クリアブリッジ 運用チームが語る米国の投資環境 ①

2016年10月28日
投資情報室
(審査確認番号H28-TB192)
米国経済・株式市場情報
オーストラリア経済とリート市場の動向について
クリアブリッジ 運用チームが語る米国の投資環境 ①
2016年10月中旬、レッグ・メイソン傘下の株式運用専門会社クリアブリッジ・インベストメン
ツから、米国高配当株式の運用を担当するポートフォリオ・マネージャーのマーク・マカリスター
氏が来日しました。
そこで、米国の投資環境や高配当株式の魅力についてのレッグ・メイソン社とのインタビュー
内容をご紹介します。第1回のテーマは「米国の投資環境」です。
インドが追加利下げ 今年4回目
米国の経済成長率について
 堅調な雇用環境や消費動向を背景に、経済成長率は
2%前後と他の主要先進国を上回る見通し。
図1:日米独の実質GDP成長率(IMF)
(前年比、%)
3.0
→ 予測
2.5
米国の実質GDP成長率は、2016年に若干落ち込むもの
米国
2.0
の概ね日本やドイツよりも高い水準となる見込みです。国
際通貨基金(IMF)によると、2016年の成長率は前年比
ドイツ
1.5
1.6%、2017年は同2.2%、2018年は同2.1%と予測さ
1.0
れています(図1)。
0.5
 金融危機以降、雇用環境は堅調。失業率は低位で安
定推移。また労働者数は増加傾向続く。
ポートフォリオ・マネージャー
マーク・マカリスター氏
日本
0.0
2015
2016
(出所)ファクトセット
2017
(年)
2018
(期間)2015年∼2018年
米国の堅調な成長の背景のひとつに「雇用の成長」が挙 図2:米国の失業率と非農業部門雇用者数
げられます。
失業率は金融危機以降の回復基調が続いており、2016
年9月時点で5.0%となっています(図2)。また失業率が
(%)
(万人)
12
60
40
10
低い水準であるだけでなく、労働者数も増加傾向が続いて
8
おり、米国の雇用成長を確認することができます。非農業
6
20
0
-20
-40
部門の雇用者数は2008年、2009年の2年間で800万人以
上 減 少 し ま し た が 、 そ の 後 2010 年 か ら 現 在 ま で に 約
1,500万人増加しました。
 個人消費は拡大傾向。可処分所得が増える一方、貯
蓄率は一定水準で推移。
-60
4
非農業部門雇用者数(前月比、右軸)
失業率(左軸)
-80
-100
2
2006/9
2008/9
2010/9
2012/9
2014/9
2016/9
(年/月)
(出所)ブルームバーグ
(期間)2006年9月∼2016年9月
図3:米国の1人あたり可処分所得と貯蓄率
堅調な成長のもうひとつの柱は「消費の拡大」です。米国
の可処分所得(1人あたり)は上昇傾向が続いています
(図3)。
(万米ドル)
(%)
12
4.6
可処分所得(左軸)
4.2
9
3.8
6
また最近の貯蓄率は概ね横ばいで推移しています。
2008年の金融危機前は約3%であり、この水準は過熱気
味にあった景気を背景とした過大な消費によるものだとす
れば、現在の水準は相対的に健全な水準と考えられます。
可処分所得が上昇し、一方で貯蓄率は健全な水準を保っ
ていることから、堅調な経済環境のもと、個人消費は拡大
していることが窺えます。
貯蓄率(右軸)
3.4
3
0
3.0
2006/8
2008/8
2010/8
2012/8
2014/8
2016/8
(年/月)
(出所)ブルームバーグ
(期間)2006年8月∼2016年8月
●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメントの情報を基に、ニッセイアセットマネジメントが作
成したものであり、特定の有価証券等の勧誘を目的とするものではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資
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はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。また税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的
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1/2
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今後の着目ポイント
⾦利動向について
 政策金利は年内に0.25%の利上げ、2017年も利上
げ姿勢が続くも引き上げペースは緩やかと予想。
図4:FOMC参加者の政策金利見通し(中央値)
3.0
(%)
2.625%
2.5
米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月21日の声明文
で「政策金利を引き上げる条件は整ってきたと判断してい
る」と言及し、年内の利上げに向けた地ならしを進めてい
ます。実際、同日公表された金利見通しでは、2016年末
で0.625%と、年内0.25%の利上げを見込むFOMC参加
者が大勢を占めていることを示しています(図4)。
運用チームとしては、年内に0.25%の利上げ、2017年
も利上げが続くと予想しますが、引き上げのペースは緩や
かであると考えています。
米ドルの動向について
 実質実効為替レートは量的緩和終了に伴い約20%
上昇したものの、現在は安定的に推移。
米ドルの実質実効為替レートは量的緩和終了観測から
2014年7月には上昇し始め、2016年1月にかけて約20%
上昇しました(図5)。足もとは米連邦準備制度理事会
(FRB)が利上げに対して慎重姿勢を保っており米ドルは
安定的に推移しています。今後は、米ドルがより高い水準
に上昇し続けた場合輸出に悪影響がでるため、今後の政策
金利の引き上げや為替レートの動向のチェックが重要です。
大統領選挙について
 政策については妥協点を探る展開となると想定。
2.0
1.875%
1.5
1.125%
1.0
0.625%
0.5
0.0
0.25-0.50%
2015/12
2016/12
2017/12
2018/12
2019/12
(年/月)
(出所)米連邦準備制度理事会(FRB)
図5:米ドルの実質実効為替レート
105
100
+20%
95
90
85
80
2006/9
2008/9
2010/9
2012/9
2014/9
2016/9
(年/月)
(出所)米連邦準備制度理事会(FRB)
大統領選挙と同日実施の議会選挙の動向も注目されます。 (期間)2006年9月末∼2016年9月末
上院・下院をそれぞれ違う政党が多数を占める「ねじれ」
図6:設備投資額の推移
状態になった場合、あるいは世論調査でリードを広げるク
(兆米ドル)
2.4
リントン氏が勝利したとしても、上下両院で共和党多数と
なった場合、政策面で妥協点を探る展開が想定されます。
2.2
設備投資について
2.0
 2015年以降伸び悩む。今後の動向に注目。
1.8
2016年4−6月期の設備投資額は2.3兆米ドルと過去最
高水準近辺にあるものの、2015年7-9月期以降伸び悩み
の状態にあります(図6)。今後の設備投資の拡大につい
ては、大統領選や政策金利の動向を踏まえ、経済の先行き
不透明感が払拭されることが必要だと考えています。
1.6
1.4
2006/3
2008/3
2010/3
2012/3
2014/3
2016/3
(年/月)
(出所)ブルームバーグ、四半期ベース
(期間)2006年1‐3月期∼2016年4−6月期
●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメントの情報を基に、ニッセイアセットマネジメントが作
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金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号
2/2
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