2016 年度 国 語 ■ 大学・学部(日程):名古屋大学 文学部・教育学部・経済学部・医学部医学科・理学部(前期) ■ 出題構成(時間/配点):105 分/文 400 点・教育 600 点・経済 500 点・医-医 150 点 45 分/理 150 点(現代文のみを解答) 大問 形 式 一 現代文 二 三 古文 漢文 分野・内容 等 字 数 山極壽一「負けない構えの美しさをゴリラに学 約 4,000 字 ぶ」 『梁塵秘抄口伝集巻第十』 約 950 字 帰有光「張雄字説」 約 250 字 難易度 標準 変化 ↓ 標準 やや難 ↓ → ※難易度変化…↑難化/→昨年並み/↓易化 ※難易度は名古屋大受験生を母集団とする基準で判定しています。 ■ 出題傾向 ・現代文1題+古文1題+漢文1題の3題構成。理学部はそのうち,現代文のみを解答する。 ・現代文は,字数制限がある記述式の説明問題が中心で,選択式問題・抜き出し問題・空欄補充問題 なども出題される。漢字の読み書きを問う問題は 10 問出題される傾向が続いている。 ・古文は,記述式の現代語訳と内容説明を問う問題が出題の中心。 ・漢文は,漢字の読み・書き下し文・現代語訳を問う問題や,内容説明問題が中心の設問構成。また, 全文の趣旨を踏まえて解答する 150 字の説明問題が例年出題されている。 ■ 2016 年度入試の特記事項 ・現代文:2015 年度と比べて問題文の分量が減り,また内容が具体的で,非常に読みやすい文章で あった。サルとゴリラの違いから始まり,ゴリラと人間の共通点と違い,そして現代社会の考察へ と展開される論旨も理解しやすいため,読解で時間をかけすぎないようにしたい。2016 年度も, 空欄補充問題(問二)が出題された。説明問題は 50~110 字といずれもボリュームがあるため,問 題文の内容をまとめて,設問で示された問いに対して正しく解答する記述力が求められた。 ・古文:平安末期の歌謡集からの出題であった。ただし内容としては日記的なものであり,話の筋は とらえやすかったのではないか。本文の分量は昨年度と同程度である。現代語訳・説明問題以外で は,問一で会話文の発言主を問う問題,問五で抜き出し問題が出題された。問二の現代語訳問題で はわざわざ「言葉を補って」という指示はないが,「さりとも」「しかじかありし」などは,適宜 言葉を補う必要があろう。また問三の心情説明問題は答えにくかったと思われる。ただ,例年出題 される和歌の問題が出題されなかった分,全体の難易度としては例年より下がっている。 ・漢文:問題文の分量は昨年と比べてやや減ったが,昨年同様,筆者の主張を読み取るのにやや苦労 する文章である。問一の漢字の読みを問う問題や,問五の書き下しの問題では,基本的な漢字や句 形が問われており取りこぼしは避けたい。問六の本文全体の内容を踏まえて 150 字で解答する記述 問題は,例年通りの出題。 ■ 求められる力とその養成 ・現代文・古文・漢文とも,部分的・表面的な解釈にとどまらない確実な読解力と,読み取ったこと を的確にまとめる記述力が必要。とくに現代文では,長めの文章で全体の筋を見失わずに読む・必 要なポイントを選び抜いて制限字数内で解答を作成する,という点を意識して演習を積もう。 ・古文は,単に話の筋を追うだけでなく,古文常識や和歌修辞なども踏まえて深く本文を理解するこ とが求められる。現代語訳問題への対策として,問題演習の際には問われている箇所について,前 後の文脈を踏まえながら丁寧に訳出することを心がけよう。 ・漢文は,漢字の読み・書き下し文・現代語訳を問う問題など出題形式が多様なため,まずは重要 語・重要句形を身につけて基礎を固めよう。また,問題文の論旨をまとめる訓練も必須である。
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