平成28年度第3回iBIX研究会を開催します。

平成 28 年度第 3 回(第 15 回)iBIX 研究会
主
共
催:茨城県中性子利用促進研究会
催:中性子産業利用推進協議会
J-PARC/MLF 利用者懇談会
新世代研究所 水和ナノ構造研究会
学振第 169 委員会中性子回折小委員会
開催日時:平成 28 年 12 月 7 日(水) 14:00-16:00
場
所:東海,いばらき量子ビーム研究センターC104 号室
〒319-1106 茨城県那珂郡東海村大字白方 162 番地1
http://www.pref.ibaraki.jp/kikaku/kagaku/j-parc/access.html?mode=preview
趣
旨:
J-PARC/MLF の茨城県生命物質構造解析装置「iBIX」では,2012 年度に検出効率が
平均 50%を超え,一様性も向上させた第 3 世代の検出器モジュールを 30 台導入しまし
た.その結果,加速器出力 280kW で,JRR-3 の BIX-3 の性能と比較して測定効率は約
14 倍良くなりました. iBIX を用いたタンパク質の中性子構造解析が積み重ねられ,
「水
素原子が見える」ことの特徴として,活性中心のアスパラギンの側鎖がイミド酸である
ことが注目する成果として報告されました.また,酸化還元酵素によっては,X 線と比
べてエネルギーが低い中性子を利用することにより,「より天然に近い構造」が観測さ
れることが示されています.
iBIX を今後利用しようとされている方の参考にしていただくための議論の場を提供
することが,iBIX 研究会の開催目的です.そのため,これまで iBIX を利用して研究さ
れた方には,研究目的と意義,どのようなことに注意を払ったか,測定の際の問題点は
何であったのか,それをどのように克服したのか,あるいは未解決であるのか,測定に
より得られた結果からどこまで議論できるか,などについてご紹介いただいて議論しま
す.また,今後 iBIX での測定を予定されている方には,その研究目的や意義について
ご紹介いただいて議論します.
今回の研究会では, ERATO 村田脂質活性構造プロジェクトを推進されている原利明
先生と杉山成先生に講師をお願いし,構造解析が困難であるが重要な働きをもつ脂質と
タンパク質の相互作用と機能構造の解明をお話しして頂きます.
蛋白質の結晶構造解析にご関心をお持ちの皆さまの参加をお待ちしています.
幹事 田中 伊知朗(茨城大学)
研究会主査 今野 美智子(茨城県)
14:00~14:05 開会挨拶
14:05~15:00
講師:原 利明,杉山 成 (敬称略)
所属:大阪大学大学院理学研究科 ERATO 村田脂質活性構造プロジェクト
題目:脂肪酸結合タンパク質を用いたタンパク質—リガンド-水の構造機能と相互作用の解明
要旨:
脂質は主要な細胞の構成分子であり,細胞膜の形成,情報伝達などの様々な機能が
報告されている.その中においても,タンパク質と相互作用している脂質の構造機能
の解明は大きなトピックであるが,タンパク質,核酸などの研究で発展してきた研究
手法をそのまま適用できないことが多く,研究のボトルネックとなっている.脂質分
子は化学・物理的には難水溶性かつ自己集合性,長いアルキル鎖に由来する柔軟性な
どを特徴とする.その「脂質分子および構成単位の脂肪酸をどのように取り扱えば厳
密な構造機能相関研究に持ち込めるか」
,は基礎的な重要課題あると考えられる.本公
演では,我々の最近のデータに中性子結晶構造解析を中心としたアイディアを交えな
がら,以下の 3 点について報告したい:
(1) 脂質の構造特性,および PDB 等の既存データベースに見られる問題点
(2) タンパク質に結合した脂質および脂質性リガンドの構造解析方法
(3) タンパク質—水—脂肪酸の三者の相互作用
本研究は JST ERATO 村田脂質活性構造プロジェクトによる成果の一端であり,脂
質分子から生物学に取り組んできた成果の一部である.(詳細は Web をご覧くださ
い:http://www.jst.go.jp/erato/murata/)
15:00~16:00
講演者を中心に議論
<参加申込み>
申込み先:茨城県中性子利用促進研究会 事務局 田中志穂
E-mail: [email protected]
(1)お名前,(2)ご所属先,(3)ご連絡先(電話番号,E-mail address)
をご記入の上,12 月 6 日(火)までにお申し込み下さい.