件名 再生可能エネルギー大量導入時の電力系統安定化にお

仕様書
技術戦略研究センター
1.件名
再生可能エネルギー大量導入時の電力系統安定化における火力発電の役割とガスタービ
ンの負荷変動吸収能力の向上による CO2 削減効果に関する調査研究
2.目的
2030 年のエネルギーミックスや 2050 年に向けた CO2 の大幅削減のために、電力系統内に
は再生可能エネルギーが大量に導入されることが予想される。こうした大量導入される再
生可能エネルギーに対して、電力系統を安定的に運用するためには、負荷変動対策が重要
な課題となる。再生可能エネルギーの負荷変動対策については、揚水発電・電力貯蔵・予
測技術などに加えて、系統の安定性や周波数制御の観点から火力発電(石炭火力・ガスタ
ービンなど)による負荷変動吸収の重要性は高まることが予想される。一方で、その他の
負荷変動オプションの中で火力発電が負荷変動として担うべき役割や量については、十分
に明らかにされていない。
また、再生可能エネルギーが大量に導入された場合、既存の火力発電については、頻繁
な起動停止や部分負荷での運転が増え、こうした火力発電の運用によって、単位火力発電
当たりの CO2 排出量は増加することが予想される。そのため、火力発電の中で機動性に優
れるガスタービンについて負荷変動への対応が検討されているが、負荷変動対策としての
ガスタービンに求められる性能については十分に明らかにされていない。
そこで、本調査では、2030 年のエネルギーミックスのケースや 2050 年に CO2 を大幅に削
減するケースを対象にして、系統の安定性、周波数制御、あるいは、CO2 の排出量削減・コ
スト削減の観点から、
負荷変動対策の中で火力発電が担うべき役割を明らかにする。
また、
その負荷変動対策においてガスタービンに求められる役割や性能を検討する。さらに、ガ
スタービン側の負荷変動吸収に資する性能向上によって、導入される再生可能エネルギー
量・低運転負荷時の高効率化・待機火力発電機の低減などで削減される省エネ効果や CO2
削減量を明らかにする。
3.調査内容
(1)再生可能エネルギー大量導入時の電力系統安定化における火力発電の役割
・ 全国 2 か所以上における、2030 年のエネルギーミックスのケースや 2050 年 CO2 を大
幅に削減するケースを対象に、再生可能エネルギーの大量導入に対応して、負荷変
動に対応するシミュレーションや調査を行い、CO2 削減やコスト削減の観点から負荷
変動吸収において火力発電側が担うべき役割を明らかにする。
・ 推定にあたっては、再生可能エネルギーの変動や将来の導入量、火力発電、揚水発
電、蓄電池などの系統電源構成を想定して、LFC 制御・EDC 制御など実運用を想定し
た分単位での分析を行う。
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(2)負荷変動対策ガスタービンに求められる役割と性能の検討
・ 再生可能エネルギーを多く系統に導入するために、必要となるガスタービンの負荷
変動吸収能力において求められる役割と性能(急速起動性、負荷変化率、最低負荷
運転など)を検討する。
(3)ガスタービンの負荷変動吸収能力の性能向上による CO2 削減効果の推計
・ ガスタービンの負荷変動吸収能力を向上させた場合に、導入される再生可能エネル
ギー量・低運転負荷時の高効率化・待機火力発電の低減などで削減される省エネル
ギー効果や CO2 削減量を推計する。
・ CO2 削減量の算出に当たっては、燃料に水素を一定割合添加した場合も検討する。
(4)負荷変動対応ガスタービンの技術開発課題の特定と普及シナリオの策定
・ 負荷変動吸収能力(急速起動性、負荷変化率、最低負荷運転など)を向上させるた
めに求められる技術開発課題を特定する。
・ 当該技術を国内外に普及させるための制度・事業化に向けた課題の整理を行い、普
及シナリオを策定する。
(5)委員会の開催
・ (1)~(4)の妥当性を検討するために、電力会社・ガスタービン開発メーカー・
大学の系統専門家などによる委員会を3回程度開催する。
・ 委員会に係る資料の準備、配布、説明、質疑対応、会場の手配・設営、および議事
録作成などを行う。
なお、
(1)~(5)については、NEDOと調整の上実施する。特に、委員会の開催・
運営については、NEDOと協力して実施する。
4.調査期間
NEDOが指定する日から平成29年3月21日まで
5.予算額
1,000万円以内
6.報告書
提出期限:平成29年3月21日
提出物:電子媒体CD-R(PDFファイル形式) 2部
提出方法:
「成果報告書・中間年報の電子ファイル提出の手引き」に従って提出のこと。
http://www.nedo.go.jp/itaku-gyomu/manual_tebiki_index.html
7.報告会等の開催
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・ 委託期間中または終了後に、成果報告会における発表を依頼することがある。
・ 委託期間中に、NEDO の指定する期日までに、それまでの分析結果の報告を依頼する
ことがある。
以上
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