2016/ 10/25 投資情報部 シニアコモディティアナリスト 津賀田 真紀子 コモディティ・マーケット・ トピックス 金相場、4ヵ月ぶりの安値圏に 米金融政策を見極める流れが続く可能性 米追加利上げ観測を背景に為替相場がドル高に傾いていることが金先物相場の重しに 金先物価格の理論値と実際の価格との値差は拡大傾向にあったが、足元では再び縮小している。目先 の下値メドは、6月につけた1,205.4ドルが意識される可能性 ただし、ETF経由の投資需要が高水準で推移していることは金先物相場にとって一定の下支え要因に NY金価格は4ヵ月 ぶりの安値圏に ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場の上値が重い。12 月限の 10/24 時点 の終値は 1 トロイオンス=1,262.0 ドルと中心限月の清算値ベースで 6 月上旬以来、約 4 ヵ 月ぶりの安値圏にある。米連邦準備理事会(FRB)が 12 月の米連邦公開市場委員会 (FOMC)で追加利上げに踏み切る可能性が高いとみられていることから、為替相場がド ル高に傾いているためだ。金は金利を生まない資産であるため、米金利とドルの上昇は 金相場にとって逆風となる。当面は米金融政策を見極めようとする流れが続くものと思わ れ、不安定な値動きとなることが予想される。目先の下値メドとしては、6 月につけた 1,205.4 ドルが意識されることになるだろう。 米債券利回り差とNY金先物 主要商品年初来騰落率 (2016/1/4 → 2016/10/21) 亜鉛 ヒーティングオイル 北海ブレント 錫(スズ) WTI 鉄鉱石 天然ガス 銀 ガソリン 金 ニッケル 鉛 パラジウム アルミ 白金 銅 (1オンス=ドル) 1,900 (週次:2011/1/7~2016/10/21) (%) 3.0 2.8 1,800 2.6 1,700 2.4 1,600 2.2 2.0 1,500 1.8 17.7 1,400 1.6 1,300 1.4 1.2 1,200 1,100 0 10 20 30 40 NY金先物(左目盛) 1.0 米国債利回り差 10年-2年(右目盛) 0.8 1,000 50 (%) 11/1 12/1 13/1 14/1 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 1 15/1 16/1 0.6 (年/月) 2016/10/25 コモディティ・マーケット・トピックス 理論値と実際の金 先物価格との値差 は縮小傾向に なお、NY 金先物価格の理論値(NY 金先物価格をドル指数、米 3 年物国債利回りを説 明変数に重回帰分析で算出)は、米金利とドル相場の上昇を映し、1,180 ドル近辺まで 下げている。米国の追加利上げ観測の後退に加え、欧州大手銀行の財務悪化懸念等 を背景に推計値と実際の金先物価格との値差は拡大傾向にあったが、足元では再び縮 小傾向にある。英国の欧州連合(EU)離脱問題や欧州銀行の経営不安等、依然として 金融市場における不透明感は残るものの、今後、再び推計値に沿った値動きに収れん されると仮定すれば、もう一段の下げ余地もあると考えられる。 ただし、上場投資信託(ETF)経由の投資需要は高水準で推移している。世界最大のド ル建て金 ETF である SPDR(スパイダー)ゴールドシェアの現物保有高は、10/21 時点で 953.56 トンとなっており、今年 7 月以降、2013 年 7 月以来の高水準を保っている。ETF を含む投資需要は世界全体の金需要の 4 割超を占めることから、金相場にとって一定の 下支え要因となるものと思われる。 NY 金先物と理論値の値差 C FT C 金 非商業筋ポジション (週次:2015/1/2~2016/10/21) (1オンス=ドル) 1,400 値差(右目盛) NY金先物(左目盛) 理論値(左目盛) 1,350 (千枚) 400 (1オンス=ドル) 150 買残(左目盛) 売残(左目盛) ネット(右目盛) 350 300 100 (千枚) 350 (週次:2013/1/1~2016/10/18) 300 250 1,300 1,250 250 200 50 150 1,200 200 100 0 150 50 1,150 0 ▲ 50 100 ▲ 50 1,100 ▲ 100 ▲ 100 1,050 50 ▲ 150 15/1 15/7 16/1 ▲ 200 13/1 ▲ 150 (年/月) 1,000 16/7 (注) 理論値は NY 金先物、ドル指数、米 3 年物国債利回りを基に重回帰分析で算出 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 14/1 14/7 15/1 15/7 0 16/7 (年/月) 16/1 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 SPDRゴールドシェア現物保有高とNY金先物 世界金需要 (四半期:2013/6~2016/6) (トン) 900 13/7 (週次:2013/1/4~2016/10/21) (1オンス=ドル) (トン) 1,450 1,800 SPDR現物保有高(右目盛) 800 1,700 700 500 1,050 公的機関 400 1,150 1,500 投資用 1,400 950 工業用 1,300 300 850 1,200 200 750 1,100 100 0 13/6 13/12 14/6 14/12 15/6 15/12 16/6 1,350 1,250 1,600 宝飾品 600 NY金先物(左目盛) 650 1,000 (年/月) 13/1 出所:ワールド・ゴールド・カウンシルのデータよりみずほ証券作成 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7 16/1 16/7 550 (年/月) 出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 22 2016/10/25 コモディティ・マーケット・トピックス 金融商品取引法に係る重要事項 ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投 資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負担いただ きます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手 数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含む)、国や地域 の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込むことがあり、損失を被るこ とがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与えることがあ ります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が当該証券の 高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売却してお客さ まの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市場があっても当該証券の 流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生しても本邦投資家が取り扱いできないこ とがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商品取引法に基 づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および諸費用の額 は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳細は当社の担当者まで お問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に対して最大 1.08%+2,700 円(税込 み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対 して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別途手数料お よび諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負 担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を 委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取引口座管理 料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替 レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客さま向け 資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-161025- 05 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 33
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