学ぶ意欲を向上させる校外連携活動の研究開発と地域展開 玉野高校地域連携推進チーム 代表者:福本まゆみ ●研究・実践活動のねらいと期待する成果 (1)ねらい 本研究活動を行い、大学や企業との校外連携活動の幅 をさらに広げ、また市内の中学校との連携を図ることで、 ③博物館をテーマとしたプレゼンテーション実習 ●研究・実践活動の内容と方法 (1)本校生徒を対象とした校外連携活動モデルの開発と 実施 ①最先端科学をテーマとしたプレゼンテーション実習 4月25日に玉野高校において実施、講師は中部 大学教授・井上徳之氏、参加者は本校1年生39名・ 本校教員5名・玉野市教育委員会1名 ②医療と健康をテーマとした講義と実験指導 5月23日に玉野高校において実施、講師は川崎 たアンケートから、先端科学技術や医療のことについて ん効果的であることが実証されたが、本校からの校外連 もっと知りたくなったかどうかの問に対して、回答の平 携活動への参加生徒は学年生徒の約30%であった。ま 均は4.4であった(もっと知りたいが5、知りたくない た、参加教員も全教員の約30%であったことから、参 を工夫する必要があると考えている。 者は本校1年生31名・本校教員2名 考えられる。 ④活動のまとめとプレゼンテーション作成 (2)校外連携活動を推進するために必要なノウハウや、 (2)継続的な活動への発展 平成27年度の活動に必要な経費は、本研究助成の助 連携先との密接な関係づくりを行うことができた。 成金より支出したが、平成28年度以降はどのようして 今回の研究活動を機に、特に川崎医科大学現代医学教 経費を支出し、活動を継続するのかという点が課題であ 育博物館との連携が深まり、プレゼンテーション実習だ る。その解決に向けては、大学が行う研究活動のアウト けでなく、標本づくりや共同研究を計画できた。また、 リーチとして位置づけることによって、大学の研究経費 電子顕微鏡についても、平成27年度に引き続き、28年 での実践の可能性を探求することや、企業CSRの活用 5月12日〜翌年3月7日に株式会社日立ハイテク 度も株式会社日立ハイテクノロジーズよりの無償貸与を を計画する必要があると考えている。実際に、平成28 ノロジーズより無償貸与された走査型電子顕微鏡 受け、本校生徒の研究活動や校外連携活動に利用できる 年度も株式会社日立ハイテクノロジーズのCSRによる TM3030を使用するとともに電子顕微鏡に関する書 ことが決定した(平成28年4月末現在) 。 電子顕微鏡の無償貸与が決定しており、本校生徒が行う 者は玉野高校1年生44名・本校教員5名 ③地域全体の学ぶ意欲を向上させること。 活動のモデルが、生徒や地域の学ぶ意欲の向上にたいへ 加生徒及び教員数の増加に向けて、呼びかけや広報活動 上を図ることができると考える。 域連携活動を行うこと。 校外連携活動に参加した本校生徒に対し、実施後に行っ 徒の学ぶ意欲の向上に対して、効果的な内容であったと 科大学現代医学教育博物館課長・中村信彦氏、参加 ②高校と中学校とのネットワークを作り、共同して地 今年度の研究活動により、作成したこれらの校外連携 が1)。この結果から、今回実施した校外連携活動が生 グラムを開発することができ、地域全体の学ぶ意欲の向 発し、その展開方法に関するノウハウを得ること。 を開発できた。 (1)学校全体の活動への拡充 6月20日に川崎医科大学現代医学教育博物館にお 7月29日に玉野高校において実施、講師は川崎医 ①生徒が学ぶ意欲を高める校外連携活動のモデルを開 (1)本校生徒が学ぶ意欲を高める校外連携活動のモデル ●残された課題とその解決への展望 いて実施、講師は同博物館課長・中村信彦氏、参加 モデルケースとしてのより効果的な校外連携活動のプロ (2)期待した成果 ●得られた成果及び評価 ⑤企業との連携による電子顕微鏡を用いた活動テーマ の研究 籍のプレゼンテーションでの活用を研究、参加者は 本校1〜3年生のべ52名・本校教員のべ10名 (2)中学校とのネットワークによる地域連携活動の実施 (3)高校と中学校とのネットワークを形成でき、連携活 動を実践できた。 少数であったものの、本校を会場に行った自由研究作 ①中学生に向けた校外連携活動の成果プレゼンテーション 戦会議に参加した中学生の本人及び保護者の満足度は高 7月31日に玉野高校において実施、参加者は本校 く、参加した本校生徒や教員が町で呼び止められ、本人 生徒7名、玉野市内中学生12名、玉野市内中学校教 やその保護者から玉野市の自由研究コンクールで入賞し 員4名 た報告を受けることが何度もあった。そして、それが成 ②電子顕微鏡を用いた夏休み自由研究作戦会議の開催 8月1日・2日に玉野高校において実施、参加者 功体験となり、中学生や保護者の学びに対する意欲を向 上させることができたと考えている。 研究活動や中学生対象の自由研究作戦会議、さらには地 域全体の学ぶ意欲の向上を目的とした講座への利用を計 画している。 (執筆者:藤田 学) 〈参考文献およびWebページ〉 株式会社日立ハイテクノロジーズ Hitachi High-Tech TV 「日立卓上顕微鏡 TM3030納入事例:はまぎん こど は本校生徒2名・玉野市内中学生9名・中学生の保 も宇宙科学館編」 護者7名 https://www.youtube.com/ watch?v=zP29KXV6M8M 医科大学教授・森谷卓也氏、川崎医科大学現代医学 教育博物館課長・中村信彦氏、参加者は本校1年生 〈共同研究者〉 37名・本校教員5名 岡山県立玉野高等学校 近藤隆志、延兼 稔、川俣真砂美、竜門 巧、 奥村博文、藤田 学、石原勢太郎、春田竜太朗、 横山 寿(会計担当) 博物館をテーマとしたプレゼンテーション実習を終えて 〈連絡先〉 岡山県立玉野高等学校 〒706-8555 玉野市築港3-11-1 TEL:0863-31-4321 FAX:0863-31-4323 HP:http://www.tamano.okayama-c.ed.jp/ E-mail:[email protected] 医療と健康をテーマにした講義と実験 60 中学生に向けた校外連携活動の成果プレゼンテーション 子どもたちの学力向上を図る研究・実践活動 61
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