【韓国】

【韓国】
9 月の市場動向トピックス
 9 月として過去最高の 430,600 人が訪日
テ
グ
2016 年 9 月の訪日韓国人数は、前年同月比 42.8%増の 430,600 人となり、9 月として過去最高を記録した。大邸
チュソク
-成田/福岡線の新規就航(計 25 便/週)等による航空座席供給量の大幅な増加や、韓国の秋夕(旧盆休暇)
に伴う 5 連休、この時期に向けて強化した訪日旅行プロモーションが 9 月の訪日者数増加に貢献した。
9 月の主なプロモーション活動

8 月 30 日~9 月 12 日に、人気女優のチョン・ジヒョン氏を起用した韓国のチキンフランチャイズチェーン「BHC」とのタ
イアップキャンペーンを実施した。BHC の商品を購入すると抽選で日本への往復航空券が当たるキャンペーンで、幅
広く日本への興味関心を喚起した。
キャンペーン広告およびキャンペーンサイト

9 月 9 日~12 日にかけて、韓国・釜山で開催された「BITF(釜山国際観光展)」に VJ ブースを出展した。10 万人
以上が訪れた同旅行博では、スタンプラリーイベントを実施するなど、積極的にブース訪問者の増加を図りながら、
日本側の参加企業・団体とも連携して日本の魅力を発信した。また、開催前日の 8 日には、BITF に併催する形で
韓国市場説明会・商談会を開催し、日韓合計 100 以上の企業・団体が参加し活発な商談が行われた。
BITF における VJ ブースの様子
9 月 8 日の商談会の様子
【中国】
9 月の市場動向トピックス
 9 月として過去最高の 522,300 人が訪日
2016 年 9 月の訪日中国人数は、前年同月比 6.3%増の 522,300 人で、6 か月連続で 50 万人を超えた。また、2016
年の累計が 2015 年の年計(4,993,689 人)を上回り、全市場で初めて 500 万人を突破した。9 月は夏期休暇と国
慶節(10 月 1 日~7 日)の狭間で、中秋節(9 月 15 日~17 日)の 3 連休を除いては外国旅行のオフシーズンであ
るものの、これまでの傾向と同様、個人旅行(FIT)需要が訪日需要の増加を支えた。訪日クルーズも増加したが、
台風 12 号や 16 号の影響により寄港できず、キャンセルとなったケースが複数みられた。
9 月の主なプロモーション活動

9 月 9 日~11 日に、広東省最大の旅行博である「広東国際旅遊産業博覧会(CITIE2016)」が広州市にて開催
され、紅葉、温泉、九州をテーマに日本ブースを出展した。ステージコンテンツには、日本のトレンドを紹介するメイク
ショーを取り入れ、女性の FIT 層に PR した。また、現地旅行会社による商品即売会がある本旅行博には、割安な
旅行商品の購入を目当てに来場する消費者も多く、今年は広州市大手旅行会社 3 社による即売会で昨年の実
績を上回る 1,500 人以上が訪日旅行商品を購入した(FIT 商品、クルーズ商品含む)。JNTO は、大手旅行会社
の旅行商品を掲載した冊子の配布や、購入者へのノベルティの提供などにより、旅行会社を支援した。
「広東国際旅遊産業博覧会」の様子

東北地方の認知度の向上と興味喚起を目的に、東北モニターツアーキャンペーンを実施した。紅葉の旅(10 月出
発)と雪国の旅(1 月出発)のモニター募集告知広告を地下鉄やバス停、ウェブサイトや SNS を通じて展開した。今
後、一般消費者とインフルエンサーを含め、合計 6 名(3 名/回)を招請し、ツアー中の様子を撮影した動画をもとに
ウェブコンテンツを制作し、露出を図っていく予定である。
(http://www.welcome2japan.cn/vj/touhokucampaign/)
ウェブサイトでの告知
地下鉄駅での屋外広告
【台湾】
9 月の市場動向トピックス
 9 月として過去最高を記録
2016 年 9 月の訪日台湾人数は、前年同月比 14.7%増の 347,500 人で、9 月として過去最高を記録。航空路線の
新規就航や、今年の中秋節が昨年よりも長い 4 連休(9 月 15 日~9 月 18 日)となったことが外国旅行需要を押し
上げた。また、6 月に開催したデジタル旅行博をはじめとした様々な訪日旅行プロモーションも訪日需要の押し上げ
に貢献した。
9 月の主なプロモーション活動
 四国・中国地方での体験や地元の方とのふれあいを紹介するショートムービーを 10 本制作し、9 月 1 日からテレビ
CM や SNS を活用した広告展開をしたほか、台湾 Yahoo!と連携したデジタル旅行博「2016 日本線上旅遊博覧会」
で公開した。また、9 月 3 日には高雄にてショートムービー上映会を開催。上映会では、ショートムービーに出演した
台湾の人気タレントであるカ・イーロウ氏が、撮影での体験談や四国・中国地方の魅力を紹介した。
 地方への個人旅行者の誘客を目的として、9 月 25 日に高雄にあるショッピングモール「統一夢時代購物中心
(Dream Mall)」にて、「日本鉄道の旅」をテーマとした一般消費者向けのセミナーを開催した。セミナーには、約 140
名が参加し、日本での鉄道のチケットの購入方法や乗り方等に関する基礎知識、鉄道を利用したおすすめの周遊
ルートなどを紹介した。
四国・中国地方 PR イベントの様子
「日本鉄道の旅」をテーマとしたセミナーの様子
【香港】
9 月の市場動向トピックス

9 月として過去最高の 130,900 人が訪日
2016 年 9 月の訪日香港人数は、前年同月比 13.6%増の 130,900 人となり、9 月として過去最高を記録した。中
秋節に伴う 9 月 16 日(金)~18(日)の 3 連休には、旅行先として関西や東京など日本が選好された。また、外国
旅行のオフシーズンに入り、夏期休暇期間中に比べて旅行費用が値下がりしたことや、香港航空や香港エクスプレ
ス航空の新規就航・増便により、航空便座席供給量が増加したことなどが訪日需要を後押しした。
9 月の主なプロモーション活動
 熊本地震を受けた風評被害対策事業の一環として、9 月 4 日~9 日に香港の人気旅行雑誌「Weekend Weekly」
を熊本・大分に招請し、温泉やグルメ等に関する取材を支援した。九州へのメディア招請は今年度 2 回目であり、
露出強化による訪日需要喚起を図る。
 旅行目的地としての東北地方のイメージを訴求するため、在香港日本国総領事館が 10 月~11 月に実施する日
本文化紹介イベント「日本秋祭 in 香港-魅力再発見-」に合わせ、9 月 20 日から 22 台のバスラッピング広告を開
始した。これと連動して、JNTO 香港事務所 Facebook においても東北地方の観光魅力に関する情報を発信し、メ
ディアミックスによる相乗効果を高めた。
東北地方のイメージを活用したバスラッピング広告
Facabook における情報発信の例
【タイ】
9 月の市場動向トピックス
 各月の過去最高を継続して更新
2016 年 9 月の訪日タイ人数は、44,700 人で、9 月として過去最高を記録。9 月はタイ市場にとって外国旅行のオフ
シーズンである中、前年同月比 30%増と大幅に伸長した。昨年同月にバンコクで爆破テロが発生し、旅行控えがあ
った反動や、7 月よりスクート航空及びタイ・エア・アジア X が低廉な航空券を販売したことなどが、訪日意欲を後押
しした。また、7 月から実施している現地旅行会社との共同広告が徐々に露出され、9 月以降の訪日意欲を喚起し
たことや、6 月に実施した「FIT フェア」及び 7 月に開催された「TITF」において 9 月のツアー販売実績が好調であった
ことなども訪日需要を押し上げる要因となった。
9 月の主なプロモーション活動

9 月 11 日~16 日に、タイのテレビ番組「マジデジャパン」を九州に招請し、特に熊本地震で被害のあった熊本県、
大分県を中心に番組撮影を行った。その成果は、10 月~11 月に 4 話(1 話 45 分)程度テレビ放映される予定で
ある。また、タイにおけるデジタルメディアの口コミの影響力を活かし、11 月以降、ブロガーを招請することも予定して
いる。

8 月 19 日~10 月 18 日に、日本各地の写真 60 枚や地名を活用したウェブキャンペーンを実施した。また、8 月に
立ち上げたインスタグラムにおいても、ウェブキャンペーンと連動した広告掲載や投稿を実施している。更に、タイ市場
向け、モデルルート開発事業の 1 コース目として策定された中国コース(今年度重点地域)をウェブサイトに公開し、
Facebook を通じて拡散(3 日で約 9 万リーチ)を図った。今後、順次掲載するモデルコースを拡充し、最終的に全
国各地の計 16 コース程度を開発、掲載する予定である。
メディア招請の様子
SNS での情報発信の例
【シンガポール】
9 月の市場動向トピックス

前年同月比 17%増の 21,900 人、9 月として過去最高を記録
シンガポールにおける外国旅行者数の伸び(前年同月比)が鈍化傾向にある中、一部航空会社による燃油サーチ
ャージの撤廃(3 月 10 日~4 月 10 日)や、チャンギ国際空港ターミナルへのメガフラワーアレンジメントの展示(4 月
1 日~5 月 18 日)、航空会社との共同キャンペーンによる割安航空券の販売など、連続的に日星外交樹立 50
周年(SJ50)事業を展開し、周年効果の拡大と日本のブランド価値向上を図ったことが、訪日意欲の喚起に繋が
った。また、8 月 6 日~7 日には、現地のショッピングモールにて個人旅行者(FIT)向けの訪日フェアを実施し、9 月の
訪日需要喚起を図った。
9 月の主なプロモーション活動
✸
8 月 19 日~21 日に、シンガポール最大の旅行博「Travel Revolution2016」へ出展した。昨年同時期に開催した
際の実績を上回る 17 団体 24 ブースが出展し、併せて大手旅行会社との共同広告も実施した。ジャパンパビリオン
への来場者数は、前年比 137%増となるなど、一般消費者の訪日意欲喚起に貢献した。
✸
SJ50 事業の一環として、9 月より食を活用した訪日キャンペーンを実施した。東北・中部・九州を重点地域とし、ぐ
るなび、ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO)、当地大手スープレストランチェーン店のスープスプーンと連携し
て日本の食をフックとした訪日旅行プロモーションを展開した。これに、Expedia、Cheap Ticket などのオンライン・トラ
ベル・エージェント(OTA)と連携した販促を組み合わせることにより、訪日需要の喚起から刈取りまでをカバーする効
果的な販促活動に繋げた。
スープスプーンと連携したキャンペーンの実施
OTAと連携したキャンペーンの実施
【マレーシア】
9 月の市場動向トピックス
 前年同月比 21.6%増の 25,900 人
2016 年 9 月の訪日マレーシア人数は、前年同月比 21.6%増の 25,900 人で、9 月として過去最高を記録。9 月上
旬に行われた「MATTA Fair KL」に関連して、旅行会社各社の販売強化や広告支援を行った。今年は 9 月 10 日
~18 日の学校休暇に、イスラム教の祝日(9 月 12 日)とマレーシアデー(9 月 16 日)が重なり、より休暇が取得しや
すい日並びとなったことも、家族旅行を中心に訪日需要を押し上げる要因となったと考えられる。
9 月の主なプロモーション活動

9 月 2 日~9 月 4 日の 3 日間、クアラルンプールで開催された旅行博「MATTA Fair KL(9 月期)」に出展した。「日
本のお祭り」をテーマにした日本ブースでは、20 団体の共同出展者とともに日本の魅力を PR した。同旅行博では、
3 日間を通じて 90,000 人超の総来場者数を記録し、日本ブースにも常に来場者が訪れるなど大変盛況であった。

「MATTA Fair KL」に合わせて、9 月 3 日にクアラルンプールで初めてムスリム向け FIT セミナーを開催した。ムスリム
のタレント等をゲストに招き、ムスリムの旅行者が日本でより快適に過ごすポイントや日本の魅力についてトークショー
を行った。

9 月 24 日~9 月 28 日に、訪日旅行イベント「Visit Japan Travel Mart 2016」と連動する形で旅行会社の招請
を行った。マレーシアから旅行会社 11 社を招請し、中部地方コース、九州地方コースへのファムトリップを催行。訪
日旅行商品の新規造成に向け、各社とも熱心に施設や食事メニュー等を研究していた。
旅行博「MATTA Fair KL」の様子
ムスリム向け FIT セミナー
現地旅行会社の招請
【インドネシア】
9 月の市場動向トピックス
 9 月の訪日者数 17,800 人
2016 年 9 月の訪日インドネシア人数は、前年同月比 38.5%増の 17,800 人で、9 月として過去最高を記録。航空
会社各社のセールスプロモーションや、閑散期である秋の魅力を訴求する CM 等の広告宣伝の実施により、9 月の
訪日意欲を喚起した。また、8 月~9 月にかけて JNTO 主催の「Japan Travel Fair」をはじめ、多数の旅行会社・
航空会社が独自にトラベルフェアを開催し、安価な旅行商品を販売したことも、訪日需要の押し上げ要因となった。
 インドネシア観光省、今年から MICE 誘致を強化する方針を表明
インドネシア観光省は、今年から他省庁との協力などにより、国際会議の誘致を強化する方針を表明した。一般に、
MICE による訪問者の旅行単価が高い傾向にあるため、積極的に誘致活動に努める方針である。さらに、これに向
けて空港の入国審査で並ぶ時間を短縮できるよう、専用ゲートを設けることなどを検討している。現在、国内の
MICE 利用に適した施設は限られており、同省は今年の MICE 目的の訪問者の割合は全体の 5%~7%になると見
込んでいる。
9 月の主なプロモーション活動
 9 月 10 日~12 日の 3 日間、ジャカルタ市内の大型商業施設コタカサブランカ・モールにて、「Japan Travel Fair 2016
Autumn & Winter」を開催した。日本から参加した 11 の自治体・事業者が、来場者に向けて訪日魅力の PR や情
報提供を行った。インドネシア側からは 20 社の旅行会社と 5 社の航空会社等が出展し、訪日旅行商品を販売した。
日本行き航空券の売上数は約 3,100 枚と過去最高となり、インドネシアにおける訪日旅行人気を反映する盛況ぶ
りであった。
 インドネシア人ムスリムの訪日を促進するため、9 月 24 日~28 日に、ムスリム向け旅行商品を扱う旅行会社 8 社 8
名を日本に招請した。行き先はゴールデンルートとし、礼拝施設やハラル対応のレストランなどの施設を行程に組み
込むことにより、ムスリム向けの訪日旅行商品造成を図った。
「Japan Travel Fair」の様子
ムスリム向け旅行会社招請の様子
【豪州】
9 月の市場動向トピックス
 9 月として過去最高の 41,100 人、前年同月比 18.4%増を記録
昨年 12 月からの ANA のシドニー-羽田線就航が、訪日者数の増加に寄与した他、ブロガーの招請などの継続的な
訪日旅行プロモーションや Flight Centre のクルーズブランド「Cruiseabout」との共同広告を 7 月~8 月に実施したこ
となどにより、現地の各種媒体における日本の露出が増加していることが、訪日意欲を後押ししたと考えられる。
9 月の主なプロモーション活動
 9 月 18 日~21 日にシドニーにて開催された富裕層向け B to B 商談会「Luxperience」に、共同出展者 2 社
(BOUTIQUE JTB、CONRAD TOKYO)と初めて参加した。富裕層を対象とする旅行会社等が世界中から集まる
本商談会には、約 300 社のセラーと航空会社等を含む約 400 社のバイヤーが参加した。また、朝食を兼ねたセミナ
ーを実施し、日本の四季、おもてなし、温泉や旅館、リラクゼーション、伝統文化、グルメなどのテーマでプレゼンテー
ションも行った。
 高級女性ファッション誌「Vogue」とタイアップし、富裕層に好まれる芸術的、あるいはラグジュアリーなコンテンツ(日本
庭園、食、宿、ファッション)を紹介する冊子を制作、「Vogue 10 月号」への挟み込みや前述の「Luxperience」等で
配布した。
 9 月 16 日から 9 月 23 日にかけて、格安航空会社の Jetstar とともに、2017 年 2 月 6 日~6 月 21 日搭乗分(学
校休暇および土日祝日など一部期間を除く)の復路料金が無料となる共同キャンペーンを実施。新聞や屋外広告、
ジェットスターの会員向け EDM などにて広告を展開した。
富裕層向け BtoB 商談会「Luxperience」
富裕層向け小冊子
Jetstar との共同キャンペーン
【米国】
9 月の市場動向トピックス
 前年同月比 26.9%増、9 月として過去最高を記録
2016 年 9 月の訪日米国人数は、前年同月比 26.9%増の 96,800 人で 9 月として過去最高を記録。今年 1 月~9
月の累計も前年同期比 20.6%増となり、昨年同期の伸び率が 14.5%であったことと比較しても好調に推移している。
 クルーズ船寄港
9 月はダイヤモンドプリンセス、セレブリティ・ミレニアム、ボイジャー・オブ・ザ・シーズなど米国人に人気のあるクルーズ船
が日本に寄港し、訪日者数の上乗せに貢献した。
9 月の主なプロモーション活動

9 月 2 日~3 日、ロサンゼルス市内ハリウッドにある Paramount Pictures Studio にて日刊紙 Los Angeles Times
が主催した食の祭典「The Taste(LATTT)」に、JETRO ロサンゼルス事務所と共同で出展した。異なる地方で生
産された日本酒の試飲や、味噌料理やラーメンの提供を行った他、酒蔵ツーリズムや日本各地の観光魅力をブー
ス来場者 3,000 人超に紹介した。

9 月 19 日、ニューヨークで開催中の国連総会に合わせて、日本の多様な魅力を世界に向けて発信する「訪日観光
セミナー」を 2 年連続で開催した。同セミナーには、米国メディア、旅行業界関係者等約 160 人が参加した他、安
倍内閣総理大臣にご臨席頂き、東京オリンピックの開催に向けて米国からのさらなる訪日旅行を呼びかけた。さら
に、音楽以外にも世界で幅広く活躍する YOSHIKI 氏や、先のリオデジャネイロオリンピックでメダルを獲得した伊調
馨氏、石川佳純氏や日米両国のプロ野球チームの監督として活躍したボビー・バレンタイン氏をゲストスピーカーに
迎え、次回オリンピック開催地として注目される東京や日本各地の観光魅力について強力に情報発信した。

9 月 25 日~28 日にメキシコのリビエラマヤで開催された商談会「ILTM Americas 2017」に参加した。ILTM
Americas では米国、メキシコ等の富裕層を取り扱う旅行会社 300 社がバイヤーとして招請され、JNTO は 51 社の
旅行会社と商談を行い、訪日旅行を PR した。併せて、訪日旅行セミナーも実施し、52 社の旅行会社に情報発
信を行った。参加者からは訪日旅行の問い合わせが増えているとのことで、こうした機を捉え、今後も継続的な情報
提供を実施していく。
(左上)訪日観光セミナー(安倍総理とゲストのフォトセッション)
(左下)「LATTT」出展風景
(右上)「ILTM Americas 2017」の様子
【カナダ】
9 月の市場動向トピックス
 2 か月連続の 20%台の伸び率となった
2016 年 9 月の訪日カナダ人数は、前年同月比 24.8%増の 22,100 人で、2 か月連続で 20%台の伸び率となった。カ
ナダ国内の景況感は堅調で、航空座席供給量が 6 月以来過去最大となっていることや、招請事業や旅行会社・
航空会社との共同広告などの訪日旅行プロモーションの効果により、訪日者数が増加した。一方、9 月のカナダドル
対円為替レートは 8 月から横ばいであるものの、依然として 77.94 円と円高であり、引き続き影響を注視する必要が
ある。
 エアカナダ来年 6 月からのバンクーバー /名古屋便の就航を決定
エアカナダは、来年 6 月から夏季ダイヤ期間中、週 3 便(8 月、9 月は週 4 便)でバンクーバー/中部便(関連会社で
あるエアカナダルージュによる運航)を新規就航することを発表した。その他にも、アジア向けの路線として、2 月より毎
日、モントリオール/上海便、1 月から週 3 便でトロント/ムンバイ便、6 月から毎日、バンク-バー/台北便を就航する
ことを発表した。
9 月の主なプロモーション活動

訪日旅行商品の販促を目的として、9 月 7 日~14 日に旅行会社の招請事業を実施した。東京や京都に集中す
る訪日カナダ人の地方への分散化を図るため、東北・北海道新幹線を利用した行程とし、北東北(弘前及び十和
田八幡平)と道南(函館)を視察した。参加者からは、これまで全く視野に入っていなかった「知られざる日本」のポテ
ンシャルの大きさとアクセスの良さに関する感想が聞かれた。

今年度VJ事業の一環で 6 月に北東北・北海道に招請したカナダの中華系テレビ局「Fairchild TV」が、取材結果
の放映を開始した。9 月には「North Japan Episode 1-3」と題した番組が、それぞれ 9 月 14 日、21 日及び 28 日
に同局で放映され、その後同局ウェブサイトに継続して掲載されている。カナダの中華系人口は 148 万7千人
(2011 年国勢調査)で、総人口に占める割合は米国の 4 倍となるなど、カナダでは非常に重要な訪日マーケットを
形成している。彼らは中華系のメディアを好むことから「Fairchild TV」の訴求力は大変大きく、絶好のプロモーション
となった。
弘前市内で着物に着替えて記念撮影する
被招請者(旅行会社招請)
Fairchild TV 放映の様子
(番組名:Timeline Magazine)
【英国】
9 月の市場動向トピックス
 2016 年 9 月の訪日英国人数が 9 月として過去最高を記録
2016 年 9 月の訪日英国人数は、前年同月比 8.8%増の 24,700 人と、9 月として過去最高を記録した。経由便を
中心に比較的低廉な料金の航空券が販売されていることや、英国経済が堅調であることなどが、訪日旅行プロモ
ーションの効果を高めている。なお、英国の EU 離脱決定後より円高ポンド安が続いているが、英国では 3 ヶ月から
半年ほど前に旅行の予約をする層が多いことから、9 月の訪日需要への影響は限定的であったが、間際に旅行予
約を検討していた層へは影響を及ぼしたものと推察される。
 英国におけるクルーズ需要
英国からの訪日クルーズは好調が続いており、9 月にも 1,500 名以上が訪日クルーズを利用した。旅行会社へのヒア
リングによると、地中海やカリブ海クルーズのような英国人にとって定番の旅行先ではなく、新しい商品を求める消費
者がアジアクルーズに関心を持っているとのこと。このようなニーズに応え、アジア行きのクルーズ商品が増加しており、
価格帯も幅広くなっている。また、日本の祭りなどユニークな体験やイベントを旅程に組み込んだツアーも販売され、
好評を博している。
9 月の主なプロモーション活動
 9 月 29 日に、在英国日本国大使館にて日本の酒をきっかけとした訪日旅行イベント「Gourmet Travel Japan –
Highlighting Craft Spirits」を実施した。本イベントは、英国人による「日本初のジン」が販売されるタイミングを活用
し、大使館との連携により、日本の酒をきっかけとした訪日意欲喚起を図ったものである。イベントでは、新しいジンや
クラフトウイスキーの試飲、訪日旅行の紹介を実施。グルメ関係のライターや現地有力メディアを中心に 50 名近くが
集まるなど盛況であった。また、ゲストからは、「日本のクラフトスピリッツの取材がしたい」との感想も聞かれた。
訪日旅行イベント当日の様子
【フランス】
9 月の市場動向トピックス
 9 月として過去最高
2016 年 9 月の訪日フランス人数は、前年同月比 13.2%増の 17,300 人で、9 月として過去最高を記録した。昨年か
ら続くテロの影響や仏経済の情勢により旅行機運が停滞する中、手頃な価格で提供されている航空券や、アジア
方面への人気の高まりが訪日意欲を後押しした。
 旅行業界、テロの影響で不振
フランス観光開発機構(Atout France)の集計によると、7 月のツアー出発旅客数は、前年同月比 5.1%増と好調だ
ったが、8 月は同 14.8%の大幅減を記録した。旅行先により左右される部分もあるが、全体として「旅行をしたい」とい
う気持ちになれない社会的・経済的な情勢があり、これが業況回復の足を引っ張る要因となっている。
 アジア方面の売れ行き順調
フランス旅行業界誌「L’Echo Touristique」によると、フランスではアジア方面への旅行需要が著しく、2016 年におけ
るアジア全体の成長率は前年比で 10%増を見込んでいる。その理由として、アジア各都市への航空便乗り継ぎの利
便性、航空券の価格が消費者にとって魅力的であることや、中距離便より長距離便へ需要がシフトしていることが
考えられる。中でも最も人気のある旅行先はタイで、アジア初心者にとって、旅程が簡単で内容も理想的であり、価
格が手頃なことが人気の理由である。日本にも注目が高まる中、円の高騰と、オリンピック・パラリンピックに向けた宿
泊施設の改装工事等に伴う宿泊価格の上昇が懸念されている。
9 月の主なプロモーション活動
 9月20日~23日に、パリのポルト・ド・ヴェルサイユにて開催されたBtoB向け国際観光見本市「IFTM Top Resa
2016」に出展した。旅行会社、メディア、観光学専攻の学生などに向けて、共同出展者10団体とともに訪日旅行
の魅力をPRした。
 9月21日にUNESCOが開催した「クールジャパン「祭」」にブースを出展し、日本文化に興味関心のある幅広い世代
に向けて、観光プロモーション動画の上映や日本の観光地に関する情報発信を行った。
「Top Resa」における日本ブースの様子
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クールジャパン「祭」における日本ブースの様子
【ドイツ】
9 月の市場動向トピックス
 訪日者数、9 月として過去最高を記録
2016 年 9 月の訪日ドイツ人数は、前年同月比 16.2%増の 16,900 人と、9 月として過去最高を記録した。9 月に入
り、グループツアーの催行が始まったことが、訪日客数の押し上げに貢献した。旅行会社各社へのヒアリングでもツア
ーの販売は大変好評であったとのことである。一方、東京や京都などを中心に宿泊手配が困難な状況や欧州発の
航空座席が不足気味であるという声も聞かれており、一部、訪日需要の取りこぼしも生じている。
 訪日ドイツ人の利用フライト
2016 年 1 月~9 月の航空券購入データによると、ドイツにおける航空券の購入地の割合はフランクフルトが 37%、ミ
ュンヘンが 17%、ベルリンが 11%で上位 3 都市となっている。フランクフルトは欧州のハブ空港であり、成田、羽田、関
西、中部の各空港に週 40 便以上が就航しているため、直行便の利用者も多い。それと同時に、フランクフルト以外
を経由する便の利用者も増加している。その中で最も割合が高いのは、ヘルシンキを経由する便で、全体の 11%を
占める。販売数は、前年同時期に比べ約 2 倍に伸びており、2016 年 3 月に JNTO とフィンエアーが共同で欧州キャ
ンペーンを実施したことも販売数の増加に貢献したと考えられる。このヘルシンキ経由の便が最も多く購入されている
のはベルリンである。ベルリンからは日本への直行便がないため、わずかながら地理的にも日本に近いヘルシンキ経由
の便を利用する傾向がある。また、それぞれ 4%程度のシェアを持つパリ(前年同期比 41%増)経由、ロンドン(前年同
期比 131%増)経由での訪日も好調であり、いずれもベルリン、ミュンヘン、デュッセルドルフの 3 都市での購入が多くな
っている。直行便の機材変更に伴い座席供給量が減少したことや、日本発の座席の割り当てが増加したことにより、
安価な航空券の供給が少なかったことが、経由便の利用増加に影響したと考えられる。
9 月の主なプロモーション活動

9 月より航空会社との共同広告を開始し、一般消費者をターゲットに「お得な」訪日旅行を訴求している。その目
的は、ドイツにおける訪日検討の阻害要因の一つとして、日本への旅行費用が実際以上に高いと思われているイ
メージを払拭することである。JNTOフランクフルト事務所では、このような商品の購買を促す共同広告に加え、一
般消費者の訪日意欲を喚起する旅行目的地のイメージ広告や、メディアの取材支援による記事掲載など、総
合的なメディア展開を進めていく予定である。
ウェブサイトへの広告掲載の例