唾液センサによる予防医療の革新

●特集「センサの最先端」
唾液センサによる予防医療の革新
岩手大学大学院工学研究科バイオ・ロボティクス部門
山口 昌樹
Masaki YAMAGUCHI
1.
counter drug;一般用医薬品,非処方薬)としての地位を確
はじめに
立している。このような血液以外の検体を対象とする検査
唾液がもしただの水だとしたら,私達のほとんどの歯は
20 歳までに溶けてなくなってしまうだろう,といわれてい
る。確かに,唾液の 99%は水分だが,残りの 1%には,ゲノ
ム解析に用いられる DNA,プロテオーム解析に用いられる
薬も,広義の POCT の定義に含まれるものと考えられてい
る。
2.
唾液検査の種類と方法
タンパク,トランスクリプトーム解析に用いられる代謝産
1) 全身疾患の検査
物,メタボローム解析に用いられる mRNA,ミクロビオー
表 1 には,全身疾患や状態の診断に使用できる可能性が
ム解析に用いられる微生物産物が含まれている。
唾液は,唾液腺によって血液から作られている。唾液は
積極的に研究されている,もしくはすでに臨床応用されて
いる唾液バイオマーカーをまとめた 1) ∼ 23) 。唾液のプロテ
無痛で自己採取・随時採取が可能であるなど,血液検査に
オ ー ム 解 析 や ト ラ ン ス ク リ プ ト ー ム 解 析 も 進 め ら れ,
比べて唾液検査は圧倒的に優位な点を有すると直感的には
22,215 種のプローブを搭載したアフィメトリックス社の
期待されるが,これらだけでは疾患の診断技術として確立
DNA チップを用いた解析では,約 3,000 種の mRNA が唾液
するのは難しい。生体サンプルの採取・濃縮技術,迅速・
検体から確認されている 10) 。唾液バイオマーカーは,生
低コスト・高感度な分析技術が驚異的な進歩を遂げる今,
体内での機能により抗体,ホルモン,神経伝達物質,核酸,
唾液検査の実用化の鍵を握るのは,既存の診断方法よりも
タンパク質,および外来物質に分類することができる。こ
圧倒的に優れているか,もしくは新たな付加価値を創造す
こで挙げた唾液バイオマーカーのうち,検査手法として商
るような,唾液センサの使い方であると考える。
業的に広く利用されているのは,疾患の診断では HIV の抗
先進各国が描く創薬・診断分野のロードマップでは,侵
襲性の低い検体採取・処理技術が 2015 年頃から実用化さ
体(HIV-1,HIV-2)検査のみである(OraSure Technologies,
Inc., PA)
。
れ,検査センターに限定されていた診断場所が,ポイント・
心的外傷後ストレス障害(post-traumatic stress disorder:
オブ・ケア検査(point-of-care testing: POCT;患者のそば
PTSD),慢性疲労症候群(chronic fatigue syndrome: CFS)
での診断)に移り始めると予測されている。唾液検査は,
や過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome: IBS)などの
現在一部で実用化されているのみであるが,POCT に応用
ストレス関連疾患では,客観的・定量的な指標に基づいた
すれば,様々な全身疾患の唾液検査が可能となっていくで
診断基準が確立されていない。そこで,コルチゾールなど
あろう。なお,日本では,尿を検体とする使い捨て式の妊
のストレスマーカーが,これらのスクリーニング(ふるい
娠検査薬などが,薬局などで販売される OTC 薬(over-the-
分け)検査ツールとして検討されている。米国では,キッ
トをインターネット販売で購入し,唾液を採取して郵送す
■著者連絡先
岩手大学大学院工学研究科バイオ・ロボティクス部門
(〒 020-8551 岩手県盛岡市上田 4-3-5)
E-mail. [email protected]
ると,複数のストレスマーカーの値が基準範囲にあるか否
かの検査結果をレポートしてくれるストレス検査ビジネス
も行われている。
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表 1 唾液バイオマーカーによる全身疾患や状態の診断の可能性
バイオマーカー
分 類
抗体
疾患・状態
化学物質
文 献
HIV
hepatitis C
cortisol
testosterone
androstenedione
DHEA
E2, Pg
エイズ
肝炎
神経伝達物質
β-endorphin
ストレス関連疾患
Henning et al.8)
核酸
mRNA
癌など
Huang 9)
Hu et al.10)
Zimmermann and Wong 11)
Kozak et al.12) Cho et al.13)
ホルモン
ストレス関連疾患
DNA
タンパク質
外来物質
Ishikawa et al.1)
Champion et al.2)
Vining et al.3)
Dabbs et al.4)
Azurmendi et al.5)
Olff et al.6)
Chatterton et al.7)
α-amylase
ストレス関連疾患
alubumin
cystatin C
cathepsin G
肝機能など
腎機能
白血病
Groza et al.14)
Speirs et al.15)
Wang et al.16)
Gorodkiewicz et al.17)
Gorodkiewicz et al.18)
alcohol
cotinine
acetylsalicylic acid
phenytoin
cocaine, codeine
アルコール依存症
喫煙
アスピリン
抗てんかん薬
禁止薬物,麻薬
Degutis et al.19)
Stookey et al.20)
Fu et al.21)
Fu et al.22)
Kacinko et al.23)
DHEA: dehydroepiandrosterone, DNA: deoxyribonucleic acid, E2: estradiol, HIV: human
immunodeficiency virus, mRNA: messenger ribonucleic acid, Pg: progesterone.
外来物質は,疾患の診断よりもむしろ身体状態の評価に
用いられ,アスピリンや抗てんかん薬などの薬物動態監視
いが 25),3 ∼ 5 種類の唾液バイオマーカーを同時に用いれ
ば診断精度が 0.94 に向上するとの報告がある 12) 。例えば,
(therapeutic drug monitoring: TDM),喫煙検査,禁止薬物
唾液の IL-8 mRNA と IL-8 の同時分析で,各々単独の場合よ
検査などがある。携帯式の禁止薬物検査機器(RapiScan,
り診断精度が向上することから,電気化学センサが試作さ
Cozart Bioscience Ltd., UK)は,空港などの入国管理にお
れている 26) 。
いて,現場検査手法(on-site testing)として欧米で利用され
3) 唾液センサ
ている。
唾液検体による全身疾患の診断が,現実味を帯びてきた
2) 口腔疾患の検査
背景には,日本が得意とする半導体産業で微細加工集積技
口腔ガンは,世界的にはガンの中で 6 番目に患者数が多
術(micro electro-mechanical systems: MEMS)が進展して
く,
全世界で 40 万回 / 年ほど検査されている 24) 。米国では,
迅速・高精度分析に利用できる微細流路の開発が可能と
毎年 3 万 5 千人の患者が見つかり,8 千人が死亡し,5 年生
なったことや,特異性(選択性)に優れた酵素,抗原抗体,
存率は 60%以下とされる。口腔ガンのリスクファクター
mRNA/DNA ハイブリダイゼーションなどの分子認識メカ
はアルコールとタバコであるが,非喫煙・非飲酒の中高年
ニズムを利用したバイオ分析技術が驚異的な進歩を遂げた
では,human papillomavirus(HPV)と中咽頭ガンの関係が
ことが挙げられる。
示唆されている。口腔ガンは目視で発見できるので,特別
表 2 には,唾液センサに用いられる主な分析原理をまと
な検査技術は不要とする医師もいるが,このような背景か
めた。酵素法<抗原抗体法<ハイブリダイゼーションの順
ら,早期診断技術の開発も有用と考えられている。
に特異性は高くなり,同時に検査コストも上昇する。ペン
口腔ガンの診断においては,1 種類の唾液バイオマー
シルバニア州立大学の Granger 教授が立ち上げたバイオベ
カーを使うだけでは,診断精度が 0.65 ∼ 0.85 しか得られな
ンチャー企業,サリメトリックス社(Salimetrics, http://
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表 2 唾液センサに用いられる主な分析原理
方 法
バイオマーカー
酵素法
タンパク質
抗原抗体法
ハイブリダイゼーション
センサデバイス
試験紙(ドライケミストリー)
酵素センサ(電気化学センサ)
ELISA(酵素標識免疫測定)
抗体,ホルモン,神経
伝達物質,タンパク質, 金コロイド(局在プラズモン共鳴)
電気泳動
外来物質
免疫センサ(電気化学センサ)
SPR(表面プラズモン共鳴)
mRNA,DNA
DNA チップ
DNA: deoxyribonucleic acid, ELISA: enzyme-linked immunosorbent assay, mRNA: messenger
ribonucleic acid, SPR: surface Plasmon resonance.
(a)
(b)
図 1 唾液アミラーゼを分析して交感神経活動を測定する携帯アミラーゼモニタ(ニプロ株式会社)
(a)使い捨て式のテストストリップ,(b)携帯モニタの外観。
www.salimetrics.com/)が,唾液検体専用の酵素標識免疫測
のアドレナリン作用として,α1 受容体で水,β受容体でア
定(enzyme-linked immunosorbent assay: ELISA)キットを
ミラーゼなどのタンパクの分泌が亢進されることがわかっ
シリーズとして販売したことから,唾液バイオマーカーを
ている 27) 。しかも,唾液アミラーゼは,唾液腺から分泌さ
用いた研究が盛んになった。金コロイドは,ELISA の発色
れる酵素の中で最も分泌量が多い。また,β遮断薬を投与
反応をバイオチップ上の可視ラインの有無に置き換え,低
すると,唾液アミラーゼが変動しなくなることも報告され
コストの定性検査を可能とする。免疫センサや表面プラズ
ている。この直接神経作用によるタンパク分泌,すなわち
モン共鳴(surface plasmon resonance: SPR)は,ELISA の発
唾液アミラーゼ活性(濃度)の変化を計測すれば,応答時間
色反応を電気化学現象や光学現象に置き換え,高感度化や
が 1 分∼数分と短く,ホルモン作用に比べて格段に応答が
連続測定を可能とする。
速い交感神経のモニタリングが可能となる。
唾液に限らず,バイオマーカー開発を成功させるための
図 1 は,唾液アミラーゼから迅速に交感神経活動の興
必須要件は,既存の診断方法よりも圧倒的に優れているか,
奮 / 沈静を測定するために製品化された,ドライケミスト
もしくは従来できなかった「超早期診断」などの新たな付
リ ー 式 の 酵 素 セ ン サ( 唾 液 ア ミ ラ ー ゼ モ ニ タ )で あ
加価値を創造できるかにある。すなわち,予防・診断に有
る 28),29) 。この唾液アミラーゼモニタは,本体(130 × 87 ×
用となるような唾液バイオマーカーの使い方が,その実現
40 mm3 , 190 g)と使い捨て式のテストストリップで構成さ
の鍵を握っている。以下に,製品化が進む唾液式ストレス
れている。唾液アミラーゼモニタは,ニプロ(株)より
検査機器を紹介する。
2005 年に販売が開始され,2007 年には厚労省の医療認可
3.
を取得し,現在は一般医療機器として販売されている。
ストレスの唾液検査
この唾液センサの臨床検査上の意義としては,下記の事
1) 急性ストレスの検査
項が挙げられる。
交感神経系の指標として,唾液に含まれるアミラーゼ
① 唾液ならではの応用:唾液腺から直接・大量に分泌
(唾液アミラーゼ)が提案されている。唾液腺では,末梢性
される唾液アミラーゼに着目することで,交感神経反
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表 3 唾液コルチゾール検査におけるバイオセンサの優位性
イムノセンサ
(バイオセンサ)
イムノクロマト法
ELISA 法
分析時間
◎
5分
◎
3 ∼ 10 分
×
2 ∼ 3 時間
測定感度
○
10 pg/ml
×
10 ng/ml
◎
1 pg/ml
○
×
○
○
数十万円台
○
数十万円台
○
数百万円台
分析技術
定量性
装置価格
特 徴
迅速性と高感度の
バランスが良好
迅速性
定性分析用
試薬が豊富
自動分析不可
ELISA: enzyme-linked immunosorbent assay.
(a)
(b)
図 2 非侵襲唾液コルチゾール迅速分析装置の開発に
向けた試作品(岩手大学とローム株式会社の共
同事業)
(a)ディスポーザブル式の分析用ディスク・チップ,
(b)分析装置の外観。
射を 1 分以内に観察したいという目的に合った応答性
変動すると,遊離型コルチゾール濃度の推定精度に影響す
を実証
る 30) 。
② 採取チップの開発:唾液の定量採取を簡便に実現し,
一方,唾液は,唾液腺という器官によって,血液を原料
にして作られる。高分子量のタンパクは唾液腺を通過でき
サンプルの扱いにくさを克服
2) 慢性ストレスの検査
ないので,唾液中には血中の遊離型コルチゾールしか現れ
血中のコルチゾールは,約 80%がコルチコステロイド結
ない。このため,唾液中のコルチゾール(遊離型コルチゾー
合グロブリン(CBG)と,約 10%がアルブミンと結合して
ル)は,血中の遊離型コルチゾールと極めて良い相関性を
おり,これらは結合型コルチゾールと呼ばれる。結合型コ
示 す。 こ れ が,唾 液 検 体 を 用 い る 最 大 の メ リ ッ ト で あ
ルチゾールは活性が低い。残りの約 10%が遊離型コルチ
る 31),32) 。ただし,唾液コルチゾール濃度は血中コルチ
ゾール(free cor tisol)として細胞膜を通過し,細胞の核内
ゾール濃度よりも低くなり,0.1 ∼ 10 ng/ml(0.278 ∼ 27.8
レセプターと結合して作用する。コルチゾールの測定には,
nmol/l)の範囲を取るので,血液分析よりも高感度な分析
イムノアッセイ(免疫測定法)が用いられるが,抗原抗体反
方法が必要になる。表 3 には,臨床現場で唾液からコルチ
応では,結合型コルチゾールと遊離型コルチゾールの何れ
ゾールを即時診断するのに用いる分析技術に求められる仕
もが認識される。つまり,本当に測りたいのは活性のある
様を比較した。これらを総合的に判断すると,イムノセン
遊離型コルチゾールであるにもかかわらず,血液検体によ
サが最も適していると考えられた 33) 。
るイムノアッセイでは,総コルチゾール(total cor tisol)を
図 2a に は,MEMS に よ り 作 製 し た 分 析 用 デ ィ ス ク・
測定してしまう。コルチゾールの結合型 / 遊離型の比率が
チ ッ プ の 構 造 を 示 し た 34) 。 コ ル チ ゾ ー ル は 分 子 量 が
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人工臓器 42 巻 1 号 2013 年
図 3 唾液コルチゾールの分析原理
:コルチゾール
:コルチゾール− BSA
:酵素標識コルチゾール抗体(コンジュゲート)
:コルチゾール− BSA 固相化用ポリスチレンパッド。
362.47 しかないハプテンなので,酵素標識コルチゾール抗
体(以下,コンジュゲート)を独自に有機合成し,分子認識
に競合法を採用した。ディスク・チップは,中央に固定穴
が設けられたディスク形状を有しており,回転可能となっ
ている。微細流路が,緩衝液槽,基質槽,コンジュゲート槽,
反応槽,廃液相を繋いでいる。コンジュゲート槽はサンプ
ル滴下口を兼ねている。基質槽には蛍光基質が,コンジュ
ゲート槽には酵素標識コルチゾール抗体が,それぞれ乾燥
固定されている。反応槽には,コルチゾールをウシ血清ア
ルブミン(bovine serum albumin: BSA)で固相化したポリ
スチレンパッドが設置されている。図 2b には,遠心機能
を備えた本体の外観(装置系)を示した。
図 3 には,コルチゾールの分析原理(試薬系)を示した。
サンプルである唾液検体を,ディスク・チップのコンジュ
ゲート槽に滴下すると,乾燥固定されていた酵素標識コル
チゾール抗体がそれに溶け込む。分析チップを回転させる
と,遠心力でサンプル溶液が反応槽に移され,競合反応が
起こる。一定時間反応させた後に,分析チップを回転させ
ると,余分な液体が廃液槽に除去される。その後,緩衝液
槽から基質槽に緩衝液を流入させ,蛍光基質を溶け込ませ
る。分析チップを回転させると,反応槽のコンジュゲート
と蛍光基質が反応し,コンジュゲート濃度に比例した蛍光
強度が観察される。
4.
おわりに
慢性疾患は,ひとたび発症すれば,完全な治癒が困難で
あることが多い。早期診断は,その予防や重症化を防止す
るために重要である。しかし,バイオマーカーの分析には
専用の大型分析装置が必要なものが多く,分析場所が検査
センターに限定され,臨床現場での即時診断を妨げていた。
これは,発症→早期診断→治療→回復に至る 4 つの過程か
らなる流れを断ち切っている。携帯可能な大きさで,誰で
も簡便に即時分析できる疾患の可視化技術の開発は,この
流れをつなぐことができる。POCT 検査という視点は,医
療技術が進むべき方向の一つの解を与えてくれる。
本稿の著者には規定された COI はない。
文 献
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