平成29年度 (2017年度) 経済学部演習シラバス 東北大学経済学部 (平成28年10月発行) 演習シラバス目次 頁 〇 演習の選択について(選択にあたっての注意、演習参加申し込み日程) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 〇 ゼミナール協議会から来年度進級予定者の皆さんへ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 〇 ゼミナール説明会日程等 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 〇 演習名 1 経済学演習 テーマ 政治経済学第二部 ( 守 ) 演習 経済と倫理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 理論経済学第一部 ( 三 宅 ) 演習 ミクロ経済学の理論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 理論経済学第二部 ( 北 川 ) 演習 経済成長 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 日 本 経 済 史 ( 長 谷 部 ) 演習 日本社会の市場経済化と産業発展 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 西 欧 経 済 史 ( 川 名 ) 演習 比較経済史 : 経済発展のメカニズムと西欧近代 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 15 社 会 思 想 史 ( 小 田 中 ) 演習 社会思想と現代 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ア ジ ア 経 済 論 ( 日 置 ) 演習 ・アジア新興国における産業の高度化と国際化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 18 ・現代中国経済研究 経 済 計 画 論 ( 大 瀬 戸 ) 演習 ゲーム理論の基礎と応用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 国 際 金 融 論 ( 秋 田 ) 演習 国際金融論、開放体系マクロ経済学、応用経済学 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 計 量 経 済 学 ( 千 木 良 ) 演習 計量経済学の考え方と使い方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 経 済 統 計 学 (松田[安]) 演習 統計学、時系列解析、経済データの分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 環 境 経 済 学 ( 日 引 ) 演習 環境経済学、資源経済学、損害賠償の法経済学 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 産 業 組 織 論 ( 泉 田 ) 演習 経営の経済分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35 農 業 経 済 学 ( 柘 植 ) 演習 現代農業をめぐる諸問題と農業問題への理論的接近 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 産 業 発 展 論 ( 川 端 ) 演習 世界と日本を動かす産業の構造とダイナミズムを分析する ・・・・・・・・・・・・ 25 32 41 産業発展論は、時間の経過に即した産業の変化を取り扱う科目です。 国 際 経 済 ( 永 易 ) 演習 国際経済学、応用経済学に関する分野 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 44 社 会 政 策 ( 石 塚 ) 演習 企業内の社会政策(人的資源管理・労使関係を含む) ・・・・・・・・・・・・・・・ 経 済 政 策 ( 黒 瀬 ) 演習 日本経済そして世界経済が直面している問題を理解し、それらに対する政策を 財 47 厳密な理論に基づいて検討する。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50 政 ( 佐 々 木 ) 演習 国家の形成に関する数理モデル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 52 54 福 祉 経 済 ( 若 林 ) 演習 福祉経済に関する実証分析,家族の経済学 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 加 齢 経 済 ( 吉 田 ) 演習 ・少子・高齢社会の諸問題を解決する福祉政策・経済政策の研究 ・・・・・・ 56 ・新しい時代の女性のライフスタイルと男女共同参画のあり方 ・世代間の公平と日本の年金改革、行政改革、財政改革、税制改革 地 域 計 画 ( 増 田 ) 演習 都市・地域計画の理論と実践 : 東日本大震災の教訓と残された課題 ・・・ 60 2 経営学演習 経 営 学 原 理 ( 高 浦 ) 演習 企業倫理(business ethics) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 経 営 組 織 論 ( 藤 本 ) 演習 複眼的思考による組織と人材のマネジメント ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 66 経 史 ( 結 城 ) 演習 日本企業の伝統と革新―東北のものづくりを考える― ・・・・・・・・・・・・・・・・ 68 管 理 会 計 論 ( 青 木 ) 演習 ・管理会計の基礎と最近のトピック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 71 営 64 ・企業に関する財務分析の基礎 監 論 ( 米 谷 ) 演習 財務諸表分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 学 ( 伊 藤 ) 演習 経営効率化における数理最適化モデルの構築 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76 証 券 投 資 論 ( 室 井 ) 演習 数理ファイナンス・保険数学 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79 経 営 統 計 学 (石垣[司]) 演習 ビジネス、マーケティングなどのデータ分析の理論と実践 ・・・・・・・・・・・・・ 81 意 思 決 定 論 (鈴木[賢]) 演習 数理的手法を用いた意思決定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 84 マーケティング・リサーチ(照 井) 演習 マーケティング・リサーチの理論と応用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87 財 務 管 理 論 ( 金 崎 ) 演習 現代ポートフォリオ理論と企業財務論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 90 イ ノ ベ ー シ ョ ン 論 ( 柴 田 ) 演習 イノベーションのマネジメント:「優良企業への成長過程」 ・・・・・・・・・・・・・・ 92 地 域 企 業 論 ( 福 嶋 ) 演習 プラットフォームと地域企業の戦略 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 経 策 ( 大 滝 ) 演習 ソーシャル・ビジネスと企業戦略の変化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98 グ ロ ー バ ル 経 営 史 ( 菅 原 ) 演習 グローバル企業の研究 : 財務と経営戦略の相互作用・・・・・・・・・・・・・・・・・ 101 国 経 査 営 営 際 工 政 経 73 95 営( 金 ) 演習 国際経営(International Business Management) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 105 研 究 開 発 管 理( 権 ) 演習 生き方としてのプロデューサー、デザインとイノベーション ・・・・・・・・・・・・・ 108 非 営 利 組 織 論 ( 西 出 ) 演習 社会を変革する非営利組織(NPO) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 111 〇 演習参加願 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 114 演習の選択について 教 務 委 員 会 1 経済学部における専門教育の一つの大きな特徴に、演習(ゼミナール)をつうじ て勉学できることがあります。通常の講義が、大教室で行われ、教員から学生への 一方通行の知識の伝達になりやすいのに対して、演習は、各分野における専門的な テーマについて、少人数で、かつ教員と学生との間の双方向のコミュニケーション をつうじて学習を進めるものです。 本学部では、演習を大学における専門教育科目の重要な柱と考えていますが、教 育面で効果があるだけではなく、指導教員と親しく接することやゼミ生どうしの学 年を越えた日常の交流が、大学生活を深みのあるものにしてくれます。 演習をつうじた勉学の優れた特徴を十分に発揮するためには、何よりも学生諸君 が演習に主体的に参加することが必要です。一人ひとりが、演習のテキストをよく 読み、テーマについて真剣に考え、活発に議論し、また演習論文を頑張ってまとめ ることによって、専門分野での思考能力を高めるとともに、他では得られない人間 関係を築くことができます。 2 以上のような演習の趣旨を活かすために、3年次に履修する演習(Ⅰ)A、 (Ⅰ)B、 4年次に履修する演習(Ⅱ)A、 (Ⅱ)B は、いずれも、すべての学生が単位を修得 しなければならない必修科目となっており、また演習(Ⅱ)B の単位を修得するため には学年末に演習論文を提出することが義務づけられています。 3 履修するゼミによって学科の所属が決まります。 経済学演習に分類されているゼミを履修する学生は経済学科所属に、経営学演習 に分類されているゼミを履修する学生は経営学科所属になります。 4 3年次から4年次を通して同じ科目のゼミを履修することが望ましいのですが、 3年次で履修したゼミと異なるゼミを4年次で履修することも認められています。 経済学演習から経営学演習へ、または、その逆にゼミを変更することも可能ですが、 その場合には所属学科も変更になりますから、履修手続きなど、 気を付けて下さい。 ただし、各ゼミの定員は一学年につき原則として10名となっているので、希望す るゼミの受入許可を得られない場合もあります。 ゼミを変更する場合には、教務係への届け出が必要です。 1 5 演習参加申し込みに当たっては、次のことに注意して下さい。 (1) 参加許可者の決定は、下記の6-(3)それぞれの期日に、経済学部掲示板(右 側)へ発表します。また、発表までに、選考にかかる連絡事項が各担当教員か ら、同掲示板へ掲示されるので、掲示には十分に注意しておいて下さい。 (2)第1次募集・第2次募集ともに参加許可が得られなかった学生は、希望する演 習の各教員に直接参加を申し込んでください。担当教員の判断によって、追加し て参加が許可されることがあります。 (3) 各ゼミの募集定員は一学年につき原則として10名、現2年生からの進級者に ついては、原則として9名が上限となっています。 (4)単位不足で進級できなかった場合、ゼミの決定は取り消しとなります(仮進級 の場合は取り消されません)。10月に進級して演習を受講する学生は、改めて 各教員に相談の上許可を取り、所属ゼミを決めて下さい。 6 演習参加申し込みの日程は次のとおりです。 (1)参加申し込み ○期間 第1次募集 平成28年11月 1日(火)~11月15日(火)17時 第2次募集 平成28年12月 1日(木)~12月 7日(水)17時 ※第2次募集は、第1次募集で参加許可を得られなかった学生のみ 申し込んで下さい。 ○参加希望演習を一つ選び、演習シラバスの巻末「演習参加願」へ希望理由等を 明記し、経済学部教務係へ提出し申し込んで下さい。 ○期日を厳守して下さい。 (2)ゼミ見学 ○期間 平成28年10月31日(月)~11月14日(月) (3)参加決定者の発表 経済学部掲示板(右側)に掲示されます。 ○期間 第1次発表 平成28年12月 1日(木)10時 第2次発表 平成29年 1月 6日(金)10時 ○参 加 者 決 定 前 に 、 希 望 者 に 対 し て 面 接 な ど を 行 う こ と が あ ります。 2 ゼミナール協議会から来年度進級予定者の皆さんへ ゼミナール協議会(ゼミ協)とは、経済学部のゼミナール(以下、ゼミ)活動を支援することを主とした、 経済学部全体をサポートしている組織です。 主な活動内容として ・新入生歓迎オリエンテーションの企画・運営 ・新入生歓迎懇親会の企画・運営(経和会と共同開催) ・ゼミ対抗スポーツ大会の運営(昨年度は春季、秋季共にフットサル) ・オープンキャンパスでの運営補助、高校生との座談会 ・経和会(経済学部同窓会)学生幹事 ・卒業文集「萩論叢」の発行 ・大学、経和会と共同し就職活動支援の企画・運営 ・大学と共同し、ゼミ説明会の企画・運営 ・地域イノベーションセンターと共同し、「プロデューサー塾」の企画・運営 が挙げられます。 多くの方がすでにご存知だと思いますが、皆さんは3年生に進級すると専門分野の研究を行うゼミ (演習)に所属する必要があります。今までのように大講義室で受けてきた講義とは異なり、ゼミは少 人数で、レポーターやコメンテーターを置いた対話形式で行われます。そのため、ゼミ生は他の講義 よりもより積極的に討論に参加できる上、そういった姿勢が求められることになります。そして、このよう な討論と教官によるアドバイスを通して、専門分野の理解をより一層深めることができるのです。 また、ゼミは単なる学習の場ではありません。各ゼミには合宿、旅行、飲み会など数多くのイベントが あり、ゼミ生や教官と親睦を深めることができます。ゼミには3・4年生が参加しているので同級生との 横のつながりだけではなく、先輩との縦のつながりを持てることも大きな魅力です。こうしたことは皆さ んの将来のための貴重な財産となることでしょう。 ゼミが自身にとって有意義なものとなるかどうかは、各自のやる気が大きく関わってきます。充実し たゼミ活動を行うためにも、ゼミ選択の際には自分がどの分野に興味があるのかをよく考えた上で決 定してほしいと思います。 そこで、この「演習シラバス」や私たちゼミ協が発行するパンフレットをゼミ選択の際に活用していた だきたいと思います。また、ゼミ協では皆さんにより詳しくゼミを知っていただくために、ゼミ説明会(全 体会・個別会)を開催します。当日は現在ゼミ生である3・4年生に来ていただき、各ゼミの具体的な 活動内容などを説明していただく予定です。このような機会を活用し、悔いのないゼミ選択をすること で、充実したゼミ活動を送っていただきたいと思います。 3 <ゼミナール説明会日程> 今年度のゼミナール説明会は以下の日程で行います。 ○全体会 (各ゼミから活動内容などについて説明していただきます) 経済学科:10 月 20 日(木) 17:00~ 経済学部第 1 講義室 経営学科:10 月 27 日(木) 17:00~ 経営学科第 1 講義室 ○個別会 (自分が興味を持ったゼミのゼミ生から直接話を聞くことができます) 11 月 4 日(金)・11 月 7 日(月)・11 月 8 日(火)・11 月 10 日(木) ※全体会・個別会の日程はあくまで予定であり、上記の日程とは変更になることがあります。詳しくは 後日ゼミ協員が説明いたしますので、各自でよく確認するようお願いします。 <今年度のゼミ見学について> 今年度は 10 月 31 日(月)~11 月 14 日(月)までがゼミ見学可能期間となります。 例年、ゼミ見学を活かしきれずきれず後悔している人もいるので、是非この機会を活かして自分に 合ったゼミを選べるようにしてください。 <経和会> 前述しましたように、私たちゼミナール協議会は経和会と学生との間をつなぐ経和会学生幹事を任 されています。 経和会とは、東北大学経済学部の同窓会のことで、年 2 回の会報発行の他に学生との関わりを持 つ機会も設けています。総会や経和会サロン、また新入生歓迎懇親会の開催もご協力をいただいて います。総会やサロンでは OB・OG の方々と学生が食事をしながら直接お話することができます。これ には皆さんも参加することができますので、ぜひ参加してください。 ゼミ協ではこのような貴重な機会を多くの学生に提供し、また参加していただけるよう尽力していき たいと思います。 4 1 経済学演習 政治経済学第二部(守)演習 1 テ ー マ 経済と倫理 2 テキスト 下記の趣旨にそって参加者の意向を考慮して決めたいと思います。 ちなみに最近のテキストはピケティ『21世紀の資本』 、アトキンソ ン『21 世紀の不平等』などです。 3 趣 旨 疾走する経済を人間の自由な意志が制御できるかどうか。経済倫理 学の可能性を吟味してみたいと思います。社会倫理学者の川本隆史 さんの軽快なコピーを借りれば、 「陰鬱な科学(=経済学)と陽気な 学問(=倫理学)とのキャッチボール」といったところでしょうか。 4 年間計画 第1回 前期ガイダンス 第 2~13 回 第1~12 単元の報告・討論 第 14~15 回 討論総括 第 16 回 後期ガイダンス 第 17~18 回 ゼミ論文構想発表・討論 第 19~27 回 第 13~21 単元の報告・討論 第 28~29 回 ゼミ論文最終報告 第 30 回 年間討論総括 5 募集人員 9名 6 参加条件 とくにありません. 7 選考方法(4月進級予定者) とくにありません。 8 運営方針 参加者の報告、実習を中心として運営します。 9 担当教員の主要な研究業績 5 ・20 世紀初頭における数学者の経済学研究についての論文 ・線形経済理論関係の論文 ・経済恐慌の研究史に関する論文・編著書 ・ 「経済と倫理のディスコース」 ・ 「ドイツ語圏における経済倫理学説の動向について」 ・著書『資本と時間の政治経済学』 『恐慌論の論点と分析』 など 10 指導教員が薦める本 ・エルスター『社会科学の道具箱』ハーベスト社 ・フロイト『文明論集』ちくま文庫 ・アドルノ『否定弁証法』作品社 など 11 「ゼミ見学」の可否 事前にメールして下さい([email protected]) 。 12 10 月進級者に対する特記事項 13 そ の 他 特に制限はありません。 3,4学年で留学を希望している場合は、相談に応じます。 6 理論経済学第一部(三宅)演習 1 テ ー マ ミクロ経済学の理論 2 テキスト 未定。参加者の希望を最優先にして決めます。これまでは、入門科目や ミクロ経済分析で使用した教科書を、演習問題を含めて最後まで精読する ことが多いです。マクロ経済分析の教科書の場合もあります。 ゼミ見学会で、過去の教科書を見てもらいます。 3 趣 旨 ミクロ経済学の理解を深めることが主な目的です。同時に、研究書や学術 論文の読み方を修得することや、抽象的な理論を解りやすく発表する技 術を身につけることを目標にします。 大学院受験、公務員試験受験希望者が多いですが、とくに 授業科目「演習」として受験指導はおこなっておりません。 4 年間計画 前期は3年生を発表者とするのテキスト輪読、後期は4年生の演習論文 進行状況説明が中心です。 現在、在籍者のうち10月進級者の方が 多くなっていますので、必ずしもこのようになるとは限りません。 1年を通じて1時間目がテキスト輪読、2時間目が演習論文進行状況 説明の場合が多いです。 5 募集人員 9名 6 参加条件 とくになし。 7 選考方法(4月進級予定者)上記募集人員までは、無条件で受け入れます。 募集人員をこえる希望者がいる場合は面接を実施します。 8 運営方針毎回、レポーターに事前に割り当てられたテキストの範囲を 報告してもらい、討論をします。 3年生はテキストの輪読、4年生は個人研究を主に行ないます。 7 9 担当教員の主要な研究業績 現在、印刷中の論文は以下のサイトから、その草稿を入手できます。 http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0304406816301021 (自宅のパソコンからも PDF でダウンロード可能、10月には最終稿出版予定) 10 指導教員が薦める本 本格的に一般均衡論やゲーム理論を学びたい人は 松坂和夫著「集合位相入門」岩波書店 二階堂副包著「現代経済学の数学的方法」岩波書店 を読み始めて下さい。大学院に進学して研究者をめざす人はなるべく 早くこれらを読破して下さい。 11 「ゼミ見学」の可否 可 第9演習室 (予約不要、自由に出入り可能) 11月1日(火) 14:40 − 16:10 11月8日(火) 14:40 − 16:10 12 10 月進級者に対する特記事項 10 月進級者がいる場合は、新たなテキストを選定します。 進級時期によってテキストが異なることはありません。 13 そ の 他 演習に関する問い合わせ等はメールでお願いします。 アドレスは学生便覧に掲載しています。 8 理論経済学第二部(北川)演習 1 テ ー マ 経済成長 2 テキスト チャールズ・I・ジョーンズ『マクロ経済学 I:長期成長編』東洋経済 2011 年 E.フェルプス『なぜ近代は繁栄したのか:草の根が生み出すイノベーション』みすず 書房 2016 年 3 趣 旨 「理論経済学第二部」は、東北大学経済学部に固有の呼び方で、マクロ経済学を意味 します。平成 29(2017)年度は、前年度に引き続き、マクロ経済学の一分野である経 済成長について取り上げます。 4 年間計画 第一学期には、まず、ジョーンズのテキストを使って経済成長の基本的な内容を復習 し、それが終わったら、フェルプスの著作を読み始めます。また、夏休み前に4年生 には卒業論文の構想を発表してもらいます。第二学期も引き続きフェルプスの著作を 読む予定です。4年生には 11 月に卒論の中間報告、12 月に最終報告をしてもらいま す。これ以外に適宜課外活動(工場見学など)も行う予定です。 5 募集人員 9名 6 参加条件 特になし 7 選考方法(4月進級予定者) 応募者多数の場合は志望理由などを記したエッセイによる選抜を実施します。 8 運営方針 参加者による自主運営とします。通常の授業運営の手順は、予め決められた報告者が テキストの内容を要約したレジュメ(またはパワーポイントによるスライド)を準備 して報告を行い、報告内容に対して質疑応答を行う形をとります。成績評価は報告お 9 よび質疑応答の内容に基づいて行います。 9 担当教員の主要な研究業績 貨幣に関する論文を 3 本書いています。 (1) "Risky Storage and the Value of Money", Economics Letters 45 (1994), pp.73-77. (2) "Money-Hoarding as a Behaviour towards Uninsured Idiosyncratic Risks" Japanese Economic Review 52 (2001), pp.93-103. (3) "Does Money Always Make People Happy?" Review of Economic Dynamics 4 (2001), pp.495-515. このほかに、経済成長・景気循環・失業についての論文も書いています。また、近い うちに日本の労働市場に関する英文の研究書(共著)を出版する予定です。 10 指導教員が薦める本 以下は過去にゼミで取り上げた本ですが、すべてオススメです。 1. チャールズ・I・ジョーンズ『経済成長理論入門』日本経済新聞社 1999 年 2. ジョージ・A・アカロフ&ロバート・J・シラー『アニマルスピリット』東洋 経済 2009 年 3. ダイアン・コイル『ソウルフルな経済学』インターシフト 2008 年 4. ラグラム・ラジャン&ルイジ・ジンガレス『セイヴィング・キャピタリズム』 慶應義塾大学出版会 2006 年 5. アブナー・グライフ『比較歴史制度分析』NTT 出版 2009 年 6. ラグラム・ラジャン『フォールト・ラインズ』新潮社 2011 年 7. カーメン・M・ラインハート&ケネス・S・ロゴフ『国家は破綻する』日経 BP 社 2011 年 8. ダニー・ロドリック『グローバリゼーション・パラドクス: 世界経済の未来 を決める三つの道』 白水社 2013 年 9. ダロン・アセモグル&ジェームス・A・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』 早川書房 2013 年 10. トマ・ピケティ『21世紀の資本』みすず書房 2014 年 11. A.ディートン『大脱出:健康、お金、格差の起源』みすず書房 2014 年 12. A.V.バナジー&E.デュフロ『貧乏人の経済学:もういちど貧困問題を根っこ から考える』みすず書房 2012 年 11 「ゼミ見学」の可否 可(見学希望者は 11 月 2 日(水)あるいは 11 月 9 日(水)の 4+5 限に文科系総合棟 10 4 階の第 401 演習室に来てください) 12 10 月進級者に対する特記事項 第1学期分の内容については各自で自習することになります。 13 そ の 他 本演習についてより詳しいことを知りたい場合は、担当教員(北川)までメールを送 ってください(連絡先:[email protected]) 。 11 日本経済史(長谷部)演習 1 テ ー マ 日本社会の市場経済化と産業発展 2 テキスト 岩波書店刊『日本経済史』全 8 巻(1.経済社会の成立、2.近代成長の胎動、3.開港と 維新、4・5.産業化の時代 上下、6.二重構造、7.「計画化」と「民主化」 、8.高度成 長) 。 3 趣 旨 20 世紀後半に西側世界 GNP 第二位にまで経済成長した日本経済の歴史を、市場経済化 と産業発展に焦点をあてながら学習する。あわせて、比較経済史的視点から、日本の市場 経済化がどのような社会経済的特性を持ち、工業化とともに金融システムや企業組織がど のような特性をもつにいたったのか、といった問題についても合わせ学ぶ。 4 年間計画 4 月~9 月期: 『日本経済史』1~4 巻をテキストにして工業化までの歴史を扱う。 10 月~3 月期:同 5~8 巻をテキストにして工業化から高度経済成長期までを扱う 5 募集人員 5 名 6 参加条件 日本の歴史全体に関心をもっていることが望ましい。また、日本のみならず、西欧な いしアメリカ、さらにはアジア諸国・諸地域の歴史にも関心をもっていることが望まし い。原則、英語のテキストは用いないが、必要に応じて外国語(主として英語)の文献 にも触れる可能性はあるので、その点、あらかじめ了解されたい。 7 選考方法(4月進級予定者) 面談の上、決定する。希望者は、指導教員宛のメールで連絡されたい。 メー ルア・アドレス:[email protected] 12 8 運営方針 運営方針は、専門書を読みこなすスキルを獲得してもらうことを目的として、通常 のセミナー形式を採用する。毎回、学生諸君にテキストの報告を担当して貰い、内容 に即したディスカッションと関連する文献や研究動向の解説を行いつつ、授業を進め る。適切な時期にゼミ論文指導を兼ねたゼミ合宿(ゼミ旅行)を実施する。 9 担当教員の主要な研究業績 (刀水書房、1994) ○『市場経済の形成と地域』 ○『資本主義の発展と地方財閥』 (渋谷隆一・森武麿との共著)現代史料出版、2000 年) ○『近世村落社会の共同性を再考する─日本/西欧/アジアにおける村落社会の源を求 (日本村落研究学会編・年報村落社会研究 44、農文協発行、2009 年) めて─』 ○『近世日本の地域社会と共同性─近世上田領上塩尻村の総合研究Ⅰ』 (刀水書房、2009 年、長谷部弘・高橋基泰・山内太編著) ○『家の存続戦略と婚姻―日本・アジア・ヨーロッパ』 (刀水書房、2009 年、國方敬司・ 長谷部弘・永野由紀子編著) ○『飢饉・市場経済・村落社会』 (刀水書房、2010 年、長谷部弘・高橋基泰・山内太編著) ○『防災コミュニティの基層』 (御茶の水書房、2011 年、吉原直樹等との共著) ○『バリ島に生きる古文書』 (東信堂、2012 年、吉原直樹・中村潔との共著・共編訳) その他個別論文。 10 指導教員が薦める本 ○近年の経済史の理論として、ダグラス・C・ノースの著作。入手可能な主要邦訳書の みをあげると、 『経済史の構造と変化』 (日経 BP クラシックス、2013 年)、 『制度・制度 変化・経済成果』 (晃洋書房、1994) 、 『制度原論』 (東洋経済新報社、2016 年) 。 ○古典として、 F.テンニエス『ゲマインシャフトとゲゼルシャフト』 (邦訳:岩波文庫 。カール・ポランニー『大転換』 (東洋経済新報社、新訳 2009 年) 、 『経済の 版、1983 年) 文明史』 (ちくま学芸文庫、2003 年) 。マックス・ウェーバー『プロテスタンティズム の倫理と資本主義の精神』 (岩波文庫、大塚久雄訳、1989 年) 、 『職業としての学問』 (岩 、 『一般社会経済史要論 上下』 (岩波書店、1955 年) 。山之 波文庫、尾高邦雄訳、1980 年) 内靖『マックス・ヴェーバー入門』 (岩波新書、1997 年) 。宇野弘蔵『恐慌論』 (岩波文 、 『経済政策論』 (弘文堂、1971 年) 。 庫、2010 年) ○教養としてのランダムな一読推奨として、石田英敬『記号の知/メディアの知─日常 (東京大学出版会、2003 年) 、 『大人のためのメディア論講 生活批判のためのレッスン』 義』 (筑摩新書、2016 年) 。髙木侃『三くだり半─江戸の離婚と女性達』 (平凡社ライブ 。星野博美『みんな彗星をみていた』 (文藝春秋、2015 年) 。 ラリー、1999 年) 13 11 「ゼミ見学」の可否 可(見学期間中、毎週水曜日、午後 2 時 40 分~5 時 50 分で随意入室して見学可) 12 10 月進級者に対する特記事項 特になし 13 そ の 他 経済学の学習を進める上で、われわれの生きている日本の経済社会を理論的視点での み理解しようとせず、複合的に奥深く理解する視点をもって欲しい。 。 14 西欧経済史(川名)演習 1 テ ー マ 比較経済史:経済発展のメカニズムと西欧近代 2 テキスト 経済史学の古典を中心に一世を風靡した著作を,参加者の意向も取り入れ選択します。 個別研究用のテキストについては,授業中に指示します。 3 趣 旨 西洋経済史の出発点は近代経済へとつながる経路の基点でもある。経済史を学ぶ面白さ は,近代経済の原理を歴史事実に即して探究することにある。この演習では,近代経済の源 流を16世紀から19世紀に至る欧米の長い歴史に見出し,移り変わる市場,流通ネット ワーク,産業組織,消費行動,金融システムを題材に経済の本質を様々な角度から考察し ます。 また,経済と密接にかかわる社会保障の実践, ルールやモラルの変化にも触れながら, 西洋経済(主に英,米,仏,独)と日本経済との違いや類似点についても積極的に議論す る予定です。 4 年間計画 前期 a. 経済史学の方法に関する基礎知識を身につけます。 b. 輪読を進めながら,西洋経済史に関する専門書の読み方,論点のまとめ方について 学びます。 後期 c. 各自の研究テーマについて予備調査を進め,プレゼンテーションとディスカッショ ンを行います。 d. 卒業論文作成に向け研究計画をまとめます。 5 募集人員 6名 6 参加条件 歴史に興味があり,近代経済に潜む「善悪」についてじっくり腰を据えて考えてみたい 意欲的な学生を歓迎します。少人数で輪読等を進めるため,無断欠席をしない者。 15 7 選考方法(4月進級予定者) 「参加条件」の趣旨を理解し積極的に参加を希望する学生は原則として受け入れます。 8 運営方針 主に2つのタスクに取り組みます。一つは,輪読を通して専門書の読み方を身につける こと。もう一つは,関心のある研究テーマを自由に選び,文献調査・成果報告のスキルを 修得することです。これらを通じて自分なりの経済学的な見方を持ち,経済史の面白さを 発見してもらいます。また,演習参加者主体のexcursionや親睦会等も企画します。 9 担当教員の主要な研究業績 • 「中世・初期近代イングランドにおける手工業の展開――都市史の視角――」,『研究年報 経済学』, 第 74 巻第 4 号(2014 年 3 月), 21-38 頁. • 『イギリス近世都市の「公式」と「非公式」 』 (創文社,2010 年). • 「 『長い17世紀』のイングランドにおける国家形成――公権力と市民性をめぐる研究 動向――」,『社会経済史学』第 73 巻第 2 号(2007 年). • ‘Trade, sociability, and governance in an English incorporated borough:“Formal”and “informal” worlds in Leicester, c.1570-1640', Urban History, vol. 33 (2006). • ‘A survey of urbanization in the English Midlands, c.1550-1750', 『研究年報 経済学』, 第 65 巻第 4 号(2004 年 3 月), 47-58 頁. 10 指導教員が薦める本 セドラチェク『善と悪の経済学』 (東洋経済新報社) マディソン『世界経済史概観 紀元 1 年-2030 年』 (岩波書店) アシュトン『産業革命』 (岩波書店) 岡田泰男『アメリカ経済史』 (慶應義塾大学出版会) 斎藤 修『比較史の遠近法』 (NTT 出版) アダム・スミス『国富論』 (岩波書店) 上記の他に,担当教員 HP の「講義文献情報」 ,学部講義「経済史」で配布される文献リ ストも参照。 16 11 「ゼミ見学」の可否 いつでも可(教室変更の可能性もありますので,メール等で予め確認してください。 ) 12 10 月進級者に対する特記事項 履修希望者は,担当教員のガイダンスを受けること。 13 そ の 他 詳しくは, 担当教員の HP「西洋経済史・イギリス都市史のページ」を検索して下さい。 (http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawana/index.html) 17 社会思想史(小田中)演習 1 テーマ 社会思想と現代 2 テキスト 具体的なテーマやテクストは、ゼミに参加する諸君が選択すること になっています。ちなみに 2016 年度は、夏学期のテーマは「教養と はなにか」で、テクストは、オリエンテーションとしてドーキンス 『利己的な遺伝子』 (紀伊国屋書店)を読んだあと、 ・福澤諭吉『学問のすすめ!!』 (岩波文庫) ・J.S.ミル『大学教育について』 (岩波文庫) ・吉見俊哉『教養とは何か』 (岩波新書) ・室井尚『文系学部解体』 (角川新書) を読みました。冬学期の活動内容は、10 月になったら決める予定な ので、現時点(9 月)では未定です。 3 趣 広く学問と社会との関わりについて考えます。 旨 4 年間計画 ・例年、夏学期については、ゼミ生諸君が選んだテクストについて、 テクストをめぐる担当班のプレゼンと討論、全員による書評レポー トの作成、書評の発表と質疑応答、というサイクルで検討します。 一サイクルは一ヶ月(つまり 3-4 回)です。 ・冬学期については、参加者の皆さんの意見を聞いて、特定のテー マを設定した輪読、特定のテーマにもとづく集団リサーチ、個人研 究の発表、などを考えています。 5 募集人員 ・上記のようなゼミの進行形態からして、全学年あわせて 12 人程度 が適正人数です(これをこえると、経験上、書評の発表と質疑応答 の時間がとりにくくなります) 。 ・それゆえ、就職留年などの可能性を考えると、大体 5 人程度が毎 年新規に参加してくださるのがベストです。 ・もっとも、地味なゼミなので、それほど来ることはほとんどあり えない!! はずだったんですが、昨年(2016 年)度は、なにを間違 ったか 10 人来てしまいました。 ・そんなわけで、適正人数に戻すため、今年(2017 年)度は 3~5 人程度の募集とします。 ・ただし、ゼミ参加の可否を決定するのは現ゼミ生諸君(後述)な ので、最終的にどうなるかは「?」です。 18 6 参加条件 ・なるべく多くの活動をこなすつもりなので、体力と気力のある人 を望みます。もちろん「気力」とはやる気ですし、 「体力」とは読書 やリサーチをする力です。 ・分からないことでも、分かったふりをして討論できるような人も 歓迎します。 ・なお、1 セメスターあたり 2 回無断欠席した場合は、自動的に履 修放棄とみなします。 7 選考方法(4月進級予定者) 下記項目からなるエントリーシートを作成し、11 月 8 日 ( 火 ) 12 時 ま で に 、 電 子 メ ー ル で 当 方 ([email protected])まで送ってください。書式は自由で、全 体で A4 用紙 1 枚程度で結構です。なお、メール本文に直接書いて ください。 提出した皆さんに対して、11 月 8 日(火)16 時 20 分 から 第 1 演習 室(経済学部棟 1 階)で、エントリーシートに即して現ゼミ生諸君に よる面接をおこないます。くわしい手続きは、直接電子メールで指 示します。 アドレスを取得していないとか、何か質問があるとか、面接の時 間が都合が悪いとかいった場合は、電子メール(アドレスは上記) ・ 電話(022-795-6280)・オフィスアワー(水曜日昼休み)を利用して連絡 してください。 【エントリーシート項目】 (1)氏名、年齢、学籍番号、電子(できれば携帯)メールアドレス、 出身高校 (2)このゼミを志望する理由 (3)大学入学後熱中したこと 3 つ程度 (4)ゼミで勉強したいテーマ・卒論テーマの候補 3 つ程度(のちに変 更することは可能です&経済学や経営学に関係なくてもオッケー) (5)大学卒業後の夢 3 つ程度 (6)印象に残った本 3 冊程度(マンガ可) (7)好きな授業科目・苦手な授業科目 (8)趣味、特技、サークル、アルバイト 8 運営方針 ・ひとりだったら絶対読まないようなテクストをムリヤリ読むこと、 自分の考えを自由にしゃべること、他のメンバーの考えをちゃんと 聞くこと、そして、とにかく字数を埋めてレポートを書く根性を身 につけることができる空間を作りたいと思っています。 ・そんなわけで、ゼミの時間自体は駄話で終わる危険性……じゃな くて可能性が大です。 19 9 担当教員の主要な研究業績 専門はフランス社会経済史と歴史理論・歴史学方 法論・歴史教育論・史学史。日本語の本が 10 冊弱、韓国語の本が 1 冊、ベトナム語の本が 1 冊あります。詳しくは検索してみてくださ い。あとは日英仏語の論文があります。 10 指導教員が薦める本 とりあえず福沢諭吉『学問のすすめ』 (岩波文庫)と丸 山真男『日本の思想』 (岩波新書)とベネディクト『菊と刀』 (光文 社古典新訳文庫)はマストでしょう。 11 「ゼミ見学」の可否 歓迎します。いつでもどうぞ。ちなみに 2016 年度は火 曜日 14 時 40 分から第 1 演習室(経済学部棟 1 階)です。 12 10 月進級者に対する特記事項 とくにありませんが、演習運営の都合上、事 前に相談に来てくれるとありがたいです。 13 そ の 他 当ゼミでは、3 年生の夏休みに、卒業論文の準備として、関連図 書最低 10 冊の検討からなる「ビブリオ・エッセー」の執筆をするこ とになっています(が、最近グズグズになっているような……) 。 書き方など詳細についてはゼミで勉強します。 また、質問があれば、遠慮なく、電子メール・電話・オフィスア ワーを利用して連絡してください。 20 アジア経済論(日置)演習 1 テ ー マ 以下の①か②のどちらか、あるいは両方 ①アジア新興国における産業の高度化と国際化 ②現代中国経済研究 2 テキスト ①これといったテキストはありませんが、末廣昭『新興アジア経済論』 岩波書店などが出発点となって、個別の論文を読んでいくことになり ます。 ②加藤弘之『中国経済学入門』名古屋大学出版会、張曙光『中国問題的 経済学』 、張五常『中国的経済制度』いずれも中信出版社所収の論文 など 3 趣 旨 ①中国を筆頭とするアジア新興国の産業の高度化と国際化の動向を探り、 中国やインドを中心としたグローバルバリューチェーンを観察し、そ れが日本をも含むアジア諸国の人々にとって、どのような意味を持つ かを考えます。 ②現代中国経済とその制度的特質を学びます。 4 年間計画 一学期には、①ないし②の輪読と個人研究の中間報告を中心に、二学期 には、①ないし②の輪読と個人研究の最終報告(4年生)を中心に行います。海外・国内 におけるフィールドワーク(企業・工場・農家・役所などでのヒアリングなどを行い、か つゼミ旅行を兼ねる)を適宜実施します。先方の都合次第で日程が組まれるため、進行計 画はフレキシブルなものとなります。 5 募集人員 6 参加条件 最大5名 参加条件はありませんが、向き不向きがあると思います。海外でのゼミ 合宿が組まれるので、そうした行事に積極的に参加したい人、できる人がむいているでし ょう。今年は中国上海とその近郊でしたが、来年は中国広東ないし東南アジアのどこかで 検討中です。中国経済をしっかり学んでみたいという人は、中国語で書かれた手ごたえの ある本・論文を読む経験を積む必要があります。そのような方は中国語の手ほどきを一応 終えていることが必要となるでしょう。まぁでも、案ずるよりも産むが易しです。 21 7 選考方法(4月進級予定者)ありません。 8 運営方針 特段変わったものはありません。 9 担当教員の主要な研究業績 最近は、 中国のアパレル産業とエレクトロニクス産業 (携 帯端末製造)の高度化と国際化について研究をしております。その段階的成果は、加藤弘 之編著『中国長江デルタの都市化と産業集積』勁草書房、加藤弘之・梶谷懐編著『二重の 罠を超えて進む中国型資本主義』ミネルヴァ書房などに所収されています。 10 指導教員が薦める本 末廣昭『キャッチアップ工業化論』名古屋大学出版会 11 「ゼミ見学」の可否 可、ただし事前にご連絡ください。 12 10 月進級者に対する特記事項 特にないです。 13 そ の 他 本を読むのも大切ですが、現場に出向いて観察し、その道の人から話をき くことで気づかされることも多いものです。それ故、教室でのお勉強のみならず、外にで かける機会を多めにセッティングすることを心がけています。中国嫌いの人が多い昨今で すが、実際に行ってみると、案外自由で闊達とした雰囲気で「あれっ?」と思うことも多 いのです。先入観で決めつけないで、実際に出向いて、現地の人と接してみると良いでは ないでしょうか。 22 経済計画論(大瀬戸)演習 1 テ ー マ ゲーム理論の基礎と応用 2 内 容 ゲーム理論では、消費者や企業などの経済主体の行動がお互いに影 響を与え合う状況において、それぞれの経済主体が相手の持つ情報や相手のとる行動 を合理的に予想しながら自らの行動を決定すると、社会的にどのような結果がもたら されるのかを分析します。ゲーム理論は、その誕生以来経済学、経営学の主要な分野 の理論を“ゲーム理論的な考え方”に基づいて再構築させるほどの多大な影響を与え てきました。またゲーム理論の応用範囲はとても幅広く、社会学、心理学、政治学、 国際関係学などの人文社会科学分野や、数理科学、情報科学、物理学、生物学などの 自然科学分野にまで及んでいます。 この演習では、次の3つのステップにしたがって学習をすすめます。 ① ゲーム理論の初歩的なフレームワークを学習する。「囚人のジレンマ」などの 直感的に理解しやすい簡単なゲームを用いて、社会の状況をきちんと表現する 方法を学び、人々の行動を分析するための基本的な考え方を習得する。 ② ミクロ経済学のさまざまなトピックについて、ゲーム理論的な分析をする能力 を身に付ける。扱う内容は、リスクと不確実性、シグナリング、モラル・ハザ ードと逆選択、オークション、公共財供給、行動経済学などである。 ③ ゲーム理論の経営学への応用について学習をする。扱う内容は、コンフリクト と協調、交渉モデル、投票モデル、契約とインセンティブ、プリンシパル・エ ージェント問題などである。 3 テキスト 上の①、②、③で使用するテキスト・参考書は、以下の候補から選 択する予定である。 ① ゲーム理論入門/武藤滋夫/日経文庫 入門ゲーム理論と情報の経済学/神戸伸輔/日本評論社 ② ミクロ経済学―戦略的アプローチ/梶井厚志・松井彰彦/日本評論社 行動経済学入門/多田洋介/日本経済新聞出版社 ③ 経営戦略のゲーム理論/ジョン・マクミラン(伊藤秀史&林田修訳)/有斐閣 戦略的思考とは何か/アビナッシュ・ディキシット=バリー・ネイルバフ(菅 野隆&嶋津祐一訳)/TBSブリタニカ 4 年間計画 4月:オリエンテーション 5月~7月:テキストの報告とディスカッション・ゲーム実験 10月:4 年生の演習論文中間報告会 11月~1月:テキストの報告とディスカッション・ゲーム実験 23 5 募集人員 9 名程度 6 参加条件 ゲーム理論および関連領域に興味・関心を持っており、演習の準備 や演習論文に意欲的に取り組むことができること。 7 選考方法(4月進級予定者) 希望者が募集人員以内であれば、原則として参加を許可する。もし、希望者が募集 人員を上回った場合には、面接を実施する場合がある(その場合、メールで連絡する ので、演習参加願にメールアドレスを丁寧に記入すること)。 できる限り、希望する学生は受け入れる方針である。 8 運営方針 (1) 演習参加者が交代でプレゼンテーション(テキストや論文の解説など)を行い、 その後全員でディスカッションを行う。教員や4年生が作成したゲームの実験 やアンケートを実施し、その結果についてグループ・ディスカッションを行う。 (2) 必要に応じて、演習論文の執筆に向けた学習指導を行う。 (3) 発展的な学習・研究を希望する学生(大学院進学希望者を含む)に対しては個 別に対応する。 9 担当教員の主要な研究業績 研究分野は、ゲーム理論、公共経済学、社会選択論、メカニズム・デザインなど。 オークションや公共財供給に関する論文を、学術誌 Economic Theory, Games and Economic Behavior, International Journal of Game Theory などに発表している。 10 指導教員が薦める本 近年は、ゲーム理論に関する啓蒙書・入門書が数多く出版されているので、面白そ うなものを読んでみることを勧める。 11 「ゼミ見学」の可否 教員による演習説明会(30分程度の予定)を以下の要領で行います。 10 月31日(月)15:00~ 第一演習室 12 10月進級者に対する特記事項 個別に対応するので、メール([email protected])で連絡すること。 13 そ の 他 現在、4年生13名、3年生12名がゼミに所属している。 メール([email protected])での質問等にもできる限り対応する。その際、 本文に簡単な自己紹介をつけ、質問・用件をわかりやすく伝えること。 24 国際金融論(秋田)演習 1 テ ー マ 2 テキスト 国際金融論、開放体系マクロ経済学、応用経済学 「マクロ経済学」斎藤誠・岩本康志・太田惣一・柴田章久著 有斐閣、2010 年、ISBN-13: 978-4641053724 一応デフォールトでこの本を指定しますが、ゼミ開始後に 参加者の協議に基づいて最終的には確定します。 3 趣 旨 ゼミでは気後れしないで積極的に質問・発言をする癖と勇気とを 養って貰いたいと思います。人前で纏まった見解を述べる事や、 人と協働して情報収集や議論の整理をする訓練の場としてのゼミを 捉えて頂きたいと思います。 4 年間計画 【前期】 ●前期半年間の演習のテーマ委細、参考図書・資料、運営方法に関する 学生を中心としたディスカッション ●選定されたテーマ委細に沿っての、発表、輪読、ディスカッション ●前期半年間を通じての活動の総括に関するディスカッション ●(四年生)卒業論文のアイデアの予備的発表、ディスカッション 【後期】 ●後期半年間の演習のテーマ委細、参考図書・資料、運営方法に関する 学生を中心としたディスカッション ●選定されたテーマ委細に沿っての、発表、輪読、ディスカッション ●(四年生)卒業論文の中間報告会、ディスカッションの計画設定、 それに沿っての論文作成指導、最終段階の発表、ディスカッション 25 5 募集人員 5~9名 6 参加条件 上記テキストの他、英語文献を読む可能性があるので、最低限の英語 読解力を要望します。また、通常のミクロ・マクロ経済学で必要な程度 の数理的能力を要望します。 7 選考方法(4月進級予定者) 参加希望者が多い場合には面接あるいは簡単な学科試験によって 選抜致します。 8 運営方針 ゼミ活動の中心は自主的なグループ協議・討議です。 テーマの詳細や運営方法についても、できるだけ参加者の自主性を 尊重した運営をはかりたいと思います。参加者の活発な討議を促すよう、 ゼミの参加者の人数などに応じて、運営方法を工夫してきています。 9 担当教員の主要な研究業績 ・不確実性下での予備的動機による貯蓄の理論の研究 ・地球温暖化防止の為の経済学的制度設計問題の研究 10 指導教員が薦める本 森毅 「微積分の意味」 (日本評論社) ソーヤー 「線型代数とは何か」 (岩波書店) 西村和雄 「経済数学早わかり」 (日本評論社) 内田貴 「民法1」 (東京大学出版会) 11 「ゼミ見学」の可否 可能です。興味のおありのかたはのぞきに来てください。 12 10 月進級者に対する特記事項 10 月進級者については、後期開講の演習を演習Aとして履修して頂く事に なりますので、それに付随する便宜をできるだけはからいたいと考えています。 26 13 そ の 他 参加者にはゼミでどのようなテーマを扱うことを希望するかについて 予め予備的にアイデアを温めてきて頂くことを期待します。それを 基に皆で協議しゼミのテーマ委細を決めて参ります。 27 計量経済学(千木良)演習 1 テ ー マ 計量経済学の考え方と使い方 2 テキスト ・計量経済の手法に関するもの: 山本 拓著「計量経済学」 (新世社) ・統計ソフトに関するもの: ゼミ参加者と相談して決める 3 趣 旨 この演習は、基本的な計量経済学の手法の考え方と使い方を身につける ことを目的としている。これらを身につければ、データを科学的に分析 し、データからある結論を導くことができる。例えば、経済データと経 済理論を照らし合わせ、現実の経済状態はこうなっている、といった判 断を下すことができる。この演習の主目的は計量理論と手法の習得だが、 適宜、実際のデータと統計ソフトを使った簡単な実証分析も行う。 4 年間計画 1 学期: テキスト前半の輪読 2 学期: テキスト後半の輪読 5 募集人員 9 名以下。 6 参加条件 統計学や計量経済学の手法に興味のある者。統計学入門と経済経営数学 基礎の単位を修得済みでない者は履修を認めない。 7 選考方法(4月進級予定者) 希望者は、演習参加願を出す前に必ずメールで履修を希望する旨を連絡 すること。事前の連絡が無い場合は履修を認めない。その上で、希望者 が多数の場合には面接で選考する。 28 8 運営方針 上記のテキストを輪読形式で学ぶ。担当者はあらかじめテキストを読ん でレジュメを作り、発表する。発表の担当者以外の参加者も、あらかじ めテキストを読み、解らなかったところを担当者に質問するなどの形で 議論に参加しなければならない。また、適宜、練習問題や統計ソフトを 使った簡単な実証分析を行ってもらい、理解を深める。復習も必須であ る。 9 担当教員の主要な研究業績 計量経済学(時系列分析、パネルデータ分析)の方法論に関する研究 10 指導教員が薦める本 統計学の基礎的な文献: 宮川 公男著「基本統計学」 (有斐閣) 田中 勝人著「統計学」 (新世社) 11 「ゼミ見学」の可否 否 12 10 月進級者に対する特記事項 13 そ の 他 29 経済統計学(松田[安])演習 1 テ ー マ 統計学、時系列解析、経済データの分析 2 テキスト 演習が始まってから指定します。統計学を使った実際の経済分析を扱ったものを選びま す。日本経済の実証分析、株価や為替レートの変動の分析法などを扱う予定です。 3 趣 旨 統計学を現実の問題に適用できるようになることが目標です。そのために、統計学の 基礎、コンピュータプログラミングを学びます。卒業研究では、少子化、晩婚化、日本経 済の景気、アベノミクス、日本人の寿命など自由にテーマを選択して研究をすすめてもら います。 4 年間計画 前半に回帰分析の基礎を洋書輪読によって学び、後半には統計ソフトを使って経済デ ータ分析の演習を行い、データ解析能力を身につける。 5 募集人員 5 名 6 参加条件 統計学入門」を履修していることが望ましいです。3年次に基本専門科目「計量分析」 を履修してください。 7 選考方法(4月進級予定者) 特別に選考は行いません。 8 運営方針 自主性を尊重します。 9 担当教員の主要な研究業績 30 計算機の発達により、過去にはなかったような形式の経済データが蓄積されるように なってきました。例えば株取引の経過をリアルタイムで記録したティックデータはマーケ ットの動きを知る上でとても重要なデータですが、分析方法はまだ確立していません。私 はそのようなデータを分析するための新しい統計学の方法を研究しています。 10 指導教員が薦める本 「日本語が亡びるとき」水村美苗 「銃・病原菌・鉄」ジャレド・ダイアモンド 11 「ゼミ見学」の可否 可、出入りも可。 12 10 月進級者に対する特記事項 特にありません。 13 そ の 他 31 環境経済学(日引)演習 1 テ ー マ 環境経済学、資源経済学、損害賠償の法経済学 2 テキスト Charles Kolstad (2010) Environmental Economics (Oxford University Press, 2nd edition 2010) (法経済学のテキスト(損害賠償(事故法)の経済分析を含む) スティーブン・シャベル(2010) 「法と経済学」日本経済新聞社 (実証研究を行うための基礎的なテキスト) 森田果(2014) 『実証分析入門から「因果関係」を読み解く作法』日本評論社 などを考えていますが、参加者の関心にあわせて変更する可能性もあります。 3 趣 旨 この演習は、①環境問題や資源の問題を解決するために望ましい環境政策・資源政策の あり方を考えるツールとして、環境経済学、資源経済学の基礎的な理論を学び、②理論あ るいは計量経済学的手法を用いて卒業論文を執筆すること、を目的としています。 4 年間計画 ① 2019 年前期 Charles Kolstad (2010) Environmental Economics (Oxford University Press, 2nd edition 2010)を輪読する予定 ② 2019 年後期 森田果(2014) 『実証分析入門から「因果関係」を読み解く作法』日本評論社 を輪読 する予定 上記について、3 年生と 4 年生全員で輪読を行う。4 年生については、前期の間に研究テー 32 マを探し、後期において、演習において、自分の研究を発表する。 5 募集人員 9名程度 6 参加条件 ミクロ経済分析を履修済み、あるいは、ミクロ経済分析と同程度のミクロ経済学の 知識があること。 7 選考方法(4月進級予定者) 書類・面接による選考を行います。参加希望者は、事前に、以下の書類を添付して ください. ①レポート(A4 で1-2枚程度) 自己紹介(これまでの学生生活で行ってきたこと,今後の目標など、自分の長所と 短所など) 、ゼミでやりたい勉強あるいはゼミでやりたいこと(勉強、それ以外の 活動も含め)などのついて書いてください。 ②これまでの成績表の写し 8 運営方針 3-4 年生全員で輪読を行います。予め決められた報告者がテキストの内容を要約 したレジュメ(またはパワーポイントによるスライド)を準備して報告を行い、報告内容 に対して質疑応答を行う形をとります。 9 担当教員の主要な研究業績 環境政策を評価する実証研究、理論研究を行っています。具体的には、温暖化対策(環 境税、再生可能エネルギー政策)の評価に関する研究、ごみ処理有料性の政策効果に関す る研究、気温上昇が農業や熱中症に与える影響に関する研究、貿易の自由化が環境負荷に 与える影響の研究などです 詳細は、下記を参照して下さい。 http://www.econ.tohoku.ac.jp/econ/staff/member/ahibiki.html 33 10 指導教員が薦める本 環境経済学の入門書としては、下記の書籍が役立ちます。 日引聡、有村俊秀(2002) 『入門 環境経済学―環境問題解決へのアプローチ』中央公論新 社 11 「ゼミ見学」の可否 今年度はゼミを開講していないので、希望者は直接、メール ([email protected])で連絡をください。 12 10 月進級者に対する特記事項 13 そ の 他 34 産業組織論(泉 田)演習 1 テ ー マ 経営の経済分析 2 テキスト 丸山雅祥「経営の経済学 BUSINESS ECONOMICS 新版」有斐閣、2011 年 3 趣 産業組織論は、産業組織や企業行動を研究する経済学の学問分野です。 旨 一方では経営組織論や経営戦略論といった経営学諸分野に理論的・実証的根拠を 提供する役割を果たしています(アメリカの経営大学院(MBA)で経営組織論や経営 戦略論を教えている教授の中に産業組織論出身の教授がかなりいると言われてい ます。)し、もう一方では、規制緩和やカルテルの取締りなどの競争政策に理論的・ 実証的根拠を提供するという役割を果たしています。私も日本企業についての研 究をする一方で、公正取引委員会独占禁止政策協力委員、国土交通省東北整備局 入札監視委員会委員、宮城県入札・契約適正化監視委員などの役職を通じて経済 学・経営学の知識を中央省庁・地方自治体の政策決定・政策運用に反映させる仕事 をしてきました。 平成 29 年度の泉田ゼミでは、経営学の経済学的基礎について学習しようと思 います。3年生はグループ研究・グループ発表を行い、4年生は卒業論文作成の ための個人研究と発表を行います。経済学の企業行動への応用や、経営学の理論 的な裏づけ、産業政策や競争政策について興味のある学生の積極的な参加を希望 します。 4 年間計画 以下の予定で進めることを予定しています。学生の興味関心や学力の度合 いによっては変更することもありえます。 前期 テキストを使ったグループ学習・グループ発表とディスカッション 第 1 回 前期の活動内容について話し合い 第2回 市場構造の分析枠組・需要の特性 第3回 費用の規定要因・市場支配力 第4回 第1部のまとめ 第5回 ゲームと戦略・寡占と競争 第6回 競争戦略の分類・価格戦略 第7回 製品戦略・流通と販売促進 第8回 サプライチェーン・プラットフォーム 第9回 第2部のまとめ 35 第 10 回 工場見学 第 11 回 情報とインセンティブ・企業の境界と組織 第 12 回 合宿のための準備学習 第 13 回 前期のまとめ 後期 テキストの知識に基づいたグループ学習・グループ発表とディスカッション 第1回 後期の活動内容について話し合い、グループ学習テーマの設定 第2回 4年生卒論中間発表(その1) 第 3 回~第 5 回 グループ学習テーマに基づいた 3 年生グループ発表とディス カッション(第 1 ラウンド) 第 6 回 4年生卒論中間発表(その2) 第7回~第9回 グループ学習テーマに基づいた 3 年生グループ発表とディス カッション(第2ラウンド) 第 10 回 4年生卒論最終発表 第 11 回 グループ学習テーマのまとめ発表 第 12 回 1 年間の活動を振り返り、来年度の活動計画の作成 5 募集人員 9名程度 6 参加条件 「経済学入門B」 「経営学入門」 「統計学入門」のうち、2科目で単位を 取得していること。現実の企業行動・経済現象について興味を持ち、学習 する意欲があること。 7 選考方法(4月進級予定者) 8 運営方針 面接を行って選考します。 ①社会に出て役に立つ能力を身に付けよう。 ②勉強も遊びもハードに。 9 担当教員の主要な研究業績 企業行動・競争政策に関する実証分析の論文を二十数本書いています。 10 指導教員が薦める本 M.E.ポーター「競争の戦略」ダイヤモンド社 (産業組織論の立場で書かれた経営戦略論の古典的テキストです。) 36 11 「ゼミ見学」の可否 可 11月4日(金) ①14:50~15:50 ②16:20~17:20 ゼミ見学希望者はどちらかに参加してください。 12 10 月進級者に対する特記事項 若干名の受け入れは可能です。 後期のグループ学習から参加してもらいます。 13 そ の 他 ①論理的に考えることと、自分の考えを上手に発表する能力は、身に付け ば、大きな財産になります。ゼミナールは、専門的な知識と同時に、そのよう な能力を身に付けるための、よいトレーニングの場となるはずです。積極的に 活用しましょう。 ② ゼミの行事として、お花見、ゼミ合宿、いも煮会、工場見学、OB会、な どをやっています。平成 29 年度に何を行うかは年度初めに話し合って決める ことにしています。 ③ OBは過去18年で175名です。 ゼミの定員が 10 人であることを考える と、毎年非常に人数の多いゼミになっています。就職先は公務員、公益企業(電 力、ガス、鉄道、航空、情報通信など) 、銀行・保険、商社、メーカー(トヨ タ、日立、サントリー、三菱重工など)等と幅広く、特に傾向はありません。 そうした意味で OB 訪問はやりやすいかもしれません。 ④ ゼミの活動状況は泉田ゼミホームページでチェックしてください。アドレ スは http://izumidaseminar.wixsite.com/toppage です。グーグルでは「泉 田ゼミ」で検索すると出てきます。 37 農業経済学(柘植)演習 1 テ ー マ 現代農業をめぐる諸問題と農業問題への理論的接近 2 テキスト 荏開津典生・鈴木宣弘『農業経済学―第4版―』 (岩波書店)で基礎を学んだあと、日 本農業及び世界農業の現状分析に関する著作や、農業問題論・地代論等の農業の理論的 側面に関する著作を読んでいく予定です。 3 趣 旨 現代農業が直面する諸問題、すなわち日本の食料問題、日本農業の担い手問題、農 業と環境の問題、西欧の農業問題、農産物貿易とWTO、さらには途上国の人口・食 料問題などに関する現状について学ぶとともに、その背景にある諸要因について、理 論的・歴史的にアプローチします。その過程では、新古典派経済学に基礎をおくシュ ルツ・速水の農業問題論と政治経済学の農業問題論を対比し、農業問題の理論のある べき姿を模索していきます。 現代農業の実態、自然条件や歴史条件の影響を強く受けた農業の特殊性、農業が果 たす現代的役割、農業問題が発生する原因等についてはいうまでもなく、農業を素材 として経済理論についての理解も深めてもらうことが、演習の目標です。 4 年間計画 第 1 回 イントロダクション(自己紹介、ゼミの進め方、3年生の役割分担、演習論 文の作成方法の指導など) 第2回 前年度テキストの輪読(1~2章分) 第3回 「農業経済学」テキストの輪読 第 1 章、第2章 第4回 「農業経済学」テキストの輪読 第3章、第4章 第5回 「農業経済学」テキストの輪読 第5章、第6章 第6回 4年生:演習論文の構想発表(第1回) 第7回 「農業経済学」テキストの輪読 第7章、第8章 第8回 「農業経済学」テキストの輪読 第9章、第 10 章 第9回 「農業経済学」テキストの輪読 第 11 章、第 12 章 38 第 10 回 4 年生:演習論文の構想発表(第2回) 第 11 回 「農業経済学」テキストの輪読 終章とまとめ 第 12 回 次のテキストの輪読(2章分) 第 13 回 次のテキストの輪読(2章分) 第 14 回 次のテキストの輪読(2章分) 第 15 回 次のテキストの輪読(2章分) 第 16 回 3年生:夏季レポート報告 第 17 回 3年生:夏季レポート報告 第 18 回 4年生:演習論文中間発表 第 19 回 4年生:演習論文中間発表 第 20 回 次のテキストの輪読(2章分) 第 21 回 次のテキストの輪読(2章分) 第 22 回 次のテキストの輪読(1章分) 、3冊目のテキストの輪読(1章分) 第 23 回 3冊目のテキストの輪読(2章分) 第 24 回 4年生:演習論文中間発表(第2回) 第 25 回 4年生:演習論文中間発表(第2回) 第 26 回 3冊目のテキストの輪読(2章分) 第 27 回 4年生:演習論文最終発表 第 28 回 3冊目のテキストの輪読(2章分) 第 29 回 3冊目のテキストの輪読(2章分) 第 30 回 3冊目のテキストの輪読(2章分) 5 募集人員 9名以内(ただし、7名程度が最適かと考えている) 。 6 参加条件 無断欠席をしないこと、積極的に議論に参加すること。 7 選考方法(4月進級予定者) 応募者が多い場合には、面接による選考を行います。 8 運営方針 演習は仲間と協力しながら学術書を読めるいい機会です。テキストの分担箇所をレポ ーターが報告し、指摘された問題点を手掛かりに全員で討論を行います。司会は次回の レポーターが努めます。積極的に議論に参加されることを望みます。個人研究として、 39 3年生には夏季レポートの、4年生には演習論文の作成をお願いしています。 9 担当教員の主要な研究業績 『西欧資本主義国の共生農業システム』農林統計協会、2010 年。 『土地を活かす英知と政策』 (共著)農山漁村文化協会、1998 年。 その他、EU農業、イギリス農業、並びに農業理論に関する論文。 10 指導教員が薦める本 まだ農業経済学を勉強したことのない人は、荏開津典生・鈴木宣弘『農業経済学』 (岩 波書店) 、大内力『日本農業論』 (岩波書店) 、速水佑次郎・神門善久『新版・農業経済 論』 (岩波書店) 、佐伯尚美『農業経済学講義』 (東京大学出版会)などのテキストに目 を通してみて下さい。 11 「ゼミ見学」の可否 可。 12 10 月進級者に対する特記事項 4月進級者は1学期に農業経済学の何らかの教科書を読み、農業経済学の基礎を身に つけることになっています。10 月に進級予定の人にも同じ教科書を勉強してもらいます ので、できるだけ早く相談に来て下さい。 13 そ の 他 質問があれば、また農業経済学を学ぶ上で相談したいことがあれば、いつでも研究室 を訪ねて下さい。事前に連絡していただくと確実です(メールアドレスは [email protected]) 。 40 産業発展論(川 端)演習 1 テーマ 世界と日本を動かす産業の構造とダイナミズムを分析する。産業発展論は,時間の経過 に即した産業の変化を取り扱う科目です。 2 テキスト 未定。 *学年の初めには,日本と世界の経済についての主要問題を学びます。 例)2015 年度前期:トマ・ピケティ『21 世紀の資本』 2016 年度前期:橘木俊詔『日本人と経済』 *それからより具体的に,産業分析の方法を学ぶテキストを用います。 例)2015 年度後期:藤本隆宏ほか『ものづくり経営学 製造業を超える生産思想』 2016 年度前期:橘川武郎ほか編『アジアの企業間競争』 3 趣 旨 (1)企業・業界分析ができるようになろう! (2)プレゼンテーションとレポート作成ができるようになろう! (3)自分のゼミ活動を形に残そう! (4)根拠のある自信をもって世界を語れるようになろう! 4 年間計画 *2 月:次年度打ち合わせ。新ゼミ生歓迎会。 *3 月:新ゼミ生は春休みレポート作成。卒業祝賀会。 *4 月:花見。レポート討論会。テキスト輪読。 *5 月:テキスト輪読。4 年生卒論(演習論文)構想発表会。 *6 月:テキスト輪読。 *7 月:テキスト輪読。工場見学行き先決定コンペ。3 年生第 1 学期レポート作成。 *8 月初め:現代産業研究会(卒業生と交流) 。 *10-11 月:テキスト輪読,工場見学旅行,4 年生卒論中間報告会。 *12 月:4 年生卒論最終報告会。3 年生業界研究報告会。 *1 月:4 年生卒論提出。3 年生業界研究レポート作成。 5 募集人員 4 月進級者,編入学者,10 月進級者合計 7 名を目安とします。 41 6 参加条件 (1)当ゼミは,定められた単位にふさわしい範囲内で,しかし密度高く活動しています。 無断欠席をしない,事前に調査・分析をして報告する,レポートや論文を提出する, 役割分担を果たすことは,単位を取得するための必要条件です。 (2)ワード,エクセル,パワーポイント,インターネットメールを使います。パソコン ベースの,長文と添付ファイルを使えるメールアドレスを必ず準備してください。 (3)川端担当の基本専門科目も受講してください。 (4)当ゼミは経済学科のゼミですが,内容は経済学と経営学を横断的に扱うものです。 (5)経済数学は必要ありません。 7 選考方法(4月進級予定者) 第1,2 次募集では,計 7 名まで無条件で受け入れます。7 名を超えたときだけ選抜を行 います。第 3 次募集は,2 次募集までの参加決定者が 4 名以下の場合のみ行い,個別に面 談して決定します。 8 運営方針 *ゼミ生が書いたレポートや演習論文を編集して形に残すことを重視します。演習論文 は「卒論」と位置づけ,ゼミ誌『研究調査シリーズ』に収録します。 *定性的分析,ケース・スタディが中心です。ひとつひとつの業界の出来事や企業の行 動を理解し,その経済的・社会的意義を探る方法です。 *近代経済学,マルクス経済学,経営学のいずれをベースにしている人でも参加できま す。 *ゼミ生自身によるゼミ運営を重視します。ゼミにはゼミ代,旅行委員,現代産業研究 会事務局員,機材委員,編集委員,宴会委員などの役割分担があります。 *前任教授時代から 40 年以上続くOB・OG会があり,年に1回「現代産業研究会」 を行っています(自主ゼミの工業経済研究会と合同) 。各界で活躍されている卒業生や 研究者の講演を聞き,交流できます。 *年1回,工場見学旅行を行います。 9 担当教員の主要な研究業績 日本を含む東アジアの産業について研究しています。 *「ベトナム鉄鋼業における民間企業の勃興」 『アジア経営研究』第 22 号,2016 年。 *「市場経済移行下のベトナム鉄鋼業」 『赤門マネジメント・レビュー』第 14 巻 9 号, 2015 年。 42 *「中国鉄鋼業における省エネルギーと CO2 排出削減対策」 『アジア経済』第 55 巻 1 号, 2014 年(趙洋氏と共著)。 *「東北地方における自動車部品調達の構造」 『赤門マネジメント・レビュー』第 12 巻 10 号,2013 年(竹下裕美氏と共著)。 *「大連市におけるソフトウェア・情報サービス産業の形成」 『アジア経営研究』第 18 号,2012 年(張艶氏と共著) 。 *「東日本大震災における情報・通信システムの被害とその教訓」 (東北大学大学院経 済学研究科地域産業復興調査研究プロジェクト編『東日本大震災からの地域経済復興 への提言』河北新報出版センター,2012 年) 。 10 指導教員が薦める本 自分が面白いと思った本を読むのが一番です。 11 「ゼミ見学」の可否 歓迎。常時受け付けます。金曜日 14 時 40 分に第8演習室へ来てください。途中退室・ 入室可。 12 10 月進級者に対する特記事項 なし。 13 そ の 他 *教員のウェブサイトを見て,自分の関心とゼミの内容を比較してみてください。メー ルによる問い合わせも受け付けます。[email protected] です。 *演習論文で研究したい業種・企業は自由に選べます。過去のテーマは,ウェブサイト の『研究調査シリーズ』紹介ページを見てください。 http://www.econ.tohoku.ac.jp/~kawabata/zemi/series.htm *進路実績はメーカー(自動車,重機,鉄鋼,素材,医薬品,化学,エレクトロニクス) , 銀行・証券,サービス(IT,通信,鉄道,不動産,テレビ局,コンサル,人材サービ ス,大学職員) ,公務員,大学院進学など多岐にわたっています。 *2016 年度第1学期のゼミ参加者は 13 名(院生 1,4 年生 6,3 年生 6) (男子 10,女子 3)でした。 *ゼミでは懇親会も盛んですが,飲酒を強要することはありません。 学びたい人,書きたい人,語りあいたい人を待っています。 43 国際経済(永易)演習 1 テ ー マ 国際経済学、応用経済学に関する分野 2 テキスト(3 年生) 「理科系の作文技術」木下是雄 1981 中公新書 「計量経済学」浅野 皙 ・中村二郎 2000 有斐閣 3 趣 旨 国際経済に関する分野から各自興味のあるテーマを選び、経済理論と統計データをも とに各テーマへの理解を深める(日本経済に関するテーマも含む) 。3 年生は卒論を書くた めに必要な知識の習得、4 年生は日本語で卒論を書くことが主な作業。 4 年間計画 当演習では 3 年終了時までに統計関係および国際経済の講義を全て履修することを仮 定しています。その前提で当演習の学習目標および計画は下記のとおりです。 3 年生 1 学期:卒論テーマの決定、統計学および論文の書き方を学ぶ。研究の進度を確認 するため定期的にタームペーパを提出。 3 年生 2 学期:データの収集、プレゼン方法を学ぶ。研究の進度を確認するため、定期的 にプレゼンしてもらい、学期末にタームペーパを提出。 4 年生 1,2 学期:卒論執筆 5 募集人員 (学生数÷教員数が基準)名 6 参加条件 経済理論、数学および統計(計量経済)学の基礎知識。日本語力。国際経済に興味が あり日々主体的に学ぶことを苦としないこと。また、大学院進学希望者は英語力要。 44 7 選考方法(4月進級予定者) 面接と学業成績により決定。興味のある学生は面接の日時を決めるため、事前にメー ルで連絡して下さい。その際、面接に不都合な日時を記し、興味のある 研究(卒論)テー マと概要 を A4 サイズ 2 頁にまとめ 成績のコピーと一緒に送って下さい。これらの書類を 全て送って頂いた学生のみメールで返事致します。 8 運営方針 毎週課される課題をもとに学生主体の運営となります。毎学期タームペーパ(約 25 頁)やプレゼンをもとに成績が決まります。 9 担当教員の主要な研究業績 The long run relationship between real exchange rate and interest rate differentials: a panel study, 2000, IMF Staff Papers 47 116-128. The effectiveness of Japanese foreign exchange interventions during 1991-2001, 2004, Economics Letters 84 377-381. Empirical analysis of the exchange rate channel in Japan, 2007, Journal of International Money and Finance 26 887-904. The common component in the forward premium: evidence from the Asia-Pacific region, 2011, Review of International Economics 19 750-762. The forward premium puzzle and the euro, 2014, Journal of International Financial Markets, Institutions & Money 32, 436-451. Currency forecast errors and carry trades at times of low interest rates: evidence from survey data on the yen/dollar exchange rate, 2015, Journal of International Money and Finance 53 1-19. Regional inflation, spatial locations and the Balassa-Samuelson effect: evidence from Japan, Urban Studies, 近刊. 10 指導教員が薦める本 「学問のすすめ」福沢諭吉 1978 岩波文庫 「はじめて学ぶ国際経済学」永易他著 2015 有斐閣 11 「ゼミ見学」の可否 「否」 :興味や質問がある学生は、見学期間中のオフィスアワーズ(火曜日 12:10-12:45) に研究室(G501)まで来てください。この時間帯のアポは不要。 45 12 10 月進級者に対する特記事項 空きがあり研究に強い興味がある 10 月進級者も歓迎します。しかし、4 月からの履修 を前提に演習内容を決めているため、 「4 年間計画」で記した 3 年生 1 学期でカバーする 内容は自主的に学んでもらうことになります。選考方法は4月進級予定者と同様。 13 そ の 他 連絡先:[email protected] 進学希望者へ:大学院ゼミには主に留学生が在籍しており英語が基本言語です。しか し修士論文を日本語で書くことは可。 希望する学部生は大学院ゼミ参加歓迎。 当演習では、公務員試験などに対する特別配慮は行っていません。 年度途中のゼミ移動希望者は原則認めていません。しかし、空きがあれば「7 選考 方法(4 月進級予定者) 」+「計量経済のテスト」により入ゼミ可能。 追加情報は https://sites.google.com/site/nagayasujun/ 46 社会政策(石塚)演習 1 テ ー マ 企業内の社会政策(人的資源管理・労使関係を含む) 2 テキスト 参加者と相談の上、決定する予定。当方は、現時点で、上林憲雄、逗子直之、森田雅也 (2013) 『経験から学ぶ人的資源管理』有斐閣、久本憲夫『日本の社会政策』 (ナカニシヤ 出版) 、Lloyd, L.(他), Human Resource Management ( McGraw-Hill)あたりを候補に考 えている。 3 趣 旨 何が企業内の労働環境として、best practices になりうるのかを考えてみたい。 4 年間計画 おおよそ次のことを予定する。しかし、授業開始後に参加者の要望、全員の都合を考の うえ、以下のうち重点となるいくつかのテーマに絞り込み、深く追及することもある。ま た、参加者から独自の提案があった場合、そちらを優先して取り上げることもある。 第Ⅰ部:人的資源管理の考え方(4 月) (1) 導入:人的資源管理論とは何か (2) 人的資源管理の諸理論 (3) 労働組織の設計(基本的な設計法) (4) 労働組織の設計(人事部の役割) 第Ⅱ部:人的資源管理の仕組み(5~8 月) (5) 人の採用と配置(採用) (6) 人の採用と配置(配置) (7) 企業組織における人の能力の育成(キャリア・仕事能力の開発) (8) 企業組織における人の能力の育成(人材育成・教育訓練) (9) 企業組織における仕事の評価(評価・考課の基本的な考え方) (10) 企業組織における仕事の評価(目標管理制度とフィードバック) (11) 企業組織における人の処遇(従業員の格付けの基本的な考え方) 47 (12) 企業組織における人の処遇(昇進・昇格の実務の新しい傾向) (13) 企業組織における報酬管理(報酬の種類と構造) (14) 企業組織における報酬管理(報酬管理の新しい傾向) 第Ⅲ部:労使関係と退職(10 月~12 月) (15) 企業組織における安全と衛生(法律と企業の現状) (16) 企業の使用者と被用者との関係(労使関係の重要性と役割) (17) 企業の使用者と被用者の関係(労使関係の新しい傾向と課題) (18) 退職管理(退職の意味・種類・傾向) (19) 退職管理(退職給付) 第Ⅲ部:人的資源管理の多様化(1 月~2 月) (20) 企業組織と働く人の多様化(女性労働・外国人労働) (21) 企業組織と働く人の多様化(高齢者の雇用) (22) 雇用形態の多様化(非正規雇用) (23) 労働時間と労働場所の多様化(労働時間のルール) (24) 労働時間と労働場所の多様化(在宅勤務) (25) 働き方の考え方の多様化(ワーク・ライフ・バランス) (26) 総括:長期持続性のある人的資源管理とは何か 5 募集人員 9 名 6 参加条件 モチベーションが高く、自主性と創造性に満ちた、かつ集団への貢献に多大な価値を 認められる人材を期待する。また、規律と秩序思考が良く備わっていることを求める。 「教 えてもらう」のではなく、 「自らが他の参加者に教え、影響を与える」という態度で参加す ること。無断欠席及び遅刻は絶対に認めない。前提知識として、特に経営学一般に加え、 とにかく多彩な分野(理系含む)について、様々な貴重な知識を持っていることが望まし い。 7 選考方法(4月進級予定者) 以下の項目について A4 一枚程度で正確に記入し (形式自由) 、 メール等で送信すること。 (1)氏名、年齢、学籍番号、いつでも連絡が取れるメールアドレス、出身高校 48 (2)特筆に値する知識(学業に限らない。かつスポーツを含む) 、経験、趣味、副業 (3)大学卒業後の希望する進路 (4)大学・高等学校における好きな教科および苦手な教科 (5)自身の簡単な経歴と自己描写 8 運営方針 演習参加者が交代でプレゼンテーションを行い、その後全員でディスカッションを行 う。プレゼンテーションの課題は、テキストや論文の解説に限らず、参加者の有するコン テンツ次第で決めていく。特に、ケースワークを自ら行う力があれば、ぜひとも採用して みたい。必要があれば卒業論文にかかわる学習指導も行う。 9 担当教員の主要な研究業績 労使関係および人的資源管理論を軸とした、ドイツ企業に関する研究 10 指導教員が薦める本 マービン・バウアー(平野訳) 『マッキンゼー経営の本質』 、クラウゼヴィッツ『戦争論』 、 その他、日本・西洋の古典一般(特に『吾妻鏡』 、 『プルタルコス英雄伝』など) 11 「ゼミ見学」の可否 可、ただし事前に教員に見学の希望理由を記したメールを送り、許可を得ること。 12 10 月進級者に対する特記事項 演習運営の都合上、事前に相談のこと。 13 そ の 他 49 経済政策(黒瀬)演習 1 テ ー マ 日本経済そして世界経済が直面している問題を理解し,それらに対する政策を厳密な 理論に基づいて検討する。 2 テキスト さしあたり,以下をテキストに採用する予定です。 瀧澤弘和,他『経済政策論:日本と世界が直面する諸課題』 (慶應大学出版会) その他,以下の文献もテキストに採り上げる可能性があります。 林貴志(2012) 『マクロ経済学:動学的一般均衡論』ミネルヴァ書房 林貴志(2013) 『ミクロ経済学』ミネルヴァ書房 3 趣 旨 全ての個人に市場に参加可能な初期賦存が与えられ,ミクロ経済学のテキストで説明 されているようなメカニズムがはたらいていれば,経済政策は不要です。経済政策が必要 となる原因を解明し,その解決策を理論的に探ることを目的とします。 4 年間計画 学期の初めと終わりにコンパをします。学生からの希望があればスキー合宿もやりま す。 5 募集人員 9 名 6 参加条件 特になし。 7 選考方法(4月進級予定者) 応募人数が 9 名を超えない限り選考は特に行いません。 50 8 運営方針 受講生にレジュメの作成・報告を義務付け,それに基づいて議論します。 9 担当教員の主要な研究業績 複数の財,サービスが存在する多部門モデルに興味があります。その関連の論文をい くつか書いています。 10 指導教員が薦める本 内田義彦『社会認識の歩み』 (岩波新書) ミシェル・フーコー『監獄の誕生』 (新潮社) ハンナ・アーレント『人間の条件』 (ちくま学芸文庫) エンゲルス『猿が人間になるについての労働の役割』 (国民文庫) 鯖田豊彦『肉食の思想:ヨーロッパ精神の再発見』 (中公新書) 11 「ゼミ見学」の可否 可。水曜の 15 時から 12 演習室で行っています。 12 10 月進級者に対する特記事項 特になし。 13 そ の 他 演習に関する質問がある場合は E-mail で連絡下さい。 アドレスは学生便覧に書いてあ ります。 51 財 政(佐々木)演習 1 テ ー マ 国家の形成に関する数理モデル 2 テキスト P.ターチン『国家興亡の方程式:歴史に対する数学的アプローチ』Discover21, 2015. 3 趣 旨 経済学において「国家」という領域は、経済の現状分析や政策を考える上での単位と して当然視されてきた。しかし、近年グローバル化が進む中で、国家そのものの形成や 崩壊のメカニズムについて考える研究も行われるようになってきた。ここでは、集団、 資源等を要素とする国家形成のモデルの検討を中心に、経済学、政治学、社会学等、多 様な見地から、国家が成立・存続する条件について考えていく。 4 年間計画 3 年次では、年間を通して上記のテキストを輪読し、年度末に個人またはグループ単 位の発表とレポート作成を行う。4 年次では、前半に各自の関心に応じた論文の報告お よび研究計画の発表、後半には演習論文に関する発表および討論を行う。 5 募集人員 5, 6 名 6 参加条件 歴史や哲学、思想に関心があり、かつ抽象的思考が嫌いでない人が望ましい。 7 選考方法(4月進級予定者) 演習参加願を提出した人に対して、以下の通り教員および現ゼミ生による面接を行う。 日時:11 月 24 日(木)16 時 30 分~ 場所:経済学部棟1階、第2演習室 なお、何らかの事情でどうしても上記日時に来られなくなった人は、当日の昼 12 時まで に、必ず下記アドレスに連絡すること。 連絡先: [email protected] 52 8 運営方針 インターネットが普及した現在では、 「知る」ことは容易になったが、 「調べる」 、 「考 える」ことが苦手な人が増えているように思われる。ゼミでは「何事も自分自身で考え る」姿勢を重視している。 9 担当教員の主要な研究業績 福祉国家財政論、財政学説史、東北経済論等(経済学部 HP の教員紹介参照) 。 10 指導教員が薦める本 経済・経営を専門とする諸君は、むしろそれ以外の教養を広く身につけてバランスを 取ってもらいたい。長さの関係で学生時代を逃したら二度と読めない名著も多数存在す る。選ぶに当たっての手引書として、立花隆・佐藤優『ぼくらの頭脳の鍛え方』 (文春 新書)を薦める。 11 「ゼミ見学」の可否 見学期間内であればいつでも可。 12 10 月進級者に対する特記事項 特にないが、 4 月進級者が 1 学期に勉強する部分は自分で勉強してもらうことになる。 13 そ の 他 ゼミについて教員自身に質問があれば、上記7にあるアドレスまで連絡のこと。 53 福祉経済(若林)演習 1 テ ー マ 福祉経済に関する実証分析,家族の経済学 2 テキスト 計量経済学の第一歩 -- 実証分析のススメ (有斐閣ストゥディア) 田中 隆一 新しい計量経済学 データで因果関係に迫る (日本評論社)鹿野 繁樹 3 趣 旨 現在の福祉経済は,ミクロ経済学やマクロ経済学の理論に基づいて仮説を立て,その仮説を 実際のデータ(特にアンケート調査など)を使って検証することが求められています.こ のことから,福祉経済ではどのようなトピックスが重要視されているのか,自分で関心事 を見つけることが重要です。また手法としては,統計学や計量経済学の知識を学び,パソ コンを使ってデー分析を行うことに主眼を置きます. 卒業論文では,利用可能なアンケート調査の二次分析を行い,実証分析の論文を書くのが 目標です.夏休みに他大学とのインゼミを予定しています. 4 年間計画 3 年生 4 月~6 月 計量経済学のテキストの輪読,興味のあるテーマを探し始める 7 月~9 月 インゼミの準備,参加(ディベート、各大学の論文を読みコメントを作成) 10 月~12 月 興味のあるテーマ,仮説をある程度決定する 1 月~ 3 月 関心に基づいたデータを入手し,実証分析を始める 4 年生 4 月~9 月 10 月~1 月 5 募集人員 インゼミで発表するための論文の作成,発表 インゼミでもらったコメントを元に改訂,完成させる. 6 名程度 6 参加条件 ミクロ経済学やマクロ経済学の基本的な知識があることが望ましい. 54 アンケート調査を使って数量的に分析するため,統計学や計量経済学の知識があるか,今 後学ぶ意志があること. パソコンを使うことが苦でないこと. 夏に他大学とのインゼミを予定していますのでそれに参加することを義務とする. 7 選考方法(4月進級予定者) 面接を行います. 8 運営方針 ・実際にマイクロデータを用いながら,テキストに沿って計量経済分析を学びます. ・輪読,卒業論文の進捗状況の報告,インゼミの準備など学生の自主性が多くなります. 9 担当教員の主要な研究業績 査読・共著 Taxing the Stork 2008 National Tax Journal, 61 (2), 167-187, (共著者: Kureishi, Wataru) 査読・共著 Is the Eldest Son Different? The Residential Choice of Siblings in Japan Japan and World Economy, 21 (4), 337-348, (共著者: Horioka, Charles 2009 Yuji) 査読・共著 Why do First-born Children Live Together with Parents? 2010 Japan and World Economy, 22 (3), 159-172, (共著者: Kureishi, Wataru) 査読・共著 Son Preference in Japan 2011 Journal of Population Economics, 24 (3), 873-893, (共著者: Kureishi, Wataru) 査読・共著 What Motivates Single Women to Save? The case of Japan, Review of Economics of the Household,11(4), 681-704. (共著者: Kureishi, Wataru) 10 指導教員が薦める本 計量経済学の第一歩 -- 実証分析のススメ (有斐閣ストゥディア) 田中 隆一 新しい計量経済学 データで因果関係に迫る (日本評論社)鹿野 繁樹 11 「ゼミ見学」の可否 可 12 10 月進級者に対する特記事項 受け入れ可能です. 13 そ の 他 55 加齢経済(吉田)演習 1 テ ー マ ・少子・高齢社会の諸問題を解決する福祉政策・経済政策の研究。 ・新しい時代の女性のライフスタイルと男女共同参画のあり方。 ・世代間の公平と日本の年金改革、行政改革、財政改革、税制改革。 2 テキスト 報告するべき論文や課題を厳選して手渡します。 このほか必要に応じて、 ビデオ教材の視聴とパソコン実習という立体的な教材を用意します。ま た、様々な対外活動(学生論文コンクールへの応募やディベート大会な ど)も取り入れています。このゼミは単なる「知識」を増やすことより も、問題解決のための「能力」をつけることを主眼としています。 3 趣 旨 ①日本は先進国の中で最も急速かつ高水準の高齢化が予測されていま す。このゼミの目的は、少子化の理由や高齢化の影響を経済学的に分 析し、適切な政策を考えることです。高齢化問題は公務員、ビジネス マン、研究者どれになるにもこれから重要な社会的テーマです。②過 去の OB の卒論のテーマ:出生率の経済分析、将来人口の予測、男女共 同参画の分析、財政赤字の解決策、地方自治・地方財政、シルバービ ジネス。 4 年間計画 2年生後半期・・・ゼミの行事(懇親会など)に招待され、先輩との 交流を通じて、早めにゼミの雰囲気を知ってもらう。 3月・・・ゼミ開始前のオリエンテーションとして、新入ゼミ生で小旅 行を企画・実行し、仲間意識を育てる。 1学期 4月・・・最初に自己紹介のプレゼン「私の宝物」を行い、プレゼンの テクニックになれる。ゼミの基礎的な運営を理解しつつ、ディベート 訓練、4年生の卒業報告を聴講する。ゼミ行事:お花見会の企画・運 営。 5月から7月・・・ 「高齢社会白書」を輪読・報告する。東京研修旅行の 企画と実施、日本銀行見学、東京証券取引所見学、ゼミ OB 会の企画。 2学期 10月・・・高齢社会のマクロモデル分析を行い、日本の高齢社会の将 来像をシミュレーションできる能力を身につける。 ゼミ行事:芋煮会。 56 11月・・・対外ディベートや論文コンクールに参加。 12月~1月・・・4年生時の卒論テーマ決定。 5 募集人員 9名以内(予定)きちんとした指導のため、人数を厳選します。 6 参加条件 1)このゼミで自分が勉強・研究したいテーマとその重要性、 2)ゼミ出願時点までで自分が行ってきた1,2年生での勉強や準備状 況、卒業後の将来の進路、 3)そしてあなたをこのゼミのメンバーとして加えたくなるような(ま じめな)自己 PR、 を A4 版1枚から 2 枚にまとめてゼミ参加願いに添付して出してください。 ※ 推薦状についてはこのシラバスの 13.その他 の記述も参考にして ください。 7 選考方法 (4 月、10 月進級者ともに)上記6に示した資料に基づき、公平に決定し ます。 8 運営方針 毎時間3年生は指示された資料を読み込んで報告プレゼンテーション。 4年生は卒論の状況報告プレゼンテーション。ディベート、論文報告会 (財務省)、金融機関見学(日本銀行、東京証券取引所)、アンケート調査 集計など実践を重視しています。これまでのゼミのデータ(資料、卒論 など)をクラウドで共有して、効果的・効率的なゼミ運営に努めていま す。 9 担当教員の主要な研究業績 『財政学をつかむ』 、有斐閣、2008 年 6 月、 (共著、吉田 浩ほか 2 名) 、117 ページ相当(全 340 ページ中) 。 「日本の高齢化と社会資本整備」財務省財務総合研究所、フィナンシャルレビュー, Vol.89, pp43-67. 「少子・高齢社会の進行と地域社会」樋口美雄・財務省財務総合政策研究所 編『少子化と日本の経済社会』日本評論社所収,pp.307-333,2006.3 「社会保障関係の会計検査とその展望」 『会計検査研究』Vol.32, pp.231-243, 2005.3. 「少子化、晩産化の経済分析」野口悠紀雄編『公共政策の新たな展開』所収, 東大出版会, pp.217-250, 2005.3. 教員のしている仕事と受賞 会計検査院第9代特別研究官、経済企画庁経済審議会特別委員、仙台市消 57 費生活審議会会長、宮城県富谷町まちづくり審議会会長、宮城県男女共同 参画審議会副会長歴任後、現在東北経済学会評議員、玩具福祉学会理事、 放送大学宮城学習センター客員教授、東北自治研修所東北六県市町村中堅 職員研修講師、財務省東北財務局財務行政モニター。家計経済研究所 家計 研賞準奨励賞、東北大学 平成 18 年度男女共同参画奨励賞(研究部門)受 賞。2010 年から 2011 年まで台湾成功大學とスウェーデンストックホルム 商科大学欧州日本研究所にて在外研究。 10 指導教員が薦める本 野口悠紀雄『超・勉強法』 単なる暗記テクニックではなく、合 理的な知的生産活動のハウツー物として参考になる。 11 「ゼミ見学」の可否 「可」 。ゼミ見学に限らず、ゼミの情報収集はとても大事なこと です。躊躇しないでどんどん尋ねてください。① ゼミは毎週月曜日の 14:40~17:50 に新しい校舎の2F第二小講義室で行っています。希望 者は e-mail:[email protected] で遠慮なく相談、質問する ようにしてください。② 10 月~11 月にかけて、現役ゼミ生による相談 があります。ゼミ生運営のツイッター http://twitter.com/Karei_zemi 参照。③ ゼミ協主催によるゼミ説明会 10/20 or 10/27 にも参加。④ゼ ミ見学以外にも、教官担当の財政学の授業(毎週火曜日2時限、金曜日 3時限;教室は経済第1講義室)をのぞいてみて、教官の雰囲気を知っ たり、授業の後にゼミに関する質問をしたりしてもよいでしょう。 12 10 月進級者に対する特記事項 10 月から直ちにゼミが開講されるので、 基礎知識の 復習と十分な準備をしておくようにしてください。 13 そ の 他 このゼミに向いている人 ①社会や組織をリードする必要な人材になり たいと考えている人(銀行、生保、メーカー等上場企業も多数)、②国家・ 地方公務員(財務省、国税専門官、から都庁、県庁、市役所、日本銀行、 政策投資銀行まで合格者多数)等になり政策形成に関与することを考え ている人、③大学院に進学することを考えている人(3 年次編入のあと飛 び級で大学院に行った人もいます。東大の大学院に行った人もいます、 大学の先生になった人もいます) を歓迎。 他の大学から3年次編入の人 3年次編入の先輩がケアします。これまで 毎年編入生がいます(ただし編入生は単位加算の条件を吹き飛ばすくら いの努力が必要) 。 58 ※ゼミ出願の推薦状について 2年生で平成 28 年 1 セメスターのプレゼミ(吉田;人工知能)の履修者 で推薦状がある人は、それをゼミ参加願いに添付するとよいでしょう。 また、プレゼミ非履修者で推薦状がほしい人は、11 月 7 日(月)、11 月 14 日(月)の4・5時限目のいずれかにゼミ見学中に 6.参加条件のところにある内 容で 10 分間の自己 PR プレゼンを行い、そのプレゼンが良いものならば推薦 状が交付されます。なお、このような推薦状がなくとも申し込みはもちろん OK。 受動的な単なる座学の授業と違い、ゼミでは論文作成というリサーチとアウ トプット活動を行う中で、能動的でしっかりとした自分を形成し、就職しても「組 織が決して手放したくないような『人材』 」になることを目指しましょう。 大学生活後半の2年間で「本当にこのゼミで自分の問題意識が永遠に変わ った。」「会社に就職する前に物事の進め方が分かっていたので苦労しなくな った。」と思えるように、カリキュラム、教材、コンテンツ、行事を工夫して行いま す。楽ではないかもしれませんが、その分、このゼミはしっかり血となり 肉となる能力をつけることを大事にしています。 社会が求め ているのは、 単に知識や 学力ではな い! このゼミで目指す能力のイメージとは・・・ (1) コミュニケーション能力 (6) 責任感 (2) 主体性 (7) 論理性 (3) チャレンジ精神 (8) 潜在的可能性(ポテンシャル) (4) 協調性 (9) リーダーシップ (5) 誠実性 (10) 柔軟性 出所: 「2015 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」一般社団法人 日 本経済団体連合会(2016 年 2 月 16 日)の「選考にあたって特に重視した点」 我希望你在日本东北大学的学术经验将是一个很大的帮助,以提高你的 社会和你的国家。 저는 일본 동북 대학의 학업 경험이 사회와 국가를 개선하는 데 큰 도움이되기를 바랍니다. 59 地域計画(増田)演習 1 テ ー マ 都市・地域計画の理論と実践:東日本大震災の教訓と残された課題 2 テキスト 前期は、計画論や地域経済、政策評価等の面から東日本大震災の復興過程を扱った文献 を、後期は(参加者の希望や卒論テーマ等も踏まえて) 、復興計画を含む計画実践・まちづ くり事例に関する文献等を選ぶ予定です(下記はその例示) 。 ・飯田・木下・川崎・入山・林(2016)『地域再生の失敗学』、光文社新書 ・木下斉(2016)『まちで闘う方法論:自己成長なくして、地域再生なし』、学芸出版社 ・蓑原敬・宮台真司(2016)『まちづくりの哲学:都市計画が語らなかった「場所」と「世界」』、ミネル ヴァ書房 ・齊藤誠(2015)『震災復興の政治経済学:津波被災と原発危機の分離と交錯』、日本評論社 ・本田豊・中澤純治(2016)『東日本大震災からの地域経済復興:雇用問題と人口減少解決への 道』、ミネルヴァ書房 ・関西大学社会安全学部(2016)『東日本大震災 復興5年目の検証:復興の実態と防災・減災・縮 災の展望』、ミネルヴァ書房 ・綱島・岡田・塩崎・宮入編(2016)『東日本大震災 復興の検証:どのようにして「惨事便乗型復興」 を乗り越えるか』、合同出版 ・長谷川・保母・尾崎編(2016)『岐路に立つ震災復興:地域の再生か消滅か』、東京大学出版会 ・山崎繭加・竹内弘高(2016)『ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか:世界トップのビジネス スクールが伝えたいビジネスの本質』、ダイヤモンド社 ・大震災に学ぶ社会科学シリーズ、東洋経済新報社 辻中豊編(2016)『政治過程と政策(第 1 巻)』、齊藤誠編(2015) 『震災と経済(第4巻)』 他 3 趣 旨 地域計画演習では、都市開発・交通施設整備・土地利用等の物的計画(physical planning) に加え、 産業政策やまちづくり・コミュニティ計画を含む広義の地域計画を扱います。 特に、 計画策定・実施(planning process)の中で「計画は誰によって、なぜ発議され」 、 「具体の計 画案(plan)はどのように策定されて」 、 「いかなる構想力を示し」 、 「目標をどこまで達成 できたか」 という視点から計画案の系譜を追い、 計画理論や地域調査の課題を検討します。 特に東日本大震災からの復興では、人口減少や少子高齢化、中心市街地再編など震災前か ら議論されていた課題と、集落移転や幹線交通再整備、産業再生、復興財源などの新たな 課題とが交錯した状況にあり、復興計画の策定・実施・評価を困難にしています。 60 またこれまでに、 「青葉区役所:地下鉄川内駅周辺地区のまち歩き・マップづくり」や「仙 台駅東エリアマネジメント協議会:まちづくり支援」 、 「黒川商工会:地域産業観光研究会」 等の活動も行いました。 4 年間計画 前期:東日本大震災の復興過程に関する検討 第 01 回 :オリエンテーション(本ゼミの目的と概要) 第 02 回 :運営方針の決定(テキスト選択・作業グループ編成、年間計画の確認) 必要に応じて面談の上、履修計画等の確認・指導も行う 第 03~12 回 :報告とディスカッション(テーマに関する学生からの報告を踏まえて、 教員による補足説明と全員でのディスカッションを行う) 第 13~14 回 :演習・進級論文に関する研究計画報告(各自の研究テーマ・課題の概要と、 研究計画について報告し、質疑応答を行う) 第 15 回 :全体のまとめ(演習成果を確認し、 後期に向けた研究計画を提出する) 後期:計画実践・まちづくり事例に関する検討 第 01 回 :運営方針の確認(テキスト選択・作業グループ編成、後期計画の確認) 第 02~03 回 :演習・進級論文に関する研究進捗報告(各自の研究計画の進捗状況と 現時点での成果概要・課題について報告し、質疑応答を行う) 第 04~13 回 :報告とディスカッション(テーマに関する学生からの報告を踏まえて、 教員による補足説明と全員でのディスカッションを行う) 第 14~15 回 :演習・進級論文に関する研究成果報告(各自の研究内容と課題を報告し 質疑応答を通じて、演習成果を確認する) 5 募集人員 若干名(ゼミ共同調査・計画づくり等の企画・提案を歓迎します) 6 参加条件 具体的テーマや現場のイメージを準備して、演習に参加して下さい。 7 選考方法(4月進級予定者) ①必須課題、②志望理由(演習論文テーマ案) 、③要望(ゼミ共同調査の企画等)をA4 用紙数枚にまとめ、申込書と同時に提出。希望者多数の時は、これらをもとに選考します。 ①必須課題:会計検査院(2016)「東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等に 関 す る 会 計 検 査 の 結 果 に つ い て (http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/28/h280406.html)」を読み、あなたが特に重要だ 61 と考える課題を2つ選んで 、本報告の役割を念頭に置いて 論じなさい。また上記以外 の参考資料や文献があれば、出典・URL 等を明記のこと。 8 運営方針 各回演習は通常のゼミ形式で進め、テキストと関連資料の要旨報告と討論を行います。 加えて、演習・進級論文や共同調査(仙台・宮城等での地域調査など)の経過報告を適宜 実施します。学会(経済・建築・土木・地理…)や政策コンペ等で報告可能な水準を目指し、 頭と手足を使った作業を進めて下さい。 欠席する場合は、 事前にメール等で報告すること。 9 担当教員の主要な研究業績 計画論(防災都市計画、計画思想、計画過程やゾーニング等の制度分析) 、都市解析(空 間データによる都市機能分析)など。プランニング実務の経験も若干あります。 ・増田聡(2016)「第4部:復興政策の評価にむけて:おわりに」、地域産業復興調査研究プロ ジェクト編 『東日本大震災復興研究Ⅴ 震災復興は東北をどう変えたか』、南北社 ・佐藤健・増田聡・柴山明寛(2015)「仙台市地域防災リーダーの養成プログラムの開発」、日本 地震工学会論文集 15(7) ・増田聡(2014)「災害危険区域と防災集団移転促進事業に関わる課題群」、『復興』 5(3) ・増田聡(2012)「住めなくなる土地の意味:不動産が受ける影響」、『建築雑誌』 2012-12 ・佐藤・塩田・増田・村山・柴山・源栄(2009)「コミュニティ防災計画支援のための地域防災力評 価手法とその仙台市への適用」、『自然災害科学』 27(4) ・S. Masuda (2009) Qualitative analysis of two-dimensional urban employee distributions in Japan: A comparative study with urban population distributions by means of graph theoretic surface analysis, New Frontiers in Urban Analysis: In Honor of A. Okabe, CrcPr I Llc ・まちづくり政策フォーラム編(2006)『協働で地域づくりを変える・つなぐ・活かす』、ぎょうせい ・東北開発研究センター編(2005)『コミュニティ再生と地方自治体再編』、ぎょうせい 10 指導教員が薦める本 特に推薦はありませんが、開講までに以下の文献に目を通しておくと、都市計画関連の 話題についてゼミでの議論が分かりやすくなるはずです。 ・蓑原・藤村他(2014)『白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか』、学芸出版社 ・都市計画教育研究会編(2001)『都市計画教科書(第 3 版)』、彰国社 ・高見沢実(2000)『初学者のための都市工学入門』、鹿島出版会 11 「ゼミ見学」の可否 期間中でしたら、自由に見学にきて下さい。 12 10 月進級者に対する特記事項 志望理由を踏まえ、定員まで受け入れます。 13 そ の 他 62 質問等のある学生は、増田([email protected])まで事前に連絡すること。 63 2 経営学演習 経営学原理(高浦)演習 1 テ ー マ 企業倫理(business ethics) 2 テキスト D. スチュアート(企業倫理研究グループ訳) 『企業倫理』白桃書房、2001 年 D. ボーゲル(小松由紀子、村上美智子、田村勝省訳) 『企業の社会的責任(CSR) の徹底研究』一灯舎 、2007 年 (以上、予定) 3 趣 旨 企業倫理(business ethics)は、経営学と倫理学を総合した学際的な学問分野です。上記 の標準的なテキストの読解およびケース・ディスカッションを通じて、この企業倫理学の エッセンスについて学びます。前期では、基礎的な倫理学の概念について体系的に学習し つつ、企業と消費者、従業員、地域・国際社会、地球環境との望ましい関係性について、 「ベン&ジェリーズの倫理的ビジネス」 「ジョンソン・コントロールと女性従業員の保護」 、 、 「ネスレの乳幼児用粉ミルク・マーケティング」など具体的ケースをもとに検討します。 後期では、地球温暖化や経済のグローバル化への懸念が増すにつれて注目される、CSR (Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の概念に光を当て、近年の多国籍企 業の事例をもとに、CSR は採算性に合致するのか、本当に CSR は社会問題の解決につな がるのか、など CSR の可能性と限界について理解を深めます。 4 年間計画 3年次 第1週から最終週まで:上記テキスト各章にもとづくグループ・ディスカッショ ン(各学期定期試験明けに CSR 報告書分析等のグループ・ワークを予定) 4年次 第1週から最終週まで:演習論文に関する個別発表 5 募集人員 定員上限まで 6 参加条件 特に予備知識を必要としませんが、高い志と理念をもった会社のあり方を考えたい、不 祥事防止のマネジメントの仕組みを学びたい、将来的に企業の CSR 部門で活躍したい、震 災復興における企業の社会的役割について考えたい、私たちの暮らしと身近な企業との関 係をとらえ直したいなど、この分野に関心をもつ人の参加を歓迎します。 7 選考方法(4月進級予定者) 書類審査:氏名(ふりがな) ・自己紹介・本演習参加の志望理由・履修済みの学部専門 科目のうち任意の 5 科目の各成績(評価点) 、進路予定・連絡先(E メールアドレス)等に ついてワープロにてまとめ(書式・分量自由) 、学生証のコピーを添付して、演習参加申込 受付期間中に、参加願に添えて教務係に提出して下さい(編入学生の場合も同様) 。 64 併せて以下の担当教員アドレスに件名「演習エントリー」のEメールを氏名明記の上お 送りください(随時、連絡をとらせていただく場合があります) 。 メールアドレス(高浦) :takaura@econ.tohoku.ac.jp 8 運営方針 受講生がケース討議などを通じて主体的に意見を表明し、ともに学び合う関係を大切に します。3年次ではテキストの各章ごとに各自がコメント・ペーパーを持ち寄り、重要な 論点につき議論します。 4年次では本演習のテーマに沿って卒論制作に向けた個別発表 (企 業ケース分析など)を中心に進めます。工場見学等の学外活動も行います。2011 年度から は毎年、慶應-国連 PRME(Principles for Responsible Management Education)プロジェクト の一環で震災復興プラン等を発表し合う CSR 構想インターゼミナールに参加し他校学生 とも交流しています(17 年度も参加予定) 。 9 担当教員の主要な研究業績 「会社は誰のものか―カゴメのファン株主拡大戦略」 「ビジネスの倫理―三菱ふそうの ハブ欠陥事件」東北大学経営学グループ(共著) 『ケースに学ぶ経営学』有斐閣、2008.5 「労使紛争の和解に関する企業倫理的考察:Habermas の討議倫理モデルを用いて」村 田和彦編『企業社会と市民生活』中央経済社、2010.2 「東日本大震災における宮城県下を中心とした NPO の被災地支援活動について―地 元紙記事データベースをもとにした動向調査」本研究科地域産業復興調査研究プロジ ェクト編『東日本大震災からの地域経済復興への提言』河北新報出版センター、2012.3 担当教員のホームページも参照してください。http://www.econ.tohoku.ac.jp/~takaura/ 10 指導教員が薦める本 企業倫理について概要をつかみたい人は下記の図書が入門書として最適です。 梅津光弘『ビジネスの倫理学(現代社会の倫理を考える 3) 』丸善、2002 年 出見世信之『企業倫理入門-企業と社会との関係を考える』同文舘出版、2004 年 11 「ゼミ見学」の可否 いつでも可(毎週金曜日 4,5 講時、小講義室 2 で実施、15 年度 4 年生 12 名(うち女性 2 名)、3 年生 11 名(うち男性 3 名)) 。その他、オフィスアワー(毎週金曜日 3 講時、経済学 部棟 601 研究室) 、E メール(上記アドレス)でも随時、相談を受け付けています。 12 10月進級者に対する特記事項 4月進級者と同様の書類選考を行います。基礎的レベルから指導しますが進度の関係で、 演習1B(及び2B)においては翌年度の4月進級者のクラスに編入させていただく場合 があります。 13 そ の 他 当ゼミ卒業生の演習論文について教員ホームページ内で閲覧できます (教育科目-演習) 。 http://www.econ.tohoku.ac.jp/~takaura/seminar_ronsyu.html 65 経営組織論(藤本)演習 1 テ ー マ 複眼的思考による組織と人材のマネジメント 2 テキスト アラン R.コーエン, デビッド L.ブラッドフォード『影響力の法則』税務経理協会、 ロバート B.チャルディーニ「影響力の武器 第3版」誠信書房など。 3 趣 旨 この演習では専門的で形式的な知識を習得することよりも、それらを活用してロジカ ルに考察する能力の習得を重視します。物事の本質を洞察し説得力のある考察を発信す る能力を習得するために、2 年間で演習論文を書き上げることが目標です。 4 年間計画 3年生としての1年間は、4年生の指導を受けながらグループワーク(メンバー構成 は半年ごとに再編)を通して文献の読解力やプレゼンテーションスキルなどの基礎的能 力を習得します。4年生に進級後は、後輩の指導をしながら自らの演習論文の執筆を通 して問題発見力や論理的思考力などを鍛錬します。 授業は年間を通してグループワークによって進められます。前期は、グループごとに 事前にテキストのレジュメを作成して発表し、全員で質疑応答および討議します。後期 は、グループ対抗で様々なテーマを題材にしたディベートなどを実施する予定です。 なお、5月末に春合宿「演習論文書き方」 (全員) 、7月末に夏合宿「4年生の演習論 文の構想発表」 (全員) 、2 月初めに冬合宿「3年生の企業研究発表」 (3年生のみ)を実 施します。 5 募集人員 8~9名 6 参加条件 授業は全てグループワークが中心となるため、チームワークを尊重して、授業時間以 外の打ち合わせやイベントなどにも積極的にコミットメントできること。 66 7 選考方法(4月進級予定者) ゼミの現 3 年生による面接結果で決定します。希望者は 11 月 18 日(金)までに藤本 ゼミの学年アドレス宛([email protected])に連絡してください。後日、ゼミ 代表から面接の日時と場所を連絡することになっています。 8 運営方針 年度初めにゼミの年間計画を提示しますが、全てのゼミ活動は各グループの主体的な 運営によって行われます。 9 担当教員の主要な研究業績 『人事管理の戦略的再構築』税務経理協会、 『経営学の基本視座』まほろば書房(編著) など。 10 指導教員が薦める本 苅谷剛彦『知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ』講談社文庫 11 「ゼミ見学」の可否 可(月曜日4・5講時) 12 10 月進級者に対する特記事項 特になし 13 そ の 他 毎年11月末頃に 1 泊 2 日でOB・OG合宿が開催され、全国から集まるゼミの卒業 生と現役ゼミ生とのグループ討議などを通して活発な交流の機会があります。 67 経営史(結城)演習 1 テ ー マ 日本企業の伝統と革新―東北のものづくりを考える― 2 テキスト 粕谷誠[2012] 『ものづくり日本経営史』名古屋大学出版会 鈴木芳行[2015] 『日本酒の近現代史』吉川弘文館 二宮麻里[2016] 『酒類流通システムのダイナミズム』有斐閣 などを予定していますが、参加者の興味によってテキストを変更することもあります。 3 趣 旨 経営史は企業の発展や衰退の原因をより長期的な視野で研究する分野であり、経営判断 をする上で重要な事例(ケース・スタディ)を蓄積する学問でもあります。経営史の領域 は(1)ビジネスヒストリー:なぜそうした経営を選択したのか?その意思決定のプロセス の研究と、 (2)企業者史:革新(イノベーション)を担い、経営の決定権を持つ企業家の 役割に関する研究に大きく分けられ、社会的・経済的・技術的諸条件や歴史的制約をふま えて、企業経営に従事する人々の主体的な側面に着目して企業を分析します。 こうした経営史の特徴をふまえて、結城ゼミでは「ものづくり」に焦点をあてて、経営 史を勉強します。江戸時代では味噌や醤油、清酒などの醸造業や織物業は重要な産業とし て位置づけられており、明治期以降は繊維産業や造船業、戦後は自動車産業や機械産業、 現代は化学産業や電子産業と産業の変遷をたどりながらも、ものづくりに携わる産業は日 本経済を牽引する重要な役割を果たし続けてきました。 さらに、結城ゼミでは「東北」のものづくり、とくに「醸造業」に焦点をあてて、もの づくりの伝統と革新を検討します。醸造業は江戸時代から現代まで日本にとって重要な産 業であり続けてきましたが、常に伝統をふまえながらも新しい経営環境や技術進歩に対応 して革新を遂げてきました。醸造業は経営史の分析対象として好適なのです。こうした醸 造業の発展を考える上で、東北地方は非常に重要です。味噌や醤油の原料となる大豆の収 穫量は都道府県上位 10 位中 4 県が東北地方です(農林水産省「作物統計」より) 。また、 酒も製造業者数と生産量は関西、関東に次いで東北が多い地方になっています(国税庁「清 酒製造業の概況」 より) 。 ただし、 参加者の関心に応じて産業は自由に決めたいと思います。 以上のように、東北大学の地の利を活かして日本のものづくりにおける伝統と革新を学 ぶ。これが結城ゼミの趣旨になります。 68 4 年間計画 3 年の前半:テキストや参考文献を輪読して関連知識を習得します。 3 年の後半:生産現場(蔵など)や企業訪問など現地調査をしながら、卒論のテーマを 決めます。 4 年の前半:3 年後半に引き続き現地調査や資料収集を行い、 卒論の中間報告を行います。 4 年の後半:卒論執筆を行います。 ※その他にゼミ合宿なども考えています。 5 募集人員 9 名程度 6 参加条件 特にありません。ただし、何でもよいので本を読むのが好きな人、自分の頭で考えて自 主的に行動できる人を歓迎します。 7 選考方法(4月進級予定者) 必要があれば面接します。 8 運営方針 報告に基づいて参加者全員で議論します。具体的には以下の手順で進めます。 3 年の前半は卒論執筆に必要な知識やアイディアを得るために、テキストを輪読します。 報告者がレジュメを作成し発表を行い、その他参加者と議論します。 3 年の後半は各自が調べてきた調査結果や卒論のアイディアなどを報告してもらい、参 加者全員で意見を出し合って、卒論へ向けてより良い内容にしていきます。 4 年は卒論の報告を行ってもらいます。 9 担当教員の主要な研究業績 戦前日本における企業統治や合併に関する研究をしています。 たとえば、 「企業統治における株主総会の役割―大阪紡績会社の事例―」 『経営史学』第 46 巻第 3 号、56-77 頁(2011 年) 、 「資本市場と企業統治―近代日本の綿紡績企業における 成長戦略」 『社会経済史学』第 78 巻 3 号、71-88 頁(2012 年) 、 「複数単位企業の生産組織 ―20 世紀初頭における鐘淵紡績会社の合併」石黒真吾/中林真幸編『企業の経済学』有斐 閣、第 6 章(2014 年)など。 69 10 指導教員が薦める本 ・レポート/卒論を書くために 宇佐美寛『作文の論理―『わかる文章』の仕組み 』東信堂、木下是雄『レポートの組み 立て方 (ちくま学芸文庫) 』筑摩書房、本多勝一『日本語の作文技術 (朝日文庫)』朝 日新聞出版 ・歴史の面白さを知るために 中村隆英『昭和史』 (上) (下)東洋経済新報社、板谷敏彦『日露戦争、資金調達の戦い (新潮選書) 』新潮社、吉村昭の一連の記録文学( 『戦艦武蔵』や『桜田門外ノ変』など) ・経営史の古典 A・D・チャンドラーJr(鳥羽欽一郎/小林袈裟治訳) 『経営者の時代』上下、東洋経済新 報社、A.A.バーリ/G.C.ミーンズ(森杲訳) 『現代株式会社と私有財産』北海道大学出 版会 11 「ゼミ見学」の可否 可(ただし、事前にメールで連絡をください。連絡先:[email protected]) 12 10 月進級者に対する特記事項 特にありません。 13 そ の 他 オフィスアワーや詳しい年次計画など連絡諸事項に関しては、初回の演習で伝えます。 70 管理会計論(青木)演習 1 テ ー マ 管理会計の基礎と最近のトピック.企業に関する財務分析の基礎. 2 テキスト ・ Horngren, C. T., G. L. Sundem, D. Burgstahler, and J. Schatzberg, Introduction to Management Accounting(16ed.), Prentice-Hall, 2014. 上のテキストは、英語なので、私の方で一括購入し、皆さんにお貸しします。 3 趣 旨 上記のテキストは、世界中で用いられている標準的なテキストであり、このテキス トを用いて、管理会計・原価計算の基礎を学習する。 本ゼミではこのテキストをここ数年用いており、今年度は、過去の翻訳の蓄積を集 め、翻訳を作成する予定。 4 年間計画 ・4 月〜7 月:上記テキストを輪読する。4 年生に対しては卒業論文の指導を行う。 ・10 月〜12 月:上記テキストを輪読。財務諸表分析の基礎を学習する。 ・1 月:卒業論文の発表会。上記テキストのまとめ 5 募集人員 9名 原則として 9 名まで 6 参加条件 好奇心が旺盛な人,向上心が強い人,あいさつのできる人. 7 選考方法(4月進級予定者) 希望者が多い場合は面接を行う. 8 運営方針 基本的に、英文のテキストを読み、それを解説していく。適宜、必要な問題を解いて 71 いく。毎回担当を決めて発表してもらう。毎回、全員に質問するので、担当でなくとも予 習を欠かさないこと。 9 担当教員の主要な研究業績 会計学におけるモデル分析、非財務指標に関する実証分析、BSC(Balanced Scorecard) に関する事例研究。 10 指導教員が薦める本 特になし。幅広い分野の本を読んでください。 11 「ゼミ見学」の可否 可能。事前に連絡してください。 12 10 月進級者に対する特記事項 個別に相談して下さい。人数に余裕があれば受け入れます。 13 そ の 他 特になし. 72 監査論(米谷)演習 1 テ ー マ 財務諸表分析 2 テキスト ・ 伊藤邦雄『新・現代会計入門(第 2 版) 』日本経済新聞出版社, 2016 年。 (なお, 改訂された場合は最新版を用います。 ) 3 趣 旨 本演習は財務諸表分析を主たるテーマとし,企業経営の実態を財務諸表から定性 的・定量的に分析することを目的とします。そのためにも,まずは財務諸表をきちん と理解することが必要です。演習前半では財務会計のフレームワークについて学習し ます。ここでは日本の会計・監査制度のみならず,国際財務報告基準も取り扱います。 また,切れ味の鋭い財務諸表分析を行うには,①現実の現象を説明するセンスの良い 仮説の構築と②その仮説をサポートする証拠の示し方がポイントとなります。これら は演習後半のテーマ別研究の中でトレーニングする予定です。 4 年間計画 第1回 ガイダンス 第 2~3 回 資料収集の方法を確認します。また,日経 NEEDS Financial Quest や EOL の使用方法も確認します。 第 4~11 回 テキスト第 2 章~第 9 章の内容を取り扱います。テキストの内容に 沿ったトピックをチームごとに選択し,ゼミではその調査内容を報 告・議論します。この期間の学習を通じて,財務会計の基本的な枠 組みを理解します。 第 12~15 回 チームごとに持続的に企業価値を創造すると考える企業を選択し, 当該企業がなぜ持続的に企業価値を創造すると考えるのかをレポ ートにまとめてもらいます。なお,財務諸表分析の基礎的な内容に ついてはテキスト終章を利用して理解しつつ,ゼミの時間を利用し て分析作業を進めます。この学習を通じて財務データベースを活用 できるようになることも狙いです。ゼミ合宿(例年だと 9 月末)で 最終報告を実施予定です。 73 第 16~21 回 テキスト第 10 章~第 14 章の内容を取り扱います。報告の要領は第 4~11 回のときと同様です。 第 22~第 30 回 テーマ別の研究を行います。例えば,スチュワードシップ・コード やコーポレートガバナンス・コードなどを取り上げ,それらに関連 する書籍・論文等を読み,ゼミで議論する予定です。 ※ 上記は 3 年次のスケジュールです。4 年次は原則として卒業論文の執筆に向けた準 備を行います。各人が個別に会計や企業経営に関するテーマを設定し,関連する 論文を読み進め、定期的に準備状況を報告してもらう予定です。 5 募集人員 9 名程度 6 参加条件 会計や企業経営に関心があることが条件です。 7 選考方法(4月進級予定者) ① 演習参加希望者はエントリーシート(A4 用紙に 1 枚程度)を作成し,それを教務 係に提出する演習参加願にホッチキスで添付して下さい。エントリーシートには, (1)自己紹介(自己 PR を含む) , (2)現在までに力を注いできたこと, (3)ゼミに 期待すること, (4)大学卒業後の進路について記載して下さい。募集人員を超過 しない場合は提出書類をもとに選考します。なお,エントリーシートの様式は任 意ですが、標準的な様式をキャンパスコミュニティに 10 月下旬頃に掲載予定です。 ② 募集人員を超過した場合は面接を実施します(この場合,別途キャンパスコミュ ニティで連絡します) 。その際,成績表のコピーを追加で提出してもらうことがあ ります。 8 運営方針 具体的な講義項目は次の 2 つを予定しています。ゼミの応募状況にもよりますが, どちらもチームで取り組むことを予定しています。 ① テキストに沿った報告・討論 ・・・上記テキストの章立てに沿って報告・討論を行い ます。1 回につき,1 章程度のペースで,担当グループがレジュメを作成し,授業 で報告します。報告内容はテキストの内容の要約ではなく,テキストの内容の中 で関心を抱いたトピックについてさらに深く調査するという形式です。 ② テーマ別の研究 ・・・関心を持ったトピックについて自分なりの仮説を構築し,分析 してもらいます。取り上げるトピックは相談して決定します。説得的な仮説を立 74 てるにはどうすれば良いのか,論理的に説明するということはどういうことか, ということの感覚を身につけます。 9 担当教員の主要な研究業績 ・ 「財務比率分析におけるレバレッジ効果」, 一橋大学日本企業研究センター編『日 本企業研究のフロンティア第 5 号』 (第 7 章 pp.155-178 に所収), 有斐閣, 2009 年。 ・ 「会計利益と課税所得の一致性と利益の質」, 平成 25 年度設置日本会計研究学会 特別委員会(最終報告) 『経済社会のダイナミズムと会計制度のパラダイム転換に 関する総合研究』 (第 16 章 pp.163-178 に所収), 2015 年。 10 指導教員が薦める本 ・ K・G・パレプ,P・M・ヒーリー,V・L・バーナード(斎藤静樹監訳) 『企業分析入 門(第 2 版) 』東京大学出版会,2001 年。 ・ 伊丹敬之『創造的論文の書き方』有斐閣, 2001 年。 11 「ゼミ見学」の可否 可能です。ゼミは経済学部研究棟1F の「第 24 演習室」で実施しています。3 年生 が報告するゼミを見学する方が良いと思うので,火曜の 14:40~16:10 に来て下さい。 12 10 月進級者に対する特記事項 4 月進級者の応募状況及び本人の適性等によって受入を判断します。 13 そ の 他 研究室は会計大学院研究棟(片平キャンパス)の 2F にあります。問い合わせはメー ル([email protected])を送って下さい。 75 経営工学(伊藤)演習 1 テ ー マ 経営効率化における数理最適化モデルの構築 2 テキスト 洋書を含む最適化,オペレーションズ・リサーチ関係の文献 3 趣 旨 経営の効率化は,取り巻く環境や資源,システムのパフォーマンスを向 上させることであり,最適化問題の一つと考えられる.したがって効率化 の実現には,対応する問題の構造をいかに的確に数理モデルとして記述す るかが重要である.本演習では,対峙する問題の構造を把握し,目的に則 した妥当な数理モデルを構築する手法について議論する. 4 年間計画 <前期> ・初回演習時にオリエンテーションを行い,利用する文献,持ち回り担当 の決定など,演習を進める大まかなスケジュールと方針について説明する. ・第 2 回目にはオペレーションズ・リサーチ,数理最適化について担当者 が概説する. ・第 3~15 回目は,後述する「授業」 (8 運営方針参照)を行う. <後期> ・初回演習時に,参加者の興味に応じて,各自が掘り下げて研究を行う分 野を決める. ・2~15 回目は,各自の掘り下げ分野に応じて,学術論文を題材として「授 業」を行う. 5 募集人員 9名 6 参加条件 数式を扱うことが苦ではなく,最低でも Microsoft Word, Excel を使いこ 76 なせ,一つのことについて一日中でも「考える」 , 「悩む」ことができる. 7 選考方法(4月進級予定者) 志望動機(演習参加願を提出する際に,800 字程度の志望動機を添付) , 面接( 「11『ゼミ見学』の可否」を参照)により選考する. 8 運営方針 3 年生には取り組む文献を指示しますので,その内容について演習時に 「授業」をして頂きます. 「先生」は履修者から持ち回りで毎回 1 名決定し, 他の履修者は「生徒」となります.担当者も基本的に一生徒となりますの で, 「先生」には進行を含め割り当てられた時間を管理する責任があります. 「生徒」は疑問点を積極的に質問し, 「先生」はそれらに対応できるだけの 準備をしておく必要があり,これらのやり取りを通して評価を行います. 各々の参加者が「先生」となる回数はゼミ参加者総数に反比例し,当然の ことながら,参加者が多ければ 1 人あたりの担当回数は少なく,参加者が 少なければ回数は多くなります. 4 年生には卒論のテーマを自分で見つけ, 自主的に取り組み,その進捗状況などを演習時に報告し,担当者を含め, 他の参加者からのコメントを参考にして卒論作成を進めて頂きます. 9 担当教員の主要な研究業績 ファジィ組合せ最適化や農業経営における最適化問題の研究 10 指導教員が薦める本 特になし 11 「ゼミ見学」の可否 以下のとおり面接と合わせて実施しますので,希望者は必ず参加して下さ い(事前連絡不要) .見学・面接に参加しても,必ずしも当演習に参加申し 込みをしなければならないわけではありません.なお,第二次募集以降にお いては,担当者に問い合わせてください. 日時:2016 年 11 月 8 日 14:40~17:50, 場所:第 2 演習室 12 10 月進級者に対する特記事項 ゼミ参加を許可しても 4 月進級者と区別はしません.したがって,前提と なる(4 月進級者が既得の)知識等の習得に努力が必要. 77 13 そ の 他 正当な理由の無い欠席や無断欠席は厳禁です.担当者は「指示」をして も, 「教える」ことはありませんので,創造力,思考力,忍耐力,自主性が 必要です. 78 証券投資論(室井)演習 1 テ ー マ 数理ファイナンス・保険数学 2 テキスト ファイナンスで用いられる数学の本を読む。2017 年度は『ファイナンスのための確率解析 入門』(藤田岳彦)を読む予定。参考までに、2009・2011・2013・2015 年度に同じ本を用い てゼミを行っている。その他の年についても、ほぼ同じ水準の本を用いてゼミを行ってい る。 3 趣 旨 先物取引やオプションなどを総称してデリバティブ(金融派生商品)とよぶ。これらの 商品価格評価に必要な数学を学ぶ。 4 年間計画 1年をかけてオプションと呼ばれる金融商品の理論価格式(ブラック・ショールズの公式) を導出することを目指す。 オプションとはある指定された金融商品(株式指数や債券先物な ど)をある決まった時点で決まった価格で売買する権利であり活発に取引されている。 この 商品の理論価格を求めるためには確率論の知識が必要となる。そこで、次の時刻に酔っ払 いが右に行く確率が 1/2、左に行く確率が 1/2 という動きをするとき、例えば、10 ステッ プ後はどのようになっているかを考えるというような問題(ランダム・ウォーク)を通じて、 基礎的な確率論を復習する。それをもとに1学期は、株式の動きがランダム・ウォークで ある場合、オプション価格式はどのように計算されるかについて学ぶ。2学期は株価が連 続に動く場合はどのようにオプション価格を求めればよいかなど、より、実践的な問題に ついて考察を行う。 5 募集人員 定員の範囲内 6 参加条件 『経済経営数学』を履修していること。(または、それに代わると判断できる科目が 既習得であること。 『経済経営数学基礎』のみの履修での参加は不可。) 参加にはゼミ見学 が必須。 79 7 選考方法(4月進級予定者) 参加希望者と意見交換をしながら最適な方法を決定する。なお、他の箇所でも述べ ているように参加希望者は必ずゼミの見学をすること。 8 運営方針 輪読形式で実施する。本ゼミは数学を学ぶためのゼミであることを理解したうえで参 加すること。学生が事前に準備をし、黒板を用いて発表する形式を取る。また、デリバテ ィブの価格計算のために必要な簡単な数値計算アルゴリズムを解説するので、Excel VBA などによりコンピュータへの実装をしてもらう。卒業制作論文では、計算機による数値計 算を中心とした話題に取り組む。 9 担当教員の主要な研究業績 さまざまな、デリバティブの価格計算や感応度の計算を中心に研究を行っている。特 に、企業倒産リスク(信用リスク)を含む商品や、複雑な形態の商品(経路依存型商品)や満 期を待たずに換金できる権利(早期行使権)の付いた商品の解析などについて興味がある。 今後は保険数学についても考察を深めていきたいと考えている。 10 指導教員が薦める本 「初めての確率論 測度から確率へ」(佐藤坦:共立出版) 数理ファイナンスを学ぶには、最終的には精密な確率論の議論が必要である。その基礎 となる測度論のもっとも分かりやすい本のひとつである。数理ファイナンスのみならず、 時系列解析など上級の数理統計学・計量経済学を数理的にきっちりと学びたい人にとって も一読に値する。数学の本に読みなれていない人は内容に面を食らうかも知れないが、私 の知る限りもっとも親切に説明がなされている測度論的確率論の本である。 11 「ゼミ見学」の可否 参加希望者は必ず見学をすること。興味を持っている学生は 2 年生でも参加していた だいても構いません。いつでも来てください。 12 10 月進級者に対する特記事項 例年、1 学期で既にかなり多くのことを学んでもらっているため、10 月からの参加は 事実上不可能と考える。 13 そ の 他 80 経営統計学(石垣[司] )演習 1 テ ー マ ビジネス、マーケティングなどのデータ分析の理論と実践 2 テキスト 3 年生の前期では書籍の輪読を行います。テキストは参加者の関心を考慮して決定しま す。今まで用いたテキストは以下の通りです。 ・照井、佐藤『現代マーケティング・リサーチ-市場を読み解くデータ分析』 、有斐閣、2013 ・コトラー、アームストロング、恩蔵『マーケティング原理』丸善出版、2014 ・ダベンポート、キム『真実を見抜く分析力』日経 BP 社、2014 3 趣 旨 近年の情報技術の急激な発展でマネジメントやマーケティングに結びつく大規模で多様 なデータが自動的に蓄積されるようになりました。そのようなデータを有効に活用してい る企業が消費者の満足度を高め、高い生産性と収益性を実現していることが明らかにされ ています。また、ここ数年、データサイエンティストと呼ばれる職業が注目を浴び、世界 的な人材不足が懸念されています。 特に日本での人材不足は危機的な状況と言われており、 データ分析を駆使できる人材の重要性が急速に高まっています。 しかしながら、統計解析ツールを表面的に利用してデータを分析できるだけの人材は一 過性のブームですぐに淘汰されるでしょう。そこでは、統計科学の思考法とデータ分析の 技術をしっかりと体得し、かつ、広範なビジネス領域において十分なコミュニケーション 能力をもつ人材が真に必要とされます。 本演習では、学問としての統計学とビジネスなどにおける実問題解決のためのデータ分 析技術をバランスよく体得することを目的とし、データ分析に関する卒業論文を作成する ことを最終的な目標とします。 4 年間計画 3 年生の 1 学期はテキストの輪読と発表を行います。3 年生の 2 学期には、自ら選択し た査読付き学術論文を読解し、その内容を紹介してもらいます。また、通年でデータ分析 に関する訓練を自主的に行ってもらいます。4 年生は通年を通して卒業論文の進捗状況を 発表してもらいます。 発表には Power Point 等のスライドを用いることを前提とします。データ分析に関する 知識を獲得するのと同時に、就職後や進学後に必要となるプレゼンテーションとコミュニ 81 ケーションに関する訓練も兼ねるためです。また、4 年次の卒業論文では、データ分析に 関する演習論文を作成してもらいます。 5 募集人員 9名 6 参加条件 ・データ分析による実問題の解決に興味があること ・数学やコンピュータにアレルギーを持っていないこと ・最低限 Word、Excel、PowerPoint は使用できること 以上を満たすことを参加条件とします。 7 選考方法(4月進級予定者) A4 一枚で、自己紹介、関心のあるテーマ、志望理由を記述し提出してください。また、 成績書のコピーを提出してください。志望人数が定員を超えた場合は面接を行うことがあ ります。 8 運営方針 ・ 「自律的に、自主的に」ゼミに参加してください。その前提を満たした場合、ゼミの方針 や活動内容を「自由に」皆さんに決めてもらいます。 ・データ分析のためのプログラミングについては自主的に勉強会などを開催し、習得する ようにしてください。 ・大学院への進学希望者は早めに相談をしてください。修士課程在学中の学会発表を目指 して、早期から研究指導を行うことができます。 9 担当教員の主要な研究業績 ・ビジネス、医療における大規模データ分析に関する研究 ・サービスの科学的・工学的アプローチに関する研究 ・統計的信号処理 (詳しくは私の HP の研究業績のページを参考にしてください) 10 指導教員が薦める本 多読を勧めます。ライトノベルでも専門書でも読んで損になる本はありません。なるべ く多様な分野の本を読んでください。また、背伸びをして難しい本も読んでみましょう。 その時は内容が分からなくても、後々から活きてくることが多いです。 【統計学関連】 82 北川敏男: 「統計科学の三十年: -わが師わが友-」 (←絶版ですが、図書館にあります) デイヴィッド・サルツブルグ: 「統計学を拓いた異才たち」 【二十歳位の時期にお勧めの本(普通の本屋に置いてある書籍のみ抽出) 】 森博嗣: 「喜嶋先生の静かな世界」 、世阿弥: 「風姿花伝」 、森見登美彦: 「夜は短し歩けよ 乙女」 、サイモン・シン: 「フェルマーの最終定理」 、ヴィトゲンシュタイン: 「論理哲学論 考」 、夏目漱石: 「草枕」 、羽海野チカ: 「3 月のライオン」 11 「ゼミ見学」の可否 可。事前にメールで予約をしてください。 12 10 月進級者に対する特記事項 なし 13 そ の 他 なし 83 意思決定論(鈴木[賢])演習 1 テ ー マ 数理的手法を用いた意思決定 2 テキスト 以下のテキストを用いる予定です. Max Marchi, Analyzing Baseball Data with R Chapman and Hall/CRC, 2013 3 趣 旨 多くの制約のもとで,適切な意思決定を行うことは簡単では ありません.意思決定を支援するシステムを有効に利用する ことで,よりよい判断を下すことができるでしょう.このゼ ミでは,意思決定を支援するさまざまな数理モデルを学ぶ予 定です.多少数式や計算機を使う必要がありますが,それだ けが重要なのではありません.むしろ,現状の問題点を認識 して,それをいかに改善するかを考えることが大事なのです. なるべく具体的な問題を,実際に手を使って解くことを目指 していきます. 4 年間計画 4年生 4月 卒論のテーマ決定 4月〜5月初旬 テーマに沿った文献調査をはじめるとと もに,卒論の具体的な研究計画を策定 5月中旬〜7月 計画に従い文献調査,資料収集など.適宜, 進捗状況をゼミで発表する.6月末に研究計画書を提出. 7月末 卒論の中間報告書提出 8・9月 夏休み(必要なら調査/研究を継続) 10月初頭 10〜12月 研究計画の再確認 演習論文の作成(11月に日本オペレーショ ンズ・リサーチ学会東北支部主催の若手研究発表会で報告の 可能性あり) 84 1月初旬 1月 演習論文提出 演習論文の最終報告をゼミで発表 3年生 4月 テキストの分担箇所の決定.統計ソフト R の準備. 4〜7月はテキストの以下の章を輪講する. Ch.1 The Baseball Database Ch.2 Introduction to R Ch.3 Traditional Graphics Ch.4 The Relation with Runs and Wins Ch.5 Values of Plays Using Run Expectancy 10〜12月はテキストの以下の章を輪講する. Ch.6 Advanced Graphics Ch.7 Balls and Strikes Effects Ch.8 Career Trajectories Ch.9 Simulation これ以外に,適宜別の文献も参照し,その都度報告をしても らう. 5 募集人員 9名 6 参加条件 数学ができなくても,計算機を触ったことがなくても構いま せんが、自分で作業を行うことが苦にならない人でないと楽 しめないかもしれません. 7 選考方法(4月進級予定者) 定員を超えた場合,志望理由書を提出してもらい、その内容 で決めます。 8 運営方針 ・3年生は与えられたテキストに関する報告が中心.場合によっ ては,データに基づいた分析なども行う. ・4年生は卒論の発表が中心. 9 担当教員の主要な研究業績 85 ・不確実性下の多期間意思決定問題 ・確率計画法の応用 10 指導教員が薦める本 ・「ビジネス数理への誘い」筑波大学ビジネス科学研究科編, 朝倉書店,2003 年 数理的アプローチによって経営を分析・管理する手法を論じる シリーズの 1 冊目.といってもこの本には数式はあまり出てこ ない.概論的な内容で読みやすい. ・「ビジネスリスク分析入門」早稲田大学経営リスク研究会編 早稲田大学出版部,2005 年 こちらも入門書だが,リスクに着目した内容.縦書きでやはり 数式はほとんどないので安心して読める. 11 「ゼミ見学」の可否 可(希望者は事前に連絡して,許可を得ること) 12 10 月進級者に対する特記事項 所属を希望するときは,事前に研究室に相談に来ること 13 そ の 他 無断欠席厳禁 86 マーケティング・リサーチ(照 井)演習 1 テ ー マ マーケティング・リサーチの理論と応用 2 テキスト ・前半:マーケティングの分析ツール、事例、考え方の文献の輪読 ・後半:マーケティング・リサーチのグループ実習 今年度は、前半に照井・佐藤著「現代マーケティング・リサーチ」 (有斐閣) 、を使用 し、後半に R や SPSS 等各種ソフトウェアを用いて様々なマーケティング・データの解 析と意思決定問題を学んでいる。 3 趣 旨 マーケティングに関する意思決定に際し、市場や消費者の情報を収集した POS データ や消費者パネルデータなど豊富な情報と処理機器としてのコンピュータの普及にとも ない、企業が保有する情報を解析して有用な情報を取り出し、競合企業と差別化を図 ることが一層求められている。さらに、現代社会においては、データ分析は必須のリ テラシーであり、IoT 社会における市民性の涵養の視点からもデータで物事を見て正 しく判断できる力を身につける必要がある。 本演習では、マーケティングに関する情報解析のできる学生を養成することを目的と する。 4 年間計画 前期では、テキストの輪読によりマーケティングの分析ツールや最新の考え方を勉強 し、後期では3・4年生混成チームによるプロジェクト研究としてマーケティング・ リサーチの実践を実習形式で行う。 5 募集人員 定員以内 6 参加条件 マーケットに関する情報を分析するスキルを体得しようとする意思のある者。 87 7 選考方法(4月進級予定者) 定員内で希望理由書により判断するが、必要に応じて面接を行うことがある。 8 運営方針 予め報告者と討論者を決め、両者を中心にしながら参加者全員で議論する。積み上げ 型の勉強となるので分担以外の理解も必須となる。最新のマーケティングの考え方や 事例と併せて、各人が問題や仮説を見つけ、情報を分析して意思決定へつなげる流れ を身につけてもらうようにしたい。 9 担当教員の主要な研究業績 ・ マーケティング: マーケットシェア予測戦略モデル,メディアミックス広告効果測定モデル, 価格カスタマイゼーション戦略モデル, シングルソース・データによる家計別広告 効果測定、大規模ビジネスデータ分析、顧客満足度指数モデル、など。 ・ 統計学・計量経済学: 同時方程式モデルの推定、非線形時系列モデル、ベイズ統計モデリング、など。 2016 年 4 月より、経済セミナー誌に「ビッグデータ統計解析入門―経済学部では学ば ない統計学」を連載中。 10 指導教員が薦める本 (1) 統計学に関する基礎的な文献 例えば、森棟・照井・中川・西埜・黒住著「統計学 改訂版」 (有斐閣)は統計 学入門から回帰や多変量解析、時系列分析までの専門までカバーするテキストで ある。 (2) マーケティング・リサーチに関する文献 例えば、照井・佐藤著「現代マーケティング・リサーチ」 (有斐閣)は、統計学 入門レベルを前提とし、マーケティング・リサーチの考え方や基本的な分析手法 の理解を目的とし、さらにフリーの統計ソフト R コマンダーを使って、自身のパ ソコンで分析の追体験ができる。テキストで使用するデータやコードは出版社の Web サイトからダウンロードできる。 88 11 「ゼミ見学」の可否 不可 12 10 月進級者に対する特記事項 13 そ の 他 89 財務管理論(金崎)演習 1 テ ー マ 現代ポートフォリオ理論と企業財務論 2 テキスト 平成 28 年度は内田交謹『すらすら読めて奥までわかる コーポレー ト・ファイナンス[改訂版] 』創成社を使用 平成 27 年度はジョン・ハル『フィナンシャルエンジニアリング<第7 版>—デリバティブ取引とリスク管理の総体系』きんざいを 使用 平成 26 年度はボディ=マートン=クリートン『現代ファイナンス論 意思決定のための理論と実践』ピアソン桐原を使用 平成 25 年度は井出正介『ビジネスゼミナール 株式投資入門』日本済 新聞出版社を使用 3 趣 旨 企業の投資の決定はどのようにすべきか。合理的な証券投資とはどの ようなものか。証券市場において証券の価格はどのように決定されるか。 企業はどのようにして資金調達を行うのがよいか。新しいタイプの証券 をどう評価したらよいか。外国為替のリスクにどう対処するか。このよ うな企業におけるお金に関する意思決定と,資本市場を取り巻く問題を 扱っていく。 4 年間計画 第1学期 第1回〜第15回 テキストを輪読する。毎回、担当者が担当箇所につ いて報告をし、質疑応答と討論を行う。 第2学期 第1回〜第15回 (1)テキストを輪読する。毎回、担当者が担当箇 所について報告をし、質疑応答と討論を行う。 (2)4年生は、演習論 文のテーマの報告と中間報告をし、質疑応答と討論を行う。 5 募集人員 9名程度 90 6 参加条件 無断欠席をしないこと。積極的に参加する人。 7 選考方法(4月進級予定者) 参加願の内容を見て、判断します。 8 運営方針 レポーターによる報告の後,それをもとに議論を行う。 9 担当教員の主要な研究業績 証券市場や企業財務に関する本、論文 10 指導教員が薦める本 バートン・マルキール『ウォール街のランダム・ウォーカー』日本経済新聞出版社 11 「ゼミ見学」の可否 可、出入り自由 12 10 月進級者に対する特記事項 特になし 13 そ の 他 特になし 91 イノベーション論(柴田)演習 1 テ ー マ イノベーションのマネジメント: 「優良企業への成長過程」 2 テキスト (1)コリンズ『ビジョナリ―カンパニーⅡ飛躍の法則』日経BP社、2001年 (2)コリンズ『ビジョナリ―カンパニー3 衰退の五段階』日経BP社、2010年 などを現時点では考えています。ただし変更の可能性があります。 3 趣 旨 今年は「優良企業への成長過程」を基本テーマとします。似たような市場環境に直面 しても企業によって対応が分かれ、持続的に成長する企業と衰退してしまう企業に分かれ ます。産業と企業にライフサイクルという寿命がある以上、これまで売れていたものも遅 かれ早かれ必ず売れなくなってしまいます。デジタルカメラの台頭でフィルムカメラは売 れなくなり、コダックは経営破綻しました。ライフスタイルの変化でミシンは売れなくな りましたが、ブラザー工業はデジタル複合機への事業転換に成功しました。スマホの台頭 で、かつて携帯電話のリーダー企業だったノキアは衰退しました。ネットの台頭で紙の新 聞は売れなくなり、新聞社は対応に苦慮しています。理由はいくつかありますが、産業革 命以来の産業発展の歴史を振り返ると、上記のようなケースは枚挙に暇がありません。し たがって優良企業へ成長するためには、これまで売れていたものが売れなくなるという状 況を超えなければなりません。その際、必要になるのが新事業への転換です。事業転換の マネジメントを多面的に考え、その過程で行う議論と討論によって、論理的思考と抽象的 思考のスキルを習得することを目標とします。 4 年間計画 1学期:教科書を使った文献輪読とグループ討議、クラス討議を行います。さらに適宜、 「産業・企業研究」または「ケース研究」を行います。 「産業・企業研究」では、関心ある 産業・企業を選択し調査し、興味深いリサーチクエスチョンを設定しできるだけ説得的な 仮説を提示するというプロセスを体得します。 「ケース研究」では、関心あるイノベーショ ン事例を一つ選択し、そのイノベーションの特徴、性質を分析したうえで、その実現過程 を戦略や組織という観点から明らかにする、というものです。 92 夏休み:合宿(ケース研究、およびディベート) 。時期は学生の皆さんと相談して決めます が、例年9月下旬に行っています。 2学期:文献輪読、またはケース輪読、グループ討議、流れは1学期とほぼ同じです。 5 募集人員 6名~9名以内 6 参加条件 (1)複雑な経営現象を通底する論理を解き明かすことに関心を持つこと。 (2)経営に関する幅広い分野に関心を持っていること(技術、組織、戦略、政策など) (3)対話と議論をとおして自分を磨きたいと考えていること。 (4)新聞の経営・経済欄にできるだけ目をとおし、現実の経営現象に関心を持つこと。 (5)無断欠席厳禁 7 選考方法(4月進級予定者) A4一枚に、①自己紹介、②志望動機、③現在関心ある企業と産業およびその理由、④ 進路希望、⑤連絡先(電子メール等)をまとめ、演習参加願いに添付して、教務係へ提 出して下さい。 8 運営方針 毎回の演習では事前に割り当てられた担当グループが分担の要約と論点を報告し、そ れに基づいてクラスで議論します。担当グループは(1)分担の要約と論点(2)議論し たい課題を盛り込んだ資料を用意し、クラスで報告し議論の材料を提供します。その後、 グループに分かれて議論したうえで、最終的にクラス全員で議論します。 1学期は基本文献の読解に基づいた議論、2学期は実際の企業実例を記述したいわゆる 「ケース」をできるだけ多く読解し、自ら課題を設定しながら、その企業の戦略、組織、 マーケティングについて多面的に議論します。また、各自の問題意識に基づく「産業・企 業研究」や「ケース研究」にも積極的に取り組んでもらいます。 それらの成果を踏まえて4年生は演習論文を作成します。 9 担当教員の主要な研究業績 『イノベーションの法則性』2015、中央経済社、 『日本企業のすり合わせ能力』NT T出版、2012、 『マネジメントアーキテクチャ戦略』 、オーム社、2009、 『モジュール・ ダイナミクス』白桃書房、2008、 『製品アーキテクチャの進化論』白桃書房、2002、 93 『技術潮流の変化を読む』 、日経 BP 社、2008(分担執筆) 、 『知的財産政策とマネジ メント』白桃書房,2008(分担執筆) 、 『標準MOTガイド』 、日経BP社,2006(分担 執 筆 )、 Cultural Mythlogy and Global Leadership,2009,Edward Elgar Publishing(分担執筆)等、イノベーション経営に関する研究 10 指導教員が薦める本 戸部良一他『失敗の本質』中公文庫 C.M.クリステンセン他、櫻井祐子訳、 『イノベーション・オブ・ライフ』 、翔泳社 11「ゼミ見学」の可否 可。 12 10 月進級者に対する特記事項 特にありません。 13 そ の 他 94 地域企業論(福嶋)演習 1 テ ー マ プラットフォームと地域企業の戦略 2 テキスト 平野敦士カール、アンドレイ・ハギウ(2010)『プラットフォーム戦略』東洋経済新報社 アルスタイン,M.、 J.D.パーカー、S.P.チョーダリー「プラットフォーム革命」 『ダイヤモ ンドハーバードビジネス,October2016 (他、所収論文) *テキストはセメスターの初めにゼミ生と相談し決定しているので、変更の可能性がある ことは留意してください。 3 趣 旨 SNS, Internet of Things (IoT) などが浸透するに伴い、競争戦略を考える上で、製品・ サービスそのものより、ビジネスの基盤を提供するプラットフォームの重要性が注目され はじめています。地域企業の戦略もそのような考え方を援用し、新たな事業の機会を見出 すことができないでしょうか。今年度は「プラットフォーム」という観点から、地域企業 の戦略を考えていきたいと思います。 4 年間計画(予定) ・4 月 花見 ・6 月 講演会企画 ・8~9 月 ゼミ夏合宿 ・10 月 芋煮会 ・11 月 新ゼミ生面接 ・12 月 3 年生論文テーマ発表、4 年生卒論テーマ発表 ・1 月 卒論提出、企業見学 ・2 月~3 月 ゼミ冬合宿(卒論発表+送別会) *この他、不定期に飲み会があります。 5 募集人員 5~9名 6 参加条件 ・無断欠席は厳禁 95 ・キャンパス外での活動もあるので、最低限の社会性のある人。 ・ゼミの活動としては、講演会主催(1 回) 、飲み会(不定期) 、合宿(夏に1回、2 月末~ 3 月初旬に 1 回) 、企業見学(年 1、2 回)など)がある。それらに参加できる人。 ・ゼミ所属 2 年間のうちに、ボランティア、インターンシップ、自治体など学外の社会活 動に関われる人。行動力のある人を希望します。 7 選考方法(4月進級予定者) ・A41枚に、自分が関心をもつ社会現象を一つ取り上げ、①社会現象の内容、②なぜそ れに関心を持ったのか、③それに対してどう自分は関われるか、④自己 PR、を書き、ゼ ミ志願書の書類と一緒に教務係に提出してください。この書類は選考の際の重要な材料 となります。その後、現役のゼミ生が応募者に対して面接を行います。 8 運営方針 ・基本的に学生が主体のゼミです。 ・ゼミの前半では、ディスカッション、ディベート、プレゼンなど学生が企画したものを 行い、ゼミ後半では輪読とディスカッションを行います。 ・2 月末あるいは 3 月初旬にゼミ合宿を行い、4 年生の卒論発表&送別会が行います(新 3 年生の参加を歓迎します) 。 9 担当教員の主要な研究業績 ・地域企業の戦略、企業家研究、ハイテク・クラスターの形成、イノベーションなど。 ・震災後の起業家活動や、市民が作る音楽祭(定禅寺ストリートジャズフェスティバルな ど)の研究もしています。主要著作は下記の通り。 『ハイテク・クラスターの形成とローカル・イニシアティブ』白桃書房,(2015) 「震災後の企業活動とエコシステムの形成:ニューオーリンズの復興から学ぶ.『商工金融』 65(9),(2015),pp.4-18. 「地域文化創造を支える市民組織のマネジメント 2 つの市民音楽祭の事例から」 『一橋ビ ジネスレビュー』61(2),(2013),pp.72-87 10 指導教員が薦める本 ・南場智子(2013)『不格好経営: チーム DeNA の挑戦』 日本経済新聞出版社 11 「ゼミ見学」の可否 可 96 12 10 月進級者に対する特記事項 ・ゼミに早く慣れてください。 13 そ の 他 ・一人一人の個性が開花+発揮されるゼミを目指しています。 ・本をたくさん読みましょう。 97 経 営 政 策(大 1 テ ー マ 2 テキスト 3 趣 4 年間計画 旨 滝)演習 ソーシャル・ビジネスと企業戦略の変化 (1)谷本寛治他著,『ソーシャル・イノベーションの創出と普 及』, NTT 出版, 2013 年。 (2)ジョン・マッキー&ラジェンドラ・シソーディア著, 鈴木立 哉訳,『世界でいちばん大切にしたい会社』, 翔泳社, 2014 年。 (3)トレヴァー・オーエンズ&オービー・フェルナンデス著, 村 上 彩訳,『リーン・スタートアップを駆使する企業』, 日経 BP 社, 2015 年。他 社会の課題を発見し、それを解決する事業としてのソーシャ ル・ビジネスやソーシャル・イノベーションが世界的に注目され ています。企業の社会的責任(CSR)という考え方を超えて、企 業とそれを取りまくステークホルダーとの協働によって、社会的 課題を解決していく「共通価値の創造」(CSV)という概念も、企 業戦略の中で急速に広がりつつあります。 そこで、このゼミではソーシャル・ビジネスの台頭が、企業戦 略の変化とどのように関わっているのかを、理論的・実践的に考 えてみたいと思います。東日本大震災の被災地でも多くのソーシ ャル・ビジネスが立ち上がっています。他方で、既存の企業内で も、社会との結びつきのあり方が、企業の戦略を着実に変えつつ あります。そうした変化を、皆さんと一緒に見ていくことにしま しょう。 2017年4月~7月 一回のゼミを前半·後半に分けて行う。 前半は上記テキスト(1)の輪読を行う。 1回に1~2章程度を割り当て、報告と Q&A ならびにディスカッシ ョンを継続して行う。後半は『日経ビジネス』などの専門誌を教材に してケース討論を行う。ケースの教材などは1週間前に配付する。 2017年10月~1月 前期と同じくゼミを前半と後半に分けて行う。 前半はテキスト(2)以下の輪読を行う。 後半については、演習論文·進級論文の報告とコメントを継続して実 98 施し、論文の完成を目指す。1回につき、2~3名に論文の報告をし てもらう。 5 募集人員 私は2018年3月に退職予定です。したがって、3年次にゼミ を希望する学生は、4年次に再度ゼミを変更する必要があること をお断りしておきます。 6 参加条件 1 現実の企業の経営に強い関心があること。 2 性急な結論に満足せず、いろいろな角度からものを見ようと する態度をもっていること。 3 7 選考方法 インタビューや調査に積極的に参加すること。 希望者は研究室で面接を行うので、連絡をとること。 (4 月進級予定者) 8 運営方針 当初はトレーニングを兼ねてテキスト以外に『日経ビジネス』や 『東洋経済』等の記事を素材にしたケースの討論も行いたい。さら に、それらの成果を踏まえて年度末に3年生には進級論文(400 字 ×20 枚程度)を、また4年生には演習論文(400 字×50 枚程度)を提 出してもらう。 9 担当教員 野中郁次郎・寺本義也編著『経営管理』中央経済社の第7章 (組 織 の主要な研 の革新)、日本経済新聞社編『現代経営学ガイド』の第 11 章(事 業究業績 創造と組織編成)、『日本の組織4 金融とコンサルティングの組 織』第一法規(共編著)、『事業創造のダイナミクス』白桃書房(共 著)、『ニュービジネス白書』東洋経済新報社(共著)、『中小企業の経 営戦略』総合法令(共著)、『経営戦略』有斐閣(共著)、『ケースに学 ぶ経営学』有斐閣(共著)、『ニューリーダーの組織論』泉文堂(共 著)、『自治体経営革命』メタモル出版(監修)等の業績がある。 10 指導教員 が薦める本 11 C.M.クリステンセン他、櫻井祐子訳、『イノベーション・オブ・ラ イフ』(翔泳社)、関満博『フルセット型産業構造を超えて』(中公 新書)、町田洋次『社会起業家』(PHP 新書)。また経営戦略論のす ぐれたテキストとしては、石井淳蔵他著『経営戦略論』(有斐閣) および大滝精一他著『経営戦略』(有斐閣)を勧めたい。 「ゼミ見学」の可否 不可。 99 12 10 月進級 限に者に対する 特記事項 1 学期と 2 学期の間で指導の継続性があるため、採用者は最少 とどめる。強く参加を希望する者は、必ず面接を受けること。 13 毎年東京で OB・OG 会を実施している。 その他 100 グローバル経営史(菅原)演習 1 テ ー マ グローバル企業の研究:財務と経営戦略の相互作用 2 テキスト ・下記3の趣旨にそった文献を使用します。プラス、主要企業のアニュアルレポー ト(英文)を適宜参照します。アニュアルレポートの見方の解説も行ないます。 ・昨年度までの経験を踏まえた現在の予定は、西山茂『会計・財務は一緒に学べ』 (2014) で、財務と経営戦略の関係の基本知識を学ぶ、西山茂『英文会計の基礎知識 増補改訂 版』 (2015)で英文アニュアルレポートの読み方の基本知識を学ぶ、というものです。 ・その後、どのような産業、企業をケーススタディの対象にするかはゼミでの討論を踏ま えて、参加者と相談の上決定します。 3 趣 旨 ・財務と経営戦略の相互作用を理解することによってグローバル企業の活動を理解する、 というのが基本方針です。各企業のアニュアルレポートに載っている財務データが理解 できるようになれば、企業の姿を客観的に理解できるようになります。データ抜きの経 営戦略論では単なる理想論に陥るリスクがあります。しかし他方で、財務は企業の最終 目標ではありません。各企業のミッションは経営戦略を通して実現されます。 「数字いじ り」だけでは結果的にはその企業は持続可能にはならないこともまた現実です。企業活 動は、やはり皆さんがミクロ経済学で学んだ通り、 「制約の中で目標を達成する」という ことの現実版なのです。その「現実」自体に複雑さがあって、しかしそれが徐々に整理 できてきて理解できてくることが面白い、と近年のゼミを通して私も再認識しました。 ・実際には、次のような手順で財務と経営戦略の相互作用について理解を深めていって もらえるように考えています。 (1)アニュアルレポートの財務データが理解できるようになる。 (2)なぜその数字が生まれたのかを考える。 (=どのような企業活動が結果的にその数字 となったのかを理解する。 ) (3)財務データを結果的に変化せさるにはどのような経営戦略とその遂行が必要なのか (必要だったのか)について考える。 (4)経営戦略の変化と財務の変化の相互作用を理解する ・もうひとつの趣旨は、 「就職活動の面接の際に、ゼミで勉強した内容で話が続くように する」ということです。例えば、以下のようなイメージです。 面接担当者「ゼミでは何を勉強しましたか。 」 101 学生「○○です。 」 面接担当者「で、○○を勉強して何が分かりましたか?」 学生「・・・」 面接担当者「では話題を変えましょうか(苦笑) 。 」 となるのを避けたい、というのが私の元々の発想の出発点です。 4 年間計画 ・おおよそ、下記のように進めます。 (実際の状況によって変更されることがあります。 ) 4 月:西山茂『会計財務は一緒に学べ』 5 月:西山茂『会計財務は一緒に学べ』 、同『英文会計の基礎知識』 6 月:西山茂『英文会計の基礎知識』 、ゼミ討論会の発表作成 7 月:西山茂『英文会計の基礎知識』 、ゼミ討論会の発表作成 10 月:経営戦略論の基本文献(未定) 、ケーススタディ 11 月:経営戦略論の基本文献(未定) 、ケーススタディ 後期もゼミ討論会があればその準備 12 月:ケーススタディ、後期もゼミ討論会があればその準備 1 月:ケーススタディのまとめ、その他発展的内容 (年間のどこかで、キャッシュフロー分析など個別テーマの文献検討も入れる予定) 5 募集人員 4名程度(希望。実際の応募状況によって変わります。 ) 6 参加条件 ・グローバル企業、特に海外企業の研究に関心があること。 ・他大学(立教大学ほか)との討論会を開催予定(例年実施)ですので、準備に時間を 割けること。 ・グループワークも取り入れますので積極的に参加して下さい。 ・英語の文献や資料を読みますので、それらに取り組めること。 ・企業見学も行いますので、参加できること。見学の際には、ゼミ生の皆さんにもプレ ゼンを行っていただきます。 (過去の例:日本 IMB、エアバス・ジャパン、サントリ ー、日本航空) 7 選考方法(4月進級予定者) ・個別面接により適性を判断し参加の可否を決定します。また、参加の可否には大学で の成績も考慮に入れます。さらに、英語試験(TOEIC、TOEFL など)の得点もあれ ば判断材料にします。 102 ・本演習参加希望者は、事務室への申し込みとは別に、私宛にメール ( [email protected] )を出していただき、 、面接の日時の予約を行って いただきます。 8 運営方針 ・毎回のゼミは、基本的に、テキストの内容確認とそこから派生する疑問点の検討、そ れから実際の企業のデータを整理して新たな論点を探るワークショップ的な作業、 で」 構成されます。 ・ゼミ討論会がある場合は、そのテーマにあわせて、テキストの論点を検討する際の事 例や、ワークショップで取り上げる企業を、テーマに関連する企業とします。 9 担当教員の主要な研究業績 ・ 「N.M.ロスチャイルド商会の鉱業投資」 『経営史学』 ・ 「ユーロ債市場の形成と S.G.ウォーバーグ商会」 『経済論叢』 ・ 「リオティント社の対カナダ投資」 『経営史学』 ・"Rio Tinto Company’s Investments in Australia in the 1950s", TMARG Discussion Paper ・"Entry of Rio Tinto into Iron Ore Development in Western Australia", TMARG Discussion Paper ・"American International Banking in Asia", 『研究年報経済学』 ・"An Entry of a British Overseas Bank into the Euro Dollar Market in the 1950s", TMARG Discussion Paper など 10 指導教員が薦める本 ・山田英夫・山根節『なぜ、あの会社は儲かるのか?』 ・長谷川正人『なぜアップルの時価総額はソニーの 8 倍になったのか?』 ・この2冊+西山『会計・財務は一緒に学べ』が財務と経営戦略の相互作用を学ぶ上で の基本文献です。この3冊の考え方を、海外企業にも適用しようというのが、ゼミの 基本的なアイディアになります。 11 「ゼミ見学」の可否 可です。出入りもご自由にどうぞ。 12 10 月進級者に対する特記事項 特にありません。選考方法は 4 月進級者と同じです。 103 13 そ の 他 ・ 「あなたを仕事相手に選んだのは、あなたが財務と経営戦略の両方が分かる人だからで す」と JT の財務担当役員の新貝康司氏は、買収の交渉相手の海外企業の担当者に言 われたそうです(新貝康司『JT の M&A』 ) 。そういう人材が必要とされている、とい うことかと思います。 ・現ゼミ生の方のコメント「このゼミで学ぶ内容は、コンサルティング会社などでも評 価されるものだと思います」 、とのことです。詳しくは、ゼミ説明会などでご本人にお たずね下さい。 ・それぞれの方が必要と考えること違いますし、合う合わないもあります。もし本演 習も検討対象に入るような場合は、私までメールでご遠慮なくご不明な点をおたずね いただくか、ゼミ説明などで現ゼミ生の方におたずね下さい。 104 国際経営(金)演習 1 テ ー マ 国際経営(International Business Management) 2 テキスト 以下の内1~2冊を輪読 -青島・武石・クスマノ『メイド・イン・ジャパンは終わるのか』東洋 経済新報社 -吉原・白木・新宅・浅川『ケースに学ぶ国際経営』有斐閣ブックス -天野・新宅・中川・大木『新興国市場戦略論:拡大する中間層市場へ・ 日本企業の新戦略』有斐閣 -G・ホフステード、他『多文化世界:違いを学び未来への道を探る』有 斐閣 -ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル『リバース・イ ノベーション』ダイヤモンド社 3 趣 旨 国境を超えた企業活動の成果は私たちの生活の隅々に入り込んでいま す。皆さんが今朝乗ってきた自転車は、日本で設計され、中国の部品と 韓国の鉄鋼とマレーシアのゴムを輸入し、台湾で組み立てられたものか もしれません。5 分置きに見てしまうスマフォは、アメリカで設計され、 日本、タイ、マレーシアから部品を輸入し、中国で生産されているが、 その中に入る半導体はインド人エンジニアがデザインしたものでしょう。 先週末のセールで買った H&M のジャケットは、スウェデンでデザインさ れ、バングラデッシュやベトナムで生産されたもの。たまにスタバで飲 むキャラメルマキアートはブラジルからのコーヒー豆とペルーからのキ ャラメルソースを使っているかもしれません。 本演習は、 「世界市場の多様性とダイナミズム、それに対応する企業活 動」を主要テーマにしています。関連したテキストやケーススタディを 取り扱いながら、 ‘調べる’ 、 ‘考える’ 、 ‘意見を言う’癖をつけていくこ とを目指します。特に、 ‘伝わるレジュメの作成’と‘パワーポイントを 使ったプレゼンテーション・スキル’のトレーニングなど、コミュニケ ーション能力の向上に心がけます。 4 年間計画 下記の 2016 年度の年間計画をご参照ください。 2017 年度のゼミも基本的には同様の計画で実施予定です。 105 5 募集人員 6 参加条件 5~9名程度 ・飲み会、海外へのゼミ合宿、IB(International Business)インカレ 論文大会などキャンパス外での活動にも積極的に参加できる人 ・毎週英語の聞き取りテストを実施することや、気が向いたら英語ディ スカッションになることもありますが、それが嫌いではない人 7 選考方法(4月進級予定者) ・ゼミ志願書をもとに、ゼミ先輩による面接があります。 8 運営方針 ・参加者の報告、ディスカッション、実習を中心として運営します。 ・1年間のゼミ活動の軸として、以下の2つの活動が中心となります。 ①海外ゼミ合宿(6月) :2014年度には台湾へ、2015年度には 韓国へ、2016 年度には上海へ4泊5日間のゼミ合宿を実施しました。 毎年ゼミ生が行先を決め、日本企業の現地拠点訪問、現地大学生と 106 の交流、チーム別自由プロジェクトなどを通じて生きた国際経営学 習を目指しています。 ②IB インカレ論文大会(12月) :各大学の国際経営ゼミが学術研究 の成果をプレゼンし、競い合う IB インカレに参戦します。 問題発 見、データー収集、分析といった知的トレーニングを行い、英語で 論文作成・プレゼンをするといった‘自分には少し難しそう’な領 域に挑みます。成長する喜びのあるゼミを目指します。 (IB インカレの HP: http://ibintercollege.org/ ) 9 担当教員の主要な研究業績 教員紹介ページをご参照ください http://www.econ.tohoku.ac.jp/econ/staff/member/h-kim.html 10 指導教員が薦める本 国際経営論に関する基礎知識を学べる本としては、中川・林・多田・大 木『はじめての国際経営』有斐閣ストゥディア、 ‘チャールズ・ヒルの『国 際ビジネス3:企業戦略と事業運営』楽工社’を、日本企業の海外展開 に関する基礎教科書としては‘吉原英樹『国際経営』有斐閣アルマ’を、 日本製造業企業のアジア展開に関しては‘新宅・天野『ものづくりの国 際経営戦略:アジアの産業地理学』有斐閣’をお勧めします。 11 「ゼミ見学」の可否 ・可([email protected] へ事前連絡お願いします) 12 10 月進級者に対する特記事項 ・特に無し 13 そ の 他 107 研究開発管理(権)演習 1 テ ー マ ゼミの基本コンセプトは「生き方としてのプロデューサー」です。本ゼミ でいう「プロデューサー」とは、新しい生命的関係(共生関係)を構想し、 実行する者またはその役割を意味します。本年度の主な学習内容は「デザ インとイノベーション」です。ここでいう「デザイン」とは、造形として のデザインに止まらず、より重要な意味として「新しい生活世界への導き の構想」として把握されます。ゼミでは、 「どういう考え方・視点・方法を もって新しい生活世界を構想し導くのか」について、講義、読書討論、演 習およびワークショップを行うことによって、基本的なデザイン能力を形 成していきます。 2 テキスト 以下のテキストを含めて、必要に応じてテキストを提示します。 ○A.J.スライウォツキー他『ザ・ディマンド:爆発的ヒットを生む需要創 出術』日本経済新聞社 ○A.オスターワルダー他『Value Proposition Design』翔泳社 ○J.W.ヤング『アイデアのつくり方』TBS ブリタニカ ○ワークショップ学習用書籍 ○講義の配布資料、その他 3 趣 旨 この演習の目的は、 プロデューサーとして行動する能力を高めることです。 そのために,デザインの新しい定義に基づいて、革新的な新商品や新事業 を創り出すための能力を高めることを重視します。前期は、デザインとイ ノベーションについて重要な考え方・視点・方法などを講義、読書および 演習を通じて学習し、後期は、それを踏まえてワークショップ形式でグル ープによるデザイン企画を実施し、その成果を発表します。 4 年間計画 実際の実施状況をみて調整していきます。 【1 学期の計画(案) 】 第1回 ガイダンス、自己紹介 第 2 回~第 3 回 演習:価値提案と顧客プロフィール 第 4 回~第 5 回 読書討論 108 第 6 回~第 7 回 講義:経験デザインと原型思考 第 8 回~第 12 回 演習:経験デザインと原型思考(様々な視点) 第 13 回~第 14 回 読書討論: 『ザ・ディマンド』 第 15 回 ふりかえり 【2 学期の計画(案) 】 第1回 グループ編成、ワークショップ企画・実施の方法 第2回 グループ演習:ワークショップの企画 第3回 グループ別デザイン・テーマⅠの決定会議 第 4 回~第 5 回 ワークショップⅠ:基礎調査結果の発表・討論 第 6 回~第 7 回 ワークショップⅠ:新しい経験の原型の発表・討論 第8回 ワークショップⅠ:デザイン結果発表 第9回 グループ別デザイン・テーマⅡの決定会議 第 10 回~第 11 回 ワークショップⅡ:基礎調査結果の発表・討論 第 12 回~第 13 回 ワークショップⅡ:新しい経験の原型の発表・討論 第 14 回 ワークショップⅡ:デザイン結果発表 第 15 回 ふりかえり 5 募集人員 9名程度 6 参加条件 参加条件は特に設けません。 自分を思いっきり表現したい人を歓迎します。 経営学の特定分野の専門知識を体系的に勉強したい人は、この演習を選択 しない方がいいでしょう。 7 選考方法(4月進級予定者) 必要な場合は、個別面談を行います。 8 運営方針 本ゼミで目指すのは、われわれが未だ経験したことのない新しい生活の形 (新しい原型)を描き、それを新商品や新事業として形にする能力を形成 することです。そのために、すでに存在するものの改良ではなく、今まで なかった「新しい生活の形」と「新しい原型」を見つけることに重点が置 かれます。分析よりは創造に、小さく収まるよりは大きく飛躍することに 重点が置かれます。教員による講義は一部分だけで、ほとんどの授業はゼ ミ生によるグループ別の企画、調査、討論、発表によって授業が行われま す。 109 9 担当教員の主要な研究業績 「国家共同研究開発プロジェクトの形成過程試論」 「資源創出理論序説」 『日本ベンチャー学会誌』 (共) 10 指導教員が薦める本 ○ティム・ブラウン『デザイン思考が世界を変える:イノベーション を導く新しい考え方』ハヤカワ文庫 ○原研哉・阿部雅世『なぜデザインなのか。 』平凡社 ○『菜根譚』 、 『老子』 、 『孫子』など 11 「ゼミ見学」の可否 ○11 月 1 日(火)に行います。 ○ゼミ開始時刻は 14 時 50 分からです。 12 10 月進級者に対する特記事項 受入人数に余裕があるとき、募集を行います。 受け入れ及び学習については、対象となる学生と面談して決定します。 13 そ の 他 ここで言う「デザイン」とは,ものの形や色をつくるという狭い意味に 限定されません。もっと本質的に個々人の生や社会全体のあり方の形成 に関わる行為として把握されます。毎年 1 回のゼミ合宿を行います。 110 非営利組織論(西出)演習 1 テ ー マ 社会を変革する非営利組織(NPO) 2 テキスト 澤村明・田中敬文・黒田かをり・西出優子『 (仮)事例から学ぶ NPO 論:一緒に役割を考えよう』有斐閣(近刊予定)、他。 3 趣 旨 非営利組織(NPO)は何のために存在し、どのような役割を担い、どのような経営を行っ ているのでしょうか。NPO で活動している人はどのような考えを持って行動しているので しょうか。本演習では、社会における NPO の意義やマネジメントに関する基礎知識を身 につけ、自ら考え行動することを目的としています。また、NPO での活動体験や視察、調 査等を行ない、実際の現場に触れながら理論と実践を結びつけることを目指します。 学習到達目標 ・NPO の社会的役割、意義や基礎概念について理解する。 ・NPO のマネジメントに関する基礎知識を身につける。 ・NPO の概念・理論を実践に応用する力を習得する。 ・演習論文・報告書等の執筆を通して、学習の成果を社会に発信する。 ・人間力(社会人基礎力、知性・市民性) 、地域貢献意欲と国際感覚を向上させる。 ゼミのミッション:個人の人間力を向上させ、知性と市民性、地域貢献意欲と国際感覚を 併せ持ち、NPO 支援、社会変革の一助となる。 4 年間計画 4月:ガイダンス、なぜ NPO を学ぶのか、NPO とは何か、NPO の位置づけ・役割 5月:NPO に関する法・制度、行政との関わり、企業との関わり、海外 NPO 現地報告 6月:社会的企業・社会的起業家、NPO のマネジメント、NPO ゲスト講義/視察/活動/調査 7月:NPO の戦略、意思決定、リーダーシップ、人的資源管理、論文構想、ふりかえり 8月 or9月:ゼミ合宿(NPO 視察・活動等) 10 月:ガイダンス、NPO の資金調達、評価と信頼、論文中間報告 11 月:NPO をつくってみよう(ワークショップ) 、NPO ゲスト講義/視察/活動/調査 12 月:NPO と社会変革・インパクト、演習論文最終報告会 1月:進級論文報告会・調査報告会・活動報告会等、ふりかえり 111 5 募集人員 8名 6 参加条件 ボランティアや NPO・NGO、社会的起業、国際協力、教育、環境、 福祉、まちづくり等、何らかの社会問題や社会変革に関心をもってい ること。ゼミに積極的・主体的に関わる意欲があること。グループワ ーク(ディスカッションや運営等)への積極的参加意欲があること。 7 選考方法(4月進級予定者) 面接を実施します。 教務係に提出する演習願に、1.志望動機、2.ゼミでの目標、3.関心テーマ、 4.進路希望、5.自己 PR 等を記入してください。 8 運営方針 ・教科書や個別テーマに関する報告と議論、ケーススタディ、 ディスカッション、グループワーク。 ・NPO での活動体験や視察、調査、ゲスト講義等も適宜実施。 ・受講生の主体的・積極的な参画を重視します。 ・ダイバーシティとインクルージョンを尊重します。 ・地域とグローバルな視点を尊重します。 ゼミの成果物:卒論集、調査報告書、活動報告書等。 ゼミ生の受賞: 「慶應-国連 PRME プロジェクト第3回復興構想インターゼミ」最優秀賞 「アジア学生リーダーシップ・フォーラム 2015」最優秀賞(チーム) 「第 10 回日本台湾学生会議本会議」インスパイア賞(チーム) 「東北大学経済学部演習論文優秀賞」 (平成 22 年度-26 年度) 、他。 ゼミのページ: http://www.econ.tohoku.ac.jp/~ynishide/seminar.html https://ja-jp.facebook.com/nishideseminar 9 担当教員の主要な研究業績 単著:Social Capital and Civil Society in Japan(東北大学出版会) 分担執筆: 『NPONGO 事典』 (大阪大学 NPO 研究情報センター) , 『ソーシャル・キャピタ ル-現代経済社会のガバナンスの基礎』 (東洋経済新報社) , 『ソーシャル・キャピタルのフ ロンティア-その到達点と可能性』 (ミネルヴァ書房),『NPO 白書』2013, 2011(大阪大学 NPO 研究情報センター)等。 詳細は、教員の HP 参照 http://www.econ.tohoku.ac.jp/~ynishide/study.html 112 10 指導教員が薦める本 ボーンステイン、D.(2007)『世界を変える人たち』ダイヤモンド社 加藤哲夫(2005)『NPO その本質と可能性』特定非営利活動法人せんだい・みやぎ NPO セ ンター ドラッカー、P.F.(2007)『非営利組織の経営』ダイヤモンド社 クラッチフィールド、R.C./グラント、H.M.(2012)『世界を変える偉大な NPO の条件』ダイ ヤモンド社、等。その他ゼミで紹介予定。 11 「ゼミ見学」の可否 可。 水曜4・5限@4階大会議室 ・11/2:ゲスト講義[第 7 回社会イノベーター人材育成塾] テーマ: 「すべての人が自分らしく暮らせる社会へ(仮) 」 講師:NPO 法人虹色ダイバーシティ代表 村木真紀氏 http://www.nijiirodiversity.jp/ ・11/9:卒論中間報告、教科書グループ発表、ディスカッション、NPO 調査打合せ、 海外 NPO・留学現地報告(スウェーデン・ドイツ・台湾)スカイプ中継等(予定) 以下のゲスト講義の見学も可 ・10/19:ゲスト講義[第 6 回社会イノベーター人材育成塾] テーマ: 「すべての人が自分らしく暮らせる社会へ(仮) 」 講師:株式会社デジタルあじまぁ代表取締役社長/中小企業庁・沖縄県よろず支援 拠点チーフコーディネーター 上地哲氏 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2016/09/event20160902-02.html https://www.facebook.com/events/615303221972863/ 12 10 月進級者に対する特記事項 希望者は、志望動機・ゼミでの目標・関心テーマ・進路希望・自己 PR 等を記入し、 メールで教員宛に連絡してください。 13 そ の 他 質問・相談は随時メールで連絡してください [email protected] 成績評価方法 ゼミへの参画、発表、議論、グループワーク、ゼミやプロジェクト企画 運営、論文・報告書、NPO 活動、ゼミへの貢献等を総合的に評価します。 113 ゼミナール協議会主催の「ゼミ説明会」へはなるべく参加してください。 各ゼミの情報を直接先輩から得られる貴重な機会です。 演 習 参 加 願(1次) ( 演 習 名 学籍番号 )演 習 氏名 (電話番号) 連絡先 (メールアドレス) 希望理由 ※備 考 ※備考欄を除いたすべての欄に記入して提出してください。 (注)1.備考欄には記入しないこと。 2.必ずボールペンで記入すること。(鉛筆は使用しないこと。) 3.演習の( )内には演習担当教員名を記入すること。 4.経済学部教務係へ 11 月 15 日(火)17 時までに提出すること。 114
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