投資環境マンスリー

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情報提供資料
投資環境マンスリー 2016年11月号
投資環境マンスリー
2 0 1 6 年 11 月 号
経 済 調 査 部
M
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し
①米国
②欧州
③日本
④オーストラリア
⑤中国
⑥為替
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今年12月の利上げを織り込む展開に
気になる期待インフレ率上昇。その先にある物価上昇ストーリー
原油価格反転を契機に落ち着きを取り戻した株式市場
景気回復と低金利政策に支えられた良好な投資環境の継続を予想
過剰設備削減という難題を抱え、景気回復は一進一退が続く見込み
米国の12月利上げを織り込み円安ドル高が進行、この動きは加速するのか?
Ⅱ. 国際金融市場の動向
Contents
①株式
・・・ 13
②金利
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ 14
③為替
p.1-12
1-2
3-4
5-6
7-8
9-10
11-12
p.13-15
・・・ 15
Ⅲ. 金融・商品市場のパフォーマンス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.16
Ⅳ. 2016年11月の主要な政治・経済日程
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.17
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0
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投資環境マンスリー 2016年11月号
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し ①米国: 12月利上げを織り込む展開に
 利上げに向けて改善が続く雇用・所得・物価
M
9月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月差+15.6万人と前月の同+16.7万
人から減速、失業率は4.9%から5.0%に上昇しました(図1左)。一見、雇用
環境の悪化とも捉えられる結果に対し、フィッシャーFRB(連邦準備理事
会)副議長は楽観的な見解を示しました。「雇用環境は底堅い改善がみられ
た。失業率(=失業者数÷労働力人口)が悪化した理由は、良い雇用機会と高
い賃金を求めて、就職を諦めていた人が労働市場に戻ったためである(新た
に働く意欲を持った失業者が失業率の分母と分子に加算されたため)。労働
参加率は長期の下落基調から徐々に上昇しており歓迎すべき改善だ (図1
右)」としています。一方、雇用者側の状況をみると、企業の求人率や景況
感指数が良好な水準を維持していることもあり(図2)、雇用環境の改善が今
後も期待できそうです。物価面ではコア個人消費支出デフレーター(前年
比)が7月+1.6%から8月同+1.7%、物価目標の+2%に達しないものの上昇幅が
拡大しています。平均時給の伸び率拡大や原油価格の下げ止まりなどから考
えると、当面、物価の前年比が上がりやすい環境が続きそうです(図3)。
市場が織り込む今年の利上げの確率は、11月1-2日が17%、12月13-14日が
72%(10月25日時点)と12月の可能性が高まってきました。市場への影響は、
米国債利回りの上昇や米ドル高がみられる一方、米国株は上値の重い展開で
す。しかし過去の事例では、利上げで株安が生じるとは、必ずしも言えない
ようです(図4左)。足元の良好な企業決算を踏まえると、利上げ後も企業利
益の改善がしばらく続き、株高基調が続く可能性もあります(図4右)。
 大統領選はクリントン氏の優勢拡大、議会選挙にも追い風か
11月8日に一般投票が迫る大統領選挙は10月19日に最後のテレビ討論会を終
え、両候補による政策論争は深まらず、トランプ候補の女性蔑視言動の露呈
をきっかけに、クリントン氏が優勢を強めている模様です(図5左)。トラン
プ氏の言動の影響は、同日実施の議会選挙にも及びそうです。下院では共和
党が議席を減らしながらも過半数を維持する見込みである一方で、上院は7議
席が激戦と民主党による過半数奪回の可能性も大いにあり(図5右)、選挙後
の政策運営を左右する議会勢力に変化が生じるかが注目されます。(石井)
【図1】 失業率低下が一服も労働力人口の増加が良好な環境を示唆
米国 労働力人口と労働参加率
米国 雇用と失業率
100
(%)
(万人)
非農業部門雇用者数
(前月差、左軸)
12
2016年9月
+15.6万人
9
0
6
2016年9月
5.0%
9月FOMC予測
失業率の長期水準
4.8%
-100
1990
2000
2005
2010
2015
0
67
66
200
65
100
64
0
63
-100
62
労働力人口=
16歳以上の人口(生産年齢人口)のうち
働く意思を持つ人数(左軸、前年差)
-200
失業率
(右軸)
(年)
1995
3
(%)
労働参加率=労働力人口÷生産年齢人口
(右軸)
300
50
-50
(万人)
400
-300
2008
2010
2012
61
(年)
2014
60
2016
出所)米商務省、米労働省、FRBより当社経済調査部作成
【図2】 企業の求人は高水準、企業景況感は比較的良好
5
(%)
米国 求人率
70
(%)
米国 ISM景気指数
景気後退期
→
求人率=求人数÷(求人数+雇用者数)
4
企業活動
拡大
2016年9月
非製造業
57.1
60
2016年
8月
3.6%
3
50
製造業
51.5
2
40
企業活動
縮小
1
2001
2006
2011
2016
(年)
30
1995
2000
2005
2010
2015
(年)
出所)米労働省、ISM、NBERより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
1
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投資環境マンスリー 2016年11月号
【図4】 過去は必ずしも利上げ=株安ではない、決算は金融が好調
【図3】 賃金や原油の上昇で物価の前年比が上昇し易い状況に
米国 WTI原油先物(期近物)
米国 平均時給と物価(前年比)
4
M
(%)
120
3
2016年
9月
+2.6%
物価目標
+2.0%
(%)
100
(米ドル/1バレル)
線:価格(右軸)
80
平均時給
60
1
棒:前年比(左軸)
コア個人消費支出
デフレーター
0
2008
2010
2012
-20
20
-60
2014
(年)
2014
価格が50ドルで
横ばいの場合
-40
2016
2015
2016
2,400
社数
2,000
利上げ
局面
12
0
2016年
8月
+1.7%
(ポイント)
S&P500
(右軸)
(年)
2017
800
0
3
72
60
81
7
100
71
86
金融
28
89
71
96
情報技術
15
87
87
93
生活必需品
4
75
50
50
消費財・サービス
11
73
82
73
電気通信サービス
2
50
50
100
素材
3
67
67
33
不動産
4
75
25
-20
-40
50
資本財・サービス
18
44
22
72
エネルギー
5
0
20
80
0
1992
注)右図は月次データで線の直近は2016年9月、棒は2016年10月から翌年12月までがシミュレーション値。
出所)米商務省、米労働省、FRB、Bloombergより当社経済調査部作成
400
FF目標金利
(左軸)
1997
2002
2007
2012
(年)
0
市場予想EPS
を上回った割合
(%)
97
1,200
6
増益企業
の割合
(前年比、%)
ヘルスケア
1,600
9
増収企業
の割合
(前年比、%)
S&P500
60
40
20
(%)
80
40
2
120 18
100 15
2017年
1月
+48%
米国 S&P500企業の四半期決算
(2016年10月11日~25日発表分)
米国 利上げと株価
2017
注)左図の直近値はいずれも2016年10月24日。
右表のシャドーは50%を越える良好な結果。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
【図5】 大統領選はクリントン氏優位、上院掌握政党の行方に注目
【図6】両候補による政策論争は深化しないまま最終盤戦へ
❏ 米国 大統領選挙 選挙人獲得予想 《10月26日時点》 ❏ 米国 連邦議会選挙予想 《10月26日時点》
❏ 今後の選挙日程
過半数 270人
【民主党】
【共和党】
クリントン氏 333
トランプ氏 205人
激戦州
クリントン氏優位
252人
トランプ氏優位
126人
160人
81人
【上院】(全100議席)
《現議席数》
無所属2議席(民主系)
2016年 11月 8日
民主党 44議席
共和党 54議席
10議席
24議席
79人
22議席
12議席
【激戦州における支持率】」
州名 ( 選挙人数)
クリントン氏 トランプ氏
共和党 52議席
民主党 46議席
46.4%
44.8%
フロリダ(29)
テキサス(38)
38.8%
43.6%
45.7%
41.3%
ペンシルベニア(20)
オハイオ(18)
43.7%
44.8%
【下院】(全435議席)
45.8%
43.8%
ノースカロライナ(15)
ジョージア(16)
42.3%
46.3%
《現議席数》
43.5%
42.0%
アリゾナ(11)
アイオワ(6)
38.0%
41.7%
45.7%
42.1%
ネバタ(6)
※
37.0%
41.7%
メーン(1)
※:メーン州は全選挙人数4人。2人が州全体の勝者、残りは下院の選挙区毎の
勝者に1人ずつ割り当てられる。下院選挙区分のうち1人分が激戦。
注)選挙人獲得予想・激戦州の判断、
議会選挙予想・激戦区の判断はRCPによる。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)RCP
無所属2議席(民主系)
(うち激戦区7議席)
共和:民主=6:1
《当選予想》
大統領選 一般選挙
(選挙人の選出)
州毎に一般有権者が意中の
大統領候補に投票
↓
州の勝者が州毎に予め割り
当てられた選挙人を全て獲得
(『勝者独占方式』*)
↓
選挙人(全538人)の過半数
270人以上を獲得した候補者
が事実上当選
《うち今回改選》
《当選予想》
クリントン氏 トランプ氏
連邦議会
選挙
半数50議席
*除くメーン州・ネブラスカ州
12月19日
激戦区21議席
民主党
188議席
共和党
224議席
*過半数218議席
民主党
190議席
連邦議会
就任式
民主党
共和党
クリントン/ケイン氏
トランプ/ペンス氏
積極
インフラ
投資
積極
・富裕層への増税
・低・中所得層への減税
税負担
見直し
税制
大幅
減税
・最低賃金の引上げ
・賃上げ企業へ税制優遇
・成長産業支援による
創出
質の
向上
雇用
量の
奪回
・最低賃金は州に委ねる
・保護主義・減税で創出
・5年間で2,750億ドル
・クリントン氏の倍額以上
・所得税率変更
(10~39.6% ⇒ 12~33%)
・法人税減税(35% ⇒ 15%)
大統領選 選挙人団投票
・TPP反対
公平な
・不正貿易への規制強化 競争
通商
保護
主義
・TPP反対
・一部通商協定の再交渉
11月8日に選出された選挙人
が大統領候補に投票
・不法移民へ市民権付与
・現行の制度改革を維持
救済
移民
排他
・メキシコ国境に壁を建設
・移民希望者へ思想審査
同盟
強化
安全
保障
負担増 ・同盟国への駐留費用
要求 負担増を要求
・オバマケアの維持・拡大
拡大
・薬価の上限規制
社会
保障
見直し
2017年 1月 5日
共和党
247議席
❏ 米国 大統領候補者の主な政策主張
大統領選 選挙人票開票
当選の宣言
2017年1月20日 大統領就任式
・同盟国との相互防衛
条約を尊重
・オバマケアの廃止
・代替制度の検討
出所)各種報道資料より当社経済調査部作成
2
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投資環境マンスリー 2016年11月号
②欧州 : 気になる期待インフレ率上昇。その先にある物価上昇ストーリー
【図1】 長期金利上昇の背後には期待インフレ率の上昇が
 長期金利上昇の裏に期待インフレ率あり
M
9月下旬以降、世界的に長期金利が上昇しています(図1)。折りしも9月21日
には日銀金融政策決定会合が開催、日銀は操作目標の軸足を量(国債等買取額)
から金利に移し、10年国債の利回り水準を事実上固定する策に打って出ました。
この日銀の政策変更は量的金融緩和の限界と捕らえられ、同時に日銀と同じく量
的金融緩和を進めるECB(欧州中央銀行)もその政策の限界から量を縮小するの
では(テーパリング)、という極端な見方も出て長期金利上昇を促しました。
3.5 (%)
もっとも、その懸念は杞憂に終わりました。ECBは10月20日に理事会を開催、
現行の金融政策を維持すると共にテーパリングを否定したためです。ところがそ
の後、世界の長期金利は一転して低下するどころか(本邦長期金利は日銀が水準
をコントロールするため、世界と分断)、むしろ高止まりしています。今後再び
低下し9月前半の水準へ戻る可能性は否定できませんが、ドイツや米国ではこれ
までと違う長期金利上昇要因が見え始めています。期待インフレ率の上昇です。
1.0
 期待インフレ率上昇の裏に原油価格上昇
期待インフレ率は文字どおり、将来のインフレ率(物価上昇率)がどれぐらい
になると期待されるかという予想を示し、(名目)国債利回りと物価連動国債利
回りの差から算出されます。予想される将来のインフレ率が上昇する、つまりモ
ノ・サービス等の価格が将来上がると予想されると、天秤の一方の極にあるお金
の値段、(将来の)名目金利は均衡するよう上昇すると考えられます(図2左)。
その期待インフレ率の上昇には資源価格上昇が大きな役割を果たしています。
足元原油価格は1バレル50ドル近傍(NY原油先物)と、昨年10-12月の平均価格
比で約20%、今年1-3月期比で約50%上昇しています。ロシアと並ぶ世界最大の産
油国、サウジアラビアが自らの財政制約(2015年歳入の72.5%は原油収入。同年
財政収支はGDP比▲12.8%、2012年は同+14.9%)により(図2右)、原油生産に
関するポリシーミックスを「生産シェアの維持」から「価格の維持」へシフトさ
せたとみられるためです。原油価格が現水準を維持すれば、これまでの消費者物
価上昇率(総合物価)の前年比は押し上げられましょう(ベース効果剥落)。足
元の期待インフレ率はこのベース効果剥落を先読みし上昇しているとみられます。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
独・米・日・豪 10年国債利回りとフォワードレート、インフレーションスワップレート
米国
ドイツ
オーストラリア
日本
3.0
2.5
2.0
(5年後の)
5年期待インフレ率
1.5
1.48
(2年後の)
10年国債利回り
0.53
0.17
0.5
0.0
-0.5
2.63
2.60
2.33
2.33
2.17
1.85
0.11
0.10
▲0.05
10年国債利回り
2015/12
2016/6
2016/12
(年/月)
2015/12
2016/6
2016/12
2015/12
2016/6
2016/12
2015/12
2016/6
2016/12
注)直近値は2016年10月27日。(2年後の)10年国債利回りは2年後にスタートする10年国債の利回り。5年後の5年
期待インフレ率は、各国比較のため、5年後の5年インフレーションスワップ金利を用いた。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 サウジには財政制約。シェアより価格重視の姿勢へ
物価と金利の関係(イメージ)
モノ・
サービス
価格
お金の値段
(金利)
均 衡
原油価格想定別
サウジアラビア財政収支シナリオ
120
(%:ドル/1バレル)
低(金融緩和)
実質
金利
(金融引締)高
WTI原油先物
年平均価格
(期近物)
80
60
不均衡
均 衡
原油価格水準別
2016年財政収支
対GDP比の想定
100
モノ・
サービス
モノ・
価格
サービス
価格
40
お金の値段
(金利)
お金の値段 ③金利
上昇
(金利)
①物価上昇
サウジアラビア
財政赤字
~2016年9月
(GDP比)
31.9
0
2015年
▲12.8%
-20
実質
金利
低(金融緩和)
20
②(中銀)金利調節
(金融引締)高
→1バレル75ドル超
で財政黒字化か。
-40
2010
2012
2014
80ドル
75ドル
70ドル
60ドル
50ドル
5ドル刻み
2016
(年)
2018
注)右図は原油価格(WTI先物)の平均価格が1バレル50ドルから5ドル刻みで変化させ、同国財政収支がどう変化す
るか当社経済調査部が試算したもの。
出所)Thomson Reuters Datastreamより当社経済調査部作成
3
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
 しかし原油だけではない
もっとも、総合物価押し上げ要因は原油価格に留まりません。石炭やこれを原
料とする鉄鉱石等の鉱物資源の市場価格は大きく上昇しています(図3左)。特
に原料炭は今年4月、中国政府がその過剰生産能力削減を狙い採掘場の生産稼働
日数を年間276日に制限したこと、つまり供給削減を図ったことが大きく効いて
います。本邦でも新日鉄住金は10月、自ら仕入れる10-12月積み原料炭の価格を
7-9月期の2.1倍、1トン200ドル(本船渡し価格)で豪州サプライヤーと合意しま
した。今後、国内鋼材価格への価格転嫁は不可避でしょう。資源価格上昇の足音
は川下である総合物価に迫っているといえましょう。
M
この資源価格の上昇が続けば、ユーロ圏消費者物価上昇率はベース効果剥落と
共に一時的にせよ大きく加速するとみています(図3右)。ECB(欧州中銀)は
この加速が前年比で算出するが故の技術的マジックであることは当然承知してい
るものの、うまく金融政策運営に利用する、つまり現在の異例な金融緩和策を一
部解消する口実にする可能性はあるでしょう。一度、ECB高官がこのマジックに
触れずにインフレ圧力は高まっている、などと発言すれば、株式市場は金融政策
の引き締め懸念を強め、年末にかけ一旦は調整することになりましょう。
 財政による緩やかなディマンドプルインフレを期待
【図3】 資源価格上昇で総合物価のベース効果剥落
中国原料炭 鉄鉱石価格
足元の期待インフレ率を押し上げているとみられる資源価格のベース効果剥落
は、いわばテクニカルな要因です。本質的にはこの要因が削がれる前に歳出拡大
による「ディマンド・プル・インフレ」へとバトントスされれば、株式が本来も
つインフレヘッジとしての特性が有効性を発揮するとみています。そのための条
件は、金融政策により作り出されたマネーの伸びを、経済活動により作り出され
た付加価値(GDP)の伸びが上回る必要がありましょう(図4右)。(徳岡)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
1621.8
1600
500
20
(%:前年比)
(左軸)
原料炭価格
(中国)
1200
1000
300
200
140%
(%:前年比)
2017年末
WTIの水準別シナリオ
1バレル65ドルのケース
(左軸)HICPエネルギー
400
1400
15
0
600
(右軸)同前年比
400
160 (ポイント)
(左軸)
140
鉄鉱石価格
120
(中国)
100
一時的
目標超過
の可能性
5
-100
(%)
500
400
0
67.3
40
20
0
2014/1
5.7%
200
1
-10
(右軸)ECB物価目標
0
HICP総合は前年比2.0%を下
回り、かつこれに近い水準
※ここでは1.9%とした。
-15
0
(右軸)HICP総合
(右軸)同前年比
-100
(年/月)
2017/1
2016/1
3
-5
100
2015/1
4
2
300
80
60
5
10
100
800
-20
-1
1998
2001
2004
2007
2010
2013
2016
2019
(年)
注)左図の直近値は2016年10月26日。右図は、原油価格(WTI先物)が2017年末に1バレル65ドルになると想定し、
過去の価格とHICPエネルギー、HICP総合の関係から、これら物価指標がどう変化するか当社経済調査部が簡易試算
したもの。
出所)欧州統計局より当社経済調査部作成
【図4】 歳出増→名目GDP増→株高
ドイツ 歳出計画
(前年差純増額)
もっとも、こうした調整はリスク資産の買い場を提供する好機とみています。
今年9月、ドラギECB総裁はドイツを名指しし歳出拡大を要求し、また黒田日
銀総裁は操作手段の主軸を量から金利に置きインフレ目標達成に長期戦の構えを
みせました。主要国の中央銀行は、量的金融緩和策やマイナス金利政策の限界を
認めつつあり、財政刺激によるインフレ醸成に活路を求め始めた、とみていま
す。一方、政府もこうした見方を裏付けるかのように歳出拡大の行動を具体化さ
せています。例えば本邦政府は8月に28兆円に及ぶ大規模景気対策を組み、欧州
では頑なな緊縮派のドイツすら歳出拡大を図る姿勢をみせています(図4左)。
ユーロ圏 HICP総合とエネルギー
(%)
1800 (人民元/1metric ton)
200
150
(億ユーロ)
(%:GDP比)
歳出純増額
GDP比 (右軸)
名目GDP伸び-マネー(M2)伸び(日米ユーロ圏)
と先進国株価(MSCI G7)
0.6
40
0.4
20
0.2
0
0.0
-20
-0.2
-40
(%)
(%)
(右軸)
先進国株価 1年半騰落率
40
20
100
0
50
-20
0
-50
-100
-150
60
歳出純増額(計画)
(左軸)計€309億
-0.4
歳出純増額(実績)
(左軸) ※2016年度は見込み
-0.6
2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 (年度)
出所)ドイツ財務省より当社経済調査部作成
-40
-60
(左軸)
名目GDP伸び
-マネーサプライ伸び
(18ヵ月前比)
-60
-80
-80
1995
2000
2005
2010
2015 (年)
注)直近値は2016年9月。
出所)MSCI、Thomson
Reuters Datastreamより当社経済調査部作成
4
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
③日本: 原油価格反転を契機に落ち着きを取り戻した株式市場
M景気は足踏み状態から持ち直しへ

【図1】 実質成長率は緩やかに上昇する見通し
日本 実質GDP(需要項目別寄与度、前期比年率)
(%)
今年度下期の実質成長率は緩やかな上昇が予想されます(図1)。経済対
策効果に加え、新興国経済の安定化により海外需要も景気を押し上げるとみ
ています。景気動向指数の一致CIは上向き始めており、足元の景気は持ち直
しの兆しがみられます。同指数の3ヵ月移動平均は8月に反転上昇しており、
9・10月の生産予測指数の上昇と合わせてみれば3ヵ月連続で上昇する可能性
があり、景気は足踏み状態を脱すると考えられます(図2左)。
15
10
実質GDP
(前期比年率)
(予想)
純輸出
公的需要
在庫投資
5
0
-5
輸出も新興国経済の落ち着きにより回復しています(図2右)。原油価格
が前年比で上昇に転じ、資源価格が回復基調にある事も要因です。日経平均
株価は1万7千円台を回復し、フィボナッチ分析による今年の最安値から2015
年の最高値の38.2%戻しの水準を上回ってきました。その背景として景気持
ち直し期待から企業業績の過度な不安が後退し、原油価格回復により日本株
の売り圧力が緩和、リスク回避の姿勢が弱まった事があげられます(図3)。
2016年4-6月期
実質GDP+0.7%
(2次速報値)
個人消費
-10
民間住宅投資
-15
民間設備投資
-20
(年)
2012
2013
2014
2015
2016
2017
注) 2016年7-9月期から2017年4-6月期までが当社経済調査部の予想値。
出所)内閣府より当社経済調査部作成
 投資環境が改善し底堅さをみせる株式市場
円高の進行や新興国経済の失速懸念、国内景気の停滞感から日本企業の業
績不安が高まり、株価の下落圧力となってきましたが、こうした懸念が薄ら
ぎ株価は戻りを試す展開になっています。今期は予想EPS(一株当たり利益)
の下方修正が続いていましたが、投資環境の改善により今後は上向くと考え
られます(図4)。PER、PBRは過去の水準に比べると依然として低めであ
り投資環境の改善が続けば、株価の上昇余地は広がるとみられます。
【図2】 景気は足踏み状態を脱した可能性
(2010年=100)
120
(
日本 景気動向指数と生産
(2010年=100)
115
110
115
110
105
日本 地域別輸出数量指数
米国
105
一致CI
3ヵ月移動平均
100
世界全体
95
一方で日本企業の成長性への不透明感から、海外投資家を始め個人投資家
の本格的な日本株買いは未だみられません。ただ、利益率の向上により高収
益を実現してきた日本企業は、潤沢な内部資金を基に自社株買いや海外企業
のM&Aを拡大しているため、今後EPSの成長性が評価され民間部門の資金
流入も見込まれます(図5)。9月21日の「総括的な検証」を経て日銀が量重
視から金利重視の政策に転換するなか、長期金利は低位で安定していますが、
金融株の不振が続いている事が懸念要因といえます(図6)。(向吉)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
100
90
95
85
鉱工業生産
90
80
景気後退期
85
(年)
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
注)直近値は2016年8月。鉱工業生産は同年9-10月の予想指
数伸び(修正率を加味)で延長。出所)内閣府、経済産業省
アジア
EU
75
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
(年)
注)直近値は2016年9月。内閣府による季節調整値。
出所)財務省、内閣府
5
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
【図4】 景気回復の動きから業績予想は上向く見通し
【図3】 リスク選好度合いが高まる中、株価は戻りを試す展開
日本 日経平均株価
(円)
22,000
M
原油価格と日本株のボラティリティ
20,952円
(2015年6月24日)
21,000
(ドル/1バレル)
50
高値
NY原油先物
価格(右軸)
45
17,365円
20,000
40
18,687円
(61.8%戻り)
50
40
17,189円
(38.2%戻り)
17,000
35
15,000
14,865円
安値
14,864円
(2016年2月12日) (2016年6月24日)
14,000
(年)
2014
2015
2016
2017
注)直近値は2016年10月26日時点。値表示はザラ場
ベース。最高安値は2014年1月以降。出所)Bloomberg
25
20
15
13,000
日経平均ボラティリティ・
インデックス(左軸)
(億円)
日本企業のM&A金額と自社株買い
10,000
9,000
10
10
(年)
2015
2016
2017
注)直近値は2016年10月26日時点。NY原油先物
は期近物。
出所)Bloomberg
(兆円)
日本株の主体者別純購入額(累積値)
20
18
M&A金額(海外企業対象)
海外投資家の
日本株買越し額
7,000
6,000
2011
2013
2015
(年)
2017
注)直近値は2016年10月。グラフは12ヵ月移動平均。
出所)アイ・エヌ情報センター、Bloomberg
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
95
400
200
鉱工業生産
90
(○は予測指数(実現率
修正)の伸びで延長)
85
(右軸)
80
0
2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
75
(年)
株価純資産倍率(PBR)
(右軸)
1.30
1.20
1.10
1.00
0.90
0.80
株価収益率(PER)<予想>
(左軸)
0.70
(年)
0.60
注)直近値は2016年10月26日。点線は2011年以降
の平均値。
出所)Bloomberg
【図6】 10年債ゼロ%目標、マイナス金利深堀りを反映する市場
(%)
1.8
業種別東証株価指数変化率(2016年9月21日~)
日本 国債利回り
40年
TOPIX
日銀が「長短金
利操作付き量
的・質的緩和」を
導入以降(2016
年9月21日~)
情報・通信業
サービス業
鉄鋼
繊維製品
医薬品
10年
倉庫・運輸関連
8
0.4
陸運業
0.2
その他製品
証券・商品先物
空運業
0.0
電気・ガス業
-0.2
-0.4
鉱業
水産・農林業
ゴム製品
金属製品
不動産業
石油・石炭製品
卸売業
電気機器
化学
非鉄金属
ガラス・土石製品
機械
パルプ・紙
小売業
精密機器
建設業
海運業
食料品
2.2
輸送用機器
0.6
年間6兆円の
買い入れ
ペースで延長
1.50
1.40
2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
出所)直近値は2016年10月26日。EPSは株価を予想PER
で除して算出。出所)日本経済新聞、経済産業省
1.2
日銀のETF(上場投資信託)
買い入れ
(倍)
1.60
10
2
2009
100
0.8
1,000
2007
105
(2016年8月)
600
12
2,000
自社株買い
110
1.0
4
0
2005
800
14
6
3,000
115
1.4
5,000
4,000
120
1.6
16
8,000
125
1,000
15
【図5】 潤沢な内部資金を基にM&Aや自社株買いは増加
11,000
130
30
20
25
24
23
22
21
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
10
135
30
25
16,000
140
日経平均予想EPS
(一株当たり利益)
(左軸)
1,200
日経平均 予想PERとPBR
(2010年=100) (倍)
45
35
17,908円
(50%戻り)
18,000
60
1,400
55
(2016年
10月26日)
19,000
日本 予想EPSと鉱工業生産
(円)
65
その他金融業
保険業
2年
0
-0.6
(年)
2013
2014
2015
2016
2017
2015/06
2015/12
2016/06
注)2013年1月第一週から累積。直近値は2016年第三週。
注)直近値は10月26日。
日銀は同年7月29日にETF買入れ額を年6兆円に増額。
出所)日本銀行、東京証券取引所
銀行業
(年/月)
2016/12
出所)Bloomberg
(%)
-5
0
5
10 15
(%)
-5
0
5
10 15
注)2016年9月21日から10月26日時点での変化率。
出所)Bloomberg
6
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
④オーストラリア: 景気回復と低金利政策に支えられた良好な投資環境の継続を予想
 来年も相対的に高成長が見込まれるオーストラリア(豪)
M
10月の豪州金融市場は10年国債利回りが上昇、短期金融市場が織り込む短
期金利は利下げの打ち止めを織り込んでいます(図1左)。豪ドルは、利回り
上昇と国際的な資源価格底打ちで上昇基調となりました(図1右)。
足元の景気は、良好な家計景況感のもと個人消費の緩やかな増加と(図2
左)国際的な資源価格の底打ちを一因に輸出金額の緩やかな拡大が続いてい
ます(図2右)。こうした中、12月7日発表予定の2016年7-9月期実質GDPは、
前 期 比 年 率 +2.4% と 前 期 の 同 +2.1% か ら 成 長 が 加 速 す る 見 通 し で す
(Bloomberg予想、10月27日時点)。設備投資は資源関連を中心に冴えない状
況が見込まれるものの、堅調な輸出と底堅い個人消費や財政支出が成長を支
えると予想されます。また、来年も、IMFの世界景気見通しによると、先進
国の中では相対的に高い成長率が見込まれています(図3)。
 米国に続き、オーストラリアでも利上げの可能性があるのか
豪中銀は今年の5月と8月に消費者物価低迷を背景に、利下げを実施しまし
た。10月26日発表の2016年7-9月期の消費者物価指数は、前年比+1.3%と前期
の同+1.0%から上昇幅拡大、変動の大きい品目を除いたコアでも同+1.6%から
同+1.7%に上昇しています。物価目標の同+2~3%には届かないものの、物価
上昇幅が拡大したことで、市場の利下げ打ち止め観測の一因となったようで
す。しかし内訳をみると、国内取引を中心とする非貿易財やサービスの物価
上昇圧力が弱く、国内景気の過熱感を想定させる内容ではありません(図4)。
この背景は雇用環境が一因とみられます。企業の求人が高水準で失業率が低
下傾向を辿る良好な環境も(図5左)、賃金上昇率はパート雇用の増加等で抑
制されています(図5右)。フィリップ・ロウ総裁は講演で「失業率5.1%程
度が完全雇用」と発言、あと0.5%程度失業率が低下すれば賃金上昇が強まる
とみている模様です。他方、住宅市場の過熱感で利上げが実施される場合も
ありますが、住宅投資が高水準である中でも、金融当局の融資窓口規制の効
果によって、住宅価格の上昇は緩やかに抑制されています。
景気回復のもと低金利政策が当面、維持されるとみています。こうした環
境は、株式やREIT市場には価格下支え材料となりそうです。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【図1】 追加利下げ観測の後退で国債利回りと通貨が上昇
オーストラリア 政策金利と国債利回り
8
オーストラリア 為替相場
(円/
(%)
130
(米ドル/
オーストラリアドル)
オーストラリアドル)
↑オーストラリアドル高
↓米ドル高↓円高
10年国債利回り
6
対米ドル(右軸)
0.85
0.80
110
0.75
4
2016年
10月26日
2.268%
政策金利
2
0.70
90
0.65
1.50%
政策金利の市場予想
2017年6月 1.49%
0
対円(左軸)
70
(年)
2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018
(年)
2015
0.60
2016
注)左図の市場予想は短期市場に織り込まれる値。右図の直近値は2016年10月26日。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 消費は底堅く推移、輸出は資源価格底打ちなどで増加
オーストラリア 家計の景況感と消費
10
(%)
消費者信頼感指数
(右軸)
8
改善
↑
家計の景況感
↓
悪化
6
オーストラリア 輸出金額
150
300
(億豪ドル)
(億豪ドル)
全体
(左軸)
100
90
80
200
70
小売売上高
(左軸、3ヵ月平均の
3ヵ月前比)
4
100
60
2
50
財輸出(左軸)
100
50
0
サービス輸出(右軸)
-2
2002
2005
2008
2011
2014
(年)
0
0
2006
2008
2010
2012
2014
(年)
40
30
2016
注)直近値は左図の消費者信頼感指数が2016年10月、小売売上高が同年8月、右図が同年8月。
出所)Westpac銀行、オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
7
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
【図3】 オーストラリアは先進国対比で高成長が続く見通し
オーストラリア 実質GDP(前年比)
IMF世界経済見通し(実質GDP、%)
5
M
【図4】 物価は反転も国内要因のサービスや非貿易財は弱い
6
2015年 2016年 2017年
(実績)
(推計)
(推計)
オーストラリア
2.4
2.9
2.7
先進国平均
2.1
1.6
1.8
日本
0.5
0.5
0.6
米国
2.6
1.6
2.2
ユーロ圏
2.0
1.7
1.5
英国
2.2
1.8
1.1
カナダ
1.1
1.2
1.9
世界平均
3.2
3.1
3.4
3
2
4
1
失業率
(左軸)
2000
2005
2010
2015
(年)
0
2004
7
24
4
求人件数
(右軸)
0
1999
2002
2005
2008
2011
2014
(年)
2016
貿易財
(年)
オーストラリア 住宅価格(前年比)
(万件)
25
1.8
15
1.6
10
1.4
5
1.2
0
2
1.0
-5
1
0.8
-10
5
(%)
シドニー
4
全体
3
小売業
2016年
4-6月期
8大都市平均
2006
2009
2012
2015
(年)
注)左図の長期水準は2016年10月18日の中銀総裁講演で説明された完全雇用の予測水準。
直近値は左図の求人件数が2016年8月、右図の直近値は2016年4-6月期。
出所)オーストラリア中銀、オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2014
鉱業
12
10
2012
20
2
14
2010
非貿易財
(=国内市場で売買される財)
2.0
6
18
16
2008
(%)
【図6】 住宅建設が高水準の中、住宅価格は抑制された状況
2.2
22
20
(年)
2006
-1
7
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
オーストラリア 民間住宅建設許可件数
28
26
財
2008
2012
2016
注)コアは変動の大きい項目を除いたもの。
右図の直近値は2016年7-9月期。
出所)オーストラリア統計局、オーストラリア中銀より当社経済調査部作成
オーストラリア 賃金(前年比)
(%)
6
失業率の
長期水準
(中銀推計)
5.1%
1
インフレ目標
+2~3%
0
30
サービス
3
2
オーストラリア 失業率と求人件数
2016年
9月
5.6%
4
2
【図5】 求人増加で失業率低下が継続も賃上げ圧力は弱めか
8
(%)
5
2016年7-9月期
総合 +1.3%
コア +1.7%
注)左表の推計は2016年10月時点のIMFの値。右図は実績が2015年、予測は2016年と2017年。
出所)IMFより当社経済調査部作成
(万件)
6
0
1995
(%)
(%)
4
IMFの
予測
オーストラリア 消費者物価の内訳(前年比)
オーストラリア 消費者物価
(前年比)
(%)
1990
1995
2000
2005
2010
2015
(年)
2003
2006
2009
2012
2015
(年)
注)左図の直近値は2016年8月。
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
8
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
⑤中国: 過剰設備削減という難題を抱え、景気回復は一進一退が続く見込み
M
 中国景気を支える個人消費の安定、今後も持続可能か?
中国の実質GDP(2016年7-9月期)は市場予想通りの前年比+6.7%と、3四
半期連続の横ばいながら景気の安定化を示しました(図1)。GDP全体の5割
超(名目ベース)に達した第3次産業が全体を下支える展開が続いています。
第3次産業の安定を支えるのが底堅い個人消費です。直近10月の小売売上
高は前年比+10.7%と堅調(図2)、取得税減税効果で好調な自動車だけでな
く、日用品からぜいたく品に至るまで幅広く底固めの兆しがうかがえます。
ただし、先行きは不透明です。国家統計局PMIの雇用指数は製造・非製造
業とも拡大・縮小の境目となる50を下回っており(図3)、雇用改善ペースは
鈍いままです。また、住宅市場は好調も以前に比べ家財など関連消費の喚起
に結びついていない様子もうかがえます(図4左)。製造業は過剰設備削減
で多くを望みにくく、第3次産業は来年以降の自動車販売反動減やインフラ・
不動産投資の一巡も懸念されるなか、景気楽観論は高まりにくいと考えます。
 素材産業に増産の兆し、だが過剰設備削減を遅らせる懸念も
景気が政府主導の不動産・インフラ投資頼みである構図に変化はありませ
ん。固定資産投資一つ見ても、製造業やその他第3次産業に下げ止まりの兆
しこそ見られますが、安定感を増したとは評価出来ない状況です(図4右)。
明るい材料としては、内需底固めや原油・石炭・鉄鋼石など資源価格の反発
を受け、製品価格回復の動きが見られる点です(図5)。直近9月の工業利益
(年初来累計)は前年比+8.4%と、企業業績改善の流れも強まっています。
ただし注意点もあります。消費財価格の低迷が示唆するように、内需が力
強さを欠くことに加え、米欧など海外景気低迷が続き外需が伸び悩むなかで
は、製造業特に鉄鋼など素材部門が市況回復につられ安易に増産ピッチを速
めれば、課題の過剰設備削減が遅延する可能性があります(図6)。当局が
短期的な景気浮揚と長期的な構造問題解消のバランスを図り、微妙な政策調
整を繰り返すとみられる間、景気加速の公算は低いと考えます。(瀧澤)
【図1】 第3次産業主導で7-9月期も実質+6.7%成長を維持
(%)
16
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
2010
中国 実質GDP
(産業別、前年比)
(%)
第3次産業
全体
第2次産業
2012
2014
+7.5%
+6.7%
+6.3%
2016
(年)
56
54
52
50
48
46
44
42
40
38
36
2000
中国 名目GDP構成比
(産業別)
52.8%
第3次産業
第2次産業
2004
2008
39.5%
2012
2016
(年)
注)左図:直近値は2016年7-9月期時点。
右図:データは年次、直近値のみ2016年7-9月期時点の年初来累計値。
出所) 中国国家統計局より当社経済調査部作成
【図2】 自動車は好調、個人消費は幅広い品目で安定化の兆し
(%)
中国 小売売上高
(名目、品目別、前年比)
40
日用品
35
30
全体
25
+12.5%
+10.7%
+6.7%
20
15
10
5
衣料品
0
2010
2012
2014
2016
中国 小売売上高
(名目、品目別、前年比)
(%)
(年)
70
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
自動車
+13.1%
+7.7%
+5.0%
化粧品
宝飾品
2010
2012
2014
2016
(年)
注)小売売上高は社会消費品小売総額に基づく(以下同じ)。直近値はすべて2016年9月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
9
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
【図3】 企業の生産活動は回復、だが雇用拡大には慎重姿勢も
中国 製造業PMI
(国家統計局、項目別)
M 60
(%)
企業活動
58
生産
56
56
54
悪化
中国 住宅販売床面積と小売売上高
(%)
(年初来累計、前年比)
(%)
60
58
改善
中国 非製造業PMI
(国家統計局、項目別)
(%)
54
53.7
52.8
52
52
50
50
48.6
48
雇用
46
2010
2012
2014
(年)
2016
49.7
48
雇用
46
2010
2012
2014
2016
【図4】 不動産・インフラ投資加速に伴う波及効果はやや鈍いか
(年)
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
住宅販売床面積
(左軸) +27.1%
+9.6%
名目小売売上高
(家電・家具・建材、右軸)
2010
2012
2014
2016
(年)
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
(%)
中国 都市部固定資産投資
(業種別、年初来累計、前年比)
35
インフラ関連
30
25
+19.4%
20
15
10
+7.3%
第3次産業
(除くインフラ)
5
+3.1%
0
-5
-10
製造業
(年)
2012 2013 2014 2015 2016 2017
注)左図:家電・家具・建材売上高(年初来累計額)の単純合算値から算出。直近値は2016年9月時点。
右図:インフラは電力除くベース。直近値は2016年9月時点。
注)直近値はすべて2016年9月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
【図5】 素材市況改善と内需回復を受け、生産財物価は上昇傾向 【図6】 輸出低迷にもかかわらず増産基調強まる鉄鋼部門
中国 生産者物価
(工程別、前年比)
(%)
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
-20
-25
生産財(うち鉱業関連)
全体
+2.1%
+0.1%
0.0%
消費財
2010
2012
2014
中国 生産者物価
(品目別、前年比)
(%)
2016
(年)
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
-20
-25
(%)
80
(%)
(%)
中国 鋼板生産と鉄鋼輸出数量
(前年比、3ヵ月移動平均)
非鉄金属
+10.1%
+1.2%
0.0%
200
20
15
150
15
100
10
鋼板生産(右軸)
60
40
+6.1%
2010
2012
2014
5
0
0
-5
財輸出額(左軸)
2016
(年)
10
20
-20
石油・石炭製品など
2010
2012
2014
2016
(年)
-10
+6.1%
50
0
▲10.0%
-40
(%)
20
鉱工業生産(右軸)
鉄鋼
-50
5
0
鉄鋼 輸出数量(左軸)
2010
2012
2014
▲6.2%
2016
(年)
-5
注)左図:財輸出額は米ドル建て、直近値は2016年9月時点。
右図:直近値は2016年9月時点。
注)直近値はすべて2016年9月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
中国 鉱工業生産と財輸出額
(前年比)
出所)中国国家統計局、中国海関総署より当社経済調査部作成
10
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
⑥為替: 米国の12月利上げを織り込み円安ドル高が進行、この動きは加速するのか?
M
 市場は米国の12月利上げを織り込むもその先は慎重な見方
ドル円相場は10月に入り、一時1米ドル=105円台に達するなど円安ドル高
基調が続きました。背景には、米国が12月13・14日のFOMC(連邦公開市場
委員会)で利上げに踏み切るとの見方が強まった点が挙げられます(図1)。
ただし、政策金利の先高感はそれほど高くはありません。2017年末のFF
金利先物は0.800%と、市場は同年の利上げを0.25%×1回程度しか織り込ん
でおらず(図2)、9月FOMC時点の2017年末見通し(中央値1.125%、利上げ
2回)とかい離しています。12月FOMCでは利上げの有無に加え、FF金利見
通し(下方修正なら円高ドル安、上方修正なら円安ドル高材料)に注目です。
12月FOMCに向け、鍵を握るのが2度の米国雇用統計(10・11月分)です。
雇用拡大持続は賃金上昇・インフレ期待を高めますが、直近の雇用見通しは
調査毎で割れています(図3)。2010年から続く雇用拡大基調の変調が示唆
されれば、利上げ期待は萎み、円高ドル安へ揺り戻される可能性もあります。
【図1】 市場は2016年12月の米国利上げを確実視する流れに
2016年 米国の利上げ確率とドル円相場
(%)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
(円/米ドル)
FF金利先物で見た
2016年内の利上げ確率(左軸)
73%
105円29銭
ドル円相場
(右軸)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
(月)
122
120
118
116
114
112
110
108
106
104
102
100
98
注)直近値は2016年10月27日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
 日本のインフレ期待鈍く、日米購買力平価は円高ドル安方向へ
その他、市場のリスク許容度の変動を促す可能性のある材料(リスク回避
の円高など)、例えば結果如何で欧州分断リスクを意識させかねない欧州政
治イベントや原油減産合意が不透明な産油国会合なども要注意です(図4)。
現行政策期限(来年3月)を控えたECB(欧州中銀)の12月理事会も注目
です。昨年12月に米国が利上げに動いた際は、日銀・ECBの金融緩和拡大期
待が高く、流動性供給減への不安は和らげられましたが、足元は日銀・ECB
に対しマイナス金利や資産買入れ政策の限界論が指摘され緩和期待が高まり
にくい環境です。米国利上げに身構える市場を安心させられるかが焦点です。
米国利上げ継続への不透明感、欧州政治の不安定化がリスク回避を助長し
かねない点に加え、昨年来の円高で日本の相対的なインフレ期待が弱まり
(図5)、円高ドル安方向に反転した日米購買力平価なども考慮すると(図
6)、円安ドル高が定着かつ一段と進む可能性は低いと考えます。(瀧澤)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【図2】 市場は米国の利上げペースが極めて遅くなると判断
(円/米ドル)
金融市場のFF金利見通しとドル円相場
2.2
145
2.0
140
2017年末のFF金利見通し(左軸)
1.8
135
1.6
130
1.4
ドル円相場(右軸)
125
1.2
120
1.0
115
0.800%
0.8
110
0.6
105
0.4
(FF先物金利で見た)
0.505% 100
0.2
95
2016年末のFF金利見通し(点線、左軸)
0.0
90
(年)
2015
2016
(%)
注)FF金利見通しは2016年12月限および2017年12月限のFF先物金利に基づく。直近値は2016年10月27日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
11
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
【図3】 米国の雇用拡大は続くか?各種調査で見方は割れる
M
(雇用増加-減少、%)
米国 各機関による雇用見通し
25
15
雇用
増加
100
80
60
10
40
5
20
0
0
-5
-20
NFIB調査
(今後3ヵ月、左軸)
<3ヵ月先行>
雇用
減少 -10
-15
2006
2008
-40
BRT調査(今後6ヵ月、右軸)
<(図内では)6ヵ月先行>
-20
2004
2010
2012
2016年末にかけての注目イベント
(雇用増加-減少、%)
Manpower調査
(次四半期、左軸)
<3ヵ月先行>
20
2014
2016
雇用
増加
雇用
減少
-60
(年)
-80
出所) NFIB、Business Roundtable、Manpower社より当社経済調査部作成
【図5】 原油高はインフレ期待高めるがその程度は日米間で差も
日本 物価と原油価格(前年比)
(%)
(%)
6
60
国内企業物価 50
5
(左軸)
4
40
3
30
2
20
1
10
▲3.2%
0
0
▲15.8%
-1
-10
-2
-20
円建て
-3
-30
-4
-40
原油価格
-5 (3ヵ月先行、右軸)
-50
-6
-60
2012 2013 2014 2015 2016 2017 (年)
注)原油価格は米ドル建てがWTI先物(期近物)、円建てがアラビアンライト原油スポット価格(アジア向け)
を円換算した値に基づく。直近値はすべて2016年9月時点。
出所)米労働省、日本銀行、Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
月
日
注目イベント
10月 31日 日銀 金融政策決定会合(~11月1日)
11月 1日 米国 FOMC(連邦公開市場委員会、~2日)
4日 米国 雇用統計(10月分)
8日 米国 大統領・議会選挙
14日 米国 議会再開
フランス 共和党 (現最大野党)
20日
大統領候補選出予備選挙(第1回投票)
27日 同予備選挙(決選投票)
注目ポイント
展望レポート公表、物価見通し下方修正の公算大
大統領選挙直前のため、利上げ見送りが濃厚(ドットチャート公表なし)
雇用増加・賃金上昇加速なら12月FOMCでの利上げ観測が高まる公算
民主党クリントン氏が大統領選出なら一旦安心感広がる展開か?
12月9日の暫定予算期限に向け審議が進むか?
EU(欧州連合)離脱の英国に対し強硬姿勢をとるジュペ元首相、
一定の理解を示すサルコジ元大統領の一騎打ち
協調減産の正式合意がベストシナリオ、
ただし合意見送りも協議継続が担保されればリスク回避の動きは限定的か
12月 2日 米国 雇用統計(11月分)
雇用増加・賃金上昇加速なら12月FOMCでの利上げ観測が高まる公算
否決ならレンツィ首相辞任で反EU勢力が台頭する可能性も
イタリア 憲法改正の国民投票
4日
オーストリア 大統領選挙(5月選挙のやり直し) ホーファー氏(極右自由党、反EU派)勝利ならEU離脱の国民投票実施か?
5日 ドイツ CDU(キリスト教民主同盟)党大会(~7日) 来秋の議会選挙に向け、メルケル首相が4期目を目指す意思を示すか?
8日 ECB(欧州中銀)理事会
現行の金融緩和策を強化するか?あるいは見直しに動くか?
9日 米国 2017年度暫定予算の期限
予算を成立させ、政府閉鎖を回避できるか?
1年ぶりの利上げに踏み切るか?
13日 米国 FOMC(~14日)
ドットチャートで2017年の利上げ見通し下方修正なら米ドル安も
19日 日銀 金融政策決定会合(~20日)
円高・国内株安が進んでいれば追加緩和に動く可能性も
2017年の成長率目標は?景気支援に前向きな姿勢を見せるか?
未定 中国 中央経済工作会議
30日 OPEC(石油輸出国機構)総会
注) Manpower調査は18,000超の雇用主、NFIB(全米独立事業者協会)調査は10,000超の中小企業、
BRT(米経済団体ビジネス・ラウンド・テーブル)調査は約200の企業CEOを対象。
直近値はNFIB(月次)が2016年9月、BRT調査とManpower調査が2016年7-9月期(四半期)調査時点
米国 物価と原油価格(前年比)
(%)
(%)
6
60
生産者物価(左軸)
5
50
4
40
3
30
+0.7%
2
20
+7.0%
1
10
0
0
-1
-10
-2
-20
-3
-30
米ドル建て
-4
-40
原油価格
-5 (3ヵ月先行、右軸)
-50
-6
-60
2012 2013 2014 2015 2016 2017 (年)
【図4】 年末にかけての注目点は日米欧金融政策と欧州政治
出所)各種情報より当社経済調査部作成
注)日程および内容は変更されることがあります。
【図6】 再び円高ドル安方向に傾く日米の購買力平価
(円/米ドル) ドル円相場と購買力平価(1973年~)
(円/米ドル)
320
120
円安
300
米ドル高
日米の購買力平価
280
115
(生産者物価基準)
260
円高
240
米ドル安
110
220
200
購買力平価
105
180
2016年9月
1ドル=97円17銭
160
100
140
120
95
100
ドル円相場
80
60
90
(年)
1973 1979 1985 1991 1997 2003 2009 2015
2007
(2007年~)
日米の
購買力平価
2015年1月
102円12銭
2012年10月
96円75銭
2010
2016年9月
97円17銭
2013
(年)
2016
注)日米購買力平価は日本が変動相場制に移行した1973年2月の為替レートを基準とし、日米物価上昇率格差で
調整した為替相場に基づく(日本は国内企業物価、米国は生産者最終財物価)。直近値は2016年9月時点。
出所)日本銀行、米労働省、Bloombergより当社経済調査部作成
12
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
Ⅱ.国際金融市場の動向
M
(すべて2005年初=100)
180
日本
140
120
100
80
60
40
20
0
2005
2008
2014
2017 (年)
中国
450
新
興
国
2011
米国
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
160
先
進
国
①株式: 米欧金利の上昇ピッチ速まり、上値重い展開
150
100
50
0
2008
400
350
300
300
250
250
200
200
150
150
100
100
50
50
0
2014
2017 (年)
インド
450
350
2011
2008
2011
2014
2017 (年)
メキシコ
350
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
2011
2014
2017 (年)
2008
2011
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
トルコ
300
250
400
200
300
150
200
100
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
ブラジル
2005
2008
2011
0
2005
2008
2017 (年)
2014
2017 (年)
ポーランド
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
2014
2011
2005
2008
2011
南アフリカ
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
注1)2005年初=100として当社経済調査部が指数化。直近値は2016年10月26日、注2)先進国はMSCI WORLD、新興国はMSCI EMの国別指数に基づく(現地通貨ベース、配当後)。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2005
350
500
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
300
2008
インドネシア
600
0
2005
2005
オーストラリア
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
200
2005
400
ドイツ
250
2005
2008
2011
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査部作成
13
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
②金利: 原油高でインフレ期待が改善、米欧金利はじり高に
M
(単位はすべて%)
先
進
国
8
日本
米国
8
ユーロ圏
8
6
6
6
6
4
4
4
4
2
2
2
0
0
0
利回り(10年物国債)
2
0
オーストラリア
8
政策金利
-2
-2
2006
新
興
国
2008
2010
2012
2014
2016
中国
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
2006
2008
2010
2012
2008
2014
2016
2006
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2016
8
4
3
0
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2016
2006
(年)
2008
15
12
12
9
9
6
6
3
3
2012
2014
2016
(年)
2010
2012
2014
2016
(年)
2016
(年)
南アフリカ
18
15
2010
トルコ
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
0
2006
2006
(年)
ポーランド
18
9
2010
インドネシア
2006
(年)
12
6
2008
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
16
12
-2
2006
(年)
ブラジル
20
15
2010
インド
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
メキシコ
18
-2
2006
(年)
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2006
2008
2010
2012
2014
注1) 政策金利は、日本:無担保コールレート(翌日物)、米国:FFターゲットレート、ユーロ圏:リファイナンス・レート、オーストラリア:キャッシュレートを使用。中国: 1年もの最優遇銀行貸付金利、インド:RBIレポ金利、
インドネシア:2016年8月18日までBI金利、以降は7日物リバース・レポ金利、トルコ:2010年5月18日まで翌日物借入金利、以降は1週間レポ金利、メキシコ:翌日物金利、ブラジル:SELIC金利誘導目標、
ポーランド:2週間物レポ金利、南アフリカ:レポ金利を使用。
注2)国債利回りは、ユーロ圏:ドイツの10年国債利回り、トルコ:2年国債利回り、ブラジル:2年国債利回り、南アフリカ:10年国債利回り(2011年10月5日~2012年6月26日は9年国債で代用)を使用。
注3)直近の米国の政策金利(FF金利誘導目標)は0.25~0.50%だがグラフ上は0.50%で表示、日本は2013年4月4日までが無担保コールレート(翌日物)、2016年9月21日以降は日銀当座預金のうち政策金利残高適用金利(▲0.1%)を図示。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
注4)直近値は2016年10月26日。注5)一部データの欠損あり。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
14
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
③為替: 米国利上げ観測台頭で、ブラジルレアルなど一部を除き米ドルがほぼ全面高に
(円/米ドル)
M
70
各国・地域通貨高
米ドル(日本円)安
先
進
国
日本・円
(米ドル/ユーロ)
1.8
80
100
円高
110
各国・地域通貨安
米ドル(日本円)高
中国・人民元
(円/元)
22
6.0
20
18
7.0
16
7.5
14
8.0
12
円安
8.5
(INR/米ドル)
30
インド・ルピー
0.9
1.2
120
0.8
10
(MXN/米ドル)
8
メキシコ・ペソ
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
12
45
50
55
65
70
10
(BRL/米ドル)
1.0
ブラジル・レアル
12
14
8
16
18
6
20
2.0
4
3.0
3.5
インドネシア・ルピア
(円/IDR)
1.5
8000
1.3
10000
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
60
0.5
40
(TRY/米ドル)
1.0
トルコ・リラ
(年)
(円/TRY)
120
1.5
100
2.0
80
2.5
60
3.0
40
1.1
12000
0.9
14000
16000
0.7
3.5
(PLN/米ドル)
1.5
70
2.0
ポーランド・ズロチ
(円/PLN)
(ZAR/米ドル)
60
2.5
50
3.0
40
3.5
30
4.0
20
4.5
40
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
30
4.5
注)上段右図:豪ドル=オーストラリアドル。直近値は2016年10月26日。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(IDR/米ドル)
80
60
2.5
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
80
2006 2008 2010 2012 2014 2016
50
4.0
22
100
0.6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/BRL)
1.5
10
100
80
6000
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/MXN)
対日本円
(右軸)
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/INR)
35
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
120
1.0
0.8
60
新
興
国
オーストラリア・ドル (円/豪ドル)
1.1
140
1.0
40
6.5
160
(米ドル/豪ドル)
1.2
1.4
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(元/米ドル)
180
0.7
120
130
5.5
(円/ユーロ)
対米ドル
(左軸)
1.6
90
ユーロ
4
南アフリカ・ランド
(円/ZAR)
20
6
18
8
16
10
14
12
12
14
10
16
8
18
6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
15
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
Ⅲ.金融・商品市場のパフォーマンス
期間別 各資産の投資収益率(%)
M
基準日:
現地通貨ベース
1ヵ月
地域別
株式
業種別
▲ 10.5
海外先進国
0.3
0.2
4.2
▲ 0.8
▲ 0.4
新興国
0.7
3.9
6.6
0.6
素材(景気敏感)
2.1
4.1
10.6
0.2
エネルギー
5.7
4.1
10.5
IT(情報技術)
1.6
5.8
▲ 4.5
0.1
新興国(現地通貨建て)
1ヵ月
3ヵ月
1年
2011年
2012年
2013年
2014 年
2015 年
2016 年
6.6
▲ 10.5
▲ 18.6
21.8
54.8
9.8
10.3
▲ 9.6
2.3
3.4
▲ 0.6
▲ 11.5
▲ 9.2
30.2
48.8
20.1
▲ 0.8
▲ 8.5
5.1
7.8
4.8
4.9
▲ 5.9
▲ 23.4
31.4
19.1
11.9
▲ 14.2
4.2
3.3
9.9
4.3
3.2
▲ 3.9
▲ 24.8
24.6
25.3
9.1
▲ 14.5
5.0
4.3
3.0
6.9
8.5
2.8
▲ 6.8
▲ 4.5
15.3
40.2
2.7
▲ 21.8
5.2
9.1
1.1
5.7
9.8
5.3
5.5
▲ 3.9
▲ 7.4
26.6
50.7
30.4
5.6
▲ 1.8
▲ 7.7
▲ 2.5
▲ 5.6
▲ 8.1
▲ 3.2
▲ 1.5
▲ 8.3
▲ 16.9
5.0
31.2
58.5
32.4
7.5
▲ 19.2
▲ 1.6
5.7
0.1
▲ 1.6
5.7
2.2
1.8
2.1
4.5
1.2
4.9
▲ 1.5
▲ 1.0
4.3
▲ 3.2
▲ 1.9
1.6
1.0
▲ 2.1
▲ 12.2
1.2
19.8
21.7
17.1
▲ 3.4
▲ 9.5
0.5
2.2
9.6
0.3
2.9
8.1
4.5
2.7
▲ 5.6
▲ 5.2
24.1
15.0
13.9
▲ 9.0
▲ 1.7
▲ 0.3
1.8
12.1
1.0
3.8
1.7
▲ 1.7
2.2
30.2
16.1
21.2
1.6
海外先進国
▲ 1.6
▲ 1.3
3.2
6.8
4.9
▲ 1.5
9.4
0.6
4.3
新興国(米ドル建て)
▲ 0.5
1.4
10.4
6.9
17.2
▲ 5.7
7.0
0.8
12.6
▲ 5.9
▲ 1.8
▲ 0.5
5.3
2.3
▲ 0.6
▲ 8.4
▲ 0.7
23.9
21.5
16.9
▲ 3.4
ハイイールド
0.6
3.2
9.9
4.7
3.0
▲ 3.8
▲ 2.6
32.1
29.4
13.6
▲ 3.8
1.5
投資適格
新興国
(米ドル建て) ハイイールド
▲ 0.2
1.0
7.1
3.9
0.8
▲ 6.6
0.5
26.0
19.5
19.3
0.2
▲ 4.1
0.9
3.5
14.6
5.0
3.4
0.8
▲ 8.7
33.9
21.9
12.9
3.8
4.4
世界
その他
円換算ベース
1年
4.1
新興国(米ドル建て)
社債
3ヵ月
6.6
海外先進国
ヘッジ有
1ヵ月
4.1
日本
その他
債券
米ドルベース
1年
日本
ヘルスケア
国債
3ヵ月
2016年10月26日
投資適格
先進国
0.2
1.7
5.6
▲ 0.9
1.5
6.1
3.2
1.3
▲ 7.7
▲ 10.4
25.1
38.6
17.5
1.6
▲ 6.3
新興国
▲ 0.6
▲ 0.7
▲ 0.0
▲ 1.8
▲ 1.3
▲ 1.8
2.4
▲ 1.5
▲ 15.5
▲ 17.0
28.6
33.9
15.5
4.3
▲ 13.1
物価連動 先進国
国債
新興国
▲ 2.6
1.6
3.6
1.5
1.4
▲ 10.2
5.5
19.7
16.6
17.8
▲ 4.3
▲ 6.1
3.1
5.5
26.6
7.2
5.3
12.9
▲ 8.1
30.6
6.3
15.6
▲ 18.8
15.7
先進国
▲ 6.9
▲ 8.3
5.3
▲ 2.7
▲ 8.5
▲ 8.4
▲ 3.4
36.3
24.6
37.1
1.6
▲ 7.0
新興国
0.9
▲ 0.1
1.6
5.0
▲ 0.3
▲ 12.1
▲ 13.1
49.5
9.4
22.8
▲ 17.2
1.6
0.8
2.3
▲ 1.4
5.0
2.1
▲ 15.1
▲ 18.5
11.7
11.9
▲ 3.3
▲ 24.3
▲ 3.9
転換社債
リート
商品
注)株式は、日本、海外先進国、業種別がMSCI WORLDにおける当該地域・業種別の各指数、新興国がMSCI EM、
債券は、国債(日本、海外先進国、海外先進国ヘッジ有り)、社債(世界)、転換社債がBofA メリルリンチ債券インデックスにおける当該市場の各指数、国債(新興国《現地通貨建て》は
J.P. Morgan GBI - EM Broad、国債(新興国《米ドル建て》、新興国《米ドル建て》ヘッジ有)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、社債(新興国《米ドル建て、投資適格》) は
J.P. Morgan CEMBI High Grade、社債(新興国《米ドル建て、ハイイールド》) はJ.P. Morgan CEMBI High Yield、物価連動国債(先進国)がバークレイズ世界物価連動国債インデックス、物価連動債(新興国)が
バークレイズ新興市場物価連動国債インデックス、リート(先進国)はS&P先進国REIT指数、 リート(新興国)はS&P新興国REIT指数、商品はブルームバーグ商品指数に基づく。
2016年は2015年末から基準日までの数字。
上記分析は作成時点のものであり、将来の市場環境等を示唆・保証するものではありません。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)J.P. Morgan、Bloomberg、S&P、MSCI、バークレイズ、BofA メリルリンチより当社経済調査部作成
16
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
Ⅳ.2016年11月の主要な政治・経済日程
月
10/31
M
(日)
火
11/1
(日)
(日)
日銀金融政策決定会合
(~11月1日)
9月 鉱工業生産
9月 商業販売統計
(米)
10月 シカゴ購買部協会景気指数
(日)
(米)
(米)
(欧)
7-9月期 実質GDP(1次速報)
(米)
(日)
9月 景気動向指数
(日)
日銀金融政策決定会合議事要旨
(9月20~21日分)
9月 毎月勤労統計
(米)
大統領・議会選挙
(米)
9月 消費者信用残高
(独)
(英)
(豪)
(中)
9月 鉱工業生産
9月 鉱工業生産
10月 NAB企業景況感指数
10月 貿易統計
7
(日)
14
(日)
10月 消費者態度指数
(米)
(米)
(豪)
(豪)
(中)
(中)
(他)
10月 ADP雇用統計
10月 新車販売台数
9月 住宅建設許可件数
金融政策決定会合
10月 製造業PMI(国家統計局)
10月 製造業PMI(マークイット)
ブラジル 9月 鉱工業生産
(日)
(日)
(日)
9月 経常収支
10月 銀行貸出
10月 景気ウォッチャー
(米)
(豪)
(中)
(中)
(他)
9月 卸売売上高
11月 消費者信頼感指数
10月 消費者物価
10月 生産者物価
ブラジル 10月消費者物価(IPCA)
9
15
7-9月期 実質GDP(1次速報)
9月 製造工業 稼働率指数
(欧)
9月 鉱工業生産
(中)
(中)
(中)
10月 鉱工業生産
10月 小売売上高
10月 都市部固定資産投資
20
(米)
(米)
(米)
(米)
(欧)
(独)
(独)
(伊)
(英)
22
(米)
(英)
(豪)
10月 中古住宅販売件数
(米)
(米)
(米)
(米)
27
(仏)
29
共和党大統領候補選出
予備選挙(決選投票)
28
(他)
(他)
(他)
ブラジル 金融政策委員会
(COPOM、~30日)
ブラジル 10月 失業率
OPEC(石油輸出国機構)総会
(日)
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
(仏)
(他)
10月 生産者物価
10月 鉱工業生産
11月 全米住宅建築業協会
(NAHB)住宅市場指数
(日)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
(欧)
(豪)
9月 製造業受注
10月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
(豪)
9月 貿易統計
発表日未定経済指標など
(米)
(米)
9月 貿易収支
10月 雇用統計
(豪)
9月 小売売上高
11
(日)
(日)
9月 機械受注統計
10月 マネーストック
(日)
(日)
9月 第3次産業活動指数
10月 国内企業物価
(米)
(仏)
(伊)
10月 月次財政収支
9月 鉱工業生産
9月 鉱工業生産
(米)
11月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(速報)
ベテランズ・デー
(豪)
(他)
9月 住宅ローン承認件数
ブラジル 9月 小売売上高
(米)
18
(米)
(米)
10月 住宅着工・許可件数
10月 消費者物価
(豪)
10月 雇用統計
(中)
10月 新築住宅価格(70都市)
10月 生産者物価指数
金融政策決定会合議事録
(11月1日分)
10月 耐久財受注
10月 新築住宅販売件数
11月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(確報)
FOMC議事録
(11月1~2日開催分)
30
10月 商業販売統計
10月 家計調査
10月 労働関連統計
7-9月期 実質GDP(2次速報)
9月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
11月 消費者信頼感指数
(カンファレンス・ボード)
7-9月期 実質GDP(2次速報)
ブラジル 7-9月期 実質GDP
(米)
(米)
17
23
共和党大統領候補選出
予備選挙(第1回投票)
10月 貿易統計
(米)
(米)
(米)
金
4
10
16
9月 企業売上高・在庫
10月 輸出入物価
10月 小売売上高
11月 ニューヨーク連銀景気指数
7-9月期 実質GDP(2次速報)
7-9月期 実質GDP(1次速報)
11月 ZEW景況感指数
7-9月期 実質GDP(1次速報)
10月 消費者物価
21
(日)
木
3
黒田日銀総裁定例記者会見
経済・物価情勢の展望
(基本的見解)
10月 新車登録台数
9月 建設支出
10月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
連邦公開市場委員会(FOMC)
(~2日)
8
(日)
(日)
(仏)
(日)
(日)
水
2
24
25
(米)
感謝祭(祝日)
(日)
(日)
(日)
10月 企業向けサービス価格
10月 消費者物価(総務省)
10月 消費者物価(日銀)
(独)
(独)
(独)
7-9月期 実質GDP(2次速報)
11月 ifo景況感指数
12月 GfK消費者信頼感指数
(英)
7-9月期 実質GDP(2次速報)
12/1
10月 鉱工業生産
10月 中古住宅販売仮契約指数
10月 個人所得・消費
11月 ADP雇用統計
11月 シカゴ購買部協会景気指数
ベージュブック
(地区連銀経済報告)
11月 消費者物価(速報)
10月 住宅建設許可件数
2
(日)
(日)
7-9月期 法人企業統計調査
11月 新車登録台数
(米)
(米)
10月 建設支出
11月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
7-9月期 実質GDP(2次速報)
11月 製造業PMI(国家統計局)
11月 製造業PMI(マークイット)
(伊)
(中)
(中)
(米)
(米)
11月 雇用統計
11月 新車販売台数
(豪)
10月 小売売上高
(他)
ブラジル 10月 鉱工業生産
注)(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、を指します。
日程は変更になる可能性があります。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)Bloomberg等より当社経済調査部作成
17
M
投資環境マンスリー 2016年11月号
留意事項
◎投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場における取引価格の変動や
為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元本が保証されているものではなく、基準価額の下落
により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。運用により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。
投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が
異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等を
よくご覧ください。
M
◎投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用
・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込)
※一部のファンドについては、
購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあります。
■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用
・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの計算
方法を表示することができません。
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込)
※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。
■その他の費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完
書面等でご確認ください。
※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限額ま
たはこれらの計算方法を表示することができません。
お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間等に
応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、三菱UFJ
国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に
係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、
目論見書補完書面等をご覧ください。
各資産のリスク
◎株式の投資に係る価格変動リスク
:株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の
活動や業績、市場・経済の状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎公社債の投資に係る価格変動リスク
:公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金
利の変動等を受けて変動するため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎REIT(不動産投資信託証券、以下REIT)の投資に係る価格変動リスク
:REITへの投資には価
格変動リスクを伴います。一般にREITの価格は保有不動産等の価値やそこから得られる収益の増減等により変動するため、REIT
の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
◎オルタナティブ(代替投資手段、以下オルタナティブ)の投資に係る価格変動リスク
:オルタナティブ
への投資には価格変動リスクを伴います。オルタナティブは各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)等に投資
するため、各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)の価格の変動により損失を被り、投資元本を割り込むこと
があります。
◎信用リスク
:信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場合も
しくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値がなくなること、または利払
いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本
を割り込むことがあります。
◎カントリーリスク
:新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制
の変更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、市場・信用・流動性の各リスク
が大きくなる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込む可能性が高まることがあり
ます。
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◎流動性リスク
:有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十
分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利な価格での取引となる可
能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元本を割り込むことがあります。
国内株式・国内債券への投資は上記のリスクを伴います。海外株式・海外債券への投資は上記リスクに加えて以下の為替変動リスクを伴
います。
◎為替変動リスク
:海外の株式や公社債、REIT、オルタナティブ資産は外貨建資産ですので、為替変動の影響を受けます。
そのため、為替相場が円高方向に進んだ場合には、投資元本を割り込むことがあります。
新興国への投資は上記リスクに加えて以下のカントリーリスクを伴います。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
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