薬局プレアボイド事例の周知が及ぼす影響について 森田由樹 1)、中田

薬局プレアボイド事例の周知が及ぼす影響について
森田由樹 1)、中田明日香 2)、長尾久義 3)、前田守 4)、長谷川佳孝 4)、
月岡良太 4)、森澤あずさ 4)、大石 美也 4)
1)
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4)
株式会社アインメディオ リジョイス薬局 桂店
株式会社アインファーマシーズ アイン薬局 福山御幸店
株式会社アインメディオ
株式会社アインホールディングス
【目的】プレアボイドは「薬剤師が薬物療法に直接関与し、薬学的に患者の不
利益を回避あるいは軽減した事例」と定義される。薬物治療の安全確保を職責
とする保険薬剤師が、その職能を発揮した成果といえる。当社は、本学会の第
48回総会にて、ヒヤリハット事例周知の繰り返しがヒヤリハット防止に繋がっ
たこと報告した。そこで本研究では、薬局プレアボイドの周知がヒヤリハット
防止に及ぼす影響を検証した。また、患者のプレアボイド業務に対する認知度
も調査した。
【方法】2016 年 2 月に、当社 10 店舗の薬剤師 62 名に対して、週次で社内配信
されているプレアボイド事例の参照頻度と過去 1 年間のヒヤリハット件数を調
査した。また、事例配信を毎回参照していない薬剤師が半数以上を占める店舗
を「参照不十分群」、それ以外をコントロール群とし、ヒヤリハット率(ヒヤリ
ハット件数/処方枚数)を対応のない t 検定で評価した。さらに、2016 年 4 月の
3 日間の筆頭者所属店舗の来局患者 264 名に対しプレアボイド業務の認知度調
査を行い、その結果をカイ二乗検定で評価した。有意水準は 0.05 とした。
【結果】プレアボイドの参照頻度とヒヤリハット件数には負の相関がみられた。
参照不十分群のヒヤリハット率は、有意差はなかったが、コントロール群より
も高かった。
「かかりつけ薬剤師」を利用したい患者は 60%であり、その半数は、
疑義照会などの業務を通じた保険薬剤師の丁寧な対応と安心感などを評価した。
保険薬局に存在意義を感じる患者は 54%、プレアボイド業務を内容まで認知し
ていた患者は 35%であり、認知していない患者よりも「かかりつけ薬剤師」を
利用したいと回答した割合は高かった。
【考察】本結果から、プレアボイド事例の参照頻度向上がヒヤリハット防止効
果をもたらす可能性が示唆された。先行研究では、ヒヤリハット事例の周知と
各自で対策を立てる能動的行為の繰り返しが大きな効果を生むことが示された
ことから、プレアボイド事例についても、能動的行為の繰り返しを組み込んだ
施策がヒヤリハット防止効果を生む可能性が考えられた。また、患者が「かか
りつけ薬剤師」を利用する動機付けにプレアボイド業務の認知度が関係するこ
とも示唆されたため、プレアボイドの積極的周知が「かかりつけ薬剤師」推進
の一助となる可能性も考えられる。
(第 49 回日本薬剤師会学術大会(2016 年 10 月,名古屋)にて発表)