みずほ欧州経済情報 2016年10月号 ◆ トピック 「ハード・ブレグジット」懸念が強まる英国 メイ首相は、保守党党大会の演説の中で、移民管理を含む 主権の回復に強い意欲を示した。 「ハード・ブレグジット」 となれば英金融サービス業への影響等が懸念される。 ◆ 景気判断 ユーロ圏景気は10月以降も回復が継続 企業業況感は景気回復ペースの加速を示唆している。ただ し、企業の投資意欲が弱いことなどから、加速の持続性に 関しては慎重にみておくべきだろう。 1.トピック:「ハード・ブレグジット」懸念が強まる英国 英ポンドが急落 為替市場で英ポンドが急落している。英ポンドは、対ドルで一時 31 年ぶ りの水準となる 1 ポンド=1.18 ドル台まで売り進まれた。英政府が、離脱後 のEUとの関係性を定める新協定の交渉において、 「EU単一市場への参加」 よりも「移民制限」を優先させるのではないかという、 「ハード・ブレグジ ット」の思惑が為替市場で強まったことが背景にある。 10 月 2~5 日に英中西部バーミンガムで行われた保守党党大会において、 メイ首相は、 「我々は、完全に独立した主権国家に向かう。 ・・ (中略) ・・我々 は、如何に移民を管理するかを自ら決するだろう」と発言し、移民管理を中 心とした主権の回復に強い意欲を示した(図表 1) 。 一方で、EU域内での自由な財・サービスの移動を可能にする単一市場へ の参加について、メイ首相は「EUとの新協定を交渉するにあたり、我々は、 可能なかぎり最善の取り組みを行う。 ・・ (中略) ・・その中には、財やサー ビスの自由貿易も、私は含めたい」と述べている。主権維持や移民管理に関 する発言と比べると、トーンは弱い。 「脱退通告」は 2017 年 3 月までに実施 また、メイ首相は、英国のEU離脱交渉開始のトリガーとなるEU条約第 50 条に基づく「脱退通告」を、これまでの「2016 年内は行わない」との方 針から一歩進め、 「2017 年 3 月までに実施する」ことを表明した。首相は、 「脱退通告」は、下院での決議を行わず、政府の独自判断で行うという方針 も併せて示している。 もっとも、主権や移民問題に重点を置いた党大会での首相演説は、残留派 であるメイ首相が自党のEU懐疑派に配慮した結果である可能性がある。政 府内にはハモンド財務相をはじめ残留派議員も複数おり、英政府としてのE U離脱に向けた交渉方針は、まだ最終的に固まっているわけでは無い。10 月 17 日付けFT紙報道では、 「メイ首相は単一市場への参加の可能性を除外し ないよう、非常に注意深くなっている」とのある閣僚のコメントを報じてい る。英政府は、依然として、 「移民制限」と「EU単一市場への参加」の同 時達成の可能性を模索している状況にあると考えられよう。 「ハード・ブレグジット」 仮に単一市場へのアクセスが失われた場合、国内における地盤沈下が最も で懸念される金融セクタ 懸念されている産業の一つは、金融サービス業であろう。現在、在英金融機 ーへの影響 関がEU諸国に対して国境を越えた金融サービスを提供できているのは、あ る一カ国で免許を得れば全てのEU諸国に対して金融サービスの提供が可 能となるEUの単一パスポート制度があるためだ。このため、英国がEUか ら離脱すれば、英国で単一パスポートを取得している在英金融機関は、大陸 に対して自由な金融サービスの提供が行えなくなると懸念されている。 単一パスポートは、提供する金融サービスの内容により種類が異なり、預 金や貸出サービス等を提供する銀行に適用される「欧州資本要求指令(CR D)パスポート」や、投資サービスを提供する金融機関に提供される「金融 商品市場指令(MiFID)パスポート」などがある。英国のシンクタンクであ るオープン・ヨーロッパは 10 月 17 日付けのレポートにおいて、特に重要と 1 みずほ欧州経済情報(2016 年 10 月号) 考えられる「CRDパスポート」について、二国間合意か、自由貿易協定の 中で個別にEUと合意すべきであるとの提言を行っている。 厳しい姿勢を示すフラ しかし、移民制限を行いつつ、金融サービスの自由なEU市場へのアクセ スを得るという「良い所取り」は、政治的に難しい。特に厳しい姿勢を示し ンス ているフランスでは、国を挙げて欧州の金融センターとしての地位をロンド ンからパリに移そうとしている。バルス仏首相は 7 月に行われたフランスの 金融業界団体であるユーロ・プレイスの年次総会で、 「我々は、未来の金融 キャピタルを作りたい。 ・・ (中略) ・・一言で言えば、今こそフランスに移 転する時だ」と述べている。ビルロワ・ドガロー仏中銀総裁も、ラジオ番組 の中で「英国が単一市場にとどまる限り、シティは巨大な欧州の金融センタ ーであろう。しかし、もし明日、英国が域内市場から出れば、シティは欧州 の(単一)パスポートを維持することは出来ない」と述べている。他方、同 総裁は在英金融機関がフランスに拠点設立を申請する場合は、早期に当局が 申請を検討することを約束している。 EUとの交渉は厳しい ものに 英国政府が目指す、 「移民制限」と「EU単一市場への参加」の同時達成 を今のところEUは認めていない。EU側が妥協する可能性は現時点では低 く、英国は「移民制限」と「EU単一市場への参加」の二択をどこかのタイ ミングで迫られる可能性がある。筆者自身は、移民制限が国民投票で英国民 が示した意思の一部であることを考えれば、英政府は移民制限を最終的には 優先させるのではないかと考えている。その場合、英政府はEU単一市場へ の参加の代わりに、EUとの間で自由貿易協定を結ぶことで、金融サービス の自由化を含めた、可能な限り最善の取り決めをEUと結ぼうとすると予想 される。しかし、前述のとおり、それは政治的に簡単では無い。英国は、こ れからEUとの厳しい交渉に直面することになるだろう。 図表1 メイ首相の保守党党大会での演説(抜粋) 国民投票の結果 国民投票の結果は明らか。これは法に則ったもの。離脱は離脱で あり、我々はその成功に向かい進む。 移民 我々は、独立した主権国家が行うことを行う。我々は、如何に移民を管理するかを自ら決するだろう。 単一市場 EUとの新協定を交渉するにあたり、我々は、可能な かぎり最善の取り組みを行う。その中には、財やサービスの 自由貿易も、私は含めたい。 ブレグジット後の英国 我々は、完全に独立した主権国家に向かう。我々は食料品への表示の問題から移民の管理方法まで、全ての事 柄を自ら決定する自由を持つ。 EUへの「脱退通告」 脱退通告は、2 017 年3月まで に実施する。 脱退通告における議 脱退通告の実施は政府単独の役割である。(議会での投票を必要とするとの主張は)ブレグジットを成功させようと 会の役割 いうのではなく、遅らせることで骨抜きにしようとしているものだ。 スコットランド・北部ア 我々は、「一つの英国」として国民投票を行い、「一つの英国」として交渉し、「一つの英国」としてEUを離脱する。ブ イルランド等 レグジットのオプト・アウトはない。 1972年欧州共同体 法の廃棄 EU法の英国への優位性は終了する。しかし、労働者の既得権益は守られる。 情報開示 我々は、交渉過程についていちいち説明は出来ない。なぜなら、交渉の先行きは分からないからだ。 EUとの新協定 新協定は、「ノルウェー・モデル」でも、「スイス・モデル」でもない。それは、独立した主権国家である英国とEUの新た な協定だ。 (資料)メイ首相演説、BBCより、みずほ総合研究所作成 2 みずほ欧州経済情報(2016 年 10 月号) 2.ユーロ圏経済の概況:10 月以降も景気回復が継続 7~9 月期は個人消費を 7~9 月期のユーロ圏GDP成長率は 4~6 月期と同程度の水準を維持し、 中心にプラス成長とな 緩やかな景気回復の持続を示すとみられる(1 次速報は 10/31 公表予定)。景 った模様 気回復は個人消費が中心であり、固定投資は力強さを欠いたと推察される。 機械投資の一致指標である資本財販売は低調であり、景気の先行きに対する 不確実性が残存する中、企業が引き続き投資に慎重であることを示唆してい る(図表 2)。外需については、輸出が停滞する一方、輸入が大幅に増加した とみられ、外需寄与度はマイナスに転じたと予想される。 10 月以降も景気回復が 10 月以降もユーロ圏では景気回復が続いている模様である。GDP成長率 続く。回復ペースに加速 との連動性が高いユーロ圏合成PMIは、10 月(53.7)も景気判断の節目とな 感がうかがわれるが持 る 50 を上回った(図表 3)。同PMIは 9 月(52.6)より大幅に上昇しており、 続性は楽観できず ユーロ圏の景気回復ペースには加速感がうかがわれる。とは言え、加速が持 続的であるかは慎重にみておくべきだろう。欧州中央銀行の銀行貸出態度調 査では、企業の借入需要の弱さが示され、その一因として固定投資向け資金 需要が弱いことが挙げられている(図表 4)。先行きに対する不確実性が残存 する中、投資意欲は引き続き低調であり、投資の弱さがユーロ圏景気回復の 重石になると考えられる。 各国の 2017 年予算案が ユーロ圏各国の 2017 年予算案がほぼ出揃った。景気変動や一時的政策の 発表に。イタリアとスペ 影響を除いた構造的財政収支は、ユーロ圏全体で 2017 年にGDP比▲0.8% インは方針を転換 となり、2016 年(同▲0.9%)から赤字幅がやや縮小する(図表 5)。ユーロ圏 全体でみれば、2017 年に小幅ながら緊縮財政が計画されている。 主要国では、ドイツやフランスが従来の方針を継続した一方、イタリアや スペインは方針を転換した。ドイツは 2017 年も財政黒字を見込む。欧州及 びドイツの財政ルール上、多少は赤字国債の発行が可能だが、財政健全化こ そが経済成長の基盤を強化するとの考えにより、ドイツ政府は財政均衡また は財政黒字にこだわり続けている。フランスは今春の中期財政計画と同様に 緊縮財政を予定し、 財政赤字は 2017 年に縮小するとの見通しを立てている。 一方、イタリアは 2017 年に財政赤字の拡大、即ち、拡張財政を見込んで おり、緊縮財政を予定していた今春の中期財政計画から方針を転換する。政 府は難民や地震関連の「一時的な」歳出増が理由と説明している。しかし、 報道によると、どこまでを一時的な歳出と認めるかに関し、予算案を審査す る欧州委員会と政府で意見が対立している模様である。 スペインでは 2017 年の財政赤字が 2016 年から横ばいとなる。今夏、スペ インは財政健全化への取り組みが不十分との理由で制裁金を科せられそう になったが、欧州委員会は 2017 年も緊縮財政を実施することを求めるにと どめた。今回の予算案は欧州委員会の求めに反する内容であり、今後、スペ イン政府は修正を要求されるだろう。しかし、与党である国民党が単独で過 半議席を有していないことなどから、緊縮財政の実施に向けたハードルは高 い。昨年末の選挙以降、国民党は政権が発足できないという問題に頭を悩め てきたが、今度は欧州委員会からの圧力に悩むことになりそうだ。 3 みずほ欧州経済情報(2016 年 10 月号) 図表 2 (前期比、%) 5 4 3 2 1 0 1 2 3 4 図表 3 ユーロ圏PMI (Pt) 資本財販売(域内向け) 機械投資 55 54 拡 張 53 ← 景 気 52 51 → ▲ ▲ ▲ ▲ ユーロ圏機械投資と資本財販売 2010 11 12 13 14 縮 50 小 49 2014/10 15 16 (年/四半期) 図表 4 図表 5 ← 20 ▲0.8 ▲ 1.1 ▲0.9 ▲ 1.0 ▲ 1.2 ▲ 1.5 ユーロ圏 フランス ▲ 1.6 ▲ 1.6 イタリア → ▲ 2.0 スペイン ▲ 2.5 ▲ 50 ▲ 2.7 2010 11 12 13 14 図表 6 ▲ 2.7 ▲ 3.0 15 16 (年/四半期) 2016 (注)銀行からみた企業の資金需要。調査期間は 9/12~27。 (資料)ECBよりみずほ総合研究所作成 17 (年) (注)ユーロ圏は、2017 年予算案上の各国の財政収支を加重 平均。財政収支の悪化(改善)は拡張(緊縮)財政を表す。 (資料)各国財務省よりみずほ総合研究所作成 ユーロ圏景気の全体感を示す主要統計 Q1 2016 Q2 2016 Q3 2016 Q4 2016 2016/05 2016/06 2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 ユーロ圏(19カ国) 前期比、% 0.5 0.3 n.a. n.a. - - - - - - ドイツ 前期比、% 0.7 0.4 n.a. n.a. - - - - - - フランス 前期比、% 0.7 ▲ 0.1 n.a. n.a. - - - - - - イタリア スペイン 前期比、% 0.0 0.8 n.a. n.a. n.a. n.a. - - - - - - 前期比、% 0.3 0.8 ユーロ圏合成PMI Pt 53.2 53.1 52.9 53.7 53.1 53.1 53.2 52.9 52.6 53.7 ユーロ圏製造業PMI Pt 51.7 52.0 52.1 53.3 51.5 52.8 52.0 51.7 52.6 53.3 ユーロ圏サービス業PMI Pt 53.3 53.1 52.6 53.5 53.3 52.8 52.9 52.8 52.2 53.5 長期平均=100 104.0 104.3 104.3 n.a. 104.6 104.4 104.5 103.5 104.9 n.a. 1.7 1.5 1.5 1.6 - - - - - - 末値、% 0.00 0.00 0.00 n.a. 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 末値、% 0.16 ▲ 0.13 ▲ 0.19 n.a. 0.15 ▲ 0.13 ▲ 0.18 ▲ 0.13 ▲ 0.19 n.a. 末値、€/$ 1.14 1.11 1.12 n.a. 1.11 1.11 1.12 1.11 1.12 n.a. ユーロ圏ESI 金融 ユーロ圏・主要国の構造的財政収支 ▲ 0.5 ▲ 30 減 少 ▲ 40 見通し (年/月) (構造的財政収支(GDP比)、%) 固定投資向け資金需要 10 借 0 入 需 ▲ 10 要 ▲ 20 景況感 16/10 サービス業 企業の銀行借入需要 (DI、%Pt) 実質 GDP 成長率 製造業 (資料)Markit よりみずほ総合研究所作成 ユーロ圏企業の銀行借入需要 30 増 加 15/10 合成PMI (注)資本財販売はユーロ圏製造業の域内向け資本財販売額 (対応する生産者物価で実質化)。2016Q3 は 7 月(実績) と 8 月(ドイツの結果を踏まえて推計)の平均値。 (資料)Eurostat よりみずほ総合研究所作成 専門家調査(当年のユーロ圏GDP成長率、%) ECB主要政策金利 ドイツ10年国債利回り ユーロ/ドル (資料)Eurostat、欧州委員会経済金融総局、ECB、Markit、Datastream よりみずほ総合研究所作成 4 みずほ欧州経済情報(2016 年 10 月号) 3.ユーロ圏内外需動向:輸出は停滞。生産・消費は回復 ユーロ圏輸出は停滞。た ユーロ圏の輸出は停滞している。8 月のユーロ圏域外輸出金額(国際収支統 だし改定により、今春以 計の財・サービス輸出金額)は前月比+0.4%と小幅な増加にとどまり、均す 降は底堅く推移してい と横這い推移である。もっとも、輸出の基調はこれまでみていたよりも底堅 たことが判明 い。4~7 月分が改定された結果、4~6 月期は前期比▲0.0%(改定前:同▲ 1.0%)、7・8 月平均の 4~6 月期比は▲0.1%(改定前:7 月の 4~6 月期比▲ 1.0%)と改定前から上振れた(図表 7)。今後に関しては、輸出受注の改善な どを踏まえると、輸出は持ち直すと考えられる。 ユーロ圏の輸入は回復傾向にある。8 月のユーロ圏域外輸入金額は前月比 ▲0.4%と減少したが、7・8 月平均は 4~6 月期比+1.1%と増加した。輸出 と同様、輸入も 4~7 月分が改定されており、これまでみていたよりも輸入 の基調は強い(図表 8)。輸出が停滞し、輸入が増加した結果、7~9 月期のG DP成長率に対する外需寄与度はマイナスに転じたと予想される。 ユーロ圏生産は大幅増 8 月のユーロ圏鉱工業生産は前月比+1.5%と大幅に増加した(図表 9)。ド だが季節要因の剥落が イツ(同+3.1%)が輸送機械業を中心に反発し、ユーロ圏全体を押し上げた。 主因とみられる もっとも、ドイツにおける輸送機械業などの反発は、7 月(同▲1.9%)の減 産を主導した季節要因の剥落が主因と思われる。生産の先行指標である製造 業受注が 8 月も緩やかな改善にとどまったこと、自動車生産台数が 9 月に弱 含んだことなどを踏まえると、8 月並みの増産は持続せず、先行きの生産回 復ペースは緩やかになると考えられる。 ユーロ圏消費は回復。国 ユーロ圏の個人消費は回復している。8 月のユーロ圏小売数量は前月比± 毎の動向はまちまちで 0.0%となり、改善傾向を維持した。9 月のユーロ圏新車登録台数は同+4.9% あり、フランスでは消費 と 4 カ月ぶりに増加し、7~9 月期では前期比+0.5%と持ち直した。他方、 減が続く 企業サーベイを踏まえると、サービス消費は引き続き力強さを欠いている模 様である。 国別にみると、消費動向はまちまちである(図表 10)。ドイツでは財を中心 に緩やかな消費回復が続いている。スペインでは消費回復の勢いが強い。失 業率が高いなど、消費を取り巻く環境は決して良好ではないが、海外からの 観光客増加が消費の下支え要因になっていると考えられる。一方、イタリア では消費が停滞気味である。フランスでは消費が落ち込んでおり、7~9 月期 も個人消費がGDP成長率を押し下げた可能性が高い。相次ぐテロによって 観光客離れが続いていることが、消費不調の一因とみられる。 5 みずほ欧州経済情報(2016 年 10 月号) 図表 7 244 ユーロ圏輸出金額 図表 8 改定前 (10億ユーロ) 214 改定後 242 ユーロ圏輸入金額 改定前 (10億ユーロ) 改定前 212 210 240 改定後: 輸出は横這い 238 208 改定後: 輸入は3月以降回復 206 204 236 202 234 200 198 改定前: 輸出は減少基調 232 230 2015/2 15/5 15/8 15/11 16/2 16/5 194 2015/2 16/8 (年/月) (注)国際収支統計の財・サービス輸出金額。 (資料)ECBよりみずほ総合研究所作成 図表 9 図表 10 (2015/1=100) 106 102 101 100 99 15/8 15/11 ドイツ イタリア 16/2 16/5 16/8 スペイン (年/月) 16/5 16/8 (年/月) ユーロ圏・主要国消費関連統計 図表 11 Q1 2016 7~9月期 ▲ 0.3 ▲ 2.3 ▲ 0.4 0.3 ▲ 1.3 ▲ 1.2 0.1 ▲ 1.8 1.0 2.5 1.7 ▲ ▲ ▲ ▲ ▲ フ ラ ン ス の 消 費 は 減 少 が 続 く 0.5 2.3 0.7 0.4 2.4 0.2 0.1 0.7 1.0 0.8 1.3 (注)小売及び外食・宿泊業販売の 7~9 月期は 7・8 月平均 または 7 月の対 4~6 月期比。 (資料)Eurostat、ECBなどよりみずほ総合研究所作成 (資料)Eurostat、各国統計局よりみずほ総合研究所作成 ユーロ圏内外需関連統計 Q2 2016 Q3 2016 Q4 2016 2016/05 2016/06 2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 鉱工業生産 ユーロ圏(19カ国) 前期比、% 0.8 ▲ 0.2 0.1 n.a. ▲ 1.4 0.8 ▲ 0.7 1.5 n.a. ドイツ 前期比、% 1.6 ▲ 0.5 0.0 n.a. ▲ 1.2 1.3 ▲ 1.9 3.1 n.a. n.a. フランス 前期比、% ▲ 0.4 ▲ 0.2 ▲ 0.1 n.a. ▲ 0.6 ▲ 0.8 ▲ 0.4 2.1 n.a. n.a. イタリア 前期比、% 0.7 ▲ 0.2 1.1 n.a. ▲ 0.6 ▲ 0.3 0.7 1.7 n.a. n.a. スペイン 前期比、% 0.2 0.5 0.8 n.a. ▲ 0.5 0.3 0.1 1.4 n.a. n.a. % 81.9 81.5 81.6 0.0 - - - - - - 前期比、% ▲ 1.3 ▲ 0.3 ▲ 0.8 n.a. 0.2 0.4 ▲ 1.1 n.a. n.a. n.a. n.a. ユーロ圏設備稼働率 ユーロ圏製造業受注 (大型輸送機器除く) ユーロ圏経常収支 n.a. 億ユーロ 29.1 31.6 28.7 n.a. 33.1 26.9 27.7 29.7 n.a. ユーロ圏財・サービス輸出 前期比、% ▲ 1.5 ▲ 0.0 ▲ 0.1 n.a. ▲ 0.5 0.4 ▲ 0.4 0.4 n.a. n.a. ユーロ圏財・サービス輸入 前期比、% ▲ 2.5 ▲ 0.4 1.1 n.a. 0.4 ▲ 0.2 1.3 ▲ 0.4 n.a. n.a. ユーロ圏実質雇用者報酬 前期比、% 1.0 0.2 n.a. n.a. - - - - - - % 10.3 10.1 10.1 n.a. 10.1 10.1 10.1 10.1 n.a. n.a. ユーロ圏小売数量 前期比、% 0.7 0.2 0.4 n.a. 0.4 0.0 0.3 0.0 n.a. n.a. ユーロ圏新車登録台数 前期比、% 3.4 ▲ 0.4 0.5 n.a. 0.2 ▲ 1.0 ▲ 0.2 ▲ 0.4 4.9 n.a. ユーロ圏失業率 家計 16/2 4~6月期 103 雇用 15/11 小売数量 ドイツ 新車登録台数 外食・宿泊業販売 小売数量 フランス 新車登録台数 外食・宿泊業販売 小売数量 イタリア 新車登録台数 小売数量 スペイン 新車登録台数 外食・宿泊業販売 104 外需 15/8 (単位:前期比%) 105 企業 15/5 (注)国際収支統計の財・サービス輸入金額。 (資料)ECBよりみずほ総合研究所作成 ユーロ圏・主要国鉱工業生産 2015/2 15/5 ユーロ圏 フランス 改定前: 輸入は7月に底入れ 196 (資料)Eurostat、欧州委員会経済金融総局、ECBよりみずほ総合研究所作成 6 みずほ欧州経済情報(2016 年 10 月号) 4.ユーロ圏物価動向:コア・インフレ率は横這い推移にとどまる ユーロ圏インフレ率は 9 月のユーロ圏インフレ率(消費者物価)は前年比+0.4%と、8 月(同+ 上昇。しかしコア・イン 0.2%)から上昇した(図表 12)。エネルギー物価の下落幅が縮小したことが主 フレ率は横這い推移に 因である。基調的な物価動向を表すコア・インフレ率(エネルギー・食品等 とどまる を除く総合)は同+0.8%と、過去半年ほど横這い推移にとどまっている。為 替面からの物価押し上げ圧力が剥落したこと、雇用環境が良好なドイツを含 めてユーロ圏の賃金上昇圧力が弱いこと、企業が値上げに対して慎重である ことなどが背景にある(図表 13)。 ECBは金融政策を据 10 月 20 日の政策理事会において、欧州中央銀行(ECB)は金融政策の現 え置き。事前の注目度の 状維持を決定した。資産購入プログラム(APP)の最低実施期限が近付く中、 高かった 2 点について理 10 月上旬には、資産購入額の縮小(いわゆるテーパリング)観測が生じていた。 事会は議論せず このため、今回の理事会において、資産購入プログラムの期間延長と出口戦 略という 2 つの相反する点に関して新たな情報が得られないか期待する見方 があった。こうした見方に対し、ドラギ総裁は両方とも今回の理事会では議 論していないと述べた。 次回理事会でECBは しかし、ドラギ総裁は、12 月理事会ではECBスタッフの経済見通しやA APPの実施期限の延 PPの円滑な実施に向けたECB内での作業の成果などの新たな情報が得 長や購入債券の条件変 られ、同理事会における決定がその後数カ月の金融政策を明確にすると付言 更を決定する見込み した。この発言を踏まえると、次回 12 月理事会において、ECBはAPP に関する新たな決定を行う可能性が極めて高いと言える。 結論から述べると、次回 12 月理事会では、APPの最低実施期限が延長さ れると共に、購入債券の条件が変更されるだろう。ECBは、基調的なイン フレ率が上昇傾向となる兆候がみられないと認めている。企業の値上げ見通 しや賃金動向などを踏まえると、今後も当面は同様の状況が続くと考えられ、 ECBがAPPを 2017 年 3 月で終了することは困難と思われる。一部国で APPの対象債券が不足していくとみられる点を踏まえると、APPの延長 には購入条件の変更が必要とも考えられる。 購入条件の変更の選択肢は様々だが、銘柄や発行体毎に設定された購入上 限(ECBの購入残高は発行残高の 33%が上限)が修正される蓋然性が高い。 マイナス金利が続く中、更なる金利低下に繋がり得る措置(預金ファシリテ ィ金利の引き下げや、預金ファシリティ金利を下回る利回りの銘柄の購入な ど)は実施の可能性が低いと考えられる。APPや負の預金ファシリティ金 利に起因して収益が損なわれていると指摘する銀行が多い中、ECBは一段 の金利低下を避けると推察されるからだ。ECBの銀行貸出態度調査では、 APPや負の預金ファシリティ金利で純金利収入が減少すると回答した銀 行が、増加すると回答した銀行を大幅に上回った(図表 14)。債券利回りや貸 出利鞘の低下が背景とみられる(図表 15)。APPによる金利低下でキャピタ ルゲインは発生しているものの、純金利収入を通じた悪影響の方が大きいよ うである。 7 みずほ欧州経済情報(2016 年 10 月号) 図表 12 ユーロ圏インフレ率 (前年比、%) 1.2 図表 13 ユーロ圏企業の値上げ見通し (前年比、%) 0.0 20 ▲ 0.5 0.9 15 ▲ 1.0 0.6 値 上 げ ▲ 1.5 ▲ 2.0 ▲ 2.5 0.0 → ▲ 3.5 ▲5 値 下▲ 10 2009/9 10/9 げ ▲ 4.0 ▲ 0.6 2015/9 15/12 16/3 16/6 ユーロ圏インフレ率 コア・インフレ率 エネルギー・食品・アルコール・煙草(右目盛) 16/9 (年/月) 図表 14 ECB銀行貸出態度調査 負の預金 ファシリティ金利 が理由 純金利収入への影響 12/9 13/9 14/9 15/9 16/9 (年/月) 図表 15 ユーロ圏向け貸出・預金金利の差 (%) (「プラスの影響」-「マイナスの影響」、%pt) APP が理由 11/9 (注) 消費関連業種の今後 3 カ月の値上げ見通しDIの加重平均値。 (資料)欧州委員会よりみずほ総合研究所作成 (資料) Eurostat よりみずほ総合研究所作成 40 20 0 ▲ 20 ▲ 40 ▲ 60 ▲ 80 ▲ 100 5 0 ▲ 3.0 ▲ 0.3 DIは伸び悩み。値上げに 対する企業の慎重姿勢を示唆 10 ← 0.3 (DI、%pt) APP が理由 (%) 4.0 2.70 3.5 2.65 3.0 2.60 2.5 2.55 2.0 2.50 1.5 2.45 1.0 2.40 0.5 2.35 0.0 2.30 2014/2 貸出 投資利益への影響 14/8 預金 15/2 15/8 16/2 預貸金利差(右目盛) 16/8 (注)ユーロ圏金融機関(中銀・保険・年金除く)の、ユーロ圏家計及び 非金融民間事業法人向けの預金及び貸出金が対象。種別・期間別 の実効金利を残高で加重平均したもの。 (資料)ECBよりみずほ総合研究所作成 (注)調査期間は 9/12~/27。過去半年に関する銀行の評価。 (資料) ECBよりみずほ総合研究所作成 図表 16 ユーロ圏物価関連統計 Q1 2016 物価 商品 ユーロ圏インフレ率 コア(エネルギー・ 食品等除く) エネルギー Q2 2016 Q3 2016 Q4 2016 2016/05 2016/06 2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 0.1 ▲ 0.1 0.3 n.a. ▲ 0.1 0.1 0.2 0.2 0.4 n.a. 前年比、% 1.0 0.8 0.8 n.a. 0.8 0.9 0.9 0.8 0.8 n.a. 前年比、% ▲ 7.4 ▲ 7.7 ▲ 5.1 n.a. ▲ 8.1 ▲ 6.4 ▲ 6.7 ▲ 5.6 ▲ 3.0 n.a. 食品・アルコール・タバコ 前年比、% 0.8 0.9 1.1 n.a. 0.9 0.9 1.4 1.3 0.7 n.a. 非エネルギー工業品 前年比、% 0.6 0.5 0.3 n.a. 0.5 0.4 0.4 0.3 0.3 n.a. サービス 前年比、% 1.1 1.0 1.1 n.a. 1.0 1.1 1.2 1.1 1.1 n.a. ドイツ・インフレ率 前年比、% 0.1 0.0 0.4 n.a. 0.0 0.3 0.3 0.3 0.6 n.a. フランス・インフレ率 前年比、% 0.0 0.1 0.4 n.a. 0.1 0.3 0.4 0.4 0.5 n.a. イタリア・インフレ率 前年比、% ▲ 0.0 ▲ 0.4 ▲ 0.0 n.a. ▲ 0.3 ▲ 0.3 ▲ 0.1 ▲ 0.2 0.2 n.a. スペイン・インフレ率 前年比、% ▲ 0.8 ▲ 1.0 ▲ 0.3 n.a. ▲ 1.1 ▲ 0.9 ▲ 0.7 ▲ 0.3 0.0 n.a. 生産者物価(消費財) 前年比、% ▲ 0.4 ▲ 0.5 n.a. n.a. ▲ 0.5 ▲ 0.4 ▲ 0.1 ▲ 0.1 n.a. n.a. 輸出物価 前年比、% ▲ 0.4 ▲ 2.5 n.a. n.a. ▲ 2.9 ▲ 1.7 ▲ 1.4 n.a. n.a. n.a. 輸入物価 前年比、% ▲ 4.9 ▲ 7.8 n.a. n.a. ▲ 8.5 ▲ 6.7 ▲ 4.5 n.a. n.a. n.a. ブレント原油(ユーロ建て) 前年比、% ▲ 34.3 ▲ 27.0 ▲ 8.7 n.a. ▲ 28.2 ▲ 21.4 ▲ 17.9 ▲ 2.8 ▲ 2.8 n.a. (資料) Eurostat、Datastream よりみずほ総合研究所作成 8 みずほ欧州経済情報(2016 年 10 月号) 5.英国経済の概況:7~9 月期はプラス成長を維持した模様 夏場もプラス成長を維 持した模様 7~9 月期の英GDP成長率は、4~6 月期より低下するもプラスを維持し、 国民投票後も英景気が底堅いことを示すとみられる。成長率との連動性が高 い英国立経済社会研究所(NIESR)の月次GDPは、9 月に前月比+0.3%と増 加し、7~9 月期は前期比+0.4%となった(図表 17)。 個人消費がプラス成長 をけん引 プラス成長をけん引したのは個人消費と思われる。9 月の小売数量(前月比 ▲0.1%)は小幅な減少にとどまり、7~9 月期は前期比+1.8%の大幅増とな った。新車登録台数は増加傾向にあり、7~9 月期は同+2.2%と増加に転じ た。これらの背景にあるのが雇用・賃金の改善である。8 月の就業者数(3 カ 月移動平均)は前月比+0.1%、同月の民間賃金(賞与除く、3 カ月移動平均) は同+0.2%と共に増加を続けた。住宅市況の底堅さや株価の上昇なども追 い風となり、消費者マインドは持ち直している(図表 18)。 先行きについては投資 先行きに関しては、 次の 2 つの理由から慎重な見方をしておくべきだろう。 が低調となり、消費は回 第 1 に投資の弱さである。イングランド銀行(BOE)の銀行信用状況調査で 復ペースが緩慢になる は、企業からの借入需要の減少が示され、その一因として固定投資の弱さが とみられる。更なるポン 指摘されている(図表 19)。来年に始まる英国・EUの交渉は難航しそうであ ド安などから消費失速 り、交渉がどのように決着するのか不確実性が極めて高い。こうした中、企 の恐れも 業の投資意欲は低調なままとなろう。第 2 に物価上昇である。9 月のインフ レ率(消費者物価)は前年比+1.0%に急上昇した(図表 20)。ポンド安の影響 が顕在化してきたようであり、インフレ率は今後も上昇が見込まれる。これ に伴って家計の実質購買力は低下し、消費回復は緩やかなペースとなろう。 懸念されるのは消費失速である。投資・消費を中心とした内需回復の遅れ が企業の採用意欲を冷え込ませたり、賃金の伸び悩みに繋がったりすれば、 家計所得の改善は見込み難い。他方、今後の英国・EUとの交渉に伴ってポ ンド安が進めば、物価上昇が一段と進む可能性がある。これらの結果、家計 の実質購買力は悪化し、消費は失速する恐れがある。 11 月インフレ報告書で BOEの景気見通しは ほぼ据え置きとなるも、 今月はBOEの金融政策委員会(MPC)がなかった(ECBと同様、BO EもMPCを年 8 回に削減)。 9 月MPCの議事録によると、11 月インフレ報告書における景気見通しが MPCが追加利下げに 8 月時点から改善しなければ、多くのMPC委員が追加利下げが視野に入る 踏み切るかは不透明 と指摘していたという。この点、11 月インフレ報告書における景気見通しは、 8 月時点からほぼ据え置きとなるだろう。7~9 月期のGDP成長率は、BO Eの想定(前期比+0.2%程度)から小幅な上振れにとどまりそうである 10~ 12 月期以降の景気見通しを大きく上方修正する材料にも乏しいと思われる。 もっとも、MPCは、景気見通しが改善しなくても金融政策を据え置く可 能性がある。追加利下げは更なるポンド安を招く可能性が高く、それは物価 上昇を通じて英景気の下振れに繋がる恐れがある。MPCは追加利下げに慎 重であると考えられる。金融市場では、11 月MPCでの利下げ確率が 10% 未満となっている。 以上 9 みずほ欧州経済情報(2016 年 10 月号) 図表 17 GDP公表値と月次GDP (前期比、%) 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 ▲ 0.2 ▲ 0.4 ▲ 0.6 図表 18 (DI、%pt) 消費者信頼感指数 内、今後の景気 20 内、高額商品への購買意欲 10 月次GDP 30 GDP公表値 0 ▲ 10 成長率は底堅い水準 ▲ 20 ▲ 30 ▲ 40 2012 13 14 15 ▲ 50 2008/9 16 (年/四半期) (資料)英統計局、NIESR よりみずほ総合研究所作成 図表 19 ← → 借 入 需▲ 要▲ ▲ 減▲ 少▲ ▲ 大企業 40 30 20 10 0 10 20 30 40 50 60 11 12 13 図表 20 中企業 2.0 14 14/9 16/9 (年/月) 英インフレ率 (前年比、%) (前年比、%) (注)銀行からみた企業の資金需要。調査期間は 8/23~9/14。 (資料)BOEよりみずほ総合研究所作成 0.0 1.5 ▲ 1.0 1.0 ▲ 2.0 0.5 ▲ 3.0 0.0 ▲ 4.0 ▲ 0.5 ▲ 5.0 16/9 (年/月) 2015/9 15/12 16/3 16/6 英インフレ率 コア・インフレ率 エネルギー・食品・アルコール・煙草(右目盛) (資料)英統計局よりみずほ総合研究所作成 15 16 (年/四半期) 図表 21 12/9 (資料)GfKよりみずほ総合研究所作成 小企業 2010 10/9 英企業の銀行借入需要 (DI、%Pt) 増 加 消費者マインド 英景気の全体感を示す主要統計 Q1 2016 Q2 2016 Q3 2016 Q4 2016 2016/05 2016/06 2016/07 2016/08 2016/09 2016/10 成長率 実質GDP 0.4 0.7 n.a. n.a. - - - - - - 景況感 合成PMI Pt 54.2 52.4 51.7 0.0 53.0 52.4 47.6 53.6 53.9 n.a. 製造業PMI Pt 51.4 50.7 52.3 0.0 50.4 52.1 48.2 53.4 55.4 n.a. サービス業PMI Pt 54.0 52.7 51.0 0.0 53.5 52.3 47.4 52.9 52.6 n.a. 前期比、% 企業 鉱工業生産 前期比、% ▲ 0.1 2.1 ▲ 0.3 n.a. ▲ 0.7 0.0 0.1 ▲ 0.4 n.a. n.a. 外需 財輸出 前期比、% 3.6 3.6 4.8 n.a. ▲ 8.4 1.0 7.2 0.2 n.a. n.a. 財輸入 前期比、% 1.9 4.2 1.2 n.a. ▲ 3.3 5.1 ▲ 4.5 7.5 n.a. n.a. % 5.1 4.9 0.0 n.a. 4.9 4.9 4.9 4.9 n.a. n.a. 前期比、% 0.9 0.8 0.4 n.a. 0.1 0.3 0.1 0.2 n.a. n.a. 前期比、% 1.4 1.1 1.8 n.a. 1.1 ▲ 0.9 2.0 0.0 ▲ 0.1 n.a. Nationwide住宅価格指数 前年比、% 5.0 4.9 5.4 n.a. 4.7 5.1 5.2 5.6 5.3 n.a. 雇用 失業率 民間賃金(賞与除く、 3カ月平均) 家計 小売数量 物価 消費者物価指数 金融 主要政策金利 英10年国債利回り ポンドドル 前年比、% 0.3 0.4 0.7 n.a. 0.3 0.5 0.6 0.6 1.0 n.a. 末値、% 0.50 0.50 0.25 n.a. 0.50 0.50 0.50 0.25 0.25 0.25 末値、% 1.84 1.32 1.05 n.a. 1.84 1.32 1.08 0.88 1.05 n.a. 末値、£/$ 1.44 1.34 1.30 n.a. 1.46 1.34 1.33 1.31 1.30 n.a. (資料)英統計局、Nationwide、Markit、Datastream よりみずほ総合研究所作成 10 みずほ欧州経済情報(2016 年 10 月号) 2016年 10月 2 5日 発行 欧米調査部上席主任エコノミスト 吉田健一郎 03-3591-1265 kenichi ro.yoshid a@mizuho- ri.co.jp 欧米調査部主任エコノミスト 松本 惇 03-3591-1199 atsushi .matsumot o@mizuho- ri.co.jp ●当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではあり ません。本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに基づき作成されておりますが、その正確 性、確実性を保証するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されるこ ともあります。
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