ここで「f」は周波数(Hz)、「C」は静電容量(F)です。ESRは25℃
/100kHzで測定します。なお、ESRはコンデンサのインピーダ
ンスに影響する要素の一つであり、100kHz以上で支配的とな
りインピーダンスはESRと同等(わずかに高い)レベルとなります。
5
OxiCap®
1.4.3 インピーダンスおよびESRの周波数依存性
1
0.1
0.1
1
10
100
周波数(kHz)
1.3.4 誘電正接の温度依存性
タンタルコンデンサおよび酸化ニオブコンデンサの典型的な
誘電正接は以下のグラフに示すとおり温度により変化します。
最大値について規格表を参照してください。
誘電正接対温度
DF (25℃値比)
1.8
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
Tantalum
1
0.9
0.8
-55
OxiCap®
-5
45
ESRとインピーダンスは周波数が低くなるにつれて増大しま
す。また、低周波帯域においては容量性リアクタンスが支配的
になるため、インピーダンス値の増大はより大きくなりま
す。一方、1MHz以上(コンデンサの共振点以上)の高周波帯
域ではコンデンサのインダクタンスによりインピーダンスが増
大します。典型的なESRおよびインピーダンス周波数特性の曲
線はタンタルコンデンサと酸化ニオブコンデンサとでほぼ一致します。
ESR vs 周波数
ESR (100kHz値比)
DF (120Hz値比)
10
Tantalum
tan δ
5
4.5
4
3.5
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
0.1
OxiCap®
Tantalum
1
10
100
1000
周波数(kHz)
温度(℃)
199
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
インピーダンス vs 周波数
1.5.2 漏れ電流の温度依存性
インピーダンス
(100kHzの値基準)
100
漏れ電流は下図に示したように温度が高くなるにつれて増大し
ます。85℃〜125℃の使用に関しては電圧ディレーティングを
次式に従って行う必要があります。
10
OxiCap®
Tantalum
1
- 85)
1- (T125
Vmax =
0.1
0.1
1
10
100
1000
ここでTは使用温度(℃)です。
周波数(kHz)
漏れ電流 vs 温度
100kHzではESRとインピーダンスは共に、下図に示すよう
に温度上昇につれて減少します。
ESR vs 周波数(代表例)
ESRの変化率
1.8
漏れ電流の倍率 I/IR20
1.4.4 ESRとインピーダンスの温度依存性
1.7
1.6
1.5
1.4
1.3
1.2
1.1
100
10
1
0.1
-40
-20
0
20
OxiCap
®
-20
40
60
80
100
125
150 175
温度(℃)
1.5.3 漏れ電流の印加電圧依存性
Tantalum
1
0.9
0.8
-55 -40
0
20
40
60
80
100
125
150
温度(℃)
印加電圧が定格電圧を下回ると漏れ電流は急激に減少しま
す。電圧ディレーティングによる漏れ電流への影響を下図に示
しています。また電圧ディレーティングにより信頼性が向上し
ます。詳細についてセクション3.1を参照してください。
1.5 直流漏れ電流
漏れ電流 vs 定格電圧
1.5.1 漏れ電流
漏れ電流は印加電圧と印加時間、部品の温度に依存します。
漏れ電流の測定は20℃で1kΩの保護抵抗を直列に挿入し定
格電圧を印加して行います。定格電圧印加後、1〜5分経過し
た時点での漏れ電流は定格表に示す規格値を超えてはなりま
せん。漏れ電流はDCL(Direct Current Leakage)とも呼ばれま
す。DCLの最大許容値は一般的に0.01CVに設定されます。こ
こで「DCL」の単位はμAで、「C」は定格静電容量で単位は
μF、「V」は定格電圧で単位はVです。タンタルコンデンサの場
合は0.01〜0.1CVまたは0.5μAのどちらか大きい値に設
定されます。酸化ニオブコンデンサの場合は0.02〜0.1CV
または1μAのどちらか大きい値に設定されます。
タンタルコンデンサ、OxiCapの場合長期間保管後、使用前に
エージング等の処理は不要ですが、吸湿や電極表面状態の変
化による実装時の影響への注意が必要です。
200
x VR
1
漏れ電流の比率
I/IVR
Typical
Range
0.1
0.01
0
20
40
60
80
100
印加電圧(VR比)%
電圧を一定に保ち上図の平均線をプロットすると次のグラフ
になります。
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
漏れ電流の乗数 vs 電圧ディレーティング
1.5.4 リップル電流
1.4
最大許容リップル電流は、周囲温度からの製品の温度上昇に
よって決まる最大許容電力から導き出されます。
漏れ電流乗数
1.2
1
0.8
1.6 自己インダクタンス(ESL)
0.6
最低
レンジ
0.4
0.2
0
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
ESLは共振点を決めるのに重要なパラメータです。ケースサイズ
ごとの典型的なESLを次の表に示します。
用途電圧VA / 定格電圧 VR (%)
TAJ/TMJ/TPS/TRJ/THJ/TLJ/TCJ/TCR/NLJ/NOJ/NOS
グラフを見てもわかるように、コンデンサを定格電圧の25〜4
0%(つまり定格電圧が使用電圧の2.5〜4倍)で使用すれば
DCLは最低限に抑制されます。
漏れ電流の詳細についてAnalysis of Solid Tantalum
Capacitor Leakage Currentを参照してください。
ケース
サイズ
自己インダクタナス
(典型値)
(nH)
ケース
サイズ
自己インダクタナス
(典型値)
(nH)
A
B
C
D
E
F
G
1.8
1.8
2.2
2.4
2.5
2.2
1.8
H
K
N
P
R
S
T
1.8
1.8
1.4
1.4
1.4
1.8
1.8
TAC/TLC/TPC
ケース
サイズ
自己インダクタナス
(典型値)
(nH)
A
B
D
E
H
J
K
L
M
R
T
U
V
Z
1.5
1.6
1.4
1.0
1.4
1.2
1.1
1.2
1.3
1.4
1.6
1.3
1.5
1.1
TCM/TPM
TRM/NOM
ケース
サイズ
自己インダクタナス
(典型値)
(nH)
D
E
V
Y
1.0
2.5
2.4
1.0
ケース
サイズ
自己インダクタナス
(典型値)
(nH)
U
V
W
X
Y
2.4
2.4
2.2
2.4
2.4
TLN/TCN
ケース
サイズ
自己インダクタナス
(典型値)
(nH)
K
L
M
N
S
T
4
6
1.0
1.0
1.3
1.3
1.0
1.0
2.2
2.5
201
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
セクション2
交流電圧使用、リップル電圧、リップル電流
2.1 リップルの定格
交流の用途ではコンデンサの内部の交流電流と漏れ電流に
より発熱します。交流電流による発熱量は波形およびその振
幅と周波数に依存します。実際の用途では漏れ電流による発
熱は無視できます。したがって、コンデンサ内部の発熱量は次
式により求められます。
ここでのPは定格表に記載されている最大許容電力です。 なお、回路設計の際以下の2点を守ってください。
1)印加電圧の直流成分と交流成分の和は、コンデンサの定格
電圧を超えてはなりません。
2)印加電圧の直流成分と交流成分の和は、マイナスになって
はいけません(逆電圧印加がないこと)。
P = I2 R
リップル電流・電圧の算出法
変換すると最大許容リップル電流が得られます。
I = (P/R)1/2
ここで
Eq. 1
I:実効電流、A
R:ESR、Ω
U:実効電圧、V
P:発熱量、W
Z:周波数におけるインピーダンス、Ω
オームの法則から最大許容リップル電流でのリップル電圧を
次式で求めます。
Umax = IR
リップル電流・リップル電圧の許容値は、コンデンサの表面温
度を周囲温度から一定温度上昇させるのに必要な電力損失に
基づき算出したものです。各シリーズおよびケースサイズの定
格電力損失を表1に示します。表1の電力損失から、Eq. 1を
使って許容リップル電流を、Eq. 2を使って許容リップル電圧を
計算します。ただしコンデンサの実装条件により伝熱性が大き
く異なります。
Eq. 2
表1 許容電力損失値
TAJ/TMJ/TPS/TPM/TRJ/TRM/THJ/TLJ/TLN/TCJ/TCM
TCN/NLJ/NOJ/NOS/NOM Series Molded Chip
許容電力損失値(W)
Tantalum
ケース
サイズ
A
B
C
D
E
F
G
H
K
L
M
N
P
R
S
T
U
V
W
X
Y
4
6
202
TAJ/TMJ/TPS
TRJ/THJ
TLJ
0.075
0.085
0.110
0.150
0.165
0.100
0.070
0.080
0.065
0.070
—
0.050
0.060
0.055
0.065
0.080
0.165
0.250
0.090
0.100
0.125
—
—
TLN
TPM
TRM
—
—
—
—
—
—
0.060
0.070
0.055
0.060
0.040
0.040
—
–
0.055
0.070
—
—
—
—
0.115
0.165
0.230
—
—
—
0.255
0.270
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
—
0.285
—
—
0.210
—
—
TCJ
TCN
TCR
0.100
0.125
0.175
0.225
0.250
0.150
0.100
0.100
0.090
0.095
0.080
0.080
0.090
0.085
0.095
0.100
0.380
0.360
0.130
0.175
0.185
0.190
–
TCM
–
–
–
0.355
0.410
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
0.420
–
–
0.310
–
–
OxiCap®
NLJ
NOJ NOM
NOS
0.090
—
0.102
—
0.132
—
0.180
—
0.198 0.324
0.120
—
0.084
—
0.096
—
0.078
—
0.084
—
—
—
—
—
0.072
—
0.066
—
0.078
—
0.096
—
—
—
0.300
—
0.108
—
0.120
—
0.150
—
—
—
—
—
NLJ/NOJ/NOS/NOM
TACmicrochip® Series
ケース
サイズ
A
B
D
E
H
J
K
L
M
Q
R
T
U
V
X
Z
許容電力損失値(W)
0.040
0.040
0.035
0.010
0.040
0.020
0.015
0.025
0.030
0.040
0.045
0.040
0.035
0.035
0.040
0.020
リップル電流の温度補正係数
Temp. °C
+25
+55
+85
+105
+125
(NOS,NOM)
Factor
1.00
0.95
0.90
0.40
0.40
TAJ/TPS/TPM/TRJ/TRM/THJ/TLJ/TLN
温度(℃)
+25
+55
+85
+105
+115
+125
+175 (THJ)
+200 (THJ)
リップル電流補正係数
1.00
0.95
0.90
0.65
0.49
0.40
0.20
0.10
電力損失補正係数
1.00
0.90
0.81
0.42
0.24
0.16
0.04
0.01
最大温度上昇
10
9
8.1
4.2
2.4
1.6
0.4
0.1
TCJ/TCM/TCN/TCR
温度(℃)
+25
+85
+105
+125
リップル電流補正係数
電力損失補正係数
最大温度上昇
1.00
0.70
0.45
0.25
1.00
0.49
0.20
0.06
30
15
6
1.8
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
許容電力損失値
F38/F72/F75/F91/F92/F93/F95/F97/F98
70
温度上昇(℃)
60
50
40
100KHz
1 MHz
30
20
10
0
0.00
0.20
0.40
0.60
0.80
1.00
1.20
実効電流(A)
次にI2Rをグラフに示すと、上図の2曲線は実際は一致します。
70.00
60.00
温度上昇(℃)
AVXでは、コンデンサに対して任意の周波数・振幅の正弦波
または矩形波の電流を流す装置を作り、実験を行いました。
放熱を防ぐためにコンデンサの温度上昇を赤外線カメラにて
測定しました。下図にC、D、Eケースの結果を示します。
50.00
40.00
100KHz
30.00
1 MHz
20.00
100
10.00
温度(℃)
90
80
70
Cケース
60
50
0.05 0.10
Eケース
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
電力損失(W)
コンデンサをFR4の基板に実装しました(放熱器は未使用)。
リップルの周波数は1kHz〜1MHzでした。上図を見てもわかる
ように、Cケースの平均PMAXは0.11Wで、表1の値に一致し
ます。
Dケースの平均PMAXは0.125Wです。これは表1の値より0.
025W低いです。Eケースの平均PMAXは0.200Wで、表1の
値より0.165W大幅に上回ります。
下図に示す典型的なコンデンサのESR周波数特性を見てもわ
かるように、ESRの値は周波数に依存性があります。よって、
リップル電流により発生する電力損失は周波数により異なりま
す。このことは次の図に明確に示されています。1MHzのリップ
ル電流による温度上昇は、100kHzのリップル電流と比べて低
くなります。
ESR vs 周波数
0.15
0.20 0.25
0.30 0.35 0.40
0.45
0.50
FR
Dケース
40
30
20
10
0
0
0.00
0.00
例
タンタルコンデンサをフィルタコンデンサとして使用します。
リップル電流を2Ap-pの200kHz矩形波とします。矩形波は次
式に示すように基本波と奇数の高調波の無限級数から構成さ
れます。
ISquare = Ipksin (2πƒ) + Ipksin (6πƒ) + Ipksin (10πƒ) + Ipksin (14πƒ) +...
最初の4成分を次の表に示します。
周波数
電流(Ap-p)
実効電流(A)
200 KHz
600 KHz
1 MHz
1.4 MHz
2.000
0.667
0.400
0.286
0.707
0.236
0.141
0.101
例えば、TAJD686M006の場合の電力損失を下表に示します。
周波数
200 KHz
600 KHz
1 MHz
1.4 MHz
典型的ESR(Ω)
0.120
0.115
0.090
0.100
電力損失(W)
Irms2 x ESR
0.060
0.006
0.002
0.001
(TPSE107M016R0100)
つまり全体の電力損失は0.069Wです。これを前列の上の図
中のDケースの曲線に当てはめると、コンデンサの表面温度が
5℃上昇することがわかります。詳しくはAVXの技術ライブラリ
(AVXのウェブサイト内)Ripple Rating
for Tantalum
Capacitorsを参照してください。
ESR(Ω)
1
0.1
0.01
100
1000
10000
100000
1000000
周波数(Hz)
203
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
2.2 酸化ニオブコンデンサのリップル
高密度実装で熱対策がされていない基板では部品温度を10℃
上げるに必要な熱は定格の10分の1となる場合があります。こ
のような用途の場合には部品温度を熱電対もしくは赤外線カメ
ラで確認することを推奨します。表面温度が10℃以上上がる場
合は低ESRの部品もしくは定格電圧が高い部品を選定すること
酸化ニオブはタンタルに比べて2倍の比熱容量を有するため、
酸化ニオブコンデンサの許容電力損失はタンタルコンデンサに
比べて1.2倍大きくなります。(比熱容量とは、単位質量の物質
を単位温度上げるのに必要な熱量です。)
2.3 熱管理
を推奨します。
交流電流によりコンデンサの内部で熱が発生します。なお、発熱
量はP = I2R(発熱量=実効電流2×等価直列抵抗)から計算しま
す。この熱は、熱伝導によりコンデンサの表面から基板へ移動し
ます。移動の効率は基板の放熱設計に依存します。
詳しくはThermal Management of Surface Mounted Capacitors
を参照してください。
セクション2.1に示す電力損失の定格は部品を基板に実装しな
いで、細いワイヤで繋いだ状態で実験を行って算出したもので
す。効率の良い放熱器または強制空冷を使用すればこれらの定
格を満足することができます。
表面実装されているコンデンサの放熱
樹脂
リードフレーム
TANTALUM
アノード
銅
はんだ
基板
熱抵抗とリップル電流
(Cケース)
140
121℃/W
温度(℃)
120
236℃/W
100
80
73 ℃/W
60
X
40
X
20
0
X
X - リップル電流試験結果(樹脂モールド品)
0
0.1 0.2 0.3 0.4
0.5 0.6
0.7 0.8 0.9
1.0
1.1 1.2 1.3
1.4
電力損失(W)
PCB MAX Cu THERMAL 204
PCB MIN Cu AIR GAP
CAP IN FREE AIR
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
セクション3
信頼性および故障率の計算方法
図2aのグラフは電圧ディレーティングと信頼性の関係を示して
おり、各動作電圧に対する補正係数FUを示しています。
タンタルコンデンサと酸化ニオブコンデンサは磨耗故障のメカ
ニズムがなく、ある条件では自己修復機能が働きます。動作
中に故障が発生することがありますが、アルミ電解など他種
類コンデンサとは異なりタンタルコンデンサの故障率は時間
経過につれて減少していきます。
図1 タンタルおよび酸化ニオブの信頼性
図2a 補正係数 vs 電圧ディレーティング
(信頼水準=60%)
10.0
1.0
FV補正係数
3.1 定常状態
®
ap
0.1
iC
Ox
/
lum
nta
Ta
0.01
初期故障期
0.001
0.0001
0
0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2
印加電圧/定格電圧の比率
耐用寿命期
図2b 推奨電圧ディレーティング
使用期間の信頼性は、電圧ディレーティングや使
用温度、直列抵抗により異なります。
F = FV x F T x F R x F B
基本故障率
標準タンタルコンデンサはレベルM信頼性(1%/1000時間、
85℃、0.1Ω/V)に対応します。
FB :
1%/1000時間:TAJ, TPS, TPM, TCJ, TCM , TCN, TAC
0.5%/1000時間:TCR, TMJ, TRJ, TRM, THJ, NOJ
0.2%/1000時間:NOS, NOM
TLJ, TLN, TLC, NLJはその温度ディレーティングの関係で0.5×定
格電圧/85℃/0.1Ω/Vで規定します:
FB:0.2%/1000時間、信頼水準=60%
動作温度と電圧ディレーティング
信頼性を向上するために最大印加電圧よりも高い定格電圧の
コンデンサを選定することを電圧ディレーティングと呼んでい
ます。
30
一般回路
20
10
低インピーダンス回路
F:故障率
FV:使用電圧の補正係数
FT:温度の補正係数
FR:直列抵抗の補正係数
FB:基本故障率
0
4 6.3 10
16
20
25
35
50
定格電圧(V)
図2c 回路インピーダンスに対する推奨電圧ディレーティング
動作電圧/定格電圧
ここで
40
動作電圧(V)
タンタルコンデンサと酸化ニオブコンデンサの耐用寿命期間の
故障率は主に3つの要因に影響されます。故障率を次式によ
り求めます。
1.0
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0.01
OxiCap®, Tantalum
Polymer TCJ, TCN
タンタルの推奨レンジ
0.1
1.0
10
100
1000
10000
回路抵抗(Ω/V)
205
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
動作温度
計算の例
動作温度がコンデンサの定格温度以内であれば、信頼性は図
3に示すように向上します。このグラフは各動作温度に対する
FTを示しています。
例として12Vラインを取り上げます。ビデオ帯域アンプの電源ラ
インのデカプリングコンデンサとして10μFが必要です。回路イ
ンピーダンスは基板の電源ユニットの出力インピーダンスと配
線抵抗から構成されます。合計で2Ω(0.167Ω/V)としま
す。使用温度を−25℃〜85℃とします。10μF/16Vのコンデ
ンサを選定すると、故障率は次のように計算します。
図3 温度の補正係数FT
10000.0
補正係数FT
1000.0
FT = 1.0 (85℃)
NOS
100.0
Tantalum
FR = 0.85 (0.167Ω/V)
NOJ
10.0
FV = 0.08 (印加電圧÷定格電圧=75%)
1.0
FB = 1.0%/1000時間
0.1
0.01
0
20
40
60
80
100
120
140
160
180
200
温度(℃)
F=1.0×0.85×0.08×1=0.068%/1000時間
20Vのコンデンサを選定すれば、FVは0.018まで下がるため
回路インピーダンス
全ての固体電解タンタルコンデンサおよび酸化ニオブコンデン
サは、その誘電体皮膜をサージから保護するために電流を制限
する抵抗を必要とします。このため直列保護抵抗を挿入すること
を推奨します。回路インピーダンスが低い場合、特に周囲温度が
20℃以上の場合に故障率が増大する可能性があります。インダ
クタンスが大きい低インピーダンス回路の場合にはサージ電圧、
インダクタンスが小さい回路の場合にはサージ電流が印加され
る可能性があり、故障に至る局所的な発熱の原因となります。
推奨インピーダンスは1Ω/Vです。これが不可能な場合、これ
に相当する電圧ディレーティングを適用することを推奨します
(MIL Handbook 217Eも参照してください)。図4の表は回路抵抗
の抵抗補正係数FRへの影響を示します。
回路抵抗
Ω/V
3.0
2.0
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.1
FR
0.07
0.1
0.2
0.3
0.4
0.6
0.8
1.0
インピーダンスが0.1Ω/V以下の回路、もしくは重要用途の
場合にはヒューズなどの保護素子の使用を検討してください。
206
従って
F=1.0×0.85×0.018×1=0.0153%/1000時間
になります。
3.2 動的状態
セクション1.2.4でも述べたように、固体電解コンデンサは耐
サージ性に限界があり、サージにより故障する場合があります。
動的状態の故障率は、定常状態の故障率とは違い簡単に計算
することはできません。故障を抑えるために設計者としてコント
ロールできることは直列抵抗とディレーティングです。
下表は、AVXで行った低インピーダンスサージ試験の結果で
す。なお、表はタンタルコンデンサの結果を示していますが、酸
化ニオブコンデンサも同様な結果となると思われます。
静電容量・
定格電圧
試験数量
50%
ディレーティング
ディレーティング
なじ
47μF 16V
100μF 10V
22μF 25V
1,547,587
632,876
2,256,258
0.03%
0.01%
0.05%
1.1%
0.5%
0.3%
この実験結果を見てもわかるように、ディレーティングが大きけ
れば大きいほど故障率が低下します。なお、この実験を加速
条件で行ったため故障率が高くなっています。実際の用途に
おける故障率は0.1PPM未満になります。
タンタルコンデンサの故障率はコンデンサの漏れ電流から予
測できません。下表は、漏れ電流を3ランクに分けた47μF/
10Vのタンタルコンデンサのサージ試験結果です。
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
規格値内
0.1 μA to 1μA
規格範囲外
5μA to 50μA
ショート
50μA to 500μA
試験数量
サージ故障数
10,000
25
10,000
26
10,000
25
この試験も加速条件で行いましたが、実際の用途の故障率は数
PPM未満になると思われます。
酸化ニオブコンデンサはタンタルと比べて耐サージ性が高いた
め80%ディレーティングを推奨します。ただし、超低インピーダ
ンス回路の場合にさらにディレーティングを見てください。
下表は、タンタルコンデンサおよび酸化ニオブコンデンサに関
するAVX推奨ディレーティングを示しています。
タンタルコンデンサの耐サージ性の詳細についてAVXの技術
ライブラリのSurge in Solid Tantalum Capacitorsを参照してく
ださい。
電圧ディレーティングを適用することにより、コンデンサの耐
サージ性だけでなく定常状態の信頼性も向上されます。たとえ
ば、5Vライン/40℃/0.1Ω/Vで6.3Vのコンデンサを使
用する場合の故障率は
F = FU×FT×FR×1.0%/1000時間
= 0.15×0.1×1×1.0%/1000時間
= 0.015%/1000時間
一方、10Vのコンデンサを使用する場合の故障率は
F = FU×FT×FR×1.0%/1000時間
= 0.006×0.1×1×1.0%/1000時間
= 6×10−4%/1000時間
ライン電圧
(V)
3.3
5
8
10
12
15
>24
コンデンサの定格電圧
Tantalum
OxiCap®
6.3
4
10
6.3
16
10
20
–
25
–
35
–
–
2個以上直列接続
従って、電圧ディレーティングを大きくすることにより信頼性
が10倍向上されます。
207
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
セクション4
推奨はんだ付け条件
タンタルコンデンサおよび酸化ニオブコンデンサは鉛フリーは
んだに対応し、J-STD-020に準拠しています。リフローは最大 260℃/10秒/3回(Fシリーズは2回)で行うことができます。
SnPbはんだ
予熱時間: 50-165ºC/90-120秒
ピーク温度: 240-250ºC
ウェーブ時間: 3-5秒 (最大10秒)
リフロー直後の電気的特性は初期値と異なることがあるため、
測定を行う前に常温で安定させる必要があります。
基板の上面温度は150℃を超えてはなりません。
推奨リフロープロファイル
鉛フリーリフローの一般情報
ご使用のはんだを鉛フリーに変更する際、以下のことをよく確
認してください。
1) 鉛フリーのフィレットはSnPbと比べて黒くなるため、外観検
査の基準を調整する必要があります。
2) リフロー温度を上げる必要があるため、樹脂が若干黒くな
る可能性があります。(Tシリーズ)
3) 鉛フリーはんだは、鉛はんだと比べてセルフアラインメン
ト効果が劣ります。標準パッドをそのまま使用できますが、実
装機の調整が必要になる場合があります。
鉛フリーはんだ
予熱時間: 150±15ºC/60–120秒
ピーク温度: 245±5ºC
ピーク温度勾配: 2.5ºC/秒
230℃以上最大時間: 40秒
SnPbはんだ
予熱時間: 150±15ºC/60–90秒
ピーク温度: 220±5ºC
ピーク温度勾配: 2ºC/秒
はんだ融点以上最大時間: 60秒
推奨ウェーブはんだプロファイル
鉛フリーはんだ
予熱時間: 50-165ºC/90-120秒
ピーク温度: 250-260ºC
ウェーブ時間:3-5秒 (最大10秒)
208
推奨手はんだ条件
推奨手はんだ条件は下表に示します。
チップの直径
用途に合わせる
最高温度
+370°C
最大接触時間
3秒
静電気対策
必要なし
備考: TCJ, TCM, TCN, TCR, F38, TLN , F98は手はんだに
対応しません。
※上記条件外で基板付けが必要な場合は弊社までお問い
合わせください。
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
セクション5
電極端子
5.1 材料
電極端子の材料は42アロイ(鉄58%、ニッケル42%)または
銅が使用されます。銅の電極端子は主に低ESR品、42アロイ
はそれ以外の製品に使用されています。部品別の電極端子の
材料について弊社までお問い合わせください。
5.2 表面処理
電極端子の標準表面処理はすずめっき(100%Sn)です。オプ
ションとして金(Au)もしくはすず・鉛(SnPb)を部品番号末尾の
文字で指定できます。
5.2.1 100%Snめっき
鉛フリーとRoHSに対応する標準表面処理です。AVXではウィス
カ防止に関する最新情報を常に把握しております。ウィスカ対
策として、ニッケルバリア上にマット仕上げすずめっきを施した
後、リフローにより表面の再結晶化を行うことが現在一般に使
用されています。ウィスカの確認はNEMIの推奨条件および
JEDECの標準要求に基づいて実施しております。
5.2.2 金めっき
特別オプションの金めっきは主に、導電性接着剤を使用する組
立で用いられます。
5.2.3 SnPbめっき
SnPbめっき(すず90%、鉛10%)は、特別オプションとして指定
できます。
※指定できるめっきのオプションは部品によって異なります。詳
細について弊社までお問い合わせください。
209
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
セクション6
コンデンサの機械的および熱的特性
パッド寸法 mm(インチ)
6.1 加速度
98.1m/s2 (10g)
ケースサイズ
シリーズ
6.2 耐振動試験
10〜20,000Hz、0.75mm、98.1m/s2
6.3 衝撃試験
台形波、98.1m/s2 、6ms
SMD ‘J’
Lead &
OxiCap®
6.4 せん断強度試験(固着性)
IEC 384-3による/5N以上
(Fシリーズ
を除いて)
6.5 基板曲げ試験(端子強度)
コンデンサの電極端子は柔軟性を有するため基板曲げによるス
トレスを防ぐことができます。
6.6 はんだ付け条件
温度が270℃以下、はんだ時間が3秒以内で基
基板厚みが
TLN & TCN
下面電極
1.0mm以上であればウェーブはんだを使用可能です。
6.7 注意事項
いずれの動作条件でも、コンデンサの最大許容温度を超えてはな
りません。特にバルブやパワートランジスタなど発熱する部品の近
くに実装するに当たって十分に配慮しなければなりません。また、
リード付きコンデンサを実装時に、リードを曲げる場合にはコンデン
サの本体にストレスをかけないように注意が必要です。
TACmicrochip®
シリーズ
6.8 取り付け位置
特に制限ありません。
6.9 フラックス
A
B
C
D
E
F
G
H
K
L
N
P
R
S
T
U
V
W
X
Y
Z
H
K
L
M
N
S
T
Y
6
A
B
C
D
E
H
J
K
L
M
Q
R
S
T
U
V
Z
PSL
PL
4.00 (0.157)
4.00 (0.157)
6.50 (0.256)
8.00 (0.315)
8.00 (0.315)
6.50 (0.256)
4.00 (0.157)
4.00 (0.157)
4.00 (0.157)
4.00 (0.157)
2.70 (0.100)
2.70 (0.100)
2.70 (0.100)
4.00 (0.157)
4.00 (0.157)
8.00 (0.315)
8.00 (0.315)
6.50 (0.256)
8.00 (0.315)
8.00 (0.315)
8.00 (0.315)
4.00 (0.157)
4.00 (0.157)
3.50 (0.138)
2.30 (0.091)
2.00 (0.079)
3.50 (0.138)
3.50 (0.138)
7.20 (0.283)
15.20 (0.598)
4.40 (0.173)
4.70 (0.185)
4.40 (0.173)
4.40 (0.173)
0.90 (0.035)
3.20 (0.126)
2.80 (0.110)
2.20 (0.087)
2.80 (0.110)
3.20 (0.126)
3.20 (0.126)
3.20 (0.126)
4.40 (0.173)
4.70 (0.185)
3.20 (0.126)
4.40 (0.173)
2.80 (0.110)
1.40
1.40
2.00
2.00
2.00
2.00
1.40
1.40
1.40
1.40
0.95
0.95
0.95
1.40
1.40
2.00
2.00
2.00
2.00
2.00
2.00
1.40
1.40
1.15
0.90
0.70
1.15
1.15
1.50
3.00
1.60
1.70
1.60
1.60
0.30
1.30
1.10
0.90
1.10
1.30
1.30
1.30
1.60
1.70
1.30
1.60
1.10
PS
(0.054)
(0.054)
(0.079)
(0.079)
(0.079)
(0.079)
(0.054)
(0.054)
(0.054)
(0.054)
(0.037)
(0.037)
(0.037)
(0.054)
(0.054)
(0.079)
(0.079)
(0.079)
(0.079)
(0.079)
(0.079)
(0.054)
(0.054)
(0.045)
(0.035)
(0.028)
(0.045)
(0.045)
(0.059)
(0.120)
(0.063)
(0.070)
(0.063)
(0.063)
(0.012)
(0.051)
(0.043)
(0.035)
(0.043)
(0.051)
(0.051)
(0.051)
(0.063)
(0.070)
(0.051)
(0.063)
(0.043)
1.20
1.20
2.50
4.00
4.00
2.50
1.20
1.20
1.20
1.20
0.80
0.80
0.80
1.20
1.20
4.00
4.00
2.50
4.00
4.00
4.00
1.20
1.20
1.20
0.50
0.60
1.20
1.20
4.20
9.20
1.20
1.30
1.20
1.20
0.30
0.60
0.60
0.40
0.60
0.60
0.60
0.60
1.20
1.30
0.60
1.20
0.60
(0.047)
(0.047)
(0.098)
(0.157)
(0.157)
(0.098)
(0.047)
(0.047)
(0.047)
(0.047)
(0.030)
(0.030)
(0.030)
(0.047)
(0.047)
(0.157)
(0.157)
(0.098)
(0.157)
(0.157)
(0.157)
(0.047)
(0.047)
(0.047)
(0.020)
(0.024)
(0.047)
(0.047)
(0.165)
(0.360)
(0.047)
(0.051)
(0.047)
(0.047)
(0.012)
(0.024)
(0.024)
(0.016)
(0.024)
(0.024)
(0.024)
(0.024)
(0.047)
(0.051)
(0.024)
(0.047)
(0.024)
PW
1.80
2.80
2.80
3.00
3.00
2.80
1.80
2.80
1.80
2.80
1.60
1.60
1.60
1.80
2.80
3.70
3.70
2.80
3.00
3.00
3.70
2.80
1.80
2.40
1.10
1.10
1.20
2.40
2.50
5.50
1.80
3.00
1.80
1.80
0.30
1.50
1.00
0.70
1.00
1.00
1.50
1.50
1.80
3.00
1.50
1.80
0.70
(0.071)
(0.110)
(0.110)
(0.119)
(0.119)
(0.110)
(0.071)
(0.110)
(0.071)
(0.110)
(0.060)
(0.060)
(0.060)
(0.071)
(0.110)
(0.145)
(0.145)
(0.110)
(0.119)
(0.119)
(0.145)
(0.110)
(0.071)
(0.047)
(0.043)
(0.043)
(0.047)
(0.047)
(0.098)
(0.217)
(0.071)
(0.118)
(0.071)
(0.071)
(0.012)
(0.059)
(0.039)
(0.028)
(0.039)
(0.039)
(0.059)
(0.059)
(0.071)
(0.118)
(0.059)
(0.071)
(0.028)
PWw
0.90 (0.035)
1.60 (0.063)
1.60 (0.063)
1.70 (0.068)
1.70 (0.068)
1.60 (0.063)
0.90 (0.035)
1.60 (0.063)
0.90 (0.035)
1.60 (0.063)
0.80 (0.030)
0.80 (0.030)
0.80 (0.030)
0.90 (0.035)
1.60 (0.063)
1.80 (0.071)
1.80 (0.071)
1.60 (0.063)
1.70 (0.068)
1.70 (0.068)
1.80 (0.071)
N/A
N/A
N/A
N/A
N/A
N/A
N/A
N/A
N/A
0.90 (0.035)
1.50 (0.059)
0.90 (0.035)
0.90 (0.035)
N/A
0.075 (0.375)
0.50 (0.020)
0.35 (0.014)
0.50 (0.020)
0.50 (0.020)
0.075 (0.375)
0.075 (0.375)
0.90 (0.035)
1.50 (0.059)
0.075 (0.375)
0.90 (0.035)
0.35 (0.014)
備考:SMD ‘J’ Lead = TAJ, TMJ, TPS, TPM, TRJ, TRM, THJ, TLJ, TCJ, TCM, TCR
酸を含むフラックスの使用はお控えください。
6.9.1 部品のフットプリントに関するガイドライン
部品のフットプリントとは、部品の端子が占める面積を意味します。
下図のA、B、C、Dになります。なお、フットプリントはセンターライン
に対して対照的です。
x、y、z寸法は、部品とそのはんだフィレットの外観チェックをできる
ように部品間スペースを確保しながら、部品が実装中に回らないよ
うに最小限に抑えることを推奨します。
PSおよびPW寸法(Fシリーズ:c、a)はx、z寸法から計算されます。
y寸法はウェーブはんだを使うかリフローはんだを使うかにより異な
ります。
リフローはんだの場合はPL(Fシリーズ:+側:b、ー側:b')、PW(Fシ
リーズ:a)、PSL寸法を使用してください。ウェーブはんだの場
合、PWwをはんだの量を減らすために電極端子の幅よりも狭く設定
しました。
なお、樹脂外装コンデンサの場合には陽極タブ(凸部)を含む全長
中心部ランド中心部にΔCの差があります。実装時のΔC分陽極側
にずらしてマウントしてください。
D
C
z
B
Y
x
PW
A
備考
表中の寸法はEIAに準拠する推奨寸法です。
リフローはんだの場合には縮小することが可能
です。
PW
PLP
ケースサイズ
シリーズ
TLN & TCN
下面電極
PS
PSL
PSL
PLP
PLN
PS
PW
2.20 (0.087)
3.40 (0.134)
2.00 (0.079)
4.80 (0.190)
mm(インチ)
ノズルの中心
c
-
+
b´
ケースサイズ
シリーズ
U
M
S
F38, F91,
P
F92, F93,
A
F97, F98
B
C
N
R·P
Q·S
F95,
AUDIO F95
A
樹脂外装
T
B
F72
樹脂外装
樹脂外装
a
0.35
0.65
0.90
1.00
1.30
2.30
2.30
2.50
1.40
1.70
1.80
2.60
2.60
(0.014)
(0.026)
(0.035)
(0.039)
(0.051)
(0.091)
(0.091)
(0.091)
(0.055)
(0.067)
(0.071)
(0.102)
(0.102)
c
a
b
b
0.40
0.70
0.70
1.10
1.40
1.40
2.00
2.00
0.60
0.70
0.70
0.70
0.80
(0.016)
(0.028)
(0.028)
(0.043)
(0.060)
(0.060)
(0.079)
(0.079)
(0.024)
(0.028)
(0.028)
(0.028)
(0.032)
b'
0.40
0.70
0.70
1.10
1.40
1.40
2.00
2.00
0.50
0.60
0.60
0.60
0.70
(0.016)
(0.028)
(0.028)
(0.043)
(0.055)
(0.055)
(0.079)
(0.079)
(0.020)
(0.024)
(0.024)
(0.024)
(0.028)
c
0.40
0.60
0.80
0.40
1.00
1.30
2.70
4.00
0.70
1.10
1.10
1.20
1.10
Δc*
(0.016)
(0.024)
(0.032)
(0.016)
(0.039)
(0.051)
(0.106)
(0.158)
(0.028)
(0.043)
(0.043)
(0.047)
(0.043)
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.20 (0.008)
0.20 (0.008)
0.20 (0.008)
0.20 (0.008)
0.20 (0.008)
R·M
5.80 (0.228)
1.20 (0.047)
1.20 (0.047)
3.90 (0.154)
0.50 (0.020)
U·C
D
R
3.00 (0.118)
4.10 (0.161)
5.80 (0.228)
1.20 (0.047)
1.20 (0.047)
1.20 (0.047)
1.20 (0.047)
1.20 (0.047)
1.20 (0.047)
3.30 (0.130)
3.90 (0.154)
3.90 (0.154)
0.50 (0.020)
0.50 (0.020)
0.50 (0.020)
※樹脂外装コンデンサの場合、
210
PLN
7.60 (0.299)
パッド寸法(Fシリーズ)
F75
PL
4
PS
PSL
ΔC分陽極側にずらしてマウントしてください。
技術サマリーおよび
アプリケーションガイドライン
密閉表面実装のパッド寸法
6.10 基板の洗浄
mm(インチ)
タンタルコンデンサはほとんど全ての基板洗浄方法に対応しま
す。水性洗浄を行う場合、電気的特性試験を行う前に十分に乾燥
させてください。 超音波洗浄を使用する場合、パワーを10W/ℓ
以下に設定し、バス中の振動節を防ぐように注意してください。
PW
PLP
ケースサイズ
PS
PSL
PSL
PL
PS
PW
PWW
9
13.20 (0.520)
2.40 (0.094)
8.40 (0.331)
11.80 (0.465)
N/A
THH
J-リードのみ
I
13.00 (0.512)
3.80 (0.150)
5.40 (0.213)
5.30 (0.210)
N/A
THH
下面電極のみ
I
10.60 (0.417)
3.00 (0.118)
4.60 (0.181)
4.00 (0.157)
N/A
+
-
シリーズ
TCH & THH
J-リードのみ
セクション7 樹脂の可燃性
樹脂
TAJ/TMJ/TPS/TPM/TRJ/TRM
THJ/TLJ/TLN/TCJ/TCM TCN/
TCR/NLJ/NOJ/NOS/NOM
UL 規格
酸素インデクス
UL94 V-0
35%
セクション8 認定状況
PW
PKW
説明
シリーズ
仕様
TAJ
CECC 30801 - 005 Issue 2
CECC 30801 - 011 Issue 1
PK
PW
表面実装コンデンサ
+
-
PL
PS
PL
PSL
ケースサイズ
PSL
PL
PS
PKW
PW
PK
11.00(0.433)
1.70(0.067)
7.60(0.300)
10.60(0.417)
3.00(0.118)
4.60(0.181)
シリーズ
TCH & THH
下面電極のみ
9
211