防災訓練実施結果報告書の要旨

添付 資 料
防災訓練実施結果報告書 の要 旨
I.緊 急 時演 習
(総 合訓練 )
原子力事業者防災業務計画 に規定す る複数 の要素訓練 を組み合わせて行 う総合的な訓練
報告事項
内
28年
1.訓 練 実施 年 月 日 平 成
2.対 象施 設
8月
27日
容
(土 )
高 浜発 電所
3.想 定 した原 子力 全交流電源喪失、原子炉冷却機能 の喪失等 によ り、原子力災害対策特別
災害 の概要
措置法第 10条 第 1項 お よび第 15条 第 1項 に該 当す る事象 に至 る
原子力災害 を想 定。
475名
:410名
:65名
4.参 力日人数
合計
5.訓 練 の 内容
・ 重大事故 (シ ビアアクシデ ン ト)を 想定 した総合訓練 を実施
・参加者 に訓練 シナ リオを知 らせないシナ リオ非提示型訓練 (ブ ライ ン
(社 員
、協力会社社員等
)
ド訓練)を 、本店お よび各支社 (東 京、京都、滋賀等)と 連携 して実
施
<訓 練項 目>
①本部運営訓練
②通報連絡訓練
③緊急時被 ば く医療訓練
④全交流電源喪失対応訓練
⑤ アクシデ ン トマネ ジメン ト対応訓練
⑥原子力緊急事態支援組織 との連携訓練
⑦原子力事業所災害対策支援拠1点 運営訓練
③ プ レス対応訓練
⑨住民避難訓練
⑩他事業者 (西 日本 5社 相互協力協定)と の連携訓練
6.訓 練 の評価
(1)全 体評価
a。
発電所 にお ける訓練
発電所対策本部 にお いて、複数号機 で原子力災害等 が 同時発 生
した場合で も平 日昼 間帯 の要員 で対策本部 の立上 げ、情報 の収集
と共 有、関係 箇所 へ の原災法 に基 づ く通報連絡、お よび、事 故収
束 の ための対応手段 の検討 、実施等 につい て概 ね適切 に実施す る
ことがで き、発電所 の緊急時 における発電 所対策本部 の活動 の習
熟 を図 る ことがで きた。 また平成 27年 度訓練 で抽 出 された反省
事項 を踏 まえた改 善 の有効性 も確認 で きた。
(原 子力事業本部 )に お ける訓練
の
今 回 訓練 では、米 国 で採用 されて い るイ ンシデ ン トコマ ン ド
シ ステ ム (以 下、「 ICS※
とぃ う。)の 要素 を取 り入れた体制
等 を試行 した。
b.本 店
1」
6。
訓練 の評価
(つ づ き)
・ 本店本部 内へ の指揮命令 を一 元的 に発信す るイ ンシデ ン トコ
ヤ ンダーの配置
。イ ンシデ ン トコマ ンダーヘ の報告者 を限定
・ 各要員 へ の指揮命令者 を明確化 し、限定
等
これ らによ り、本部全体 の指揮命令 系統 に関 して 明確化 され 、
また 、イ ンシデ ン トコマ ンダー ヘ の報告者 を限定 した ことに よ り、
指揮者 に必要 となる報告事項 が収敏 され 、多 くの情報 が行 き交 つ
た今 回 の訓練 にお いてで も、情報 の錯綜 が抑 え られ た。
また 、情報 共有方法 の改善 として以下 を試行 した。
・ 共通運用図 (以 下、「COP※ 2」 とぃ ぅ。)の 採用
・ 全社情報共有会議 の 開催 等
COPは 、各要員 が重要 な情報 を把握す るだ けではな く、本店
対策本部長や班長等 の指揮者 クラスが 、首尾 一 貢 した意思決 定 を
行 うために絶 えず把 握 してお くべ き重要 な最新情報 を集約 してお
くため の もの であ り、原子力災害時 の重要 な情報 を予 め検討 し、
定義 してお くとい う点 で有効 であつた。 これ に よ り発電所対策本
部や本店対策本部他 関係 箇所 が 同 じ情報 を共有 で き一 定 の有効性
が確認 で きた。 これ に加 え、状況 に応 じたブ リー フ ィ ン グの開催
によ り、各要員 の共通認識 が醸成 できた。
c.総 合的な評価 として、今 回 の訓練 は、国、関係 自治体、オ フサイ
トセ ン ター 、他原子力事業者等 の緊急 時 の 関係機 関等 と広 く連携
した 訓練 であつたが 、適切 に各 所 と連 携 し、 当社 の緊急 時対応 を
総合的 に検証す ることがで きた。
※ 1:1970年 代 に米 国カ ヅフォル ニ ア州 で頻発 した森林火 災へ の危機
対応 にお いて 問題 とな つた 、1人 の管理者 へ の報告 の集 中、通信
手段 の互換性 の欠如 、各機 関間 で使用 され る用語 の相違等 の 問
題 に対応す るため、指揮命令 系統 の 明確化 、監督限界 の設定、専
門用語 の共通化等 の危機対応活動 を定めた 緊急 時 のマ ネ ジメン
トシステ ム。
※2:イ ンシデ ン トコマ ンダー 、統合指揮 、す べ ての支 援機 関や組織
が 、効果 的で一 貫性 の ある、かつ タイ ム リー な意思決 定 を行 う
ためのイ ンシデ ン トの ま とめ情報。
(2)前 回 の訓練
(平 成 27年 10月 23日
実施、シナ リオ非提示型訓練)課 題
の改善点 の確認
【高浜発電所 】
a.緊 急時対策所 内で の情報共有等 を確実 に行 うため、 COP(事
故収束戦略、安全機能状況、 EAL発 生状況 )を 用 い た新 たな情
報共有方法 に取組 んだ結果 、概 ね適切 に対応 できた。
b.緊 急時対策所 の通信設備 立 ち上 げを早急 に行 うた め、比較 的 立
上 げに手間取 る と思われた ものについて簡易要領 を作成 し、機器
周辺 に配備 した。
本店 】
【
a.休 日・夜 間等 の 当番体制 にお ける初動対応 (規 制庁等 へ の状況説
明、適切 な本部構成、要員 の配置等 )を 迅速 に行 える仕組み につい
て 改善 を行 つた。 具体的 には 、規制庁 へ の状況説 明 の 実施方法や
2-
6。
訓練 の評価
(つ づ き)
実施事項 の優先順位等 を記載 した当番用 の チ ェ ンク シ 卜 を作成
し、大飯訓練 (H28.3)で 有効性 を確認 した。 また、本店姑策本部運
営 マニ ュアル を作成 し、要員不足時 の再配分 のルール (イ ンシデ
ン トコマ ンダーが再配分 を決定)を 定 めた。
b.原 子力事業本部 が発電所支援 を的確 に行 うた めには、発電所対
策本部 内で のや りと り (雰 囲気 )を 常時、把握す る必要 があるた
め、各係 の机 に発電 所 の音声 をモ ニ タす る専用 の小型 ス ピー カを
設置 し、本店対策本部 の音声 と輻楼す るこ とな く、発電所 の音声
を常時間 くことがで きるよ うに改善 を図 つた。
7。
今後 に向けた
改善点
訓練実施後 に抽 出 された今後 の改善点 は以下 の とお り。
【高浜発電所 】
a.総 務班 ・ 広報班 が所掌す る事項 につい ては、それぞれ直接 、同
時並行的に本部長 へ の報告等 が され るため、本部長 の対応 が輻犠
され る場面が見受 け られた。 そ こで 、今 回 の指揮命令体制 にお い
て 、対外情報専任者 の補佐 として設 定 した総務系 の発電所幹部
が 、本部長 が監督す るスパ ン を少 な くす る とい う ICSの 考 え方
エの所掌事項 を と りま とめ本部長 へ の報
に鑑 み て、総務 王
)三 ・ 広報 予
リ
告 を行 な う方 向で検討す る。
b.COPの うち概略系統図 につい ては、発電所本部活動 では これ
を用 い な くて も戦 田
各検討 に大 きな支障はなかつたが 、本店対策本
部等 にお ける発電所状況 の迅速 な共有 とい う目的 もある ことか
ら、 これ らを総合 的に勘案 し、本店 と発電所 とで活用す べ き CO
Pや 情報連携 の あ り方等 を引き続 き検討す る。
本店 】
【
a.ICSを
参考 に、イ ンシデ ン トコマ ンダー を配置す る こと等 に よ
り指揮命令 系統は明確 にな っ た① しか し、各要員 へ の指揮命令 の ラ
イ ンを限定 させ る等、運用 の見直 しを行 つたが、要員 間 の コ ミュニ
ケー シ ョン不足が懸念 され ることもある こ とか ら、今後 当社 に合 っ
た指揮命令系統 を検討す る。
b.COPの 有効性 は確認 出来 た ものの、今 回 の訓練 では迅 速 な情報
共有が出来ず十 分 にそ の効果 を発揮 出来 なか つた。 COPの 有効
性 を更 に高 めるために、記載 内容、更新 間隔、共有方法 な どを検
討す る。
c.住 民 の広域避難 を想定 して 自治体等 と連携 した結果 、住民避難手
段 の提供等 の 自治体 か らの支援要請 へ の対応 に、所管 である住民対
応 チーム は輻壌 した。実際 の事故 を想 定すれ ば、参加 自治体数 は今
回 の 訓練 よ りも増加 す る ことも考 え られ、住民避難 のための支援要
請 が更 に増加す ることもあ り、そ の場合 で も滞 りな く対応 出来 るよ
うに、住民対応 チ ームの強化 あるい は、業務 フ ロー 上連 携 の深 い総
括係や情報係 も含 めた最適 なチ ーム編成 につい て検討す る。
-3-
E.要 素訓練
作業手順 の習熟 を図るために行 う個別訓練
報告事項
内
27年 10月
1.訓 練実施期 間
平成
2.対 象施設
高浜発電所
3.参 加人数
合計 延 べ
4.訓 練 の 内容
①要員参集訓練
②全交流電源喪失対応訓練
訓練 回数
6。
今後 に向けた
改善点
28年 9月 30日
111名
要素訓練 の概要
参加 人数
3回
31名
地震 を想定 した社宅等 か らの参集 訓練
計 1回
80名
①緊急時の電源確保に係る訓練
②水素濃度低減操作に係る訓練
③被ばく低減操作に係る訓練
④蒸気発生器への注水準備に係る訓練
⑤可搬代替低圧注水ポンプ準備に係る訓練
⑥大容量ポンプ準備に係る訓練
⑦使用済燃料 ピット注水準備他に係る訓練
計
5.訓 練 の評 価
1日 ∼ 平成
容
各 要 素 訓 練 に つ い て 、 定 め られ た手 順 どお りに訓練 が 実施 され て い る
こ とを確認 した 。
特 に な し。
※ 当該 期 間 中に実施 した保 安 規 定 に 定 め る「成 立 性 の確 認 訓練 」(設 置 変 更許 可 申請 書 にて
確 認 した 事 故 シナ リオ の成 立性 を確 認 す る訓練 )を 集 約 した 。
以
4
上