富士重工業 ダイセル 宮城県蔵王町 琵琶湖開発総合管理

11
2016
NOVEMBER
Case Study
富士重工業
Exアプローチ
ダイセル
画像解析システム
宮城県蔵王町
ADWORLD
琵琶湖開発総合管理所
Doctor Cloud
はいたっく 2016 年 11 月号
本印刷物は、Adobe
本印刷物は、
Adobe 社 Acrobat により作成した PDF
PDFです。
です。
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Frontier Report
エネチェンジ
No.19
2016 November
11
CONTENTS
特集:ストレージ
2 ビッグデータ利活用時代に向け
日立の取り組み
5
SDI対応のITプラットフォームを提供
Solution
多種多様なデータの利活用でタイムリーにビジネスの進化を支援する
日立ストレージソリューション
日立返仁会
日立には
「日立返仁会」
という博士号の学位を
有する者(在籍者とOB)
の集まりがあります。
この
会は日立創業の精神「和」
「誠」
「開拓者精神」
を
もって、学位に安住せず、
より高い目標に積極的
に挑戦することや後進の育成などを通じて会社
の発展や社会に貢献したいという人々で構成さ
れています。
「日立返仁会」
は日立創業メンバーの一人であ
くめお
る馬場粂夫博士が、後進の育成にあたり博士号
の取得を奨励したことに端を発しています。馬場
博士の持論「凡人、才子にあらず変人たれ!」
とい
うことばから
「変人会」
と称しましたが、1959年に
7
フロンティアレポート Vol.33
現在の「日立返仁会」に改称されました。
この名
企業のコスト削減につながる法人向けサービス
「エネチェンジBiz」
を運営
称には「返仁:じんにかへる」(仁:愛慈悲の心に
エネチェンジ株式会社
通じる、返:根本にかえり、
その恩に報いること)
と
いう意味を込めています。
9
Case Study
ブランド価値向上に向けた商談支援システムを
「Exアプローチ」
で協創
富士重工業株式会社
11
Case Study
現在「日立返仁会」
には2,000名を超える会員
が在籍しており、会報の発行、総会やフォーラム
の開催による最先端技術の習得や自己研さん、
学位取得支援などの活動をしています。
日立の画像解析システムでダイセル式生産革新がさらに進化
株式会社ダイセル
13 Case Study
「ADWORLD」
シリーズを総合的に運用し、
スムーズな介護保険関連業務を実現
宮城県蔵王町
15 Case Study
「Doctor Cloud/巡回・点検支援システム」が経験やスキルに依存しない高度な管理業務を実現
独立行政法人 水資源機構 琵琶湖開発総合管理所
17 Topics
岩手県釜石市でIT活用による、
まちの活性化を協創
∼東日本大震災復興支援活動に取り組む日立∼
ト紹介
19 ビジネスユニッ
原子力ビジネスユニット/サービス&プラットフォームビジネスユニット/
アーバンソリューションビジネスユニット
22 ニュースリリースダイジェスト/Information
発
行
発 行/
日 2016年11月1日 通巻594号
株式会社 日立製作所
お問い合わせ ICT事業統括本部 コーポレートコミュニケーション本部
TEL(03)
5471-8900
(ダイヤルイン)
〒140-8572 東京都品川区南大井六丁目27番18号
日立大森第二別館
印
刷 株式会社 日立ドキュメントソリューションズ
はいたっくWeb
タブレット端末、
スマートフォンの方はこちらから
http://www.hitac-magazine.ext.hitachi.co.jp/
制 作 ス タ ッ フ 編集長:稲見 浩 編集:広報部、竹内 文典子 デザイン:井澤 秀幸、岡村 尚之
ライター:白井 和夫、山田 一郎 カメラマン:千名原 敏男、井澤 広幸 校閲:萩原 明子
1
はいたっく 2016.11
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本誌は環境に配慮し、植物油インキを使用しています。
特集
ストレージ
ビッグデータ
利活用時代に向け
SDI対応の
ITプラットフォームを提供
IoTによるビッグデータ利活用への取り組みが本格化している現在、ますます多様化・大容量化するデータを、いかに効率的か
つ迅速に運用・活用できるかが企業の成長戦略における重要な課題となっています。そこで日立は世界的に高く評価されてい
るストレージシステムを一段と進化させ、クラウドインフラ全体の即応性と安定性を高めるSDI※1ソリューションにも取り組み、多様
なデータの利活用による、お客さまの価値創出を加速させていきます。
※1 Software Defined Infrastructure
データをリアルタイムに
ビリティ
(拡張性)
とアジリティ
(俊敏性)の要
で、多様・大量なデータを一元的かつ効率的
ビジネスに反映するストレージ
件を備えたクラウド環境の活用が一般化する
に集積・活用できるITプラットフォームの将来
とともに、データを蓄積してから分析・活用す
像“One Platform for All Data”の 実 現を
お客さまが求める価値が一段と多様化す
るまでの時間を短縮し、迅速かつリアルタイム
めざしたストレージソリューションを提供してき
るなか、企業はその要望を的確かつタイム
にビジネスに反映できるストレージ基盤が求め
ました。日経コンピュータによる「顧客満足度
リーな施策や製品開発につなげるため、これ
られています。そのため現在は、従来型の
調査 ストレージ部門 2016-2017」※4において
まで以上に情報活用への投資を活発化させ
HDDやHybrid Flash Arraysに 比 べ、より
ストレージ部門の「信頼性」
「サポート」評価
ています。企業システムでも、基幹系を中心
高 速アクセスが可 能で低 消 費 電 力なAll
で2年連続最高ポイントを獲得するなど、高い
とした従来のシステム形態であるSoR※2に加
Flash Arrays(以下、AFA)へのニーズが
評価を得ています(図1)。
え、お客さまとの関係性を強化するための
高まっており、今後高性能が求められる分野
日立はストレージの開発をとおして、お客
SoE の重要性がより高まっており、ビッグ
では、ビットコストが低下傾向にあるAFAの
さまのビッグデータ基盤を担う高性能・高信
データ利活用の本格化が大きなトレンドとなっ
シェアが急速に拡大すると予想されています。
頼なストレージ基盤と、環境変化に即応し、
てきました。双方のデータを合わせて活用す
※2 Systems of Record
※3 Systems of Engagement
多様なデータの利活用で価値創出を加速
※3
るバイモーダルITの進展や、IoTによって収
するITプラットフォームの強化に取り組んで
集した現場データをアナリティクスに活用する
日立が考えるITプラットフォーム
経営に注目が集まっています。
のビジョン
図1 日経コンピュータ
膨大なデータ資源をスピーディーに運用・
活用していくためのITインフラでは、スケーラ
いきます。
日立は、こうした市場動向を先取りする形
2016年9月15日号
顧客満足度調査
2016-2017
ストレージ部門
2年連続 1位
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2
日立の取り組み
Hi
tach
iVi
r
tua
lStorageP
l
at
form
(VSP)Fami
l
y
■ユニファイドストレージを
容易に実現する「NASモジュール」
V S Pミッド レ ン ジ ファミリ ー「 V S P
新ハイエンドストレージ
Virtual Storage Platform G1500,F1500
G400/G600/G800」向けには、クラウドと連携
してファイルデータの効率的な管理を実現す
VSP G800
VSP G600 VSPF800
VSP G400 VSPF600
VSPF400
VSP G200
SVOS
要が高まるユニファイドストレージとして、ブロッ
VSP G1500
VSPF1500
VSP G100
る「NASモジュール」
(オプション)を提供。需
クデータやファイルデータなど多様な形式の
データを1台の装置で統合的に管理すること
図2 ストレージ製品のラインアップ
ができます※5。VSPミッドレンジファミリーの高
インフラストラクチャー
特に重点的なテーマとして進めていくの
(以 下、HAD)」と、
「Hitachi Infrastructure
い性能と信頼性を維持しつつ、省スペース、
アナリティクス アドバイザー
が、お客さまのシステムを支える「ハイエンド・
Analytics Advisor(以下、HIAA)」を提供。
ミッドレンジストレージの事業継続」
と、より高
「HAD」
と
「HIAA」により、システム運用にお
速なデータアクセスを実現する「フラッシュスト
ける構築、監視、分析、対処の各フェーズを
レージの強化」、ますます重要性が高まるクラ
支援し、運用管理コストを低減します。
ウドインフラ環境をソフトウェアで柔軟かつ容
易に運用管理できる「SDIへの対応」です。
省電力を実現します※6。
※5 日本特許第5937772号取得済
※6 従来の「VSP G800」
+
「HNAS 4080」構成と、
「VSP G800」
+
「NASモジュール」構成(SAS HDD 300GBを4台搭載)との比較
独自開発の次世代フラッシュ
■ハイエンドディスクアレイシステム
ストレージ
「VSP G1500」
「VSP F1500」を
※4 日経コンピュータ 2016年9月15日号
新たに市場投入
日立は長年にわたり、フラッシュ技術の進
ハイエンドディスクアレイシステム「VSP
歩に取り組んできました。フラッシュストレージ
G1000」の後継モデルとして「VSP G1500」
は2008年に提供を開始し、2012年からは独
と
「VSP F1500」を新たに市場投入しました
自開発のフラッシュドライブを搭載するように
先進のストレージ仮想化技術を軸に、ハイ
(図2)。
「VSP G1500」は、これまでに搭載さ
なりました。その出荷枚数は全世界で約14
エンドストレージからファイルストレージ、バック
れてきたさまざまな仮想化機能に加え、重複
万枚を突破、累計400PB以上に達します。
アップストレージまで多彩な製品ラインアップを
排除やデータ圧縮などの容量削減機能も提
日立はフラッシュストレージ分野において米
誇る日立ディスクアレイシステム。その中核製
供。増え続けるデータを柔軟かつ効率よく利
国、日本、欧州で計350件以上の特許を取得
品となるハイエンド・ミッドレンジアレイ「Hitachi
活用し、ビジネスの進化を支援します。また、
しており、その先進的なテクノロジーは世界
Virtual Storage Platform(以下、VSP)」
高いアクセス性能を実現するオールフラッ
でもトップクラスの評価を得ています(図3)。
ファミリーでは、ストレージ基本ソフトウェア
シュアレイ
「VSP F1500」は、増え続けるデー
さらに、国内での一貫設計・開発による高い
タへの高速かつ安定したアクセス性能を提
信頼性と、障害予兆検知などの高可用性に
System(以下、SVOS)」を全モデルで共通
供。クラウドやIoTの効率化に適したソリュー
より、
ミッションクリティカルな分野でも活用でき
化したことに加え、運用管理ソフトとして、IT
ションも合わせ、お客さまのビジネスに応じた
るのが特長です。
インフラの運用自動化や性能監視・分析を行
クラウド環境の構築を支援します。
ハイエンド・ミッドレンジ
ストレージの継続強化
バーチャル
ストレージ
ストレージ
プラットフォーム
バーチャリゼーション オペレーション
「Hitachi Storage Virtualization Operation
システム
オートメーション
ダイレクター
う「 H i t a c h i A u t o m a t i o n D i r e c t o r
3
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この実績とノウハウをベースに新たに開発さ
アクセラレーテッド
フラッシュ ディーシーツー
れ た「Hitachi Accelerated Flash DC2
ストレージ
フラッシュストレージ分野における米国、日本、欧州での
日立の特許取得件数 No.1
*日本技術貿易株式会社調べ 調査対象期間 2006.1.1 ∼ 2015.12.31発行分
分散やリソース増強な
どにより性能の安定化を
図る必要があります。
日立
グループ
A
B
C
D
E
F
図3 フラッシュ技術に関する特許件数比較
「Hitachi Infrastructure
Analytics Advisor」
しかし、ビジネスに応
HIAAは、システムの構成や性能情報を
じて成長するクラウド環
自動で収集・可視化し、性能の監視や分析
境では、年々仮想環境
を容易にするソフトウェアです。サーバから
が増大および複雑化し
仮想環境、FCスイッチ、ストレージの構成情
ているため、限られた人
報までを可 視 化 するEnd-to-Endのトポロ
数での運用管理では困
ジービュー※9を提供するほか、自動検出した
2006年∼ 2015年、
10年間累積特許取得件数
■構成把握と性能監視・分析を支援する
構成情報と性能を組み合わせ、サービス低
難な場合があります。
(以下、HAF DC2)」は、次世代フラッシュドラ
そこで日立は、サーバ、FCスイッチやスト
下時のボトルネック分析を実施します。これ
イブとしてVSPファミリーの各種ラインアップ
レージといったITインフラをソフトウェアによって
により、性能トラブルの発生箇所や影響範囲
制御するSDIの実現に向け、高度なハードウェ
の把握を容易にします。また、性能問題の根
ア技術を自動化により効率的な運用を可能に
本原因を特定するための多角的な分析機
■I/O性能を維持したままリソースを
し、柔軟かつ迅速なクラウドインフラを実現す
能で、的確な対処を支援することもできます。
効率的に使えるデータ圧縮機能を提供
る二つのソフトウェア製品を開発しました。
将来的には日立以外のストレージ製品でも利
(VSP G100を除く)に搭載されます。
大容量のフラッシュドライブ(1.6/3.2/6.4/
12.8TiB)であるHAF DC2は、高いランダム
リード性能によりデータ分析を高速に処理す
用可能とするほか、問題解決の対処処理の
■ITインフラの運用管理を自動化する
「Hitachi Automation Director」
自動化も行う予定です。
SDIを支援する、これらのソフトウェアで、
るほか、I/O性能を維持しながらリソースコス
HADは、クラウド環境などの運用における
システム運用における構築、監視、分析、対
トを低減できる独自の圧縮機能を提供しま
仮想環境構築や、ボリューム割り当てによる
処の各フェーズを支援し、お客さまの運用コ
す。圧縮処理はHAF DC2側のハードウェア
容量増設など、構成変更にかかる作業を自
ストの低減が可能です。
で行うため、ストレージコントローラに負荷をか
動化するソフトウェアです。自動化による環
※9 日本特許第5957570号取得済
けないデータ圧縮を実現※7。搭載フラッシュ
境構築で、操作数をHAD導入前と比べ最
モジュール台数を抑えることができるので、消
大約90%削減※8できるほか、日立のストレージ
ビジネス価値を創出する
費電力や設置スペースを削減します。
運用管理のベストプラクティスを内包したテン
イノベーションに向けて
※7 米国特許第8,862,805号取得済
プレート
(コンテンツ)
も提供するため、IT管
理者の負担を軽減します。お客さまの業務
グローバルビジネスでの厳しい競争を勝ち
日立SDIの中核をなす
やシステム環境に合わせ、GUI上で自動化
抜くには、多種多様なデータを利用して新た
ソフトウェア製品
のワークフローをカスタマイズすることも可能
な知見やビジネス価値を創出するイノベー
です。ベテラン管理者のノウハウに基づいた
ションが不可欠です。日立はこれからも、進
パラメータ設定なども共有できるため、運用
化するクラウド市場への展開と、ビッグデータ
適配置が求められるクラウド環境では、柔軟
技術の属人化解消にも役立ちます。
基盤としての製品強化に取り組み、先進の
な仮想環境の増減、稼働状況の監視、負荷
※8 日立内環境にてHAD導入前と比較・検証
ITプラットフォームを提供していきます。
ビジネスの状況に合わせたリソースの最
お問い合わせ先
(株)日立製作所 ITプロダクツ統括本部
http://www.hitachi.co.jp/products/it/storage-solutions/inquiry/
■ 情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/storage/
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4
Solution
多種多様なデータの利活用でタイムリーにビジネスの進化を支援する
日立ストレージソリューション
ハイエンドディスクアレイの新製品
「Hitachi Virtual Storage Platform G1500」
「Hitachi Virtual Storage Platform F1500」
日立のハイエンドディスクアレイシステム
バーチャル
ストレージ
F 1 5 0 0( 以 下 、V S P F 1 5 0 0 )」です 。
するハードウェアによるデータ圧縮機能
より多くのオーダーを、
より高速に処理し、
と組み合わせて使うことも可能です。
これ
データ蓄積から分析・活用までの時間を
によりストレージシステムのビットコストを
短縮。増え続けるデータへの高速かつ
削減し、お客さまのデータ利用効率を
安定したアクセス性能により、お客さま
向上させます
(図1)。
ビジネスの高付加価値化に貢献します。
※1 米国特許第8,898,384号取得済
プラットフォーム
「Hitachi Virtual Storage Platform
G1500( 以下、VSP G1500)」は、複数
ストレージを束ねる仮想化、ボリューム
■仮想化ソフトとの連携で
VSP G1500/F1500の特長・機能
バックアップ運用を効率化する
容量・ストレージ階層の仮想化、2台の
ストレージを1台にみせる仮想化など、
■ブロックレベルの
スナップショット機能
これまでに搭載されてきたさまざまな仮想
「データ圧縮/重複排除」機能
スナップショット機能と仮想化ソフトの
化機能に加え、データ圧縮や重複排除
新たに提供する
「データ圧縮」機能
親和性強化により、仮想化環境下で、
などの容量削減機能を新たに追加。
より
では、
ストレージコントローラがデータを
管理者がストレージを意識せずに短時間
効率的で低コストなデータ保管を可能と
。重複
圧縮することで、
データ量を削減※1「
で複製構成を作成できるようになりました。
するハイエンドモデルを提供します。
排除」機能では、同一データがストレージ
例えば、OpenStack環境では仮想マシン
また 、高 い 可 用 性・信 頼 性 はその
システム内にある場合、
そのうち一つだけを
のシステムディスクを複製する場合、
スト
ままに、
フラッシュ向けに設計・最適化
保存することによりデータ量を削減します。
レージ機能でスナップショットを作成し、
されたオールフラッシュアレイシステムが
「Hitachi Virtual Storage Platform
アクセラレーテッド
重複排除機能は
「Hitachi Accelerated
フラッシュ ディーシーツー
Flash DC2(以下、HAF DC2)」
が内蔵
ボリュームの複製がスピーディーに行え
ます
(図2)。
データ量を削減するデータ圧縮/重複排除機能
■ 特長
・コントローラベースのデータ圧縮/重複排除機能を
提供することで、
ビットコストの削減が可能
コントローラ
ストレージプール
・HDDやSSD、外部ストレージ接続構成に対して
データ量の削減が可能
A
・HAF DC2によるハードウェアデータ圧縮との組み
合わせで、
より良いコストパフォーマンスを提供可能
B
D
C
D
B
ソフトウェア重複排除機能
HAF DC2のデータ圧縮機能
NEW
ソフトウェアデータ圧縮機能
I/O性能を維持しながらリソースコストを低減
できるデータ圧縮機能
圧縮
A
C
A
A
B
B
C
C
D
D
データ圧縮
機能搭載
HAF DC2
ハードウェアデータ圧縮機能
・ストレージコントローラに負荷をかけずデータ
圧縮が可能
・ハードウェアベースのデータ圧縮により性能
影響を考慮する必要なし
A
A
物理ドライブ層
HDD
B
SSD
B
C
C
D
D
外部接続ストレージ
HDD:Hard Disk Drive SSD:Solid State Drive
図1 データ圧縮、重複排除機能
5
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ストレージ
ソフトウェアでITインフラを
効率的にコントロール
■迅速な障害対応を可能にする インフラストラクチャー
や関連を直感的に把握することが可能
アナリティクス
「Hitachi Infrastructure Analytics
です。
システム変更履歴や負荷傾向も
アドバイザー
Advisor」
管理し、通常の傾向と異なる負荷検出
仮想環境が増加するなかで、
システム
Hitachi Infrastructure Analytics
時や性能問題の発生時には相関分析
管理者の作業負荷が増大しています。
Advisor
(HIAA)
は、
クラウドインフラ全体
により、迅 速に性 能ボトルネックおよび
日立はこの課題に対応するSDI※2の実現
の性能を監視し、
性能問題発生時の迅速
ボトルネックを引き起こしている根 本
に向け、
サーバ、
ストレージといったハード
対処に向けた分析機能を提供する製品
原因の特定を支援します。
ストレージに
ウェア層を抽象化し、ITインフラの運用
です。仮想マシン、サーバ、FCスイッチ、
ついても、
ボリューム単位でのきめ細かい
管理を効率的にコントロールするクラウド
ストレージを一つの画面で表示し、構成
性能の監視・分析が可能です。
インフラ管理ソフトウェアを提供します。
※2 Software Defined Infrastructure
仮想化ソフトウェアとの連携を強化し、より効率的な運用が可能
■運用管理を自動化する
オートメーション
ダイレクター
「Hitachi Automation Director」
■ 顧客価値
仮想化環境下で、管理者がストレージを意識せずに、
ごく短時間に複製構成を作成できる
■ ユースケース
Hitachi Automation Director
(以下、
① OpenStack:VMのシステムディスクを複製する場合に、
ストレージ機能でスナップショットを作成し高速に
HAD)
は、
自動実行したい作業(サービ
② バックアップ:スナップショットを元に差分コピーやフルコピー(コピーはバックグラウンドで実施)ができる
ボリュームの複製ができる
ようになり、柔軟なバックアップ運用ができる
ス)
をHADの画面上で選んで実行する
だけで自動化を実現できる製品です。必
OpenStackとの連携例
要容量やバックアップ先の指定など最
小限の要件を入力するとストレージ内
の負荷状況を考慮し、最適なボリューム
Controlノード
Computeノード
ポータル
サーバ(Nova Compute)
稼働VMを高速に複製
サーバ
管理者
ブロックストレージ
(Cinder)
を自動でサーバに割り当て、VMware ®
やOracleなどのアプリケーションとの接続
VM1
日立ストレージ
プラグイン
設定なども自動で実行します。HADの導
・
・
・
LU3
・
・
・
③アタッチ
プ環 境の構 築 にか かる操 作 数を約
LU1
90%削減 ※3できます。
VM3
KVM
ストレージ操作指示
入により、例えばストレージ間のバックアッ
VM2
LU2
①スナップ
ショット
作成
HADの画面でサービスを選択する
ことにより作業を自動実行できるほか、
LU1
運用管理におけるナレッジを共有・蓄積
システムディスクの
テンプレートとして利用
できるため、人為的ミスをなくし属人化の
解消にも役立ちます。
※3 日立内環境にてHAD導入前と比較・検証
②スナップショットからの
ボリューム作成
VM:Virtual Machine KVM:Kernel-based Virtual Machine LU:Logical Unit
図2 スナップショット機能
お問い合わせ先
(株)
日立製作所 ITプロダクツ統括本部
http://www.hitachi.co.jp/products/it/storage-solutions/inquiry/
■ 情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/storage/
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6
「エネチェンジ」
のトップ画面。
「いちばんおトク」
「セットや特徴」
「会社やプラン名」
を
電気料金比較サイトNo.1※
手がかりに、
それぞれのユーザーにいちばん合ったプランを見つけ出せる工夫がなされています
※ インテージ社調べ
(2016年7月)
東京都墨田区
今回の訪問先
エネチェンジ株式会社
33
エネチェンジが拠点を構える東京・墨田区のオフィスタワー
企業のコスト削減につながる
法人向けサービス「エネチェンジBiz」を運営
事業内容をモチーフに図案化したエネチェンジ
株式会社のロゴマーク
7
エネチェンジ株式会社(以下、エネ
大級の電力料金比較サイト
「エネチェ
チェンジ)は、今年から始まった電力
ンジ」
を運営しています。
小売全面自由化を踏まえて、2015年
電 力自由化 先 進 国の英 国ケンブ
に設立されたばかりの新進の企業で
リッジでエネチェンジの前身となる電力
す。
「『でんきを選ぶ』
を常識にする」
の
ビックデータ解析ベンチャーを設立。
実現に向け、同社は、郵便番号、ある
データ分析に基づく電力消費予測シス
月の電気代、世帯人数や生活パター
テムなどの開発に取り組んでいました。
ンなどを入力するだけで、年間使用電
英国では、電力自由化以降、毎年全
力を計 算 するとともに、ユーザーに
世帯の約10%が電力会社の切り替え
あったプランを提示してくれる国内最
を行い、
そのうち40%ほどが比較サイト
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33
東京都墨田区
を利用しています。
その状況を現地で
現 在 、エネチェンジは 法 人 向 け
しているエネチェンジでは、来年から
目の当たりにしたことが契機となって、
電力料金比較サービス
「エネチェンジ
開始されるガス小売全面自由化やネ
2 0 1 5 年 4月に日本 初の比 較サイトを
Biz」にも力を入れています。
これは、
ガワット取り引きなど、今 後のロード
立ち上げたのです。
10年以上前から電力自由化が実施
マップを踏まえ、新しいサービスの提
エネチェンジのサービスの特色は、
されていたものの、最近になって注目
供にも取り組んでいます。例えば、ス
東京電力や新電力など、取り扱い事
されるようになった高 圧( 契 約 電 力
マートメーターの電 力使 用データを
業社72社550プラン
(2016年9月27日
5 0 k W 以 上 )のお客さまに対 応した
解析し、ユーザーの行動変容を促す
現在)に対応していることに加え、電
サービスです。企業にとっては、電力
ようなサービスも検討しています。
力消費予測に独自のアルゴリズムを
会 社を切り替えるだけでコスト削 減
エネルギーの自由化が進むなか、
活用していることが挙げられます。
ま
ができることから、中 規 模 工 場 や 福
消費者にとって価値あるサービスの
た、提 携ポイントやセット割引を含む
祉 施 設など 、す でに3 , 0 0 0 件 以 上
提供に努めているエネチェンジ。
「で
複雑なプランの中から、ユーザーのラ
の 相 談 実 績があります。見 積もり依
んきを選ぶ」が常 識になる日も、そう
イフスタイルに合ったものを容易に探
頼も容易で、中には相当なコスト削減
遠いことではないでしょう。
し出すことができ、累 計 ユーザー数
が実現できる企業もあります。
は1,000万人を突破しています。
さらに、エネルギーを事業ドメインと
電力会社の切り替えに際し、
ユーザーの
心理的な負担や不安感を解消するた
め、電話応対による丁寧なカスタマー
サービスを実施しています
「エネチェンジBiz」
のWebサイトは、
数々
のコスト削 減 事 例 の 紹 介をしている
ほか、電気代削減額の無料診断申し込
みも行えるようになっています
私たちの職場周辺はこんなところです!
運動公園なのに
桜の名所でも
あるんです!
当社の最寄り駅を出ると、
すぐに墨田区立錦糸
公園が見えてきます。
緑豊かな広々とした公園で、
敷地内には区の体育館や野球場、
テニスコート
などの施設が点在し、
最近では人気ゲームの聖地
としても知られています。春夏秋冬それぞれに
趣があり、
賑わう街中なのにくつろげるスペースも
あって、
お気に入りの場所です。
園内の芝生広場
では、
当社社員がランチすることもあるんですよ。
ビジネス開発部
坊薗 恵美さん
拠点 DATA
エネチェンジ株式会社
所 在 地 東京都墨田区太平4-1-3 オリナスタワー12階
設
立 2015年4月
事業内容 「エネチェンジ」
「SIMチェンジ」の運営、電力データの
統計・データマイニング
http://enechange.co.jp/
Bizチームのメンバーは、
全国のお客さま
に対応するため、
長期的な出張が多いこ
とから、定期的に打ち合わせをするなど
の緊密な連携プレーを重視しています
オフィスに隣接するフリースペースは、
社員がリラックスするため、逆に仕事に
集中するためなどの多目的スペースと
なっています
社長
「エネルギーの未来を見据えながら
安心して電気を選べる社会に向け
多様なサービスを提供していきます」
す」
費者がエネルギーの未来を作ってい
く社会。
その実現をサポートすること
が当社の究極のミッションです。
「でんきを選
ぶ」
を常識にすることは、
その第一歩になる
と考えています。
そこで重要となるのが、
安心して電力会社の切り替えが行え
るという体験の普及です。当社では
「でんきコンシェルジュ」
による丁寧
なサポートなどにより、安心感を得ら
れるサービスの提供に尽力していま
す。
こうした体験の普及から電気を
つくる側、電気を売る側の行動を変
えることにもつながるはず。今後も、
お
客さまの選択をサポートする多様なサー
ビスの提供をとおして、未来の社会の
ために貢献していきたいですね。
消
代表取締役社長
有田 一平 さん
はいたっく 2016.11
All Rights Reserved,Copyright ©2016,Hitachi,Ltd.
8
Case Study
富士重工業株式会社
http://www.fhi.co.jp/
構想段階に「Exアプローチ」
を適用し、タブレット端末を利
提案から見積、注文までワ
ンストップで実現。商談が
ブランドの魅力の伝え方も十
用した新たな商談支援システ
スムーズかつ魅力的なもの
分ではなかった
ムを構築
に変わった
「安心と愉しさ」
を提供する
クルマづくりを推進
はスバル国内営業本部 販売促進部 促
イメージはまだ漠然としており、
「お客さま
進課 主事の西久保 真一郎氏です。
も一緒にご覧になる画面をどう作り、
どの
ブランドステートメントである
“Confidence
in Motion”のもと、
お客さまに「安心と愉
しさ」を提供するクルマづくりに力を注い
9
効果
値が提供できておらず、スバル
解決
課題
商談シーンで差別化された価
ような機能を実装すればいいのか、
あまり
今までにない商談シーンを
演出したい
想像できませんでした」
と田中氏は振り
返ります。
「そこで以前からディーラー支援
でいる富士重工業株式会社(以下、富
「これまで商談で使うツールは、
カタログ
システムの構築・運用をお願いしていた
士重工業)
。
レガシィやインプレッサなどに
などの紙媒体が中心でした。展示車両も
日立さんに相談したところ、お客さまや
代表される個性際立つ「スバル」ブランド
数やカラーバリエーションが限られている
現場の思いを理解しながら、具体的な
の自動車は、
高い走行安定性能と独自の
ため、現場ではお客さまが求めるクルマ
システム構想につなげていけるExアプ
運転支援システム「アイサイト」の搭載に
のイメージやスバルブランドの魅力を十
ローチという取り組みがあることをご提案
より、国内外に幅広いファン層を獲得。
分に伝え切れていないという思いが強く
いただきました。当社のディーラー業務に
2017年3月期には年間販売台数が同社
ありました。
関する知識やノウハウも十分な日立さん
初の100万台を超えるものと予想されて
これだけ技術革新が進んでいるのに、
でしたので、
安心してお任せできると判断
います。
商談の場ではお客さまに新しい提案や
しました」
と田中氏は続けます。
「当社は現在、
中期経営ビジョン『際立
訴求ができていない。見積書や注文書の
とう2020』の中で“スバルブランドを磨く”
作成も、
ほとんど紙ベースで他社と差別化
というテーマに注力しています。それはお
できる要素がありませんでした。スバルと
システム構想段階に
「Exアプローチ」
を適用
客さまに“安心と愉しさ”
という価値を提
いう小さくとも個性的なブランドならでは
日立が独自開発した価値協創手法と
供するため、商品・技術の強化に加え、
の、
より深いお客さまとのつながりをめざす
ツールを、
ITシステム構築の超上流工程
販売やアフターサービスに至る、
すべての
には、
今までにない商談シーンを演出する
に適用したのが「Exアプローチ」です。
お客さまとの接点における質の向上をめ
新しい仕掛けが必要でした」とスバル
富士重工業と日立は新商談支援システム
ざす取り組みです。その一環として着手
国内営業本部 営業支援部 ITグループ
に求められる要件を探るため、2014 年
したのが、全国のスバル特約店(ディー
主査の田中 聖志氏は語ります。
10月からExアプローチを活用したシステム
ラー)で、
より深いブランド価値の提供とコ
お客さまと新たなコミュニケーションを
化構想プロジェクトをスタート。セールス
ミュニケーションの深化を実現する新商
図るツールとして、
タブレット端末を利用
スタッフへのインタビューや、
日立のスタッフ
談支援システムの構築でした」
と語るの
することを決定しました。新しいシステムの
による商談シーンの現場調査などで現状
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Exアプローチ
富士重工業株式会社
所 在 地 東京都渋谷区恵比寿1-20-8 エビススバルビル
設
立 1953年7月15日
(2016年3月末日現在)
資 本 金 153,795百万円
(連結会社合計 31,151名)
従 業 員 数 14,234名
(2016年3月末日現在)
事 業 内 容 自動車ならびにその部品の製造、修理および販売、
航空機、宇宙関連機器ならびにその部品の製造、
販売および修理など
把握とニーズ整理を行った後、
タブレット
ながら見積もり・注文まで
端 末 の 活 用を想 定したロールプレイ
行うシステム、分割払いに
(画面イメージを投影し、
セールススタッフと
必要なクレジット契約シス
お客さまのやり取りを模擬演技する)
を取り
テムなどとシームレスに連携
入れたワークショップなどを実施しました。
させた「SUBARU Sales
「現状把握の過程でセールススタッフが
Supportシステム」を構築
見積書や注文書の入力・作成のため、
しました。同システムは、
商談時間の2割∼4割、
離席している実態
2016 年 5月から3,000 台
が明らかになりました。
これはメーカー側で
以上のタブレット端末を使
も薄々感じていたものの、
正確には把握し
い、全国のディーラー 460
ていなかった課題でした。そこで新システム
店舗で利用が開始されています。
じていただけるシステムになったかと思い
では、
スバルブランドの魅力を訴求する
「見積もり作成やクレジットの提案が離
ます。店舗内はもちろん、
お客さまの自宅
商談の
“質”
と、
お客さまの待ち時間を極力
席することなくタブレット端末上から行える
やショッピングモールなどで開催する出張
減らすという商談の
“量”
の双方を改善す
ようになったので、
商談が早くスムーズに
展示会でも使えるため、
提案の機会と幅
る方向性を見いだしました」
と西久保氏は
なったとセールススタッフからの評価は
が一気に増えたのも大きなメリットです。
語ります。田中氏も
「お客さまと一緒にタブ
上々です。画面が商談の流れに沿って遷
ディーラーの皆さんにこのシステムを使い
レット端末の画面を見ながらスバルの魅力
移していくため、
業務効率の向上に加え、
こなしてもらうことで、
スバルブランドの
や特長を伝えつつ、
実業務の見積もり・注
スタッフのスキルに左右されない商談の質
魅力をより効果的に伝え、
ファン層をさらに
文まで行っていく新システムを導入すると、
の平準化にもつながると期待しています」
拡 大していければうれしいですね」と
セールススタッフは従来の仕事の進め方や
と田中氏は喜びます。
西久保氏は語ります。
発想を大きく転換しなければなりません。
「お客さまが最初にスバルに接するの
Exアプローチによる構想策定とプロジェ
その開発を机上の要件定義だけで進める
が商談の場です。そこで欲しいクルマや
クト管理、
システム構築までをトータルに支
のは非常にリスクが大きい。
しかしExアプ
オプションのイメージを画面で見ながら選
援した実行力を生かし、
今後も日立は、
ス
ローチでは画面遷移やお客さまとの会話を
べる愉しさ、
見積もりが瞬時に出てくる快
バルブランドの価値向上と業務のデジタル
ロールプレイでリアルに可視化しながら、
プロ
適さなどに“スバルって他とは違うね”
と感
シフトに向けた協創を続けていきます。
富士重工業株式会社
西久保 真一郎 氏
田中 聖志 氏
ジェクトメンバーでよりよいアイデアを出し合
うことができます。
これは手戻りのない開発
に非常に有効でした」
と笑顔を見せます。
見積もり・注文まで離席しない
ワンストップ対応を実現
日立はExアプローチで抽出された
現場のさまざまな想いを、
システム開発
フェーズで具 体 的な機 能として実 装。
好きなカラーやオプションでカスタマイズ
した車両をリアルな3D画像で表示させ
お問い合わせ先
(株)
日立製作所 産業・流通ビジネスユニット
エンタープライズソリューション事業部
https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/it/ex_approach/form.jsp
■ 情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/ex_approach/
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10
Case Study
株式会社ダイセル
http://www.daicel.com/
する仕組みが必要だった
「人にやさしいモノづくり」
日立との出会い
日立との協創で人・設備・材料
の全情報をとらえる画像解析
システムを導入
代表点管理から全点管理への
移行で不具合の早期発見や
品質の安定化を実現
ないか ”
と気 づき、その実 現 策を常々
しているダイセル播磨工場で新システム
考えてきました」
と語るのは、取締役常務
の実 用化に向けた実 証 試 験を実 施。
おがわ
よしみ
セルロース、有 機 合 成、合 成 樹 脂、
執行役員の小河 義美氏です。
日立の最先端クラスのIoTとAI( 人工
火工品など、多様な化学製品から自動
新 たな生 産 革 新 へ のヒントを探る
知 能)技 術などを活 用し、製 造 実 績
車エアバッグ用インフレータ(ガス発生
なか、小河氏はさまざまな生産ラインに
データを3M(Man/Machine/Material)
装置)まで、幅広い事業領域を誇る株
おける大 規 模 デ ータの 収 集・蓄 積・
の観点から解析することで、作業者の
式 会 社ダイセル(以 下、
ダイセル)。同
解析技術を見学するため、
日立の中央
動 作や設 備・材 料の状 態を定 量 的に
社は熟練工のノウハウや技能の“ 見え
研究所を訪れました。
把握できることを確認しました。そして
る化 ”による継 承で、安 心して作 業 が
「説 明してくださる研 究 者の皆さん
約半年という短い期間で、現場作業員
行える環境を作り、現場作業者の作業
が、好 奇 心 旺 盛 で 柔 軟 なマインドを
の逸 脱 動 作 や 設 備 不 具 合の予 兆を
負荷低減と生産性や品質の向上をめ
持っていることに驚きました。特に印象
検出する「画像解析システム」を開発
ざす「ダイセル式生産革新」でさまざま
的だったのは、個々の技術を単品では
したのです。
な産業界から注目されています。
なく起承転結のあるストーリーとして複
新システムは3 次元形状を取得でき
「人にやさしいモノづくりをめざすダイ
数絡めて説明されたことです。その中
るカメラが作業員の手・ひじ・肩などの
セル式生産革新は、化学製品のように、
でも、
インフレータ生産ラインでの作業
関 節 位 置と動きを読 み 取り、データと
生産工程の大半が目視できないプロセス
者の行動や設備状態などをカメラによ
して蓄積。基準となる標準動作モデル
型生産領域を中心に展開する一方で、
る画像解析によって最適化できるとい
と、実 際 の 作 業 員 の 動きを統 計 的に
組立加工型生産の自動車エアバッグ用
うお話に興味を持ち、共同開発に取り
比較することでヒューマンエラーを判定
インフレータ事業では、
トヨタ生産方式など
組むことを決めたのです」と小河氏は
する仕 組 みです。本 来の動きから外
を導入して、安全や品質、生産性の向上
経緯を振り返ります。
に取り組んできました。
しかし、
いずれの
生産形態においても、現場で人が関与
する以上、
どうしてもミスは発生します。
11
効果
やさしいモノづくり」を支 援
解決
課題
組 立加工型生産にも「人に
れた場 合には、システム画 面 上 へ の
アラーム表示やスマートウォッチなどで
現場作業を画像解析し、
ヒューマンエラーを防止
管理監督者に警告。現場で即対処す
ることで、作 業 者が作 業に専 念できる
それをムリに抑えるのではなく
“ミスをして
ダイセルと日立 は 2015 年 2 月から
環境を整備しました。
もバックアップする仕組みこそが必要では
約 16 か月にわたり、
インフレータを製造
また、設 備や材 料の不 具 合につい
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画像解析システム
株式会社ダイセル
所 在 地 大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 タワーB(大阪本社)
東京都港区港南2-18-1 JR品川イーストビル
(東京本社)
設
立 1919年9月8日
資 本 金 362億7,544万89円
(2016年3月31日現在)
従 業 員 数 連結10,709名/単体2,153名
(2016年3月31日現在)
事 業 内 容 セルロース事業、有機合成事業、
キラル分離事業、合成樹脂
事業、
火工品事業など
ても、製造実行管理システムとの連携で、
ミスした際には寄り添って教え
固定カメラでとらえた画像と通常画像
てくれたりする
“ 相棒 ”のような
との 差 分 分 析を行 い、一 定 のしきい
存在としてカメラがある。それ
値を超えた 時 点 で 異 常として通 知。
が 人にやさしいモノづくりを
生産工程で不適切な作業が発見され
支える環 境 の 大きな進 歩に
た際には、画像データと製造情報から
つながっていくはずです」と
シリアル単位で最終製品を追跡できる
小河氏は語ります。
マルチトレーサビリティ機能も実装され
今後、
ダイセルと日立は播磨
ました。
工 場 での 本 格 運 用に続き、
インフレータの海外 6 工場でも
作業者の安心を支える
“相棒カメラ”
画像解析システムを導入して
株式会社ダイセル
いきます。そしてクラウドを
小河 義美 氏
「これまで3Mに対する検査は、
ロット
活 用した情 報の集 約と分 析
単 位の“ 代 表 点 管 理 ”でしかとらえる
を通じて、各工場のデータを一元管理
だと小 河 氏 は 強 調します 。
「協 創は
ことができませんでした。しかし新シス
したビッグデータ解 析 や、
グローバル
両 社が強い思いをぶつけ合い、協 力
テムの導 入で、製 品シリアル単 位での
統 合 管 理 による技 術レベ ルと品 質
し合って新しい価値を作り上げること。
“全点管理”つまり
“人・設備・材料”の
レベルのさらなる底上げ、解析結果を
そのときいちばん大切なのは、技術者
状態を連続的に管理する方 法 へ 移 行
活 用したエンジニアリングチェーンや
や 現 場 の 人 間 がいかにワクワクでき
できました。今 後、品 質の安 定 化と作
サプライチェーン全 体 の 最 適 化など
るか 、楽しめるかです。私は今回それ
業 効 率の改 善が加 速し、製 品の工 程
へつなげていきます。
ができたと感じています。互いが持つ
技術やデータを惜しみなく出し合い、通
内 保 証 率が格 段に向 上できると期 待
しています。そして最も重 要なのは、
この仕 組みが人の意 思 決 定のバック
協創の成果を実感。
新たなチャレンジにも期待
常なら3 年かかるシステムをわずか半
年 で 実 現できました。ですから違う事
アップシステムとなることです。自分の
今回のダイセルと日立の協創は、両社
業でも日立と一緒に新しいチャレンジを
動きに間違いがないかを確かめたり、
の関係性をさらに強化していく第一歩
始めたい。私は心からそう願っていま
す」と語ります。
その期 待に応えるため、
これからも
日立はダイセル式生産革新の取り組み
を全力で支援していく一方、今回開発
された画像解析システムをIoTプラット
ルマーダ
フォーム「Lumada」の考え方や技 術
はんよう
を適用し、汎用化したデジタルソリュー
ションとして、国 内 外の製 造 業 向けに
広く提供していきます。
お問い合わせ先・情報提供サイト
(株)
日立製作所 産業・流通ビジネスユニット
産業ソリューション関連紹介サイト
http://www.hitachi.co.jp/products/infrastructure/product_solution/industry/
製造業・流通業・サービス関連紹介サイト
http://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/
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12
Case Study
宮城県蔵王町
http://www.town.zao.miyagi.jp/
窓口を一本化したかった
ADWORLDシリーズの連携機能に
より、介護保険システムの収納情報
を一元管理し、総合的な運用を実現
業務効率と正確性が向上し、
介護保険関連業務の円滑な
推進に貢献
介護保険システムをはじめとする
ADWORLDシリーズを導入
事務処理を効率化できる日立の製品を
保 険 関 連 業 務に対し、初 任 者でもす
採用しました」
と語ります。
ぐに使えるわかりや すい 操 作 環 境を
人口約13,000人を抱える宮城県蔵王
蔵王町の介護保険事業の状況につ
提 供しているのもシステムの大きな特
町は、東 北の霊 峰・蔵 王 連 峰の東 麓
いて同課 主幹の佐藤 美佳氏は「高齢
長の一つです。使いやすさを左右する
に広がる豊かな水田地帯に加え、丘陵
化率はすでに住民数あたり32%に達し
画面デザインでは、視覚的に見やすくわ
地を利用した果樹栽培も盛んで、梨の生
ています。今後も確実な介護保険事務
かりやすい配色を施し、各画面のレイア
産量は県下ナンバーワンを誇ります。高
を通じて高齢者や家族の生活を支える
ウトをそろえることで操作性を統一。重
原育ちの乳牛からとれる新鮮な牛乳で
必要があるため、町では地区活動として
要な操作項目はボタンや文字の大きさ
作るチーズなどの乳製品も全国的に人
介護予防に力を入れています」
と説明
を変え、操 作ミスや 入 力ミスを防 止し
気があり、四季折々の美しさと楽しみ方
します。
ています。
が広がる観光地として知られています。
「保健福祉課に配属されてまだ4か月
ADWORLD 介護保険システムで
初任者にもやさしい操作環境を提供
ですが、次にどの処理を行えばいいの
ADWORLD」を利用。介護保険をはじ
ADWORLD 介 護 保 険システムの
一通りの操作を自然に覚えることができ
め住民記録、国民健康保険、児童手当、
機能について、
同課 主事の堀内 愛恵氏
ました」
と、同課 主事の井上 和紀氏は
医療費助成、後期高齢者医療といった
は「このシステムを使い始めてから、
スト
笑顔で語ります。
幅広い業務を連携させながら、住民への
レスを感じたことは一 度もありません。
このほかにもADWORLD 介護保険
窓口対応を迅速かつ高効率に展開して
必要な機能がすべてそろっていますし、
システムは、同 時に複 数 の 被 保 険 者
町の行政を担う蔵王町役場では長年
にわたり「日立 自治 体ソリューション
13
効果
介護保険料収納業務の対応
解決
課題
住民サービスの充実に向け、
かが直感的にわかる画面のおかげで、
きました。介護保険制度が施行された
被保険者の情報が常にわかりやすく表示
情報を確認でき、急な問い合わせにも
2000年4月から「ADWORLD 介 護 保
されるので、保険料減免や給付制限、
スピーディーに対応可能な「サテライト
険システム」を活用している保健福祉課
滞納情報の有無などもひと目で把握する
ウィンドウ機 能」、
自治 体 固 有 の 運 用
課 長 の 宍 戸 光 晴 氏 は「高 齢 者 福 祉
ことができます。介護認定ソフト※の情報
ルールや注意事項といった電子文書を
サービスの効果的な実施や介護保険関
ともシームレスに連携できるなど、滞りなく
オンライン画面から呼び出すことができる
連業務の円滑な推進を行うために、介護
業 務が行えるのがうれしいですね」と
「iボタン機能」などを備えており、
日々の
保険システムは重要な役割を担います。
評価します。
業務を強力にアシストしています。
そこで町役場全体で導入実績があり、
また、制 度 が 年々複 雑 化 する介 護
※ 厚生労働省から提供される「認定ソフト2009(SP4)」
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ADWORLD
宮城県蔵王町
所 在 地 宮城県刈田郡蔵王町大字円田字西浦北10
(2016年8月31日現在)
人
口 12,523人
(2016年8月31日現在)
世 帯 数 4,490世帯
(2016年4月1日現在:企業会計等含む)
職 員 数 199名
収納窓口の一本化で
住民サービスを支援する
「ADWORLD 汎用収納システム」
蔵王町の介護保険事務の特長は、賦
課収納業務を保健福 祉 課ではなく町
民税務課で行っていることです。町民
税務課は住民票・戸籍・印鑑登録・健
康保険・税金などに関する業務を一括
して行っており、介護保険料も含めた収
納窓口もここに一本化されているため、
住民負担の軽減と利便性の高いサービ
宮城県蔵王町
宍戸 光晴 氏
堀内 愛恵 氏
佐藤 美佳 氏
井上 和紀 氏
佐藤 長也 氏
スを実現しています。
「多様化、複雑化する町民ニーズや
向けて、来年度から介護予防・日常生
システム改善や情報提供などでのきめ
行政課題に対応するため、各課が個別
活支援総合事業が始まります。このた
細かいサポートをお願いしたいと思いま
に業務を行うだけでなく、必要に応じて
め介護保険事務でも、対象者の区分や
す」
と堀内氏は期待を寄せます。
事 務 連 携しながら取り組んでいます。
給付内容の変更などが発生することが
その期 待に応えるため、
これからも
保健福祉課において必要な住民情報
予想されます。システム面での対応も急
日立 自治体ソリューション ADWORLD
も介護保険システムで見ることができ、
務の課題となってきますが、
これまでも日
は、迅速な法改正対応と継続的な機能
一つの端末上で事務を進められるので
立さんは制度改正に合わせたバージョ
強化により、蔵王町はもとより、
さまざまな
非 常に便 利ですね」と語るのは、同 課
ンアップをきちんと行ってくださっている
自治体の介護保険業務を力強くサポー
課長補佐の佐藤 長也氏です。これは
ので不安はありません。今後も引き続き
トしていきます。
各種税・料金の調定情報を一括管理
はんよう
できるADWORLD 汎用収納システム
とADWORLDのシステム連 携 機 能に
ADWORLD
国民健康保険資格、税(料)、給付システム※
よって実現されており、町役場全体の円
滑な事務処理とデータ正確性の確保に
役立っています。
ADWORLD
住民記録システム※
ADWORLD
後期高齢者医療事務支援システム
ADWORLD
介護保険システム
ADWORLD
汎用収納システム※
ADWORLD
医療費助成システム※
迅速な法改正対応に高い評価
「蔵王町では、団塊世代が75 歳以上
保健福祉課
町民税務課
となる2025 年までには地域包括ケアシ
※ 株式会社 日立システムズの製品
ステムを構築し、高齢者が安心して住み
町民
慣れた地域で生活することを目標として
います。地域包括ケアシステムの構築に
宮城県蔵王町の主なシステム概要
お問い合わせ先
(株)
日立製作所 公共システム営業統括本部 カスタマ・リレーションズセンタ
http://www.hitachi.co.jp/pchannel-inq/
■ 情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/app/adworld_kaigo/
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14
Case Study
独立行政法人 水資源機構 琵琶湖開発総合管理所
流域の利水と治水を担う
琵琶湖開発総合管理
「Doctor Cloud/巡回・点
検支援システム」を導入し、
二つのシステムを構築
ARによる操作ナビで人的ミスを極小
化。機器故障・不具合の際もHMD経
由の遠隔指示で早期復旧対応を実現
め急激な増水時などに作業の確実性・
安 全 性・迅 速 性をさらに高めることが
現地と遠隔地の熟練者が
映像と知見を共有
滋賀県全面積の約1/6を占める日本最
長年の課題でした」
と機械課 副参事の
採用されたのは日立のクラウド型機械保
大の湖、
琵琶湖。その流域で暮らす1,450
岩松 裕二氏は説明します。
守・設備管理サービス「Doctor Cloud/巡
万人もの人々の、
豊かで安全な暮らしを支
「従来は紙のマニュアルで対応してい
回・点検支援システム」でした。
えているのが独立行政法人 水資源機構
ましたが、配属されてきたばかりの新入
「HMDを使って4者間で双方向通信でき
琵琶湖開発総合管理所です。
「1973年か
職員や、操作に不慣れな職員の中には、
るシステムは日立さんだけでした。
これなら設
ら92年の20年間にわたり、
水資源機構は
どうしても行くべき場所や操作手順に戸
備トラブルや想定外の問題が起こっても、
現
国や県、
自治体とともに治水・利水・環境保
惑うケースがあり、情報をよりわかりやすく
地と総合管理所、
本社・支社なども交え、
専
全を中心とした琵琶湖開発事業を行いまし
伝える新たなツールが必要でした。また、
門職や過去の不具合を熟知している担当
た。われわれはこの事業で整備された水
排水機場の機器類に不具合が発生した
者が離れたところからでも的確にアドバイス
門・樋門・排水ポンプといった施設の操作
場合、以前は現地に専門職やメーカー
できます。
また、
われわれの業務は視界がディ
や維持管理を行い、
琵琶湖周辺の治水と
担当者を派遣していましたが、初期対応
スプレイで塞がれると操作確認がうまく行え
安定した水道・工業用水の供給を行ってい
に時間や手間がかかることも大きな悩み
ないため、
HMDの視界がシースルータイプ
ます」
と語るのは所長の青井 保男氏です。
の一つでした」
と岩松氏は続けます。
だったこと、
さらにクラウドで運用負担がな
琵琶湖一円に14か所設けられた排水
そこで、
こうした課題をトータルに解決で
かった点もうれしかったですね」
と岩松氏。
機場では、台風などの大雨で琵琶湖の
きる手段の検討を始めたところ、
水位が上昇した際、琵琶湖からの逆流
複数のベンダーがタブレット端末や
による内陸側の氾濫軽減を図るため、水
AR※2などの技術を活用
HMD※1、
ひもん
へいそく
門閉塞と同時に排水機場のポンプを稼
した業務改善システムを提供して
働し、河川水を強制的に琵琶湖に送水
いるとの情報を青井氏がキャッチ。
する作業を行っています。管理所全体で
「これならわれわれの業務でも使え
は36名の職員がいますが、設備操作に
るのではないか、
そうひらめいたの
詳しい機械職員は3名のみ。大雨などの
です」
と青井氏は笑顔で語ります。
緊急時には事務職員なども含めて操作
※1 Head Mounted Display
対応を行わなければなりません。
「このた
15
効果
を実現したかった
解決
課題
転入者や経験の浅い職員
でも不安のない設備管理
http://www.water.go.jp/kansai/biwako/
※2 Augmented Reality:拡張現実
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HMD装着時の作業風景
Doctor Cloud
独立行政法人 水資源機構 琵琶湖開発総合管理所
所
管
職
事
在
理開
員
業内
地
始
数
容
滋賀県大津市堅田2丁目1-10
1992年4月1日
36名
(2016年9月1日現在)
平常時は、各施設の点検整備、水文資料の収集、総合自動
観測所による湖内の水質監視などの管理を行い、渇水時に
は内水面の水位維持を、洪水時には淀川および琵琶湖周辺
の浸水被害の軽減を図る
青井氏も
「排水機場のポンプが日立製というこ
ともあり、
あらかじめ運転システムの内容を熟
知されているのも助かりました。操作手順の
ナビゲーション設計、
故障時の復旧支援など
にもそのノウハウが生きています」
と評価します。
Doctor Cloud/巡回・点検支援システム
は、
HMD、
AR技術、
複数拠点同時通信機
能とクラウド型機器保守・設備管理サービス
をパッケージ化したソリューションです。同ソ
リューションをベースに、
琵琶湖開発総合管
独立行政法人 水資源機構 琵琶湖開発総合管理所
岩松 裕二 氏
青井 保男 氏
内田 颯太 氏
理所と日立は二つのシステムを構築しました。
一つは「排水機場運転支援システム」
2年目でまだ経験の浅い私にとって、
万一
「水資源機構は全国にさまざまな事業
です。タブレット端末とAR技術を利用し
の際にベテランの指示を仰ぐことができる
所がありますが、
今回のシステムへの注目
て、
ユーザーに映像と音声で操作場所や
安心感は何ものにも代えがたいものがあり
度は非常に高く、
すでに多くの問い合わせ
操作方法をナビゲーションするとともに、
操
ます。作業履歴や支援記録もシステムに蓄
がきています。
ヒューマンエラーの抑制や
作の記録も同時に行うことができるもので
積されていくので、
熟練者の知見やノウハ
作業効率の向上、
ノウハウ継承といった課
す。
日立は「初心者の視点に立った、
わか
ウを短期間で習得・伝承できる基盤として
題は全国の事業所共通の課題ですので、
りやすいマニュアルにしたい」
という機械
も活用できるはずです」
と評価します。
他の事業所でも幅広く適用できるはずで
課からの要望を受け、
容易で確実に操作
できるビジュアルと導線設計を支援。
「専門
す。今後も日立さんにはDoctor Cloudの
さまざまな業務に幅広く
適用できるシステム
さらなる機能強化や新しい使い方の提案
職でない職員からも
“格段にわかりやすく
現在、
Doctor Cloud/巡回・点検支援シ
をお願いしたいですね」
と目を細める青井
なった”
“これなら間違える心配はない”
と
ステムは、
2か所の排水機場で活用されて
氏。その期待に応えるため、
日立はDoctor
非常に好評です」
と岩松氏は喜びます。
いますが、
今後は残り12か所の排水機場
Cloudと関連ソリューションの強化拡充を
もう一つは「排水機場不具合対応支援
にも順次適用されていく予定です。
これからも継続的に進めていきます。
システム」です。故障や不具合の発生現場
にいるユーザー目線の映像を遠隔地のPC
総合管理所・
(本社・支社)
HITACHI
サーバ
上で共有するもので、
専門職が遠隔地から
でも的確な指示を行うことができます。機械
課の内田 颯太氏は「慣れていない職員が
駆けつけた場合、
機器の名称すらわからな
いケースがあります。
しかしこのシステムに
映像・音声・マーキングによる双方向通信
作業支援・作業指示
作業履歴の蓄積・閲覧
現 場
は
“ここを見て欲しい”
とHMDに映る映像
タブレット
端末
携帯端末
の一部分をカラーマーカーで囲む、
またエン
ジンなどの機械音で会話できない際に文字
携帯端末による作業指示
チャットで指示ができるなどの機能がついて
おり、
予想以上に便利です。機構に入って
HMDによる作業指示
琵琶湖開発総合管理所に導入されたシステムの概要
お問い合わせ先
(株)
日立製作所 産業・水業務統括本部 サービス事業推進室
インダストリアルプロダクツビジネスユニット 機械システム事業部 システム技術部
[email protected]
■ 情報提供サイト
http://www.hitachi.co.jp/doctor-cloud/
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16
Topics
岩手県釜石市でIT活用による、
まちの活性化を協創
∼東日本大震災復興支援活動に取り組む日立∼
岩手県釜石市と日立、一般社団法人新興事業創出機構(以下、JEBDA)
は2016年6月、釜石市の地域全体の活性化に向け
て協働して取り組む協定を締結しました。
日立は東日本大震災後、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として、JEBDAを
通じて地域の水産加工業者の業務システム改善などを行ってきました。今後も三者間の連携をさらに強化し、長期的な
視点から幅広く活動を展開していきます。
「復興のためITで何ができるか」を模索
このプロジェクトを開始したきっかけは、
被災地域の企業や自
サイトを構築。2015年6月には、
水産加工会社である釜石ヒカリ
治体と、都市圏の企業をつなぐ「共創プロジェクト」などをプロ
フーズ株式会社のWebサイトを立ち上げ、
現在も同社の業務シス
デュースしているJEBDAからの紹介を受け、
日立社員が2012
テム改修に向けた業務フロー分析や仕様設計を進めています。
とうに
17
年12月に釜石市唐丹町を訪問したことです。当時は震災後ま
今回締結された協定では、
釜石市が2015年度から5か年で
だ1年半しか経過していませんでしたが、
日立のITを活用した
行っている市外との交流人口を増やし地域全体の活性化をめ
復興支援ニーズが多くあることを知り、幾度も現地へ足を運ぶ
ざす「オープンシティ戦略」を後押しするべく、地域コミュニティ
なかで、
徐々に現地の方々との信頼関係を構築。互いに「復興
活性化や産業振興、
人材育成などに釜石市と日立、
JEBDAが
のためITで何ができるか」を模索し続けていました。
連携して取り組むことになっています。現在は人材育成の観点
そして2013年3月に社内説明会を開催し、
チームメンバーを募
から小・中学 生を
集したところ50人近い営業・SEが協力を申し出ました。その後、
対 象 にしたIT関
専門性や志望理由をもとに選出した約10名のメンバーが休日な
連の教育支援など
どを利用して現地を訪問しながら、
唐丹町漁業協同組合のWeb
を検討しています。
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インタビュー
日立CSR担当者の思い
ICT事業統括本部 コーポレートコミュニケーション本部 CSR部 部長
増田 典生
今回の協定締結に関わった一人として、活動開始当初から
−唐丹町漁業協同組合のWebサイトを構築するときに
釜石市での復興支援活動に携わってきたICT事業統括本部
気をつけたポイントは何でしょうか。
コーポレートコミュニケーション本部 CSR部 部長 増田 典生に
話を聞きました。
増田 漁協の方々の話を伺うなかで、情報発信だけでなく
Webサイトを地域コミュニティのハブにしたい意向があることを
−釜石市でCSR 活動を展開するにあたり、地元の方々と
知りました。そこで地元公民館や漁協女性部、
お寺、小・中学
どのように信頼関係を築いていったのでしょう。
校など、地域のたくさんの方々にご協力いただき、地産品を使っ
たレシピを載せたり、分散していた唐丹町の歴史的資料を収
増田 被災地は一時、営業目的で外部の人間がドッと押し寄
集・整理して載せたりするなどの工夫を行いました。現在はファ
せますが、
いつしか潮が引くようにいなくなってしまうパターンが
クシミリで受け付けている海産物の販売を、Web上から行うた
多く、地元の方々には外部の人間への距離感が体験的にでき
めの仕掛けづくりを検討しています。
てしまっていました。そこでわれわれは「こんなことをやります」
「こんなことができます」
とはあえて言わずに毎月訪問を重ね、
地元の方々が「何を必要としているのか」
「何に困っているの
−釜石市でのCSR 活動を通じて、
よかったと感じたのはどのようなときですか。
か」に耳を傾け続けました。信用し始めてくれていると感じるこ
とができたのは、訪問し始めて半年ほど経った頃でした。片道6
増田 漁協の組合長や釜石市長から感謝のメッセージをいた
時間かけての往復は大変でしたが、
日帰りできない距離だから
だいたときです。それらを読んだときには、頑張ってきてよかった
こそ、地元の住職さんや漁協の方々とお酒を酌み交わしなが
なあと思いました。
ら、
腹を割った話ができる関係を構築することができました。
−CSR 活動における意義は何だと思いますか。
増田 われわれの活動は単なる復興支援ではな
く、共に悩んで答えを見つけ、前に進んでいく
「協
創」による新しいまちづくりだと考えています。支援
する側・される側ということではなく、地域の方々と
同じ目的に向かって一緒に歩んでいくという感覚が
あるのです。ITを活用した被災地での長期的な活
動をとおして、
日立がめざす社会イノベーション事業
による豊かな社会の実現に取り組んでいきたいと思
います。
関連サイト
釜石市役所において行われた調印式にて
(左から日立の星野東北支社長、釜石市の野田市長、JEBDAの鷹野理事長)
■唐丹町漁業協同組合
http://jf-tonicho.or.jp/
■釜石ヒカリフーズ株式会社
http://www.hikarifoods.jp/
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ビジネスユニット紹介
原子力ビジネスユニット
バランスのとれたエネルギーミックスを実現するうえで不可欠な原子力発電設
備の建設・保守に取り組んでいるのが原子力ビジネスユニット
(以下、BU)で
す。現在は
「福島第一原子力発電所廃止措置対応の推進」
「国内原子力発電所
の早期再稼働および長期安定運転への取り組み強化」
「英国ホライズンプロ
ジェクトの推進」
を軸に、
原子力事業をグローバルに推進しています。
執行役常務
原子力ビジネスユニット CEO
長澤 克己
■エネルギーや温暖化の課題に
先進技術で応える
は、内部状況調査や作業を行う遠隔操
貢献するソリューションを積極的に提案
作ロボットが必要なため、先進技術を活
し、
ビジネスパートナーとしての価値をさら
福島第一原子力発電所の事故に対す
用し、開発を鋭意進めているところで
に高めていきたいと思います。
る反応は国によりさまざまです。
ドイツのよう
す。
また廃炉作業の実績を持つ海外
に脱原子力に転じた国もありますが、
事故
メーカーも加わり、作業方法や手順の
■英国事業で培った経験を
グローバルに展開
を精査し、
必要な対策を行うことを前提に、
検討を並行して進めています。
三つ目が今後の成長事業と位置づけ
原子力推進政策の維持を表明している
二つ目は
「国内原子力発電所の早期
る
「英国ホライズンプロジェクトの推進」
で
国がほとんどです。
COP21パリ協定による
再稼働および長期安定運転への取り組
す。
これは福島の事故で得た教訓も反映
地球温暖化対策に向けた有力な手段とし
み強化」
です。
火災防護対策、
耐震強化
した高い安全性を持つ改良型沸騰水型
て、
また今後ますます増えていく発電需要
工事を進めているほか、万が一の場合
原子炉
(ABWR)
を、
英国に建設する計画
に応えるためにも、原子力なしで世界の
に放射性物質の放出量を低減するベン
で、
1基目の運転開始は2020年代前半の
エネルギーは語れない情勢にあります。
トフィルターの設置などにより、再稼働を
予定です。
日立は将来的に英国での実績
支援する施策を展開しています。
と経験をグローバルに展開していくため、
よ
このため原子力BUは、
地球温暖化や
省エネといったエネルギーの課題に先進
また再稼働後には、IoTを活用した状
技術と豊富なノウハウで応えるべく、
安全
態監視による不具合の早期発見や対
ローバル人財の育成に取り組んでいます。
性を最優先した原子力発電所の建設と
策、
設備データ分析による経年劣化の予
これからも世界的なエネルギー問題の解
保守に世界規模で取り組んでいきます。
防保全活動により、原子力発電所の長
決に向け、
全力で取り組んでいきます。
■福島への対応と再稼働支援を推進
期安定運転に寄与していきます。
私たちが取り組んでいるテーマは大
運転データの分析や、
その結果を
きく三つあります。一つ目は「福島第一
反映したオンラインメンテナンスを
原子力発電所廃止措置対応の推進」
適用することにより、
定期検査期間
です。
ここでは汚染水処理対策のより
を短縮してプラント稼働率の向上
一層の安定化と、使用済み燃料・燃料
にも取り組んでいきます。
そこでは
デブリ
(溶融した燃料や原子炉構造材
お客さまの膨大なデータをセキュア
が冷えて固まったもの)の取り出しに向
に分析し、新たな知見を見いだす
けた取り組みが中心となります。高い放
射線量下での燃料デブリの取り出しに
ルマ ーダ
IoTプラットフォーム
「Lumada」
を活
用して、経営課題の解決に大きく
り強じんで効率的な事業体質の強化やグ
先進の原子力技術で課題に応え、地球の明るい未来をつくる
形状変化型ロボット*1
4号機燃料取り出し*2
(株)
日立製作所 原子力ビジネスユニット
http://www.hitachi-hgne.co.jp/nuclear/
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再稼働
ウィルヴァ・ニューウィッド
英国ホライズンプロジェクト
*1 資源エネルギー庁の廃炉・汚染水対策事業費補助金にて
IRID
(国際廃炉研究開発機構)
の業務として開発
原子力ビジネスユニットの事業概要
お問い合わせ先・情報提供サイト
ベントフィルター
福島第一原子力発電所廃止措置対応
*2 東京電力ホームページ
資料より抜粋
ビジネスユニット紹介
サービス&プラットフォームビジネスユニット
企業が抱える課題がより複雑化・高度化するなか、デジタル技術を活用し
て迅速な課題解決を図る「デジタルソリューション」への期待が高まってい
ます。そこで日立のサービス&プラットフォームビジネスユニット(以下、
BU)は、お客さまに価値あるデジタルソリューションを生み出す場として、
ル マーダ
先進的なIoTプラットフォーム「Lumada」を提供しています。
執行役専務
サービス&プラットフォーム
小島 啓二
ビジネスユニット CEO
■価値の高いIoTソリューションを
迅速に協創
フロントBUにLumadaを提供し、価値
技術を融合し、世の中の幅広い分野
の高いIoTソリューションの協創を支援
の課題を解決する社会イノベーション
これまで日立が手がけてきたSI 事
することを大きなミッションとしています。
事業を展開してきた実績があります。
ど
業は、お客さまの要件に沿ってシステ
※ System Integration
んなに困難なプロジェクトでも最後まで
ムを開発・構築する形が一般的でし
諦めず遂行し、お客さまと一緒に成功
た。
しかし現在のビジネス環境は、IoT
■お客さまとの深いエンゲージ
メントが日立の提供価値
を分かち合ってきた歴史があります。長
やビッグデータ解析などに代表される
変化の激しい時代だからこそ、経営
年の信頼と実績、お客さまとの深いエ
デジタル化の急速な進展や、業種・業
課題は一つを解決したらそれで終わり
ンゲージメントも日立が選ばれる大きな
態の垣根を超えたクロスインダストリー
ということはありません。
デジタル技術を
価値の一つであると自負しています。
が台頭するなど、変化のスピードが従
使った経営革新のサイクルは5年から
Lumadaは、幅広い業種のお客さま
来とは比較にならないほど速まってい
10年にわたるケースが少なくなく、IoT
との協創で培った知見やノウハウを蓄
ます。
そのため新たな業務サービスは、
を使った業務サービスのプロジェクト
積し、
それをさらにお客さまの新たな課
より早く効率的に作る必要があります
も、効果が出てくるまでには中長期のス
題解決に役立てていく、成長し続ける
し、
グローバル市場で戦うためには開
パンが必要です。
そのためお客さまに
プラットフォームです。
その価値を継続
発・運用コストも迅速に最適化しなけ
は、長期間にわたり、信頼できるビジネ
的に高めながら、
これからも私たちは
ればなりません。
またそこでは自社が持
スパートナーが必要です。
その点でも日
お客さま起点のイノベーションをめざし
つデータやアイデアに加え、他業種の
立は、最先端クラスのITと社会インフラ
た取り組みを全力で進めていきます。
※
成功事例や知見を生かしたり、
さまざ
まな業界の優れたシステムとオープン
システムインテグレーション事業を基盤として
急速に拡大するデジタルソリューション分野に向け、
デジタル技術を活用した
IoTプラッ
サービス/グローバル分野へ事業ポー
トフォームを通じてお客さまに社会イノベーションを提供
トフォリオ転換、
収益性向上
に連携したりすることも重要なポイントと
ピーディーかつ容易に検証しながら手
に入れる手段として提供を開始したの
がIoTプラットフォーム
「Lumada」
です。
われわれサービス&プラットフォームBU
デジタル技術を活用した
社会イノベーション事業
=デジタルソリューション
大規模プロジェクト
(EPC事業)
●得意分野に集中
●収益力向上
プロダクト
(製品・材料事業)
●大規模プロジェクト推進
●プロジェクトマネジメント継続強化
単独
(クローズ)
は、お客さまと一緒に課題解決を行う
けん引
事業
IoTプラットフォーム
システムインテグレーション
(SI事業)
ベース
事業
全体の成長をけん引
●強い製品への集中
●デジタル化対応強化
応用︵スケーラブル︶
そのようなデジタルイノベーションをス
個別︵オーダーメード︶
なります。
協創
(オープン)
ベース
事業
ベース
事業
EPC:Engineering, Procurement and Construction
サービス&プラットフォームビジネスユニットのミッション
お問い合わせ先・情報提供サイト
(株)
日立製作所 サービス&プラットフォームビジネスユニット
http://www.hitachi.co.jp/lumada/
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ビジネスユニット紹介
アーバンソリューションビジネスユニット
不動産分野、駅・街分野、生活・社会インフラ分野におけるさまざまな事業者に
向けたサービス事業を強化するために新設されたのがアーバンソリューション
ビジネスユニット
(以下、BU)
です。IoTやビッグデータを利活用し、
さまざまな
事業者の課題解決を支援するほか、
日立の複数ソリューションを束ねたトータ
ルサービスで、
事業者がエンドユーザーに提供する価値向上に貢献します。
執行役常務
アーバンソリューション
ビジネスユニット CEO
■サービス向上に向けた打開策を提案
けるさまざまな運用・管理データや人間行
解決できるノウハウの蓄積もあります。
だか
「まち」
を支える事業者は、
それぞれの
動データを解析し、
利用者が心地よく感じ
らこそITとOTを融合した効果的なサービ
エンドユーザーに対するサービス向上
るビルとなる最適化運用を実現することで
スやソリューションが提供できることが他社
を、差別化や収益拡大に向けた重要な
不動産価値の向上に貢献できます。
駅・
にはない日立の価値となります。
課題としてとらえています。
例えば商業ビ
街分野であれば、
運行データや駅構内の
ルを運営する不動産事業者なら、エレ
人の流れを分析した結果をもとに設置し
■トータルソリューションで
価値を最大化
ベーターや空調の運転最適化による管
たデジタルサイネージで、
混雑を緩和でき
アーバンソリューションBUがめざすの
理コストの削減、
安定的なテナント契約を
るルートへの誘導を図ったり、
さらには決
は、
これまで実績を積み上げてきた日立
担保する利用者サービスの充実などに
済サービスとの連携により利用者の利便
のノウハウやパートナー企業の個別最
なります。
また、
駅・街分野の中心的存在
性を向上させて周辺商業施設へ誘導し
適のソリューションをつなぎ、
まちを支え
でもある交通事業者であれば、
いかに混
たりすることにつなげられます。
ほかにも、
る事業者に提供する価値を最大化して
雑を緩和して利便性を向上できるか、
エ
国際空港において、
海外からのお客さま
いくことです。お客さまから
「日立はモノ
キナカ施設へ誘導できるか、
といったこと
に各国語で対応する案内ロボットサービ
だけでなく、
こんな価値あるサービスまで
に頭を悩ませています。
そして生活・社
スの提供や、
鉄道・バス・タクシーといった
提供してくれる会社になったね」
と驚い
会インフラ分野を担う電力・通信事業
モビリティと連携したスムーズな移動案内
ていただけるよう、
これからも常に一歩
者、
自治体などは、各種インフラの最適
などの実現にも貢献できます。
先をいく提案で、安全・安心・快適なま
日立の強みは、
これらのサービスを実現
化に加え、住民満足度の向上を図る
サービスの提供に知恵を絞っています。
する際に欠かせな
■デジタル技術の活用で、
課題解決や価値向上に貢献
いさまざまな事業者
アーバン分野における日立グループの製品・サービスを
トータルに提供する事業へと拡大
のシステムを支える
こうした課題に対し、私たちアーバン
制御系システムを
ソリューションBUは最先端クラスのデジ
長年にわたって自
タル技術を活用し、
まちを支える事業者
社開発し、
運用して
と協創することで、エンドユーザーへの
きた経験があること
サービス向上を大きなミッションと位置づ
です。
さまざまな事
ちづくりに貢献していきたいと思います。
ビル
例
人流に応じたエレベーター
運行管理
テナントの生産性向上
けています。
例えば不動産分野であれば、
ビルにお
業者のリアルな課
乗客数変動に応じたダイヤ変更
交通渋滞の影響を最小化
題も十分に理解し、
アーバンソリューションビジネスユニットの事業戦略
お問い合わせ先・情報提供サイト
(株)
日立製作所 アーバンソリューションビジネスユニット
http://social-innovation.hitachi/jp/
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街、
デベロッパー
例
集客性の高い店舗配置
高度なセキュリティ確保
鉄道、
モビリティ
例
21
小林 圭三
自治体、
金融
例
地域エネルギー供給・防災
デジタルネットワーク決済
ニュースリリースの一覧はこちらからご覧いただけます
2016/9/11 ∼ 2016/10/10の中から
東急電鉄が駅構内カメラ画像配信サービス
“駅視-vision(エキシビジョン)”を正式に開始
(9/15発表)
http://www.hitachi.co.jp/products/it/portal/news/
日立の画像データ加工技術を活用し、
スマートフォン向け
「東急線アプリ」、
テレビ自動お知らせサービス
「テレビ・プッ
シュ」に配信。駅混雑状況を視覚的に、かつタイムリーな
把握を実現
金融機関システムとFinTechサービスの
セキュアなデータ連携を実現する
「金融API連携サービス」を販売開始
利用者がインターネットバンキングのID、パスワードなどの
認証情報をFinTechサービス上に登録することなく、預金
口座残高や入出金明細などのデータ連携を実現
(9/23発表)
住信SBIネット銀行と日立が、
人工知能とGISなどの統計データを活用した
先進的なローン審査手法に関する実証実験を開始
(9/30発表)
日立の統合チャネルソリューションと
テンプレート公開型生体認証基盤(PBI)を活用した
新営業店システムが山口フィナンシャルグループで採用
(10/7発表)
日立の人工知能Hitachi AI Technology/Hと、GISなどの
統計データを活用した、住宅ローンやカードローンなどの
先進的な審査手法に関する実証実験を開始
統合チャネルソリューション
「FREIA21+」
と生体情報を鍵と
して認証を行う
「テンプレート公開型生体認証基盤
(PBI)
」
を
活用した新営業店システムが山口フィナンシャルグループで
採用。
なお、
PBIの採用は、
国内の金融機関で今回が初めて
Information
日立と(株)ワーク・ライフバランスが、
「未来を変える! 生産性向上のための経営戦略とは」を
テーマにセミナーを開催
日立と株式会社ワーク・ライフバランスは、
働き方改革・AIの活用に
よる生産性向上をテーマにしたセミナーを開催しました。
働き方改革に関し内閣府などにも助言を行う株式会社ワーク・
ライフバランス 小室 淑恵社長、
日立のAI研究における第一人者
である研究開発グループ 矢野 和男技師長による講演の後、両者
の対談を通して、働き方改革を経営戦略として位置づけ、実行する
重要性、
ビッグデータやAI活用によるさらなる生産性向上の可能
性を、事例なども交えて紹介しました。
● 本誌記載の他社登録商標
● 本誌記載の内容について
※ OracleとJavaは、
Oracle Corporation 及びその子会社、関連会社の米国及びその他の国における登録商標です。
文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。
※ OpenStackの文字表記とOpenStackのロゴは、米国とその他の国におけるOpenStack Foundationの登録商標/
サービスマークまたは商標/サービスマークのいずれかであり、OpenStack Foundationの許諾を得て使用しています。
※ VMwareは、
米国およびその他の地域におけるVMware, Inc. の登録商標または商標です。
※ その他本誌記載の会社名、製品名は、
それぞれの会社の商標または登録商標です。
社外からの寄稿や発言は、
必ずしも当社の見解を示しているわけではありません。
画面表示をはじめ、製品仕様は改良のため変更することがあります。
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22
表紙のことば
優雅な曲線を描く今帰仁城跡
(沖縄県)
沖縄では、王の根城や要塞、城郭をもたない
聖域まで、幅広くグスク
(城)
と呼ぶ。その一つ、
今帰仁城(なきじんじょう)跡は北山王と呼ば
れた有力者の居城。14世紀成立の琉球王国以
前から存在していた古いグスクで、険しい谷の
断崖を利用し、標高約100メートルの地に設け
られた難攻不落の城だった。本土では見られ
ない、うねるような城壁の曲線美。その壮大な
眺めは圧巻だ。グスクには男子禁制の聖域が
設けられ、宗教的な色彩を強く帯びているの
も本土の城と異なるところである。コバルトブ
ルーの海も臨める高台に建つ沖縄有数のグス
ク。その景色と独特の歴史のなかで育まれた
造形美を、多様な日本文化の一つに数えられ
る幸運に感謝したい。
写真家
富井 義夫
■Facebook 随時更新中
http://photo1.jp/facebook/
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