米国大統領選挙前の金融市場状況

ご参考資料
2016年11月4日
米国大統領選挙前の金融市場状況
ポイント① 接戦の様相強まる
一時はクリントン候補優位と見られていた米国大統領選
は、クリントン候補のメール問題の再燃などにより、世論調
査での両候補の支持率の差が縮小し、11月8日の投票を
間近に控えて、接戦の様相が強まってきました。
トランプ候補が大統領になった場合には、経済・外交政
策などに関して先行きの不透明感が高まると見られることか
ら、米国だけでなく各国の株式市場が下落し、為替市場
では米ドルが売られ、不安時の避難先と見なされている円
が買われる動きとなりました。3日の米国市場では一時1米
ドル=102円台半ばまで円高が進みました。
ポイント② 市場へのインパクト
クリントン候補が勝利すれば、市場では安心感が広がり、
株式、米ドルが買い戻されるでしょう。また、11月1、2日
に行なわれた米金融政策決定の場であるFOMC(米連
邦公開市場委員会)では、先行きの不透明感などから利
上げが見送られましたが、声明文は次回12月13、14日
のFOMCでの利上げを示唆するような内容でした。クリント
ン候補勝利の場合には12月利上げの公算がさらに高まり、
米国の金利上昇が米ドルを押し上げる要因にもなりそうで
す。
一方、トランプ候補が勝利すれば、国内雇用保護などの
ために、貿易自由化に消極的になると共に、米ドル安を志
向するのではないかという見方が強まることで、米ドルが一
段と下落し、国際的に株価が下落する懸念があります。
ポイント③ 選挙後は再び経済実態に注目
ただ、こうした政治要因による市場変動は、長くは続かな
いでしょう。クリントン大統領の場合にはオバマ現大統領の
路線を継承し、大きな変化は生じないでしょう。トランプ大
統領の場合には、経済政策などで強い権限を持つ議会と
の関係が不安定になり、大胆な政策の実現性は低いで
しょう。
そのため、選挙後しばらくすれば市場の関心は再び経済
実態に移るでしょう。12月に利上げ実施の可能性は大き
いと思われますが、その後も継続的に利上げが行なえるほど
米国景気が強いかどうかが重要なポイントとなりそうです。
重要
イベント
11月4日
11月8日
11月17日
米雇用統計(10月)
米大統領・議会選挙(日本時間9
日午後大勢判明か)
米消費者物価指数(10月)
図1:NYダウ工業株30種平均と円・米ドル為替レート
期間 2016年8月1日~2016年11月3日、日次
(米ドル)
18,700
18,600
(円/米ドル)
NYダウ工業株30種平均(左軸)
円/米ドル為替レート(右軸)
106
105
18,500
104
18,400
103
18,300
102
18,200
101
18,100
100
18,000
99
17,900
2016/8
2016/9
98
2016/11 (年/月)
2016/10
(出所) Bloombergより野村アセットマネジメント作成
図2:米国の国債利回り
(%)
期間 2016年1月1日~2016年11月3日、日次
2.4
10年物国債利回り
2.2
2年物国債利回り
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
2016/1
2016/4
2016/7
2016/10 (年/月)
(出所) Bloombergより野村アセットマネジメント作成
図3:米国の失業率と個人消費支出コアデフレーター
期間:2000年1月~2016年9月、月次
(%)
12
失業率(左軸)
個人消費支出コアデフレーター(右軸)
(前年同月比、%)
2.6
11
2.4
10
2.2
9
2.0
8
1.8
7
1.6
6
1.4
5
1.2
4
1.0
3
2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014
(出所) Bloombergのデータより野村アセットマネジメント作成
2016
0.8
(年)
(注)個人消費支出コアデフレーターはエネルギー、食品を除く
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