受験経験者のための戦略的学習法

受験経験者のための戦略的学習法
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本試験の合格レベル
基礎的知識で解けるもの(◎)
(見たことがある問題)
基本的知識から推論・読解力でとける問題(△)
応用問題
難問(細かい知識)
(●)
平成 28 年択一式 TAC 分析による ◎ 37 問 △ 29 問 ● 4問
平成 28 年選択式
〃
◎ 30 問 △ 8問 ● 2 問
mo 問
2
28 年度本試験の特色と対策
《総論》
基本知識の暗記だけでは対応できない事例式等の問題が増えている。
・断片的な知識では対応不可能
・文章の読解力、問題対応処理能力及び法的思考力が必要
対策
1.基本条文に関する知識定着
(立法趣旨、意義・要件・効果の記憶)
2.読解力を高める
3.推論力を高める
(学習のポイント)
1.教材を効率的に活用する
2.テキストと問題演習をリンクする
3.過去問等の問題を多角的に活用する。
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2017 年合格目標
インプットと
アウトプットの
バランスを考える
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1
《各論》
1.択一式対策
例題(H28 年択一式 国年問8)
障害基礎年金及び遺族基礎年金の保険料納付要件に関する次の記述のうち、誤っているも
のはどれか。
(正解肢A)
A 20 歳に到達した日から第 1 号被保険者である者が、資格取得時より保険料を滞納してい
たが、22 歳の誕生月に国民年金保険料の全額免除の申請を行い、その承認を受け、第 1 号
被保険者の資格取得月から当該申請日の属する年の翌年 6 月までの期間が保険料全額免除
期間となった。当該被保険者は 21 歳 6 か月のときが初診日となるけがをし、その後障害認
定日において当該けがが障害等級 2 級に該当していた場合、障害基礎年金の受給権が発生
する。
B 厚生年金保険の被保険者期間中にけがをし、障害等級 3 級の障害厚生年金の受給権者(障
害等級 1 級又は 2 級に該当したことはない。
)となった者が、その後退職し、その時点から
継続して第 3 号被保険者となっている。その者が、退職から 2 年後が初診となる別の傷病
にかかり、当該別の傷病に係る障害認定日において、当該障害等級 3 級の障害と当該別の
傷病に係る障害を併合し障害等級 2 級に該当した。この場合、障害等級 2 級の障害基礎年
金の受給権が発生する。なお、当該別の傷病に係る障害認定日で当該者は 50 歳であったも
のとする。
C 平成 2 年 4 月 8 日生まれの者が、20 歳に達した平成 22 年 4 月から大学を卒業する平成
25 年 3 月まで学生納付特例の適用を受けていた。その者は、卒業後就職せず第 1 号被保険
者のままでいたが、国民年金の保険料を滞納していた。その後この者が 24 歳の誕生日を初
診日とする疾病にかかり、その障害認定日において障害等級 2 級の状態となった場合、障
害基礎年金の受給権が発生する。
D 20 歳から 60 歳まで継続して国民年金に加入していた昭和 25 年 4 月生まれの者が、65
歳の時点で老齢基礎年金の受給資格期間を満たさなかったため、特例による任意加入をし、
当該特例による任意加入被保険者の期間中である平成 28 年 4 月に死亡した場合、その者の
死亡当時、その者に生計を維持されていた 16 歳の子が一人いる場合、死亡した者が、死亡
日の属する月の前々月までの 1 年間に保険料が未納である月がなくても、当該子には遺族
基礎年金の受給権が発生しない。
E 平成 26 年 4 月から障害等級 2 級の障害基礎年金を継続して受給している第 1 号被保険者
が、平成 28 年 4 月に死亡した場合、その者の死亡当時、その者に生計を維持されていた 16
歳の子がいた場合、死亡した者に係る保険料納付要件は満たされていることから、子に遺
族基礎年金の受給権が発生する。なお、死亡した者は国民年金法第 89 条第 2 項の規定によ
る保険料を納付する旨の申出をしていないものとする。
《正解Aを導くために必要な要素》
(1) ベースとなる知識
(障害基礎年金の保険料納付要件)
(原則)
初診日の前日において、初診日の属する月の前々月ま
でに被保険者期間があるときは、その被保険者期間に係
る保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間
がその被保険者期間の3分の2以上であることが必要
である。H19-2A
(2016 年度版上級本科テキストから抜粋)
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《正解肢》A (アとイ)
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・講義、テキストで習得
・問題演習で定着
(1問1答問題集)
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(2) 問題を解く技術
(1)選択肢の論点を把握する
(2)問題を解くスピードをアップする
択一の問題を解く技術は5択の
問題で磨く
(5択で演習するメリット)
① 正解肢の絞り込みの練習
② 本試験で問われる知識レベルと知識量を知る
③ 正解すべき問題と難問の選別方法を知る
↓
問題を解く上での戦略を立てる
(択一式対策のポイント)
・インプットのための問題演習→1問1答問題集
・アウトプットのための問題演習→5択問題集
2.選択式対策
(学習のポイント)
1.知識型
・基本的には択一対策の学習でOK
・択一式で出題された箇所が選択式で出題される事がある
↓
択一式過去問演習の際にキーワードに気をつける
《参考》28 年度選択式問題と過去問
問1(労基・安衛)D→択一 H19-8C
問4(労一)A→択一式 H22-1B、H19-3A
C→択一式 H22-1A、H19-3C
・選択式も過去問演習は重要
《参考》28 年度選択式問題と過去問
問3(雇用)
A→選択式 H22 B の空欄と同じ
問7(厚年)
D→選択式 H23 年国年B
2.推論型(初めて見る問題)
問題演習後に「正解を導くには、問題文のどの部分に着目するか、どの
ように考えれば良いか」を検討することが効果的。
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推論型例題(H28 年選択式
次の文中の ■
問4)
■ の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせ
よ。
1 「平成23年就労条件総合調査(厚生労働省)」によると、現金給与額が労働費用総
額に占める割合は約 A8割 ■ である。次に、法定福利費に注目して、現金給与
以外の労働費用に占める法定福利費の割合は平成10年以降上昇傾向にあり、平成23
年調査では約 B6割 ■ になった。法定福利費の中で最も大きな割合を占めてい
るのが C厚生年金保険料 ■ である。
2 政府は、毎年6月30日現在における労働組合数と労働組合員数を調査し、労働組
合組織率を発表している。この組織率は、通常、推定組織率と言われるが、その理
由は、組織率算定の分母となる雇用労働者数として「 D労働力調査 ■ 」の結果
を用いているからである。
労働組合の組織及び活動の実態等を明らかにするために実施されている「平成25
年労働組合活動等に関する実態調査(厚生労働省)
」によると、組合活動の重点課題
として、組織拡大に「取り組んでいる」と回答した単位労働組合の割合は、
E約3分の1 ■ になっている。
選択肢
A
①
2
割
②
4
割
③
5
割
④
8
割
B
①
3
割
②
6
割
③
7
割
④
9
割
①
健康保険料・介護保険料
②
厚生年金保険料
③
児童手当拠出金
④
労働保険料
①
雇用動向調査
②
賃金構造基本統計調査
③
毎月勤労統計調査
④
労働力調査
①
約4分の1
③
約半数
C
D
E
②
約3分の1
④
約3分の2
(過去問演習のポイント)
A,C,Dを正解するには、どのように選択肢を絞り込めばいいのかを考える。
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学習方法(初学者との相違点)
《上級本科カリキュラムをベースに》
① スタート時点からインプットとアウトプットを均等に行う
演
基本事項の確認・定着
(予習→講義→復習)
《1問1答問題集の活用》
習
・到達度テスト(8回)
・トレーニング
+
基本知識→上乗せ知識
問題処理能力の
強化
・スピードアップ
・正答率を高める
・正解すべき問題
の選別
② 予習を組み込んだ学習スケジュールを立てる
(学習計画モデル)
予習(2時間以上)
講義(2時間半)
・テキストを読む(分からな
い箇所を鉛筆でマークして
おく)
+
・時間があれば問題演習(ト
レーニング等を解く)
復習(2時間以上)
優先して復習す
る箇所にマーク
・テキストを読む
(講義でマークした箇
所を優先)
・問題演習
③ 優先順位をつけた学習(合格テキストの特色)
・条文にランク表示
重要 ★★★
★★
★
・解説を重要度に応じて分類
重要度が高い項目
通常の解説(最優先事項には必修マーク)
POINT
やや細かい知識
《参考》
かなり細かい知識 巻末に《発展》として記載
・改正箇所には改正マーク
・過去問表記(過去 10 年分)→1問1答問題集との連携
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④ 苦手科目の先行学習
⑤ 横断的視点
⑥ 学習方法を定期的に見直す
ポジティブ学習サイクルになるように(ネガティブ学習になっていないか)定期的に見直す。
ポジティブ学習サイクル
(ネガティブ学習サイクル例)
・予習の時間を取り、講義前にテキストを読む
・メリハリをもって講義が聞ける+集中できる
・復習の優先順位がはっきりする→時間短縮
・問題演習の時間が取れる
・読解力が高まり、問題を読むスピードがアップする
・問題を解くことが楽しくなる
・勉強が楽しくなる
到達度テスト等が楽しみになる
・問題対応能力がグングン高まる
・予習をしなかった
↓
・分からない箇所がはっきりしな
い
・講義に集中できない
↓
・復習に時間がかかり、問題演習
の時間がとれない
↓
・問題文を読むスピードが速くな
らない
↓
・到達度テスト等を受けなくなる
↓
勉強することが苦痛になる
・勉強が楽しくなる
・問題を解く技術が高まる
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