Weekly Market Report 1. 為替相場概況

発⾏:市場営業部
Weekly Market Report
Oct 31, 2016
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
先週のドル円は3ヶ月ぶりに105円台を示現。今週も下値の堅い展開を予想。
USD/JPY (1週間の値動き)
3か月ぶりに
105円台を示現
クリントン氏の
メール問題再燃
コメント
(出所)Bloomberg
先週の為替相場はドル円が3ケ月ぶりに105円台を⽰現し、ドル円の上昇が目⽴つ週となった。12月の米FOMCにおいて利上げ観測が
高まっており、10年⽶国債利回りは1.8%台まで上昇。⽇⽶⾦利差拡⼤により、ドル円に上昇圧⼒が掛かったほか、⽇経平均が半年ぶりの
高値水準となり、円安地合いとの好循環がみられた。週末、第3Q米GDPが市場予想を上回り、ドル円は106円台乗せの期待が高まったも
のの、クリントン氏のメール問題をFBIが再調査するとの報道により、104円台へ急落して週の取引を終えている。なお、ドルは円以外の主要
通貨に対してはまちまち。ポンドやユーロに対してはややドル売りに傾く場面もあり、神経質な展開となった。
今週は日銀会合、FOMC、BOE、⽶雇⽤統計等の重要イベントが目⽩押し(下表参照)。各国⾦融政策は現状維持が予想されてい
るものの、⽇⽶については政策⽅向感の違いからドル円は下値の堅さを意識する地合いが継続するだろう。
(市場営業部/淺川)
USD/JPY(2年間)
今週の経済指標(予定)
日付
イベント
予想
11/1(火)
(⽇本)⽇銀⾦融政策決定会合
-
11/1(火)
(米国)ISM製造業指数
51.5
11/2(水)
(米国)FOMC
-
11/3(木)
(英国)BOE⾦融政策決定会合
-
11/4(⾦)
(⽶国)失業率
4.9%
11/4(⾦)
(米国)非農業部門雇用者数変化
173K
今週のレンジ予想(USD/JPY)
予想者
今週のレンジ
予想のポイント
牧野 剛
103.50-106.20
各国の⾦融政策等、重要な経済指標の発表が続くが、⼤統領選挙の結果がでるまでは⽅向感は出難い展開。
國井靖子
103.00-106.00
⾼値圏維持も週末に⽶雇⽤統計を控え動きづらく、上値重い展開か。⽇⽶英⾦融政策会合や⽶経済指標に注意。
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Oct 31, 2016
2. 円⾦利相場概況
11月買入れオペの運営方針に注目
10年国債⾦利と債券先物 (1週間の値動き)
20年債⼊札は
順調な結果に
10年債利回り
債券先物
(出所)Bloomberg
コメント
先週の10年債利回りは先週に引続き狭いレンジで推移、週半ばから週後半にかけて徐々に利回りが上昇する展開となった。25⽇に⾏わ
れた20年債⼊札は順調な結果となり、10年債利回りは-0.065%まで低下。27⽇に⾏われた2年債⼊札も順調な結果となったが、同
⽇、国会答弁において⿊⽥⽇銀総裁が「超⻑期債はもう少し⾦利が上昇してもおかしくない」と発⾔したことにより、超⻑期ゾーンの⾦利が
上昇。翌28⽇には、前⽇の欧⽶⾦利の上昇もあり、10年債利回りは約1ヶ月ぶりの高水準まで上昇し、-0.042%で越週。今週は日銀
政策決定会合(10月31日〜11月1日)が開催されるが、多くの市場参加者は「現状維持」を予想しており、同会合で円⾦利相場が動
意付く可能性は低い。一方で、11月1⽇に公表される当⾯の⻑期国債買⼊れオペの運営⽅針において、オペの減額が通知された場合
は、⻑期⾦利上昇要因となりそう。(市場営業部/坂本)
⾦利スワップ変化(1週間)
(%)
5年円⾦利スワップ推移(2年間)
(%)
今週のレンジ予想 (10年国債利回り)
予想者
伊藤功⼀郎
小野口裕美子
今週のレンジ
-0.07%-
-0.03%
-0.08%-
0.00%
予想のポイント
今週初の日米⾦融当局の会合及び国債買⼊の運営⽅針発表があるが現状維持との⾒⽅が太宗で⾦利は上下とも動き⾟い。
注目は⽇銀の決定会合だが、政策変更の可能性は低いとの⾒⽅が優勢、動意薄の展開となりそう。
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Oct 31, 2016
3. 今週のトピックス
外国人からみた日経平均株価指数
日経平均株価指数は現在アベノミクスにおける高値圏!?
⽇経株価指数の今年のパフォーマンスは上昇している?
“⽇経平均株価指数の今年のパフォーマンスは?”と問われた時、皆様であればどのような答えを想定するであろうか。おそらく、
”昨年末の⽇経平均株価が18,764円54銭で、現在は17,350円近辺で推移していることから、約7.5%のマイナスです。”という
ような回答を想定するであろう。しかしながら、“今年は現在のところ昨年末と⽐較して、約6.5%のプラスです。”と答える投資家が
いる。全く同じ商品、同じ価格を追っているのに、不思議に思われる⽅もいるかもしれない。
通貨によってパフォーマンスの景⾊は随分と異なることがある
上記の回答をしているのは、米ドル建てで⽇経平均株価を⾒ている投資家である。
米ドル建て日経平均株価とは、通常算出される円建ての日経平均株価指数をその時の”米ドル/日本円”の為替レートを用いて
米ドル建てに計算されるもので、例えば、日経平均株価が17,000円、”米ドル/日本円”の為替レートが”1米ドル=105円“とす
ると、米ドル建て日経平均株価指数は17,000÷105≒161.9(米ドル)となる。
上記のようにして計算される米ドル建て日経平均株価指数は、昨年末約155.98米ドルで、現在約166.20米ドル。パフォーマ
ンスを計算すると確かに約6.5%上昇している。
通常、日経平均株価指数は円建てで語られることがほとんどであり、“アベノミクス相場では、2015年6月24日の20,952円71
銭が高値で現在は高値から17%程度下落。【図①】”といかにも⼤きな天井をつけて下落しているような印象を与える。しかしなが
ら、米ドル建てでこれを語ると、“アベノミクス相場では、2015年4月24日の169米ドル20セントが高値で現在はその高値近辺で
推移。【図②】”となり、好調の印象が強いNYダウ工業株30種平均指数やS&P500指数と同様の印象となることがわかる。
日本株は出遅れていない?
上記のように考えると、現在の日本株は米国株式市場と同様高値圏にいる、という認識で投資⾏動を起こしている投資家が、
特に米ドル建てを基準に投資している外国人投資家には相当数存在する、と考えたほうが良さそうで、円建てで眺めている“出遅
れ日本株”認識の本邦投資家以外に、このような認識をしている投資家がいることを頭の⽚隅においておきたい。
【図①】日経平均株価の推移(円、2年)
【図②】日経平均株価の推移(米ドル、2年)
日経平均株価(円建て)
日経平均株価(円建て)
日経平均株価(米ドル建て)
日経平均株価(米ドル建て)
21,000
(円)
170
165
160
155
150
145
140
135
130
125
120
( 出所:Bloomberg,あおぞら銀⾏加⼯)
2016/8/26
2016/6/26
2016/8/26
2016/6/26
2016/4/26
2016/2/26
2015/12/26
2015/10/26
2015/8/26
2015/6/26
2015/4/26
2015/2/26
2014/12/26
12,000
2016/4/26
13,000
2016/2/26
14,000
2015/12/26
15,000
2015/10/26
16,000
2015/8/26
17,000
2015/6/26
18,000
2015/4/26
19,000
2015/2/26
20,000
2014/12/26
(米ドル)
( 出所:Bloomberg,あおぞら銀⾏加⼯ )
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