2016 (平成28) 年10月 (1) 23 No. 2016 伊予市 伊予市教育委員会 愛媛県人権教育協議会伊予市支部 ■編集・発行 じんけん教育 〒799-3113 伊予市米湊768番地2 TEL.089-982-5155 FAX.089-982-5156 一人ひとりの人権が尊重される、 明るい伊予市をめざして 生き生き上灘っ子 てゆっくりと 歩 く 年 長 児。 一歳児さんが ﹁ハイ﹂と手 を 挙 げ る と、 ﹁上手に言え た ね ﹂ と、 ニ コニコ笑顔で 拍手をする周 囲の子どもた ち。それにつられて﹁ハイ﹂と言った一 歳 児 さ ん も、一 緒 に パ チ パ チ と 小 さ な 手 を 合 わ せ て た た き、 ﹁嬉しそうな顔しと るね﹂と、その場がとてもなごやかな雰 囲気になります。 そ う し た 中 で 相 手 を 思 い、 あ た た か い 気持ちを感じることができる子どもた ち。 時 に は ぐ っ と 我 慢 を し た り、 思 い が ぶつかり合って、辛さや悔しさを感じる こともあるかもしれません。しかし、そ の 経 験 の 一 つ 一 つ が、 幼 い 心 を よ り 大 き く豊かな心へと育ててくれる道しるべと なるのでは、と思います。 ﹁みんなちがってみんないい﹂これは 金子みすゞの詩の一節です。保育所での 楽 し い 毎 日 の な か で、 友 だ ち を 好 き に な り、 み ん な 違 っ た 思 い を も っ て い て も、 自分の思いを受け止めてくれる友だちが いるんだということを知り、そして何よ り、 自 分 を 大 好 き に な っ て ほ し い と 願 っ ています。 みんなちがって みんないい 上灘保育所 を友だち同士で教え合う姿が見られま 山々に囲ま れ、深い緑と す。 輝く太陽、そ 年 中・ 年 長 児 は 一 人 一 鉢、 あ さ が お の して、ほのか 栽培をしています。種から少しずつ大き な潮の香りを くなり、つるを伸ばして花をつけていく、 感じることが 自 分 が 育 て た 大 切 な 大 切 な あ さ が お。 毎 できる、ここ 日登降園時に親子で観察している姿か 上 灘 保 育 所。 ら、とてもあたたかい会話が聞こえてき 全園児四十名 ます。 が、このよう あさがおに、﹁おおきくなってね﹂﹁お な豊かな自然 はよう﹂と、やさしく声をかけ、親子で の中で、元気いっぱい楽しい毎日を過ご つ る を 巻 き 付 け た り、 花 の 数 を 数 え た し、海に山にと年間を通して四季の移り り、﹁ あ っ、 ○ ○ ち ゃ ん の は 紫 色、 私 の 変わりを全身で感じ、楽しんでいます。 とは色がちがう﹂﹁葉っぱの色もちがう、 大きさもちがう﹂など、友だちのものと 近 隣 に は、カ ニ や カ モ の 親 子 に 会 え る 大きな川や、 夕日の美しいシーサイド公園 の違いにも気付きながら生長を楽しんで などがあり、 散歩に出かけるたびに地域の います。このようなあさがおの生長から 方々の優しさにふれることができます。 も、みんなとの違い、それぞれの良さに 気付けるような心の成長につながればと ﹁よう来たね﹂﹁暑かろう、 ﹁おはよう﹂ ここでお休み﹂ 、あたたかいお声かけの 思い、日々保育をしています。 一つ一つがとてもありがたく、こうした そして、日々の生活のなかではクラス 思いやりの中で、上灘っ子の﹁あたたか の隔たりを超えて、年齢の大きい子も小 い心﹂が育っているのだと、日々ひしひ さい子も一緒 しと感じています。 になって遊ぶ 経験を多く取 また、散歩で捕まえたカタツムリやカ ニ、 オ タ マ ジ ャ ク シ な ど を 毎 朝 ジ ー ッ り入れていま と 観 察 す る こ と が 大 好 き な 子 ど も た ち。 す。一歳児さ ﹁カタツムリさんがニンジンを食べると、 んと手をつな 赤いウンチをしたよ﹂ ﹁歩いた後にキラ ぎ、同じ目線 キラの道ができとるよ﹂などとたくさん になろうと の 発 見 を し な が ら﹁ カ タ ツ ム リ の 秘 密 ﹂ 腰をかがめ みんな大好き!! みてみて∼、あさがおがこんなに きれいに咲いているよ 愛顔が輝く翠っ子 翠 小 学 校 みんながより仲よくなるために、自分たちに何が できるのかを高学 年 児 童 が 考 え、 全 校 で 話 し 合 い、 二 つの実践を始めて いる。 一つ目は、 ﹁いろ いろ遊びの日﹂の 設定である。 ﹁いろ いろ遊びの日﹂は、 毎週木曜日に高学 年が遊びの内容を 考 え、 昼 休 み に 全 校で遊ぶ活動であ 全校のみんなでリレー あいさつ標語の紹介 いじめの問題を理解し、いじめを阻止するために 自分にできる行動について真剣に考え、実行しよう と す る 意 識 を 高 め る こ と を ね ら い、﹁ い じ め S T O P愛 顔 の 子 ど も フ ォ ー ラ ム ﹂ に 出 席 し た 六 年 生 の 報 告を聞き、フォーラムで行われていた即興劇を五年 生も 体 験 し た。 い じ め を 見 た 際、 自 分 が ど ん な 行 動 いじめSTOPに向けた、高学年の実践 る。 毎 週 行 う よ う に し た こ と、 低 学 年 で も で き る、 をとることができるのか考 木造校舎と赤い屋根が緑の山々と青空に映える翠 小学校。近年メディアに紹介されることも増え、訪 楽しめる内容を考えることで、みんなの愛顔が増え え、﹁ こ れ な ら で き る ﹂ と れる人が絶えない。児童数 減少に歯止 めをかけ、歴 ている。 いう行動を見つけられるよ 二つ目は、﹁あさひ﹂あいさつである。翠っ子が目 史ある﹁翠校﹂を守ろうとする地域の方々の熱い思 う に し た。 体 験 を 通 し て、 いを受けた校区外通学が始まって五年、児童数にも 指 す あ い さ つ の 目 標 を﹁ あ・ さ・ ひ ﹂ と し、 一 文 字 いじめに対して対処できる 増加が見られる。 ずつに意味をもたせた標語にしている。﹁ 明るく 方法を知り、実行しようと はっきりした声で﹂ ﹁ 先に目を見てあいさつする﹂ する意識を高めるようにし ﹁同和問題をはじめとする様々な人 翠小学校では、 権問題の解決への意欲や技能、態度を身に付けた児 ﹁ 光のような心と愛顔﹂であり、翠っ子が目指す た。 童の育成﹂を目標 に、 ﹁基礎学力の充実﹂ ﹁発達の段 合 言 葉 と し た。﹁ あ さ また、傍観者にならない 階に応じた同和問題学習の推進﹂ ﹁仲間づくり﹂に取 ひ﹂のあいさつを呼び ための方法を四つ提示︵ ﹁止 める﹂ ﹁仲間に入らない﹂ り組んでいる。 ﹁だれかが休むと 掛 け、 実 践 し た こ と ﹁大人に伝える﹂﹁仲良くする﹂︶し、自分ならどの方 すこしさみしい﹂ の C M ど お り、 地 元 出 身 の 児 童、 移 住 家 庭 の 児 童、 で、みんなが朝から愛 法を選択するか、選んだ理由とともに話し合う中で、 校 区 外 通 学 の 児 童 と、 多 彩 な 翠 校 の﹁ 仲 間 づ く り ﹂ 顔で登校し、気持ちの 実際の生活を意識して自分に合った方法を選ぶこと の取組を中心に紹介する。 よい学校生活が送れ ができているか、検討を加えた。 るようになっている。 学 習 を 生 か し た 高 学 年 児 童 の 言 動 は、 リ ー ダ ー と みんなが愛顔になるための児童会の取組 して下学年児童を優しく厳しく導き、学校生活にお 取組の成果は、児童 に実施したアンケー ける様々な活動に影響を与え、よりよい人間関係づ トの﹁学校は好きです くりにつながっている。 か?﹂ と い う 問 い に、 人権をテーマに保護者とともに学習 ﹁ 好 き ﹂ ま た は﹁ ど ち らかといえば好き﹂と全員が答えていたことからも うかがえる。 (2) 2016 (平成28) 年10月 人 権 ・ 同 和 教 育 参 観 日 に は、 人 権 ・ 同 和 教 育 に 視 点をあてた授業を保護者や地域の方に一般公開する ほか、集会や学習会を行っている。 集会では、児童や保護者からの人権 作品の発表や 話し合いを通して、作品に寄せる思いを共有してい る。 ま た、 学 習 会 で は、 県 警 フ ィ ル タ リ ン グ マ ン に よる﹁ネット社会における人権問題について﹂や人 形劇﹁ ま んまる ち ゃん﹂ な ど、年 度 に より 内 容を 工 夫 し、 参 加 者 全 員 が 共 に 人 権 に つ い て 考 え る 機 会 と している。 いじめSTOP会議の報告 愛媛県人権教育協議会伊予市支部総会 開催 になり、私が出迎えた車の中でつぶやいた。 ﹁どこも行く当てがない。誰も声をかけてくれない。 誰も助けてくれない。また同じことを繰り返すので 年度の活動や決算等の 行われました。百三十名を超 える参加 者のもと、前 、ウェルピア伊予を会場に平成 六 月 二 日︵ 木 ︶ 二十八年度愛媛県人権教育協議会伊予市支部総会が 問題の解決に向けて主体的に取り組む意欲と態度を いて正しい理解と認識を深め、明るい展望をもって めとする様々な人権問題の歴史的・社会的背景につ 集団 づ く り を推 進 し ま す。 そ し て、 同 和 問 題 を は じ は 地 域 の 人 で あ る。 あ り、 共 に 生 き る の 社会すなわち地域で を終えて生きる場は、 犯罪や非行をした 人 が、 法 に よ る 償 い はないか。生きていくためには仕方がなかった。 ﹂ 報告、今年度の活動方 身に付ける教育に努めます。 を通じて一貫性のある教育、仲間意識に支えられた 針、予算、役員改選が た。また、記念講演の ︻企業・行政部会︼ 的 ︶ に は、 ﹁犯罪をし 更生保護法第一条︵目 人権 問題をより身近なものとして捉え、地域社会 が解決しなければならない重要な問題であると認識 ︻調査・研究、啓発活動︼ 権・同和教育の推進者を養成します。 問題をはじめ今日的な人権問題をテーマに学び、人 にな る﹁ オ ピ ニ オ ン リ ー ダ ー 養 成 講 座 ﹂ で は、 同 和 各地 区 公 民 館 を核 に し た﹁地 区 別 人権・ 同 和 教 育 懇談会 ﹂ を 市 内 全 域 で 開 催 し ま す。 ま た、 十 八年 目 ︻社会教育部会︼ 協会などがある。 更 生 保 護 女 性 会 、 B B S 会 、 協 力 雇 用 主、 更 生 保 護 会、保護観察所、保護観察官、保護司、更生保護施設、 援 助 す る。 国 の 機 関 と 民 間 の ボ ラ ン テ ィ ア が 協 働 し 社会の一員として立ち直ることができるよう、指導・ 更生することを助ける﹂とある。更生保護制度では、 これらの者が善良な社会の一員として自立し、改善 再び犯罪をすることを防ぎ、又はその非行をなくし、 において適切な処遇 ことが、今、求められている。 ︵講演内容の要約︶ 害されることのないよう、社会全体で支援していく その地域を出ざるを得ないこともある。再出発が阻 遭い困難を強いられる。また、自分の居場所がなく、 さなどにより、就職や住居の確保に当たって差別に でない。地域社会の根強い偏見や前歴に関するうわ 刑 を 終 え て 出 所 し た 人 の 社 会 復 帰 に は、 何 よ り 本 人の意思と努力が重要であるが、それだけでは十分 て 取 り 組んで い る。こ れら には、地方 更 生保 護 委 員 を 行 う こ と に よ り、 でき る よ う に、 人権 啓 発 作 品 の 募 集、機 関 紙 や カ レ ばの彼は六回服役後、今回保護施設に入所すること 刺 さ り、 今 も っ て 忘 れ る こ と が で き な い。 七 十 歳 半 ある対象者のつぶやき﹁刑 務所を出て地域社会 に 戻るのが怖かった⋮﹂。この一言が私の心に深く突き ∼社会復帰への道∼﹂ マツヤマ Support Club 講師 NPO法人 田中 勝彦 氏 演題 ﹁刑を終えて出所した人と地域社会 ◆記念企画︵講演︶ ンダーの発行等、啓発活動を推進します。 少 年 に 対 し、 社 会 内 た者及び非行のある 審議され承認されまし 講師として、 NPO法 人 Support Clubマ ツヤマ、田中勝彦さん をお迎えしました。刑 を終えて出所した人に 対して長年関わってこ られた経験から、周囲 重要性を更生事例を挙 の人々の理解と協力の げながら、お話ししていただきました。 ◆二十八年度活動方針︵要約・抜粋︶ とする様々な人権 問題について、正しく理解・判断 人 権 と 共 生 の 社 会 を 実 現 す る た め、 家 庭・ 学 校・ 地 域と連携 し、相 手に寄り添い、同和問題をはじめ するための人権教育・啓発を推進します。 ︻就学前部会︼ 就 学前部会 人権・同和教育研修会 を開催 し、幼児 期における子どもたちの自尊感情や仲間意識を育て る保育について実践研究をしていきます。 ︻学校部会︼ ていく継続的な研修を積み重ねます。 業務遂行が差別意識の再生産につながらないよう、 自らの差別心や差別の現実に対する認識を常に高め 総会の様子 学力の向上を図り、健康の増進や進路保障に努め るとともに、子どもの発達 段階 に応じ、全 教育活動 講演の様子 2016 (平成28) 年10月 (3) ﹁いのちの森 次に、 ∼ありのまま あるがまま∼﹂ とい う テ ー マ で、 う ∼ み︵ 歌 う 旅芸 人 ︶ さ ん に よ る 人権コンサートがありま した。 う∼みさんは、いじめ な ど で 学 校 に 行 け な い、 生きていたくないと悩む 子どもたちへ向けたメッ セージソング﹁いのちの 森﹂を紹介しました。﹁生 きてさえいれば﹂の思い が会場の人々の心に染み 渡りました。自身、いじ めや障がいを乗り越えた 体験を交えての弾き語り は、視聴者を感動させ、感性を揺さぶるものでした。 分 科 会 で は、 人権 確 立 を め ざ す 教 育・地 域の 教育 力 の創 造 の 実 現 を 図 る た め、 第 一 分 科 会 か ら、第 六 分科会まで、それぞれの研究テーマに添った報告や 意欲的な意見交換が行われました。本市からの参加 者四十三名も各分科会に分かれ、熱心に研究協議に 臨みました。 ︻参加者の感想︼ 親の立場で、人権問題に対する今行われている現 状 の 小・ 中・ 高 校 の 取 組、 そ し て 問 題 点 に つ い て 学 ぶ貴重な機会を与えられたことに感謝いたします。 分科会では、長い歴史の中で人間が作り出してき た人種差別、性的マイノリティへの偏見、同和問題、 いじめなどについて報告された。参加 者からも活発 な意見があり有意義な会であった。 蓄積されてきただけに、すぐになくなるものでは 第六十三 回 四国地区人権教育研究大会 開催 ﹁すべての人権 ﹁四国はひとつ﹂の合言葉のもと、 確立に向け、差別の現実から深く学ぶ実践を通して、 人権文化の構築をめざす教育をどのように創造して いくか﹂を研究主題に、第六十三回四国地区人権教 育研究 大会 が、七月七日、八日に高知県高知市 で開 催されました。 全体会での基調報告を紹介します。 ﹁きょうも机にあの子がいない﹂これは、一九五〇 ︵昭和二十五︶年に長欠・不就学対策として高知県に 配置された﹁福祉教員﹂の苦闘の実践記録から生ま れ た 言 葉 で す。 先 達 は、 長 欠・ 不 就 学 の 子 ど も た ち の現実を目の前にして、家庭訪問を繰り返すなかで、 子どもたちが﹁学校に行きたいけれど行けない﹂状 況にあること、 ﹁親は子どもの教育に無理解ではなく、 行かせてやりたいけれど行かせられない﹂暮らしの 現実に気づき、その背 景にある部落差別こそ が要因であることを学 び取ってきました。一 人の子どもも落ちこぼ さない教育の実現をめ ざし、 ﹁なかまづくり﹂ ﹁部落問題学習﹂ ﹁進路 保障﹂ ﹁自主活動﹂な どで実践してきまし た。現在も同和問題を はじめ、生命と人権を 脅かす様々な差別事象が存在します。人間の尊厳を 確立し、人が幸せに生きる社会を実現するためにも 学 校、 行 政、 地 域 に お い て、 人 権 教 育・ 啓 発 を さ ら に進めていかなければなりません。 ○ 自 分 自 身 が 人 権 問 題 に 気 付 き 変 え る た め に、 大人こそ学び続けるべき ︵感想の要旨︶ ○ 人 権 問 題 は 人 間 が 作 り 出 し た も の だ か ら、必 ず人間がなくしていける ないかもしれない。でも、 人間が作り出したからこそ、 時間がかかったとしても、必ずなくしていくことがで きると思う。 ともすると、もう過去の話ではないかと思われが ちなことも、まだまだ根深く差別として残っている 現 実 に 驚いた。傷 つき苦 し んで いる 人 が、 ま だ たく さんいること。ほんとうの豊かさってなんだろう? 美しいものだけでなく、過去の人間が生み出し、今 なお存在する負の遺産たち。蓋をするのではなく、あ えて向き合い直視し、 自分自身の心にも向き合い、 そこ から感じることで、正しいことや真実が見えてくる。 私も結婚し親となった今、人権教育に触れる機会 がなくなって久しい。折を見て講座などに足を運ん でみても、まだまだ知らないことばかりだ。 わからないながらも学んでいる多感な子どもたち がいる。大人、特に親世代こそ、学ぶ機会を増やし、 地 道 な 作 業 で あ る け れ ど、 繰 り 返 し 学 ぶ こ と が 必 要 であると、今回の研修を通じ強く感じた。 私自身の心の中にも、自分自身で気付いていない 差 別・偏見 の 芽があ る に違い な い。 同じ く 学 び続 け ることで、子どもたちが大人になったとき、よくなっ たと思ってもらえる世の中にしないといけないと思 う。 み んなそ れ ぞれ違 っ ていて い い。 そし て、 み んな 同 じ く、 かけ がえ のな い大 切な 存在。 小さ な 気 付き が大きな気付きに変わり、当たり前のことが当たり 前である世の中に変えていけると信じて、これから も暮らしていきたい。 ありがとうございました。 人権コンサートの様子 (4) 2016 (平成28) 年10月 開会式の様子 特 別 支 援 教 育 は、 障 が い の あ る 幼 児、 児 童、 生 徒 の自立や社会参加に向けた取組支援の視点から、個々 の教 育的ニ ー ズを把 握 し、 もて る力 を 高め、学 習 や 生活上の困難の改善・克服への適切な指導及び必要 な 支 援 を 行うも の です。 本年 四月 に﹁ 障 害 者差 別 解 消法 ﹂ が施行 さ れまし た。 学校 や関 係機 関 等、 生涯 に わ た る適切 な 対応︵ 合理 的配 慮︶ が 一 層、 求 め ら れるようになりました。 ︻受講者の感想︼ これまで差別する人間について考えてきたが、差 別のない世の中を目指すために、ノーマライゼーショ ンの進展に向け、希望のあるお話を聴かせていただ き、ありがとうございました。 ◆第五講 六月三十日︵木︶ テーマ ﹁男女が共に 笑顔で輝いていますか?﹂ ∼ハラスメントのない地域・職場づくり∼ 講 師 亀岡マリ子︵ 元愛媛県男女共同参画センター館長︶ 男女共同参画社会は、男女が共に対等な立場で参 画して計画や企画を立てる社会です。男女共に多様 な生き方を可能にし、急激な変化に対応できる活力 の あ る 社 会 を 実 現 す る た め に 必 要 で す。無 関 心、 固 定 的 性 別 役 割 分 担 意 識、 ハ ラ ス メ ン ト 等 に 代 表 さ れ る人権問題などの課題もありますが、家庭や地域か らその解決に向けて、私たちが共に一歩前に出るこ とが必要です。 ︻受講者の感想︼ 男女の間でまだまだ平等でないことがいっぱいあ ることを感じた。ハラスメントも多くの種類がある。 会 社 で の ハ ラ ス メ ン ト は か な り 多 い と 思 う。 自 分 が 場面に直面したとき、できることを考えていきたい。 ︵講演内容、感想等は要約、抜粋︶ ∼地域に根ざす人権・同和教育啓発活動推進者づくり∼ ︻受講者の感想︼ いじめ自殺事例か ら、 な ぜ 子 ど も が、 こんなにも苦しみ死 ななければならない のか考えると悔しい。 こんなに尽力されて いる方々がいるのに、 今回のような機会が ないと表に出てこな いのはとても残念だ。 人権問題は生涯学習だと思った。 ◆第三講 六月十六日︵木︶ テーマ ﹁部落差別解消の歴史﹂ 講 師 宮岡 真司︵ 愛媛県歴史文化博物館学芸課長︶ 差別がなくならない一つに無関心があります。部 落差別の解消は、自分自身の問題として受け止めるこ とか ら 始 ま り ま す。教科 書 無償 化 や 統 一 応募 用 紙 等、 差 別 解 消 の 取 組 が 人 々 の 利 益 に 結 び つ い て い ま す。 同和問題に対する理解とその解決は、全ての人の幸せ な社会 を創 ることにつながり、国民的課題といわれ る理由もここにあります。 ︻受講者の感想︼ 同 和 問 題 に つ い て、 意 味 や 歴 史 を き ち ん と 理 解 す れば、 偏 見 も な く な る と 思 っ た。 間 違 っ た 考 え を し ている人に対し、何らかのアクションができる人間 にな り た い。将 来 家 庭 が で き た と き、 子 ど も に も き ちんと教育できる親になりたい。 ◆第四講 六月二十三日︵木︶ テーマ ﹁特別支援教育の理解﹂ 講 師 友沢 祐一︵元愛媛県第三養護学校長︶ 第十八期 オピニオンリーダー養成講座 人権啓発活動のリーダー育成を目指して十八年目 の今回は、六十八名もの受講生が参加 しました。講 座の様子を紹介します。 ◆第一講 六月二日︵木︶ テーマ ﹁今、子どもたちが学んでいること﹂ 講 師 森岡 郁雄︵伊予市立郡中小学校教諭︶ 人権問題学習で子どもたちに伝えるとき、次の三 つに留意しています。①科学的な認識↓実態への正 しい理解、②問題解決のためのスキル↓問題に気付 き・ 考 え・ 実 行 す る 力、 ③ 未 来 へ の 明 る い 展 望 ↓ 先 人たちの行動に学び解決への明るい展望をもつこと。 子どもたちが人権文化を築こうとしています。家庭・ 地域でも、子どもをサポートできる人権意識の向上 をよろしくお願いします。 ︻受講者の感想︼ ハ ン セ ン 病、 同 和 問 題、 い じ め な ど、 す べ て 根 底 に 人 間 の 心 に 潜 む 偏 見・ 差 別 の 芽 が あ る。 差 別 は、 他人事ではなく、自分の中にも自分の周りにもたく さんあるのだと、目の覚める思いがした。子をもつ 親として、一人の人間として、お 話しいただいたよ うに差別心に打ち勝つ自分になりたい。 ◆第二講 六月九日︵木︶ テーマ ﹁児童生徒のいじめの現状と対応﹂ 講 師 柿本 久︵松前町立北伊予中学校長︶ ﹁心理的、物質的攻撃を受けたこ いじめの定義も、 とで、精神的な苦痛を感じているもの﹂ 、と一層被害 者の立場に立ったものとなりました。差別問題は差 別 す る 側 の 問 題 で す。 学 校 で は、 早 期 発 見、 適 切 な 対応等が重視され、犯罪行為との認識をもたせる指 導や、被 害者に対するいじめの本質の理解、他の子 のことを告発できる環境構築等が求められています。 2016 (平成28) 年10月 (5) 講座の様子 回答. ︵一︶現代にも、同和問題をはじめ様々な人権問題が 残っています。 ○ 同 和 問 題 は、 昔 に 比 べ る と 少 し ず つ 解 消さ れ て き て い ま す が、 依 然 と し て 無 理 解 の 人 に よ る 差別が現存しています。 ○ 女 性 や 子 ど も、 高 齢 者 や 障 が い の あ る 人、 外 国 人 な ど に 関 す る 差 別 な ど、 多 く の 人 権 問 題 が 現存しています。 ︵二︶インターネット時代における人権侵害、東日本 大震災に起因する人権問題など、新たな人権課題が 生まれており、常 に人権問題についての正しい理解 私 た ち は、 一 人 ひ と り の 人 権 を 大 切 に し て い く た め に、 地 区 懇 や 他 の 人 権 学 習 会 等 で 学 び 続 け る こ と が必要です。ご協力のほど、よろしくお願い致します。 二〇一三年 二〇一五年 ひ、ご覧になってください。 と行動力を身に付けていく必要があります。 ︻正しく理解し、自分のこととして︼ ︵三︶上記の︵一︶や︵二︶のような現実から、伊予市で 私 た ち の 社 会 に あ る 同 和 問 題 な ど の 人 権 問 題 は、 は、 平成十 七 年 四月一 日 から施 行 され た﹁伊 予市 人 氷山の一角のように、ほとんどの部分は水面下に沈 権を尊重する社会づくり条例﹂に基づき、人権・同和 んでいます。見えている水面上の個々の人権 問題を 教育及びその啓発活動の充実に取り組んでいます。 解決 す る た め に は、 私 た ち の 暮 ら し の 中 で、人 を思 ︵四︶人権問題が残っていることに対する 国連・国・ いや り、 大 切 に し、お 互 い を 認 め 合 え る よ う な 温 か 県・市の主な法的対応等 い人間関係を育み、心のつながりをもつことが必要 一九四六年 日本国憲法の公布︵基本的人権の保障︶ 一九六五年 同 和 対 策 審 議 会 答 申︵ 国 の 責 務・ 国 民 です。 的課題︶ 同和問題やインターネットによる人権侵害などと と も に、 女 性 や 子 ど も、 高 齢 者 や 障 が い の あ る 人、 一九六九年 同 和 対 策 事 業 特 別 措 置 法︵ 物 的 基 盤 の 整備︶ 外国 人 な ど に 関 す る 問 題、 性 的 マ イ ノ リ テ ィ、 東日 一九八二年 地 域 改 善 対 策 特 別 措 置 法︵ 周 辺 地 域 を 本大震災に起 因する人権 問題など、様々な人権 課題 含めた事業・啓発事業︶ の根底には、﹁偏見や差別意識﹂があります。 一九八七年 地 域 改 善 対 策 特 定 事 業 に 係 る 国 の 財 政 一 つ の 課 題 に つ い て 正 し く 理 解 し、 気 付 き、 具 体 上 の 特 別 措 置 に 関 す る 法 律︵ 特 別 対 策 的に行動していくことは、他の課題についても理解 から一般対策へ移行するための最終法︶ を深めることにつながります。決して他人事とせず、 一九九五年 人 権 教 育 の た め の 国 連 一 〇 年︵ 人 権 文 自分自身のこととして受け止め、向き合う姿勢が大 化の構築︶ 切です。 一九九六年 人 権 擁 護 施 策 推 進 法︵ 人 権 啓 発・ 人 権 侵害の救済︶ ︻Q.地区懇は、なぜ毎年あるのですか?︼ 二〇〇〇年 人 権 教 育 及 び 人 権 啓 発 の 推 進 に 関 す る 法律 二〇〇一年 愛媛県人権尊重の社会づくり条例 二〇〇四年 愛媛県人権施策推進基本方針 二〇〇五年 伊予市人権を尊重する社会づくり条例 二〇〇八年 人 権 教 育 の 指 導 方 法 等 の 在 り 方 に つ い て︵第三次取りまとめ︶ 愛媛県人権・同和教育基本方針策定 愛 媛 県 人 権 施 策 推 進 基 本 方 針︵ 第 二 次 改訂︶ 地区別人権・同和教育懇談会 ∼参加して互いの人権意識を高めましょう∼ 各 公 民 館 主 催 の 地 区 別 人 権・ 同 和 教 育 懇 談 会 が、 早いところでは七月下旬から始まっています。この 懇談会は、各集会所単位での住民を対象に開催され ています。お 忙しい中 ではありますが、ぜひご参加 いただき、互いの人権 意識 を向上 させ、よりよい地 域の人権文化の構築をめざしましょう。 今年度の懇談会の内容をご紹介します。 ︻懇談会次第︼※全体で約一時間程度 ︶ ︵会場により多少違いがあります。 一 開会挨拶 二 先生、指導員等の紹介 三 人権啓発ビデオ視聴︵三十六分︶ ﹁あなたに伝えたいこと﹂ 四 講話︵講師︶ 五 質疑応答 六 閉会挨拶 ︻今回の懇談会テーマ︼ ∼インターネット時代における人権侵害∼ 現代の新たな人権課題であるインターネットによ る人権侵害への認識を深めます。 インターネットには、利便性とともに匿名性に関 する誤った理解に基づく差別的な書き込みや、自他 との適切な距離が保てないネット依存など、陰の部 分があります。インターネットは、本来優れたコミュ ニケーションツールです。それを、人を傷つけ人権 を侵害する凶器に変えてしまうのは、自分の心です。 インターネットのもつ危険性に、私たちがどのよう に向き合っていけばよいかを問い直すよい機会にし たいと考えます。 今回の人権啓発ビデオ﹁あなたに伝えたいこと﹂は、 とにかく感動的な映画です。 正しく理解した人たちや若者の考え・行動が、明 るく希望に満ち溢れ勇気が出る映画で、自分の家族 の本当の幸せを考えずにはいられないものです。ぜ (6) 2016 (平成28) 年10月
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